JP4622818B2 - ブレーキ踏力検出装置およびブレーキ踏力検出方法 - Google Patents

ブレーキ踏力検出装置およびブレーキ踏力検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、ブレーキペダルに対する踏力を検出するブレーキ踏力検出装置およびブレーキ踏力検出方法に関する。
従来、例えば下記特許文献1に記載されているように、ブレーキペダルのアームと倍力装置のオペレーティングロッドとを連結するクレビスに、ブレーキペダルのアームからオペレーティングロッドに伝わる力によるクレビスの歪みに応じた電気信号を出力する歪みセンサを取り付けたブレーキ踏力検出装置が知られている。
上記したクレビスは、オペレーティングロッドの端部が連結される正面板と、ブレーキペダルのアームが片持ちピンを介して回転可能に連結される側面板とからなるL型部材で構成しており、その側面板に上記した歪みセンサを取り付けている。
そして、ブレーキペダルを踏み込んだときに、そのアームが片持ちピンを介して連結されているクレビスの側面板の基部が歪み、その歪みを歪みセンサが検出してブレーキ踏力を測定する。
特開平11−255084号公報
しかしながら、上記した従来のブレーキ踏力検出装置では、歪みセンサを、踏力に対して歪み量の少ない平板形状の側面板に取り付けているため、歪みセンサの検出精度が不充分なものとなっている。
そこで、本発明は、ブレーキペダルのアームと倍力装置のオペレーティングロッドとを連結するクレビスに取り付けた歪みセンサの検出精度を高めることを目的としている。
本発明は、ブレーキペダルのアームと倍力装置のオペレーティングロッドとを連結するクレビスに、前記ブレーキペダルのアームから前記オペレーティングロッドに伝わる力による前記クレビスの歪みに応じた電気信号を出力する歪みセンサを取り付けたブレーキ踏力検出装置において、前記クレビスに、前記ブレーキペダルのアームから前記オペレーティングロッドに伝わる力を受けて弾性変形する湾曲部を設け、この湾曲部に前記歪みセンサを取り付け、前記クレビスは、前記ブレーキペダルのアームが移動する軌跡と前記オペレーティングロッドが移動する軌跡とを含む面に直交する方向に延びて互いに対向する一対の平板部を有し、この一対の平板部は、両端相互が前記湾曲部によって接続され、前記平板部の一方に前記ブレーキペダルのアームが、前記平板部の他方に前記オペレーティングロッドがそれぞれ連結されていることを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、ブレーキペダルのアームと倍力装置のオペレーティングロッドとを連結するクレビスに、踏力に対して歪み量が大きくなる湾曲部を設け、この湾曲部に歪みセンサを取り付けたので、歪みセンサの検出精度を高めることができる。
また、ブレーキペダルに対する踏力が一方の平板部に作用したときに、その両端に位置する湾曲部が容易に弾性変形し、歪みセンサの検出精度を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係わるブレーキ踏力検出装置を示す、図2のA−A断面図で、図2は、このブレーキ踏力検出装置を備える自動車におけるブレーキペダル1周辺の簡略化して側面図である。
ブレーキペダル1は、アーム3と、アーム3の下端に設けた踏板5とを備え、アーム3の図2中で上方側の基端部が、回動支持軸7を介して車体9側に回転可能に支持されている。
上記したブレーキペダル1のアーム3と、倍力装置のオペレーティングロッド11とを、クレビス13によって互いに連結している。クレビス13は、図1および図3の分解斜視図に示すように、オペレーティングロッド11が連結される長円形状のロッド連結部15と、ブレーキペダル1が連結される、互いに平行な2本のアーム形状のペダル連結アーム17とを備えている。
ロッド連結部15は、オペレーティングロッド11の図1中で左右方向の移動軌跡と、ブレーキペダル1の回動支持軸7を中心とした回転移動軌跡とを含む面、すなわち図2中で紙面と平行な面に直交する方向に延びて互いに対向する一対の平板部19,21を備えている。この平板部19,21は、図1中で上下方向の両端相互が、ほぼ半円弧形状の湾曲部23,25により接続されて、ロッド連結部15はその全体が長円形状となっている。
上記した湾曲部23および25の表裏両面に、歪みセンサ27,29および31,33をそれぞれ取り付けている。
ロッド連結部15は、ペダル連結アーム17側の一方の平板部21の、他方の平板部19に対向する内面に補強部材35を設けており、補強部材35と平板部19との間には隙間37を形成している。
前記一方の平板部21および補強部材35には、オペレーティングロッド11の先端側を移動可能に挿入する貫通孔21aおよび35aを連続して設けており、補強部材35に対して隙間37を有する他方の平板部19には、上記した貫通孔21a,35aに整合するねじ孔19aを設けている。
したがって、オペレーティングロッド11は、図1中の左側から補強部材35および平板部21の貫通孔35aおよび21aに挿入し、その後方に形成してあるねじ部11aを平板部19のねじ孔19aに螺合締結することで、クレビス13に連結した状態となる。
一方、ペダル連結アーム17は、平板部21に形成した貫通孔21aの両側方の外面から、オペレーティングロッド11と反対方向に互いに平行状態で延出する一対の長板39,41を備えている。
上記した各長板39,41の先端側にはピン孔39a,41aを形成し、このピン孔39a,41aに支持ピン43を挿入する。このとき、ピン孔39a,41aに対応する長板39,41相互間にブレーキペダル1のアーム3を配置し、このアーム3の回動支持軸7近傍に形成したピン挿入孔3aに支持ピン43を回転可能に挿入することで、ブレーキペダル1をペダル連結アーム17に連結する。また、支持ピン43の長板41から外方に突出した部位の抜け止め具挿入孔43aには、抜け止め具45を嵌入する。
図4は、歪みセンサ27,29および31,33を抵抗体として組み込んだブリッジ回路の例を示している。ブレーキペダル1を踏み込むことでクレビス13の湾曲部23,25に発生する曲げモーメントにより、引っ張り方向の歪みが発生する外側の2つの歪みセンサ27,31をR1,R3とし、同曲げモーメントにより、圧縮方向の歪みが発生する内側の2つの歪みセンサ29,33をR2,R4としてブリッジを作り、ブリッジの入力端子に電圧Vinを印加する。この際、出力端子間には、歪みセンサ27,29および31,33の抵抗変化に応じた出力電圧Voutが生じる。
次に作用を説明する。ブレーキペダル1は、踏板5を踏み込むことで、回動支持軸7を中心として回動し、アーム3の上部に連結した支持ピン43を介してクレビス13から、オペレーティングロッド11に踏力Fが伝達される。
ブレーキペダル1を踏み込むことにより発生する踏力Fは、支持ピン43を介してクレビス13で受けるが、このときクレビス13は、ペダル連結アーム17が一方の平板部21を図1中で左方向に押圧して変位させることで、湾曲部23,25がさらに湾曲するように弾性変形する。一方の平板部21が図1中で左方向に変位する際には、補強部材35も一体となって移動するが、このときオペレーティングロッド11に対し隙間37の範囲内で相対移動する。
上記した弾性変形時には、湾曲部23,25の中央付近が最も大きく歪み、この歪みを歪みセンサ27,29および31,33が検出して電気信号に変換し、前記図4に示したブリッジ回路の出力電圧Voutとして出力する。この場合の歪みは、踏力Fに比例するものであるため、歪みセンサ27,29および31,33の出力により踏力Fを測定することができる。
この際、本実施形態では、踏力Fを受けることで弾性変形しやすい湾曲部23,25を設け、この湾曲部23,25の表裏両面に歪みセンサ27,29および31,33を取り付けているので、小さい踏力であっても、センサ出力を大きく採ることができ、歪みセンサ27,29および31,33の検出精度を高めることができる。
また、補強部材35を、平板部19に対して隙間37を形成した状態で平板部21に設けることで、平板部21に過大な踏力が作用したときに、補強部材35が平板部19に当接して平板部21の変位を抑え、湾曲部23,25の過大な変形を抑えるので、湾曲部23,25の破断を防止することができる。
上記のようにして補強部材35が湾曲部23,25の破断を防止しているが、仮に図5に示すように、踏力Fが過大となったときに、湾曲部23,25が破断部23a,25aにて破断した場合を想定すると、歪みセンサ27,29および31,33の機能は失われるが、踏力Fを受けることで一方の平板部21が、補強部材35とともにオペレーティングロッド11に対して相対移動し、補強部材35が、他方の平板部19に押し付けられて2枚の平板部19,21に挟まれた状態となる。
これにより、湾曲部23,25が破断しても、ブレーキペダル1からオペレーティングロッド11への踏力の伝達を安定して確保することができる。すなわち、上記した補強部材35は湾曲部23,25が破断した際の踏力伝達部材として機能する。
また、クレビス13は、ブレーキペダル1のアーム3が移動する軌跡とオペレーティングロッド11が移動する軌跡とを含む面に直交する方向に延びて互いに対向する一対の平板部19,21を有し、この一対の平板部19,21は、両端相互が湾曲部23,25によって接続され、一方の平板部21にブレーキペダル1のアーム3が、他方の平板部19にオペレーティングロッド11がそれぞれ連結されているので、ブレーキペダル1に対する踏力が一方の平板部21に作用したときに、その両端に位置する湾曲部23,25が容易に弾性変形し、歪みセンサ27,29および31,33の検出精度を向上させることができる。
上記したブレーキペダル1のアーム3は、一方の平板部21から他方の平板部19と反対側に向けて延出するペダル連結アーム17に連結されているので、ブレーキペダル1に対する踏力は、ペダル連結アーム17を介して一方の平板部21に作用させることができる。
前記オペレーティングロッド11は、他方の平板部19に連結した状態で、その先端側を一方の平板部21に設けた貫通孔21aに移動可能に挿入し、この一方の平板部21の、他方の平板部19に対向する内面に補強部材35を設け、この補強部材35は、他方の平板部19との間に隙間37を有するとともに、オペレーティングロッド11が移動可能に貫通する貫通孔35aを備えているので、平板部21に過大な踏力が作用したときに、補強部材35が平板部19に当接して平板部21の変位を抑え、湾曲部23,25の過大な変形を抑えて湾曲部23,25の破断を防止できるとともに、湾曲部23,25が破断しても、補強部材35が、他方の平板部19に押し付けられて2枚の平板部19,21に挟まれた状態となるので、ブレーキペダル1からオペレーティングロッド11への踏力の伝達を安定して確保することができる。
前記湾曲部23,25の表裏両面に歪みセンサ27,29および31,33を取り付けたので、歪みセンサ27,29および31,33を抵抗体としてブリッジ回路を構成することができ、高精度に踏力を検出することができる。
本発明の一実施形態に係わるブレーキ踏力検出装置を示す、図2の拡大されたA−A断面図である。 図1のブレーキ踏力検出装置を備える自動車におけるブレーキペダル周辺の側面図である。 図1のブレーキ踏力検出装置に使用するクレビスの分解斜視図である。 クレビスの湾曲部に設けた歪みセンサを抵抗体として組み込んだブリッジ回路図である。 クレビスの湾曲部が破断した状態を示す、図1に対応する断面図である。
符号の説明
1 ブレーキペダル
3 ブレーキペダルのアーム
11 倍力装置のオペレーティングロッド
13 クレビス
17 ペダル連結アーム
19 他方の平板部
21 一方の平板部
21a 一方の平板部に設けた貫通孔
23,25 湾曲部
27,29,31,33 歪みセンサ
35 補強部材
35a 補強部材の貫通孔
37 補強部材と他方の平板部との間の隙間

Claims (5)

  1. ブレーキペダルのアームと倍力装置のオペレーティングロッドとを連結するクレビスに、前記ブレーキペダルのアームから前記オペレーティングロッドに伝わる力による前記クレビスの歪みに応じた電気信号を出力する歪みセンサを取り付けたブレーキ踏力検出装置において、前記クレビスに、前記ブレーキペダルのアームから前記オペレーティングロッドに伝わる力を受けて弾性変形する湾曲部を設け、この湾曲部に前記歪みセンサを取り付け、前記クレビスは、前記ブレーキペダルのアームが移動する軌跡と前記オペレーティングロッドが移動する軌跡とを含む面に直交する方向に延びて互いに対向する一対の平板部を有し、この一対の平板部は、両端相互が前記湾曲部によって接続され、前記平板部の一方に前記ブレーキペダルのアームが、前記平板部の他方に前記オペレーティングロッドがそれぞれ連結されていることを特徴とするブレーキ踏力検出装置。
  2. 前記ブレーキペダルのアームは、前記一方の平板部から前記他方の平板部と反対側に向けて延出するペダル連結アームに連結されていることを特徴とする請求項に記載のブレーキ踏力検出装置。
  3. 前記オペレーティングロッドは、前記他方の平板部に連結した状態で、その先端側を前記一方の平板部に設けた貫通孔に移動可能に挿入し、この一方の平板部の、前記他方の平板部に対向する内面に補強部材を設け、この補強部材は、前記他方の平板部との間に隙間を有するとともに、前記オペレーティングロッドが移動可能に貫通する貫通孔を備えていることを特徴とする請求項またはに記載のブレーキ踏力検出装置。
  4. 前記湾曲部の表裏両面に前記歪みセンサを取り付けたことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のブレーキ踏力検出装置。
  5. ブレーキペダルのアームと倍力装置のオペレーティングロッドとを連結するクレビスに取り付けた歪みセンサが、前記ブレーキペダルのアームから前記オペレーティングロッドに伝わる力による前記クレビスの歪みに応じた電気信号を出力して、前記ブレーキペダルに対する踏力を検出するブレーキ踏力検出方法において、前記クレビスに、前記ブレーキペダルのアームから前記オペレーティングロッドに伝わる力を受けて弾性変形する湾曲部を設け、前記クレビスは、前記ブレーキペダルのアームが移動する軌跡と前記オペレーティングロッドが移動する軌跡とを含む面に直交する方向に延びて互いに対向する一対の平板部を有し、この一対の平板部は、両端相互が前記湾曲部によって接続され、前記平板部の一方に前記ブレーキペダルのアームが、前記平板部の他方に前記オペレーティングロッドがそれぞれ連結されて、前記湾曲部に取り付けた歪みセンサの検出値に基づいて、前記ブレーキペダルに対する踏力を検出することを特徴とするブレーキ踏力検出方法。
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