JP5755459B2 - 縮合多環芳香族炭化水素化合物及び該化合物を用いた光電変換素子 - Google Patents

縮合多環芳香族炭化水素化合物及び該化合物を用いた光電変換素子 Download PDF

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Description

本発明は、新規な縮合多環芳香族炭化水素化合物及び該化合物を用いた光電変換素子に関する。
現在に広く普及しているシリコン系太陽電池は、原料が高価で製造コストが掛かる等の問題があり、代替となる太陽電池が精力的に研究されている。中でも、Graetzelら(特許文献1及び非特許文献1)によって提案されたルテニウム錯体等の色素が担持された酸化チタン等の多孔質性酸化物からなる半導体電極膜を用いる色素増感太陽電池が、使用される原料の廉価さや、大面積化の容易さから様々な機関で活発に研究されているがこれらの色素増感太陽電池は、量産には不向きであり、更に高い変換効率が求められている。
一方、可視光線を吸収する化合物、例えば、シアニン系色素、アゾ系色素、フタロシアニン系色素、スクアリリウム系色素、リレン誘導体等は、太陽電池、光センサーをはじめとする光電変換素子等の機能材料として研究されている(特許文献2〜4)。有機系材料は無機系材料に比べ、軽量、安価、量産可能、製造、加工が容易という長所がある反面、従来の有機系材料では高い光電変換効率や剥離耐性が得られなかった。
特開平1−220380号公報 特開2000−106224号公報 国際公開WO02/11213号パンフレット 特表2009−515846号公報
Brian O'Regan、 Michael Graetzel、"A low-cost, high-efficiency Solar cell based on dye-sensitized colloidal TiO2 films"、NATURE 、第353巻、737頁〜740頁、1991年
従って、本発明の目的は、光電変換素子の形成に好適な剥離耐性を有する新規な化合物である縮合多環芳香族炭化水素化合物、及び該化合物を用いた光電変換素子を提供することにある。
本発明者は、検討を重ねた結果、特定の分子構造を有する縮合多環芳香族炭化水素化合物が、上記課題を解決しうることを知見した。
即ち、本発明は、下記一般式(I)で表される縮合多環芳香族炭化水素化合物を提供することにより、上記目的を達成したものである。

Figure 0005755459
(式中、環Aは芳香族六員環を3〜8個有する縮合多環芳香族炭化水素基であり、
1及びR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又はアンカー基を表し、
3は、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アンカー基又は下記一般式(II)で表される置換基を表し、
1、R2又はR3のうち少なくとも一つはアンカー基である。)
Figure 0005755459
(式中、R7及びR8は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又はアンカー基を表す。)
また、本発明は、上記化合物からなる色素を少なくとも一種含有する光電変換素子を提供することで、上記目的を達成したものである。
本発明の縮合多環芳香族炭化水素化合物は、剥離耐性が高く光電変換素子用の材料として有用である。
以下、本発明について、好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
先ず、芳香族六員環を3〜8個有する、本発明の縮合多環芳香族炭化水素化合物について説明する。
上記一般式(I)において、環Aで表される縮合多環芳香族炭化水素基としては、例えば、アントラセン、フェナントレン、フルオランテン、ベンゾフルオレン、アセフェナントリレン、アセフェナントレン、アセアントリレン、ペリレン、テトラセン、テトラフェン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ジベンゾフルオレン、ペンタセン、ペンタフェン、ピセン、テトラフェニレン、ベンゾピレン、ヘキサセン、ジベンゾペリレン、ジベンゾピレン、コロネン、ヘプタセン、ベンゾコロネン、ジペリレン等が挙げられ、これらの環はさらに多環非芳香族炭化水素で縮合されていてもよく、さらに炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。これらの縮合多環芳香族炭化水素基の中でも、芳香族六員環を3〜5個有する化合物が、安定性が高く安価に得られるので好ましく、ペリレン、アントラセンが、剥離耐性が高く合成が容易なのでさらに好ましい。
上記一般式(I)において、R1、R2又はR3並びに上記一般式(II)におけるR7及びR8で表される炭素原子数1〜10のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル等が挙げられ、
1、R2又はR3並びに上記一般式(II)におけるR7及びR8で表される炭素原子数6〜20のアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントラセン−1−イル、フェナントレン−1−イル等が挙げられ、
1、R2又はR3並びに上記一般式(II)におけるR7及びR8で表される炭素原子数7〜20のアリールアルキル基としては、ベンジル、フェネチル、1−メチル−1−フェニルエチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等が挙げられ、
1、R2又はR3並びに上記一般式(II)におけるR7及びR8で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
上記一般式(I)におけるR1〜R3並びに上記一般式(II)におけるR7及びR8で表されるアンカー基は、担持体と化学的に結合することができる電子吸引性の基であり、該アンカー基としては、下記〔化3〕で表されるものを好ましく挙げることができる。
Figure 0005755459
(式中、Lは、直接結合又は2価の炭化水素基であり、Pは、陰イオン性基である。)
上記式中、Lで表される2価の炭化水素基としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、プロピレン、ブチレン等の炭素原子数1〜8のアルキレン基;フェニレン、トリレン、ナフチレン等の炭素原子数6〜12のアリーレン基;フェニレンメチレン、フェニレンエチレン等のアリーレンアルキレン基;フェニレンジメチレン、フェニレンジエチレン等のアリーレンジアルキレン基等が挙げられ、
上記炭素原子数1〜8のアルキレン基及びアリーレンアルキレン基並びにアリーレンジアルキレン基中のメチレン鎖は、−O−、−S−、−CO−又は−C=C−に置き換えられてもよく、該メチレン鎖の水素原子はシアノ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜4のエステル基、水酸基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されてもよい。
Pで表される陰イオン性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、オキシム基、水酸基或いはその金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩等が挙げられ、これらのアンカー基の中でも、カルボキシル基、スルホン酸基又はリン酸基が、製造が容易で剥離耐性も高いので好ましい。
上記一般式(I)で表される化合物のうち、下記一般式(III)で表されるペリレン化合物は、製造が容易で剥離耐性も高いので好ましい。

Figure 0005755459
(式中、R1及びR2は、上記一般式(I)と同じであり、R4及びR5は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又はアンカー基を表し、R1、R2又はR5のうち少なくとも一つはアンカー基である。)
上記一般式(III)におけるR4及びR5で表される炭素原子数1〜10のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル等が挙げられ、
4及びR5炭素原子数6〜20のアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントラセン−1−イル、フェナントレン−1−イル等が挙げられ、
4及びR5で表される炭素原子数7〜20のアリールアルキル基としては、ベンジル、フェネチル、1−メチル−1−フェニルエチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等が挙げられ、R4及びR5で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
上記一般式(III)で表されるペリレン化合物の具体例としては、以下に示す構造の化合物が挙げられる。ただし、本発明は以下の化合物により制限を受けるものではない。
Figure 0005755459
Figure 0005755459
Figure 0005755459
上記一般式(II)で表されるペリレン化合物は、その製造方法については特に限定されず、例えば、特開2001−11031号公報、特開2001−176664号公報、特開2003−201472号公報、特開2005−75868号公報、特表2007−527114号公報等に記載された公知の反応により得られる誘導体を、適宜アセチル化及びカルボン酸酸化等することにより製造することができる。
上記一般式(I)で表される化合物のうち、下記一般式(IV)で表されるアントラセン化合物は、製造が容易で剥離耐性も高いので好ましい。
Figure 0005755459
(式中、R1及びR2は、上記一般式(I)と同じであり、R6は、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アンカー基又は上記一般式(II)で表される置換基を表し、R1、R2及びR6のうち少なくとも一つはアンカー基である。)
上記一般式(IV)におけるR6で表される炭素原子数1〜10のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル等が挙げられ、
上記一般式(IV)におけるR6で表される炭素原子数6〜20のアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントラセン−1−イル、フェナントレン−1−イル等が挙げられ、
上記一般式(IV)におけるR6で表される炭素原子数7〜20のアリールアルキル基としては、ベンジル、フェネチル、1−メチル−1−フェニルエチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等が挙げられ、
上記一般式(IV)におけるR6で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
上記一般式(IV)で表されるアントラセン化合物の具体例としては、以下に示す構造の化合物が挙げられる。ただし、本発明は以下の化合物により制限を受けるものではない。
Figure 0005755459
Figure 0005755459
Figure 0005755459
上記一般式(IV)で表されるアントラセン化合物は、その製造方法については特に限定されず、例えば、特開平8−53397号公報、特開平10−36832号公報、特開平10−45982号公報、特開2001−131541号公報等に記載された公知の反応により得られる誘導体を、適宜アセチル化及びカルボン酸酸化等することにより製造することができる。
次に、本発明の光電変換素子について説明する。
本発明の光電変換素子は、色素として、本発明の縮合多環芳香族炭化水素化合物を用いたものである。本発明の光電変換素子には、光を電気エネルギーに変換する素子及び逆に電気エネルギーを光に変換する素子が包含される。前者の代表的なものとしては、色素増感型太陽電池やフォトダイオード等の発電デバイスが挙げられる。後者の代表的なものとしては、発光ダイオードや半導体レーザ等の発光デバイスが挙げられる。光電変換素子が発電デバイスの一種である色素増感太陽電池である場合、該色素増感太陽電池の具体的な構成の一例は、次の通りである。
即ち、色素増感太陽電池は、電極基材、第一の透明導電層、本発明の化合物からなる色素が吸着(担持)した金属酸化物膜、電解質層、第二の透明導電層、及び対向基材が順に形成されてなる。
上記電極基材に用いられる材料は、透明であれば特に限定されるものではない。具体的には、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリレート、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル等、トリアセチルセルロース、テトラアセチルセルロース、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエステルスルフォン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、環状ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系等のプラスチックフィルムや、ガラスや強化ガラス等のガラス類を用いることができる。
上記電極基材の厚さは、材料がプラスチックフィルムの場合は、10μm以上500μm以下が好ましく、50μm以上200μm以下がより好ましく、さらに100μ以上200μm以下がより一層好ましい。また材料がガラス類の場合は、0.1mm以上5mm以下が好ましく、0.5mm以上4mm以下がより好ましく、さらに0.5mm以上2mm以下がより一層好ましい。また、電極基材は光の入射面として用いる場合、可視光域の透過率が85%以上であって、耐候性に優れ、かつ指示材として耐えうる強度をもつことが好ましい。
このような電極基材は、必要に応じて表面がコロナ処理、プラズマ処理、薬品処理等によって改質されたものであってもよい。
本発明の光電変換素子において、一方の電極基材は透明である必要があるが、他方の対向基材は透明である必要はない。導電性被膜を形成できる程度の平滑性を備えた表面を形成でき、かつ封止材を挟み込む程度の強度を有するものであれば、用いられる材料は特に限定されるものではなく、無機系材料、有機系材料、金属系材料等の材質を問わず対向基材として用いることができる。例えば、白金、金、銀等の貴金属や、銅、アルミニウム、炭素等の導電性材料が挙げられる。腐食や長期耐久性を考慮すると、白金、金、銀等の貴金属材料や炭素が好ましく、これらの貴金属又は炭素を蒸着したガラス又はプラスチックを対向基材として使用することが好ましい。また対向基材の厚さは、材質にもよるが、強度と製品の軽量性を考慮して10μm以上3000μm以下が好ましく、50μm以上1000μm以下がより好ましい。
本発明の光電変換素子では、上記電極基材と、本発明の化合物であるペリレン化合物、アントラセン化合物等からなる色素が吸着した金属酸化物膜との間に透明導電層(第一の透明導電層)を設ける。該透明導電層としては、公知の可視光領域の吸収が少なく導電性のある透明導電材料を用いることができる。斯かる透明導電材料としては、スズをドープした酸化インジウム(ITO)、亜鉛をドープした酸化インジウム(IZO)、フッ素やインジウムやアンチモン等をドープした酸化スズ、アルミニウムやガリウム等をドープした酸化亜鉛等が好ましい。また、銀、或いは銀合金(AgAuCu等)をITO、TiO2、ZnO等で挟んだ3層型透明導電材料や金(Au)、銀(Ag)或いは白金(Pt)
等の金属薄膜、導電性高分子等も挙げられる。これらの中でも、特にITO又はフッ素をドープした酸化スズを使用することが好ましい。
上記透明導電層の形成方法としては、真空蒸着法、反応性蒸着法、イオンビームアシスト蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等の真空製膜プロセスが挙げられる。しかし、これらの例に限定されることはなく、いかなる成膜方法であっても構わない。透明導電層の厚さは50nm以上1μm以下が好ましい。条件にもよるが、ITOの場合は、100nm以上400nm以下の膜厚が好ましく、フッ素ドープ酸化スズの場合は、300nm以上900nm以下が好ましい。また、透明導電層は、可視光域の透過率が65%以上であることが好ましい。
本発明の化合物が吸着(担持)した金属酸化物膜としては、n型或いはp型半導体の性質を示す金属酸化物を用いることができる。具体的には、亜鉛、ニオブ、錫、チタン、バナジウム、インジウム、タングステン、タンタル、ジルコニウム、モリブデン、マンガン、鉄、銅、ニッケル、イリジウム、ロジウム、クロム、ルテニウム等の酸化物等が挙げられる。また、SrTiO3、CaTiO3、BaTiO3、MgTiO3、SrNb26のようなペロブスカイト、或いは、これらの複合酸化物又は酸化物混合物等も使用することができる。
上記金属酸化物膜の形成方法は、以下の通りである。金属酸化物の成膜には、形成したい金属酸化物に対応する金属、金属酸化物、金属亜酸化物等を蒸着源として電子ビームやプラズマ銃による加熱を用いた蒸着法、或いは酸素ガスを導入しながら蒸着を行なう反応性蒸着法を用いることができる。成膜圧力は用いる蒸着源の種類によって異なるが、1×10-2Pa〜1Paの範囲で行なう。成膜の際、任意のガスを用いたプラズマやイオン銃、ラジカル銃等でアシストを行なってもよい。基板温度は、−50℃から600℃の間で任意に選択することができるが、多孔性を高く保つためには300℃以下であることが好ましい。また目的の金属酸化物によっては、電界析出法、焼結法、スパッタリング法、イオンプレーティング、CVD等の真空成膜法を用いてもよい。また基材にプラスチックフィルムを用いた場合には、ロールトゥロール方式で成膜すれば、より高い生産性を得ることができる。
以上の方法により得られた金属酸化物膜は、プラズマ処理、コロナ処理、UV処理、薬品処理等の任意の方法で表面処理することができる。また、熱による焼成や圧縮機を用いた加圧処置、レーザアニーリング等の任意の手段を用いて後処理することもできる。
本発明の光電変換素子において、金属酸化物膜に吸着(担持)させる化合物としては、本発明の化合物であるペリレン化合物、アントラセン化合物等に加えて、例えば、他の構造のペリレン化合物、アントラセン化合物、N3、ブラックダイ、ビピリジン−カルボン酸基、ビピリジン系、フェナントロリン、キノリン、β−ジケトナート錯体、ルテニウム錯体等の色素を含んでいてもよい。他に、Os金属錯体、Fe金属錯体、Cu金属錯体、Pt金属錯体、Re金属錯体等の金属錯体色素や、シアニン色素やメロシアニン色素等のメチン色素、マーキュロクロム色素、キサンテン系色素、ポルフィリン色素、フタロシアニン色素、シアニジン色素、ローダミン色素、アントラキノン系色素、多環キノン系色素、ジフェニルメタン系色素、キノリン系色素、ベンゾフェノン系色素、ナフトキノン系色素、スクアリリウム系色素、アゾ系色素、クマリン系色素等の有機系色素等を用いることもできる。
これらの色素は、吸収係数が大きくかつ繰り返しの酸化還元に対して安定であることが好ましい。また、上記色素は金属酸化物半導体上に化学的に吸着することが好ましく、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基、アミド基、アミノ基、カルボニル基、ホスフィン基等の官能基を有することが好ましい。
上記金属酸化物膜に、本発明の化合物からなる色素、及びその他の色素を吸着(担持)させる方法としては、金属ハロゲン化物又は金属アルコキシド、或いはそれらを加水分解した金属酸化物ゾルを透明導電膜上に塗布し、これを乾燥した後、加熱処理、化学処理、プラズマ処理或いはオゾン処理を行うことによって金属酸化物膜を形成した後、水系又は有機系溶媒に色素を溶解した色素溶液に金属酸化物膜を浸漬して化学的に吸着させる方法、金属硝酸塩溶液に色素を混合したものを電気化学的に還元する方法等が挙げられる。また、本発明の化合物からなる色素の吸着(担持)量は、上記金属酸化物100質量部に対して、好ましくは1×10-5〜0.1質量部、より好ましくは1×10-4〜1×10-2質量部であり、その他の色素を使用する場合は、本発明の化合物からなる色素100質量部に対して、好ましくは0.1〜50質量部とするとよい。
本発明における電解質層に使用される電解液は、電解質、溶媒、及び添加物から構成されることが好ましい。好ましい電解質は、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化カルシウム等の金属ヨウ化物−ヨウ素の組み合わせ、テトラアルキルアンモニウムヨーダイド、テトラプロピルヨーダイド(TPAI)、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物のヨウ素塩−ヨウ素の組み合わせ、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、臭化カルシウム等の金属臭化物−臭素の組み合わせ、テトラアルキルアンモニウムブラマイド、ピリジニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムパークロレート(TBAP)等の4級アンモニウム化合物若しくは臭素塩−臭素との組み合わせ、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩、フェロセン−フェリシニウムイオン等の金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド等のイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノン等が挙げられる。上述の電解質は単独の組み合わせであっても混合であってもよい。また、電解質として、室温で溶融状態の塩を用いることもできる。この溶融塩を用いた場合は、特に溶媒を用いなくともよい。
上記電解液における電解質濃度は、0.05〜20Mが好ましく、0.1〜15Mが更に好ましい。電解液に用いる溶媒としては、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、エチルメテイルカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒、3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等のアルコール系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、ペンタノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等が好ましい。
本発明の光電変換素子では、上記電解質は、ポリマー添加、オイルゲル化剤添加、多官能モノマー類を含む重合、ポリマー架橋反応等の手法によりゲル化させることもできる。ポリマー添加によちゲル化させる場合の好ましいポリマーとしては、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン等を挙げることができる。オイルゲル化剤添加によりゲル化させる場合の好ましいゲル化剤としては、ジベンジルデン−D−ソルビトール、コレステトール誘導体、アミノ酸誘導体、トランス−(1R,2R)−1,2−シクロヘキサンジアミンのアルキルアミド誘導体、アルキル尿素誘導体、N−オクチル−D−グルコンアミドベンゾエート、双頭型アミノ酸誘導体、4級アンモニウム誘導体等を挙げることができる。
本発明における電解質の形成方法としては、マイクログラビアコーティング、ディップコーティング、スクリーンコーティング、スピンコーティング等を用いることができる。固体電解質又はp型半導体を用いる場合は、任意の溶媒を用いた溶液にした後、上記方法を用いて塗工し、基材を任意の温度に加熱して溶媒を蒸発させる等により形成する。
上記対向電極が透明でない場合、対向電極と電解質との間に、第二の透明導電層を設けてもよい。第二の透明導電層としては、白金や金、銀等の貴金属材料、銅やアルミニウムや炭素等の導電性材料が挙げられる。腐食や長期耐久性を考慮すると、白金や金、銀等の貴金属材料や炭素が望ましく、これらの貴金属又は炭素を蒸着したガラス又はプラスチックを使用することが好ましい。また、可視光透過性を有する色素増感太陽電池を得るために、第二の透明導電層には、ITO、酸化錫、弗素ドープされた酸化錫等の透明導電膜を使用することもできる。上記対向電極が透明の場合は、対向電極が第二の透明導電層となる。また、第二の透明導電層の厚さは、材質にもよるが、0.001μm以上10μm以下が好ましく、0.05μm以上0.1μm以下がより好ましい。
また、本発明の光電変換素子には、必要に応じて導電性触媒層を設けてもよい。導電性触媒層としては、任意の導電性材料を用いることができ、白金や金、銀、銅等の金属、若しくは炭素等を挙げることができる。また、ポリアニリン、ポリチオフェン、PEDOT、ポリピロール等の導電性材料を用いることもできる。これらを形成する際には、透明導電層と同様の真空成膜法、或いはこれら材料の微粒子をペーストにしたものをウェットコーティングする方法を用いることができる。
上記導電性触媒層の厚さは、0.1nm以上500nm以下が好ましく、5nm以上200nm以下がより好ましく、5nm以上150nm以下がさらに好ましい。また、導電性触媒はヨウ素等の酸化還元系を使用する場合、白金、炭素等の酸化能の強い材料を用いる。固体状電化輸送材料を用いる場合、仕事関数がそれに近い材料を用いることが好ましい。具体的には仕事関数4.5eV以上が好ましい。
また、本発明の光電変換素子は、上記電極基材と上記対抗基材との間に上記電解質層を封止する封止材を設けてもよい。該封止材としては、耐候性、耐光性、高防湿性、耐熱性が求められる。さらに、電解液の蒸散を防止するために、電解液に不溶な物質が好ましく、フィルム状の樹脂(例えば、ポリエチレン樹脂、エチレンビニルアセテート等)を電極周辺に張り合わせて、加熱若しくは圧力を加えながら加熱することにより、フィルムを融着させて封止する。さらに、その周囲を接着剤(例えば、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂等)を用いて封止することで、完全に電解液の蒸散を防ぐことができる。
また、本発明の新規化合物である縮合多環芳香族炭化水素化合物は、光電変換素子の他、DVD−R等の光学記録層、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT)、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイ等の画像表示装置に用いられる光学フィルタ、カラートナー、インクジェット用インキ、塗料、銀塩写真用の分光増感色素、或いは光反応系の増感剤等の用途にも有用である。
以下、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等により制限されるものではない。
下記実施例1−1〜1−4は、上記一般式(III)で表される化合物No.1〜No.5、No.19及びNo.20の製造例を示し、下記実施例1−5〜1−9は、上記一般式(IV)で表される化合物No.21〜No.23、No.33及びNo.35の製造例を示し、下記実施例2−1〜2−3は、実施例1−1〜1−3で得られた化合物No.1〜No.5を含有する色素増感太陽電池No.1〜No.3の製造例を示し、下記実施例2−4は、実施例1−6で得られた化合物No.22を含有する色素増感太陽電池No.4の製造例を示す。
下記評価例1〜7及び比較評価例1〜4において、上記一般式(III)で表される化合物No.1〜化合物No.5、上記一般式(IV)で表される化合物No.21〜No.23、No.33、並びに上記一般式(III)及び上記一般式(IV)とは異なる構造である比較化合物No.1〜No.4について酸化チタンへの吸着性及び剥離耐性を、UV吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)における吸光度残存率の測定により評価した。
[実施例1−1]9−[ビス(4’−プロピル−4−ビフェニリル)アミノ]ペリレン−3−カルボン酸(化合物No.1)及び10−[ビス(4’−プロピル−4−ビフェニリル)アミノ]ペリレン−3−カルボン酸(化合物No.2)の混合物の製造
<ステップ1>3−アセチル−9−[ビス(4’−プロピル−4−ビフェニリル)アミノ]ペリレン及び3−アセチル−10−[ビス(4’−プロピル−4−ビフェニリル)アミノ]ペリレンの混合物(以下、混合物Aともいう)の製造
ビス(4’−プロピル−4−ビフェニリル)アミノペリレン1.32g(2mmol)及び塩化アセチル0.32g(4mmol)をクロロホルム4mLに溶解して5℃に冷却後、塩化アルミニウム0.94g(7mmol)を加えた。5℃で1時間撹拌後、氷水に反応系を滴下して油水分離した。有機相を塩酸、水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。脱溶媒後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)で精製し、赤色固体として、混合物A0.98g(収率70%)を得た。1H−NMRより、得られた固体は3−アセチル−9−[ビス(4’−プロピル−4−ビフェニリル)アミノ]ペリレン及び3−アセチル−10−[ビス(4’−プロピル−4−ビフェニリル)アミノ]ペリレンの混合物であった。
<ステップ2>9−[ビス(4’−プロピル−4−ビフェニリル)アミノ]ペリレン−3−カルボン酸(化合物No.1)及び10−[ビス(4’−プロピル−4−ビフェニリル)アミノ]ペリレン−3−カルボン酸(化合物No.2)の混合物の製造
ステップ1で得られた混合物A0.70g(1mmol)を1,4−ジオキサン25mLに溶解し、10℃に冷却した。これとは別の容器にて水酸化ナトリウム1g(25mmol)と水15gの溶液に臭素0.80g(5mmol)を滴下して次亜臭素酸ナトリウム水溶液を調製し、先の溶液に滴下した。そのまま40℃まで昇温し、3時間撹拌した。6M塩酸で中和し、クロロホルムを加えて油水分離し、有機相を3回水洗した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、脱溶媒後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=10/1)で精製し、更にシリカゲルTLC(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=10/1)で精製し、赤色固体0.46g(収率66%)を得た。1H−NMRより、得られた固体は9−[ビス(4’−プロピル−4−ビフェニリル)アミノ]ペリレン−3−カルボン酸(化合物No.1)及び10−[ビス(4’−プロピル−4−ビフェニリル)アミノ]ペリレン−3−カルボン酸(化合物No.2)の混合物であった。
[実施例1−2]9−[ビス(4−シクロヘキシルフェニル)アミノ]ペリレン−3−カルボン酸(化合物No.3)及び10−[ビス(4’−プロピル−4−ビフェニリル)アミノ]ペリレン−3−カルボン酸(化合物No.4)の混合物の製造
実施例1−1のステップ1において、ビス(4’−プロピル−4−ビフェニリル)アミノペリレンに代わりに、ビス(4−シクロヘキシルフェニル)アミノペリレンを用いる以外は、実施例1−1と同様にして、9−[ビス(4−シクロヘキシルフェニル)アミノ]ペリレン−3−カルボン酸(化合物No.3)及び10−[ビス(4’−プロピル−4−ビフェニリル)アミノ]ペリレン−3−カルボン酸(化合物No.4)の混合物(赤色固体)を製造した。尚、ステップ1の収率は67%、ステップ2の収率は60%であった。
[実施例1−3]4−[(4−シクロヘキシルフェニル)−3−ペリレニルアミノ]安息香酸(化合物No.5)の製造
実施例1−1のステップ1において、ビス(4’−プロピル−4−ビフェニリル)アミノペリレンに代わりに、(4−シクロヘキシルフェニル)フェニルアミノペリレンを用いる以外は、実施例1−1と同様にして、4−[(4−シクロヘキシルフェニル)−3−ペリレニルアミノ]安息香酸(化合物No.5)(褐色固体)を製造した。尚、ステップ1の収率は41%、ステップ2の収率は63%であった。
[実施例1−4]9−[ビス(4’−ペンチル−4−ビフェニリル)アミノ]ペリレン−3−カルボン酸(化合物No.19)及び10−[ビス(4’−ペンチル−4−ビフェニリル)アミノ]ペリレン−3−カルボン酸(化合物No.20)の混合物の製造
実施例1−1のステップ1において、ビス(4’−プロピル−4−ビフェニリル)アミノペリレンに代わりに、ビス(4’−ペンチル−4−ビフェニリル)アミノペリレンを用いる以外は、実施例1−1と同様にして、9−[ビス(4’−ペンチル−4−ビフェニリル)アミノ]ペリレン−3−カルボン酸(化合物No.19)及び10−[ビス(4’−ペンチル−4−ビフェニリル)アミノ]ペリレン−3−カルボン酸(化合物No.20)の混合物を製造した。尚、ステップ1の収率は77%、ステップ2の収率は44%であった。
[実施例1−5]10−[ビス[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]アントラセン−9−カルボン酸(化合物No.21)の製造
<ステップ1>10−ブロモアントラセン−9−カルボン酸エチル(以下、化合物Aともいう)の製造
9,10−ジブロモアントラセン6.72g(20mmol)をテトラヒドロフラン100mLに溶解し、−70℃に冷却した。次いで2.67mol/Lブチルリチウムヘキサン溶液9mL(24mmol)を滴下し、−70℃で30分間撹拌した。そこへクロロ蟻酸エチル4.34g(40mmol)をゆっくりと滴下し、徐々に25℃まで昇温しながら撹拌した。そのまま一晩放置し、クロロホルムを加え、次いで6M塩酸で中和し、油水分離した。2回水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。脱溶媒後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/ヘキサン=1/1)で精製し、淡黄色結晶として、化合物A4.89g(HPLC純度87%、収率65%)を得た。
<ステップ2>10−[ビス[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]アントラセン−9−カルボン酸エチル(以下、化合物Bともいう。)の製造
ステップ1で得られた化合物A1.65g(5mmol)、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン2.13g(5.25mmol)、酢酸パラジウム17mg(75μmol)、トリ−tert−ブチルホスフィン51mg(0.25mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド1.20g(12.5mmol)、トルエン30mLを混合し、脱気後アルゴン置換して90℃で3時間撹拌した。放冷後クロロホルムを加えてグラスファイバーフィルターで濾過した。脱溶媒後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/クロロホルム=1/1)で精製し、更にシリカゲルTLC(展開溶媒:ヘキサン/クロロホルム=1/1)で精製し、黄色結晶として、化合物B2.94g(収率90%)を得た。
<ステップ3>10−[ビス[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]アントラセン−9−カルボン酸(化合物No.21)の製造
ステップ2で得られた化合物B0.65g(1mmol)にジメチルスルホキシド10mLと20%水酸化ナトリウム水溶液5mLを加え、100℃で3時間撹拌した。pH1になるまで6M塩酸を加え、酢酸エチル/水で抽出した。有機相を4回水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。脱溶媒し、減圧乾燥して黄色結晶として、10−[ビス[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]アントラセン−9−カルボン酸(化合物No.21)の0.62g(収率100%)を得た。
[実施例1−6]4−[[10−[ビス[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]アントラセン−9−イル]−[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]安息香酸(化合物No.22)の製造
<ステップ1>1−[4−[[10−[ビス[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]アントラセン−9−イル]−[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]フェニル]エタノン(以下、化合物Cともいう)
実施例1−5のステップ1において、9,10−ジブロモアントラセンの代わりに、N,N,N’−トリス[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アントラセン−9,10−ジアミン及び4−ブロモアセトフェノンを用いる以外は、実施例1−5のステップ1と同様にして、化合物Cを製造した。尚、収率は67%であった。
<ステップ2>4−[[10−[ビス[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]アントラセン−9−イル]−[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]安息香酸(化合物No.22)の製造
ステップ1で得られた化合物C0.38g(0.42mmol)を1,4−ジオキサン10.5mLに溶解し、10℃に冷却した。これとは別の容器にて48%水酸化ナトリウム0.88g(10.5mmol)と水6.2gの溶液に臭素0.34g(2.1mmol)を滴下して次亜臭素酸ナトリウム水溶液を調製し、先の溶液に滴下した。そのまま50℃まで昇温し、4時間撹拌した。6M塩酸で中和し、クロロホルムを加えて油水分離し、有機相を3回水洗した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、脱溶媒後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)で精製し、黄色固体として、4−[[10−[ビス[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]アントラセン−9−イル]−[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]安息香酸(化合物No.22)の0.25g(収率66%)を得た。
[実施例1−7][9−[ビス[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]−10−[4−カルボキシフェニル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]アントラセンカルボン酸(化合物No.23)の製造
<ステップ1>[9−[ビス[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]−10−[4−アセチルフェニル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]アセチルアントラセン(以下、化合物Dともいう)の製造
N,N,N’−トリス[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]−N’−フェニルアントラセン−9,10−ジアミン0.87g(1mmol)及び塩化アセチル0.27g(3mmol)をクロロホルム6mLに溶解して5℃に冷却後、塩化アルミニウム0.60g(4.5mmol)を加えた。そのまま昇温して25℃で3時間撹拌後、氷水に反応系を滴下して油水分離した。有機相を塩酸、水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。脱溶媒後、シリカゲルTLC(展開溶媒:クロロホルム)で精製し、黄色固体として、化合物D0.53g(収率58%)を得た。
<ステップ2>[9−[ビス[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]−10−[4−カルボキシフェニル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]アントラセンカルボン酸(化合物No.23)の製造
実施例1−6の<ステップ2>において、1−[4−[[10−[N,N−ビス[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]アントラセン−9−イル]−[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]フェニル]エタノンの代わりに、ステップ1で得られた化合物Dを用いる以外は、実施例1−6の<ステップ2>と同様にして、[9−[ビス[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]−10−[4−カルボキシフェニル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]アントラセンカルボン酸(化合物No.23)(褐色固体)を製造した。尚、収率は52%であった。
[実施例1−8]10−[ビス[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]−9−(2−カルボキシル−2−シアノエテニル)アントラセン(化合物No.33)の製造
<ステップ1>10−[ビス[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]アントラセン−9−カルボアルデヒド(以下、化合物Eともいう)の製造
実施例1−1のステップ2において、10−ブロモアントラセン−9−カルボン酸エチルの代わりに、10−ブロモアントラセン−9−カルボアルデヒドを用いる以外は実施例1−1のステップ2と同様にして、化合物Eを得た。収率は25%であった。
<ステップ2>10−[ビス[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]−9−(2−カルボキシル−2−シアノエテニル)アントラセン(化合物No.33)の製造
ステップ1で得られた化合物E0.3g(0.5mmol)、シアノ酢酸0.1g(1mmol)、ピペリジン0.05g(0.55mmol)及びテトラヒドロフラン2gを混合し、60℃に加熱して3時間撹拌した。クロロホルムと水を加えて抽出し、有機相を希塩酸、水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。脱溶媒後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=10/1)で精製し、赤色結晶として、10−[ビス[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]−9−(2−カルボキシル−2−シアノエテニル)アントラセン(化合物No.33)の0.18g(収率53%)を得た。
[実施例1−9]10−[ビス[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アミノ]−9−(2,2−ジカルボキシルエテニル)アントラセン(化合物No.35)の製造
実施例1−8のステップ2において、シアノ酢酸の代わりに、マロン酸を用いる以外は、実施例1−1と同様にして、9−[ビス(4’−ペンチル−4−ビフェニリル)アミノ]ペリレン−3−カルボン酸(化合物No.19)及び10−[ビス(4’−ペンチル−4−ビフェニリル)アミノ]ペリレン−3−カルボン酸(化合物No.20)の混合物を製造した。尚、ステップ1の収率は、実施例1−8のステップ1と同様に25%であり、ステップ2の収率は29%であった。
得られた化合物の同定は、全て、1H−NMR分析により行った。〔表1〕に、得られた化合物の特性値[クロロホルム溶液状態での光吸収特性(λmax、及びλmaxにおけるε)、分解点]の測定結果、〔表2〕に同定データを示す。なお、〔表1〕において、分解点は10℃/分の昇温速度における示差熱分析の質量減少開始温度である。
Figure 0005755459

Figure 0005755459
[実施例2−1〜2−4]色素増感太陽電池No.1〜No.4の製造
ITO塗布ガラス板を0.75×5cmにカットし、約1cm幅を残してセロハンテープでマスクした。1cm幅の部分に酸化亜鉛のトルエン懸濁ペーストを塗布し、スピンコート(30秒、1000rpm)を行った。テープをはがし、電気炉にて焼成(30分かけて450℃まで昇温後、450℃で30分保持)した。放冷後、上記実施例1−1〜1−3又は実施例1−6で得られた化合物No.22を含有するで得られた化合物のクロロホルム溶液(2.5×10-4mol/L)にそれぞれ一晩浸漬して吸着させた。UV用ガラスセルにヨウ素電解液を入れ、そこへ上記色素を吸着させたガラス板を挿入し、色素増感太陽電池No.1〜No.4を作製した。
上記で得られた色素増感太陽電池No.1〜No.4について、白金線を対極としてALS/CH Instruments電気化学アナライザー600Cを用いて電気化学測定を行った。まず、暗部で発電が起こらない事を確認し、150Wのハロゲン光を照射して電流値を計測した。その結果を〔表3〕に示す。
Figure 0005755459
上記〔表3〕の結果より、光により発電されることが確認された。
[評価例1〜7及び比較評価例1〜4]
ガラス板に酸化チタンペースト(SOLARONIX製Ti−Nanoxide HT−L)を塗布し、スピンコート(30秒、1500rpm)を行った。これを電気炉にて焼成(30分かけて450℃まで昇温後、450℃で30分保持)し、一晩放置した。このガラス板を、上記実施例1−1〜1−3、1−5〜1−8で得られた化合物及び下記に示す比較化合物No.1〜No.4のクロロホルム溶液(5.0×10-4mol/L)にそれぞれ3時間浸漬して吸着させた。色素を吸着させたガラス板をそのまま(株)日立ハイテクノロジーズ製紫外可視分光光度計U−3010で吸収スペクトルを測定した。次いで、色素を吸着させたガラス板をアセトニトリルに2時間浸漬し、再び吸収スペクトルを測定し、色素の残存率を求めた。結果を〔表4〕に示す。
Figure 0005755459
Figure 0005755459
〔表4〕より、本発明の化合物は、比較化合物に比べて高い剥離耐性を示すことが確認された。

Claims (6)

  1. 下記一般式(III)又は(IV)で表される縮合多環芳香族炭化水素化合物。
    Figure 0005755459
    (式中、R 1 及びR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又はアンカー基を表し、
    4 及びR 5 は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又はアンカー基を表し、
    1、R2又は 5 のうち少なくとも一つはアンカー基であり、
    アンカー基は、下記[化2]で表される。
    Figure 0005755459
    (式中、Lは、直接結合又は2価の炭化水素基であり、Pは、カルボキシル基、スルホン酸基又はリン酸基である。)
    Figure 0005755459
    (式中、R 1 及びR 2 は、上記一般式(III)と同じであり、R 6 は、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アンカー基又は下記一般式(II)で表される置換基を表し、
    1 、R 2 及びR 6 のうち少なくとも一つはアンカー基であり、
    アンカー基は、上記[化2]で表される。)
    Figure 0005755459
    (式中、R 7 及びR 8 は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又はアンカー基を表し、
    アンカー基は、上記[化2]で表される。)
  2. 記一般式(III)及び上記一般式(IV)において、アンカー基がカルボキシル基、スルホン酸基又はリン酸基であることを特徴とする請求項記載の縮合多環芳香族炭化水素化合物。
  3. 上記一般式(III)において、R1、R2又はR5のうち少なくとも一つがカルボキシル基、スルホン酸基又はリン酸基であることを特徴とする請求項記載の縮合多環芳香族炭化水素化合物。
  4. 上記一般式(IV)において、R1、R2又はR6のうち少なくとも一つがカルボキシル基
    、スルホン酸基又はリン酸基であることを特徴とする請求項記載の縮合多環芳香族炭化水素化合物。
  5. 上記一般式(IV)において、R6が上記一般式(II)で表されることを特徴とする請求項記載の縮合多環芳香族炭化水素化合物。
  6. 請求項1〜の何れか1項に記載の化合物からなる色素を少なくとも一種含有する光電変換素子。
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