JP4621324B2 - X線管装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線管装置に係り、特にX線管装置の冷却装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線透視撮影装置などに代表される医用X線装置は、医用診断の分野において必須の装置となっているが、最近では診断のみならず治療にも使用されるようになっている。この治療は、X線透視下において、例えばカテーテルを、その先端に種々の器具を取り付けて被検体の体内に挿入して行うものであり、従来の開腹手術を伴う治療と比較して被検体への負担が少ないことが大きな特徴とされ、広く普及してきている。この治療方法は、IVR(Interventional Radiology)と呼ばれている。
【0003】
このIVRでは、医用X線装置を使用した通常の診断と比べ長時間X線管装置を使用する。更に、必要に応じてX線透視のみでなくX線撮影も行う。このため、X線管装置は透視と撮影を長時間繰り返すという複雑な負荷の印加に耐える必要がある。
【0004】
図18、図19に従来のX線管装置の一例の構造図を示す。図18はX線管装置本体の断面図、図19はX線管装置本体と油冷却器との接続を示す外観図である。このX線管装置は、X線透視撮影装置に最も広く使用されている医用のX線管装置である。図18において、X線管装置本体80はX線管(回転陽極X線管)81と、X線管81の陽極82側を支持する陽極支持体87と、同じく陰極83側を支持する陰極支持体88と、X線管81の陽極82を回転させるためのステータ84と、X線管81を絶縁し、冷却する絶縁油85と、X線管81の陽極82及び陰極83に印加する高電圧を導入するケーブルレセプタクル89、90と、X線管81の陽極82のターゲットで発生したX線を外部に取り出すX線放射窓91と、これらを収納するX線管容器(以下、管容器という)86から構成されている。
【0005】
X線管81の内部には、陰極83と陽極82が対向して設置され、両極間に印加される高電圧を絶縁するために真空気密な外囲器内に収納されている。陰極83には、X線管軸中心から偏心した位置にフィラメントが取り付けられた集束電極が設けられている。このフィラメントから放出された熱電子は集束電極の集束溝によって集束され、陰極83と陽極82間に印加された40〜150kV程度の高電圧によって陽極82方向へ加速され、陽極82のターゲットの表面に衝突して焦点を形成すると共に、焦点からX線を発生する。発生したX線の一部がX線放射窓91から外部に取り出され、X線診断に利用される。
【0006】
X線管81のX線発生効率は非常に低く、入力された電力のうちX線に変換される量は1%未満であり、残りの99%以上は熱に変換される。前述の如く、X線管装置本体80には40〜150kV程度の高電圧が印加され、この印加電圧によって陰極83のフィラメントから陽極82へ向けて電子ビームが流れ、X線管電流として数mA〜数百mAの電流が流れ、その結果、これらによる電力の99%以上が熱に変換される。この熱のために、X線管81内部の陽極82のターゲットが高温となり、このターゲットから絶縁油85に熱が伝わり、X線管装置本体80全体の温度を上昇させる。X線管装置本体80の内部には、プラスチック等で作られた陽極支持体87、陰極支持体88、X線放射窓91、ケーブルレセプタクル89、90などが使用されており、これらが熱によって変形することを防止するために、絶縁油85の温度が75℃程度以上になった場合に、X線管装置本体80への入力が遮断されるように設定されている。このX線管装置本体80への入力が遮断された状態を、X線管装置本体80のオーバーヒートと呼んでいる。
【0007】
従来の消化器管のX線診断では、使用時間が短く、使用頻度も低いために、X線管装置本体80の管容器86の表面からの外気との自然対流または送風機などによる強制対流による冷却(以下、空冷という)で十分であり、X線管装置本体80がオーバーヒートすることは殆どなかった。しかし、IVRなどで使用する場合には、空冷ではX線管装置本体80がオーバーヒートしてしまう。このX線管装置本体80のオーバーヒートを防止するために、管容器86の内部の絶縁油85をポンプで外部に導き出し、熱交換器で冷却した後、管容器86の内部に戻す冷却(以下、空気/油熱交換冷却という)方式を採用している。この冷却方式のX線管装置に関しては、特開平7-262943号公報などに開示されている。
【0008】
図19を用いて、空気/油熱交換冷却方式について説明する。図19において、X線管装置本体80には絶縁油配管96を介して空気/油熱交換冷却方式の油冷却器92が接続されている。油冷却器92は油循環用ポンプ93と、熱交換器94と、送風機95とから構成されている。X線管装置本体80の陰極側と油冷却器92の油循環用ポンプ93との間、及び油冷却器92の熱交換器94とX線管装置本体80の陽極側との間に絶縁油配管96が接続され、絶縁油85が矢印97の方向に流れている。このように構成されたX線管装置では、油循環用ポンプ93によってX線管装置本体80の陰極側から導き出された絶縁油85は熱交換器94において送風機95によって吹きつけられた空気と熱交換を行うことにより冷却されて、X線管装置本体80の陽極側に戻される。この冷却方式では、絶縁油85が直接冷却されるために、X線管装置本体80の冷却効果は大きい。
【0009】
図20には、X線透視撮影に用いられるX線透視台の構成の一例を示す。IVRには、図20に示すような構成のX線透視台が広く用いられる。図20において、X線発生部(X線管装置を含む)101とX線検出部102が対向して、Cアーム状の支持器105に支持され、X線発生部101とX線検出部102との間に被検体を載せる寝台(透視台)106が配置され、透視台支持架103に支持されている。更に、Cアーム状支持器105と透視台支持架103が透視台本体104に支持されている。
【0010】
このように構成されたX線透視台では、Cアーム状支持器105は矢印107で示す如く、寝台106の長手方向での平行移動と寝台106のまわりの回転移動が可能であり、このCアーム状支持器105の移動に伴い、X線発生部101とX線検出部102は寝台106に寝載された被検体のまわりで、平行移動と回転移動を行う。また、透視台支持架103も矢印108で示す如く、平行移動と回転移動を行い、それに伴い寝台106が平行移動と回転移動を行う。この結果、被検体を種々の方向からX線透視又はX線撮影することが可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如きタイプのX線透視台では、術者が被検体に接近しやすくするためには、X線発生部101、つまりX線管装置は小型であることが好ましい。また、X線管装置本体80の表面は高温になるため、これに触れて火傷することを防止するために、X線管装置本体80を含めたX線管装置をカバーで覆う必要がある。
【0012】
このようなX線管装置では、油冷却器において雰囲気空気と絶縁油との間で熱交換を行うため、熱交換器での放熱量は、雰囲気空気の温度によって大きく左右され、X線管装置をカバーで覆ったことにより、雰囲気空気の温度が上昇した場合には、その放熱量が減少し、その結果、絶縁油の温度が上昇することにより、X線管装置の十分な冷却が困難となる問題があった。
【0013】
また、油冷却器がX線管装置本体の近傍に設置され、X線透視撮影時には被検体及び術者の間近に存在するために、X線管装置の位置によっては、油冷却器からの熱排風や送風機の騒音が被検体及び術者に不快感を与える場合もあった。
【0014】
また、油冷却器への通風のため、上記のカバーにスリットなどの通風口を設ける必要がある。しかし、術中の血液や異物の通風口からの進入によるX線管装置の汚損があり、術後に清拭を十分に行う必要があった。このため、スリットのないカバーの採用が望まれている。
【0015】
更に、近年撮影画像の画質向上及び連続撮影回数増加のため、X線管が大容量化され、陽極での発熱が増加しており、油冷却器の能力向上が望まれている。しかし、従来の油冷却器を、上記の発熱に見合うように大型化してX線管装置に実装すると、X線管自体が大型化されることとあわせて、X線管装置全体が大型化するため、X線撮影時の位置決めなどの作業性が低下したり、術者の被検体へのアクセス性が低下したりするおそれがあるという問題がある。
【0016】
また、X線管装置では、X線撮影条件によってX線管に入力する負荷が異なり、X線管で発生する熱負荷が大きく変動するため、油冷却器ではこの熱負荷の変動に対応する必要がある。
【0017】
以上の問題を考慮して、本発明の目的は、雰囲気空気の温度が上昇しても安定した冷却を行うことができ、X線管装置を密閉して熱排風が無く、飛散した血液を容易に清拭することができ、X線管装置全体として小型化を図ることができ、熱負荷の変動に対応することができ、大きな冷却能力を有する油冷却器を具備するX線管装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のX線管装置は、X線管と、X線管を電気的に絶縁し冷却する絶縁媒体と、X線管及び絶縁媒体を収納するX線管容器とを具備するX線管装置本体と、前記絶縁媒体を循環するポンプと、前記絶縁媒体の熱を外部流体と熱交換する絶縁媒体冷却熱交換器とを配管で接続し、前記絶縁媒体を封入して成るX線管装置において、前記絶縁媒体冷却熱交換器が熱交換を行う外部流体は、圧縮機と、凝縮器と、減圧手段と、蒸発器を接続し、冷媒を封入して成る冷凍サイクルの冷媒であり、前記絶縁媒体冷却熱交換器は前記冷凍サイクルの蒸発器として機能するものである(請求項1)。この構成では、X線管の絶縁媒体を冷却する熱交換器にて熱交換を行う外部流体が冷凍サイクルの冷媒であり、この熱交換器が冷凍サイクルの蒸発器として機能しているため、X線管装置の雰囲気空気の温度が上昇しても、この影響を受けず、X線管装置の安定した冷却を行うことができる。
【0019】
本発明のX線管装置では更に、前記冷凍サイクルの圧縮機、凝縮器、及び減圧手段を、前記X線管装置本体、前記絶縁媒体循環ポンプ、及び前記絶縁媒体冷却熱交換器から離れた場所に設置し、両者の間を可撓性を有する延長配管にて接続したものである(請求項2)。この構成では、熱交換器を含めたX線管装置本体の部分と冷凍サイクルとを可撓性を有する延長配管によって分離しているので、X線管装置本体の部分を密閉することができ、その結果熱排風を無くすことができ、X線管装置本体表面に飛散した血液などを容易に清拭することができる。また、X線管装置本体の部分を小型化することも可能である。
【0020】
本発明のX線管装置では更に、前記冷凍サイクル、前記絶縁媒体循環ポンプ、及び前記絶縁媒体冷却熱交換器を前記X線管装置本体から離れた場所に設置し、両者の間を可撓性を有する延長配管にて接続したものである(請求項3)。この構成では、X線管装置本体と熱交換器を含めた冷凍サイクルとを可撓性を有する延長配管によって分離しているので、X線管装置本体を密閉して小型化することができ、その結果熱排風を無くすることができ、X線管装置本体表面に飛散した血液などを容易に清拭することができる。
【0021】
本発明のX線管装置では更に、前記冷凍サイクルの圧縮機は可変速圧縮機であり、圧縮機の回転数がX線管の発熱負荷に応じて制御される(請求項4、8)。この構成では、冷凍サイクルの圧縮機として可変速圧縮機を使用しているので、圧縮機の回転数を増減することで冷凍サイクルの冷却能力を増減することができ、X線管の発熱負荷の増減に対応することができる。
【0022】
本発明のX線管装置では更に、前記絶縁媒体冷却熱交換器は潜熱蓄熱材を内包し、該潜熱蓄熱材を介して絶縁媒体と前記冷凍サイクルの冷媒が熱交換を行うものである(請求項5)。この構成では、潜熱蓄熱材を内包する熱交換器によって、絶縁媒体と冷凍サイクルの冷媒との熱交換を行っているので、潜熱蓄熱材の放熱、蓄熱によって、X線管の発熱負荷の増減に対応することができる。
【0023】
本発明のX線管装置では更に、前記X線管装置本体と前記絶縁媒体冷却熱交換器との間に、外気との熱交換を行う熱交換器と送風機を有するものである(請求項6)。この構成では、外気との熱交換を行う熱交換器の付加により、絶縁媒体の冷却能力が増加するとともともに、送風機のファンの回転をオン・オフ制御することによりX線管の発熱負荷の増減に対応することができる。
【0024】
本発明のX線管装置は、X線管と、X線管を電気的に絶縁し冷却する絶縁媒体と、X線管及び絶縁媒体を収納するX線管容器とを具備するX線管装置本体と、前記絶縁媒体を循環するポンプと、前記絶縁媒体の熱を2次冷熱媒体と熱交換する絶縁媒体冷却熱交換器とを配管で接続し、前記絶縁媒体を封入して成るX線管装置において、前記絶縁媒体冷却熱交換器が熱交換を行う2次冷熱媒体は、2次冷熱媒体循環ポンプと、前記絶縁媒体冷却熱交換器と、2次冷熱媒体の熱を3次冷熱媒体と熱交換する2次冷熱媒体冷却熱交換器とから成る熱搬送経路を循環し、前記3次冷熱媒体は圧縮機と、凝縮器と、減圧手段と、蒸発器を接続し、冷媒を封入して成る冷凍サイクルの冷媒であり、前記2次冷熱媒体冷却熱交換器は前記冷凍サイクルの蒸発器として機能するものである(請求項7)。この構成では、X線管の絶縁媒体を冷却する熱交換器にて熱交換を行う外部流体として、冷凍サイクルの冷媒と異なる2次冷媒が用いられ、この2次冷媒を冷却するために3次冷媒として冷凍サイクルの冷媒が使用されている。このため、X線管装置本体の周囲の雰囲気空気温度が上昇してもX線管装置の安定した冷却を行うことができる。また、2次冷媒の配管を細径化することができ、配管の取り扱いが容易となり、ポンプの小型化やコスト低減などが可能となる。
【0025】
本発明のX線管装置では更に、前記2次冷熱媒体冷却熱交換器と前記冷凍サイクルを複数並列に接続するものである(請求項9)。この構成では、複数の冷凍サイクルを具備しているので、X線管の発熱負荷量に応じて運転する冷凍サイクルの数を決めて運転したり、複数の冷凍サイクルの運転時間を平準化するように制御することで、個々の冷凍サイクルの信頼性を高めることができ、信頼性の高いX線管冷却システムを提供することができる。
【0026】
本発明のX線管装置では更に、前記2次冷熱媒体冷却熱交換器は潜熱蓄熱材を内包し、該潜熱蓄熱材を介して2次冷熱媒体と前記冷凍サイクルの冷媒が熱交換を行うものである(請求項10)。この構成では、2次冷熱媒体冷却熱交換器が潜熱蓄熱材を内包しているので、X線管の撮影前及び低負荷時に冷凍サイクルで蓄熱材に蓄熱し、高負荷時に融解潜熱を利用することで、発熱負荷に対して冷凍能力の小さい冷凍サイクルでX線管冷却システムを作ることができるため、冷凍サイクルの個々の機器の小型化、低コスト化、運転費用の低減、運転中の騒音レベルの低下も実現できる。
【0027】
本発明のX線管装置では更に、前記絶縁媒体冷却熱交換器と前記2次冷熱媒体冷却熱交換器との間に、外気との熱交換を行う熱交換器と送風機を有するものである(請求項11)。この構成では、2次冷熱媒体空冷熱交換器を設けたことで、高負荷時には絶縁媒体温度と雰囲気温度との温度差が大きくなることで冷却能力が増加するため、X線管の発熱負荷に対して、冷却能力の小さい冷凍サイクルでX線管冷却システムを作ることができる。
【0028】
本発明のX線管装置は、X線管と、X線管を電気的に絶縁し冷却する絶縁媒体と、X線管及び絶縁媒体を収納するX線管容器とを具備するX線管装置本体と、前記絶縁媒体を循環するポンプと、潜熱蓄熱材を収納した蓄熱槽とを配管で接続し、前記蓄熱槽と、第2の絶縁媒体循環ポンプと、前記絶縁媒体の熱を外部流体と熱交換する絶縁媒体冷却熱交換器とから成る絶縁媒体冷却流路を有するX線管装置において、前記絶縁媒体冷却熱交換器が熱交換を行う外部流体は、圧縮機と、凝縮器と、減圧手段と、蒸発器を接続し、冷媒を封入して成る冷凍サイクルの冷媒であり、前記絶縁媒体冷却熱交換器は前記冷凍サイクルの蒸発器として機能する(請求項12)。この構成では、X線管装置本体と絶縁媒体冷却熱交換器との間に潜熱蓄熱材を収納した蓄熱槽が配置され、この潜熱蓄熱材が絶縁媒体冷却熱交換器を介して冷凍サイクルで冷却される。この潜熱蓄熱材を撮影前及び低負荷時に冷凍サイクルによって冷却して、蓄熱槽に顕熱又は潜熱蓄熱して、この蓄熱を高負荷時に利用することができるため、X線管の発熱負荷に対して、冷凍能力の小さい冷凍サイクルでX線管冷却システムを作ることができる。
【0029】
本発明のX線管装置は、X線管とX線管を電気的に絶縁し、冷却する絶縁媒体と、X線管及び絶縁媒体を収納するX線管容器とを具備するX線管装置本体と、前記絶縁媒体を循環するポンプと、前記絶縁媒体の熱を2次冷熱媒体と熱交換する絶縁媒体冷却熱交換器とを配管で接続し、前記絶縁媒体を封入して成るX線管装置において、前記絶縁媒体冷却熱交換器が熱交換を行う2次冷熱媒体は、2次冷熱媒体循環ポンプと、前記絶縁媒体冷却熱交換器と、潜熱蓄熱材を収納する蓄熱槽とから成る流路を循環するとともに、第2の2次冷熱媒体循環ポンプと、2次冷熱媒体の熱を3次冷熱媒体と熱交換する2次冷熱媒体冷却熱交換器とから成る熱搬送経路を循環し、前記3次冷熱媒体は圧縮機と、凝縮器と、減圧手段と、蒸発器を接続し、冷媒を封入して成る冷凍サイクルの冷媒であり、前記2次冷熱媒体冷却熱交換器は前記冷凍サイクルの蒸発器として機能するものである(請求項14)。この構成では、絶縁媒体冷却熱交換器と2次冷却媒体冷却熱交換器との間に潜熱蓄熱材を収納する蓄熱槽が配置され、この潜熱蓄熱材が2次冷却媒体冷却熱交換器を介して冷凍サイクルによって冷却される。この潜熱蓄熱材を撮影前及び低負荷時に冷凍サイクルによって冷却して蓄熱槽に顕熱又は潜熱蓄熱して、この蓄熱を高負荷時に利用することができるため、X線管の発熱負荷に対して、冷凍能力の小さい冷凍サイクルでX線管冷却システムを作ることができる。
【0030】
本発明のX線管装置では更に、前記蓄熱槽に潜熱蓄熱材を封入して成る蓄熱カプセルを入れるものである(請求項13、15)。この構成では、潜熱蓄熱材がカプセルに封入されているので、これを入れる蓄熱槽の大きさを小さくすることができる。
【0031】
本発明のX線管装置では更に、管容器出口配管温度検知手段と、制御装置と、冷凍サイクルを含む絶縁媒体冷却手段を具備し、前記X線管装置の出口配管における絶縁媒体の温度が所定温度を越えたことを前記管容器出口配管温度検知手段が検知すると、前記制御装置が前記冷凍サイクルを起動して前記絶縁媒体を冷却するように前記絶縁媒体冷却手段を制御するものである(請求項16)。この構成では、X線管を直接冷却する絶縁媒体の温度を管容器出口配管温度検知手段にて検知して冷凍サイクルの動作を制御することができるので、雰囲気空気温度が上昇しても安定して絶縁媒体を介してX線管の冷却を行うことができる。
【0032】
本発明のX線管装置では更に、管容器出口配管温度検知手段と、制御装置と、可変速圧縮機を使用した冷凍サイクルを含む絶縁媒体冷却手段を具備し、前記管容器出口配管温度検知手段によって検知された絶縁媒体の温度が高い場合には、前記可変速圧縮機の回転数を高くして、絶縁媒体の温度が低い場合には、前記可変速圧縮機の回転数を低くして、絶縁媒体を冷却するように、前記制御装置が前記絶縁媒体冷却手段を制御するものである(請求項17)。この構成では、管容器出口配管温度検知手段を備え、冷凍サイクルの圧縮機に可変速圧縮機が使用されているので、管容器出口配管温度検知手段が検知する絶縁媒体温度が高い場合には圧縮機の回転数を高くして冷凍サイクルの冷凍能力を増加させ、絶縁媒体温度が低い場合には圧縮機の回転数を低くして冷凍能力を減少させる制御を行い、圧縮機は運転状態のままX線管の発熱負荷の変動に対応できる。また、このような制御を行うことにより、圧縮機の起動/停止を繰り返す場合に比べて、圧縮機自体の寿命を長くすることができ、信頼性を向上することができる。
【0033】
本発明のX線管装置では更に、X線管が発生するX線の強度、X線の発生回数を管理し、X線管の発熱負荷を演算する機能を有する制御装置と、可変速圧縮機を使用した冷凍サイクルを含む絶縁媒体冷却手段を具備し、X線管の発熱負荷が高い場合には、前記可変速圧縮機の回転数を高くして、X線管の発熱負荷が低い場合には、前記可変速圧縮機の回転数を低くして、絶縁媒体を冷却するように、前記制御装置が前記絶縁媒体冷却手段を制御するものである(請求項18)。この構成では、制御装置がX線管の発熱負荷を演算する機能を有し、冷凍サイクルの圧縮機として可変速圧縮機が使用されているので、X線管の発熱負荷が高い場合には圧縮機の回転数を高くして冷凍サイクルの冷凍能力を増加させ、低い場合には圧縮機の回転数を低くして冷凍能力を減少させる制御を行い、圧縮機を運転状態のままX線管の発熱負荷の変動に対応できる。
【0034】
本発明のX線管装置では更に、潜熱蓄熱材を内包する熱交換器と、前記潜熱蓄熱材の温度を検知する蓄熱材温度検知手段と、前記熱交換器の潜熱蓄熱材を冷却する冷凍サイクルと、制御装置を具備し、X線未発生時において前記潜熱蓄熱材の温度が所定温度に低下するまで前記冷凍サイクルを運転するものである(請求項19)。この構成では、蓄熱材温度検知手段と冷凍サイクルとにより熱交換器に内包される潜熱蓄熱材を凝固状態にまで冷却できるので、X線未発生時に冷凍サイクルによって潜熱蓄熱材を冷却して顕熱又は潜熱蓄熱しておくことにより、X線管の発熱負荷の高いときに、潜熱蓄熱材の蓄熱を利用することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
(第1の実施例)
図1は、本発明のX線管装置の第1の実施例の概略構成図である。図1において、本実施例のX線管装置は、X線管装置本体1と、絶縁媒体循環ポンプ2と、絶縁媒体配管4と、圧縮機9と、凝縮器10と、減圧手段11と、送風機12と、絶縁媒体冷却熱交換器16と、冷媒配管29と、絶縁媒体の管容器出口温度検知手段31と、制御装置32から構成される。この構成の中で、X線管装置本体1と制御手段32以外は絶縁媒体冷却器46を構成する。以下では、同一機能のものには同一符号を付して、その説明を省略する。
【0036】
X線管装置本体1の中には、従来例と同様にX線管(図示せず)が、絶縁油などの絶縁媒体に浸漬された状態で管容器内に収納されている。X線管装置本体1は絶縁媒体配管4によって、絶縁媒体冷却熱交換器16、絶縁媒体循環ポンプ2と順次接続され、絶縁媒体が密封された状態で循環する構成となっている。
【0037】
また、絶縁媒体冷却熱交換器16は、圧縮機9、凝縮器10、減圧手段11と順次冷媒配管29によって接続され、冷媒が密封された状態で循環する冷凍サイクル44が構成される。減圧手段11としては、電動膨張弁を用いてもよいし、キャピラリチューブを用いてもよい。絶縁媒体冷却熱交換器16は、絶縁媒体と冷媒が非混合となる熱交換器を用い、例えばプレート式熱交換器を用いてもよいし、二重管式熱交換器を用いてもよい。これらの熱交換器については、後に図5および図6を用いて説明する。
【0038】
絶縁媒体としては、X線管に高電圧を印加したときに、この高電圧を絶縁できる媒体であればよく、通常では絶縁油が用いられているが、これに限定されるものではない。冷凍サイクル44の冷媒としては、HFC系冷媒、HCFC系冷媒、HC系冷媒のような冷媒が用いられる。HFC系冷媒であれば例えばHFC134a(1.2.2.2テトラフルオロエタン)を用いてもよいし、HCFC系冷媒であれば例えばHCFC22(クロロジフルオロメタン)を用いてもよいし、HC系冷媒であれば例えばイソブタンを用いてもよい。
【0039】
本実施例の絶縁媒体冷却器46は、X線管装置本体1の絶縁媒体が循環する絶縁媒体循環ループ(絶縁媒体冷却熱交換器16の左側)48と冷媒が循環する冷凍サイクル部(絶縁媒体冷却熱交換機16の右側)45とから構成される。
【0040】
次に、冷凍サイクル44単独の作動原理について説明する。冷凍サイクル44の作動原理は他の実施例でも同様であるので、以下の他の実施例では説明を省略する。図1において、圧縮機9で高温高圧に圧縮されたガス状冷媒は、凝縮器10において送風機12による冷却を受け、高圧の液状冷媒となる。次に、減圧手段11を通過して減圧された冷媒は、蒸発器となる熱交換器(この実施例では絶縁媒体冷却熱交換器)16において熱を受け取り蒸発し、ガス状冷媒となる。冷媒が蒸発する際には多量の熱を潜熱として受け取るため、コンパクトな熱交換器で被冷却媒体を低温にし、安定して冷却することができる。蒸発したガス状冷媒は再び圧縮機9において圧縮され、以下上記したサイクルを繰り返す。
【0041】
次に、絶縁媒体冷却器46の動作を説明する。図1において、制御装置32の制御によってX線管装置本体1が動作し、X線の発生が開始すると同時に、絶縁媒体循環ポンプ2が起動する。X線管装置本体1の絶縁媒体の出口配管に設けた管容器出口配管温度検知手段31にて、絶縁媒体の出口温度が所定温度Thを越えたことを検知すると、制御装置32は圧縮機9、送風機12を起動し、冷凍サイクル44を起動する。減圧手段11に電動膨張弁を用いる場合には、制御装置32が減圧手段11の制御を行う。冷凍サイクル44により絶縁媒体冷却熱交換器16で冷却された絶縁媒体は絶縁媒体循環ポンプ2によりX線管装置本体1に供給され、X線管装置本体1内のX線管を冷却する。更に、X線管を冷却して加熱された絶縁媒体は再び絶縁媒体冷却熱交換機16に戻り、冷却される。上記において、所定温度Thは絶縁媒体の出口温度の上限値であり、絶縁媒体の許容温度又はそれより低い温度に設定される。
【0042】
冷凍サイクル44により絶縁媒体が十分に冷却され、管容器出口配管温度検知手段31にて、絶縁媒体の出口温度が所定温度Tlに低下したことを検知すると、制御装置32は圧縮機9、送風機12を停止し、冷凍サイクル44を停止する。ここで所定温度Tlは冷凍サイクル44で冷却する絶縁媒体の温度の下限値であり、通常室温又はそれより高い温度に設定される。
【0043】
本実施例によれば、冷媒の蒸発温度については、雰囲気空気温度と関係なく、室温以下にまで設定可能であるので、雰囲気空気温度が上昇しても安定して絶縁媒体を介してX線管装置本体1の冷却を行うことができる。また、作動状態の冷媒蒸発温度と絶縁媒体温度との温度差を大きく取ることができることから、絶縁媒体冷却熱交換器16及び絶縁媒体循環ポンプ2を従来の空冷式の場合に比べて大幅に小型化することができる。
【0044】
また、X線管装置本体1の発熱量以上の冷凍能力を有する冷凍サイクル44を使用し、冷凍サイクル44の起動/停止を交互に行うことで、X線管の発熱負荷の変動に対応可能な絶縁媒体冷却器46を提供することができる。
【0045】
あるいは、圧縮機9に可変速圧縮機を使用し、X線管装置本体1の発熱量が変動した場合、管容器出口配管温度検知手段31で検知された絶縁媒体温度が高いときには圧縮機9の回転数を高くして冷凍サイクル44の冷凍能力を増加させ、絶縁媒体温度が低いときには圧縮機9の回転数を低くして冷凍能力を減少させる制御を行い、X線管の発熱負荷の変動に対応してもよい。
【0046】
更に、制御装置32にてX線管への負荷回数、負荷強度を管理し、発熱負荷を演算して、X線管の発熱負荷が高い場合には圧縮機9の回転数を高くして冷凍サイクル44の冷凍能力を増加させ、発熱負荷が低い場合には圧縮機9の回転数を低くして冷凍能力を減少させる制御を行い、X線管の発熱負荷の変動に対応してもよい。
【0047】
上記の如く、圧縮機9に可変速圧縮機を使用することにより、圧縮機9が運転状態を維持したまま発熱負荷の変動に対応できるため、圧縮機9の起動/停止を繰り返す場合に比べて、圧縮機9自体の寿命を長くすることができ、信頼性を向上することができる。
【0048】
(第2の実施例)
図2は、本発明のX線管装置の第2の実施例の概略構成図である。図2において、破線で囲まれたX線管線源部47と冷凍サイクル部45が延長冷媒配管17、18によって接続されている。延長冷媒配管17、18は可撓性を有する配管で、冷媒配管29、29aと合わせて一体の冷媒配管を構成する。ここで、X線管線源部47はX線管装置本体1と絶縁媒体循環ポンプ2と絶縁媒体冷却熱交換器16から構成され、冷凍サイクル部45は圧縮機9と凝縮器10と減圧手段11と送風機12から構成される。本実施例はこの冷媒配管を除いて、第1の実施例と同じ構成である。
【0049】
上記の如く構成されたX線管装置の絶縁媒体冷却器46の動作は第1の実施例と同様であるため省略するが、可撓性を有する延長冷媒配管17、18を延長することで、冷凍サイクル部45をX線管線源部47から分離することができ、従来の空冷式の冷却方式と比べ、小型の絶縁媒体冷却熱交換器16、絶縁媒体循環ポンプ2を利用することができるから、X線管線源部47を大幅に小型化することができる。
【0050】
また、X線管での発熱は絶縁媒体冷却熱交換器16を介して絶縁媒体から冷媒へ伝熱されることから、X線管線源部47をカバーなどで密封することが可能であり、X線管線源部47からの熱排風が無くなると共に、カバーなどにスリットを設ける必要もなくなるので、血液などが飛散した場合でも容易に清拭することができる。
【0051】
また、延長冷媒配管17、18は可撓性を有するため、X線管線源部47をCアーム状支持器などで支持して、撮影方向を変えてX線撮影を行う際などには、X線管線源部47を容易に移動することができる。
【0052】
(第3の実施例)
図3は、本発明のX線管装置の第3の実施例の概略構成図である。図3において、X線管線源部47aと冷凍サイクル部45aが延長絶縁媒体配管19、20によって接続されている。延長絶縁媒体配管19、20は可撓性を有する配管で絶縁媒体配管4a、4bと合わせて一体の絶縁媒体配管を構成する。ここで、X線管線源部47aはX線管装置本体1から構成され、冷凍サイクル部45aは絶縁媒体循環ポンプ2と絶縁媒体冷却熱交換器16と圧縮機9と凝縮器10と減圧手段11と送風機12から構成される。
【0053】
上記の如く構成されたX線管装置の絶縁媒体冷却器46の動作は、第1の実施例と同様であるため省略するが、可撓性を有する延長絶縁媒体配管19、20を延長することで、第2の実施例と比較して、絶縁媒体循環ポンプ2は大型化するが、X線管線源部47aから絶縁媒体循環ポンプ2及び絶縁媒体冷却熱交換器16も無くなるため、X線管線源部47aを非常に小型化することが可能となる。更に、X線管線源部47aでは絶縁媒体循環ポンプ2の騒音も無くなる。
【0054】
また、第2の実施例と同様に、X線管での発熱は絶縁媒体冷却熱交換器16を介して絶縁媒体から冷媒へ伝熱されることから、X線管線源部47aを密封することが可能であり、X線管線源部47aからの熱排風が無くなるとともに、血液などが飛散した場合でも容易に清拭することができる。更に、延長絶縁媒体配管19、20は可撓性を有するため、撮影方向を変えてX線撮影を行う際などには、X線管線源部47aを容易に移動することができる。
【0055】
(第4の実施例)
図4は、本発明のX線管装置の第4の実施例の概略構成図である。本実施例では、絶縁媒体冷却熱交換器16内に潜熱蓄熱材13が封入されている点に特徴がある。図4において、X線管線源部47bと冷凍サイクル部45が延長冷媒配管17、18によって接続されている。延長冷媒配管17、18は可撓性を有する配管で、冷媒配管29、29aと合わせて一体の冷媒配管を構成する。ここで、X線管線源部47bはX線管装置本体1と絶縁媒体循環ポンプ2と絶縁媒体冷却交換器16から構成され、冷凍サイクル部45は第2の実施例の構成と同じである。
【0056】
図4において、絶縁媒体冷却熱交換器16は、潜熱蓄熱材13を介して絶縁媒体と冷凍サイクル部45の冷媒とが熱交換を行う方式の熱交換器を使用している。この種の熱交換器としてはフィン−チューブ熱交換器を潜熱蓄熱材13中に浸漬させた熱交換器、或いはプレート式熱交換器において被冷却流体流路と冷却流体流路との間に潜熱蓄熱材13を封入した熱交換器などを採用することができる。また、絶縁媒体冷却熱交換器16には、蓄熱材13の温度を検知するための蓄熱材温度検知手段34が取り付けられている。
【0057】
次に、絶縁媒体冷却熱交換器16の実施例について説明する。図5に本発明に係るフィン−チューブ熱交換器の構造図、図6に本発明に係るプレート式熱交換器の構造図を示す。図5の左側の図はフィン−チューブ熱交換器の側面図、右側の図はその正面図である。図5において、フィン−チューブ熱交換器は、潜熱蓄熱材13を封入した蓄熱槽38の中に、平行に配列した多数枚のフィン37に被冷却媒体流路35と冷却媒体流路36を貫通させて接合したものを浸漬したものである。被冷却媒体流路35と冷却媒体流路36は平行に配列して、蓄熱槽38の中を蛇行させることにより、フィン37を複数回(図示では7回)貫通させている。また、被冷却媒体流路35と冷却媒体流路36とでは、各々の媒体の流れ方向を矢印で示した如く逆方向にして、冷却効果を向上させている。本実施例の場合、被冷却媒体流路35は絶縁媒体の流路であり、冷却媒体流路36は冷媒の流路である。
【0058】
図6において、プレート式熱交換器は、潜熱蓄熱材13の層と被冷却媒体の層40と冷却媒体の層41がプレート39を隔壁として順番に積層され、その積層体を貫通して、被冷却媒体流路35と冷却媒体流路36が設けられ、前記各媒体層40、41と一緒となり、各々の媒体流路を構成している。
【0059】
上記の如く構成されたX線管装置の動作を以下に説明する。先ず、X線撮影前において、制御装置32が圧縮機9、送風機12を起動し、冷凍サイクル44を起動する。絶縁媒体冷却熱交換器16の潜熱蓄熱材13は、冷凍サイクル44の運転によって冷却され、凝固することにより潜熱蓄熱される。蓄熱材温度検知手段34が蓄熱材13の温度が所定温度Tslまで低下したことを検知した場合には、制御装置32は圧縮機9、送風機12を停止する。或いは、この潜熱蓄熱材13による蓄熱は、X線未発生時に所定時間tsだけ冷凍サイクル44を運転した後に制御装置32が冷凍サイクル44を停止するという制御を行ってもよい。
【0060】
以上のように冷凍サイクル44を運転して完全に潜熱蓄熱材13が凝固した状態、或いは大部分が凝固した状態で、X線撮影を開始する。制御装置32の制御によってX線管装置本体1が動作しX線の発生が開始すると、同時に絶縁媒体循環ポンプ2が起動する。また、制御装置32は圧縮機9、送風機12を起動し、冷凍サイクル44を起動する。減圧手段11に電動膨張弁を用いる場合には制御装置32が制御を行う。
【0061】
蓄熱材13を介して熱交換が行われるため、蓄熱材13の融解潜熱と冷凍サイクル44による冷却により、絶縁媒体冷却熱交換器16にて絶縁媒体は冷却され、絶縁媒体循環ポンプ2によりX線管装置本体1に供給され、X線管を冷却し、ここで加熱された絶縁媒体は再び絶縁媒体冷却熱交換器16に戻り、冷却される。
【0062】
X線管の発熱負荷が小さい場合には、冷凍サイクル44の冷凍能力の余剰分は蓄熱材13の凝固に用いられ、X線管の発熱負荷が大きい場合には冷凍サイクル44の冷凍能力の不足分を、X線管の負荷停止時とX線管の発熱負荷が小さい時に蓄積された蓄熱材13の融解潜熱によって補う。蓄熱材13としては、塩化カルシウム6水和物、或いはエチレングリコールなどの物質を用い、X線管の発熱負荷に見合うだけの量を、圧縮機9の容量と合わせて設計し使用する。
【0063】
また、X線管の発熱負荷が小さく、X線管装置本体1の絶縁媒体の出口温度が所定温度Tlに低下したことを管容器出口配管温度検知手段31が検知すると、制御装置32は圧縮機9、送風機12を停止し、冷凍サイクル44を停止する。
【0064】
上記の実施例によれば、X線撮影前及びX線管の低負荷時に冷凍サイクル44で蓄熱材13に蓄熱し、高負荷時に蓄熱材13を融解させて融解潜熱を利用することで、X線管の発熱負荷に対して冷凍能力の小さい冷凍サイクル44で冷却システムを構成することができるため、圧縮機9、凝縮器10、送風機12などの機器を小型化でき、X線管冷却システムを小型化することができ、低コスト化とともに、消費電力量の低減、運転中の騒音レベルの低下も実現できる。
【0065】
また、X線管の発熱負荷が変動した場合にも、この変動分を蓄熱材13が相変化する際の潜熱で対応するため、冷凍サイクル44の運転を比較的一定の条件で継続することができ、圧縮機9には安価な一定速の圧縮機を使用することができる。しかも、運転の起動/停止回数が減るため、圧縮機9の信頼性が向上する。更に、高負荷時には、蓄熱材13の融解潜熱を利用するので、X線管冷却システムからの騒音が増加することが無く、静粛性が高い。
【0066】
また、可撓性を有する延長冷媒配管17、18を延長することで、X線管線源部47bから分離した冷凍サイクル部45により冷却を行うため、従来の空冷式の冷却方式と比べ、小型の絶縁媒体冷却熱交換器16、絶縁媒体循環ポンプ2を利用できることとあわせて、X線管線源部47bを大幅に小型化することができる。
【0067】
また、X線管からの発熱は、絶縁媒体冷却熱交換器16を介して絶縁媒体から冷媒へ伝熱されることから、X線管線源部47bを密封することが可能であり、X線管線源部47bからの熱排風が無くなるとともに、血液などが飛散した場合でも容易に清拭することが可能となる。
【0068】
更に、延長冷媒配管17、18は可撓性を有するため、撮影方向を変えてX線撮影を行う際には、X線管線源部47bが容易に移動可能となる。
【0069】
先に、絶縁媒体冷却熱交換器16として、図5及び図6に示す熱交換器を例として挙げたが、以下にこれらの熱交換器の動作について説明する。先ず、図5のフィン−チューブ熱交換器について説明する。
図5のフィン−チューブ熱交換器においては、被冷却媒体流路35にX線管装置本体1で加熱された絶縁媒体が流れ、冷却媒体流路36に冷凍サイクル部45から供給される冷媒が流れる。被冷却媒体流路35と冷却媒体流路36はフィン37により熱的に連結され、潜熱蓄熱材13が封入された蓄熱槽38内に浸漬されている。
【0070】
X線撮影前に冷凍サイクル44が起動されると、冷却媒体流路36に冷媒が流れ、被冷却媒体流路35とフィン37を介して、蓄熱材13から熱を奪い冷却する。冷却が進み、蓄熱材13の温度が凝固点以下になると、冷却媒体流路36及びフィン37のまわりに蓄熱材13が凝固し、固体状の蓄熱材13が成長していく。この状態で、X線撮影が開始され、被冷却媒体流路35にX線管装置本体1で加熱された絶縁媒体が流れると、温度差によって被冷却媒体流路35から冷却媒体流路36に、蓄熱材13及びフィン37を介して熱が移動し、絶縁媒体は冷却される。X線管の発熱負荷が高い場合には、凝固していた蓄熱材13が融解し、この融解潜熱と、冷凍サイクル44の冷凍能力の両者によって、絶縁媒体の冷却を行うことができる。また、X線管の発熱負荷が低い場合には、絶縁媒体を冷却すると同時に冷凍サイクル44の余剰冷凍能力によって、蓄熱材13を冷却し、蓄熱することができる。
【0071】
次に、図6のプレート式熱交換器の動作について説明する。図6のプレート式熱交換器において、プレート39によって隔離されて構成された被冷却媒体の層40にX線管装置本体1で加熱された絶縁媒体が流れ、冷却媒体の層41に冷凍サイクル部45から供給される冷媒が流れ、両者の間に蓄熱材13が封入された層ができるような構成で積層されているので、被冷却媒体の層40はプレート39を貫通するように形成される被冷却媒体流路35により連結されている。同様に、冷却媒体の層41もプレート39を貫通するように形成される冷却媒体流路36により連結されている。被冷却媒体と冷却媒体と蓄熱材13は各々プレート39により非混合の状態で、熱的に連結されている。
【0072】
X線撮影前に冷凍サイクル44が起動されると、冷却媒体流路36及び冷却媒体の層41に冷媒が流れ、プレート39を介して蓄熱材13から熱を奪い、冷却する。冷却が進み、蓄熱材13の温度が凝固点以下になると蓄熱材13が凝固し、固体状の蓄熱材13が成長していく。この状態でX線撮影が開始され、被冷却媒体流路35および被冷却媒体の層40にX線管装置本体1で加熱された絶縁媒体が流れると、温度差によって被冷却媒体の層40から冷却媒体の層41に蓄熱材13及びプレート39を介して熱が移動し、絶縁媒体は冷却される。X線管の発熱負荷が高い場合には、凝固していた蓄熱材13が融解し、この融解潜熱と、冷凍サイクル44の冷凍能力の両者によって同時に絶縁媒体の冷却を行うことができる。また、X線管の発熱負荷が低い場合には、絶縁媒体を冷却すると同時に、冷凍サイクル44の余剰冷凍能力で蓄熱材13を冷却し蓄熱することができる。
【0073】
(第5の実施例)
図7は、本発明のX線管装置の第5の実施例の概略構成図である。図7において、X線管線源部47aと冷凍サイクル部45bが延長絶縁媒体配管19、20によって接続されている。延長絶縁媒体配管19、20は可撓性を有する配管で、絶縁媒体配管4a、4bと合わせて一体の絶縁媒体配管を構成する。冷凍サイクル部45bは絶縁媒体循環ポンプ2と、絶縁媒体冷却熱交換器16と、圧縮機9と、凝縮器10と、送風機12と、減圧手段11から構成される。また、絶縁媒体冷却熱交換器16には、第4の実施例と同様に、蓄熱材13が封入されており、図5或いは図6に示す熱交換器が用いられる。
【0074】
上記の如く構成されたX線管装置の動作は第4の実施例と同じであるため省略するが、可撓性を有する延長絶縁媒体配管19、20を延長することで、第4の実施例と比較して、絶縁媒体循環ポンプ2は大型化するが、X線管線源部47aから絶縁媒体循環ポンプ2及び絶縁媒体冷却熱交換器16が無くなるため、X線管線源部47aを非常に小型化することが可能になるとともに、X線管線源部47aでは絶縁媒体循環ポンプ2の騒音も無くなる。
【0075】
また、第4の実施例と同様に、本実施例によれば、X線撮影前及びX線管の発熱負荷が低い時に、冷凍サイクル44で蓄熱材13に蓄熱し、X線管の発熱負荷が高い時に蓄熱材13の融解潜熱を利用することで、X線管の発熱負荷に対して冷凍能力の小さい冷凍サイクル44でX線管冷却システムを構成することができるため、圧縮機9、凝縮器10、送風機12などの機器を小型化でき、低コスト化とともに、消費電力量の低減、運転中の騒音レベルの低下も実現できる。
【0076】
また、X線管の発熱負荷が変動した場合にも、変動分を蓄熱材13が相変化する際の潜熱で対応するため、冷凍サイクル45bの運転を比較的安定した一定の条件で継続することができ、圧縮機9には安価な一定速の圧縮機を使用することができる。しかも、運転の起動/停止回数が減るため、圧縮機9の信頼性が向上する。更に、X線管の発熱負荷が高い時には、蓄熱材13の融解潜熱を利用するので、X線管冷却システムからの騒音が増加することが無く、静粛性が高い。
【0077】
また、可撓性を有する延長絶縁媒体配管19、20を延長することで、第4の実施例と比較して絶縁媒体循環ポンプ2は大型化するが、X線管線源部47aから絶縁媒体循環ポンプ2及び絶縁媒体冷却熱交換器16が無くなるため、X線管線源部46aを非常に小型化することが可能になるとともに、X線管線源部47aからは絶縁媒体循環ポンプ2の騒音も無くなり、静粛性が更に向上する。また、X線管からの発熱は絶縁媒体冷却熱交換器16を介して絶縁媒体から冷媒へ伝熱されることから、X線管線源部47aを密閉することが可能であり、X線管線源部47aからの熱排風が無くなるとともに、血液などが飛散した場合でも容易に清拭することが可能となる。
【0078】
更に、延長絶縁媒体配管19、20は可撓性を有するため、撮影方向を変えてX線撮影を行う際には、X線管線源部47aを容易に移動することができる。
【0079】
(第6の実施例)
図8は、本発明のX線管装置の第6の実施例の概略構成図である。この構成では、絶縁媒体空冷熱交換器21、送風機15、雰囲気温度検知手段33が付加されたことに特徴がある。図8において、X線管線源部47aと冷凍サイクル部45cが延長絶縁媒体配管19、20によって接続されている。延長絶縁媒体配管19、20は可撓性を有する配管で、絶縁媒体配管4a、4bと合わせて一体の絶縁媒体配管を構成する。冷凍サイクル部45cは絶縁媒体循環ポンプ2と、絶縁媒体冷却熱交換器16と、圧縮機9と、凝縮器10と、送風機12と、減圧手段11と、絶縁媒体空冷熱交換器21と、送風機15から構成される。ここで、絶縁媒体冷却熱交換器16と圧縮機9と凝縮器10と送風機12と減圧手段11は冷凍サイクル44を構成する。
【0080】
以上の如く構成されたX線管装置の動作について以下に説明する。制御装置32の制御によってX線管装置本体1からX線が発生すると、絶縁媒体循環ポンプ2が同時に起動する。X線管装置本体1の出口配管に設けた管容器出口配管温度検知手段31にて、絶縁媒体の出口温度が所定温度Thを越えたことを検知すると、制御装置32は圧縮機9、送風機12を起動し、冷凍サイクル44を起動する。減圧手段11に電動膨張弁を用いる場合には制御装置32がその制御を行う。
【0081】
また、雰囲気温度検知手段33が雰囲気温度を検知しており、X線撮影が連続して行われることによりX線管の発熱負荷が増加し、絶縁媒体の出口温度が雰囲気温度より所定温度ΔToaだけ高く、雰囲気空気との熱交換が可能となると、制御装置32は送風機15を起動し、冷凍サイクル44と合わせて、絶縁媒体空冷熱交換器21からも絶縁媒体の冷却を行う。絶縁媒体が十分冷却され、絶縁媒体の出口温度が所定温度Tlaに低下したことを管容器出口配管温度検出手段31が検知すると、制御装置32は送風機15を停止する。更に、絶縁媒体が冷却され、絶縁媒体の出口温度が所定温度Tlに低下したことを検知した場合、制御装置32は圧縮機9、送風機12を停止し、冷凍サイクル44を停止する。
【0082】
上記の実施例によれば、絶縁媒体空冷熱交換器21を設けたことで、X線管の高負荷時に絶縁媒体の出口温度が上昇した場合、雰囲気温度との温度差が大きくなるため、発熱負荷の上昇分に応じて、絶縁媒体空冷熱交換器21から雰囲気空気へ放熱することで、X線管の発熱負荷に対して冷凍能力の小さい冷凍サイクル44でX線管冷却システムを構成することができるため、圧縮機9、凝縮器10、送風機12などの機器を小型化でき、低コスト化とともに消費電力量の低減、運転中の騒音レベルの低下も実現できる。
【0083】
また、X線管の発熱負荷が変動した場合にも、変動分を絶縁媒体空冷熱交換器21で対応するため、冷凍サイクル44の運転を比較的安定に一定の条件で継続することができ、圧縮機9には安価な一定速の圧縮機を使用することができる。しかも、運転の起動/停止回数が減るため、圧縮機9の信頼性が向上する。
【0084】
また、X線管に高負荷が加わる場合でも、事前に蓄熱などの準備が必要なく、迅速に連続したX線撮影が可能となる。更に、長時間高負荷が加えられた場合でも、絶縁媒体空冷熱交換機21が持続的に放熱を行うため、時間的な制約無くX線撮影を行うことができる。
【0085】
また、可撓性を有する延長絶縁媒体配管19、20を延長することで、絶縁媒体循環ポンプ2は大型化するが、X線管線源部47aから絶縁媒体循環ポンプ2及び絶縁媒体冷却熱交換器16も無くなるため、X線管線源部47aを非常に小型化することが可能になるとともに、X線管線源部47aからは絶縁媒体循環ポンプ2の騒音も無くなり、静粛性が更に向上する。また、X線管からの発熱は絶縁媒体冷却熱交換器16を介して絶縁媒体から冷媒へ伝熱されることから、X線管線源部47aを密閉することが可能であり、X線管線源部47aからの熱排風が無くなるとともに、血液などが飛散した場合でも容易に清拭することが可能となる。
【0086】
更に、延長絶縁媒体配管19、20は可撓性を有するため、撮影方向を変えてX線撮影を行う際には、X線管線源部47aが容易に移動可能となる。
【0087】
(第7の実施例)
図9は、本発明のX線管装置の第7の実施例の概略構成図である。本実施例では、2次冷熱媒体を用いた2次冷熱媒体冷却熱交換器6を付加したことに特徴がある。図9において、X線管線源部47cと冷凍サイクル部45dが延長2次冷熱媒体配管7、8によって接続されている。延長2次冷熱媒体配管7、8は可撓性を有する配管で、2次冷熱媒体配管30a、30bと合わせて一体の2次冷熱媒体配管を構成する。X線管線源部47cはX線管装置本体1と、絶縁媒体循環ポンプ2と、絶縁媒体冷却熱交換器3から構成され、冷凍サイクル部45dは2次冷熱媒体循環ポンプ5と、2次冷熱媒体冷却熱交換器6と、圧縮機9と、凝縮器10と、送風機12と、減圧手段11から構成される。
【0088】
X線管装置本体1は絶縁媒体配管4によって、絶縁媒体冷却熱交換器3、絶縁媒体循環ポンプ2と順次接続され、絶縁媒体が密封された状態で循環する構成となっている。また、絶縁媒体冷却熱交換器3は2次冷熱媒体配管30a、8、30b、7によって2次冷熱媒体冷却熱交換器6、2次冷熱媒体循環ポンプ5と順次接続され、2次冷熱媒体が封入されて循環する構成となっている。
【0089】
また、圧縮機9、凝縮器10、減圧手段11、2次冷熱冷却熱交換器6は順次冷媒配管29により接続され、冷媒が密封された状態で循環する冷凍サイクル44が構成される。ここで、減圧手段11としては、電動膨張弁を用いてもよいし、キャピラリチューブを用いてもよい。
【0090】
絶縁媒体冷却熱交換器3は絶縁媒体と2次冷熱媒体を非混合となる熱交換器を用い、例えばプレート式熱交換器(図6参照)を用いてもよいし、二重管式熱交換器を用いてもよい。2次冷熱媒体冷却熱交換器6は、2次冷熱媒体と冷媒が非混合となる熱交換器を用い、同様にプレート式熱交換器を用いてもよいし、二重管式熱交換器を用いてもよい。絶縁媒体としては、X線管に印加される高電圧を絶縁できる媒体であればよく、例えば絶縁油を用いる。2次冷熱媒体としては、熱を搬送する媒体であればよく、水を用いてもよいし、エチレングリコールのような冷熱媒体を用いてもよい。
【0091】
冷凍サイクル44の冷媒としては、HFC系冷媒、HCFC系冷媒、HC系冷媒のような冷媒を用い、HFC系冷媒であれば例えばHFC134a(1.2.2.2テトラフルオロエタン)を用いてもよいし、HCFC系冷媒であれば例えばHCFC22(クロロジフルオロメタン)を用いてもよいし、HC系冷媒であれば例えばイソブタンを用いてもよい。
【0092】
本実施例のX線管装置の絶縁媒体冷却器46は、絶縁媒体が循環する絶縁媒体循環ループと、2次冷熱媒体が循環する2次冷熱媒体循環ループと、冷媒が循環する冷凍サイクル44のループとから構成される。
【0093】
以上の如く構成されたX線管装置の動作について以下に説明する。制御装置32の制御によりX線管装置本体1がX線を発生すると、絶縁媒体循環ポンプ2及び2次冷熱媒体循環ポンプ5が同時に起動する。X線管装置本体1の出口配管に設けた管容器出口配管温度検知手段31が絶縁媒体の温度が所定温度Thを越えたことを検知すると、制御装置32は圧縮機9、送風機12を起動し、冷凍サイクル44を起動する。減圧手段11に電動膨張弁を用いる場合には制御装置32がこの制御を行う。冷凍サイクル44により2次冷熱媒体冷却熱交換器6で冷却された2次冷熱媒体は2次冷熱媒体循環ポンプ5により絶縁媒体冷却熱交換器3に供給され、X線管装置本体1で加熱された絶縁媒体と、絶縁媒体冷却熱交換器3で熱交換し、加熱された2次冷熱媒体は再び2次冷熱媒体冷却熱交換器6に戻り、冷却される。一方、絶縁媒体冷却熱交換器3で冷却された絶縁媒体は絶縁媒体循環ポンプ2によりX線管装置本体1に供給され、X線管を冷却し、加熱された絶縁媒体は再び絶縁媒体冷却熱交換器3に戻り、冷却される。
【0094】
冷凍サイクル44により2次冷熱媒体を介して、絶縁媒体が十分冷却され、絶縁媒体の管容器出口配管での温度が所定温度Tlに低下したことを管容器出口配管温度検知手段31が検知すると、制御装置32は圧縮機9、送風機12を停止し、冷凍サイクル44を停止する。
【0095】
上記の実施例によれば、冷凍サイクル44の冷媒の蒸発温度を下げることで、2次冷熱媒体冷却熱交換器6の出口の2次冷熱媒体温度を室温以下にまで設定することができるため、雰囲気空気温度が上昇してもX線管装置本体1の安定した冷却を行うことができる。作動状態の絶縁媒体と2次冷熱媒体との温度差を大きくとることができることから、絶縁媒体冷却熱交換器3及び絶縁媒体循環ポンプ2を従来の空冷式の場合に比べて大幅に小型化することが可能となる。
【0096】
また、X線管の発熱負荷以上の冷凍能力を有する冷凍サイクル44を使用し、冷凍サイクル44の起動/停止を交互に行うことで、発熱負荷の変動に対応可能な絶縁媒体冷却器46を具備するX線管装置を提供することができる。
【0097】
或いは、圧縮機9に可変速圧縮機を使用し、X線管の発熱負荷が変動した場合には、管容器出口配管温度検知手段31が検知した絶縁媒体温度が高いときは圧縮機9の回転数を高くして冷凍サイクル44の冷凍能力を増加させ、絶縁媒体温度が低いときは圧縮機9の回転数を低くして冷凍能力を減少させる制御を行い、X線管の発熱負荷の変動に対応してもよい。
【0098】
また、制御装置32がX線の発生回数、強度を管理し、発熱負荷量を演算して、発熱負荷が高い場合には圧縮機9の回転数を高くして冷凍サイクル44の冷凍能力を増加させ、低い場合には圧縮機9の回転数を低くして冷凍能力を減少させる制御を行い、X線管の発熱負荷の変動に対応してもよい。
【0099】
圧縮機9に可変速圧縮機を使用することにより、圧縮機9は運転状態のままX線管の発熱負荷の変動に対応できるため、圧縮機9の起動/停止を繰り返す場合に比べて圧縮機9自体の寿命を長くすることができ、信頼性を向上することができる。
【0100】
絶縁媒体循環ループは、X線管線源部47cにおいて、絶縁媒体配管4の長さを短くして密閉状態にすることができるため、絶縁媒体循環ポンプ2の容量を小さくすることができるとともに、外部からの絶縁媒体配管4内への気泡の混入を完全に防止でき、X線撮影時の絶縁不良によるX線管装置の不具合の虞がない。一方、冷凍サイクル44も冷凍サイクル部45dで完全に密閉状態にすることができるため、冷媒漏れの虞がない、非常に信頼性の高いX線管冷却システムを提供することができる。また、2次冷熱媒体循環ループには、粘度の低い、水などを用いるため、搬送損失を小さくすることができ、2次冷熱媒体配管30a、30b、7、8を細径化して、取り扱いやすくすることが可能であるとともに、2次冷熱媒体循環ポンプ5に容量の小さいポンプを選択でき、消費電力の低減、運転時の騒音の低下、コストの低減が可能となる。
【0101】
細径化した延長2次冷熱媒体配管7、8は大きな可撓性を有するため、撮影方向を変えてX線撮影を行う際には、X線管線源部47c が容易に移動可能となる。
【0102】
また、X線管からの発熱は絶縁媒体冷却熱交換器3を介して絶縁媒体から2次冷熱媒体へ伝熱されることから、X線管線源部47cを密閉することが可能であり、X線管線源部47cからの熱排風が無くなるとともに、血液などが飛散した場合でも容易に清拭することが可能となる。
【0103】
(第8の実施例)
図10は、本発明のX線管装置の第8の実施例の概略構成図である。本実施例では、2次冷熱媒体冷却熱交換器及び冷凍サイクルを2台有することが特徴である。図10において、X線管線源部47cと冷凍サイクル部45eが延長2次冷熱媒体配管7、8によって接続されている。延長2次冷熱媒体配管7、8は可撓性を有する配管で、2次冷熱媒体配管30a、30b、30cと合わせて一体の2次冷熱媒体配管を構成する。X線管線源部47cはX線管装置本体1と、絶縁媒体循環ポンプ2と、絶縁媒体冷却熱交換器3から構成され、冷凍サイクル部45eは第1の2次冷熱媒体循環ポンプ5と、第1の2次冷熱媒体冷却熱交換器6aと、第1の圧縮機9aと、第1の凝縮器10aと、第1の減圧手段11aと、第1の送風機12aと、第2の2次冷熱媒体冷却熱交換器6bと、第2の圧縮機9bと、第2の凝縮器10bと、第2の減圧手段11bと、第2の送風機12bから構成される。
【0104】
ここで、第1の圧縮機9aと、第1の凝縮器10aと、第1の減圧手段11aと、第1の送風機12aと、第1の2次冷熱媒体冷却熱交換器6aによって第1の冷凍サイクル44aが構成され、第2の圧縮機9bと、第2の凝縮器10bと、第2の減圧手段11bと、第2の送風機12bと、第2の2次冷熱媒体冷却熱交換器6bによって第2の冷凍サイクル44bが構成される。延長2次冷熱媒体配管8は冷凍サイクル45eにて第1の2次冷熱媒体配管30bと第2の2次冷熱媒体配管30cとに並列に分配され、第1の冷凍サイクル44aは第1の2次冷熱媒体配管30bと熱交換を行い、第2の冷凍サイクル44bは第2の2次冷熱媒体配管30cと熱交換を行う。なお、上記の説明では、冷凍サイクル44が2つの場合の構成例について示したが、冷凍サイクル44は3つ以上であってもよい。
【0105】
以上の如く構成されたX線管装置の動作について以下に説明する。制御装置32の制御によりX線管装置本体1がX線を発生すると、絶縁媒体循環ポンプ2及び2次冷熱媒体循環ポンプ5が同時に起動する。X線管装置本体1の出口配管に設けた管容器出口配管温度検知手段31が絶縁媒体の温度が所定温度Th1を越えたことを検知すると、制御装置32は圧縮機9a、送風機12aを起動し、第1の冷凍サークル44aを起動する。減圧手段11aに電動膨張弁を用いる場合には制御装置32がその制御を行う。第1の冷凍サイクル44aにより第1の2次冷熱媒体冷却熱交換器6aで冷却された2次冷熱媒体は2次冷熱媒体循環ポンプ5により絶縁媒体冷却熱交換器3に供給され、X線管装置本体1で加熱された絶縁媒体と絶縁媒体冷却熱交換器3で熱交換し、加熱された2次冷熱媒体は再び2次冷熱媒体冷却熱交換器6bに戻り、冷却される。一方、絶縁媒体冷却熱交換器3で冷却された絶縁媒体は絶縁媒体循環ポンプ2によりX線管装置本体1に供給され、X線管装置本体1を冷却し、加熱された絶縁媒体は再び絶縁媒体冷却装置3に戻り、冷却される。
【0106】
ここで、X線管の発熱負荷が高く、管容器出口配管温度検出手段31が絶縁媒体の温度が所定温度Th2(Th1<Th2)を越えたことを検知すると、制御装置32は圧縮機9b、送風機12bを起動し、第2の冷凍サイクル44bを起動し、第1の冷凍サイクル44aと合わせて並列運転し、X線管冷却システムの冷凍能力を向上させて、X線管の発熱負荷に対応する。
【0107】
冷凍サイクル44a、44bにより2次冷熱媒体を介して絶縁媒体が冷却され、X線管装置本体1の出口温度が所定温度Th1に低下したことを管容器出口配管温度検知手段31が検知すると、制御装置32は圧縮機9b、送風機12bを停止し、第2の冷凍サイクル44bを停止し、第1の冷凍サイクル44aだけで冷却を行う。X線管の発熱負荷が低下し、絶縁媒体が更に冷却され、X線管装置本体1の出口温度が所定温度Tlに低下したことを検知すると、制御手段32は圧縮機9a、送風機12aを停止し、第1の冷凍サイクル44aを停止する。
【0108】
制御装置32では、先に起動する冷凍サイクル44を、第1の冷凍サイクル44aと第2の冷凍サイクル44bで交互に変えることにより、いずれかの冷凍サイクル44の運転時間だけが長くならないようにすることが望ましい。
【0109】
また、制御装置32がX線の発生回数、強度を管理し、X線管の発熱負荷を演算して、発熱負荷が高い場合には運転する冷凍サイクル44の数を増加させ、発熱負荷が小さい場合には、運転する冷凍サイクル44の数を少なくする制御を行い、X線管の発熱負荷の変動に対応してもよい。
【0110】
以上の実施例によれば、合計の冷凍能力がX線管の発熱負荷量以上となる複数の冷凍サイクル44を使用し、発熱負荷量に応じて運転する冷凍サイクル44の数を決めることで、圧縮機9を一定速の圧縮機を使用した冷凍サイクル44によって、X線管の発熱負荷の変動に対応可能な絶縁媒体冷却器46を具備するX線管装置を提供することができる。
【0111】
また、複数の冷凍サイクル44の運転時間を平準化するように制御することで、個々の冷凍サイクル44の信頼性を高めることができ、信頼性の高いX線管冷却システムを提供することができる。
【0112】
冷凍サイクル44を使用することによる冷却能力の向上と、可撓性を有する延長2次冷熱媒体配管7、8による操作性の向上、絶縁媒体循環ループと冷凍サイクル44それぞれの密閉性による信頼性の向上、X線管線源部47eの小型化、及び清拭性の向上については、第7の実施例と同じ効果が得られるので、ここでは説明を省略する。
【0113】
(第9の実施例)
図11は,本発明のX線管装置の第9の実施例の概略構成図である。本実施例は、その全体構成は図9の第7の実施例と同様であるが、2次冷熱媒体冷却熱交換器6に潜熱蓄熱材13が封入されている点に特徴がある。図11において、2次冷熱媒体冷却熱交換器6には蓄熱材13が封入され、この蓄熱材13の温度を検知するために蓄熱材温度検知手段34が設置されている。
【0114】
上記の如く構成されたX線管装置の動作を以下に説明する。X線撮影前において、制御装置32は圧縮機9、送風機12を起動し、冷凍サイクル44を起動する。絶縁媒体冷却熱交換器6内の潜熱蓄熱材13は、冷凍サイクル44の運転によって冷却され、凝固する。蓄熱材温度検知手段34が蓄熱材13の温度が所定温度Tslまで下がったことを検知した場合には、制御装置32は圧縮機9、送風機12を停止する。或いは、X線未発生時に所定時間Tsだけ冷凍サイクル44を運転した後に、制御装置32が冷凍サイクル44を停止するという制御を行ってもよい。
【0115】
以上のように冷凍サイクル44を運転して完全に潜熱蓄熱材13が凝固した状態、或いは大部分が凝固した状態で、X線撮影を開始する。制御装置32の制御によりX線管装置本体1がX線を発生すると、絶縁媒体循環ポンプ2と2次冷熱媒体循環ポンプ5が同時に起動する。また、制御装置32は圧縮機9、送風機12を起動し、冷凍サイクル44を起動する。減圧手段11に電動膨張弁を用いる場合には制御装置32がこの制御を行う。
【0116】
潜熱蓄熱材13を介して熱交換が行われるため、蓄熱材13の融解潜熱と冷凍サイクル44による冷却により、2次冷熱媒体冷却熱交換器6で2次冷熱媒体は冷却され、2次冷熱媒体循環ポンプ5により絶縁媒体冷却熱交換器3に供給され、絶縁媒体と熱交換を行い、加熱された2次冷熱媒体は再び2次冷熱媒体冷却熱交換器6に戻り、冷却される。一方、絶縁媒体は絶縁媒体冷却熱交換器3で冷却され、絶縁媒体循環ポンプ2によりX線管装置本体1に供給され、X線管装置本体1を冷却し、加熱された絶縁媒体は再び絶縁媒体冷却熱交換器3に戻り、冷却される。
【0117】
X線管の発熱負荷が小さい場合には、冷凍サイクル44の冷凍能力の余剰分は蓄熱材13の凝固に用いられ、X線管の発熱負荷が大きい場合には、冷凍サイクル44の冷凍能力の不足分を、X線管の停止時とX線管の発熱負荷の小さい時に蓄熱材13に蓄積された潜熱により補う。蓄熱材13には、塩化カルシウム6水和物、或いはエチレングリコールなどの物質が用いられ、X線管の発熱負荷に見合うだけの量を、圧縮機9の容量と合わせて設計し使用する。
【0118】
また、X線管の発熱負荷が小さく、X線管装置本体1の出口配管における絶縁媒体の温度が所定温度Tlに低下したことを検知すると、制御装置32は圧縮機9、送風機12を停止し、冷凍サイクル44を停止する。
【0119】
上記の実施例によれば、X線撮影前及び低負荷時に、冷凍サイクル44で蓄熱材13に蓄熱し、高負荷時に融解潜熱を利用することで、X線管の発熱負荷に対して冷凍能力の小さい冷凍サイクル44でX線管冷却システムを構成することができるため、圧縮機9、凝縮器10、送風機12などの機器を小型化でき、低コスト化とともに、消費電力量の低減、運転中の騒音レベルの低下も実現できる。また、X線管の発熱負荷が変動した場合にも変動分を蓄熱材13が相変化する際の潜熱で対応するため、冷凍サイクル44の運転を比較的安定して一定の条件で継続することができ、圧縮機9には安価な一定速の圧縮機を使用することができる。しかも、運転の起動/停止回数が減るため、圧縮機9の信頼性が向上する。更に、高負荷時には、蓄熱材13の融解潜熱を利用するので、X線管冷却システムからの騒音が増加することが無く、静粛性が高い。
【0120】
絶縁媒体循環ループは、X線管線源部47cにおいて、絶縁媒体配管4の長さを短くして密閉状態にすることができるため、絶縁媒体循環ポンプ2の容量を小さくすることができるとともに、外部からの絶縁媒体配管4内への気泡の混入を完全に防止でき、X線撮影時の絶縁不良によるX線管装置の不具合の虞が無い。一方、冷凍サイクル44も冷凍サイクル部45fで完全に密閉状態にすることができるため、冷媒漏れの虞が無い非常に信頼性の高いX線管冷却システムを提供することができる。また、2次冷熱媒体循環ループには粘度の低い、水などを用いるため、搬送損失を小さくすることができ、2次冷熱媒体配管30a、30b、7及び8を細径化して取り扱いやすくすることが可能となるとともに、2次冷熱媒体循環ポンプ5に容量の小さいポンプを選択でき、消費電力の低減、運転騒音の低下、コストの低減が可能となる。
【0121】
細径化した延長2次冷熱媒体配管7、8は可撓性を有するため、撮影方向を変えてX線撮影を行う際には、X線管線源部47cが容易に移動可能となる。
【0122】
また、X線管からの発熱は絶縁媒体冷却熱交換器3及び2次冷熱媒体冷却熱交換器6を介して絶縁媒体から冷媒へ伝熱されることから、X線管線源部47cを密閉することが可能であり、X線管線源部47cからの熱排風が無くなるとともに、血液などが飛散した場合でも容易に清拭することが可能となる。
【0123】
(第10の実施例)
図12は、本発明のX線管装置の第10の実施例の概略構成図である。本実施例では、2次冷熱媒体空冷熱交換器14が絶縁媒体冷却熱交換器3と2次冷熱媒体空冷熱交換器14との間に設けられていることが特徴である。図12において、X線管線源部47cと冷凍サイクル部45gが延長2次冷熱媒体配管7、8によって接続されている。延長2次冷熱媒体配管7、8は可撓性を有する配管で、2次冷熱媒体配管30a、30bと合わせて一体の2次冷熱媒体配管を構成する。X線管線源部47cはX線管装置本体1と、絶縁媒体循環ポンプ2と、絶縁媒体冷却熱交換器3と、2次冷熱媒体温度検知手段42から構成され、冷凍サイクル部45gは2次冷熱媒体循環ポンプ5と、2次冷熱媒体冷却熱交換器6と、2次冷熱媒体空冷熱交換器14と、送風機15と、雰囲気温度検知手段33と、圧縮機9と、凝縮器10と、減圧手段11と、送風機12から構成される。
【0124】
以上の如く構成されたX線管装置の動作について以下に説明する。制御装置32の制御によりX線管装置本体1がX線を発生すると、絶縁媒体循環ポンプ2が同時に起動する。X線管装置本体1の出口配管に設けた管容器出口配管温度検知手段31が絶縁媒体の温度が所定温度Thを越えたことを検知すると、制御装置32は圧縮機9、送風機12を起動し、冷凍サイクル44を起動する。減圧手段11に電動膨張弁を用いる場合には制御装置32がこの制御を行う。
【0125】
また、雰囲気温度検知手段33が雰囲気温度を検知し、2次冷熱媒体温度検知手段42が2次冷熱媒体温度を検知しており、X線撮影が連続して行われることにより、X線管からの発熱が増加し、2次冷熱媒体温度が雰囲気温度より所定温度ΔT2aだけ高く、2次冷熱媒体空冷熱交換器14が雰囲気空気と熱交換可能となると、制御装置32は送風機15を起動し、冷凍サイクル44と合わせて、2次冷熱媒体空冷熱交換器14からも冷却を行う。
【0126】
絶縁媒体が十分冷却され、2次冷熱媒体温度検知手段42が2次冷熱媒体の温度が所定温度Tlaに低下したことを検知すると、制御装置32は送風機15を停止する。更に、絶縁媒体が冷却され、管容器出口配管温度検知手段31が絶縁媒体の出口温度が所定温度Tlに低下したことを検知した場合、制御装置32は圧縮機9、送風機12を停止し、冷凍サイクル44を停止する。
【0127】
上記の実施例によれば、2次冷熱媒体空冷熱交換器14を設けたことで、高負荷時にX線管装置本体1の出口の絶縁媒体温度が上昇し、2次冷熱媒体空冷熱交換器14の入口の2次冷熱媒体温度も上昇した場合、雰囲気温度との温度差が大きくなるため、X線管の発熱負荷の上昇分に応じて、2次冷熱媒体空冷熱交換器14から雰囲気空気へ放熱することで、X線管の発熱負荷に対して冷凍能力の小さい冷凍サイクル44でX線管冷却システムを構成することができるため、圧縮機9、凝縮器10、送風機12などの機器を小型化でき、低コスト化とともに、消費電力量の低減、運転中の騒音レベルの低下も実現できる。
【0128】
また、X線撮影が連続し、X線管の発熱負荷が変動した場合にも、この変動分を2次冷熱媒体空冷熱交換器14で対応するため、冷凍サイクル44の運転を比較的安定して一定の条件で継続することができ、圧縮機9には安価な一定速の圧縮機を使用することができる。しかも、運転の起動/停止回数が減るため、圧縮機9の信頼性が向上する。
【0129】
また、X線管に高負荷が加わる場合でも、事前に蓄熱などの準備が必要なく、迅速にX線撮影が可能になる。更に、長時間高負荷が加えられた場合でも、2次冷熱媒体空冷熱交換器14が持続的に放熱を行うため、時間的な制約なく、X線撮影を行うことができる。
【0130】
冷凍サイクル44を使用することによる冷凍能力の向上と、可撓性を有する延長2次冷熱媒体配管による操作性の向上、絶縁媒体循環ループと冷凍サイクル44それぞれの密閉性による信頼性の向上、X線管線源部47cの小型化及び清拭性の向上については前記の第7の実施例と同じ効果が得られるので、ここでは説明を省略する。
【0131】
図13には第10の実施例の部分変更例を示す。図13において、2次冷熱媒体空冷熱交換器14の送風機として、凝縮器10と共通化して、送風機12を使用するように構成されている。送風機12の共用により、送風機15を削減することができる。
【0132】
(第11の実施例)
図14は、本発明のX線管装置の第11の実施例の概略構成図を示す。本実施例では、蓄熱槽22がX線管装置本体1と絶縁媒体冷却熱交換器16との間に設けられていることが特徴である。図14において、X線管線源部47aと冷凍サイクル部47iが延長絶縁媒体配管19、20によって接続されている。延長絶縁媒体配管19、20は可撓性を有する配管で、絶縁媒体配管4a、4bと合わせて一体の絶縁媒体配管を構成する。冷凍サイクル部47iは第1の絶縁媒体循環ポンプ2と、蓄熱槽22と、蓄熱材温度検知手段34と、第2の絶縁媒体循環ポンプ24と、絶縁媒体冷却熱交換器16と、圧縮機9と、凝縮器10と、減圧手段11と、送風機12から構成される。
【0133】
X線管装置本体1は、絶縁媒体配管4a、19、20、4bによって蓄熱槽22、第1の絶縁媒体循環ポンプ2と順次接続され、更に、蓄熱槽22は第2の絶縁媒体配管23によって、絶縁媒体冷却熱交換器16、第2の絶縁媒体循環ポンプ24と順次接続され、絶縁媒体が密閉された状態で循環する構成となっている。
【0134】
圧縮機9、凝縮器10、減圧手段11、絶縁媒体冷却熱交換器16は順次冷媒配管29により接続され、冷媒が密閉された状態で循環する冷凍サイクル44が構成される。減圧手段11としては電動膨張弁を用いてもよいし、キャピラリチューブを用いてもよい。
【0135】
絶縁媒体冷却熱交換器16は、絶縁媒体と冷媒が非混合となる熱交換器を用い、例えばプレート式熱交換器を用いてもよいし、二重管式熱交換器を用いてもよい。絶縁媒体としては、X線管に印加される高電圧を絶縁できる媒体であればよく、例えば絶縁油を用いる。冷凍サイクル44の冷媒としてはHFC系冷媒、HCFC系冷媒、HC系冷媒のような冷媒を用い、HFC系冷媒であれば例えばHFC134a(1、2、2、2テトラフルオロエタン)を用いてもよいし、HCFC系冷媒であればHCFC22(クロロジフルオロメタン)を用いてもよいし、HC系冷媒であればイソブタンを用いてもよい。
【0136】
X線管装置の絶縁媒体冷却器46は、絶縁媒体がX線管装置本体1と蓄熱槽22を循環する第1の絶縁媒体循環ループと、絶縁媒体が蓄熱槽22から絶縁媒体冷却熱交換器16を循環する第2の絶縁媒体循環ループと、冷媒が循環する冷凍サイクル44とから構成される。
【0137】
上記のように構成されたX線管装置の動作について以下に説明する。X線撮影前において、制御装置32の制御により圧縮機9、送風機12を起動し、冷凍サイクル44を起動する。同時に、第2の絶縁媒体循環ポンプ24も起動する。第2の絶縁媒体循環ポンプ24により循環される蓄熱槽22中の絶縁媒体は、絶縁媒体冷却熱交換器16において、冷凍サイクル44中の冷媒によって冷却されて温度が低下し、顕熱蓄熱を行う。蓄熱材温度検知手段34が蓄熱材13の温度が所定温度Tslまで下がったことを検知した場合には、制御装置32は圧縮機9、送風機12を停止する。或いは、X線未発生時に所定時間tsだけ冷凍サイクル44を運転した後に、制御装置32が冷凍サイクル44を停止するという制御を行ってもよい。
【0138】
以上のように冷凍サイクル44を運転して十分蓄熱槽22内の絶縁媒体の温度を下げて顕熱蓄熱した状態で、X線撮影を開始する。制御装置32の制御によりX線管装置本体1からX線を発生させると、絶縁媒体循環ポンプ2を同時に起動する。また、制御装置32は圧縮機9、送風機12を起動し、冷凍サイクル44を起動する。更に、第2の絶縁媒体循環ポンプ24を起動する。冷凍サイクル44の減圧手段11は電動膨張弁を用いる場合には制御装置32がこの制御を行う。
【0139】
蓄熱槽22に顕熱蓄熱した絶縁媒体を第2の絶縁媒体循環ループで冷凍サイクル44によって冷却させると同時に、X線管装置本体1に供給して、X線管装置本体1を冷却する。
【0140】
X線管の発熱負荷が小さい場合には、冷凍サイクル44の冷凍能力の余剰分は蓄熱槽22内の絶縁媒体に顕熱蓄熱され、X線管の発熱負荷が大きい場合には冷凍サイクル44の冷凍能力の不足分をX線管停止時とX線管の発熱負荷が小さい時に蓄熱槽22に蓄えられた絶縁媒体の顕熱で補う。蓄熱槽22の大きさは、X線管の発熱負荷に見合うだけの量を、圧縮機9の容量と合わせて設計し、使用する。
【0141】
また、X線管の発熱負荷が小さく、X線管装置本体1の出口配管における絶縁媒体の温度が所定温度Tlに低下したことを管容器出口配管温度検出手段31が検知すると、制御装置32は圧縮機9、送風機12を停止し、冷凍サイクル44を停止する。
【0142】
上記の実施例によれば、X線撮影前及びX線管の低負荷時に冷凍サイクル44で蓄熱槽22に顕熱蓄熱し、これをX線管の高負荷時に利用することで、X線管の発熱負荷に対して冷凍能力の小さい冷凍サイクル44でX線管冷却システムを構成することができるため、圧縮機9、凝縮器10、送風機12などの機器を小型化でき、低コスト化とともに消費電力量の低減、運転中の騒音レベルの低下も実現できる。また、X線管の発熱負荷が変動した場合にも変動分を蓄熱槽22内の絶縁媒体の顕熱で対応するため、冷凍サイクル44の運転を比較的安定して一定の条件で継続することができ、圧縮機9には安価な一定速の圧縮機を使用することができ、しかも運転の起動/停止回数が減るため圧縮機9の信頼性が向上する。更に、X線管の高負荷時には、蓄熱槽22内の顕熱を利用するのでX線管冷却システムからの騒音が増加することは無い。
【0143】
また、可撓性を有する延長絶縁媒体配管19、20を延長することで、従来の空冷式の冷却方式と比べ、X線管線源部47aを大幅に小型化することが可能となる。また、X線管からの発熱は絶縁媒体冷却熱交換器16を介して絶縁媒体から冷媒へ伝熱されることから、X線管線源部47aを密閉することが可能であり、X線管線源部47aからの熱排風が無くなるとともに、血液などが飛散した場合でも容易に清拭することが可能となる。
【0144】
更に、延長絶縁媒体配管19、20は可撓性を有するため、撮影方向を変えてX線撮影を行う際には、X線管線源部47aが容易に移動可能となる。
【0145】
図15には第11の実施例の部分変更例を示す。図15において、蓄熱槽22内には潜熱蓄熱材13を封入したカプセル25が入っている。このように蓄熱材13をカプセル25に封入して蓄熱槽22に入れることにより、蓄熱槽22の大きさを小さくすることができる。蓄熱材13には、例えば塩化カルシウム6水和物、エチレングリコール等が用いられる。
【0146】
(第12の実施例)
図16は、本発明のX線管装置の第12の実施例の概略構成図である。本実施例では、蓄熱槽26が絶縁媒体冷却熱交換器3と2次冷熱媒体冷却熱交換器6との間に設けられているのが特徴である。図16において、X線管線源部47cと冷凍サイクル45kが延長第1の2次冷熱媒体配管19、20によって接続されている。延長第1の2次冷熱媒体配管19、20は可撓性を有する配管で、第1の2次冷熱媒体配管30a、30bと合わせて一体の第1の2次冷熱媒体配管を構成する。X線管線源部47cはX線管装置本体1と、絶縁媒体循環ポンプ2と、絶縁媒体冷却熱交換器3から構成され、冷凍サイクル部45kは、第1の2次冷熱媒体循環ポンプ5と蓄熱槽26と、蓄熱材温度検知手段34と、第2の2次冷熱媒体循環ポンプ26と、2次冷熱媒体冷却熱交換器6と、圧縮機9と、凝縮器10と、減圧手段11と、送風機12から構成されている。
【0147】
絶縁媒体冷却熱交換機3は、第1の2次冷熱媒体配管30a、19、20、30bによって、蓄熱槽26、第1の2次冷熱媒体循環ポンプ5と順次接続され、更に蓄熱槽26は第2の2次冷熱媒体配管28によって、2次冷熱媒体冷却熱交換機6、第2の2次冷熱媒体循環ポンプ27と順次接続され前者には第1の2次冷熱媒体が、後者には第2の2次冷熱媒体が循環する構成となっている。
【0148】
圧縮機9、凝縮器10、減圧手段11、2次冷熱媒体冷却熱交換器6は順次冷媒配管29により接続され、冷媒が密封された状態で循環する冷凍サイクル44が構成される。減圧手段11としては、電動膨張弁を用いてもよいし、キャピラリチューブを用いてもよい。
【0149】
絶縁媒体冷却熱交換器3は、絶縁媒体と冷媒が非混合となる熱交換器を用い、例えばプレート式熱交換器を用いてもよいし、二重管式熱交換器を用いてもよい。2次冷熱媒体冷却熱交換器6も同様に絶縁媒体と冷媒が非混合となる熱交換器を用い、例えばプレート式熱交換器を用いてもよいし、二重管式熱交換器を用いてもよい。絶縁媒体としては、X線管に印加される高電圧を絶縁できる媒体であればよく、例えば絶縁油を用いる。冷凍サイクル44の冷媒としてはHFC系冷媒、HCFC系冷媒、HC系冷媒のような冷媒を用い、HFC系冷媒であれば例えばHFC134a(1、2、2、2テトラフルオロエタン)を用いてもよいし、HCFC系冷媒であればHCFC22(クロロジフルオロメタン)を用いてもよいし、HC系冷媒であればイソブタンを用いてもよい。
【0150】
X線管装置の絶縁媒体冷却器46は、絶縁媒体がX線管装置本体1と絶縁媒体冷却熱交換器3を循環する絶縁媒体循環ループと、2次冷熱媒体が絶縁媒体冷却熱交換器3から蓄熱槽26を循環する第1の2次冷熱媒体循環ループと、2次冷熱媒体が蓄熱槽26から2次冷熱媒体冷却熱交換器6を循環する第2の2次冷熱媒体循環ループと、冷媒が循環する冷凍サイクル44とから構成される。
【0151】
上記のように構成されたX線管装置の動作を以下に説明する。X線撮影前において、制御装置32の制御により、圧縮機9、送風機12を起動し、冷凍サイクル44を起動する。同時に第2の2次冷熱媒体循環ポンプ27も起動する。第2の2次冷熱媒体循環ポンプ27により循環される蓄熱槽26中の2次冷熱媒体は、2次冷熱媒体冷却熱交換器6において、冷凍サイクル44中の冷媒によって冷却されて温度が低下し、顕熱蓄熱を行う。蓄熱材温度検知手段34が蓄熱槽26が所定温度Tslまで下がったことを検知した場合には制御装置32は圧縮機9、送風機12を停止する。或いは、X線未発生時に所定時間tsだけ冷凍サイクル44を運転した後に、制御装置32が冷凍サイクル44を停止するという制御を行ってもよい。
【0152】
以上のように冷凍サイクル44を運転して十分蓄熱槽26内の絶縁媒体の温度を下げて顕熱蓄熱した状態で、X線撮影を開始する。制御装置32の制御によりX線管装置本体1からX線を発生させると、絶縁媒体循環ポンプ2、第1の2次冷熱媒体循環ポンプ5を同時に起動する。また、制御装置32は圧縮機9、送風機12を起動し、冷凍サイクル44を起動する。更に、第2の2次冷熱媒体循環ポンプ27を起動する。冷凍サイクル44の減圧手段11に電動膨張弁を用いる場合には制御装置32がこの制御を行う。
【0153】
蓄熱槽26に顕熱蓄熱した2次冷熱媒体を第2の2次冷熱媒体循環ループで冷凍サイクル44により冷却させると同時に、絶縁媒体冷却熱交換器3に供給してX線管装置本体1を冷却する。
【0154】
X線管の発熱負荷が小さい場合には、冷凍サイクル44の冷凍能力の余剰分は蓄熱槽26内の2次冷熱媒体に顕熱蓄熱され、X線管の発熱負荷が大きい場合には冷凍サイクル44の冷凍能力の不足分をX線管停止時とX線管の発熱負荷が小さい時に蓄熱槽26に蓄えた2次冷熱媒体の顕熱で補う。蓄熱槽26の大きさは、X線管の発熱負荷に見合うだけの量を、圧縮機9の容量と合わせて設計し、使用する。
【0155】
また、X線管の発熱負荷が小さく、X線管装置本体1の出口配管における絶縁媒体の温度が所定温度Tlに低下したことを管容器出口配管温度検知手段31が検知すると、制御装置32は圧縮機9、送風機12を停止し、冷凍サイクル44を停止する。
【0156】
上記の実施例によれば、X線撮影前及びX線管の低負荷時に冷凍サイクル44で蓄熱槽26に顕熱蓄熱し、これをX線管の高負荷時に利用することで、X線管の発熱負荷に対して冷凍能力の小さい冷凍サイクル44でX線管冷却システムを構成することができるため、圧縮機9、凝縮器10、送風機12などの機器を小型化でき、低コスト化とともに消費電力量の低減、運転中の騒音とレベルの低下も実現できる。また、X線管の発熱負荷が変動した場合にも、変動分を蓄熱槽26内の2次冷熱媒体の顕熱で対応するため、冷凍サイクル44の運転を比較的安定して一定に条件で継続することができ、圧縮機9には安価な一定速の圧縮機を使用することができ、しかも、運転の起動/停止回数が減るため圧縮機9の信頼性が向上する。更に、X線管の高負荷時には蓄熱槽26内の顕熱を利用するので、X線管冷却システムからの騒音が増加することが無い。
【0157】
また、可撓性を有する延長絶縁媒体配管19、20を延長し、粘度の低い水などの2次冷熱媒体を低温で絶縁媒体冷却熱交換器3に供給することで、従来の空冷式の冷却方式と比べ、X線管線源部47cを大幅に小型化することが可能となる。また、X線管からの発熱は絶縁媒体冷却熱交換器3を介して絶縁媒体から冷媒へ伝熱されることから、X線管線源部47cを密閉することが可能であり、X線管線源部47cからの熱排風が無くなるとともに、血液などが飛散した場合でも容易に清拭することが可能となる。
【0158】
更に、延長絶縁媒体配管19、20は可撓性を有するため、撮影方向を変えてX線撮影を行う際には、X線管線源部47cが容易に移動可能となる。
【0159】
図17には第12の実施例の部分変更例を示す。図17において、蓄熱槽26内には潜熱蓄熱材13を封入したカプセル25が入っている。このように蓄熱材13をカプセル25に封入して蓄熱槽26に入れることにより、蓄熱槽26の大きさを小さくすることができる。潜熱蓄熱材13には、例えば塩化カルシウム6水和物、エチレングリコールなどを用いる。
【0160】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明によれば、大型化されたX線管を内包するX線管装置において、冷凍サイクルを用いたX線管冷却システムを構成することで、連続X線撮影などによる発熱負荷の増加及び発熱負荷の変動に対応することができ、X線撮影時にX線管線源部から被検体や術者に対し熱排風や送風機などの騒音を及ぼさず、またX線管線源部が小型コンパクトで撮影作業性が良く、手術時の飛散血液の清拭性の良いX線管装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線管装置の第1の実施例の概略構成図。
【図2】本発明のX線管装置の第2の実施例の概略構成図。
【図3】本発明のX線管装置の第3の実施例の概略構成図。
【図4】本発明のX線管装置の第4の実施例の概略構成図。
【図5】本発明に係るフィン-チューブ熱交換器の構造図。
【図6】本発明に係るプレート式熱交換器の構造図。
【図7】本発明のX線管装置の第5の実施例の概略構成図。
【図8】本発明のX線管装置の第6の実施例の概略構成図。
【図9】本発明のX線管装置の第7の実施例の概略構成図。
【図10】本発明のX線管装置の第8の実施例の概略構成図。
【図11】本発明のX線管装置の第9の実施例の概略構成図。
【図12】本発明のX線管装置の第10の実施例の概略構成図。
【図13】本発明のX線管装置の第10の実施例の部分変更例。
【図14】本発明のX線管装置の第11の実施例の概略構成図。
【図15】本発明のX線管装置の第11の実施例の部分変更例。
【図16】本発明のX線管装置の第12の実施例の概略構成図。
【図17】本発明のX線管装置の第12の実施例の部分変更例。
【図18】従来のX線管装置本体の一例の構造を示す断面図。
【図19】従来のX線管装置本体と油冷却器との接続を示す外観図。
【図20】X線透視撮影に用いられるX線透視台の構成の一例。
【符号の説明】
1…X線管装置本体
2…絶縁媒体循環ポンプ(絶縁油循環ポンプ)
3…絶縁媒体冷却熱交換器
4、4a、4b…絶縁媒体配管
5…2次冷熱媒体循環ポンプ
6…2次冷熱媒体冷却熱交換器
7、8…延長2次冷熱媒体配管
9、9a、9b…圧縮機
10、10a、10b…凝縮器
11、11a、11b…減圧手段
12、12a、12b、15…送風機
13…潜熱蓄熱材(蓄熱材)
14…2次冷熱媒体空冷熱交換器
16…絶縁媒体冷却熱交換器
17、18…延長冷媒配管
19、20…延長絶縁媒体配管
21…絶縁媒体空冷熱交換器
22、26…蓄熱槽
23…第2の絶縁媒体配管
24…第2の絶縁媒体循環ポンプ
25…蓄熱カプセル
27…第2の2次冷熱媒体循環ポンプ
28…第2の2次冷熱媒体配管
29、29a…冷媒配管
30、30a、30b、30c…2次冷熱媒体配管
31…管容器出口配管温度検知手段
32…制御装置
33…雰囲気温度検知手段
34…蓄熱材温度検知手段
35…被冷却媒体流路
36…冷却媒体流路
37…フィン
38…蓄熱槽
39…プレート
40…被冷却媒体の層
41…冷却媒体の層
42…2次冷熱媒体温度検知手段
44、44a、44b…冷凍サイクル
45、45a、45b、45c、45d、45e、45f、45g、45h、45i、45j、45k、 45l…冷凍サイクル部
46…絶縁媒体冷却器
47、47a、47b、47c…X線管線源部

Claims (2)

  1. X線を発生するX線管と、前記X線管と電気的に絶縁し且つ前記X線管を冷却する絶縁媒体と、前記X線管と前記絶縁媒体を収納するX線管容器を具備するX線管装置本体と、前記X線管装置本体に対し前記絶縁媒体の熱を2次冷熱媒体との間で熱交換する絶縁媒体冷却熱交換器と、前記絶縁媒体を循環させる絶縁媒体循環ポンプとを順次接続し且つ前記絶縁媒体を封入して循環させる絶縁媒体配管と、を備えるX線管装置において、
    前記絶縁媒体冷却熱交換器は、前記2次冷熱媒体の熱を3次冷熱媒体との間で熱交換する2次冷熱媒体冷却熱交換器と、前記2次冷熱媒体冷却熱交換器は、前記2次冷熱媒体を循環される2次冷熱媒体循環ポンプと、前記2次冷熱媒体循環ポンプは、前記絶縁媒体冷却熱交換器と、2次冷熱媒体配管によって各々順次接続し、前記2次冷熱媒体冷却熱交換器は、前記3次冷熱媒体を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機は、前記圧縮機によって圧縮された冷媒を送風機によって冷却すると共に高圧液状化する凝縮器と、前記凝縮器は、前記高圧液状化された3次冷熱媒体を減圧する減圧手段と、前記減圧手段は、前記2次冷熱媒体冷却熱交換器と、各々冷媒配管によって順次接続し冷凍サイクルを構成すると共に、前記2次冷熱媒体冷却熱交換器は、前記減圧手段によって減圧された液状冷媒を熱交換によってガス状冷媒に変換する機能を備えることを特徴とするX線管装置。
  2. 潜熱蓄熱材を封入した前記2次冷熱媒体冷却熱交換器を備えることを特徴とする請求項1記載のX線管装置。
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