JP4623768B2 - 光電変換材料およびその製造方法ならびに光電変換装置 - Google Patents

光電変換材料およびその製造方法ならびに光電変換装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光電変換材料およびその製造方法、光電変換装置、ならびにそれらに用いるための光増感剤に関し、特に、光電池などの光電変換素子等に用いられる光電変換材料およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光電変換材料とは、光エネルギを電気エネルギに変換する材料をいう。光電変換材料に光を照射すると、その材料において束縛されていた電子が光エネルギによって自由に動けるようになり、自由電子とホールが生成される。生成された自由電子とホールとが効率よく分離されれば、光電変換材料において光エネルギから電気エネルギを連続的に取出すことができる。このような光電変換材料は、たとえば太陽電池などに利用される。
【0003】
近年、光増感色素を用いた変換効率の高い湿式太陽電池が広く注目されるようになった。そのような湿式太陽電池は、たとえば、半導体電極、対電極、およびそれらの電極間に挟持された電解質層とから主に構成される。光電変換材料である半導体電極において、半導体表面には、可視光領域に吸収スペクトルを有する光増感色素が付着させられている。そのような電池において、半導体電極に光が照射されると、この電極側で電子が発生し、該電子は電気回路を通って対電極に移動する。対電極に移動した電子は、電解質中のイオンによって運ばれ、半導体電極に戻る。このような過程が繰返されて電気エネルギが取出される。
【0004】
特開平1−220380号公報は、金属酸化物半導体の表面に遷移金属錯体などの光増感色素が付着された太陽電池を開示する。その太陽電池の製造方法において、金属酸化物半導体は、光増感色素を含有する水溶液に、室温下で浸漬され、それにより、半導体の表面に光増感色素が付着される。
【0005】
国際公開公報No.WO91/16719およびそれに相当する特表平5−504023号公報は、金属イオンまたはホウ素がドープされた二酸化チタン層上に、光増感剤が塗布された光電池を開示する。この光電池において、光増感剤は、配位子が二座、三座または全座ポリピリジル化合物である、未置換のまたは置換された遷移金属錯体、および少なくとも1つの配位子が単核シアノ含有ピリジル化合物を含む、遷移金属錯体を含む。そのような光電池の製造方法において、二酸化チタン半導体層は、光増感剤を含むエタノール溶液におかれ、それにより半導体層上に光増感剤が付着される。
【0006】
国際公開公報No.WO94/05025は、蛍光増白化合物およびフタロシアニン化合物から選択される光増感剤が、二酸化チタン層に付着された、光電池を開示する。そのような光電池の製造方法において、光増感剤はエタノールに溶解され、得られたエタノール溶液が、二酸化チタン層に光増感剤を付着させるために用いられる。
【0007】
特開平7−249790号公報は、太陽電池に用いられる光電変換材料の製造方法において、半導体と光増感色素とを含む液体を加熱還流して、半導体の表面に光増感色素を吸着させることを開示する。同公報は、光増感色素として、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニンなどの金属フタロシアニン、クロロフィル、ヘミン、特開平1−220380号公報および特表平5−504023号公報に記載されるルテニウム、オスミウム、鉄または亜鉛の錯体、メタルフリーフタロシアニン、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素およびトリフェニルメタン色素を用いることができることを開示する。また同公報は、光電変換材料の製造において、光増感色素をその中に溶解させるための液体として、水、アルコール、トルエンまたはジメチルホルムアミドが用いられ得ることを開示する。一方、同公報は、シス−(SCN)2 −ビス(2,2′−ビピリジル−4,4′−ジカルボキシレート)ルテニウム(II)をエタノールに溶解し、このエタノール溶液に酸化チタン膜を有するガラス板を入れ、エタノール溶液の加熱還流を行なって、酸化チタン膜に色素を吸着させた具体例しか示していない。同公報は、該ルテニウム錯体以外の光増感色素が、光電変換材料にとって実際に有用であるかどうかを何ら裏付けるものではない。また、同公報は、エタノール以外の溶媒が、光電変換材料の製造において光増感色素を溶解させるために実際に用いることができるかどうかについて何ら情報を提供し得るものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術において光電変換材料の実際の製造には光増感色素のエタノール溶液が用いられてきたにもかかわらず、本発明者らは、そのようなエタノール溶液が、光増感色素を半導体に付着させるため、必ずしも適当なものではないことを見出した。本発明者らは、エタノールなどの親水性溶媒は、水を比較的多く含み得、そのような水が半導体表面の活性点と反応して色素の吸着を妨げ、必要な量の色素を半導体表面に強く固定することができないことを見出した。半導体に固定される色素の量が少なくなれば、得られる光電変換材料の光電変換効率は低下する。また本発明者らは、空気中の水分を吸収しやすいエタノールなどの親水性溶媒は、製造工程中に半導体表面に水を吸着させ、半導体の寿命を短くする原因になっていることを見出した。
【0009】
したがって、上述したような水の影響を排除するため、親水性溶媒から水を除く工程が必要である。しかし、本発明者らは、脱水工程を行なったとしても、エタノールの水酸基が、半導体表面の活性点と反応して色素の吸着を妨げ得、必要な量の色素を吸着しにくくし、また、色素の強固な吸着を妨げ得ると考えた。
【0010】
一方、国際公開公報No.WO94/05025に記載される種々のフタロシアニン誘導体は、一般の有機溶媒に溶解しにくいものであるため、これの望ましい量を半導体に分子状態で吸着させるのは困難であると考えられた。多くの光増感色素は、有機溶媒に溶けにくいことがわかった。半導体への吸着のため、十分な濃度の色素を含有する溶液が得られない場合、高い光電変換効率を有する材料を得ることができないことがわかった。
【0011】
本発明の目的は、比較的高い光電変換効率を有する光電変換材料を提供することである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、比較的高い光電変換効率を有する光電変換材料を容易かつ安価に製造できる方法を提供することである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、比較的高い光電変換効率を有する材料を用いて、太陽電池などの光電変換装置を提供することである。
【0014】
本発明のさらなる目的は、上述した水および水酸基の影響を排除することのできる、光電変換材料の製造方法を提供することである。
【0015】
本発明のさらなる目的は、従来技術においてその有用性が実証されてこなかった色素を用いて、実際に有用な光電変換材料を提供することである。
【0016】
本発明のさらなる目的は、有機溶媒に溶解しやすく、実際に有用な光電変換材料用光増感剤を提供すること、およびそのような光増感剤を用いて光電変換材料を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、光増感剤として機能する色素を1種または2種以上の疎水性および/または非プロトン性の溶媒に溶解させる工程と、該色素を含む溶媒を半導体に接触させて、該色素を半導体に付着させる工程とを含む、光電変換材料の製造方法が提供される。色素の溶解に非プロトン性溶媒を用いれば、溶媒の水酸基が半導体表面の活性点と反応することを回避することができる。色素の溶解に疎水性溶媒を用いれば、さらに上述した水の影響を最小限に抑えることができる。
【0018】
本発明において、疎水性および/または非プロトン性の溶媒に対し高い溶解度を示す光増感剤が好ましく用いられる。そのような光増感剤は、少なくとも1個のインターロッキング基と、1価の置換および非置換脂肪族炭化水素基ならびに1価の置換および非置換脂環式炭化水素基からなる群より選ばれる少なくとも1個の疎水基とを有する有機化合物色素または有機金属化合物色素からなる。そのような疎水基は、色素において金属に直接結合する基を構成するものではないことが好ましい。そのような疎水基は、3〜12の炭素原子を有するアルキル基であることが好ましい。ここで、インターロッキング基(interlocking group)は、色素の発色基と半導体の伝導帯との間に電気的結合を提供する機能を有する基を指す。色素は、一般に、半導体の表面にインターロッキング基を介して付着される。インターロッキング基に関し、国際公開公報No.WO91/16719およびそれに対応する特表平5−504023号公報をここに引用により援用する。本発明において、インターロッキング基は、カルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、カルボキシアルキル基、メルカプト基およびホスホノ基からなる群より選ばれる少なくとも1つとすることができる。
【0019】
本発明によれば、半導体と、半導体に付着される光増感剤とを含み、そこにおいて光増感剤が上述したような少なくとも1個のインターロッキング基と少なくとも1つの疎水基とを有する有機化合物色素または有機金属化合物色素からなる、光電変換材料が提供される。この光電変換材料において、半導体は酸化チタンであることが好ましい。該半導体は、粒子または膜の形態とすることができる。
【0020】
本発明によれば、少なくとも1つのインターロッキング基と、少なくとも1つの疎水基とを有する上述したような有機化合物色素または有機金属化合物色素を疎水性および/または非プロトン性の溶媒に溶解させる工程と、該色素を含む溶媒を半導体に接触させて該色素を半導体に付着させる工程とを含む、光電変換材料の製造方法が提供される。
【0021】
本発明によれば、上述したような光電変換材料と、該光電変換材料に電気的に接続される電極とを含む、光電変換装置が提供される。たとえば、本発明に従って、上述した光電変換材料と、導電膜と、該光電変換材料と該導電膜との間に挟持された電解質とを含む太陽電池が提供される。
【0022】
本発明によれば、光電変換装置が提供され、該装置は、第1の導電層と、第1の導電層上に形成された半導体層と、半導体層上に形成された、少なくとも1つのインターロッキング基と少なくとも1つの疎水基とを有する上記光増感剤からなる層と、光増感剤からなる層上に設けられた電解質層と、電解質層に接触する第2の導電層とを含む。第1の導電層および/または第2の導電層は、光透過性とすることができる。半導体層は、酸化チタンからなることが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明において、光増感色素が付着(吸着または結合)される半導体は、特に限定されることなく、一般に光電変換材料に使用されるものを含み、たとえば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウムなどの公知の半導体を含む。本発明において、これらの半導体から1種またはそれ以上を選択することができる。安定性および安全性の点から、酸化チタンはより好ましい半導体材料である。本発明で使用される酸化チタンは、アナタース型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン酸、オルソチタン酸などの各種の狭義の酸化チタン、ならびに、水酸化チタン、含水酸化チタン等を包含する。半導体は、粒子状、膜状等の形態とすることができる。特に、導電性支持体上に、酸化チタン膜などの半導体膜を形成するのが好ましい。
【0024】
半導体膜を基板上に形成する場合、たとえば、ガラス基板、プラスチック基板等を使用することができ、特に透明な基板が好ましく用いられる。半導体膜は、公知の種々の方法によって基板上に形成できる。具体的には、そのような方法は、基板上に半導体粒子を含有する懸濁液を塗布し、乾燥かつ/または焼成する方法、必要な原料ガスを用いたCVDまたはMOCVD等により基板上に半導体膜を形成する方法、固体原料を用いるPVD法、蒸着法またはスパッタリング法、ゾルゲル法等を含む。形成される半導体膜の厚みは、特に限定されるものではないが、0.1〜50μm程度が好ましい。
【0025】
半導体粒子として、市販されている適当な平均粒径たとえば1nm〜2000nmの範囲の平均粒径を有する単体の半導体または化合物の半導体の粒子を用いることができる。半導体粒子は、適当な溶媒に懸濁して使用することができる。そのような溶媒は、エチレングリコールモノメチルエーテル等のグライム系溶媒、イソプロピルアルコール等のアルコール類、イソプロピルアルコール/トルエン等のアルコール系混合溶媒、水等を含む。半導体粒子の懸濁液は、基板に塗布され、乾燥および焼成される。乾燥および焼成に必要な温度、時間、雰囲気等は、使用される基板および半導体粒子の種類に応じて、適宜調整することができる。たとえば、乾燥および焼成は、大気下または不活性ガス雰囲気下、50〜800℃程度の範囲で、10秒〜12時間程度行なうことができる。乾燥および焼成は、単一の温度で1回行なってもよいし、温度を変化させて2回以上行なってもよい。
【0026】
半導体膜を形成するためCVD等に使用される原料ガスは、半導体を構成する元素を含有する単一のガス、または2種類以上のガスの混合物とすることができる。半導体膜を形成するためPVD等に使用される固体原料は、半導体を構成する元素を含有する単一の固体、複数の固体の組合せ、または化合物の固体とすることができる。
【0027】
得られた半導体の表面には、光増感色素が付着される。色素の付着に先立って、半導体の表面を活性化するための処理を必要に応じて行なってもよい。光増感色素を半導体に付着させる工程において、色素は、1種またはそれ以上の疎水性溶媒、非プロトン性溶媒、疎水性かつ非プロトン性の溶媒またはそれらの混合物に溶解される。
【0028】
本発明に用いられる疎水性溶媒は、たとえば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素;ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸エチル等のエステル類等、ならびにそれらの組合せを含む。本発明に用いられる非プロトン性溶媒は、たとえば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル類;アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の窒素化合物類;二硫化炭素、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物類;ヘキサメチルホスホルアミド等のリン化合物類、ならびにそれらの組合せを含む。本発明に用いられる疎水性かつ非プロトン性の溶媒は、たとえば、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素;ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸エチル等のエステル類、ならびにそれらの組合せを含む。本発明において、疎水性溶媒を用いることがより好ましい。特に、脂肪族炭化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素およびハロゲン化芳香族炭化水素は、より好ましい疎水性溶媒である。
【0029】
本発明による製造方法において、光増感色素は、疎水性および/または非プロトン性の溶媒に溶解される。そのような色素は、メタルフリーフタロシアニン系色素;シアニン系色素;メロシアニン系色素;ローズベンガル、ローダミンB等のキサンテン系色素;マラカイトグリーン、クリスタルバイオレット等のトリフェニルメタン色素;銅フタロシアニンおよびチタニルフタロシアニン等の金属フタロシアニン、クロロフィル、ヘミン、またはルテニウム、オスミウム、鉄および亜鉛の1以上を含有する錯体(特開平1−220380号、WO91/16719およびそれに対応する特表平5−504023号公報参照)等の金属錯塩を含む。
【0030】
本発明において光増感剤として用いられる色素は、可視光領域および必要に応じて赤外光領域に吸収スペクトルを有するものである。したがって、当該色素は、一般に、400nmと1000nmとの間に最大吸収波長λmaxを有する(400nm<λmax<1000nm)。
【0031】
一方、好ましい態様において、本発明は、国際公開公報No.WO91/16719およびそれに対応する特表平5−504023号公報ならびに国際公開公報No.WO94/05025に開示されるもの以外の光増感色素の使用に向けられる。該公報に開示される色素は、光に対する安定性が悪く、たとえば、ルテニウムビピリジン系色素の吸着液は、室内光で分解が進むことがわかった。本発明者らは、疎水性および/または非プロトン性の溶媒に対して比較的高い溶解度を示す色素を用いれば、比較的高い光電変換効率を有する材料が得られることを見出した。本発明において好ましく用いられる色素は、たとえば、アゾ系構造、キノン系構造、キノンイミン系構造、キナクリドン系構造、スクワリリウム系構造、シアニン系構造、メロシアニン系構造、トリフェニルメタン系構造、キサンテン系構造、ポルフィン系構造、フタロシアニン系構造、ペリレン系構造、インジゴ系構造、ナフタロシアニン系構造、オキサジン系構造、またはアントラキノン系構造を有する。したがって、アゾ染料およびその誘導体、キノン誘導体、キノンイミン染料およびその誘導体、キナクリドン顔料およびその誘導体、スクワリリウム色素およびその誘導体、シアニン染料およびその誘導体、メロシアニン類およびその誘導体、トリフェニルメタン染料およびその誘導体、キサンテン染料およびその誘導体、ポルフィン誘導体(ポルフィリン類)、フタロシアニン類およびその誘導体、ペリレン誘導体、インジゴイド染料よびその誘導体、ナフタロシアニン類およびその誘導体、オキサジン染料およびその誘導体、ならびにアントラキノン染料およびその誘導体が好ましく用いられる。
【0032】
また、金属錯体構造を有する色素は、高い量子収率を有し、光に対する耐久性がよいため、光電変換材料に適する。金属錯体は、Cu、Ni、Fe、Co、V、Sn、Si、Ti、Ge、Cr、Zn、Ru、Mg、Al、Pb、Mn、In、Mo、Y、Zr、Nb、Sb、La、W、Pt、Ta、Ti、Ir、Pd、Os、Ga、Tb、Eu、Rb、Bi、Se、As、Sc、Ag、Cd、Hf、Re、Au、Ac、Tc、Te、Rhなどを有することができる。環境問題および製造過程での廃水処理を考慮すると、Cu、Al、Fe、Ti、Mg、Si、Zn、SnまたはGaを有する金属錯体が好ましい。特に、金属フタロシアニン錯体および無金属フタロシアニン構造は、高い光電変換効率を示すことができ、優れた耐久性を有するため、太陽電池のための光増感色素の発色団としてより好ましい。
【0033】
本発明によるより好ましい態様において、光増感色素は、少なくとも1つのインターロッキング基と、1価の置換および非置換脂肪族炭化水素基ならびに1価の置換および非置換脂環式炭化水素基からなる群より選ばれる少なくとも1つの疎水基とを有し、そこにおいて、該疎水基は、該色素において金属に直接結合する基を構成するものではない。インターロッキング基は、一般に、色素を半導体に強く固定する役割を果たす。インターロッキング基は、たとえば、カルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、カルボキシアルキル基、メルカプト基およびホスホノ基からなる群より選ぶことかできる。色素の疎水基は、疎水性および/または非プロトン性の溶媒に対する色素の溶解度を高める役割を果たす。置換または非置換の脂肪族炭化水素基は、3〜20の炭素原子を有することが好ましく、3〜12の炭素原子を有することがより好ましい。置換または非置換の脂環式炭化水素基は、3〜12の炭素原子を有することが好ましく、5〜12の炭素原子を有することがより好ましい。これら炭化水素基の炭素数を3以上にすることによって、疎水性および/または非プロトン性の溶媒に対する色素の溶解度を顕著に向上させることができる。一方、これらの炭化水素基の炭素数が多くなれば半導体表面に付着される色素分子間の間隔が大きくなることを考慮すると、炭素数は12以下が好ましい。特に、本発明で用いられる色素は、アルキル基を有することが好ましい。アルキル基は、炭素数3〜20、好ましくは炭素数3〜15、より好ましくは炭素数3〜12の直鎖または分岐鎖アルキル基とすることができる。アルキル基は、たとえば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル等を含む。上述した炭化水素基のための置換基は、たとえばF、Cl、Br等のハロゲンを好ましく含む。色素は、1つまたは2つ以上の疎水基を有することができる。
【0034】
本発明においてより好ましく用いられる色素を以下に示す。式(I)または(II)で表わされるフタロシアニン類およびその誘導体。
【0035】
【化6】
Figure 0004623768
【0036】
【化7】
Figure 0004623768
【0037】
(式中、A1 、A2 、A3 およびA4 は、それぞれ、水素、カルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、カルボキシアルキル基、メルカプト基およびホスホノ基からなる群より選ばれ、ただし、A1 、A2 、A3 およびA4 のうち少なくとも1つは水素原子ではなく、B1 、B2 、B3 およびB4 は、−R、−OR、−CH2 OR、−SR、−OCOR、−COR、−CONRR′および−NRR′からなる群より選ばれ(ここで、RおよびR′は、置換および非置換の炭素数3〜12の脂肪族炭化水素基ならびに置換および非置換脂環式炭化水素基からなる群より選ばれる同一のまたは異なる疎水基である)、nおよびmは、それぞれ0、1、2、3または4の整数を表わし、ただし、n+mは4以下であり、かつMは、2個の水素原子、またはフタロシアニンと共有結合もしくは配位結合し得る原子または化合物を表わす)。
【0038】
式(I)または(II)において、Mは、2個の水素原子、Cu、VO、Co、TiO、Fe、AlCl、Mg、Sn、SnO、Pb、ZnまたはSi(OR)2 (ここで、Rはアルキル、好ましくはC1-4 アルキル、アリール、好ましくはC7-12アリールである)で表わされることが好ましい。式(I)または(II)で表わされる色素は、5×10-5〜1×10-2モル/リットルの濃度で疎水性および/または非プロトン性の溶媒に溶解させることができる。
【0039】
式(III)で表わされるインジゴイド染料およびその誘導体。
【0040】
【化8】
Figure 0004623768
【0041】
(式中、A5 は、−Rおよび−CORからなる群より選ばれ(ここで、Rは、置換および非置換の炭素数3〜12の脂肪族炭化水素基ならびに置換および非置換の脂環式炭化水素基からなる群より選ばれる疎水基である)、かつA6 は、カルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、カルボキシアルキル基、メルカプト基およびホスホノ基からなる群より選ばれる)。
【0042】
式(IV)で表わされるキナクリドン顔料およびその誘導体。
【0043】
【化9】
Figure 0004623768
【0044】
(式中、A5 およびA6 は、式(III)におけると同義である)。式(V)で表わされるオキサジン染料およびその誘導体。
【0045】
【化10】
Figure 0004623768
【0046】
(式中、A5 およびA6 は、式(III)におけると同義である)。式(VI)で表わされるシアニン染料およびその誘導体。
【0047】
【化11】
Figure 0004623768
【0048】
(式中、A5 およびA6 は、式(III)におけると同義である)。式(VII)で表わされるスクワリリウム色素およびその誘導体。
【0049】
【化12】
Figure 0004623768
【0050】
(式中、A5 およびA6 は、式(III)におけると同義である)。式(VIII)で表わされるアントラキノン染料およびその誘導体。
【0051】
【化13】
Figure 0004623768
【0052】
(式中、A11、A12、A13、A14、A15、A16、A17およびA18は、水素、Cl、Br、F、−R、−OR、−NRR′、−NCOR(ここで、RおよびR′は、置換および非置換の炭素数3〜12の脂肪族炭化水素基ならびに置換および非置換の脂環式炭化水素基からなる群より選ばれる疎水基である)、ならびにカルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、カルボキシアルキル基、メルカプト基およびホスホノ基からなる群より選ばれるインターロッキング基からなる群より選ばれ、A11〜A18の少なくとも1つは該インターロッキング基であり、かつA11〜A18の少なくとも1つは、−R、−OR、−NRR′および−NCORからなる群より選ばれる)。
【0053】
式(IX)で表わされるキサンテン染料およびその誘導体。
【0054】
【化14】
Figure 0004623768
【0055】
(式中、R1 は、置換および非置換の炭素数3〜12の脂肪族炭化水素基ならびに置換および非置換の脂環式炭化水素基からなる群より選ばれる疎水基であり、A21、A22、A23、A24およびA25は、水素、Cl、Br、F、カルボキシル基、スルホン酸基、カルボキシアルキル基およびホスホノ基からなる群から選ばれ、ただし、A21〜A25の少なくとも1つはカルボキシル基、スルホン酸基、カルボキシアルキル基およびホスホノ基からなる群より選ばれる)。
【0056】
式(X)で表わされる金属錯体。
【0057】
【化15】
Figure 0004623768
【0058】
(式中、MはNi、PtおよびCuからなる群より選ばれ、XおよびYは、NH2 、NH、SおよびSeからなる群より選ばれ、A31、A32、A33、A34、A35、A36、A37およびA38は、水素、Cl、Br、F、−R、−OR、−NRR′、−NCOR(ここで、RおよびR′は、置換および非置換の炭素数3〜12の脂肪族炭化水素基ならびに置換および非置換の脂環式炭化水素基からなる群より選ばれる同一のまたは異なる疎水基である)、ならびにカルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、カルボキシアルキル基、メルカプト基およびホスホノ基からなる群より選ばれるインターロッキング基からなる群より選ばれ、ただし、A31〜A38の少なくとも1つは該インターロッキング基であり、かつA31〜A38の少なくとも1つは、−R、−OR、−NRR′および−NCORからなる群より選ばれる)。
【0059】
本発明に用いられる光増感色素は、適当なインターロッキング基および適当な疎水基を有する市販品から選んでもよい。しかし、ほとんどの場合、市販品として入手し得る有機色素は、必要なインターロッキング基と必要な疎水基のいずれかまたは両方を有していない。したがって、市販品として入手できる有機色素または従来技術により得られる有機色素を修飾するか、または適当な合成スキームを用いることによって、光増感色素を得ることが好ましい。一般に入手可能な色素を修飾する方法は、必要なインターロッキング基と必要な疎水基のいずれかまたは両方を導入する工程を含む。一般に得られる色素が適当な疎水基を有する場合、それに適当なインターロッキング基を導入すればよい。一般に入手し得る色素が適当なインターロッキング基を有する場合、それに疎水基を導入することもできる。一方、一般に入手し得る色素に、適当な疎水基およびインターロッキング基をそれぞれ導入することができる。一般に、導入反応は有機溶媒または非極性溶媒中で行なわれるため、色素の溶媒における溶解性を考慮すると、疎水基を予め有するかまたは疎水基が導入された色素に、インターロッキング基を導入する方が有利である。一方、疎水基および/またはインターロッキング基が導入された中間体から色素を合成してもよい。たとえば疎水基が導入された中間体から色素骨格を合成した後、それにインターロッキング基を導入することが好ましい。
【0060】
たとえば、インターロッキング基および疎水基を有するフタロシアニン誘導体は、後述するように、疎水基を有する中間体から好ましく合成される。
【0061】
インターロッキング基の1つ−COOHは、以下のスキームに従って色素またはその中間体に導入できる。
【0062】
【化16】
Figure 0004623768
【0063】
このスキームにおいて、AlCl3 は二硫化炭素に溶解され、冷却される。その溶液に塩化オキサリルがゆっくり加えられる。二硫化炭素に溶解された色素原料は、冷却下、塩化オキサリルおよびAlCl3 を含む二硫化炭素溶液に滴下される。適当な反応時間の後、適当な分離工程を経て1以上のカルボキシル基を有する生成物が得られる。このようなスキームは、以上に述べた光増感色素の合成に適用できる。
【0064】
上述した色素のいくつかについて、カルボキシル基導入の具体例を以下に示す。
【0065】
次式に示すスキームに従って、適当な疎水基を有するフタロシアニン誘導体にカルボキシル基を導入できる。
【0066】
【化17】
Figure 0004623768
【0067】
疎水基が導入されたインジゴ誘導体には、次式に従ってカルボキシル基を導入できる。
【0068】
【化18】
Figure 0004623768
【0069】
疎水基が導入されたキナクリドン誘導体には、次式に従ってカルボキシル基を導入できる。
【0070】
【化19】
Figure 0004623768
【0071】
疎水基が導入されたオキサジン誘導体(ジオキサジン誘導体)には、次式に従ってカルボキシル基を導入できる。
【0072】
【化20】
Figure 0004623768
【0073】
インターロッキング基の1つ−SO3 Hは、以下のスキームに従って色素またはその中間体に導入できる。
【0074】
【化21】
Figure 0004623768
【0075】
このスキームにおいて、濃硫酸に攪拌しながら原料をゆっくり加える。80℃で1時間反応させてから、反応混合物を氷水に注ぐ。濾過して、固体をアルカリ水溶液で中和し、濾過して乾燥し、1以上のスルホン酸基を有する生成物を得る。この反応も、以上に述べた光増感色素の合成に適用できる。
【0076】
また、アルキル基等の疎水基を有する色素またはそのための中間体を得るため、次式で表わされる反応を用いることができる。
【0077】
【化22】
Figure 0004623768
【0078】
【化23】
Figure 0004623768
【0079】
【化24】
Figure 0004623768
【0080】
本発明において、光増感色素は、疎水性および/または非プロトン性の溶媒に溶解される。溶媒には、上述したような適当な有機溶媒が用いられる。常法に従って精製された溶媒が好ましく用いられる。また溶媒の使用に先立って、必要に応じて蒸留および/または乾燥を行ない、より純度の高い溶媒を得てもよい。本発明において、色素は、1×10-5モル/リットル以上、好ましくは5×10-5〜1×10-2モル/リットルの濃度で疎水性および/または非プロトン性の溶媒中に溶解させることができる。溶媒中の色素の濃度は、使用する色素、溶媒の種類、色素付着工程のための条件等に応じて調整することができる。
【0081】
色素を半導体に付着させるため、色素の溶液が半導体に接触させられる。色素の付着は、半導体の色素溶液への浸漬、または色素溶液の半導体への塗布によって達成することができる。浸漬方法では、半導体を収容することができる適当な容器に色素溶液を充填し、その溶液に半導体の全体を漬けるか、または半導体の所望の部分のみを漬けて、所定の時間保持することができる。たとえば、室温において大気圧下で浸漬を行なうことができる。しかし、限定されることなく必要に応じて、溶液および雰囲気の温度および圧力を変えることができる。浸漬時間は、たとえば5分〜96時間程度とすることができるが特に限定されるものではない。使用する色素、溶媒の種類、溶液の濃度等に応じて浸漬時間を調整することができる。浸漬は、1回または複数回行なうことができる。本発明によれば、十分な濃度の色素を含有する溶液が得られるため、半導体を色素溶液に浸漬することによって、半導体に十分な量の色素を付着させることができる。しかし、必要に応じて、半導体上に存在する色素の濃度を上げるための処理を行なってもよい。また、浸漬または塗布の工程の後、適宜乾燥を行なってもよい。上述した方法により半導体に吸着された色素は、光エネルギにより電子を半導体に送る光増感剤として機能する。一般に、色素は、インターロッキング基を介して半導体に固定される。インターロッキング基は、励起状態の色素と半導体の伝導帯との間の電子の移動を容易にする電気的結合を提供する。
【0082】
本発明による光電変換材料は、太陽電池、光スイッチング装置、センサ等の光電変換装置に適用される。本発明によれば、たとえば図1に示すような太陽電池が提供される。太陽電池において、透明性導電膜6がコートされたガラス板などの支持体7上に、酸化チタンなどの半導体層5が形成される。半導体層5の表面には、光増感色素4が付着される。支持体7上に、導電膜6、半導体層5および色素4を順に堆積させて、電極を得る。対電極は、ガラス板などの支持体1と、それにコーティングされた透明性導電膜2とを有する。これらの電極間に電解質3が充填され、太陽電池が構成される。支持体上に形成された半導体層に、上述したように色素を付着させて光電変換材料を得る。得られた光電変換材料を導電膜および電解質と組合せて光電変換装置である太陽電池が得られる。導電膜は、特に限定されることなく、たとえば、ITO、SnO2 等の透明導電材料から好ましく構成される。導電膜は、常法によって形成することができる。電解質には、湿式太陽電池に一般に用いられているものを好ましく用いることができる。
【0083】
太陽電池における色素に太陽光を照射すると、色素は可視領域の光を吸収して励起する。この励起によって発生する電子は、半導体層5に移動し、次いで、透明導電膜6を通って対電極の透明性導電膜2に移動する。対電極に移動した電子は、電解質3中の酸化還元系を還元する。一方、半導体に電子を移動させた色素4は、酸化体の状態になっているが、この酸化体は、電解質中の酸化還元系によって還元されもとの状態に戻る。このようなプロセスにおける電子の流れを介して、光エネルギは連続的に電気エネルギに変換される。
【0084】
以下の実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0085】
【実施例】
実施例1
酸化チタン多孔質膜の調製
市販の酸化チタン粒子(テイカ株式会社製、商品名AMT−600、アナターゼ型結晶、平均粒径30nm、比表面積50m2 /g)4.0gを、エチレングリコールモノメチルエーテル20ml中に、ガラスビーズとともにペイントシェイカーで6時間分散させ、酸化チタン懸濁液を得た。次いで、得られた酸化チタン懸濁液を、ドクターブレード法によりガラス板に塗布し、300℃で30分間予備乾燥し、次いで500℃で40分間焼成し、酸化チタン膜を得た。
【0086】
光増感剤フタロシアニン誘導体の調製
次に示す合成スキームに従ってフタロシアニン誘導体を得た。
【0087】
【化25】
Figure 0004623768
【0088】
ジペントキシジニトリルベンゼン0.75g(2.5mmol)、ジニトリル安息香酸ペンチルエステル(0.6g,2.5mmol)、CuCl0.124g(1.26mmol)を、無水1−ペンタノール20mlに加え、アルゴンガスを吹込みながら還流し、これにDBU0.76g(5.0mmol)をゆっくり滴下した後、7時間還流を行なった。反応終了後、反応混合物を常温に冷却してから、これにK2 CO3 を加え、一晩攪拌を行なった。反応混合物を濾過し、濾液中の溶媒を蒸発させて青い固体を得た。この固体をカラムクロマトグラフィーで精製した(塩化メチレン:メタノール)。生成物を2−プロパノール中で再結晶し、0.5gのフタロシアニン誘導体を得た(収率:45%)。
【0089】
IR(KBr):2940,2870(C−H),1095(C−O),1689(C=O)cm-1 元素分析:C54598 8 Cu C H N 計算値(%) 64.3 5.60 11.1 実測値(%) 64.5 5.81 11.1
光電変換材料の調製
得られたフタロシアニン誘導体をクロロホルムに溶解した。溶液におけるこの色素の濃度は5×10-4モル/lであった。次に、酸化チタン膜でコーティングされたガラス板を、この溶液中に30分間保持し、色素を酸化チタン膜に付着させた。これにより、酸化チタン半導体膜に色素が付着された光電変換材料が得られた。
【0090】
太陽電池の調製
得られた光電変換材料を一方の電極として用い、白金層を有する透明導電性ガラス板を対電極として用いた。2つの電極の間に電解質を挿入し、それらの側面を樹脂でシールした。各電極にリード線を取付けて、太陽電池を得た。電解質は、アセトニトリル/炭酸エチレン(体積比1:4)の混合溶媒に、ヨウ化テトラプロピルアンモニウムおよびヨウ素を、それぞれ0.46モル/lおよび0.06モル/lの濃度で溶解することにより調製した。得られた太陽電池に、100W/m2 の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射したところ、5.4%のη(変換効率)が得られた。この結果は、本発明による太陽電池が有用であることを示している。また、ソーラーシミュレータにおいて太陽電池に1日8時間光を照射したところ、1年たっても変換効率の低下は認められなかった。
【0091】
比較例1
光電変換材料の調製において、溶媒としてエタノール、色素として次式のフタロシアニンを用いた以外は、実施例1と同様にして光電変換材料および太陽電池を調製した。
【0092】
【化26】
Figure 0004623768
【0093】
得られた太陽電池にソーラーシミュレータにおいて100W/m2 の強度の光を照射したところ、1.1%のηが得られた。
【0094】
実施例2
光増感色素の合成次のスキームに従ってフタロシアニン誘導体を合成した。
【0095】
【化27】
Figure 0004623768
【0096】
中間体bの合成
t−ブタノール80mlとn−ペンタノール10mlを200ml容のフラスコに入れ、攪拌しながらこれにカリウム2.5gを少しずつ加えた。カリウムを完全に溶解してから、化合物a9.2g(0.028mol)をそれに加えた。攪拌しながら5時間還流を行なった。反応混合物を常温に冷却した後、30%の塩化ナトリウム溶液50mlをそれに加えて、反応混合物をクロロホルムで抽出した。クロロホルムを蒸発させた後、残渣にヘキサンを加え、混合物を濾過し、不溶物を除去した。濾液をカラムクロマトグラフィーで分離した(ヘキサン:酢酸エチル=25:1)。その結果、黄色い液体4.7gを得た(収率:50%)。
【0097】
NMR(CDCl3 ):δ=7.64(3H);δ=4.45(s,2H);δ=3.46(t,2H);δ=1.60(m,2H);δ=1.28(m,4H);δ=0.88(t,3H)
フタロシアニン誘導体cの合成
中間体b3.4g(0.01mol)、過剰のCuCN(4.5g,0.05mol)およびDMF20mlを、50ml容のフラスコに入れ、8時間還流した。混合物を常温に戻した後、アンモニア水50mlをそこに注ぎ、混合物を20分間かき混ぜてから濾過した。得られた固体を、中性になるまで水で洗い、次いでヘキサンにより抽出した。得られた濃い緑色の固体をカラムクロマトグラフィーで分離し(クロロホルム)、青い固体c1.1gを得た(収率:45%)。
【0098】
IR(KBr):ν=2860/2940cm-1(C−H);1100cm-1(C−O)
フタロシアニン誘導体dの合成
AlCl3 0.15g(1.1mmol)を二硫化炭素10mlに溶解し、10℃に冷却した。これに塩化オキサリル0.14g(1.1mmol)をゆっくり加えた。予め二硫化炭素5mlに溶解したフタロシアニン誘導体c0.98g(1mmol)を液温が10℃を超えないようにAlCl3 および塩化オキサリルを含む溶液に滴下し、2時間反応させた後、氷水100mlに入れて、塩酸で中和し、四塩化炭素で抽出した。0.58gのフタロシアニン誘導体dを得た(収率:50%)。
【0099】
IR(KBr):ν=2860/2940cm-1(C−H);1100cm-1(C−O);1690cm-1(C=O)
光電変換材料および太陽電池の調製
フタロシアニン誘導体dを光増感剤として用いた以外は実施例1と同様にして光電変換材料および太陽電池を得た。得られた太陽電池にソーラーシミュレータで100W/m2 の強度の光を照射したところ、ηは4.7%であった。
【0100】
実施例3
光増感剤の合成
次のスキームに従って光増感剤を合成した。
【0101】
【化28】
Figure 0004623768
【0102】
カルバゾール23.66g(0.16mol)、水酸化カリウム14.45g(0.226mol)、水30gおよびキシリン100gを、Dean−stark装置を取付けた500ml容の四つ口フラスコに入れ、還流した。約30gの水を分収してから、反応液を90〜100℃まで冷却し、臭化ヘキシル33g(0.2mol)を約25分間かけてそれに滴下し、次いで1時間還流した。95%の収率で9−ヘキシルカルバゾールが得られた。
【0103】
反応液の温度を70℃に制御し、70.8%の硝酸35.86g(0.403mol)およびそれと等量の水を内温が上がらないようにゆっくり滴下した。さらに、この温度で1時間反応した後、86.7%の水酸化カリウム20g(0.375mol)を水50mlに溶かして反応液に加えた。収率90%で3−ニトロ−9−ヘキシルカルバゾールが得られた(GC分析)。
【0104】
反応液の温度を60℃以上に保ち、キシレン250gを加え、反応液を約70℃の湯400mlで数回洗った。反応液にPd−C(5%)1.0gを加え、オートクレーブにおいて水素で還元した。反応混合物を濾過し、濾液を蒸発させ、3−アミノ−9−ヘキシルカルバゾール34.5gを得た(収率:90%)。
【0105】
NMR(CDCl3 ):δ=6.54−7.74(m,7H);δ=4.10(t,2H);δ=3.35(b,2H)
3−アミノ−9−ヘキシルカルバゾール20.3g(0.09mol)およびトリエチルアミン10.3gを、o−ジクロロベンゼン300gに入れ、25〜35℃でクロラニル15g(0.61mol)を1時間かけてそれに加えた。25〜35℃で1時間反応を行なった。反応混合物に塩化ベンゼンスルホニル12g(0.067mol)を加え、2時間還流した。溶媒を蒸発させ、残渣をクロロホルム中で再結晶し、ジオキサジン24gを得た(収率:75%)。
【0106】
AlCl3 0.15g(1.1mmol)を二硫化炭素10mlに溶解して10℃に冷却した。これに塩化オキサリル0.14g(1.1mmol)をゆっくり加えた。予め二硫化炭素5mlに溶解したジオキサジン0.7g(1mmol)を、液温が10℃を超えないように、AlCl3 および塩化オキサリルを含む溶液に滴下し、2時間反応させ、次いで氷水100mlに入れ、塩酸で中和し、四塩化炭素で抽出した。0.45gのジオキサジン誘導体を得た(収率:57%)。
【0107】
光電変換材料および太陽電池の調製得られたジオキサジン誘導体を光増感剤として用いた以外は、実施例1と同様にして光電変換材料および太陽電池を得た。得られた太陽電池にソーラーシミュレータにおいて100W/m2 の強度の光を照射したところ、ηは4.5%であった。
【0108】
実施例4
次の合成スキームに従ってインジゴ誘導体を得た。
【0109】
【化29】
Figure 0004623768
【0110】
フタロシアニン誘導体dの合成と同様の方法を用いてカルボキシル基を導入した。インジゴ誘導体を光増感剤として用いる以外は、実施例1と同様にして光電変換材料および太陽電池を得た。得られた太陽電池にソーラーシミュレータにおいて100W/m2 の強度の光を照射したところ、ηは4.1%であった。
【0111】
比較例2
色素溶液のための溶媒としてメタノールを用いた以外は、実施例5と同様にして光電変換材料および太陽電池を調製した。得られた太陽電池のηは1.1%であった。
【0112】
実施例
実施例1と同様に酸化チタン懸濁液を調製した。次いで、酸化チタン懸濁液を、ドクターブレード法に従い、10μm程度の厚みでガラス板に塗布し、300℃で30分間予備乾燥し、次いで500℃で40分間焼成し、厚さ8μm程度の酸化チタン膜を得た。
【0113】
次の合成スキームに従ってフタロシアニン誘導体を得た。
【0114】
【化30】
Figure 0004623768
【0115】
得られた色素を2×10-4モル/リットルの濃度でアセトニトリルに溶解した。次に、この色素溶液を用いて、実施例1と同様にして光電変換材料および太陽電池を調製した。得られた太陽電池にソーラーシミュレータにおいて100W/m2 の強度の光を照射したところ、ηは4.1%であった。
【0116】
比較例3
次式で表わされる色素をエタノールに溶解した以外は、実施例1と同様にして光電変換材料および太陽電池を得た。
【0117】
【化31】
Figure 0004623768
【0118】
得られた太陽電池にソーラーシミュレータにおいて100W/m2 の強度の光を照射したところ、ηは1.8%であった。
【0119】
実施例
次のスキームに従ってフタロシアニン誘導体を得た。
【0120】
【化32】
Figure 0004623768
【0121】
得られたフタロシアニン誘導体を、5×10-4モル/リットルの濃度でヘキサンに溶解した。この溶液を用いて実施例と同様に光電変換材料および太陽電池を得た。得られた太陽電池にソーラーシミュレータで100W/m2 の強度の光を照射したところ、ηは2.7%であった。
【0122】
実施例
次の合成スキームに従ってフタロシアニン誘導体を得た。
【0123】
【化33】
Figure 0004623768
【0124】
得られたフタロシアニン誘導体を5×10-4モル/リットルの濃度で酢酸エチルに溶解した。得られた色素溶液を用いて、実施例と同様にして光電変換材料および太陽電池を調製した。得られた太陽電池にソーラーシミュレータにおいて100W/m2 の強度の光を照射したところ、ηは2.9%であった。
【0125】
【発明の効果】
本発明において、光増感色素を溶解するために用いられる疎水性および/または非プロトン性溶媒は、水および/またはプロトンの半導体表面への悪影響を排除することができ、その結果、十分な量の色素の半導体表面への付着を確実にする。半導体表面に色素が付着するのを阻害する要因を取除くことによって、光電変換効率の高い材料および素子を得ることができる。本発明は、シンプルな工程において安いコストで効率の高い光電変換材料および装置を提供することができる。また、本発明に従って少なくとも1個のインターロッキング基および少なくとも1個の疎水基を有する光増感色素は、疎水性および/または非プロトン性の溶媒に比較的高い濃度で溶解する。疎水基を有するそのような色素は、適当な疎水性および/または非プロトン性の溶媒を用いて、高い濃度で半導体に付着させることができる。したがって、本発明は、高い効率を有する光電変換材料を提供できる。そのような材料は、種々の光電変換素子に有用である。また、光電変換材料の製造における疎水性溶媒の使用は、水分の混入を防ぎ、半導体を水分から守る。その結果、耐久性に優れた光電変換材料を得ることができる。本発明による光電変換材料は、特に太陽電池に有用であり、廉価でかつ高い光電変換効率を有する太陽電池をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明により形成された光電変換材料および太陽電池を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 支持体
2 透明性導電膜
3 電解質
4 色素
5 半導体層
6 透明性導電膜
7 支持体

Claims (7)

  1. 半導体と、前記半導体に付着される、式
    Figure 0004623768
    (式中、A1 、A2 、A3 およびA4 は、それぞれ、水素、カルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、カルボキシアルキル基、メルカプト基およびホスホノ基からなる群より選ばれ、ただし、A1 、A2 、A3 およびA4 のうち少なくとも1つは水素原子ではなく、B1 、B2 、B3 およびB4 は、−R、−OR、−CH2 OR、−SR、−OCOR、−COR、−CONRR′および−NRR′からなる群より選ばれ(ここで、RおよびR′は、置換および非置換の炭素数3〜12の脂肪族炭化水素基ならびに置換および非置換の脂環式炭化水素基からなる群より選ばれる互いに同一のまたは異なる疎水基である)、nおよびmはそれぞれ0、1、2、3または4の整数を表わし、ただし、n+mは4以下であり、かつMは、2個の水素原子、またはフタロシアニンと共有結合もしくは配位結合し得る原子または化合物を表わす)、式
    Figure 0004623768
    (式中、A1 、A2 、A3 、A4 、B1 、B2 、B3 、B4 、nおよびmは、上記と同義である)、式
    Figure 0004623768
    (式中、A5 は、−Rおよび−CORからなる群より選ばれ(ここで、Rは、置換および非置換の炭素数3〜12の脂肪族炭化水素基ならびに置換および非置換の脂環式炭化水素基からなる群より選ばれる疎水基である)、かつA6 は、カルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、カルボキシアルキル基、メルカプト基およびホスホノ基からなる群より選ばれる)、式
    Figure 0004623768
    (式中、A5 およびA6 は上記と同義である)、ならびに、式
    Figure 0004623768
    (式中、R1 は、置換および非置換の炭素数3〜12の脂肪族炭化水素基ならびに置換および非置換の脂環式炭化水素基からなる群より選ばれる疎水基であり、A21、A22、A23、A24およびA25は、水素、Cl、Br、F、カルボキシル基、スルホン酸基、カルボキシアルキル基およびホスホノ基からなる群から選ばれ、ただし、A21〜A25の少なくとも1つはカルボキシル基、スルホン酸基、カルボキシアルキル基およびホスホノ基からなる群より選ばれる)からなる群より選ばれるいずれかにより表わされる色素からなる光増感剤とを含む、光電変換材料であって、
    前記光増感剤を疎水性および/または非プロトン性の溶媒に溶解させる工程と、前記光増感剤を含む前記溶媒を半導体に接触させて、前記光増感剤を前記半導体に付着させる工程を経て製造されたものである、光電変換材料。
  2. 前記半導体が酸化チタンであることを特徴とする、請求項1に記載の光電変換材料。
  3. 前記半導体が粒子または膜の形態であることを特徴とする、請求項1または2に記載の光電変換材料。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換材料と、前記光電変換材料に電気的に接続される電極とを含むことを特徴とする、光電変換装置。
  5. 第1の導電層と、前記第1の導電層上に形成された半導体層と、前記半導体層上に形成された、請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換材料に用いられる光増感剤からなる層と、前記光増感剤からなる層上に設けられた電解質層と、前記電解質層に接触する第2の導電層とを含むことを特徴とする、光電変換装置。
  6. 前記半導体層が酸化チタンからなることを特徴とする、請求項5に記載の光電変換装置。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換材料に用いられる光増感剤を疎水性および/または非プロトン性の溶媒に溶解させる工程と、前記光増感剤を含む前記溶媒を半導体に接触させて、前記光増感剤を前記半導体に付着させる工程とを含むことを特徴とする、光電変換材料の製造方法。
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