JP2011040239A - X線管装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄熱材を内包する蓄熱材容器とX線管を内包する管容器との伝熱効率を上げると共に蓄熱材を固化する手間を省く。
【解決手段】X線管2を内包する管容器3と潜熱蓄熱材16を内包する蓄熱材容器15との間の管容器外表面の全部又は一部に絶縁油10に蓄積された熱の伝導を促進させる伝熱促進材14を設ける。また、潜熱蓄熱材16として、融点がX線管実働時の管容器外周面温度に近い酢酸ナトリウム三水和物を主成分とする蓄熱材を用いる。これにより、管容器3と蓄熱材容器15との接触面に微小な空隙が生じていても、絶縁油10に蓄積された熱が管容器3の外表面から伝熱促進材14を介して潜熱蓄熱材16に伝導されるので、X線管装置1を効率良く冷却することができる。さらに、撮影と撮影との間に管容器3の温度が前記融点温度以下になって潜熱蓄熱材は固化するので、固化する作業が不要となる。
【選択図】図1

Description

本発明はX線管装置に係り、特に潜熱蓄熱材よるX線管装置の冷却技術に関する。
X線管装置は、医用X線診断装置などに組込まれて使用され、回転陽極X線管を内包するX線管装置が一般に使用されている。このX線管装置は、回転陽極X線管(以下、X線管という)と、これを内包するX線管容器(以下、管容器という)と、管容器内に充填された絶縁油と、X線管の陽極側を管容器に絶縁支持する陽極支持体と、X線管の陰極側を管容器の内壁に絶縁支持する陰極支持体と、X線管の回転陽極を回転駆動するステータと、X線管の陽極及び陰極に印加する高電圧を導入するためのケーブルレセプタクルなどから構成される。
回転陽極X線管の動作時には、陰極と回転陽極との間に40〜150kVの高電圧が印加され、陰極のフィラメントにフィラメント加熱電圧が印加されて、陰極のフィラメントで放出された熱電子の流れ(電子ビーム)は集束されて、ターゲット板上に焦点(X線源)を形成する。回転陽極X線管に加えられた入力は、その大部分がターゲット板の焦点及びその近傍にてX線及び熱に変換される。
焦点で発生したX線は、管容器に取り付けられたX線放射窓を通して、管容器の外部に取り出され、X線診断等に利用される。X線管入力のX線への変換効率は、1%以下であるため、X線管入力のうちの殆どが熱に変換される。
ターゲット板の焦点及びその近傍で発生した熱は、ターゲット板の表面からの熱輻射及び回転陽極を通しての熱伝導によって熱放散される。大部分の熱はターゲット板からの熱輻射で熱放散され、これらの熱は外囲器に伝熱した後、外囲器を囲む絶縁油に対流によって伝熱される。また、回転陽極X線管の回転陽極を回転させるために、ステータが回転陽極の外周部に配設されている。このステータには、回転陽極X線管への高電圧印加の直前に100〜500V程度の交流電圧が印加され、回転陽極は最高2,700〜10,000rpmの回転数で回転する。このとき、ステータでは銅損、鉄損によって熱が発生し、この熱も対流によって絶縁油に伝熱する。ターゲット板の焦点とその近傍で発生した熱及びステータで発生した熱は絶縁油を熱媒体として放熱される。
X線管を短時間に高頻度で使用すると、X線管装置内における熱の発生量が、X線管装置外への放熱量を上回り、X線管装置内に熱が蓄積し、絶縁油の温度が上昇する。絶縁油の温度は、X線管、陽極支持体、陰極支持体、ステータなどの物性、または絶縁油自身の物性、特に絶縁耐力により制限され、一般的には70〜90℃が上限である。絶縁油がこの上限温度に達すると、継続的なX線管装置の使用ができなくなるので、X線管装置内に蓄積した熱を管容器表面からの放熱している場合と、管容器表面からの放熱だけではなく外部冷却器を配置し、これにより冷却している場合がある。この場合、管容器表面からの放熱だけでは、X線管装置がオーバーヒートすることが懸念され、外部冷却器付X線管装置については、外部冷却器の分だけX線管装置が大型化して重量増となること、あるいはX線診断装置の制約から外部冷却器が配置できない場合がある。
そこで、上記問題の解決策として、融解潜熱の大きい物質から成る潜熱蓄熱材(以下、蓄熱材ともいう)を管容器の外表面に取り付け、これによってX線管装置を冷却する技術が特許文献1に開示されている。
特開2001-93698号公報 特開2002-367797号公報
しかし、特許文献1によるX線管装置の冷却は、管容器と蓄熱材を内包する蓄熱材容器間の接触熱伝達のため、管容器が金属製の場合、前記管容器の加工跡などにより管容器と蓄熱材容器との両者の接触面には微小な空隙が生じ、この空隙により伝熱が阻害されてX線管装置の冷却効率が低下する可能性がある。しかし、これについては特許文献1では何等考慮されていない。
また、特許文献1は、潜熱蓄熱材にX線管装置が使用される検査室の室温又は室温より少し、例えば数℃高い温度で融解し、高い融解潜熱を有する物質を用い、管容器の陰極側及び陽極側の外周表面に設けた蓄熱材容器内に前記蓄熱材を内包してX線管装置を冷却するものである。具体的には、潜熱蓄熱材に融点が28℃と低く、融解潜熱が大きい塩化カルシウム水和物(融解潜熱200.6kJ/kg)などを用い、撮影後に蓄熱材を蓄熱材容器から取り出して外部の冷凍庫、あるいは冷凍機に移して固化(凝縮)し、この固化した蓄熱材を再び蓄熱材容器に内包して使用するものである。このように、特許文献1によるX線管装置の冷却は、撮影を行う都度、撮影後に蓄熱材を蓄熱材容器から取り出して固化する必要があるので、固化に手間がかかり、この作業が煩わしい。
本発明の目的は、X線管装置の冷却に潜熱蓄熱材を用いても、蓄熱材を内包する蓄熱材容器とX線管を内包する管容器との伝熱効率を上げると共に蓄熱材を固化する手間を省くことを可能とするX線管装置を提供する。
潜熱蓄熱材を管容器の外表面に取り付けてX線管装置を冷却する場合、熱の伝導を速やかにして効率良く熱を伝達する必要がある。そこで、本発明は、管容器と蓄熱材容器との間に伝熱促進材を挿入して伝熱性を改善し、さらに、蓄熱材を固化する手間を省くために、潜熱蓄熱材に融点がX線管装置実働時の管容器外表面温度に近いものを用いて、上記課題を解決するものであり、具体的には以下の手段によって達成される。
(1)X線管と、該X線管を収納する管容器と、前記X線管を前記管容器の内壁に絶縁支持する支持部材と、前記X線管に高電圧を印加するための高電圧導入手段と、前記管容器内に充填され前記X線管の絶縁及び冷却を行う絶縁油と、潜熱蓄熱材を内包して前記管容器の外表面に取り付けられた蓄熱材容器と、を備えたX線管装置において、前記管容器と前記蓄熱材容器との間の前記管容器外表面の全部又は一部に前記絶縁油に蓄積された熱の伝導を促進させる伝熱促進材を設けたものである。
(2)前記伝熱促進材には、アルミ箔や銅のような軟質金属の金属薄膜、アクリル系、エチレンプロピレン系ゴムシートによる伝熱シート、シリコン系の伝熱ペーストの中から選択して用いる。この場合、管容器の外周の温度に対応して前記伝熱促進材を使い分けても良い。例えば、温度が最も高い部分には、熱伝導率が大きい金属薄膜又は伝熱シートを、前記温度が最も高い部分よりは低く、凹凸の形状を有する部分には、前記薄膜金属よりも熱伝導率は低いが塗布するだけで済み、作業性の良い伝熱ペーストを用いる。これにより、低コストで、効率の良い冷却が可能となる。
(3)前記潜熱蓄熱材として、融点がX線管実働時の管容器外周面温度に近い材料で構成された蓄熱材を用いる。具体的には、酢酸ナトリウム三水和物を主成分とする潜熱蓄熱材である。この酢酸ナトリウム三水和物を主成分とする蓄熱材の融点は、X線管装置実働時の管容器外周面温度に近い58℃である。
(4)さらに、前記絶縁油を強制循環して冷却する外部冷却器を備え、前記絶縁油を前記管容器の一端部に取り付けた絶縁油出口から前記外部冷却器を通って冷却し、この冷却された絶縁油を再び前記管容器の他端部の絶縁油入口から前記管容器内に流入させて前記絶縁油を冷却する。
本発明によれば、X線管装置の冷却に潜熱蓄熱材を用いても、蓄熱材を内包する蓄熱材容器とX線管を内包する管容器との熱伝導が改善されて効率良く冷却することができる共に潜熱蓄熱材を固化する手間を省くことが可能となる。
本発明の要部である潜熱蓄熱材を管容器の外表面に装着した第1の実施形態におけるX線管装置の構成を示す概略断面図。 本発明の要部である潜熱蓄熱材を管容器の外表面に装着した第2の実施形態におけるX線管装置の構成を示す概略断面図。
《第1の実施形態》
以下、本発明によるX線管装置の実施形態について図を用いて詳細に説明する。なお、本発明は、陽極が固定型と回転型のいずれのX線管装置にも適用できるものであり、ここでは陽極回転型のX線管装置に適用した例について説明する。
図1は、本発明の要部である潜熱蓄熱材を管容器の外表面に装着したX線管装置の構成を示す概略断面図である。図1において、回転陽極X線管装置1は、X線を発生するX線管2を備え、このX線管2は、電子ビームを放出する陰極5と、電子ビームが衝突してX線を放出するターゲット板6と、これを回転自在に支持する回転部7とから成る回転陽極8と、陰極5と回転陽極8を対向する位置に絶縁支持し、真空気密に封入する外囲器9と、を備える。また、X線管2は、このX線管2を内包する管容器3の内壁に、X線管2の陰極側が陰極支持体4aにより支持され、陽極側が陽極支持体4bにより支持されている。
管容器3内には、絶縁油10が充填され、X線管2の絶縁と冷却の役割を分担している。X線管2の回転部7の周囲には、回転陽極駆動用のステータコイル11を含むステータが配置され、回転部7に含まれるロータとステータとの組合せによりモータを構成し、この回転部7を高速で回転させる。この回転部7の回転に伴い、ターゲット板6が回転する。管容器3の中央部で、X線管2のターゲット板6の近傍に、ターゲット板6で発生したX線を外部に取り出すためのX線放射窓12が取り付けられている。管容器3内の陽極側及び陰極側には、X線管2の回転陽極8及び陰極5に印加する高電圧を導入するための陰極用ケーブルレセプタクル13aと陽極用ケーブルレセプタクル13bが取り付けられている。
このように構成されたX線管装置1において、X線管2の陰極5と回転陽極8との間に高電圧を印加すると、陰極5から放出された電子ビームはターゲット板6に衝突し、X線を放射するとともに、電子ビームのエネルギーの大部分は熱に変換され、ターゲット板6を加熱する。ターゲット板6の焦点から放射されたX線はX線放射窓12から外部に取り出されてX線診断などに使用される。
これに対し、ターゲット板6で発生した熱は、外囲器9を経由して、又は回転部7を通して、絶縁油10に放熱され、絶縁油10に蓄熱される。その結果、絶縁油10の温度が上昇する。
絶縁油10には、ターゲット板6で発生した熱の他に、回転陽極8の回転部7を回転させるためのステータコイル11で発生する熱や陰極5のフィラメントからの熱が放熱される。絶縁油10に蓄熱された熱は、対流によって管容器3の内壁に伝熱し、管容器3内を熱伝導する。この伝導された熱を管容器3の外表面から伝熱促進材14を介して蓄熱材容器15に内包されている潜熱蓄熱材16に伝導させて、管容器3内の絶縁油10の熱を吸収させる。管容器3は、銅やアルミ製の金属製の蓄熱材容器15により前記管容器3の周囲が覆われている。
前記蓄熱材容器15は、主に陽極側の管容器周辺を覆う15b、15b1、15dと、陰極側の管容器周辺を覆う15a、15a1、15eと、陽極側と陰極側の一部の管容器周辺を覆う15cとで構成される。これらの蓄熱材容器15に潜熱蓄熱材16を内包させて、潜熱蓄熱材16に絶縁油10の熱を吸収させることにより絶縁油10を冷却する。
管容器3は金属製のため、加工跡などにより管容器3と蓄熱材容器15との両者の接触面には微小な空隙が生じており、この空隙によって伝熱効果が低下しないようにするために、管容器3の表面と蓄熱材容器15との間に金属薄膜、伝熱シート、伝熱ペーストなどから選択される伝熱促進材14が挿入されている。前記金属薄膜には、アルミ箔や銅のような軟質金属の薄膜を用い、前記伝熱ペーストにはシリコン系のペーストを用い、伝熱シートにはアクリル系、エチレンプロピレン系ゴムシートを用いる。このように、管容器3の外表面から伝熱促進材14を介して伝導された熱を蓄熱材容器15を介して潜熱蓄熱材16に伝導して、管容器3内の絶縁油10の熱を吸収させることにより、X線管装置1を効率良く冷却することができる。
前記潜熱蓄熱材16には、融点がX線管装置実働時の管容器外周面温度に近いものを用いる。具体的には、X線管装置実働時の管容器外周面温度に近い、融点が58℃の酢酸ナトリウム三水和物を主成分とする潜熱蓄熱材が好ましい。この酢酸ナトリウウム三水和物を用いることにより、撮影と撮影との間に管容器3の温度が前記融点温度以下になって潜熱蓄熱材16は固化(凝固)するので、固化する作業が不要となる。すなわち、潜熱蓄熱材16として、融点が低い塩化カルシウム水和物、あるいはエチレングリコールを用いた場合には必要であった、撮影毎に蓄熱材を蓄熱材容器から取り出して外部の冷凍庫あるいは冷凍機に移して固化し、この固化した蓄熱材を再び蓄熱材容器に収納して使用する、という手間を省くことができる。また、本発明による潜熱蓄熱材として用いる酢酸ナトリウウム三水和物は、塩化カルシウム水和物、あるいはエチレングリコールよりも融解熱が大きいため少量で済む。また、特許文献1の蓄熱材容器には、蓄熱材の交換時に持ち運びに便利なように把手などが設けられているが、本発明においては前記把手などが不要であるために、蓄熱材容器は簡素なものとなり、X線管装置を小型なものにするうえでも有効である。
このように構成されたX線管装置1において、X線管2の回転陽極8と陰極5との間に約40〜150kVの高電圧を印加し、回転陽極8から陰極5に数〜数100mAの電流を流してX線管2からX線を発生させる。このX線を発生させるためのX線管2に入力した全エネルギーの約99%は熱に変換され、X線管2からは平均で100W〜数kWの熱が発生する。
また、回転陽極駆動用のステータのステータコイル11から約50Wの熱が発生する。これらの熱は、X線管2の表面及びステータコイル11から絶縁油10に熱伝達され、陰極支持体4a、陽極支持体4bのX線管支持材などのX線管装置構成部品を温度上昇させる。そして、管容器3の外周面に熱が伝達され、伝熱促進材14から蓄熱材容器15に熱伝達されて、一部は蓄熱材容器15の外表面から放熱され、残りは酢酸ナトリウム三水和物が内包された潜熱蓄熱材16に熱伝達される。具体的には、管容器3の外径を180mmとして、その外表面に伝熱促進材14を0.5mm、蓄熱材容器15の肉厚を2mm、酢酸ナトリウム三水和物の潜熱蓄熱材16を15mmの厚さで、管容器3の長さ350mmの周囲に配置すると、蓄熱材容量は3.3×106mm3、密度が152.4kg/m3より、潜熱蓄熱材16の重量は0.50kgとなる。
潜熱蓄熱材16としての酢酸ナトリウム三水和物の融点は58℃であるので、回転陽極X線管装置1の使用により、潜熱蓄熱材16の温度が管容器外周面温度に近い58℃以上になると、酢酸ナトリウム三水和物が融解し始める。このときの融解熱は264kJ/kgであるため、潜熱蓄熱材16は130kJの蓄熱が可能であり、蓄熱材容器15の表面からの放熱は220Wとなる(蓄熱材容器15の表面温度70℃、室温25℃と仮定)。
例えば、上記のように回転陽極X線管装置1の使用時のX線管2からの発熱を170W、ステータコイル11からの発熱を50W、合計220Wの発熱とすると、オーバーヒートすることなく連続して使用することが可能となる。
《第2の実施形態》
図1の第1の実施形態は、管容器3の全周を伝熱促進材14及び潜熱蓄熱材で覆う構成とした例であるが、本発明は必ずしもこれに限定するものでは無い。すなわち、図1において、蓄熱材容器15eに対応する陰極側側面と、蓄熱材容器15dに対応する陽極側側面の温度は、他の側面に比較して温度が低く、これらの側面を冷却する必要が無い場合がある。
このような用途の場合には、図2に示すように、管容器3の陰極側の側面Aと陽極側の側面Bには、伝熱促進材14及び潜熱蓄熱材16を配置しない。これにより、コストが低減するのみならず、X線管装置の組み立て工数が低減されるので、生産性の向上にも寄与する。また、陰極側の側面Aには、絶縁油が熱により膨張した場合に管容器内の圧力の上昇を防止するための図示省略のゴムベローズがあり、陽極側の側面Bには前記陽極支持体がある。これらのゴムベローズ、陽極支持体等は複雑な形状を有しているために、伝熱促進材14及び蓄熱材容器15を前記ゴムベローズや陽極支持体等の形状に合わせて配置しなければならないので、作業工数が増える。この点においても図1の実施形態よりは作業性は向上する。
なお、伝熱促進材14、蓄熱材容器15、及び潜熱蓄熱材16は、例えば、陰極周辺の温度が問題にならない場合は、陽極側にのみに用いるように、管容器3の外周面の一部に用いても良い。
《第3の実施形態》
前記図1に示した第1の実施形態、図2に示した第2の実施形態において、伝熱促進材14として金属薄膜、伝熱シート、伝熱ペーストなどのどの伝熱促進材を用いても良いが、冷却効果、耐久性、生産性を含むコストを考慮して、管容器の外周の温度に対応して前記伝熱促進材を使い分けても良い。
例えば、図2において、蓄熱材容器15の中で温度が最も高い部位15a1、15b1、15cに対応する管容器3の外周面の伝熱促進材には、熱伝導率が大きい金属薄膜又は伝熱シートを、前記部位15a1、15b1、15cに対応する管容器3の外周面よりも温度が低く、凹凸の形状を有する陰極用ケーブルレセプタクル13aと陽極用ケーブルレセプタクル13bを含むその他の蓄熱材容器に対応する管容器3の外周面には、前記薄膜金属よりも熱伝導率は低いが塗布するだけで済み、作業性の良い伝熱ペーストを用いる。これにより、第1の実施形態、第2の実施形態よりも低コストで、効率の良い冷却が可能となる。
《第4の実施形態》
X線CT装置のような、回転陽極X線管装置1から連続して長時間X線を放射しなければならない場合は、回転陽極X線管装置1の負荷は増大するために大容量のX線管装置が必要になる。この場合、X線管装置を上記の実施形態のように、蓄熱材のみでは冷却能力が不足する場合もあるので、特許文献2に開示されているような外部冷却器を備えて、回転陽極X線管装置1を前記外部冷却器でも冷却するようにしても良い。すなわち、回転陽極X線管装置1の外部に、絶縁油10を強制循環して冷却する冷却器を備え、絶縁油10を管容器3の一端部に取り付けた絶縁油出口から外部冷却器を通って冷却し、この冷却された絶縁油を再び管容器3の他端部の絶縁油入口から管容器3内に流入させるものである。このように、蓄熱材による冷却のみならず、外部冷却器でも冷却することにより、外部冷却器を小型、軽量なものとすることができる。
例えば、X線管装置使用時の発熱が500Wであるとすると、従来のように外部冷却器のみによる冷却では、500Wの冷却能力を有する外部冷却器が必要となり、前記外部冷却器の重量は約6kgと大きいものとなっていた。これに対して、上記本発明の第4の実施形態によれば、上記第1、第2の実施形態、又は第3の実施形態の蓄熱材で冷却する場合には、220Wの冷却率が得られるので、蓄熱材による冷却と外部冷却器による冷却とを組み合わせることにより、外部冷却器の冷却率は280Wで良い。これにより、外部冷却器は従来の約2/3の大きさとすることが可能となり、X線管装置の冷却装置を小型・軽量なものとすることができる。
以上、第1の実施形態〜第4の実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定するものではなく、X線管装置を使用するX線画像診断装置、X線CT装置等の用途に対応して前記実施形態を種々組み合わせても良い。
1 回転陽極型X線管装置、2 X線管、3 管容器、4a 陰極支持体、4b 陽極支持体、5 陰極、6 ターゲット板、7 陽極回転部、8 回転陽極、9 外囲器、10 絶縁油、11 ステータコイル、12 X線放射窓、13a 陰極用ケーブルレセプタクル、13b 陽極用ケーブルレセプタクル、14 伝熱促進材、15 蓄熱材容器、16 潜熱蓄熱材

Claims (9)

  1. X線管と、該X線管を収納する管容器と、前記X線管を前記管容器の内壁に絶縁支持する支持部材と、前記X線管に高電圧を印加するための高電圧導入手段と、前記管容器内に充填され前記X線管の絶縁及び冷却を行う絶縁油と、潜熱蓄熱材を内包して前記管容器の外表面に取り付けられた蓄熱材容器と、を備えたX線管装置において、前記管容器と前記蓄熱材容器との間の前記管容器外周の全部又は一部に前記絶縁油に蓄積された熱の伝導を促進させる伝熱促進材を設けたことを特徴とするX線管装置。
  2. 前記伝熱促進材が、金属薄膜、伝熱シート、伝熱ペーストから選択されることを特徴とする請求項1に記載のX線管装置。
  3. 前記伝熱促進材が、前記管容器の外周の温度に対応して前記金属薄膜、伝熱シート、伝熱ペーストを使い分けて前記管容器の外周に備えられることを特徴とする請求項2に記載のX線管装置。
  4. 前記金属薄膜として、軟質金属の薄膜を用いることを特徴とする請求項2又は3に記載のX線管装置。
  5. 前記伝熱シートとして、アクリル系、エチレンプロピレン系のゴムシートを用いることを特徴とする請求項2又は3に記載のX線管装置。
  6. 前記伝熱ペーストとして、シリコン系のペーストを用いることを特徴とする請求項2又は3に記載のX線管装置。
  7. 前記潜熱蓄熱材は、融点がX線管実働時の前記管容器外周面温度に近い材料で構成される蓄熱材であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のX線管装置。
  8. 前記潜熱蓄熱材として、酢酸ナトリウム三水和物を主成分とする蓄熱材を用いることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のX線管装置。
  9. さらに、前記絶縁油を強制循環して冷却する外部冷却器を備え、前記絶縁油を前記管容器の一端部に取り付けた絶縁油出口から前記外部冷却器を通って冷却し、この冷却された絶縁油を再び前記管容器の他端部の絶縁油入口から前記管容器内に流入させて前記絶縁油を冷却することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のX線管装置。
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