JP4624771B2 - レトルト容器用スパウト - Google Patents
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Description
しかし、高カロリー食品、介護用食品、栄養補助食品、離乳食品で代表される流動食品、たとえば、かゆ、すりつぶした魚肉、食肉、野菜などを1種以上含有したペースト、クリーム状の調理済み食品、半固形あるいは固形物を含む食品などのいわゆる「中性食品」と言われるものである場合には、内容物を詰めて密封し、通常、110〜125℃、10〜30分といった条件で加圧加熱殺菌を行うことが不可欠であるが、従来のスパウト構造ではかかる食品の加圧加熱殺菌対策として大きな問題があった。
この対策として、取出し口部の上端にメンブランを付着させることも考えられるが、飲食するときに小さなメンブランをつまんで剥がすのに手間と時間がかかり、また、剥がしたメンブランの処理も面倒であるため、実効性が乏しかった。
そして、製品となり、飲食のためキャップを緩め側に回動すると、キャップの内周側ラチェットと噛合っている径小筒部が回転しようとし、それによるねじれが脆弱部に作用する。このときに、脆弱部が軸線に対して非直角(非直交)に形成されているため、脆弱部全体に一時にねじれ負荷がかからず、最も上位位置の脆弱部部位などにねじれが作用して亀裂が入り、これが逐次的に伝播して切除される。したがって、指先の力が弱い要介護者などであっても、容易に開封することができるというすぐれた効果が得られる。
これによれば、キャップを回動し始めたときに脆弱壁部の一部が切除され始め、キャップの回動とともに漸次切除位置が移動して完全切除にいたるので、スムーズに開封を行なえる。
図1と図2は本発明によるスパウトを適用したレトルト食品容器を示しており、1はパウチ、2はスパウトであり、本体3とキャップ4からなっている。
5はパウチに収容された加圧加熱殺菌を必要とする食品であり、中性食品、たとえば高カロリー食品、介護用食品、栄養補助食品、離乳食品で代表される流動食品、たとえば、かゆ、すりつぶした魚肉、食肉、野菜などを1種以上含有したペースト、クリーム状の調理済み食品、半固形あるいは固形物を含む食品などである。
スパウト2の本体3とキャップ4は耐熱性の合成樹脂成形体からなっており、本体3は中間部にパウチ1の上縁部に装着されて熱シールされるシール用つば部3aを有し、そのシール用つば部3aよりも下方にはパウチ内に突入される注出パイプ部3bが設けられている。
キャップ4は、前記雄ねじ31に螺合する雌ねじ41を内周壁に有し、周壁の下部には数本の連結帯(スコア部)42を介してリング部4aが連設されている。該リング部4aはキャップの自然的な緩みと悪戯防止のためのもので、前記係止用のつば30に掛けられ、キャップ4の緩め時に連結帯42が切除されるようになっている。
本体3には、図3と図4に詳細を示すように、取り出しパイプ部3dの雄ねじ31よりも上位にある取出し口筒3d´の内側でかつこれの上端より所要距離下方の位置に、前記取出し口筒3d´と同心状の筒部3eを形成するとともに、これの上端から取出し口筒3d´の上端より突出する切断トルク導入用の径小筒部3fを連設している。径小筒部3fは筒部3eの天壁を底としてカップ状に構成されている。そして、径小筒部3fの外周には、時計方向に曲がった複数の追い羽根状のラチェット35が配設されている。それらラチェット35の外接円は筒部3eとほぼ同径になっている。
前記連結部33は、図3のように、全周が取出し口筒3d´の高さ方向で同一レベルにあるのではなく、意図的に所定の位置ずれを有せしめており、これに呼応して、脆弱部32は、取り出しパイプ部軸線CLと直交しておらず、傾斜角度αで交差している。すなわち、図3では、左端が取出し口筒3d´の最も奥にあり、180度対称の右端が取出し口筒3d´の入り口寄りにあり、その間で連続的に変化している。
したがって、筒部3eの長さは周方向で異長であり、図3では、左端がもっとも長く、右端がもっとも短く、その間で連続的に変化している。
前記スパウト本体3の取り出しパイプ部3dにはキャップ4が装着される。この状態では、図3と図4のように、突起45が径小筒部3fの穴に嵌り、ラチェット35と内周側ラチェット44が噛み合っている。
このときに、脆弱部32が取り出しパイプ部軸線と直交した水平にあると、ねじ切りに大きな力を要するが、本発明においては、脆弱部32が取り出しパイプ部軸線と直交しておらず、斜め角度で存している。すなわち取出し口筒3d´の口端から遠い部位(ラチェットかみ合い位置から高さ方向で遠い位置)から近い部位(ラチェットかみ合い位置から高さ方向で近い位置)へと連続的に変化している。このため、ねじ切りトルクの大きさが周方向で変化し、通常、キャップ4の回転時に、取出し口筒3d´の口端から近い部位に強いねじ切り力がかかり、ここに亀裂が入ってそれが伝播していく。
これに対して、本発明では、連結部33´が軸線に対して斜めになっているので、パウチ2を圧迫して収容物を注出するときの抵抗が周方向で漸次連続的に変化し、収容物が傾斜に即して徐々に排出されることになる。したがって、飲み込みも楽に行なえる。
2 スパウト
3 本体
3d 取り出しパイプ部
3e 筒部
3f 径小筒部
4 キャップ
32 脆弱部
35,44 ラチェット
45 突起
Claims (2)
- 上部に取出しパイプ部を有し下半部がパウチに挿入される本体と、前記取出しパイプ部の外周ねじに螺合する雌ねじを有するキャップとを備えたスパウトにおいて、前記本体の取出しパイプ部の上端より下方の内側に、取出しパイプ部内面とリング状の脆弱部を介してつながりかつわずかな空隙をおいて軸方向に延びる筒部と、これから上方に伸び、外周に追い羽根状のラチェットを有する径小筒部を連設し、キャップには前記径小筒部に嵌合する突起と、前記ラチェットと係合する内周側ラチェットを形成し、かつ前記筒部のリング状脆弱部がパイプ部軸線に対して非直交状に形成されていることを特徴とするレトルト容器用スパウト。
- 筒部の壁高さが周方向で異長であり、脆弱部がその異なる長さの筒部の付け根付近に肉薄壁として形成されている請求項1に記載のレトルト容器用スパウト。
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