JP4624505B2 - スペクトルデータ処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スペクトルデータ処理装置、特に被測定物のスペクトルデータを処理し、官能基の情報を詳しく分析できるデータ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
分光分析測定は、未知試料の同定や定量などに広く用いられており、現在の研究において約70%が分光分析測定を最終計測手段として用いていると言われている。このように分光分析測定が広く用いられている要因は、大量の化学薬品を必要としないために分析コストが安く環境汚染の恐れが少ないこと、迅速に分析することが可能であること、同一試料を反復して使用できることなどの利点があることが挙げられる。
【0003】
従来、IRやラマン等の分光分析装置においては、試料のスペクトルデータを取り込み、そのデータをグラフにして表示していた。特に時間−波数−光強度、或いは温度−波数−光強度などのいわゆる時系列データに対する波数と光強度の関係を示す三次元グラフを構成し表示するものについては、あるピーク部分を選択すると、選択したピーク部分における波数の二次元グラフを再構成し、出力するものがあった。
【0004】
また官能基名を指定し、その官能基がもつ吸収波数に基づいて、指定された官能基のクロマトグラムを等時間間隔の吸収スペクトルデータから作成する装置が特許公報第2682040号に公開されている。
【0005】
しかし、得られたスペクトルデータから構成されたグラフのピーク部分を指定することでそのピーク部分の波数を吸収波数とする官能基名が表示されるデータ処理装置や、官能基名を指定し、温度変化に対する吸収スペクトルデータから、指定された官能基がもつ吸収波数における吸収強度の温度変化曲線を作成する装置はなかった。
【0006】
また面分析を行った際には、官能基名、或いは任意の波数を指定し、得られたスペクトルデータから指定された官能基がもつ吸収波数および指定された波数におけるX軸−Y軸−吸収強度の三次元グラフを指定された官能基名および指定された波数を吸収波数とする官能基名と共に表示するデータ処理装置もなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように得られたスペクトルデータから構成されたグラフのピーク部分を指定することでそのピーク部分に対応する波数を吸収波数領域にもつ官能基名が表示されるデータ処理装置がなかったため、測定試料に含まれる官能基を判定するのは測定者自身で行わなければならなかった。
【0008】
また官能基名を指定し、温度変化に対する吸収スペクトルデータから、指定された官能基がもつ吸収波数における吸収強度の温度変化曲線を表示する装置がなかったため、測定者がデータ処理して特定の官能基がもつ吸収波数領域の温度変化を調べていた。
【0009】
更に面分析を行った際には、官能基名を指定し、得られたスペクトルデータからその官能基がもつ吸収波数におけるX軸−Y軸−吸収強度の三次元グラフを表示するデータ処理装置もなかったため、各ポイント(座標(X、Y))における吸光度と波数の関係を解析しそのポイントにおけるある官能基の同定や定量を行っていた。
【0010】
更に前述したデータ解析において、測定者は官能基の吸収波数領域を覚えていなければならず、覚えていないときは調べなければならないうえ、官能基の吸収波数領域は単一であるものが少なく、ほとんどが複数にわたっている。このためデータ解析は大変煩雑であり、膨大な労力が必要とされた。
【0011】
本発明は前記課題に鑑みなされたものであり、スペクトルデータからの官能基の同定や定量における解析の煩雑さを省き、迅速で正確な解析を行い得る装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明におけるデータ処理装置は、被測定物のスペクトルデータを取り込むスペクトルデータ取り込み手段と、前記データ取り込み手段において取り込まれた前記被測定物のスペクトルデータから時間−波数−吸収強度、温度−波数−吸収強度などの特定変数−波数−吸収強度の三次元グラフを構成し出力するデータ処理手段と、前記データ処理手段からの出力を表示する表示手段と、前記表示手段に表示された三次元グラフから、任意のピーク部分、或いは任意のピークに対応する波数を指定し入力することによって、検索波数を指定入力する指定入力手段と、複数の官能基につき、吸収波数領域の情報を記憶した官能基情報記憶手段と、前記指定入力手段によって指定された検索波数を吸収波数領域にもつ官能基を前記官能基情報記憶手段から読み出し、該当する官能基名を前記表示手段に出力する官能基読み出し手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また本発明において、該データ処理手段で構成された三次元グラフを、指定入力手段によって指定された検索波数において二次元グラフに変換し、該表示手段に出力することが好適である。
また本発明において、該指定入力手段によって、n個の検索波数が指定入力された際に、第1〜第nそれぞれの検索波数について、各々の検索波数を吸収波数領域にもつ官能基を該官能基情報記憶手段からそれぞれ読み出し、前記読み出された官能基が第1〜第nの検索波数の複数個に重複して現れた場合は、その重複した数により区別して官能基名を該表示手段に出力することが好適である。
【0014】
また本発明において、該データ取り込み手段によって取り込まれたスペクトルデータに温度変化を含む際に、該指定入力手段は任意の官能基名を指定し入力することができ、該官能基読み出し手段は、前記指定入力手段で指定された官能基がもつ吸収波数領域を前記官能基情報記憶手段から読み出し、出力し、該データ処理手段が、前記官能基読み出し手段から出力された吸収波数における吸収強度の温度変化曲線を構成し、該表示手段に出力することが好適である。
【0015】
さらに本発明は、被測定物の面分析によるスペクトルデータを取り込むスペクトルデータ取り込み手段と、複数の官能基につき、吸収波数領域の情報を記憶した官能基情報記憶手段と、任意の官能基名、或いは、検索波数を指定し入力する指定入力手段と、前記指定入力手段によって官能基名が指定された場合には指定された官能基がもつ吸収波数領域を前記官能基情報記憶手段から読み出し、出力し、前記指定入力手段によって検索波数が指定された場合には指定された検索波数を吸収波数領域にもつ官能基名を前記官能基情報記憶手段から読み出し、出力する官能基読み出し手段と、前記官能基読み出し手段の出力を受けて、前記指定入力手段によって指定された官能基がもつ吸収波数、または検索波数におけるX軸−Y軸−吸収強度の三次元グラフを構成し、出力するデータ処理手段と、前記データ処理手段の出力を前記指定入力手段によって指定された官能基名または検索波数を吸収波数領域にもつ官能基名と共に表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また本発明において、面分析によるスペクトルデータは、X軸、Y軸、波数、吸収強度の少なくとの4つの次元のデータからなり、該指定入力手段によって三つ、或いは二つの次元を指定入力することによって、前記指定入力手段によって指定された次元のグラフをデータ処理手段によって構成し、表示手段に出力することが好適である。
また本発明において、該データ処理手段によって構成された三次元グラフから、更に必要に応じて等高線図、色分け図、鳥瞰図を再構成し、該表示手段に同時、或いは個別に出力することが好適である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を用いて、本発明を詳しく説明する。
図1は本発明における一実施形態の装置の概要図を示したものである。
【0018】
第一実施形態
この図1におけるデータ処理装置2は、被測定物のスペクトルデータを取り込むスペクトルデータ取り込み手段4と、前記データ取り込み手段4において取り込まれた前記被測定物のスペクトルデータから時間−波数−吸収強度、温度−波数−吸収強度などの特定変数−波数−吸収強度の三次元グラフを構成し出力するデータ処理手段6と、前記データ処理手段6からの出力を表示する表示手段8と、前記表示手段8に表示された三次元グラフから、任意のピーク部分、或いは任意のピークに対応する波数を指定し入力することによって、検索波数を指定入力する指定入力手段10と、複数の官能基につき、吸収波数領域の情報を記憶した官能基情報記憶手段12と、前記指定入力手段10によって指定された検索波数に吸収波数をもつ官能基を前記官能基情報記憶手段12から読み出し、該当する官能基名を前記表示手段8に出力する官能基読み出し手段14とを備える。
【0019】
時系列データに対する各波数における光強度変化スペクトルデータを解析し、官能基を特定し得る第一実施形態においてスペクトルデータ取り込み手段4は、被測定物のスペクトルデータをフロッピーなどに記憶したスペクトルデータ記憶媒体16を使用することにより、以前に得られた被測定物の測定データを解析することや、被測定物のスペクトルを検出する検出器18、検出器18の検出信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するA/D変換器20を使用することによって被測定物の測定を行いながらにしてスペクトルデータを取り込むことができる。
【0020】
またデータ処理手段6によって構成されたグラフは、表示手段8にあたるディスプレイ22を使用することによって画面上に、或いはプリンタ24を使用することによって紙面上に表示される。そして任意のピークに対応する波数を指定入力するキーボード26、或いは、ディスプレイ22に表示されたグラフの任意のピーク部分を指定入力するマウス28が指定入力手段10として使用されている。
【0021】
複数の官能基につき、吸収波数領域の情報を記憶した官能基情報記憶手段12としては、フロッピーディスク30、またはCD32、或いはデータ処理手段6として使用しているコンピュータ34に内蔵されるハードディスク36などの記憶媒体に記憶させて使用している。
本実施形態においてはコンピュータ34がデータ処理手段6と官能基読み出し手段14の二つを兼ねている。
【0022】
図2は第一実施形態のスペクトルデータのピークの波数から官能基を同定する装置を作動させた際の動作の流れを示したブロック図である。以下この図2を用いて本発明の装置がどのように作動するのかを詳しく説明する。
【0023】
装置をスタートさせると、スペクトルデータを取り込み、そのデータをもとに三次元グラフを表示する。図3は被測定物のスペクトルデータから構成された時間−波数−吸収強度の三次元グラフである。この三次元グラフが表示された後、測定者に任意のピーク部分、またはピーク部分に対応する波数(波長)の選択するように要求するので、測定者は任意のピーク部分をマウスによって、或いは、ピーク部分に対応する波数を入力する。
【0024】
測定者が任意のピーク部分を選択すると、装置は官能基情報記憶手段である官能基ライブラリから官能基を検索し、選択されたピーク部分に対応する波数を吸収波数にもつ官能基を読み込み、官能基を表示する。このように本発明におけるスペクトルデータ処理装置によれば、測定試料に存在する可能性のある官能基を容易に知ることができる。
【0025】
なお本発明の実施形態においては、特定のピーク部分或いは波数が指定入力された際には、選択された検索波数でより詳しく解析を行えるように官能基名と共に指定された波数における時間−吸収強度或いは温度−吸収強度などの時系列データと吸収強度の二次元グラフを構成し、出力することが好適である。本実施形態においてもそのように構成されており、図4は図1に示した一実施形態において、選択した二ヶ所の波数における二次元グラフをディスプレイ22に表示された二次元グラフをプリンタ24で打ち出したものである。
【0026】
また本発明においては、三次元グラフに現れた複数のピークを測定者が選択することもでき、選択された複数の検索波数の内、いくつの検索波数を吸収波数としてもっているのかによって官能基名を区別して表示することが好適である。図1に示した一実施形態においては、スペクトルデータに現れたピークを複数選択した場合には、例えば三つの波数が選択された場合その三つの検索波数すべてを吸収波数とする官能基は青、二つは赤、一つは黒などの表示する色により区別して官能基名をディスプレイ22、或いはプリンタ24によって紙面等に表示できる。このようにしておくことで表示された官能基が測定試料に存在する確率の高低を知ることができる。
【0027】
なお官能基名を区別する表示方法は、本実施形態のように色による区別に限定されるものではなく、三つの波数を吸収波数とする官能基の欄、二つの波数を吸収波数とする官能基の欄、一つの波数を吸収波数とする官能基の欄というように表示欄別の区別も可能であり、これら区別の方法は特に限定されない。
【0028】
また特定の官能基名を指定入力手段であるキーボード26やマウス28によって入力することによって、指定された官能基がもつ吸収波数領域をフロッピーディスク30、またはCD32、或いはコンピュータ34に内蔵されるハードディスク36などの記憶媒体より読み出しコンピュータ34によって指定された官能基がもつ吸収波数での吸収強度の温度変化曲線を構成し、ディスプレイ22やプリンタ24に出力することが好適である。
【0029】
本実施形態においては、スペクトルデータに温度変化のデータがある場合、「温度変化曲線を作成するか」を測定者に訊ね、測定者が「作成する」ことを選択した場合は官能基名を入力するように要求する。測定者は、前段階で表示された官能基名リストから被測定物に存在する確率の高い官能基が容易に知ることができているからその官能基名を入力できる。もしこの段階で測定者が「温度変化曲線を作成しない」を選んだ場合、さらに「解析を続行するか」を測定者に訊ね、「続行する」場合は波数(波長)を選択させる段階に戻り、「続行しない」場合は動作を終了する。
【0030】
温度変化曲線を作成したい官能基名を入力された装置は、指定された官能基がもつ吸収波数領域を官能基ライブラリから検索し、指定された官能基がもつ吸収波数における波数位置のピーク部分の温度変化を追って行き、温度変化による吸収強度の変化曲線を構成し、測定者に表示する。
【0031】
その後、他の官能基で温度変化曲線を作成するかが訊ねられ、「する」が選択されたときは官能基名を入力させる段階に戻る。「しない」が選択された場合は、さらに解析を続行するのかを訊ね、ここで「する」が選択されたときは、三次元グラフから任意のピーク部分、或いはそのピークに対応する波数を選択させる段階に戻り、ここでも「しない」が選択された場合には装置の動作を終了する。
【0032】
なお本発明のいう温度変化のデータとは、データが採取された直後の段階から温度という次元の変数として計測されていることを要件としない。つまり、データが採取された時点においては、時間、波数、吸収強度で計測されていたとしても、測定開始時の初期温度がT℃であり、t℃/minで温度が変化するということがデータとして存在したならば、採取されたデータの時間軸は、温度の次元と置き換えが可能であることは明らかである。よって本発明において、採取されたデータに温度変化を含むとは、温度を一つの変数として扱うことのできる状態にあるデータをいうものとする。
【0033】
なお本発明はこの実施形態のみに限定されるものではなく、例えばデータ処理手段6や表示手段8などはコンピュータ34やディスプレイ22、プリンタ24などに限定されるものでなく特許請求の範囲に記載された構成を有する装置をその範囲とする。
【0034】
また官能基名を指定する方法は実際に官能基名をキー入力するものや、官能基情報記憶手段に記憶された官能基リストを表示手段8に表示し、マウス28などのコントローラを用いて選択するもの、リストの官能基に番号を付与し番号をキー入力するなどの方法が考えられるがこれら指定入力の方法は特に限定しない。
また、指定入力手段はキーボードやマウスに限定されるものではない。
【0035】
続いて本発明における被測定物の面分析を行ったスペクトルデータを処理する装置について説明する。
第二実施形態
被測定物の面分析を行ったデータを処理する装置の概要も、やはり図1と同様の構成となるがその作用が異なる。図1を参照にして説明すると、被測定物の面分析によるスペクトルデータを取り込むスペクトルデータ取り込み手段4と、複数の官能基につき、吸収波数領域の情報を記憶した官能基情報記憶手段12と、任意の官能基名、或いは、検索波数を指定し入力する指定入力手段10と、前記指定入力手段10によって官能基名が指定された場合には指定された官能基がもつ吸収波数領域を前記官能基情報記憶手段12から読み出し、出力し、前記指定入力手段10によって検索波数が指定された場合には指定された検索波数を吸収波数領域にもつ官能基名を前記官能基情報記憶手段12から読み出し、出力する官能基読み出し手段14と、前記官能基読み出し手段14の出力を受けて、前記指定入力手段10によって指定された官能基がもつ吸収波数、または検索波数におけるX軸−Y軸−吸収強度の三次元グラフを構成し、出力するデータ処理手段6と、前記データ処理手段6の出力を前記指定入力手段10によって指定された官能基名または検索波数を吸収波数領域にもつ官能基名と共に表示する表示手段8とを備える。
【0036】
前記のような構成によって、キーボード26やマウス28等の指定入力手段10によって特定の官能基名、或いは、検索波数を指定すると、指定入力手段10によって特定の官能基名が指定された場合には、指定された官能基がもつ吸収波数をフロッピーディスク20や、CD22、或いはハードディスク24から読み出し、検出器18及びA/D変換器20によって測定を行いながら取り込まれるデータ、或いは以前に測定されたスペクトルデータを記憶させた記憶媒体16より取り込まれるデータを基にして、指定した官能基が帰属する波数におけるX軸−Y軸−吸収強度の三次元グラフをディスプレイ22上に、或いはプリンタ24によって紙面等に指定された官能基名と共に表示される。
【0037】
指定入力手段10によって検索波数が指定された場合には、指定された検索波数を吸収波数とする官能基名をフロッピーディスク20や、CD22、或いはハードディスク24から読み出し、検出器18及びA/D変換器20によって測定を行いながら取り込まれるデータ、或いは以前に測定されたスペクトルデータを記憶させた記憶媒体16より取り込まれるデータを基にして、指定した検索波数におけるX軸−Y軸−吸収強度の三次元グラフをディスプレイ22上に、或いはプリンタ24によって紙面等に官能基名と共に表示される。
【0038】
なお本発明において、キーボード26或いはマウス28によって、表示するグラフの軸にどの次元を対応させるかをX軸、Y軸、波数、吸収強度のいずれかの三つ、或いは二つを選択することによって、表示手段に選択された軸によるグラフが表示されることが好適である。
【0039】
図5は、第二実施形態のマッピングスペクトルのデータを処理する装置を作動させた際の動作の流れを示したブロック図が示されている。以下この図5を用いて、本発明の装置がどのように作動するのかを詳しく説明する。
【0040】
装置をスタートし、スペクトルデータを取り込ませる。装置がデータの取り込みを完了すると、測定者に官能基を指定するのか、波数を指定するのか、グラフ軸を指定するのかを訊ねてくるのでいずれかを測定者が選択する。
【0041】
官能基、波数、グラフ軸のいずれかを選択するステップで官能基名を指定するを選択した場合は、装置が指定する官能基名の入力待ちになるので測定者は官能基名を入力する。測定者が任意の官能基名を入力すると、装置は官能基情報記憶手段である官能基ライブラリから官能基を検索し、入力された官能基がもつ吸収波数を読み込み、その波数におけるX軸−Y軸−吸収強度の三次元グラフを指定した官能基名と共に表示する。そしてさらに解析を続けるかを聞いてくるので「続ける」が選択された場合は官能基、波数、グラフ軸のいずれかを選択するステップに戻り、「続けない」が選択された場合は装置の作動は終了する。
【0042】
また、官能基、波数、グラフ軸のいずれかを選択するステップで波数を指定するを選択した場合は、装置が指定する波数の入力待ちになるので測定者は波数を入力する。測定者が任意の波数を入力すると、装置は官能基情報記憶手段である官能基ライブラリから入力された波数を吸収波数としてもつ官能基を検索し、その官能基を読み込み、入力された波数におけるX軸−Y軸−吸収強度の三次元グラフを入力された波数を吸収波数としてもつ官能基名リストと共に表示する。そしてさらに解析を続けるかを聞いてくるので「続ける」が選択された場合は官能基、波数、グラフ軸のいずれかを選択するステップに戻り、「続けない」が選択された場合は装置の作動は終了する。
【0043】
図6は波数を指定した際にディスプレイに表示された三次元グラフの鳥瞰図である。この図を見てもわかるように被測定平面内の変化状態が大変よくわかるものとなっている。
【0044】
また、グラフ軸を指定するを選んだ場合、解析したいグラフが二次元か三次元かを再び訊ねてくるので、測定者はそのどちらかを選択し、入力する。そして三次元のグラフを指定した場合はX軸、Y軸、波数、吸収強度などの変数の中から三つを、二次元を選択した場合は二つを選択する。すると装置は、排除される変数をいくつに固定するかを訊ねてくるので、固定する数値を入力する。すると設定した条件でのスペクトルデータのグラフが表示される。そしてさらに解析を続けるかを聞いてくるので「続ける」が選択された場合は官能基、波数、グラフ軸のいずれかを選択するステップに戻り、「続けない」が選択された場合は装置の作動は終了する。
【0045】
ここで図5には記載していないが、グラフを表示した後に表示したグラフが三次元ならば、図2の任意のピーク部分、またはピーク部分に対応する波数(波長)の選択をさせるステップに飛ばすこともできる。
【0046】
また通常、面分析で取り込まれるデータは時系列データではないが、初めに取り込まれたデータが温度変化の時系列データを含むならば、あるポイント(X,Y)におけるある波数での光強度の温度変化曲線を作成するために、図2の「温度変化曲線を作成するか」と言うステップに飛ばすこともできる。このようにすれば、より詳しい分析を行うことが可能である。そして図2の「解析続行か」というステップで「続行」ならば官能基、波数、グラフ軸のいずれかを選択するステップに戻り、「続行しない」が選択された場合は装置の作動は終了するようにすればループができあがり問題なく解析することができる。
【0047】
もちろん、ある波数、或いは官能基名を指定して、X−Y−吸収強度のグラフを解析し、被測定物平面内のあるポイント(x、y)においてさらに解析を行いたいと考えたならば、グラフ軸を指定するを選択し、縦軸に吸収強度、横軸に波数を取って、X=x、Y=yと指定しすれば、ポイント(x、y)におけるより詳しい解析を行うことができる。また二次元でなくても高さ方向の軸に吸収強度、縦軸にY、横軸に波数をとり、X=xに固定すればX=xにおけるY軸方向の吸光度と波数の関係がわかり、被測定物平面のポイントだけでなく、軸方向についての変化などの解析を行うこともできる。
【0048】
図7はX=xにおけるY軸方向の波数と吸収強度の関係の変化を示した三次元グラフである。グラフを見てもわかるとおりX=xにおけるY軸方向の波数と吸収強度の変化がよくわかり、今まで煩雑であった面分析が、手間と取らずに行うことができる。
【0049】
なお、本発明においては、第一実施形態における時間−波数−吸収強度、温度−波数−吸収強度或いは第二実施形態における指定した官能基が帰属する波数或いは任意に波数におけるX軸−Y軸−吸収強度のなど、表示手段に表示された三次元グラフを測定者の選択により、等しい波数強度での等高線図や、いくつかのグラフを重ねて表示した場合や特定の官能基を指定した場合にその官能基に帰属するピーク部分などを色分けして表示した色分け図、解析する際に表示された三次元グラフの視点を変えて表示する鳥瞰図などを再構成することができると解析の際にグラフが見易くなって良い。なお本発明はここで記述した等高線図、色分け図、鳥瞰図だけに限定されるものでない。
【0050】
また本発明において、波数とは1cm中に何周期分の波を含むかを表しており、この波数は、波長の逆数で表されるものであるから、波数は実質的に波長と同義のものであり、本発明における請求項中、波数を波長に置き換えたものは実質的に本発明と同じものであり、本発明の範囲に含まれるものである。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明におけるデータ処理装置によれば、測定者は得られたスペクトルデータから特徴的なピークを選び出し、その検索波数を入力するだけで、試料中に含まれる可能性のある官能基名を得られるので、同定するための手間を省くことができる。
また、検索波数が入力された際に、検索波数における時間−吸収強度、温度−吸収強度等の二次元グラフを構成し、表示手段に出力される構成によれば、詳しくスペクトルデータを解析することが可能である。
また、複数の検索波数が入力された際に、検索波数をいくつ吸収波数としてもつかによって官能基名を区別して表示し得る構成によれば、スペクトルデータから複数のピークをもつ多くの官能基を調べ上げ、その中からどの官能基が実際に存在するのかを割り出す手間を大きく省くことが可能となる。
また、指定された官能基がもつ吸収波数における吸収強度の温度変化曲線を出力する構成によって、指定された官能基が示すピーク波数の温度変化が手間をとらずに解析できる。
また本発明におけるデータ処理装置によれば、面分析を行って際に、被測定物表面の各ポイントにおける解析をより容易に行うことが可能となる。
また、グラフ軸似たいおうする変数を任意に設定できるためより詳しい面分析のデータ解析が可能となる。
また、三次元グラフを等高線図、色分け図、鳥瞰図などに変換表示することでスペクトルデータの解析に際してより見やすいデータを測定者に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における一実施形態の装置概要図である。
【図2】本発明のスペクトルデータのピークの波数から官能基を同定する装置を作動させた際の動作の流れを示したブロック図である。
【図3】図3は被測定物のスペクトルデータから構成された時間−波数−吸収強度の三次元グラフである。
【図4】図4は選択した二個所の波数における二次元グラフである。
【図5】本発明のマッピングスペクトルのデータを処理する装置を作動させた際の動作の流れを示したブロック図である。
【図6】波数を指定した際にディスプレイに表示された三次元グラフの鳥瞰図である。
【図7】X=xにおけるY軸方向の波数と吸収強度の関係の変化を示した三次元グラフである。
【符号の説明】
2:データ処理装置
4:データ取り込み手段
6データ処理手段
8:表示手段
10:指定入力手段
12:官能基情報記憶手段
14:官能基読み出し手段
16:スペクトルデータ記憶媒体
18:検出器
20:A/D変換器
22:ディスプレイ
24:プリンタ
26:キーボード
28:マウス
30:フロッピーディスク
32:CD
34:コンピュータ
36:ハードディスク

Claims (3)

  1. 被測定物のX軸及びY軸で特定される面の面分析によるスペクトルデータを取り込むスペクトルデータ取り込み手段と、
    複数の官能基につき、吸収波数領域の情報を記憶した官能基情報記憶手段と、
    前記スペクトルデータ取り込み手段によりスペクトルデータを取り込んだ後に官能基名の入力を求め入力待ちの状態とする手段と、
    任意の官能基名を指定し入力する指定入力手段と、
    前記指定入力手段による官能基名の入力により、指定された官能基がもつ吸収波数領域を前記官能基情報記憶手段から読み出し、出力する官能基読み出し手段と、
    前記官能基読み出し手段の出力を受けて、前記指定入力手段によって指定された官能基がもつ吸収波数におけるX軸−Y軸−吸収強度の三次元グラフを構成し、出力するデータ処理手段と、
    前記データ処理手段の出力を表示する表示手段とを備えたことを特徴とするスペクトルデータ処理装置。
  2. 請求項1記載のデータ処理装置において、面分析によるスペクトルデータは、X軸、Y軸、波数、吸収強度の少なくとも4つの次元のデータからなり、
    該指定入力手段によって三つ、或いは二つの次元を指定入力することによって、前記指定入力手段によって指定された次元のグラフをデータ処理手段によって構成し、表示手段に出力することを特徴とするスペクトルデータ処理装置。
  3. 請求項1及び2いずれか記載のデータ処理装置において、該データ処理手段によって構成された三次元グラフから、更に必要に応じて等高線図、色分け図、鳥瞰図を再構成し、該表示手段に同時、或いは個別に出力することを特徴とするスペクトルデータ処理装置。
JP30262798A 1998-10-23 1998-10-23 スペクトルデータ処理装置 Expired - Lifetime JP4624505B2 (ja)

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