JP4127755B2 - 金属錯体色素、光電極及び色素増感型太陽電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属錯体色素、光電極及び色素増感型太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球温暖化やエネルギー問題に対する関心の高まりとともに太陽電池の様々な開発が進められている。その太陽電池の中でも、Nature(第353巻,第737〜740頁,1991年)及び米国特許4927721号、WO 94/04497号等に発表された色素増感型太陽電池は、ルテニウム錯体色素を増感色素として含む二酸化チタン多孔質薄膜を有する光電極(作用電極)を備えており、使用する材料(酸化物半導体等)が安価であること、使用する材料を高純度に精製することなく用いることができること、比較的シンプルなプロセスで製造できること、用いる増感色素の吸収波長領域がブロードなため、可視光線のほぼ全ての波長領域の光を電気に変換できること等からその実用化が期待されている。
【0003】
そして、色素増感型太陽電池に使用される増感色素としては、従来より、例えば、ルテニウム(Ru3+イオン,Ru2+イオン)を配位中心とし、チオシアン酸イオン、1,10-フェナントロリン、1,10-フェナントロリン誘導体、2,2'-ビピリジル及び2,2'-ビピリジル誘導体等を配位子とするイソチオシアネート錯体(後述の式(I)を参照)又はチオシアネート錯体等が知られている。
【0004】
色素増感型太陽電池おいては、電池特性(エネルギー変換効率)の向上を図る一方で、電池寿命を実用レベルにまで向上させることが実用化に向けた重要な課題となっている。すなわち、長期使用中における電池特性(エネルギー変換効率)の低下を低減し、優れた電池特性を長期にわたり得ることである。
【0005】
そのためのアプローチの一つとして、光電極の半導体電極に含有される増感色素の熱、光、薬品に対する耐久性を向上させることにより、優れた電池特性を長期にわたり得ることが可能な電池を構成するための様々な検討が行われている。なお、色素増感型太陽電池のエネルギー変換効率η(%)は、下記式(Z)で表される。また、下記式(1)中、P0は入射光強度[mWcm-2]、Vocは開放電圧[V]、Iscは短絡電流密度[mAcm-2]、F.F.は曲線因子(Fill Factor)を示す。
η=100×(Voc×Isc×F.F.)/P0…(Z)
【0006】
上記の検討としては、例えば、特開2001−60467号公報には、従来の金属錯体色素を構成するチオシアン酸イオンを配位子として使用せず、これにかわる配位子を用いることにより熱および光に対する耐久性を向上させることを意図した金属錯体色素、該金属錯体色素を用いた光電変換素子及び該光電変換素子を備えた色素増感型太陽電池が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らは、上記の特開2001−60467号公報に記載の金属錯体色素であっても、十分な耐熱性、耐光性及び化学的安定性を得ることができておらず、この色素を含む光電変換素子及びこの光電変換素子を光電極として備えた色素増感型太陽電池であっても、光電極として使用開始時の光電変換効率を長期にわたって保持することが困難であり、電池として使用開始時のエネルギー変換効率を長期にわたって安定的に得ることができず未だ不十分であるということを見出した。
【0008】
すなわち、上記公報に記載の金属錯体色素を含む従来の金属錯体色素は、光電極を構成する半導体電極内に含有させて光電変換反応の増感剤として使用した場合、光電変換反応の進行とともに、配位中心に対する各配位子の位置移動やそれに伴う配位中心に対する配位子の配向の変化が起こること等により異性化を起したり、電極内の他の化学物質と化学反応することにより変質してしまうという問題があった。
【0009】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、優れた耐熱性、耐光性及び化学的安定性を有する金属錯体色素、かかる金属錯体色素を有する優れた光電変換効率を長期にわたり得ることができる光電極、並びに、かかる光電極を備えた優れたエネルギー変換効率を長期にわたり得ることができる色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、金属錯体色素が配位子として2つのチオシアン酸イオンを有するイソチオシアネート錯体であっても、1,10−フェナントロリン、1,10−フェナントロリン誘導体、2,2´−ビピリジル及び2,2´−ビピリジル誘導体の2つの2座配位子が1個の2価の基を介して結合された構造を結する4座配位子をチオシアン酸イオン以外の配位子とした構造とすることにより、その耐熱性、耐光性及び化学的安定性を向上させることができることを見出し、本発明に到達した。
【0011】
すなわち、本発明は、6配位中心となる金属又は金属イオンと、少なくとも1つの−COOH基を有する1つの4座配位子と、2つのチオシアンイオンと、を有しており、4座配位子は、1,10−フェナントロリン、1,10−フェナントロリン誘導体、2,2´−ビピリジル及び2,2´−ビピリジル誘導体からなる群から選択される何れか2種の2座配位子が1個の2価の基を介して結合された構造を有していること、を特徴とする金属錯体色素を提供する。
【0012】
本発明の金属錯体色素は、1,10-フェナントロリン、1,10-フェナントロリン誘導体、2,2'-ビピリジル及び2,2'-ビピリジル誘導体からなる群から選択される何れか2種の2座配位子を2価の基を介して結合させた構造の4座配位子をチオシアンイオン以外の配位子として有する。この4座配位子は、上記の2座配位子が2つずつ独立に配位中心に配位した従来の金属錯体色素に比較して配位中心に対する各配位子の位置移動やそれに伴う配位子の配向の変化を起しにくく、構造安定性に優れている。そのため、本発明の金属錯体色素は優れた耐熱性、耐光性及び化学的安定性を有する。
【0013】
特に、配位中心に2座配位子が2つ配位した状態の錯体にはcis型とtrans型の異性体があり、trans型は不安定で安定なcis型に異性化する。異性化を防いで安定的にtrans型を得るためには、本発明のように2つの2座配位子を連結する方法が有効である。ここで、trans型を得るためには2つの2座配位子を連結する2価の基が1〜3個の原子鎖を有していることが好ましい。また、cis型を得るためには2つの2座配位子を連結する2価の基が4個以上の原子鎖を有していることが好ましい。
【0014】
また、本発明は、受光面を有する半導体電極と、当該受光面上に隣接して配置された透明電極とを有する光電極であって、半導体電極には増感色素が含有されており、増感色素が前述した本発明の金属錯体色素であること、を特徴とする光電極を提供する。このように、前述した本発明の金属錯体色素を半導体電極に含有させることにより、優れた優れた光電変換効率を有する光電極を構成することができる。
【0015】
更に、本発明は、受光面を有する半導体電極と当該半導体電極の前記受光面上に隣接して配置された透明電極とを有する光電極と、対極とを有しており、前記半導体電極と前記対極とが電解質を介して対向配置された色素増感型太陽電池であって、光電極が前述した本発明の光電極であること、を特徴とする色素増感型太陽電池を提供する。このように、前述した本発明の光電極を用いることにより、優れたエネルギー変換効率を有する色素増感型太陽電池を構成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の金属錯体色素、光電極及び色素増感型太陽電池の好適な一実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0017】
図1は、本発明の光電極の好適な一実施形態を示す模式断面図である。また、図2は、図1に示した領域100の部分の模式拡大断面図である。更に、図3は、図1に示した光電極を備えた色素増感型太陽電池を示す模式断面図である。
【0018】
図1に示す光電極10は、主として、受光面F2を有する半導体電極2と、当該半導体電極2の受光面F2上に隣接して配置された透明電極1ととから構成されている。また、図3に示す色素増感型太陽電池20は、主として、図1に示した光電極10と、対極CEと、スペーサーSにより光電極10と対極CEとの間に形成される間隙に充填された電解質Eとから構成されている。そして、半導体電極2は、受光面F2と反対側の面F22(以下、裏面F22という)において電解質Eと接触している。
【0019】
この色素増感型太陽電池20は、透明電極1を透過して半導体電極2に照射される光L10によって半導体電極2内において電子を発生させる。そして、半導体電極2内において発生した電子は、透明電極1に集められて外部に取り出される。
【0020】
透明電極1の構成は特に限定されるものではなく、通常の色素増感型太陽電池に搭載される透明電極を使用できる。例えば、図1及び図3の透明電極1は、ガラス基板等の透明基板4の半導体電極2の側に光を透過させるためのいわゆる透明導電膜3をコートした構成を有する。この透明導電膜3としては、液晶パネル等に用いられる透明電極を用いればよい。例えば、フッ素ドープSnO2コートガラス、ITOコートガラス、ZnO:Alコートガラス等が挙げられる。また、メッシュ状、ストライプ状など光が透過できる構造にした金属電極をガラス基板等の基板4上に設けたものでもよい。
【0021】
透明基板4としては、液晶パネル等に用いられる透明基板を用いてよい。具体的には透明なガラス基板、ガラス基板表面を適当に荒らすなどして光の反射を防止したもの、すりガラス状の半透明のガラス基板など光を透過するものが透明基板材料として挙げられる。なお、光を透過するものであれば材質はガラスでなくてもよく、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体などでもよい。
【0022】
図1及び図2に示すように、半導体電極2は、主として半導体粒子P1とこの半導体粒子P1の表面に吸着された本発明の金属錯体色素P2とから構成されている。そして、十分な耐熱性、耐光性及び化学的安定性に優れた本発明の金属錯体色素P2を用いることにより、優れた光電変換効率を長期にわたり得るための向上が図られている。
【0023】
この半導体電極2の構成材料となる半導体は特に限定されるものではなく、酸化物半導体、硫化物半導体等を使用することができる。酸化物半導体としては、例えば、TiO2,ZnO,SnO2,Nb2O5,In2O3,WO3,ZrO2,La2O3,Ta2O5,SrTiO3,BaTiO3等を用いることができる。硫化物半導体としては、例えば、CdS等を用いることができる。また、上記の半導体の他に、Si,GaAs等も用いることができる。
【0024】
また、半導体電極2に含有させる本発明の金属錯体色素P2は、前述のように、6配位中心となる金属又は金属イオンと、少なくとも1つの−COOH基を有する1つの4座配位子と、2つのチオシアンイオンと、を有しており、4座配位子は、1,10-フェナントロリン、1,10-フェナントロリン誘導体、2,2'-ビピリジル及び2,2'-ビピリジル誘導体からなる群から選択される何れか2種の2座配位子が2価の基を介して結合された構造を有している。
【0025】
ここで、2価の基は酸素原子、硫黄原子及び炭素原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子により構成されていることが好ましい。
【0026】
この場合、金属錯体色素P2は、下記式(1)〜(3)の何れかで表されることが好ましい。
【化8】
【0027】
ここで、式(1)中、Mは、Ru、Pt、Os、Ir、Re、Rh及びPdからなる群から選択される何れかの金属の原子又はそのイオンを示し、
R1、R2、R3及びR4は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、−COORA1基(RA1は水素原子又は炭素数1〜15の1価の基を示す)、アルキル基、アリール基、アリル基、アルケン基、アルキン基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ヒドロキシレート基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、スルホ基、スルフィノ基、オキシカルボニル基、ハロホルミル基、カルバモイル基、ヒドラジノカルボニル基、アミジノ基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ホルミル基、オキソ基、チオホルミル基、チオキソ基、メルカプト基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、アリロキシ基、スルフィド基、ニトロ基、シリル基及びハロゲン基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基であって、何れか2つが互いに連結して環を形成していてもよく、
R5は酸素原子、硫黄原子及び炭素原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子により構成された2価の基であって、−COORA2基、PO(ORA2)2基、SO2RA2基及びSO3RA2基(RA2は水素原子又は炭素数1〜15の1価の基を示す)からなる群から選択される何れかの置換基を側鎖として含んでいてもよく、
a1及びb1はそれぞれ独立に0〜4の整数、d及びfはそれぞれ独立に0〜3の整数を示し、ただし、R5に−COOH基が含まれていない場合には、(a1+b1+d1+f1)≧1であり、かつ、R1、R2、R3及びR4のうち少なくとも1つは−COOH基であり、
R5に−COOH基が含まれている場合には、(a1+b1+d1+f1)≧0であり、a1、b1、d1及びf1がそれぞれ2以上の場合には、各R1、各R2、各R3及び各R4はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、何れか2つが互いに連結して環を形成していてもよい。
【化9】
【0028】
ここで、式(2)中、Mは式(1)に記載のMと同義であり、
R6、R7、R8、R9、R10及びR11は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、−COORA3基(RA3は水素原子又は炭素数1〜15の1価の基を示す)、アルキル基、アリール基、アリル基、アルケン基、アルキン基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ヒドロキシレート基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、スルホ基、スルフィノ基、オキシカルボニル基、ハロホルミル基、カルバモイル基、ヒドラジノカルボニル基、アミジノ基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ホルミル基、オキソ基、チオホルミル基、チオキソ基、メルカプト基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、アリロキシ基、スルフィド基、ニトロ基、シリル基及びハロゲン基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基であって、何れか2つが連結して環を形成していてもよく、
R5は式(1)に記載のR5と同義であり、
a2及びb2はそれぞれ独立に0〜3の整数、d2、f2、g2及びh2はそれぞれ独立に0〜2の整数を示し、
ただし、R5に−COOH基が含まれていない場合には、(a2+b2+d2+f2+g2+h2)≧1であり、かつ、R6、R7、R8、R9、R10及びR11のうち少なくとも1つは−COOH基であり、
R5に−COOH基が含まれている場合には、(a2+b2+d2+f2+g2+h2)≧0であり、a2、b2、d2、f2、g2及びh2がそれぞれ2以上の場合には、各R6、各R7、各R8、各R9、各R10及び各R11は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、いずれか2つが互いに連結して環を形成していてもよい。
【化10】
【0029】
ここで、式(3)中、Mは式(1)に記載のMと同義であり、
R12、R13、R14、R15及びR16は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、−COORA4基(RA4は水素原子又は炭素数1〜15の1価の基を示す)、アルキル基、アリール基、アリル基、アルケン基、アルキン基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ヒドロキシレート基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、スルホ基、スルフィノ基、オキシカルボニル基、ハロホルミル基、カルバモイル基、ヒドラジノカルボニル基、アミジノ基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ホルミル基、オキソ基、チオホルミル基、チオキソ基、メルカプト基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、アリロキシ基、スルフィド基、ニトロ基、シリル基及びハロゲン基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基であって、何れか2つが互いに連結して環を形成していてもよく、
R5は式(1)に記載のR5と同義であり、a3は0〜4の整数、b3及びd3はそれぞれ独立に0〜3の整数、f3及びh3はそれぞれ独立に0〜2の整数を示し、
ただし、R5に−COOH基が含まれていない場合には、(a3+b3+d3+f3+h3)≧1であり、かつ、R12、R13、R14、R15及びR16のうち少なくとも1つは−COOH基であり、
R5に−COOH基が含まれている場合には、(a3+b3+d3+f3+h3)≧0であり、
a3、b3、d3、f3及びh3がそれぞれ2以上の場合には、各R12、各R13、各R14、各R15及び各R16は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、何れか2つが互いに連結して環を形成していてもよい。
【0030】
更に、式(1)〜(3)の何れかで表される金属錯体色素P2がcis型の構造を有する場合には、金属錯体色素P2は、下記式(4)〜(6)の何れかで表されることがより好ましい。
【化11】
【0031】
ここで、式(4)中、Mは式(1)に記載のMと同義であり、
R17、R18、R19、R20及びR21は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、−COORA5基(RA5は水素原子又は炭素数1〜15の1価の基を示す)、アルキル基、アリール基、アリル基、アルケン基、アルキン基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ヒドロキシレート基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、スルホ基、スルフィノ基、オキシカルボニル基、ハロホルミル基、カルバモイル基、ヒドラジノカルボニル基、アミジノ基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ホルミル基、オキソ基、チオホルミル基、チオキソ基、メルカプト基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、アリロキシ基、スルフィド基、ニトロ基、シリル基及びハロゲン基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基であって、何れか2つが互いに連結して環を形成していてもよく、
a4、b4及びm4はそれぞれ独立に0〜4の整数、d4及びf4はそれぞれ独立に0〜3の整数、i4及びj4はそれぞれ独立に0〜4の整数を示し、
A及びBはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、それぞれ酸素原子、硫黄原子及び炭素原子からなる群から選択される何れかの原子を示し、
ただし、(a4+b4+d4+f4+m4)≧1であり、かつ、R17、R18、R19、R20及びR21のうち少なくとも1つは−COOH基であり、
a4、b4、d4、f4及びm4がそれぞれ2以上の場合には、各R17、各R18、各R19、各R20及び各R21は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、何れか2つが互いに連結して環を形成していてもよい。
【化12】
【0032】
ここで、式(5)中、Mは式(1)に記載のMと同義であり、
R22、R23、R24、R25、R26、R27、及びR28は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、−COORA6基(RA6は水素原子又は炭素数1〜15の1価の基を示す)、アルキル基、アリール基、アリル基、アルケン基、アルキン基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ヒドロキシレート基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、スルホ基、スルフィノ基、オキシカルボニル基、ハロホルミル基、カルバモイル基、ヒドラジノカルボニル基、アミジノ基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ホルミル基、オキソ基、チオホルミル基、チオキソ基、メルカプト基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、アリロキシ基、スルフィド基、ニトロ基、シリル基及びハロゲン基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基であって、何れか2つが互いに連結して環を形成していてもよく、
a5及びb5はそれぞれ独立に0〜3の整数、m5は0〜4の整数、d5、f5、g5、h5はそれぞれ独立に0〜2の整数、i5及びj5はそれぞれ独立に0〜4の整数を示し、
D及びEはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、それぞれ酸素原子、硫黄原子及び炭素原子からなる群から選択される何れかの原子を示し、
ただし、(a5+b5+d5+f5+g5+h5+m5)≧1であり、かつ、R22、R23、R24、R25、R26、R27、及びR28のうち少なくとも1つは−COOH基であり、
a5、b5、d5、f5、g5、h5及びm5がそれぞれ2以上の場合には、各R22、各R23、各R24、各R25、各R26、各R27、及び各R28は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、何れか2つが互いに連結して環を形成していてもよい。
【化13】
【0033】
ここで、式(6)中、Mは式(1)に記載のMと同義であり、
R29、R30、R31、R32、R33及びR34は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、−COORA7基(RA7はは水素原子又は炭素数1〜15の1価の基を示す)、アルキル基、アリール基、アリル基、アルケン基、アルキン基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ヒドロキシレート基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、スルホ基、スルフィノ基、オキシカルボニル基、ハロホルミル基、カルバモイル基、ヒドラジノカルボニル基、アミジノ基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ホルミル基、オキソ基、チオホルミル基、チオキソ基、メルカプト基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、アリロキシ基、スルフィド基、ニトロ基、シリル基及びハロゲン基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基であって、何れか2つが互いに連結して環を形成していてもよく、
a6及びm6はそれぞれ独立に0〜4の整数、b6及びd6はそれぞれ独立に0〜3の整数、f6、h6はそれぞれ独立に0〜2の整数、i6及びj6はそれぞれ独立に0〜5の整数を示し、
G及びJはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、それぞれ酸素原子、硫黄原子及び炭素原子からなる群から選択される何れかの原子を示し、
ただし、(a6+b6+d6+f6+h6+m6)≧1であり、かつ、R29、R30、R31、R32、R33及びR34のうち少なくとも1つは−COOH基であり、a6、b6、d6、f6、h6及びm6がそれぞれ2以上の場合には、各R29、各R30、各R31、各R32、各R33及び各R34は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、何れか2つが互いに連結して環を形成していてもよい。
【0034】
また、前述の式(4)で表される金属錯体色素の更に好ましい具体的な例としては、下記式(15)〜(18)であらわされる化合物があげられる。
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【0035】
更に、前述の式(5)で表される金属錯体色素の更に好ましい具体的な例としては、下記式(19)であらわされる化合物があげられる。
【化18】
【0036】
また、前述の式(6)で表される金属錯体色素の更に好ましい具体的な例としては、下記式(20)〜(23)であらわされる化合物があげられる。
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【0037】
なお、前述の式(15)〜(23)で表される金属錯体色素はそれぞれ、前述の式(4)〜(6)におけるA、B、D、E、G及びJで表される原子がすべて酸素原子である場合に相当するが、先に述べたように、A、B、D、E、G及びJで表される原子は特に酸素原子に限定されず、硫黄原子、炭素原子であってもよい。
【0038】
例えば、A、B、D、E、G及びJで表される原子が硫黄原子、炭素原子である金属錯体色素としては、式(16)に対応する金属錯体色素としては下記式(24)〜(28)で表される化合物があげられる。
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【0039】
以上、式(1)〜(3)の何れかで表される金属錯体色素P2がcis型の構造を有する場合について説明したが、式(1)〜(3)の何れかで表される金属錯体色素P2がtrans型の構造を有する場合には、式(1)〜(3)中のR5が下記式(7)〜(14)の何れかで表される2価の基であることが好ましい。
【0040】
【化28】
【0041】
ただし、式(7)中、R35はアルキル基、アセチル基、アリール基、スルホニル基及びアリル基からなる群から選択される何れかの置換基を示す。
【0042】
例えば、R5が式(14)で表されるtrans型の構造を有する金属錯体色素P2の一例としては下記式(29)であらわされる化合物があげられる。
【化29】
【0043】
また、半導体電極2の厚みは、3〜50μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましく、6〜18μmであることが更に好ましい。半導体電極の厚みが3μm未満となると、色素吸着量が少なくなり光を有効に吸収できなくなる傾向が大きくなる。一方、半導体電極の厚みが50μmを超えると、電気抵抗が大きくなり半導体に注入されたキャリアの損失量が多くなるとともに、イオン拡散抵抗が増大して、光励起されて半導体への電子注入を果した後の色素に対するI-からの電子注入によってI3 -の対極への搬出が阻害され、電池の出力特性が低下する傾向が大きくなる。
【0044】
また、対極CEは、特に限定されるものではなく、例えば、シリコン太陽電池、液晶パネル等に通常用いられている対極と同じものを用いてよい。例えば、前述の透明電極1と同じ構成を有するものであってもよく、透明電極1と同様の透明導電膜3上にPt等の金属薄膜電極を形成し、金属薄膜電極を電解質Eの側に向けて配置させるものであってもよい。また、透明電極1の透明導電膜3に白金を少量付着させたものであってもよく、白金などの金属薄膜、炭素などの導電性膜などであってもよい。
【0045】
更に、電解質Eの組成も光励起され半導体への電子注入を果した後の色素P2を還元するための酸化還元種を含んでいれば特に限定されないが、I-/I3 -等の酸化還元種を含むヨウ素系レドックス溶液が好ましく用いられる。具体的には、I-/I3 -系の電解質はヨウ素のアンモニウム塩あるいはヨウ化リチウムとヨウ素を混合したものなどを用いることができる。その他、Br-/Br3 -系、キノン/ハイドロキノン系などのレドックス電解質をアセトニトリル、炭酸プロピレン、エチレンカーボネートなどの電気化学的に不活性な溶媒(およびこれらの混合溶媒)に溶かしたものも使用できる。
【0046】
また、スペーサーSの構成材料は特に限定されるものではなく、例えば、シリカビーズ等を用いることができる。
【0047】
次に、本発明の金属錯体色素の製造方法の一例について説明する。本発明の金属錯体色素は、例えば、Journal of The American Chemical Society Vol.123,N8.P1613-1624(2001)等の文献中に記載された製造方法に従い合成することが可能である。
【0048】
以下、式(4)式で表される金属錯体色素の合成の例として、式(18)で表される金属錯体色素の合成方法の一例について説明する。式(18)で表される金属錯体色素は、下記式(S1)〜(S4)のスキームに従い合成することができる。
【化30】
【0049】
先ず、(S1)〜(S3)において、4座配位子を調製する。(S1)においては、(S1)中、式(i)で表される6-Methyl-2,2’-dipyridylと、Chlorotrimethylsilane(TMSCl)とを反応させて、6-Methyl-2,2’-dipyridylのメチル基が−Si(CH3)3基(−TMS基)で置換された式(ii)で表される化合物を得る。
【0050】
以下、(S1)における具体的な手順の一例について説明する。先ず、100mLの反応容器に963μL(6.87mmol)のDiisopropylamine(東京化成社製)及び10mLの脱水THF(和光純薬製)を入れ、-78℃に冷却する。次に、この溶液に3.88mL(6.05mmol)のn-Butyllithium(1.56mol/L in Hexane、関東化学社製)を加え、-20℃で20分撹拌する。次に、この溶液を−78℃に保持しつつ、24mLのTetrahydrofuran(THF)に溶解する。
【0051】
そして、これに、936.21mg(5.5mmol)の6-Methyl-2,2’-dipyridyl(Aldrich社製)をゆっくり滴下する。更に、この溶液を−78℃で20分間撹拌した後、−10℃で25分間撹拌し、再び−78℃に冷却する。次に、この溶液に907μL(6.87mmol)のChlorotrimethylsilane(東京化成社製)を加え20分間撹拌する。次に、この反応溶液に3mLのエタノール(和光純薬製)を加え反応を停止する。
【0052】
次に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を冷却した反応溶液に加えた後、撹拌しながら室温となるまで放置する。生成物を酢酸エチル(100mL)で抽出する。この抽出は、例えば、3回繰り返す。次に、抽出により得られた有機層を200mLの飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄する。その後、有機層に無水硫酸ナトリウム(和光純薬製)を添加して乾燥させる。次に、この有機層を濾過して濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで精製する。これにより、式(ii)で表される化合物を、例えば、1.2g得ることができる。
【0053】
次に、(S2)においては、式(ii)で表される化合物と、1,2-Dibromo-1,1,2,2-tetrafluoroethane(BrF2CCF2Br)とを反応させて、式(ii)で表される化合物の−TMS基がBrに置換された式(iii)で表される化合物を得る。
【0054】
以下、(S2)における具体的な手順の一例について説明する。
【0055】
先ず、100mLの反応容器に(S1)で得られた式(ii)で表される化合物641.1mg(2.50mmol)を入れ、40mLのN,N-dimethylformamide anhydride(無水DMF、和光純薬製)及び478.5μL(5.0mmol)のBrF2CCF2Br(東京化成社製)を加える。次に、この溶液に75.9mg(5.0mmol)のCesiumfluorideを加え、窒素置換を行う。次に、この溶液を室温で2時間程度撹拌する。
【0056】
次に、この溶液を酢酸エチルと水との混合液(酢酸エチル:水=400mL:400mL)を入れた分液漏斗に注いで抽出する。次に、酢酸エチル(100mL)で抽出する。この抽出は、例えば、3回繰り返す。次に、抽出により得られた有機層を水(100mL)で例えば2回洗浄し、更に飽和塩化ナトリウム水溶液(200mL)で洗浄する。その後、有機層に無水硫酸ナトリウム(和光純薬製)を添加して乾燥させる。次に、この有機層を濾過して濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで精製する。これにより、式(iii)で表される3-ブロモメチル2,2’-ビピリジンを、例えば、732mg得ることができる。
【0057】
次に、(S3)においては、式(iii)で表される3-ブロモメチル2,2’-ビピリジンと、3、4-ジヒドロキシ安息香酸とを反応させて、式(iv)で表される4座配位子を得る。
【0058】
以下、(S3)における具体的な手順の一例について説明する。
【0059】
先ず、50mLの反応容器に84.2mg(1.5mmol)の水酸化カリウム(和光純薬製)を入れ、次いで、10mLの脱水エタノール(和光純薬製)を加えて窒素置換する。その後、反応容器内を撹拌しながら1mLのエタノールに溶解させた77mg(0.5mmol)の3、4-ジヒドロキシ安息香酸(東京化成社製)を加え、30分間還流する。
【0060】
次に、この溶液に式(iii)で表される3-ブロモメチル2,2’-ビピリジン263mg(1.0mmol)を加え、更に5時間還流する。次に、この反応溶液を希塩酸水溶液でpH=5程度に調整し、クロロホルムで抽出する。その後、有機層に無水硫酸ナトリウム(和光純薬製)を添加して乾燥させる。次に、この有機層を濾過して濃縮する。そして、残った固体を再結晶させることにより、式(iv)で表される4座配位子を、例えば、80mg得ることができる。
【0061】
次に、(S4)においては、式(iv)で表される4座配位子と、RuCl3と、NH4NCSとを反応させて、式(18)で表される金属錯体色素を得る。
【0062】
以下、(S4)における具体的な手順の一例について説明する。
【0063】
式(iv)で表される4座配位子0.5gをN,N-dimethylformamide(DMF、和光純薬製)50mLに加え、窒素雰囲気下、100℃の温度のもとで撹拌しながら加熱する。その後、この液にRuCl30.20gを加えて120℃の温度のもとで3時間反応させる。次に、この液にNH4NCSを0.74g溶解させた水溶液7mLを加え、5時間反応させる。次に、この液を冷却した後、水100mLに混合し、その混合液をろ過する。そして、セファデックスカラムで精製する。これにより、式(18)で表される金属錯体色素を、例えば、300mg得ることができる。
【0064】
また、式(5)で表される金属錯体色素の合成方法は、上記の方法において、2,2'-ビピリジル誘導体のかわりに1,10-フェナントロリン誘導体を使用することにより合成することができる。
【0065】
更に、式(6)で表される金属錯体色素の合成の例として、式(20)で表される金属錯体色素の合成方法について説明する。式(20)で表される金属錯体色素は、下記式(S5)〜(S7)のスキームに従い合成することができる。
【化31】
【0066】
先ず、(S5)〜(S6)において、4座配位子を調製する。(S5)においては、(S5)中、式(v)で表される2-メチル-1,10-フェナントロリンと、N-ブロモスクシンイミド(NBS)とを反応させて、式(vi)で表される2-ブロモメチル-1,10-フェナントロリンを得る。
【0067】
以下、(S5)における具体的な手順の一例について説明する。
【0068】
先ず、式(v)で表される2-メチル-1,10-フェナントロリン2gと、NBS1.5gとを四塩化炭素20mLに溶解する。次に、この溶液を80℃に加熱し、撹拌しながら過酸化ベンゾイル100mgを加えて3時間反応させる。次に、反応後の溶液を冷却する。次に、反応後の溶液中の沈殿をろ過により除去し、ろ液を炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで水で洗浄する。その後、有機層に硫酸ナトリウムを添加して乾燥させ、エバポレーションする。次に、この有機層を濾過して濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで精製する。これにより、2-ブロモメチル-1,10-フェナントロリンを、例えば、2.2g得ることがでる。
【0069】
次に、(S6)においては、式(vi)で表される2-ブロモメチル-1,10-フェナントロリンと、前述の(S3)において説明した方法等により別途調製した式(iii)で表される3-ブロモメチル2,2’-ビピリジンと、3、4-ジヒドロキシ安息香酸とを反応させて、式(vii)で表される4座配位子を得る。
【0070】
以下、(S6)における具体的な手順の一例について説明する。
【0071】
先ず、反応容器中において、窒素雰囲気下、DMF5mL中に、3、4-ジヒドロキシ安息香酸0.85gと、水酸化カリウム0.61gとを添加し、この液を80℃の温度のもとで、1時間加熱撹拌する。次に、この液を、2-ブロモメチル-1、10-フェナントロリン1.5g、3-ブロモメチル2,2’-ビピリジン1.37gを添加したDMF5mL溶液に加えて、更に3時間加熱する。そして、加熱後の液を放冷させた後、これに水50mLを加えてろ過する。次に、クロロホルムから再結晶させることにより、式(vii)で表される4座配位子を、例えば、0.95g得ることができる。
【0072】
次に、(S7)においては、式(vii)で表される4座配位子と、RuCl3と、NH4NCSとを反応させて、式(20)で表される金属錯体色素を得る。
【0073】
以下、(S7)における具体的な手順の一例について説明する。
【0074】
式(vii)で表される4座配位子0.5gをDMF50mLに加え、窒素雰囲気下、100℃の温度のもとで撹拌しながら加熱する。その後、この液にRuCl30.20gを加えて120℃の温度のもとで3時間反応させる。次に、この液にNH4NCSを0.74g溶解させた水溶液7mLを加え、5時間反応させる。次に、この液を冷却した後、水100mLに混合し、その混合液をろ過する。そして、セファデックスカラムで精製する。これにより、式(20)で表される金属錯体色素を、例えば、300mg得ることができる。
【0075】
次に、図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20の製造方法の一例について説明する。
【0076】
先ず、透明電極1を製造する場合は、ガラス基板等の基板4上に先に述べたフッ素ドープSnO2等の透明導電膜3をスプレーコートする等の公知の方法を用いて形成することができる。
【0077】
次に、透明電極1の透明導電膜3上に半導体電極2を形成する方法としては、例えば、以下の方法がある。すなわち、先ず、酸化チタン等の半導体粒子P1を分散させた分散液を調製する。この分散液の溶媒は水、有機溶媒、または両者の混合溶媒など半導体粒子P1を分散できるものなら特に限定されない。また、分散液中には必要に応じて界面活性剤、粘度調節剤を加えてもよい。次に、分散液を透明電極1の透明導電膜3上に塗布し、次いで乾燥する。このときの塗布方法としてはバーコーター法、印刷法などを用いることができる。
【0078】
そして、乾燥した後、空気中、不活性ガス或いは窒素中で加熱、焼成して半導体電極2の層(多孔質半導体膜)を形成する。このときの焼成温度は300〜800℃が好ましい。焼成温度が300℃未満であると半導体粒子P1間の固着、基板への付着力が弱くなり十分な強度がでなくなるおそれがある。焼成温度が800℃を超えると半導体粒子P1間の固着が進み、半導体電極2(多孔質半導体膜)の表面積が小さくなるおそれがある。
【0079】
次に、半導体電極2中に浸着法等の公知の方法により増感色素P2を含有させる。増感色素P2は半導体電極2に付着(化学吸着、物理吸着または堆積など)させることにより含有させる。この付着方法は、例えば色素を含む溶液中に半導体電極2を浸漬するなどの方法を用いることができる。この際、溶液を加熱し還流させるなどして増感色素の吸着、堆積を促進することができる。なお、このとき、色素の他に必要に応じて、銀等の金属やアルミナ等の金属酸化物を半導体電極2中に含有させてもよい。
【0080】
なお、半導体電極2内に含まれる光電変換反応を阻害する不純物を除去する表面酸化処理を、各層それぞれの形成時毎、或いは、各層全てを形成した時などに公知の方法により適宜施してもよい。
【0081】
また、透明電極1の透明導電膜3上に半導体電極2を形成する他の方法としては、以下の方法がある。すなわち、透明電極1の透明導電膜3上にTiO2等の半導体を膜状に蒸着させる方法を用いてもよい。透明導電膜3上に半導体を膜状に蒸着させる方法としては公知の方法を用いることができる。例えば、電子ビーム蒸着、抵抗加熱蒸着、スパッタ蒸着、クラスタイオンビーム蒸着等の物理蒸着法を用いてもよく、酸素等の反応性ガス中で金属等を蒸発させ、反応生成物を透明導電膜3上に堆積させる反応蒸着法を用いてもよい。更に、反応ガスの流れを制御する等してCVD等の化学蒸着法を用いることもできる。
【0082】
このようにして光電極10を作製した後は、公知の方法により対極CEを作製し、これと光電極10と、スペーサーSを図1に示すように組み上げて、内部に電解質Eを充填し、色素増感型太陽電池20を完成させる。
【0083】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0084】
例えば、本発明の金属錯体色素の用途は、光電極或いは色素増感型太陽電池に使用される増感色素に限定されるものではなく、例えば、電子写真感光体、光−化学エネルギー変換用の色素として使用してもよい。
【0085】
また、本発明の光電極の用途は色素増感型太陽電池用の光電極に限定されるものではなく、光センサー、電子写真感光体用の光電変換素子として使用してもよい。
【0086】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の金属錯体色素、光電極及び色素増感型太陽電池について更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0087】
(実施例1)
(1)金属錯体色素の合成
以下の手順により前述の式(17)で表される金属錯体色素を合成した。
【0088】
先ず、6−ブロモ−2,2’−ビピリジン1g、3,4−ジヒドロキシ安息香酸327mg、水酸化ナトリウム255mgをトメチルピロリドン15mLに添加し、この混合物を窒素雰囲気下、200℃で5時間撹はんすることにより反応させた。次に、反応物を水に添加し、pHを5に調整した後ろ過した。ろ過後のフィルター上に残ったろ過物をクロロホルムに溶解し、再結晶させることにより式(17)で表される金属錯体色素を構成する4座配位子を1050mg得た。
【0089】
次に、この4座配位子500mgと、RuCl3水和物183mgとをN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFという)30mLに溶解し、アルゴン雰囲気下、120℃で3時間加熱し、その後放冷した。
【0090】
次に、アンモニウムチオシアネート533mgをDMF30mLに添加した懸濁液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、アルゴン雰囲気下、120℃で5時間加熱し、その後、放冷した。次に、DMFを留去して得られた残渣をイオン交換水、アセトンで洗浄し、式(17)で表される金属錯体色素を得た。
【0091】
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
以下に示す手順により、図1に示した光電極10と同様の構成を有する光電極を作製し、更に、この光電極を備えた図3に示す色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する0.5cm×1cmのスケールの色素増感型太陽電池を作製した。
【0092】
先ず、オートクレーブの温度を230℃とした以外は、Journal of ceramic society (第80巻、第3157〜3171頁、1987年)に記載のバルベらの方法に従いアセチルアセトン、イオン交換水、界面活性剤(Aldrich社製、商品名;「tritonX」)からなる液にTiO2粒子を分散した半導体電極形成用のスラリー(TiO2粒子の含有量;11質量%、以下、スラリー1とする)を調製した。なお、TiO2粒子はDegussa社製、商品名;「P25」を使用した。
【0093】
次に、スラリー1中に増粘剤としてポリエチレングリコール(和光純薬社製、数平均分子量;2000)を添加し混合することにより、半導体電極形成用のペースト(以下、ペースト1という)を調製した。なお、ペースト1中のTiO2粒子とポリエチレングリコールとの質量比はTiO2粒子:ポリエチレングリコール=10:3となるように調節した。
【0094】
一方、ガラス基板4(透明導電性ガラス)上にフッ素ドープされたSnO2導電膜3(膜厚;600nm)を形成した透明電極1(日本板ガラス社製、表面抵抗;約10Ω/cm2、厚さ;1mm)を準備した。そして、このSnO2導電膜3上に、上述のペースト1をドクターブレードを用いて100μmの厚さとなるまで塗布し、次いで温度を25℃に保持して30分間乾燥させた。その後、ペースト1を塗布した透明電極1を電気炉内に移して、大気中、450℃の条件のもとで30分間焼成した。次に、電気炉から透明電極1を取り出し、冷却した。このようにして、SnO2導電膜3上に図1に示す半導体電極2と同様の構成の半導体電極(受光面の面積;0.5cm2、半導体膜からなる層の厚さ;8μm)を形成し、増感色素を含有していない光電極を作製した。
【0095】
その後、光電極の半導体電極の裏面に色素を以下のようにして吸着させた。先ず、増感色素として先に調製した式(17)で表される金属錯体色素を用い、これをエタノールとDMFの混合溶媒(エタノールとDMFの質量比;エタノール:DMF=1:1)に溶解させた溶液(増感色素の濃度;3×10-4mol/L)を調製した。次に、この溶液に半導体電極を浸漬し、25℃の温度条件のもとで12時間放置した。次に、この溶液から半導体電極を取り出してエタノールで洗浄し、暗所にて自然乾燥させた。これにより、半導体電極2の内部に増感色素を約1.2×10-7mol/m2吸着させた光電極12を完成させた。
【0096】
次に、上記の光電極と同様の形状と大きさを有する対極として、電子ビーム蒸着法によりPtが蒸着された透明導電性ガラス電極(Pt薄膜の厚さ;3nm)を作製した。また、電解質Eとして、ヨウ素系レドックス溶液(ヨウ化テトラブチルアンモニウムの濃度;0.65mol/L、ヨウ化リチウムの濃度;0.1mol/L、ヨウ素0.05mol/L、溶媒;アセトニトリル)を調製した。
【0097】
更に、半導体電極の大きさに合わせた形状を有する三井デュポンポリケミカル社製のスペーサーS(商品名:「ハイミラン」)を準備した。そして、図3に示すように、光電極12と対極CEとスペーサーSを介して対向させ、内部に上記の電解質Eを毛細管現象を利用することにより充填し、色素増感型太陽電池を完成させた。
【0098】
(実施例2)
(1)金属錯体色素の合成
以下の手順により前述の式(18)で表される金属錯体色素を合成した。
【0099】
先ず、6−ブロモメチル−2,2’−ビピリジン800mg、3,4−ジヒドロキシ安息香酸247mg、炭酸カリウム554mgをエタノール20mLに添加し、この混合物を窒素雰囲気下、200℃で3時間撹はん、還流することにより反応させた。次に、反応物を水に添加し、pHを5に調整した後ろ過した。ろ過後のフィルター上に残ったろ過物をクロロホルムに溶解し、再結晶させることにより式(18)で表される金属錯体色素を構成する4座配位子を760mg得た。
【0100】
次に、この4座配位子500mgと、RuCl3水和物168mgとをDMF30mLに溶解し、アルゴン雰囲気下、120℃で3時間加熱し、その後放冷した。
【0101】
次に、アンモニウムチオシアネート490mgをDMF5mLに添加した懸濁液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、アルゴン雰囲気下、120℃で5時間加熱し、その後、放冷した。次にDMFを留去して得られた残渣をイオン交換水、アセトンで洗浄し、式(18)で表される金属錯体色素を得た。
【0102】
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
式(17)で表される金属錯体色素のかわりに、式(18)で表される金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
【0103】
(実施例3)
(1)金属錯体色素の合成
以下の手順により前述の式(16)で表される金属錯体色素を合成した。
【0104】
先ず、6−ブロモメチル−4,4’−カルポキシ−2,2’−ビピリジン1g、カテコール163mg、炭酸カリウム1.8gをDMF30mLに添加し、この混合物を窒素雰囲気下、80℃で8時間撹はんすることにより反応させた。次に、反応物を水に添加し、pHを2.5に調整した後ろ過した。ろ過後のフィルター上に残ったろ過物をクロロホルムに溶解し、再結晶させることにより式(16)で表される金属錯体色素を構成する4座配位子を590mgの配位子を得た。
【0105】
次に、この4座配位子500mgとRuCl3水和物148mgとをDMF20mLに溶解し、アルゴン雰囲気下、120℃で7時間加熱し、その後放冷した。
【0106】
次に、アンモニウムチオシアネート430mgをDMF5mLに添加した懸濁を調製し、これを上記の液に加えた。そして、アルゴン雰囲気下、120℃で3時間加熱し、その後、放冷した。次に、DMFを留去して得られた残渣をイオン交換水、アセトンで洗浄し、式(16)で表される金属錯体色素を得た。
【0107】
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
式(17)で表される金属錯体色素のかわりに、式(16)で表される金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
【0108】
(実施例4)
(1)金属錯体色素の合成
以下の手順により前述の式(15)で表される金属錯体色素を合成した。
【0109】
先ず、6−ブロモ−4,4’−カルポキシ−2,2’−ビピリジン800mg、カテコール130mg、炭酸カリウム1.5gをDMF30mLに添加し、この混合物を窒素雰囲気下、80℃で8時間撹はんすることにより反応させた。次に、反応物を水に添加し、pHを2.5に調整した後ろ過した。ろ過後のフィルター上に残ったろ過物をクロロホルムに溶解し、再結晶させることにより式(15)で表される金属錯体色素を構成する4座配位子を490mgを得た。
【0110】
次に、この4座配位子250mgと、RuCl3水和物77mgとをDMF30mLに溶解し、アルゴン雰囲気下、120℃で5時間加熱し、その後放冷した。
【0111】
次に、アンモニウムチオシアネート255mgをDMF30mLに添加した懸濁液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、アルゴン雰囲気下、120℃で3時間加熱し、その後、放冷した。次に、DMFを留去して得られた残渣をイオン交換水、アセトンで洗浄し、式(15)で表される金属錯体色素を得た。
【0112】
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
式(17)で表される金属錯体色素のかわりに、式(15)で表される金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
【0113】
(実施例5)
(1)金属錯体色素の合成
以下の手順により前述の式(19)で表される金属錯体色素を合成した。
【0114】
先ず、2−プロモ−1,10−フェナントロリン800mg、3,4−ジヒドロキシ安息香酸227mg、水酸化ナトリウム180mgをN−メチルピロリドン15mLに添加し、この混合物を窒素雰囲気下、200℃で5時間撹はん撹はんすることにより反応させた。次に、反応物を水に添加し、pHを5に調整した後ろ過した。ろ過後のフィルター上に残ったろ過物をクロロホルムに溶解し、再結晶させることにより式(19)で表される金属錯体色素を構成する4座配位子を560mg得た。
【0115】
次に、この4座配位子350mgと、RuCl3水和物119mgとをDMF30mLに溶解し、アルゴン雰囲気下、120℃で3時間加熱し、その後放冷した。
【0116】
次に、アンモニウムチオシアネート350mgをDMF5mLに添加した懸濁液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、アルゴン雰囲気下、120℃で5時間加熱し、その後、放冷した。次に、DMFを留去して得られた残渣をイオン交換水、アセトンで洗浄し、式(19)で表される金属錯体色素を得た。
【0117】
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
式(17)で表される金属錯体色素のかわりに、式(19)で表される金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
【0118】
(比較例1)
(1)金属錯体色素の合成
以下の手順により下記式(I)で表される金属錯体色素を合成した。
【化32】
【0119】
先ず、4,4’−カルボキシ−2,2’−ビピリジン500mgと、RuCl3水和物148mgとをDMF20mLに溶解し、アルゴン雰囲気下、120℃で7時間加熱し、その後放冷した。
【0120】
次に、アンモニウムチオシアネート430mgをDMF5mLに添加した懸濁液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、アルゴン雰囲気下、120℃で3時間加熱し、その後、放冷した。次に、DMFを留去して得られた残渣をイオン交換水、アセトンで洗浄し、式(I)で表される金属錯体色素を得た。
【0121】
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
式(17)で表される金属錯体色素のかわりに、式(I)で表される金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
【0122】
(比較例2)
(1)金属錯体色素の合成
以下の手順により下記式(II)で表される金属錯体色素を合成した。
【化33】
【0123】
先ず、2,2’−ビピリジン500mgと、RuCl3水和物398mgとをDMF30mLに溶解し、アルゴン雰囲気下、120℃で1時間加熱し、その後、p−ヒドロキシ安息香酸430mgを加え、更に、120℃で5時間加熱し、その後放冷した。
【0124】
次に、DMFを留去して得られた残渣をイオン交換水、アセトンで洗浄し、式(II)で表される金属錯体色素を得た。
【0125】
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
式(17)で表される金属錯体色素のかわりに、式(II)で表される金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
【0126】
[電池特性試験]
電池特性試験を行ない、実施例1〜実施例7、比較例1の色素増感型太陽電池のエネルギー変換効率ηを測定した。電池特性試験は、ソーラーシミュレータ(ワコム製、商品名;「WXS−85−H型」)を用い、AMフィルター(AM−1.5)を通したキセノンランプから1000mW/cm2の疑似太陽光を照射することにより行った。I−Vテスターを用いて電流−電圧特性を測定し、開放電圧(Voc/V)、短絡電流(Isc/mA・cm-2)、曲線因子(F.F.)及び起動開始直後におけるエネルギー変換効率(η/%)を求めた。
【0127】
そして、起動開始直後からこのエネルギー変換効率ηの値が1/2となるまでの時間をη半減時間として測定した。実施例1〜実施例5、比較例1及び比較例2の各色素増感型太陽電池に備えられている光電極の構成と電池特性試験の結果を表1に示す。
【0128】
【表1】
【0129】
表1に示した結果から明らかなように、実施例1〜実施例5の色素増感型太陽電池は、比較例1及び比較例2の色素増感型太陽電池よりもエネルギー変換効率ηの低下を長期にわたり防止できることが確認された。
【0130】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、優れた耐熱性、耐光性及び化学的安定性を有する金属錯体色素を提供することができる。また、この金属錯体色素を半導体電極に含有させることにより、優れた光電変換効率を長期にわたり得ることができる光電極を構成することができる。更に、この光電極を用いることにより、優れたエネルギー変換効率を長期にわたり得ることができる色素増感型太陽電池を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光電極の好適な一実施形態を示す模式断面図である。
【図2】図1に示した領域100の部分の模式拡大断面図である。
【図3】図1に示した光電極を備えた色素増感型太陽電池を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1…透明電極、2…半導体電極、3…透明導電膜、4…基板、10…光電極,20…色素増感型太陽電池、100…光電極10の部分領域、CE…対極、E…電解質、F1,F2,F3,…受光面、F22…半導体電極2の裏面、P1…半導体粒子、P2…金属錯体色素、S…スペーサー。
Claims (6)
- 下記式(1)〜(3)の何れかで表されることを特徴とする金属錯体色素。
R1、R2、R3及びR4は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、−COORA1基(RA1は水素原子又は炭素数1〜15の1価の基を示す)、アルキル基、アリール基、アリル基、アルケン基、アルキン基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ヒドロキシレート基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、スルホ基、スルフィノ基、オキシカルボニル基、ハロホルミル基、カルバモイル基、ヒドラジノカルボニル基、アミジノ基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ホルミル基、オキソ基、チオホルミル基、チオキソ基、メルカプト基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、アリロキシ基、スルフィド基、ニトロ基、シリル基及びハロゲン基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基であって、何れか2つが互いに連結して環を形成していてもよく、
R5は2価の基であり、−COOR A2 基、PO(OR A2 ) 2 基、SO 2 R A2 基及びSO 3 R A2 基(R A2 は水素原子又は炭素数1〜15の1価の基を示す)からなる群から選択される何れかの置換基を側鎖として含んでいてもよく、
a1及びb1はそれぞれ独立に0〜4の整数、d1及びf1はそれぞれ独立に0〜3の整数を示し、
ただし、R 5 に−COOH基が含まれていない場合には、(a1+b1+d1+f1)≧1であり、かつ、R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 のうち少なくとも1つは−COOH基であり、
R 5 に−COOH基が含まれている場合には、(a1+b1+d1+f1)≧0であり、
a1、b1、d1及びf1がそれぞれ2以上の場合には、各R1、各R2、各R3及び各R4はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、何れか2つが互いに連結して環を形成していてもよい。]
R6、R7、R8、R9、R10及びR11は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、−COORA3基(RA3は水素原子又は炭素数1〜15の1価の基を示す)、アルキル基、アリール基、アリル基、アルケン基、アルキン基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ヒドロキシレート基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、スルホ基、スルフィノ基、オキシカルボニル基、ハロホルミル基、カルバモイル基、ヒドラジノカルボニル基、アミジノ基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ホルミル基、オキソ基、チオホルミル基、チオキソ基、メルカプト基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、アリロキシ基、スルフィド基、ニトロ基、シリル基及びハロゲン基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基であって、何れか2つが連結して環を形成していてもよく、
R5は前記式(1)に記載のR5と同義であり、
a2及びb2はそれぞれ独立に0〜3の整数、d2、f2、g2及びh2はそれぞれ独立に0〜2の整数を示し、
ただし、R 5 に−COOH基が含まれていない場合には、(a2+b2+d2+f2+g2+h2)≧1であり、かつ、R 6 、R 7 、R 8 、R 9 、R 10 及びR 11 のうち少なくとも1つは−COOH基であり、
R 5 に−COOH基が含まれている場合には、(a2+b2+d2+f2+g2+h2)≧0であり、
a2、b2、d2、f2、g2及びh2がそれぞれ2以上の場合には、各R6、各R7、各R8、各R9、各R10及び各R11は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、何れか2つが互いに連結して環を形成していてもよい。]
R12、R13、R14、R15及びR16は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、−COORA4基(RA4は水素原子又は炭素数1〜15の1価の基を示す)、アルキル基、アリール基、アリル基、アルケン基、アルキン基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ヒドロキシレート基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、スルホ基、スルフィノ基、オキシカルボニル基、ハロホルミル基、カルバモイル基、ヒドラジノカルボニル基、アミジノ基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ホルミル基、オキソ基、チオホルミル基、チオキソ基、メルカプト基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、アリロキシ基、スルフィド基、ニトロ基、シリル基及びハロゲン基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基であって、何れか2つが互いに連結して環を形成していてもよく、
R5は前記式(1)に記載のR5と同義であり、
a3は0〜4の整数、b3及びd3はそれぞれ独立に0〜3の整数、f3及びh3はそれぞれ独立に0〜2の整数を示し、
ただし、R 5 に−COOH基が含まれていない場合には、(a3+b3+d3+f3+h3)≧1であり、かつ、R 12 、R 13 、R 14 、R 15 及びR 16 のうち少なくとも1つは−COOH基であり、
R 5 に−COOH基が含まれている場合には、(a3+b3+d3+f3+h3)≧0であり、
a3、b3、d3、f3及びh3がそれぞれ2以上の場合には、各R12、各R13、各R14、各R15及び各R16は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、何れか2つが互いに連結して環を形成していてもよい。] - R5は酸素原子、硫黄原子及び炭素原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子により構成された2価の基であることを特徴とする請求項1に記載の金属錯体色素。
- 下記式(4)〜(6)の何れかで表されることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属錯体色素。
R17、R18、R19、R20及びR21は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、−COORA5基(RA5は水素原子又は炭素数1〜15の1価の基を示す)、アルキル基、アリール基、アリル基、アルケン基、アルキン基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ヒドロキシレート基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、スルホ基、スルフィノ基、オキシカルボニル基、ハロホルミル基、カルバモイル基、ヒドラジノカルボニル基、アミジノ基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ホルミル基、オキソ基、チオホルミル基、チオキソ基、メルカプト基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、アリロキシ基、スルフィド基、ニトロ基、シリル基及びハロゲン基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基であって、何れか2つが互いに連結して環を形成していてもよく、
a4、b4及びm4はそれぞれ独立に0〜4の整数、d4及びf4はそれぞれ独立に0〜3の整数、i4及びj4はそれぞれ独立に0〜4の整数を示し、
A及びBはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、それぞれ酸素原子、硫黄原子及び炭素原子からなる群から選択される何れかの原子を示し、
ただし、(a4+b4+d4+f4+m4)≧1であり、かつ、R17、R18、R19、R20及びR21のうち少なくとも1つは−COOH基であり、
a4、b4、d4、f4及びm4がそれぞれ2以上の場合には、各R17、各R18、各R19、各R20及び各R21は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、何れか2つが互いに連結して環を形成していてもよい。]
R22、R23、R24、R25、R26、R27、及びR28は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、−COORA6基(RA6は水素原子又は炭素数1〜15の1価の基を示す)、アルキル基、アリール基、アリル基、アルケン基、アルキン基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ヒドロキシレート基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、スルホ基、スルフィノ基、オキシカルボニル基、ハロホルミル基、カルバモイル基、ヒドラジノカルボニル基、アミジノ基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ホルミル基、オキソ基、チオホルミル基、チオキソ基、メルカプト基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、アリロキシ基、スルフィド基、ニトロ基、シリル基及びハロゲン基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基であって、何れか2つが互いに連結して環を形成していてもよく、
a5及びb5はそれぞれ独立に0〜3の整数、m5は0〜4の整数、d5、f5、g5、h5はそれぞれ独立に0〜2の整数、i5及びj5はそれぞれ独立に0〜4の整数を示し、
D及びEはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、それぞれ酸素原子、硫黄原子及び炭素原子からなる群から選択される何れかの原子を示し、
ただし、(a5+b5+d5+f5+g5+h5+m5)≧1であり、かつ、R22、R23、R24、R25、R26、R27、及びR28のうち少なくとも1つは−COOH基であり、
a5、b5、d5、f5、g5、h5及びm5がそれぞれ2以上の場合には、各R22、各R23、各R24、各R25、各R26、各R27、及び各R28は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、何れか2つが互いに連結して環を形成していてもよい。]
R29、R30、R31、R32、R33及びR34は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、−COORA7基(RA7はは水素原子又は炭素数1〜15の1価の基を示す)、アルキル基、アリール基、アリル基、アルケン基、アルキン基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ヒドロキシレート基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、スルホ基、スルフィノ基、オキシカルボニル基、ハロホルミル基、カルバモイル基、ヒドラジノカルボニル基、アミジノ基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ホルミル基、オキソ基、チオホルミル基、チオキソ基、メルカプト基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、アリロキシ基、スルフィド基、ニトロ基、シリル基及びハロゲン基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基であって、何れか2つが互いに連結して環を形成していてもよく、
a6及びm6はそれぞれ独立に0〜4の整数、b6及びd6はそれぞれ独立に0〜3の整数、f6、h6はそれぞれ独立に0〜2の整数、i6及びj6はそれぞれ独立に0〜4の整数を示し、
G及びJはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、それぞれ酸素原子、硫黄原子及び炭素原子からなる群から選択される何れかの原子を示し、
ただし、(a6+b6+d6+f6+h6+m6)≧1であり、かつ、R29、R30、R31、R32、R33及びR34のうち少なくとも1つは−COOH基であり、
a6、b6、d6、f6、h6及びm6がそれぞれ2以上の場合には、各R29、各R30、各R31、各R32、各R33及び各R34は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、何れか2つが互いに連結して環を形成していてもよい。] - 受光面を有する半導体電極と、当該受光面上に隣接して配置された透明電極とを有する光電極であって、
前記半導体電極には増感色素が含有されており、
前記増感色素が請求項1〜4に記載の金属錯体色素であること、
を特徴とする光電極。 - 受光面を有する半導体電極と当該半導体電極の前記受光面上に隣接して配置された透明電極とを有する光電極と、対極とを有しており、前記半導体電極と前記対極とが電解質を介して対向配置された色素増感型太陽電池であって、
前記光電極が請求項5に記載の光電極であること、
を特徴とする色素増感型太陽電池。
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