JP4619852B2 - ドラム式洗濯機 - Google Patents

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本発明は、ドラム式洗濯機に関する。
ドラム式洗濯機は、基本的には、実開昭61−143586号公報や特開平11−114285号公報に記載されているように、前側端面に衣類出入口を有し、回転中心軸を水平にして回転する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転可能に内包して支持する水受槽と、前記水受槽に溜る洗濯水を吸い出して前記回転ドラム内に流し込むようにして洗濯循環水を生成する循環ポンプと、前記洗濯循環水から糸屑(リント)を捕集する糸屑捕集手段とを備える。
また、変形型のドラム式洗濯機として、特開2001−9188号公報,特開2004−105267号公報,特開2004−201775号公報に記載されたように、前記回転ドラムの回転中心軸線の方向を前側が上向きに傾くように該回転ドラムと水受槽を傾斜させる構成が提案されている。
このようなドラム式洗濯機は、回転ドラムの回転によって該回転ドラム内の洗濯物を持ち上げて落下させる動作を繰り返し、洗濯物が落下して回転ドラムの内底面に衝突する機械力で洗濯するように機能することから、少ない洗濯水で洗濯することができるメリットがある。
実開昭61−143586号公報 特開平11−114285号公報 特開2001−9188号公報 特開2004−105267号公報 特開2004−201775号公報
このようなドラム式洗濯機は、洗濯工程における洗濯水が少なく、洗濯物が浸る水量も少なくなることから、洗濯工程において洗濯物の布から出る糸屑が洗濯水に流出し難く、従って、糸屑捕集手段を設けても糸屑の捕集が十分に行われないで洗濯物に付着したまま残る糸屑の量が多くなる問題があった。
また、糸屑捕集手段は、水受槽の下方に位置して設けられていることから、水受槽に洗濯水が残っている状態では糸屑捕集フィルタを取り外して清掃することができない不便さがある。しかも、糸屑捕集手段のフィルタ室内に水滴が残っている状態では、糸屑捕集フィルタを取り外すときに水漏れする問題があり、糸屑捕集フィルタの取り扱いが面倒である。
本発明の1つの目的は、洗濯工程において洗濯物から発生する糸屑を効率良く捕集することができるドラム式洗濯機を実現することにある。
本発明の他の目的は、更に、糸屑捕集手段における糸屑捕集フィルタの清掃取り扱いを容易にすることにある。
本発明は、箱形の外枠と、前側端に衣類出入口を有する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転可能に内包して支持し、前記回転ドラムの回転中心軸線の方向が前端側が上向きに傾くように前記外枠内に設置された水受槽と、前記水受槽に溜る洗濯水を吸い出して前記回転ドラム内に流し込むようにして洗濯循環水を生成する循環ポンプと、前記洗濯循環水から糸屑を捕集する糸屑捕集手段とを備えたドラム式洗濯機において、
前記循環ポンプが吸い込む前記水受槽内の洗濯水の排水口を前記水受槽の後端側の下部に設け、前記循環ポンプを前記水受槽の下方に位置させて設け、前記糸屑捕集手段を前記水受槽の上方に位置させて前記外枠の前面に露出するように該外枠に取り付けて設け、
前記糸屑捕集手段は、前方側を開放してフィルタ着脱開口とした箱型の外ケースと、この外ケース内に前記フィルタ着脱開口から挿脱自在なフィルタケースと、このフィルタケースに取り付けた袋状の糸屑捕集フィルタを備え、前記外ケースは、後端面に設けた入水口に循環パイプを接続して前記循環ポンプから送られてくる洗濯循環水を受け入れ、また、この外ケースの底面の前半部位には、前記フィルタ着脱開口の後端に連なるように落ち込ませた集水凹部を設け、この集水凹部の底面に開口させた出水口に前記循環注水パイプを接続することにより洗濯循環水を前記水受槽内に還流させるように構成したことを特徴とする。
本発明のドラム式洗濯機は、洗濯工程において洗濯物から発生する糸屑を効率良く捕集することができ、更には、糸屑捕集手段から洗濯水を漏水させることがないように循環させて該糸屑捕集手段における糸屑捕集フィルタの清掃取り扱いを容易にすることができる。
本発明のドラム式洗濯機を実施するための最良の形態は、箱形の外枠と、前側端に衣類出入口を有する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転可能に内包して支持し、前記回転ドラムの回転中心軸線の方向が前端側が上向きに傾くように前記外枠内に設置された水受槽と、前記水受槽に溜る洗濯水を吸い出して前記回転ドラム内に流し込むようにして洗濯循環水を生成する循環ポンプと、前記洗濯循環水から糸屑を捕集する糸屑捕集手段とを備えたドラム式洗濯機において、
前記水受槽は、前記回転ドラムを回転可能に内包して支持し、前記回転ドラムの回転中心軸線の方向が前端側が上向きに傾くように前記外枠内に設置し、
前記循環ポンプが吸い込む前記水受槽内の洗濯水の排水口を前記水受槽の後端側の下部に設け、
前記循環ポンプを前記水受槽の下方に位置させて設け、
前記糸屑捕集手段は、前記箱形の外枠の内側隅部と前記水受槽の外周側との間にできる空間に配置して前記水受槽の上方に位置させて前記外枠の前面に露出するように該外枠に取り付けて設けられ前方側を開放してフィルタ着脱開口とした箱型の外ケースと、この外ケース内に前記フィルタ着脱開口から挿脱自在なフィルタケースと、このフィルタケースに取り付けた袋状の糸屑捕集フィルタを備え、前記外ケースは、後端面に設けた入水口に循環パイプを接続して前記循環ポンプから送られてくる洗濯循環水を受け入れ、また、この外ケースの底面の前半部位には、前記フィルタ着脱開口の後端に連なるように落ち込ませた集水凹部を設け、この集水凹部の底面に開口させた出水口に前記循環注水パイプを接続することにより洗濯循環水を前記水受槽内に還流させる構成である。
本発明の実施例1について、図面を参照して説明する。
図1は、実施例1のドラム式洗濯機の正面図、図2は、その内部機構の縦断側面図、図3は、糸屑捕集手段の縦断側面図、図4は、外枠に対する糸屑捕集手段の取り付け構造を天板を除いて示す上面図、図5は、外枠に対する糸屑捕集手段の取り付け構造を示す分解斜視図である。
この実施例1のドラム式洗濯機の外枠1は、箱形の形状を呈しており、前面の中央部分の中心よりもやや高い位置に形成した衣類出入窓1aを透明窓2a付きの衣類出入蓋2によって開閉自在に覆うように構成し、上端部分に位置させて設けた操作パネル3の両側端部分に洗剤投入手段4と糸屑捕集手段5を露出させて設け、それらの内側部分に電源スイッチボタン6と設定スイッチボタン群7と表示パネル8とスタートスイッチボタン9を露出させて設ける。
洗濯物10を入れて回転することにより洗濯および脱水を行う回転ドラム11は、有底円筒状体であって、前側端面に衣類出入口11aを有し、筒状部に水抜き孔11bを有し、筒状部の内面に複数のリフター11cを備え、後側端面の中央部分に回転駆動軸(後述する)を結合する補強フランジ11dを備える。
水受槽12は、前記回転ドラム11よりも大径の有筒円筒状体であって、前側端面に衣類出入口12aを有し、前記回転ドラム11との間にギャップ(隙間)Gを形成するように該回転ドラム11を同心状態に内包して該回転ドラム11を回転可能に支持し、且つ洗濯水を溜める。この水受槽12は、後側端面の外側にドラム駆動電動機13を備え、このドラム駆動電動機13から後側端面を貫通して水受槽12内に伸びた回転駆動軸13aの先端を前記回転ドラム11の後端面に設けた補強フランジ11dに結合して該回転ドラム11を支持する。回転ドラム11を水受槽12内に支持した状態において、回転ドラム11の前側端面の衣類出入口11aは、水受槽12の前側端面の衣類出入口12aの内側に位置して対向した状態とする。このような水受槽12の支持は、吊りばね14a,14bおよびダンパ15により構成する防振支持機構によって水受槽12を外枠1に取り付けることにより実現する。
このように回転ドラム11を内包した水受槽12は、回転ドラム11の回転中心軸線の方向が前端側(衣類出入口11a側)が上向きに傾くように傾斜させて回転ドラム11の前側端面の衣類出入口11aと水受槽12の前側端面の衣類出入口12aが前記外枠1の衣類出入窓1aの内側に位置して対向した状態となるように前記外枠1内に設置する。水受槽12の傾斜角度θは、回転ドラム11の回転中心軸線の方向が前端側が上向きに傾くように15°〜30°の範囲内とすることが好ましい(その理由については、後述する。)。このように設置した水受槽12の衣類出入口12aは、外枠1に形成した衣類投入窓1aを開閉するように設けた衣類出入蓋2を閉じた状態にしたときに、その内側に設けた隆起部2bを衣類出入口12aの縁に水密状態に嵌合させて該衣類出入口12aからの漏水を防止するように構成する。
水受槽12の筒状部における後側端面に近い部分の最低部位に位置させて排水口12bを設ける。そして、この排水口12bは、洗濯水循環ポンプ16と循環パイプ17を介して前記糸屑捕集手段5の入水口に接続し、糸屑捕集手段5の出水口は循環注水パイプ18を介して水受槽12内に注水するように接続する。洗濯水循環ポンプ16は、水受槽12よりも低い位置に設置し、糸屑捕集手段5は、水受槽12よりも高い位置に設置する。循環注水パイプ18の先端の注水口部18aは、水受槽12の衣類出入口12aの口縁部における上側部分に取り付け、且つ注水口部18aの先端開口が回転ドラム11内における筒状部における低面を向くように固定する。
糸屑捕集手段5は、図3に詳しく示すように、前方側を開放してフィルタ着脱開口5aとした箱型の外ケース5bと、この外ケース5b内に前記フィルタ着脱開口5aから挿脱自在なフィルタケース5cと、このフィルタケース5cに取り付けた袋状の糸屑捕集フィルタ5dを備える。
外ケース5bは、後端面に設けた入水口5eに前記循環パイプ17を接続して洗濯水循環ポンプ16から送られてくる循環水を受け入れる。また、この外ケース5bの底面の前半部位には、フィルタ着脱開口5aの後端に連なるように落ち込ませた集水凹部5fを設け、この集水凹部5fの底面に開口させた出水口5gに前記循環注水パイプ18を接続することにより、フィルタケース5cを取り出すときのフィルタ着脱開口5aからの漏水を防止する。
フィルタケース5cは、外周面に複数の流出開口5hを形成したフィルタ収納部5iと該フィルタ収納部5iの前端に設けた蓋部5jを備える。フィルタ収納部5iの後端面には、フィルタケース5cを外ケース5bに嵌着した状態で該外ケース5bの入水口5eに対向するように流入開口部5kを設け、フィルタ収納部5i内に収容した前記糸屑捕集フィルタ5dの開口縁を前記流入開口部5kの口縁部に係着する。糸屑フィルタ5dは、濾過面に強い水流が作用すると捕集した糸屑が濾過面に強く付着して目詰り状態となるので、濾過面に強い水流が作用しないように可及的に大面積にすることが望ましい。
フィルタケース5cの蓋部5jは、その前面に取っ手5mを設け、その外周面に、シールパッキング5nを嵌着して取り付け、その外周面の前端には、目隠し化粧用の鍔部5pを設ける。
前記蓋部5jは、取っ手5mを持ってフィルタケース5cを外ケース5bに装着するときに該外ケース5bのフィルタ着脱開口5aに嵌着する部材であり、シールパッキング5nは、外ケース5bのフィルタ着脱開口5aの内周面と蓋部5jの外周面に密着して水密状態を確保して循環水の漏水を防止する。また、鍔部5pは、外ケース5bのフィルタ着脱開口5aとフィルタケース5cの間の隙間を隠して体裁を良くする。
このように構成した糸屑捕集手段5は、図4および図5に示すように、外枠1の上端の右側内隅部と水受槽12の外周側との間にできる空間に位置させ、予め外枠1の側板の上端縁を内側に折り曲げて形成した取り付け部1b,1cに止めねじ19a〜19cによって外ケース5bをねじ止め固定して取り付け、その後に、循環パイプ17と循環注水パイプ18を配管した後に天板1dを被せて外枠1に取り付けることによって該外枠1の上面を閉じる。
洗剤投入手段4は、既知の構造を採用して構成することができるので具体的な図示説明は省略するが、前記糸屑捕集手段5と同様にして、天板1dを被せる前に、外枠1の上端の左側内隅部と水受槽12の外周側との間にできる空間に位置させ、予め外枠1の側板の上端縁を内側に折り曲げて形成した取り付け部に止めねじによって外ケースをねじ止め固定して取り付け、その後に、給水電磁弁20からの給水パイプ21を配管し、洗剤投入手段4からの洗濯注水パイプ(図示省略)を前記循環注水パイプ18と同様に水受槽12の衣類出入口12aの口縁部における上側部分に前記注水口部18aと並べて取り付け、且つ注水部の先端開口が回転ドラム11の内底面を向くように固定する。この洗剤投入手段4からの洗濯注水パイプは、前記循環注水パイプ18の途中に接続して前記注水口部18aを共用する構成とすることもできる。
このように、外枠1の上端の左右両側の内隅部と水受槽12の外周側との間にできる空間に位置させて糸屑捕集手段5と洗剤投入手段4を設置する構成は、これらの手段4,5を設置するために、外枠1をわざわざ大きくしなくとも済むからである。すなわち、洗濯機の外枠1は箱形、水受槽12は円筒形をしているので、外枠1の内側隅部にほぼ三角形の空間ができる。この外枠1の内側隅部に存在する三角形の遊休空間を利用して洗剤投入手段4と糸屑捕集手段5を設置する構成は、外枠1を大きくする必要がないメリットがある。
排水口12bからは排水パイプ22を分岐し、排水電磁弁23を介して外部排水パイプ24に接続する。
水受槽12の後側端面の最低部位に位置させて該水受槽12内に連通するエアトラップ12cを設け、このエアトラップ12cをエアパイプ25を介して洗濯水位センサ26に接続する。
図6は、このドラム式洗濯機における制御装置の主たる構成を示す電気回路図である。
制御装置30は、前記電源スイッチボタン6によって操作される電源スイッチ6aとコンセント31を介して商用電源32に接続する。この制御装置30は、フィルタ回路30aと整流回路30bとインバータ回路30cを順次に介してドラム駆動電動機13に給電する。このドラム駆動電動機13は、インバータ駆動方式の直流ブラシレス電動機であり、永久磁石を備えた回転子(図示省略)の回転位置を位置検出センサ13bによって検出し、この検出位置に応じてインバータ回路30cから固定子(巻線)13cに駆動電流を流すことにより、回転トルクを発生する構成である。
洗濯水循環ポンプ16の駆動電動機16aは、フイルタ回路30aと整流回路30bの間にトライアック30d,30eを介して接続する。この駆動電動機16aは、隈取り誘導電動機であり、前記トライアック30d,30eは、電源周波数(50Hzと60Hz)に応じてタップ切り換えを行なうことによって電源周波数の違いによって洗濯水循環ポンプ16の洗濯水吐出特性が変わるのを防止するように構成する。
マイクロコンピュータ30fは、洗濯,脱水工程の制御プログラムを内蔵し、操作パネル3の設定スイッチボタン群7によって操作される設定スイッチ群7aからの洗濯コース指示入力に従って指示された洗濯コースにおける洗濯,脱水工程の制御定数を設定し、スタートスイッチボタン9によって操作されるスタートスイッチ9aからのスタート指示入力に従って洗濯および脱水工程の制御処理と表示パネル8の表示処理を実行する。
更に、前記マイクロコンピュータ30fは、水受槽12に洗濯水を給水し、水受槽12内の洗濯水を排水するために洗濯水位センサ26から出力する水位検出信号を参照しながら電磁給水弁20,排水電磁弁23を開閉するように電磁弁駆動回路30gを制御し、回転ドラム11を回転駆動するドラム駆動電動機13を運転するために位置検出センサ13bから出力する位置検出信号と入力電圧センサ30hから出力するインバータ回路30cの入力電圧検出信号と入力電流センサ30iから出力するインバータ回路30cの入力電流検出信号を参照しながらインバータ回路30cを運転するようにインバータ駆動回路30jを制御し、洗濯水循環ポンプ16の駆動電動機16aを運転するために周波数検出センサ30kから出力する電源周波数検出信号を参照してトライアック30d,30eを制御する。
このように構成したドラム式洗濯機は、衣類出入蓋2を開いて回転ドラム11内に洗濯物10を投入した後に衣類出入蓋2を閉じて水受槽12の衣類出入口12aを閉じ、設定スイッチボタン群7を操作して洗濯コースの設定を指示入力する。
マイクロコンピュータ30fは、設定スイッチ群7aからの洗濯コース指示入力に従って指示された洗濯コースの洗濯,脱水工程の制御定数を設定すると共に設定された洗濯コースを表示パネル8に表示する。
そして、スタートスイッチ9aからのスタート指示入力に従って洗濯および脱水工程の制御処理を開始する。以下、マイクロコンピュータ30fが実行する洗濯および脱水工程の制御処理に沿って説明する。
まず、給水する前の段階において、ドラム駆動電動機13を運転するようにインバータ駆動回路30jを制御して回転ドラム11を回転駆動する。このときのドラム駆動電動機13の負荷電流特性や回転速度の上昇特性に基づいて洗濯物10の布量を検出し、望ましい洗剤量を表示パネル8に表示する。
使用者が望ましい量の洗剤を洗剤投入手段4に投入し、再度、スタートスイッチボタン9を操作すると、給水電磁弁20を開いて水道水を給水する。この給水は、洗剤投入手段4を通して洗剤と共に回転ドラム11内に流し込む。水受槽12内の水位を洗濯水位センサ26から出力する水位検出信号によって監視し、所定の洗い水位L1(水深H1)に到達すると給水電磁弁20を閉じる。その後、回転ドラム11を所定の洗い回転速度で回転させるようにドラム駆動電動機13の運転を制御する。
回転ドラム11が回転すると、回転ドラム11内の低部に位置する洗濯物10は該回転ドラム11の内周面に設けられたリフター11cによって持ち上げられて高位置に移動すると該リフター11cから離れて低面に落下する。回転ドラム11が回転している間は、洗濯物10は、リフター11cによって持ち上げられては落下する運動を繰り返し、落下して回転ドラム11の内面に衝突することにより発生する機械力による叩き洗いによって洗浄される。
このように、ドラム式洗濯機による洗いは、洗濯物10を回転ドラム11の内面に落下させる叩き洗いであるので、洗い水の量は少なくて足りる。洗濯槽を縦置きにする縦形洗濯機に比べて1/2程度の洗い水量で足りる。通常、ドラム式洗濯機では、洗い水の水位L1は、回転ドラム11の内底面により幾分上がる程度である。
この洗い工程では、洗濯水循環ポンプ16を運転して洗い水を循環させる。この洗い水は、傾斜した水受槽12の後側端面に近い部分の最低部位に位置させて設けた排水口12bから流出して洗濯水循環ポンプ16に吸い込まれ、洗濯水循環ポンプ16から吐出されて循環パイプ17を通して入水口5eから糸屑捕集手段5内に流れ込み、糸屑捕集手段5内の糸屑捕集フィルタ5dを通過して糸屑が捕集された後に出水口5gから循環注水パイプ18に流出し、循環注水パイプ18の先端の注水口部18aから回転ドラ11(水受槽12)内に注水するように循環する循環水となる。
この洗い水の水位L1は、回転ドラム11の内低面により幾分上がったところになる。回転ドラム11も水受槽12も傾けて設置されているので、洗い水の水位L1からの水深は、水受槽12の前側端部分で浅く(H2)、後側端部で深く(H1)なる。つまり、排水口12bを設けた部分で深い水位になる。
洗い中に洗濯物10から糸屑(リント)が解れ出る。解れ出た糸屑は、洗い水中に流れ出して該洗い水中に浮遊する。洗い水の水量が多い状態では糸屑が洗濯物10から洗い水中に良く流れ出して多くの糸屑が浮遊するが、ドラム式洗濯機は洗い水が少ないことから、糸屑が洗い水中に流れ出し難い傾向にある。
しかし、水受槽12の後側端部分である洗い水の深い領域では、洗濯物10を浸漬させる水量が多いので、水深の浅い前側端部分に比べて糸屑が良く流れ出して多くの糸屑が洗い水中に浮遊するようになる。排水口12bは、このように糸屑が多く流れ出す水受槽12の後側端部分に位置して設けられているので、洗濯水循環ポンプ16は、糸屑を多く含んだ洗い水を吸い込んで糸屑捕集手段5に送りこむことができ、糸屑捕集効率が向上する。また、排水口12bは洗い水の水深が深い部分に開口しているので、洗濯水循環ポンプ16が空気を吸い込むことがなく、ポンプ機能を損ねることがない。
糸屑捕集手段5は、入水口5eから外ケース5b内に流れ込んだ循環水(洗い水)をフィルタケース5cの流入開口部5kから糸屑捕集フィルタ5d内に流し込んで糸屑を捕集する。糸屑捕集フィルタ5dは、フィルタケース5cの流入開口部5kから循環水が流れ込むと該フィルタケース5c内に吹流しのような形態で伸びるので、捕集された糸屑は奥の方から順次に堆積して多くの糸屑を蓄積することができるようになる。
糸屑捕集フィルタ5dによって糸屑が除去された循環水は、フィルタケース5cの流出開口5hから外ケース5b内に流出して集水凹部5fに流れ込み、出水口5gから循環注水パイプ18に流出する。循環注水パイプ18に流出した循環水は該循環注水パイプ18を下って注水口部18aから回転ドラム11内に吐出されて洗濯物10上に散布される。
注水口部18aの先端開口は回転ドラム11の内底面に向けてあるので、この注水口部18aから吐出する循環水は、回転ドラム11内の洗濯物10に向けて散布されるようになることから、洗濯物10は洗い水(循環水)に良く浸ることができ、従って、少ない洗い水量で効率良い洗浄を行うことができる。また、循環水は、直に洗濯物10上に散布されるので、洗濯物10に付着している糸屑を効率良く循環水中に流出させて除去することができるようになる。
このような洗い工程において、水受槽12内に溜った洗い水は回転ドラム11の回転によって掻き回されて波立つが、回転ドラム11と水受槽12は、前端側(衣類出入口11a,12a側)が上向きに傾くように傾斜していることから、洗い水の水位L1から衣類出入口11a,12aの縁の最低部位までの高さH3が水平タイプのものよりも大きくなり、衣類出入口12aからの水漏れ防止が簡単になる。これは、後述する濯ぎ工程においても同様である。
洗い工程を終了すると、洗濯水循環ポンプ16の運転を止め、排水電磁弁23を開いて水受槽12内の洗い水を外部排水パイプ24に流出させる。そして、ドラム駆動電動機13の回転速度を脱水回転速度まで高めて回転ドラム11内の洗濯物10に含まれる洗い水を遠心脱水する。
洗い水の遠心脱水を終了すると、ドラム駆動電動機13の回転速度を所定の濯ぎ回転速度まで低下させ、排水電磁弁23を閉じ、洗濯水位センサ26から出力する水位検出信号を参照しながら給水電磁弁20を開いて所定の濯ぎ水位L1まで濯ぎ水を給水し、洗濯水循環ポンプ16を運転して濯ぎ水を循環させる第1回目の濯ぎ工程を実行する。
この第1回目の濯ぎ工程では、前記洗い工程と同様に、回転ドラム11の回転によって洗濯物10を持ち上げられて低面に落下させる運動を繰り返し、濯ぎ水に流出した糸屑を該濯ぎ水と共に洗濯水循環ポンプ16で吸い込んで循環させることによって糸屑捕集手段5で捕集する濯ぎを実行する。
第1回目の濯ぎ工程を終了すると、洗濯水循環ポンプ16の運転を止め、排水電磁弁23を開いて水受槽12内の濯ぎ水を外部排水パイプ24に流出させる。そして、ドラム駆動電動機13の回転速度を脱水回転速度まで高めて回転ドラム11内の洗濯物10に含まれる濯ぎ水を遠心脱水する。
濯ぎ水の遠心脱水を終了すると、ドラム駆動電動機13の回転速度を所定の濯ぎ回転速度まで低下させ、排水電磁弁23を閉じ、洗濯水位センサ26から出力する水位検出信号を参照しながら給水電磁弁20を開いて所定の濯ぎ水位L1まで濯ぎ水を給水し、洗濯水循環ポンプ16を運転して濯ぎ水を循環させる第2回目の濯ぎ工程を実行する。
この第2回目の濯ぎ工程では、前記第1回目の濯ぎ工程と同様に、回転ドラム11の回転によって洗濯物10を持ち上げられて低面に落下させる運動を繰り返し、濯ぎ水に流出した糸屑を該濯ぎ水と共に洗濯水循環ポンプ16で吸い込んで循環させることによって糸屑捕集手段5で捕集する。
第2回目の濯ぎ工程を終了すると、洗濯水循環ポンプ16の運転を止め、排水電磁弁23を開いて水受槽12内の濯ぎ水を外部排水パイプ24に流出させる。そして、ドラム駆動電動機13の回転速度を最終脱水回転速度まで高めて回転ドラム11内の洗濯物10に含まれる濯ぎ水を遠心脱水する。最終脱水を終了すると、ドラム駆動電動機13の運転を止めて洗濯および脱水の全工程終了する。
糸屑捕集手段5の掃除は、取っ手5mを掴んでフィルタケース5cを外ケース5bから取り外して行う。外ケース5bから取り外したフィルタケース5c内の捕集フィルタ5dを流入開口部5kを通して該フィルタケース5cの外に引き出すと、捕集フィルタ5dは裏返しになるので該捕集フィルタ5d内に捕集されている糸屑を容易に除去することができる。
糸屑捕集手段5は、水受槽12の上方に設けられていることから、洗濯水循環ポンプ16の運転を止めると、フィルタケース5cや外ケース5b内の循環水は該外ケース5bの集水凹部5fに流れ込んで出水口5gと循環注水パイプ18を通して該フィルタケース5c内から素早く排水される。従って、洗濯および脱水工程の運転を終了すると、糸屑捕集手段5の外ケース5b内には循環水が残っていないので、フィルタケース5cを取り外しても水が流れ出す恐れはない。また、洗濯水循環ポンプ16を止めさえすれば外ケース5b内の循環水は素早く排出されることから、洗濯工程の途中でも糸屑捕集手段5の清掃を簡単に行うことができ、洗濯の運転を一時的に止めて糸屑捕集手段5を掃除することができるようにすることもできる。
また、糸屑捕集手段5のフィルタケース5cが取り外されていることを検出するフィルタケース着脱センサを設けておき、フィルタケース5cが取り外されている状態では洗濯工程を実行することができないように構成しておくことにより、フィルタケース5cが取り外されている状態で洗濯工程を実行して糸屑捕集手段5から洗濯水が溢れ出るのを防止することができる。
糸屑捕集について、図7(a),(b)を参照して更に詳しく説明する。
図7(a)に示すように、回転ドラム11および水受槽12の傾斜角度θを大きくすることによって水受槽12内に溜める洗濯水量を多くすることができ、回転ドラム11内に進入して洗濯物10を浸す浸し水量を多くすることができる。また、一定の洗濯水量であっても回転ドラム11および水受槽12の傾斜角度θを大きくすることによって洗濯物10を浸す浸し水量を多くすることができる。これは、回転ドラム11および水受槽12の傾斜角度θを大きくすることによって水受槽12の衣類出入口12aが高く(H2)なって溢水し難くなること、傾斜角度θを大きくすることによって水受槽12の後端側部分に洗濯水が偏るために水深(H1)が深くなると共に洗濯物10も回転ドラム11の後端部分に偏ることによる。
その結果、図7(b)に示すように、回転ドラム11および水受槽12の傾斜角度θが大きくなるに従って糸屑の捕集率が高くなる。
洗濯水量が30L(リットル)、傾斜角度θが30°では回転ドラム11の後端側(奥側)に偏った洗濯物10を浸す洗濯水量が約18〜20Lになる。このように回転ドラム11,水受槽12を傾けることにより、洗濯物10が浸る洗濯水の水量が増し、洗濯物10に付着する糸屑が洗濯水に良く流れ出すことから、糸屑捕集率が高くなる。傾斜角度θが0°(水平)では糸屑捕集率が約15%であるのに対し、傾斜角度θが30°では糸屑捕集率が約75%に向上し、糸屑捕集率が5倍程度向上する。
また、洗濯性能(洗浄力)は、回転ドラム11の回転軸線の方向が水平(傾斜角度θ=0°)の方がドラム式洗濯機の特徴である叩き洗いの効果によって高く、傾斜角度θが大きくなるに従って低下する。傾斜角度θが20°を越えると洗濯性能の低下が顕著になり、傾斜角度θ=30°では傾斜角度θ=0°の65%程度にまで低下する。
従って、糸屑捕集性能を重視する仕様のドラム式洗濯機では、回転ドラム11および水受槽12の傾斜角度θを30°に近付けたθ=30°以下の大きな角度とし、洗浄力(洗濯性能)を重視する仕様のドラム式洗濯機では、回転ドラム11および水受槽12の傾斜角度θを20°に近付けたθ=20°以下の小さな角度とすることが望ましい。そして、糸屑捕集性能と洗浄力を共に重視する仕様のドラム式洗濯機では、回転ドラム11および水受槽12の傾斜角度θを25°程度とすることが望ましい。
脱水行程では、回転ドラム11内の洗濯物10の偏りによる大きなアンバランス荷重によって大きく強い振動力が発生する。この振動力は水受槽12に伝達するが、水受槽12は防振支持機構(吊りばね14a,14bとダンパ15)により支持されているので該防振支持機構によって緩和されることから、外枠1に伝達する振動は小さくなる。
回転ドラム11と水受槽12の間にはギャップGを設けており、水受槽12の排水口12bが傾斜した水受槽12の後側端面に近い部分の最低部位に位置しているので、排水電磁弁23を開いて排水パイプ22から外部排水パイプ24への排水において、水受槽12内の洗濯水は、ギャップGの傾斜した隙間を円滑に流れることから、洗濯水の排水が円滑になり、排水時間を短縮することができる。また、脱水工程において洗濯物10から遠心脱水された洗濯水の排水も円滑になることから、脱水工程において発生する発泡も抑えることができる。
次に、洗い工程における水量と濯ぎ工程における水量について説明する。
洗濯物10に付着した汚れを除去するのに十分な洗い水量が30Lであるとき、同じ水量30Lの濯ぎ水量では十分な濯ぎを行うことができない。濯ぎは、洗濯物10に滲み込んだ洗剤分を濯ぎ水で希釈するようにして行うので、洗濯物10に吸着した洗剤分(界面活性剤)を30Lの濯ぎ水量で十分に希釈して濯ぎ出すことは困難である。
そこで、濯ぎ工程は、洗濯物10に付着している洗剤分を希釈して良く濯ぎ出すために、洗い工程よりも多い水量で実行することが望ましい。濯ぎ水量を多くすると、洗濯物10に付着している糸屑も良く流れ出るので、糸屑捕集手段5による糸屑除去も良く行われるようになる。
30Lの洗い水量に対して濯ぎ水量を37Lにすれば、洗剤分の希釈を良く行うことができるので、濯ぎ工程の回数を少なくすることができ、全体の洗濯時間を短縮することができる。
このように、濯ぎの水量を多くすることよって濯ぎ効率が向上すると、回転ドラム11の回動角度を小さくすることができる。すなわち、濯ぎ水量を多くすることにより、回転ドラム11の回転速度を洗濯工程よりも下げることができる。具体的には、洗濯工程における回転ドラム11の回転速度を50rpmとすると、濯ぎ工程における回転ドラム11の回転速度を20〜30rpmに低減し、しかも、正逆回転方向にそれぞれ180°以内の回転角度で反転させるようにすることができる。
ドラム駆動電動機13として使用するインバータ駆動方式の直流ブラシレス電動機は、その特性上、回転速度を低くすると回転トルクが大きくなるために、濯ぎ工程において濯ぎ水量を多くしても回転速度を低くすることによってトルク不足になるようなことはない。しかも、回転ドラム11の回転速度を低速にして反転角度を180°以下にすることにより、ドラム駆動電動機13の負荷トルクを小さくすることができる。
このため、濯ぎ水量を増加することによる負荷トルク量の増加があっても、回転ドラム11の回転速度と反転角度を低減することにより、ドラム駆動電動機13であるインバータ駆動方式の直流電動機の負荷トルクの増加を回避し、ドラム駆動電動機13の大型化とコストアップを抑えることができる。すなわち、インバータ駆動方式の直流電動機は、単相誘導電動機に比べて、低速回転でも出力トルクが大きいので、濯ぎ水量を多くする濯ぎ工程における重い回転ドラム11を低速で回すことができる。
なお、回転ドラム11の回転速度は、洗い工程においては40〜50rpm、濯ぎ工程においては20〜30rpm程度が望ましい。
次に、洗濯物10の量と回転ドラム11の回転負荷トルクの関係について、図8,図9を参照して説明する。
ドラム式洗濯機には、図8に示すように、回転ドラム11と水受槽12が該回転ドラム11の回転中心軸線の方向が水平のタイプと、回転中心軸線の方向が傾斜したタイプがある。傾斜タイプのドラム式洗濯機は、回転ドラム11の回転中心軸線の傾斜角度θを15°〜30°程度に設定した。
図9は、回転ドラム11を回転駆動する回転駆動軸13aに加わる回転負荷トルクと洗濯物の量(負荷量)との関係を示すグラフである。なお、回転ドラム11の定格負荷量(洗濯物の量)は8kgである。
負荷量が定格負荷量の約半分程度(4〜5Kg)のときに回転負荷トルクが最大になり、負荷量がそれ以上になると回転負荷トルクは減少する。回転ドラム11内に詰まる洗濯物が定格負荷量(8kg)の場合には、洗濯物が回転ドラム11内にほぼ均一に詰って偏りが少なくなることから、回転ドラム11が回転するときに該回転ドラム11の低部から洗濯物を掻き上げるために必要な力が小さくなって回転ドラム11の回転負荷トルクが小さくなり、洗濯物が定格負荷量(8kg)の半分程度(4.0kg位)の場合には、洗濯物が回転ドラム11の低部に偏在するようになるので該洗濯物をリフター11cで該回転ドラム11内の最上位部まで掻き上げるための大きな力を必要となって回転負荷トルクが大きくなる。
また、水平タイプと傾斜タイプを比較すると、傾斜タイプの方が水平タイプよりも回転負荷トルクが小さい。傾斜タイプの回転負荷トルクが小さくなる理由は、回転ドラム11が傾斜すると洗濯物が該回転ドラム11の奥の後側端面に偏ることから、リフター11cによって掻き上げる洗濯物の量が減少して掻き上げ力が低減することにある。従って、回転ドラム11を傾斜させた傾斜タイプのドラム式洗濯機は、回転ドラム11の回転負荷トルクが小さく、この回転ドラム11を回転駆動するドラム駆動電動機13の出力トルクを小さくすることができるメリットがある。
次に、濯ぎについて、図10,図11を参照して更に説明を加える。
図10は、洗濯工程における水位を示す図面であり、L4(水深H4)は洗い工程における水位であり、8kgの洗濯物10を洗うために30Lの水量の洗い水を供給したときの水位である。因に、洗濯槽の中央に撹拌翼を備えた縦形洗濯槽を備えた洗濯機により8kgの洗濯物を洗うために使用する洗い水量は、一般的には60Lであるので、ドラム式洗濯機は節水を図ることができる。
L5(水深H5)は濯ぎ工程における水位であり、37Lの水量の濯ぎ水を供給したときの水位である。前述したように、濯ぎは、洗剤分を希釈することにより行われるので、濯ぎ水量は多い方が有利である。濯ぎ工程は、37L/回の濯ぎ水量で2回行うことにより濯ぎを終了する。一般的な縦形洗濯槽の洗濯機では60L/回の濯ぎ水量で2回濯ぐので、これに比べて濯ぎの程度がやや劣ることになる。
この対策として、洗い工程を終了してから濯ぎ工程に移るときの洗い水の遠心脱水や第1回目の濯ぎ工程を終了してから第2回目の濯ぎ工程に移るときの濯ぎ水の遠心脱水における回転ドラム11の脱水回転速度を高速化して脱水率を高めたり、給水電磁弁20を開いて水道水を洗濯物10にふりかけながら遠心脱水するシャワー脱水等の手立てを採用することにより、縦形洗濯槽を備えた洗濯機と同等の濯ぎを実現することができる。これにより、濯ぎ不足のために洗濯物10に残る洗剤による臭いの発生を解消することができる。
また、濯ぎの水量を多くすると、洗濯物10に付着している糸屑を濯ぎ水中に良く流し出て糸屑捕集手段5によって良く捕集することができ、糸屑除去機能に優れた濯ぎを行うことができる。
図11は、回転ドラム11の回転角度と回転負荷トルクの関係を示すグラフである。水位がL4の洗い工程においては、回転ドラム11の回転角度が135°のときに回転負荷トルクが最大になる。水位がL5の濯ぎ工程においては、回転ドラム11の回転角度が90°のときに回転負荷トルクが最大になる。
濯ぎの水量を多くすると、回転ドラム11を回転駆動するドラム駆動電動機13の出力トルクを大きくすることが必要である。しかしながら、ドラム駆動電動機13としてインバータ駆動式の直流電動機を使用すると、その特性により、濯ぎ工程では洗い工程における回転速度(40〜50rpm)よりも低い回転速度(20〜30rpm)で回転ドラム11を低速回転駆動することによって出力トルクを大きくすることができる。これにより、高い水位H5の濯ぎ工程においては、洗い工程よりも低速度で回転ドラム11を回転駆動することにより、洗い工程において必要な出力特性のドラム駆動電動機(インバータ駆動式の直流電動機)13によって、好ましい濯ぎを実現することができる。
また、回転ドラム11の回転駆動は、洗い工程で水量が30Lの場合には、ドラム駆動電動機13に通電するオン時間を8秒〜18秒、休止時間(オフ時間)を4秒〜6秒とする周期でオン・オフする正逆回転駆動を行う。なお、オン時間(8秒〜18秒)は、布量や布質により変える。
しかし、濯ぎ工程では、濯ぎ性能や糸屑捕集性能を向上させるために水量を50Lと多くした状態で回転ドラム11の回転駆動時間(オン時間)を長くすると、回転ドラム11や水受槽12内の濯ぎ水が波打ちはじめ、水受槽12が大きく揺れて外枠1に衝突する問題が発生する。
そこで、濯ぎ工程においては、濯ぎ水量を37L、回転ドラム11の回転速度を30rpmに設定したときには、ドラム駆動電動機13に通電するオン時間を0.5秒〜0.9秒とすることにより、回転ドラム11の回転角度は90°〜162°となり、135°の範囲内で回動させることができる。その後、オフ時間を1秒〜2秒程度とり、逆方向に0.5秒〜0.9秒間回転駆動する。このような回転駆動により、水受槽12の揺れを抑えて静粛な濯ぎを行うことができるようになる。
また、回転ドラム11の回転速度を20rpmとした場合には、ドラム駆動電動機13に通電するオン時間を0.5秒〜0.9秒とすると回転ドラム11の回転角度は60°〜108となって不足することから、オン時間は0.7秒〜1.4秒とすることが望ましい。
なお、この揺れを抑える濯ぎ工程の運転では、0.5秒〜0.9秒(回転角度で90°〜135°)とオン時間が短いが、洗い工程における洗い水量より多くの水量の濯ぎ水を給水するために、洗濯物10に含まれる洗剤分を良く希釈することができるので、回転ドラム11の回転駆動時間は短くて足りる。
本発明の実施例1のドラム式洗濯機の正面図である。 本発明の実施例1のドラム式洗濯機の縦断側面図である。 本発明の実施例1のドラム式洗濯機における糸屑捕集手段の縦断側面図である。 本発明の実施例1のドラム式洗濯機における糸屑捕集手段の取り付け構造を天板を除いて示す上面図である。 本発明の実施例1のドラム式洗濯機における糸屑捕集手段の取り付け構造を示す分解斜視図である。 本発明の実施例1のドラム式洗濯機における制御装置の主たる構成を示す電気回路図である。 本発明の実施例1のドラム式洗濯機における回転ドラムおよび水受槽の傾斜角度と洗濯水量および糸屑捕集率と洗濯性能を示すグラフである。 ドラム式洗濯機における回転ドラムと水受槽の傾斜角を示す模式図である。 ドラム式洗濯機における負荷量と回転負荷トルクとの関係を示すグラフである。 本発明の実施例1のドラム式洗濯機における洗い工程の水位と濯ぎ工程の水位を示す模式図である。 本発明の実施例1のドラム式洗濯機における、回転ドラムの回転角度と回転負荷トルクと洗濯水位との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…外枠、5…糸屑捕集手段、11…回転ドラム、11a…衣類出入口、11c…リフター、12…水受槽、12a…衣類出入口、12b…排水口、13…ドラム駆動電動機、16…洗濯水循環ポンプ。

Claims (3)

  1. 箱形の外枠と、前側端に衣類出入口を有する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転可能に内包して支持し、前記回転ドラムの回転中心軸線の方向が前端側が上向きに傾くように前記外枠内に設置された水受槽と、前記水受槽に溜る洗濯水を吸い出して前記回転ドラム内に流し込むようにして洗濯循環水を生成する循環ポンプと、前記洗濯循環水から糸屑を捕集する糸屑捕集手段とを備えたドラム式洗濯機において、
    前記循環ポンプが吸い込む前記水受槽内の洗濯水の排水口を前記水受槽の後端側の下部に設け、
    前記循環ポンプを前記水受槽の下方に位置させて設け、
    前記糸屑捕集手段は、前記水受槽の上方に位置させて前記外枠の前面に露出するように該外枠に取り付けて設けられ、前方側を開放してフィルタ着脱開口とした箱型の外ケースと、この外ケース内に前記フィルタ着脱開口から挿脱自在なフィルタケースと、このフィルタケースに取り付けた袋状の糸屑捕集フィルタを備え、前記外ケースは、後端面に設けた入水口に循環パイプを接続して前記循環ポンプから送られてくる洗濯循環水を受け入れ、また、この外ケースの底面の前半部位には、前記フィルタ着脱開口の後端に連なるように落ち込ませた集水凹部を設け、この集水凹部の底面に開口させた出水口に前記循環注水パイプを接続することにより洗濯循環水を前記水受槽内に還流させるように構成したことを特徴とするドラム式洗濯機。
  2. 請求項1において、前記糸屑捕集手段は、前記箱形の外枠の内側隅部と前記水受槽の外周側との間にできる空間に配置して設けたことを特徴とするドラム式洗濯機。
  3. 請求項1において、前記回転ドラムは、前記回転中心軸線の水平線方向に対する傾斜角度を15°〜30°としたことを特徴とするドラム式洗濯機。
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