<全体構成>
まず、図1を用いて、本実施例1に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。なお、図1はスロットマシン100の外観斜視図を示したものである。
スロットマシン100は、略箱状の本体101と、この本体101の前面開口部に取り付けられた前面扉102とを有して構成されている。スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が所定コマ数だけ配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。本実施例1において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施例1では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
又、各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのライン表示LED(図示省略)が配置されている。このライン表示LEDは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間を、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ123は、内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器126は、メダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。
メダル投入ボタン130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施例1においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130又は131により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入することもできる。精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル及びベットされたメダルを精算し、メダル払出口155よりメダル受皿156に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110〜112が回転し、遊技が開始される。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112に対する停止操作を行うためのボタンであり、各リール110〜112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン137〜139を操作すると対応するいずれかのリール110〜112が停止することになる。
ドアキー140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿156は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿156は、本実施例1では発光可能な受皿を採用しており、以下受皿ランプと呼ぶこともある。
上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、受皿ランプ156は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。演出装置157は、例えば開閉自在な扉(シャッター)163が前面に取り付けられた液晶表示装置を含み、この演出装置157には、例えば小役告知等の各種の情報が表示される。音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。タイトルパネル162には、スロットマシン100を装飾するための図柄が描かれる。
<制御部>
次に、図2及び図3を用いて、このスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部400と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、図2を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。なお、図2は主制御部300の回路ブロック図を示したものである。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
又、CPU310には、センサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
更に、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算ボタンセンサ324、メダル払い出しセンサ326の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル投入センサ320は、メダル投入口134に投入されたメダルを検出するためのセンサである。スタートレバーセンサ321はスタートレバー135の操作を検出するためのセンサである。ストップボタンセンサ322はストップボタン137〜139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検出するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン130、131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検出するためのセンサである。精算ボタンセンサ324は、精算ボタン132に設けられており、精算ボタン132が一回押されると、貯留されているメダル及びベットされているメダルが精算されて払い出されることになる。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検出するためのセンサである。
CPU310には、更に、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リール110〜112に設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにハイレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口155から払出すための装置。図示省略。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント(SEG)表示器341(払出枚数表示器125、遊技回数表示器126、貯留枚数表示器127等)が接続されている。
又、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。主制御部300と副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400へコマンドを送信するが、副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
<副制御部>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。なお、図3は副制御部400の回路ブロック図を示したものである。
副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
又、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
又、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、ライン表示LEDの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
更に、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、図柄表示窓113の外枠に配設され、点滅や点灯などの点灯制御によって有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、扉・液晶画面制御部490からの信号を入力するための入力インタフェース471、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472等が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を遊技店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ170、受け皿ランプ156、払出口ストロボ171を制御する。タイトルパネルランプ170は、タイトルパネル162を照明するランプであり、払出口ストロボ171は、払い出し口の内側に設置されたストロボタイプのランプである。なお、CPU410は、扉・液晶画面制御部490への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。扉・液晶画面制御部490は、液晶表示装置157及び扉163を制御する制御部である。
<図柄配列>
次に、図4を用いて、上述の各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、図4は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
図に示されるように、各リール110〜112には、複数種類の図柄が所定コマ数(本実施例1では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。又、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置を示す番号(図柄番号)である。例えば、本実施例1では、左リール110の番号1のコマには「リプレイ」の図柄、中リール111の番号2のコマには「俵」の図柄、右リール112の番号2のコマには「松」の図柄、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図5を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。
遊技状態毎に以下に説明する入賞役が採用されている。なお、各遊技状態における入賞役の種類は、本実施例1で示す入賞役に限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。又、本実施例1及び2における入賞役の内、ビッグボーナス(BB)及びレギュラーボーナス(RB)はボーナスゲームに移行する図柄として、又、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる図柄として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本発明に係る「入賞役」には、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技、シフトレギュラーボーナスが含まれ、本発明に係る「入賞」には、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技、シフトレギュラーボーナスへの入賞が含まれる。
<通常遊技>
図5(A)は、通常遊技における入賞役の種類と、対応する入賞図柄組合せと、メダルの払出枚数(配当)と、メダル3枚投入時の図柄抽選データ(内部当選確率)とを示した図である。
図柄抽選データは、所定の遊技回数における各入賞役の出現回数を示すものである。実際の各入賞役の内部当選確率は、各図柄抽選データの数値を、入賞役の内部抽選時に取得される乱数値の範囲の大きさ(本実施例1では16384)で除した値となる。乱数値は予めいくつかの数値範囲(当選確率データ)に分割され、その各数値範囲に各入賞役やはずれが対応付けられる。なお、図柄抽選データは、設定1〜設定6まで存在し、遊技店の係員等はいずれかを任意に選択し、設定することができる。
通常遊技の入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役と、小役(AT役)がある。
「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナスゲーム(BBゲーム)が開始される特別役(作動役)である。対応する入賞図柄組合せは本実施例1の場合、「セブン−セブン−セブン」と「姫−姫−姫」である。又、本実施例1ではBBについてフラグ持越しを行う。すなわち、BBに内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM313の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBBに入賞しなかったとしても、入賞するまでフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBBに内部当選中とする。
なお、本実施例1においては、ボーナス終了時に行われる抽選に当選し、「姫−姫−姫」の図柄が揃った場合には、リプレイの当選確率が通常遊技状態よりも高くなるように設定された再遊技高確率状態(いわゆるリプレイタイム(RT))となる。
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が開始される特殊役(作動役)である。対応する入賞図柄組合せは本実施例1の場合、「BAR(「将軍」の文字が入った図柄)−BAR−BAR」である。なお、本実施例1ではRBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により、次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行わない。なお、対応する入賞図柄組合せは、本実施例1の場合、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する入賞図柄組合せは、本実施例1の場合、「松−松−松」、「俵−俵−俵」、「チェリー(かんざしの図柄)−any−any」である。対応する払出枚数は、同図に示す通りである。なお、「チェリー−any−any」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
「小役(AT役)」は、内部抽選により当選した入賞役を遊技者による停止操作がなされる前に遊技者に報知するアシストタイム(以下AT)と呼ばれる遊技状態に制御可能な入賞役で、所定数(本実施例1では4枚)のメダルの払い出しも行う。対応する入賞図柄組合せは、本実施例1の場合、「セブン−俵−俵」、「姫−俵−俵」、「BAR−俵−俵」である。
<BB一般遊技>
図5(B)は、BB一般遊技における入賞役の種類と、対応する入賞図柄組合せと、メダルの払出枚数(配当)と、メダル3枚投入時における図柄抽選データ(内部抽選確率)とを示した図である。なお、小役については、そのメダル払出枚数や図柄抽選データを通常遊技とは異なるものとしてもよい。
本実施例1における特別遊技の入賞役には、シフトレギュラーボーナス(SRB)と、小役、小役(AT役)がある。
「シフトレギュラーボーナス(SRB)」は、入賞により特殊遊技であるシフトレギュラーボーナスゲーム(SRBゲーム)が開始される入賞役(作動役)である。入賞時には所定数(例えば3枚)のメダルの払い出しも行う。なお、対応する入賞図柄組合せは本実施例1の場合、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。又、前述したRBと比べるとSRBの方が内部当選確率が極めて高い。つまり、BBゲームではこのSRBに入賞し易くすることで遊技者がより大きな利益を得られることになる。なお、SRBについてはBBと同様にフラグ持越しを行うものとしても良い。
「小役」は、通常遊技と同じであり、対応する入賞図柄組合せは、本実施例1の場合、「松−松−松」、「俵−俵−俵」、「チェリー−any−any」である。
「小役(AT役)」は、通常遊技と同じであり、対応する入賞図柄組合せは、本実施例1の場合、「セブン−俵−俵」、「姫−俵−俵」、「BAR−俵−俵」である。
<RB(SRB)遊技>
図5(C)は、RB(SRB)遊技における入賞役の種類と、対応する入賞図柄組合せと、メダルの払出枚数(配当)と、メダル1枚投入時の図柄抽選データ(内部当選確率)とを示した図である。RB(SRB)遊技における入賞役は「役物」のみであり、RB(SRB)遊技中の各遊技を役物遊技という。役物はRB(SRB)遊技中にのみ入賞する入賞役であって、対応する入賞図柄組合せは、本実施例1の場合、「リプレイ―俵―リプレイ」、「松―松―松」、「俵―俵―俵」、「チェリー―any−any」、「セブン−俵−俵」、「姫−俵−俵」、「BAR−俵−俵」である。対応する払出枚数は、同図に示す通りである。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。
スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技と、BBゲームと、RB(SRB)ゲームと、に大別される。
BBゲームの内容は、複数種類考えられるが、本実施例1では、BBゲーム中にSRBに入賞することが可能で、これに入賞するとSRBゲームが開始される。なお、BBゲームは、本実施例1では予め定めたメダル数を獲得した場合(例えば、入賞により獲得したメダル数が465枚に達した場合)に終了する。又、その他の条件を加えてBBゲームの終了条件としてもよく、例えば、SRBゲームを予め定めた遊技回数行った場合(例えば、SRBゲームが3回終了した場合)にBBゲームが終了するようにしてもよい。この場合、SRBゲームが終了するとBB一般遊技に戻るか、或いは、BBゲームが終了する(BB一般遊技の30回目にSRBに入賞してSRBが開始された場合)こととなる。
RB(SRB)ゲームの内容は、複数種類考えられるが、本実施例1では、予め定めた回数(本実施例1では12回)の遊技を行うか、あるいは、役物が予め定めた回数(本実施例1では8回)入賞するかのいずれかの条件が成立することを終了条件とするゲームである。
<主制御部メイン処理>
次に、図6を用いて、主制御部300のメイン処理について説明する。なお、図6は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
遊技の基本的制御は、主制御部300のMainCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、MainCPU310が同図の主制御部メイン処理を繰り返し実行する。
スロットマシン100に電源が投入されると、まず、各種の初期化処理が実行され、その後、主制御部メイン処理のステップS101では、メダル投入に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合はメダルの投入が不要である。
ステップS102では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定する。又、副制御部400に対してスタートレバー受付コマンドを送信する。副制御部400は、このスタートレバー受付コマンドを受信することによって遊技の開始を把握する。
ステップS103では、有効な入賞ライン114を確定する。
ステップS104では、乱数発生器317で発生させた乱数を取得する。
ステップS105では、ステップS104で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、その入賞役のフラグが内部的にONになる。なお、ステップS104で取得した乱数値は、入賞役内部抽選のほかにも、リール停止制御テーブルを選択するときの抽選等にも使用してもよい。
ステップS106では、リール回転開始処理により、全リール110〜112の回転を開始させる(詳細は後述)。
ステップS107では、リール制御処理により、リールの停止制御を行う(詳細は後述)。
ステップS108では、ストップボタン137〜139が押されることによって停止した図柄の入賞判定処理を行う(詳細は後述)。
ステップS109では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
ステップS110では、遊技状態制御処理を行う。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BB入賞やSRB入賞の場合に次回からBBゲーム又はSRBゲームを開始できるよう準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。
以上により1ゲームが終了し、以降、主制御部メイン処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<リール回転開始処理>
次に、図7を用いて、上記主制御部メイン処理におけるリール回転開始処理(ステップS106)について説明する。なお、図7は、リール回転開始処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS201では、前回の遊技のリール回転開始時にセットされたウェイトタイマが所定の時間を経過しているか否かを判定する。このウェイトタイマは、前回の遊技のリール回転開始から所定の最短遊技時間を経過しているか否かを判定するために用いられる。そして、最短遊技時間を経過していない場合には遊技時間の経過を待ち、最短遊技時間を経過している場合には次のステップS202に進む。
ステップS202では、ウェイトタイマを初期値(本実施例1では200)に設定する。なお、ウェイトタイマは、1.877msのタイマ割り込み処理中において20.647ms毎に1だけ減算するように構成されており、最短遊技時間は4.1294s(=20.647ms×200)に設定されている。
ステップS203では、副制御部400に「リール回転開始コマンド」を送信することによって、リールの回転処理が開始されたことを知らせる。
ステップS204では、全リール110〜112の回転を開始する。
ステップS205では、リール自動停止タイマに初期値(本実施例1では170)を設定する。このリール自動停止タイマは、ステップS204のリール回転開始から所定のリール自動停止時間が経過しているか否かを判定するために用いられる。本実施例1では、リール自動停止タイマは、1.877msのタイマ割り込み処理中において206.47ms毎に1だけ減算するように構成されており、リール自動停止時間は35.0999s(=206.47ms×170)に設定されている。
なお、リール自動停止時間は上記数値(35.0999s)に限定されるものではないが、例えばリールの自動停止時間が1〜2秒程度に設定されていたのでは、遊技者がリールの自動停止前にリールの停止操作をすることが困難となってしまう。従って、遊技者によるリールの停止操作時間を確保するためには、リール自動停止時間は概ね30s以上であることが好ましい。又、本実施例1においては、リール自動停止タイマの初期値を全リール110〜112の回転開始時に設定することとしたが(全リール110〜112の回転開始を「遊技の開始」としたが)、本発明はこれに限定されるものではない。従って、例えば、全リール110〜112の回転速度が一定となったこと(後述する停止ボタン有効タイマが0になったこと)を条件にリール自動停止タイマの初期値を設定するようにしてもよい(全リール110〜112の回転の速さが一定となった時を「遊技の開始」としてもよい)。このようにすれば、リールの回転不良等により、所定の回転速度に到達する前にリールが自動停止されてしまうような不具合をなくすことができる。
ステップS206では、停止ボタン有効ウェイトタイマを初期値(本実施例1では40)に設定し、処理を終了する。この停止ボタン有効ウェイトタイマは、ストップボタン137〜139の受付無効時間を計測するためのタイマで、ストップボタン137〜139の受付が有効であるか否かを判定するために用いられる。なお、停止ボタン有効ウェイトタイマは、1.877msのタイマ割り込み処理中において20.647ms毎に1だけ減算するように構成されており、ストップボタン137〜139の受付無効時間は825.88ms(=20.647ms×40)に設定されている。
<リール制御処理>
次に、図8を用いて、上記主制御部メイン処理におけるリール制御処理(ステップS107)について説明する。なお、図8は、リール制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS301では、定速処理(詳細は後述)を行う。
ステップS302及びステップ303では、停止ボタン有効ウェイトタイマによってストップボタン137〜139の受付が有効であるか否かを判断する。そして、ストップボタン137〜139の受付が有効の場合にはステップS304に進み、無効の場合には処理を終了する。
ステップS304では、停止ボタン受付処理(詳細は後述)を行う。
<定速処理>
次に、図9を用いて、上記リール制御処理における定速処理(ステップS301)について説明する。なお、図9は、定速処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS401では、上記図4に示した図柄位置を管理するための図柄切替カウンタの更新を行う。
ステップS402では、図柄位置切替情報(図柄が切り替わったか否かを表す情報)の更新を行う。
ステップS403では、インデックスセンサ325からの信号を検知したか否かを判断する。そして、インデックスセンサ325からの信号を検知した場合にはステップS404に進み、そうでない場合にはインデックスセンサ325からの信号を検知するまでステップS403の処理を繰り返す。
ステップS404では、図柄切替カウンタの初期設定を行う。
ステップS405では、ストップボタン137〜139の受付を有効に設定し、処理を終了する。
<停止ボタン受付処理>
次に、図10を用いて、上記リール制御処理における停止ボタン受付処理(ステップS304)について説明する。なお、図10は、停止ボタン受付処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS501では、各リール110〜112の状態を示す停止リール情報を確認する。
ステップS502では、各リール110〜112が回転中か停止済みかを確認する。
ステップS503では、ステップS501及びステップS502の結果を受けて、停止状況情報をセットする。
ステップS504では、上述のリール回転開始処理において設定したリール自動停止タイマが0であるか否か、即ち、リール回転開始から所定のリール自動停止時間が経過したか否かを判定する。そして、所定のリール自動停止時間が経過していない場合にはステップS505に進み、そうでない場合にはステップS506に進む。なお、本実施例1においては、主制御部300においてリール自動停止タイマの監視を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、副制御部400にリールの自動停止を知らせる「自動停止コマンド」を送信することによって、リールが自動停止されたことを知らせてもよい。又、その際に、副制御部400における演出をデモ画面表示に切替えるための「デモコマンド」を送信してもよい。
ステップS505では、ストップボタン137〜139を受付けたか否かを判断する。そして、ストップボタン137〜139を受付けている場合にはステップS507に進み、そうでない場合には処理を終了する。
ステップS506では、自動停止制御処理(詳細は後述)を行い、ステップS508に進む。
ステップS507では、通常停止制御処理(詳細は後述)を行う。
ステップS508では、ステップS506の自動停止制御処理によって自動停止フラグが設定されているか否かを判断する。そして、自動停止フラグが設定されている場合にはリール110〜112の自動停止を行うべくステップS509に進み、そうでない場合には処理を終了する。
ステップS509では、リール停止処理(詳細は後述)を行う。
ステップS510では、全てのリール110〜112が停止したか否かを判断する。そして、全てのリール110〜112が停止している場合にはステップS511に進み、そうでない場合には処理を終了する。
ステップS511では、停止位置情報及び停止リール情報をクリアして、処理を終了する。
<自動停止制御処理>
次に、図11を用いて、上記停止ボタン受付処理における自動停止制御処理(ステップS506)について説明する。なお、図11は、自動停止制御処理の流れを示すフローチャートである。
この自動停止制御処理では、図12に示されるような図柄位置情報テーブルが用いられる。
この図柄位置情報テーブルには、自動停止の対象となっている各停止予定リール(左リール110、中リール111、右リール112)に対応して図柄位置情報が記憶されている。
この図柄位置情報は、リール110〜112の状況に基づいて、(1)リールが停止している場合(停止済リール)と、(2)リールが回転中の場合(回転中リール)の2つに場合分けされていると共に、回転中リールについては、更に、自動停止の対象となっているか否かによって、(2−1)回転中であって自動停止の対象となっている場合(対象リール)と、(2−2)回転中であって自動停止の対象となっていない場合(対象外リール)の2つに場合分けされている。そして、(1)の停止済リールの場合には、この停止済リールのリール停止時の図柄位置である「停止図柄位置」が、(2−1)の対象リールの場合には、この対象リールの図柄切替時の図柄位置である「図柄切替時の図柄位置(図柄切替位置)」が、(2−2)の対象外リールの場合には、「テーブル1〜3の仮停止図柄位置」がそれぞれ参照される。なお、本発明に係る「図柄切替時の図柄位置」とは、図柄表示窓113上に図柄が表示されている状態から図柄が切り替わり、図柄表示窓113上に新たに表示された図柄の位置をいい、具体的には、後述するステップS602において図柄が切り替わっていると判断された時点において図柄表示窓113上に表示されている図柄の位置のことである。又、本発明に係る「仮停止図柄位置」とは、回転中であって自動停止の対象となっていない対象外リールに対して設定される仮の停止図柄位置であって、リールが停止しているものと仮定して設定される停止図柄位置である。
テーブル1〜3は、図13に示される仮停止図柄テーブル1〜3をそれぞれ示したものであり、この仮停止図柄テーブル1〜3は、上述の通り、対象外リールの場合にのみ参照される仮停止図柄位置を規定したものである。なお、図中における「●」が、図柄表示窓113の中段に停止される図柄位置を示している。
本発明は、この「仮停止図柄位置」を用いて入賞の判定を可能とした点に一つの特徴があるが、本発明に係る「仮停止図柄位置」は、文字通り「仮の」停止図柄位置であり、後述する事前入賞判定処理によって入賞の判定を行うために用いられる便宜上の停止図柄位置に過ぎない。従って、本実施例1では、仮停止図柄位置を仮停止図柄テーブル1〜3としてテーブルの形で記憶し、仮停止図柄位置を変更可能に構成したが、本発明はこれに限定されるものでない。従って、仮停止図柄位置に所定の数値を割り当てて、仮停止図柄位置を固定してもよく、又、仮停止図柄位置は、上記図13に示される図柄位置に限定されるものでもない。
図柄位置情報についても同様に、図柄位置情報をテーブルの形で記憶し、図柄位置情報を変更可能に構成したが、本発明はこれに限定されるものでなく、図柄位置情報に所定の数値を割り当てて、図柄位置情報を固定してもよい。
又、テーブルの形で記憶する場合であっても、図柄位置情報及び仮停止図柄位置は1種類のテーブルに限定されるものではなく、例えば、複数種類のテーブルを設け、この複数種類のテーブルの中から特定のテーブルを抽選によって決定するように構成してもよい。
これら図柄位置情報テーブル及び仮停止図柄テーブル1〜3は、例えば、以下のように使用される。
例えば、左リール110が対象リール、中リール111及び右リール112が停止済リールの場合には、左リール110の図柄位置情報としては、停止予定リール(左リール)における回転中(左リール)の図柄位置情報、即ち、「図柄切替時の図柄位置」が参照される。又、中リール111及び右リール112の図柄位置情報としては、停止予定リール(左リール)における停止済(中リール、右リール)の図柄位置情報、即ち、「停止図柄位置」がそれぞれ設定される。
又、例えば、左リール110が対象リール、中リール111が停止済リール、右リール112が対象外リールの場合には、左リール110の図柄位置情報としては、停止予定リール(左リール)における回転中(左リール)の図柄位置情報、即ち、「図柄切替時の図柄位置」が設定される。又、中リール111の図柄位置情報としては、停止予定リール(左リール)における停止済(中リール)の図柄位置情報、即ち、「停止図柄位置」が設定される。更に、右リール112の図柄位置情報としては、停止予定リール(左リール)における回転中(右リール)の図柄位置情報、即ち、テーブル1の「仮停止図柄位置」が設定される。
図11に示されるように、自動停止制御処理のステップS601では、上記定速処理のステップS402で更新された図柄位置切替情報を確認する。
ステップS602では、ステップS601における図柄位置切替情報の確認の結果、図柄が切り替わったか否かを判断する。そして、図柄が切り替わっている場合にはステップS603に進み、そうでない場合には処理を終了する。
ステップS603では、上記停止ボタン受付処理のステップS503でセットされた停止状況情報を確認する。
ステップS604では、ステップS603の停止状況情報に基づいて停止予定リール情報をセットする。
ステップS605では、ステップS604でセットした停止予定リール情報によって停止済みリールがあるか否かを判断する。そして、停止済みリールがある場合にはステップS606に進み、停止済みリールが無い場合にはステップS607に進む。
ステップS606では、停止済みリールの停止図柄位置情報を取得しているか否かを判断する。そして、停止図柄位置情報を取得していない場合にはステップS607に進み、取得している場合にはステップS609に進む。
ステップS607では、上記図12の図柄位置情報テーブルから停止図柄位置情報を取得して、ステップS608に進む。
ステップS608では、停止済みリールに対して停止図柄位置情報を設定した後、ステップS613に進む。
ステップS609では、上記図12の図柄位置情報テーブルから停止図柄位置情報を取得すると共に、図柄切替時の図柄位置情報を設定して、ステップS610に進む。
ステップS610では、停止予定リール以外の回転中のリールを確認し、ステップS611で停止予定リール以外の回転中のリールがあるか否かを判断する。そして、停止予定リール以外の回転中のリールがある場合にはステップS612に進み、そうでない場合にはステップS613に進む。
ステップS612では、上記図13の仮停止図柄テーブル1〜3から仮図柄位置情報を取得して、仮図柄位置情報を設定した後、ステップS613に進む。
ステップS613では、全てのリール110〜112に対して図柄位置情報が設定済みであるか否かを判断する。そして、全てのリール110〜112の図柄位置情報の設定が完了した場合にはステップS614に進み、そうでない場合にはステップS603に進み、他のリールの設定を継続する。
ステップS614では、事前入賞判定処理(詳細は後述)を行う。
ステップS615では、事前入賞判定処理において設定された事前入賞判定フラグを確認した後、ステップS616において非入賞であるか否かを判断する。そして、非入賞の場合(入賞していない場合)にはステップS617に進み、非入賞でない場合(入賞している場合)には処理を終了する。
ステップS617では、自動停止フラグを設定して、処理を終了する。
以下、図14を用いて、この自動停止制御処理の具体例について説明する。
図14(a)に示されるように、全てのリール110〜112が回転中の場合を考える。この場合、左リール110は、回転中であって自動停止の対象となっているリール、即ち、「対象リール」であるため、リールの図柄位置として「図柄切替時の図柄位置」が設定される。又、中リール111及び右リール112は、回転中であって自動停止の対象となっていないリール、即ち、「対象外リール」であるため、リールの図柄位置として「仮停止図柄1」の図柄位置がそれぞれ設定される。
又、図14(b)に示されるように、左リール110が停止済で、中リール111及び右リール112が回転中の場合を考える。この場合、左リール110は「停止済リール」であるため、リールの図柄位置として、左リール110の停止時の図柄位置である「停止図柄位置」が設定される。又、中リール111は「対象リール」であるため、リールの図柄位置として「図柄切替時の図柄位置」が設定される。更に、右リール112は「対象外リール」であるため、リールの図柄位置として「仮停止図柄2」の図柄位置が設定される。
更に、図14(c)に示されるように、左リール110及び中リール111が停止済で、右リール112が回転中の場合を考える。この場合、左リール110及び中リール111は「停止済リール」であるため、リールの図柄位置として「停止図柄位置」がそれぞれ設定される。又、右リール112は「対象リール」であるため、リールの図柄位置として「図柄切替時の図柄位置」が設定される。なお、この例のように、右下り入賞ラインに「松−松−松」が揃う場合(入賞役に対応する入賞図柄組合せが揃う場合)には、後述する事前入賞判定処理において入賞と事前判定され、自動停止制御処理において右リール112の図柄位置として次回の図柄切替時の図柄位置が再設定される。
<事前入賞判定処理>
次に、図15を用いて、上記自動停止制御処理における事前入賞判定処理(ステップS614)について説明する。なお、図15は、事前入賞判定処理の流れを示すフローチャートである。この事前入賞判定処理は、後述する入賞判定処理と共通の処理を有して構成されている。
ステップS701では、事前入賞判定フラグをクリアし、初期化する。
ステップS702では、上記自動停止制御処理のステップS608、S609、S612において設定された図柄位置情報を取得する。なお、取得される図柄位置情報は、ステップS608で設定される停止図柄位置情報、ステップS609で設定される図柄切替時の図柄位置情報、ステップS612で設定される仮停止図柄位置情報である。
ステップS703では、有効な入賞ライン114のライン数を取得する。
ステップS704では、ステップS702で取得した各リール110〜112の図柄位置情報を読み出し、ステップS705で各入賞役に入賞しているか否かを判断する。そして、何らかの入賞役に入賞している場合にはステップS706に進み、入賞していない場合にはステップS709に進む。
ステップS706では、単図柄による入賞か否かを判断する。そして、単図柄による入賞の場合にはステップS707に進み、そうでない場合にはステップS708に進む。ここで「単図柄」とは、例えば、小役「チェリー−any−any」における「チェリー」のように、単一の図柄であっても図柄表示窓113の有効な入賞ライン114上に表示された場合に入賞役が成立するような図柄をいう。なお、単図柄に対応する入賞役は「チェリー−any−any」に限定されるものではなく、例えば、「any−チェリー−any」や「any−any−チェリー」でもよい。更に、本実施例1では、単図柄による入賞のみを判定するように構成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、いわゆる連図柄(例えば、「チェリー−チェリー−any」)による入賞を判定するように構成してもよい。
ステップS707では、停止予定のリールに単図柄があるか否かを判断する。そして、単図柄がある場合にはステップS708に進み、そうでない場合にはステップS709に進む。
ステップS708では、事前入賞判定結果情報に入賞を示す情報を設定する。
ステップS709では、事前入賞判定結果情報に非入賞を示す情報を設定する。
ステップS710では、事前入賞判定結果情報を保存する。
ステップS711では、ステップS703で取得した全ての有効ラインについて入賞の判定を行ったか否かを判断する。そして、全ての有効ラインについて入賞判定を行った場合にはステップS712に進み、そうでない場合にはステップS704に進み、他の有効ラインの入賞判定を行う。
ステップS712では、事前入賞判定結果情報に入賞を示す情報が設定されているか否かを判断する。そして、入賞を示す情報が設定されている場合にはステップS713に進み、入賞を示す情報が設定されていない場合にはステップS714に進む。
ステップS713では、入賞を示す事前入賞判定フラグを設定して、処理を終了する。
ステップS714では、非入賞を示す事前入賞判定フラグを設定して、処理を終了する。
以下、図16を用いて、この事前入賞判定処理の具体例について説明する。
図16(a)に示されるように、全てのリール110〜112が回転中の場合には、上述の通り、左リール110の図柄位置として「図柄切替時の図柄位置」が設定されると共に、中リール111及び右リール112の図柄位置として「仮停止図柄1」の図柄位置がそれぞれ設定される。その結果、この例のように下段の水平入賞ライン及び右上がり入賞ラインに役が成立する場合(下段の水平入賞ライン及び右上がり入賞ラインに入賞役に対応する入賞図柄組合せが揃う場合)には、自動停止制御処理において左リール110の図柄位置として次回の図柄切替時の図柄位置が再設定された後、事前入賞判定処理が再度行われる。
又、図16(b)に示されるように、左リール110のみが停止済で、停止された左リール110により入賞役に対応して予め定められた特定の図柄の組合せ(この例では「チェリー−any−any」)が揃っている場合には、中リール111に設定された図柄切替時の図柄位置に基づいて、入賞ライン上に単図柄(この例ではチェリー)があるか否かが判定され、単図柄がある場合は役が不成立であると事前判定される。又、右リール112についても同様に、右リール112に設定された仮停止図柄2の図柄位置に基づいて、入賞ライン上に単図柄(この例ではチェリー)があるか否かが判定され、単図柄がある場合は役が不成立であると事前判定される。
<通常停止制御処理>
次に、図17を用いて、上記停止ボタン受付処理における通常停止制御処理(ステップS507)について説明する。なお、図17は、通常停止制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS801では、ストップボタン137〜139に対応するリール110〜112を停止受付済に設定する。
ステップS802では、ストップボタン137〜139受付時の図柄位置アドレスを取得する。
ステップS803では、停止受付済リールの停止位置情報を停止テーブルから取得する。
ステップS804では、停止データアドレスを取得する。
ステップS805では、ステップS802で取得した図柄位置アドレスとステップS804で取得した停止データアドレスに基づいて、引き込みコマ数をセットし、処理を終了する。
<リール停止処理>
次に、図18を用いて、上記停止ボタン受付処理におけるリール停止処理(ステップS509)について説明する。なお、図18は、リール停止処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS901では、自動停止フラグが設定されているか否かを判断する。そして、自動停止フラグが設定されている場合(上記自動停止制御処理のステップS617で自動停止フラグが設定されている場合)にはステップS902に進み、そうでない場合にはステップS904に進む。
ステップS902では、自動停止フラグをクリアする。
ステップS903では、引き込みコマ数を固定値にセットする。具体的には、本実施例1では引き込みコマ数を強制的に1に設定し、いわゆる「滑り制御」を行わないようにする。
ステップS904では、設定された引き込みコマ数を取得する。
ステップS905では、リールを停止する。
ステップS906では、停止前のリール停止位置、リール停止済情報、停止受付済の設定など、リール停止に関連する各種の情報をクリアする。
ステップS907では、停止位置情報(停止リールの位置情報)を設定する。
ステップS908では、停止リール情報(どのリールが停止したのか等の情報)を設定する。
ステップS909では、副制御部400にリール停止関連コマンドを送信することによって、ステップS907で設定した停止位置情報やステップS908で設定した停止リール情報を副制御部400に報知し、処理を終了する。
<入賞判定処理>
次に、図19を用いて、上記主制御部メイン処理における入賞判定処理(ステップS108)について説明する。なお、図19は、入賞判定処理の流れを示すフローチャートである。
この入賞判定処理では、有効化された入賞ライン114上に、内部当選した入賞役又はフラグ持越し中の入賞役に対応する入賞図柄組合せが揃った(表示された)場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が揃っていたならばリプレイ入賞と判定する。また、入賞した入賞役に対応するフラグがリセットされる。
具体的には、ステップS1001では、有効な入賞ライン114のライン数を取得する。
ステップS1002では、各リール110〜112の入賞判定情報を読み出す。
ステップS1003では、有効ライン毎の入賞判定情報を保存する。
ステップS1004では、入賞判定結果の累計を保存する。
ステップS1005では、メダル払出要求情報にメダル払い出しの枚数をセットする。
ステップS1006では、入賞があるか否かを判断する。そして、入賞ありの場合には、ステップS1007に進み、入賞が無い場合には処理を終了する。
ステップS1007では、副制御部400に入賞コマンドを送信し、処理を終了する。
なお、上述の通り、事前入賞判定処理は、この入賞判定処理と共通の処理を有して構成されており、具体的には、有効ライン数の取得、各リールの図柄位置情報(入賞判定情報)の読み出し、入賞・非入賞の判定の各処理が共通である。
<副制御部メイン処理>
次に、図20を用いて、副制御部400のメイン処理について説明する。なお、図20は副制御部400のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1101では、主制御部300からのコマンドを受信したか否かを判断する。何らかのコマンドを受信した場合はステップS1102に進み、コマンドを受信していない場合はステップS1101の判定を繰り返し実行し、コマンド受信待ちとなる。
ステップS1102では、主制御部300から受信したコマンドを解析する。
ステップS1103では、各種の演出処理を行う。なお、本実施例1では、主制御部300側に自動停止タイマを設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、副制御部400側に自動停止時間を計測する自動停止タイマを設け、自動停止時間経過後に、このステップS1103の演出処理において演出の切替えを行ってもよい。又、主制御部300から自動停止タイマが0になったことを報知するコマンド(例えば、「自動停止コマンド」)を受信した場合に、演出の切換えを行うようにしてもよい。更に、演出の一例としてデモ画面を表示してもよく、この場合、主制御部300から「デモコマンド」を受信した場合に演出を直ちにデモ画面に切替えるようにしてもよく、又、自動停止時間経過後にデモ画面に切り替えるようにしてもよい。
副制御部400のSubCPU410は、以上の処理を、電源断等を検知しないかぎり繰り返し実行する。
本実施例1に係るスロットマシン100によれば、複数種類の図柄が施された複数のリール(本実施例1では、リール110〜112)と、予め定められた役の内部当選の当否を抽選する抽選手段(本実施例1では、入賞役内部抽選処理)と、遊技者によるリール停止操作に基づいてリールを停止させることが可能であると共に、遊技の開始から所定のリール自動停止時間経過後にリールの回転を自動停止させるリール自動停止制御手段(本実施例1では、自動停止制御処理)を含んでなるリール停止制御手段(本実施例1では、リール制御処理)と、を備えた遊技台であって、リール自動停止制御手段は、自動停止時間経過後に、リールの状況に基づいてリールの図柄位置を設定する設定手段(本実施例1では、主として自動停止制御処理のステップS605〜S612が該当)と、自動停止前に、設定手段によって設定されたリールの図柄位置に基づいて役が成立するか否かを事前判定する事前判定手段(本実施例1では、事前入賞判定処理)と、を備え、事前判定手段によって役が成立しないと事前判定された場合に、リールを自動停止させるため、役の成立・不成立の判断を簡素化することができ、役が成立しないようにリールを自動停止させる場合であっても従来よりも制御負担を軽減することができる。しかも、遊技者はリールの自動停止を回避すべくリールが自動停止される前に自身の操作によってリールを停止するようになり、遊技者によるリール停止操作を促進し、遊技台の稼働率を向上させることが可能で、遊技店の売り上げの低下を効果的に防止することができる。
又、設定手段は、リールが回転中か停止済かによって異なる図柄位置を設定するため、リールの状況に応じて適切な図柄位置を設定することができ、自動停止時の誤入賞を未然に防止することができる。
又、設定手段は、リールが回転中である場合に、更に、この回転中のリールが自動停止の対象となっているか否かによって異なる図柄位置を設定するため、自動停止の対象となっていないリールの状況を考慮した自動停止制御が可能である。
更に、設定手段は、リールの図柄位置として、停止済のリールである場合には当該停止済リールの停止時の図柄位置である停止図柄位置を、回転中であって前記自動停止の対象となっている対象リールである場合には当該対象リールの図柄切替時の図柄位置である図柄切替位置を、回転中であって前記自動停止の対象となっていない対象外リールである場合には仮停止図柄位置を、それぞれ設定するため、リールが停止する前であっても(リールが回転中にも係らず)、役の成立・不成立の事前判定を容易に行うことができる上に、停止済のリールについてはリール停止時の図柄位置を設定することができ、図柄位置の設定が容易である。
又、設定手段は、事前判定手段によって役が成立すると事前判定された場合に、リールの図柄位置として、設定されている図柄位置とは異なる図柄位置を再設定する再設定手段を含むため、誤入賞を確実に防止することができる。
更に、設定手段は、リールの図柄位置として、自動停止時間経過後におけるリールの図柄切替時の図柄位置を設定し、再設定手段は、リールの図柄位置として、次回の図柄切替時の図柄位置を再設定するため、図柄位置の設定が容易で、遊技台における制御負担をより一層軽減することができる。
更に又、前記設定手段は、前記リールの図柄位置として、前記自動停止時間経過後における前記リールの図柄切替時の図柄位置を設定し、再設定手段は、リールの図柄位置情報として、役が成立しない図柄位置を再設定するため、役が成立しないようなリールの自動停止を迅速且つ確実に行うことができる。
又、事前判定手段は、複数のリールの少なくとも1つが停止され、且つ、停止されたリールにより役に対応して予め定められた特定の図柄の組合せが揃っている場合には、役が成立しないと事前判定するため、既に停止しているリールによって入賞が確定する場合であっても自動停止制御が可能である。
更に、リール自動停止制御手段は、設定手段によって設定されたリールの図柄位置でリールを自動停止させるため、遊技者が違和感を覚えることなくリールを自動停止させることができる。
更に又、停止されたリールによって表示される図柄の組合せが、役に対応して予め定められた図柄の組合せであるか否かによって役が成立するか否かを判定する入賞判定手段(本実施例1では、入賞判定処理)を更に備え、事前判定手段は、入賞判定手段と共通の処理を有して構成されているため、制御プログラムの少なくとも一部を共通化することが可能であり、プログラムコードの増大を回避し、限られた記憶容量を有効に活用することができる上に、開発期間の短縮化を図ることができる。
なお、リールの回転を開始させるためのスタートレバー(本実施例1では、スタートレバー135)と、各々のリールに対応して設けられ、リールの回転を個別に停止させるためのストップボタン(本実施例1では、ストップボタン127〜129)と、を更に備え、停止時のリールにより表示される図柄の組合せが、役に対応して予め定められた図柄の組合せである場合に役に入賞するように構成されているため、遊技台の中でも特にスロットマシンに好適である。
又、本実施例1に係るスロットマシン100は、複数種類の図柄が施された複数のリール(本実施例1では、リール110〜112)と、予め定められた役の内部当選の当否を抽選する抽選手段(本実施例1では、入賞役内部抽選処理)と、遊技者によるリール停止操作に基づいてリールを停止させることが可能であると共に、リールの回転開始から所定のリール自動停止時間経過後にリールの回転を自動停止させるリール自動停止制御手段(本実施例1では、自動停止制御処理)を含んでなるリール停止制御手段(本実施例1では、リール制御処理)と、を備えた遊技台であって、リール自動制御手段は、自動停止時間経過後に、リールの図柄位置として、停止済のリールである場合には当該停止済リールの停止時の図柄位置である停止図柄位置を、回転中であって前記自動停止の対象となっている対象リールである場合には当該対象リールの図柄切替時の図柄位置である図柄切替位置を、回転中であって前記自動停止の対象となっていない対象外リールである場合には仮停止図柄位置を、それぞれ設定する設定手段(本実施例1では、主として自動停止制御処理のステップS605〜S612が該当)と、自動停止前に、設定手段によって設定されたリールの図柄位置に基づいて役が成立するか否かを事前判定する事前判定手段(本実施例1では、事前入賞判定処理)と、を備え、リール自動停止制御手段は、事前判定手段によって役が成立しないと事前判定された場合に、設定手段によって設定されたリールの図柄位置でリールを自動停止させ、設定手段は、事前判定手段によって役が成立すると事前判定された場合に、リールの図柄位置として、役が成立しない図柄位置を再設定するため、役の成立・不成立の判断を簡素化することができ、役が成立しないようにリールを自動停止させる場合であっても従来よりも制御負担を軽減することができる。しかも、遊技者はリールの自動停止を回避すべくリールが自動停止される前に自身の操作によってリールを停止するようになり、遊技者によるリール停止操作を促進し、遊技台の稼働率を向上させることが可能で、遊技店の売り上げの低下を効果的に防止することができる。又、遊技者が違和感を覚えることなくリールを自動停止させることができる。
次に、図面を用いて、本発明の実施例2に係るスロットマシン(遊技台)について詳細に説明する。
<全体構成>
図21はスロットマシン200の外観斜視図を示したものである。
まず、図21を用いて、本実施例2に係るスロットマシン200の全体構成について説明する。なお、上記実施例1に係るスロットマシン100と同一の部分については、図中において同一の符号を付す事とし、その説明は省略する。
スロットマシン200の本体101には、上部にメインリール202が配設されていると共に、中央部には演出サブリール(以下、単に「演出リール」という場合がある。)204が配設されている。
メインリール202は、外周面に上記図4に示した複数種類の図柄が配置された3個のリール110〜112によって構成されている。一方、演出サブリール204は、外周面にメインリール202とは異なる複数種類の図柄が所定コマ数だけ配置され、且つ、メインリール202の各リール110〜112よりも大径の3個のリールによって構成されている。このように、本実施例2に係るスロットマシン200は、演出サブリール204がメインリール202よりも大きいため、演出サブリール204が遊技者に視認し易い上に、遊技者はこの演出リール204によって遊技を進行することができるようになっている。
<制御部>
次に、図22及び図23を用いて、このスロットマシン200の制御部の回路構成について詳細に説明する。
スロットマシン200の制御部は、上記実施例1に係るスロットマシン100と共通の主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部500と、によって構成されている。
副制御部500は、上記実施例1の副制御部300からライン表示LED420を省くと共に、扉・液晶画面制御部に代えて演出リール制御部206を備えたものである。
スロットマシン200のメインリール202は、主制御部300のリールモータ駆動部330によって制御され、演出サブリール204は、副制御部500の演出リール制御部206によって制御される。
<図柄配列>
次に、図24を用いて、上述のメインリール202及び演出サブリール204の各リールに施される図柄配列について説明する。図24(A)はメインリール202の各リールに施される図柄の配列を、又、図24(B)は演出サブリール204の各リールに施される図柄の配列を展開して示した図である。なお、メインリール202及び演出サブリール204の図柄配列は、本実施例2で示す図柄配列に限定されるものではなく、例えば、メインリール202に演出サブリール204の図柄を配置してもよい。
図24に示されるように、メインリール202及び演出サブリール204の各リールには、複数種類の図柄が所定コマ数(本実施例2では、メインリール202が番号0〜17の18コマ、演出サブリール204が番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。又、同図の左端に示した番号0〜17及び0〜20は、メインリール202及び演出サブリール204の各リールの図柄の配置位置を示す番号(図柄番号)である。
例えば、本実施例2では、メインリール202の左リール(左回胴)の番号1のコマには「□」の図柄、中リール(中回胴)の番号2のコマには「△」の図柄、右リール(右回胴)の番号0のコマには「×」の図柄、がそれぞれ配置されている。又、演出サブリール204の左リールの番号1のコマには「リプレイ」の図柄、中リールの番号2のコマには「俵」の図柄、右リールの番号2のコマには「松」の図柄、がそれぞれ配置されている。更に、演出サブリール204の各リールの番号8〜10には「×」で示されるブランク図柄が配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図25を用いて、スロットマシン200の入賞役の種類について説明する。
遊技状態毎に以下に説明する入賞役が採用されている。なお、各遊技状態における入賞役の種類は、本実施例2で示す入賞役に限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
図25は、通常遊技における入賞役の図柄組合せと、メダルの払出枚数(配当)とを示した図である。
通常遊技の入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役がある。
「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナスゲーム(BBゲーム)が開始される特別役(作動役)である。対応する入賞図柄組合せは本実施例2の場合、「■−◆−●」である。又、本実施例2ではBBについてフラグ持越しを行う。すなわち、BBに内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM313の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBBに入賞しなかったとしても、入賞するまでフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBBに内部当選中とする。
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が開始される特殊役(作動役)である。対応する入賞図柄組合せは本実施例1の場合、「◇−▽−★」である。なお、本実施例1ではRBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により、次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行わない。なお、対応する入賞図柄組合せは、本実施例1の場合、「◎−▲−▼」である。
「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する入賞図柄組合せは、本実施例1の場合、「○−△−×」、「□−any−any」である。対応する払出枚数は、いずれも5枚である。なお、「□−any−any」の場合、左リールの図柄が「□」であればよく、中リールと右リールの図柄はどの図柄でもよい。
<主制御部メイン処理>
次に、図26を用いて、主制御部300のメイン処理について説明する。なお、図26は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
遊技の基本的制御は、主制御部300のMainCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、MainCPU310が同図の主制御部メイン処理を繰り返し実行する。
スロットマシン100に電源が投入されると、まず、各種の初期化処理が実行され、その後、主制御部メイン処理のステップS1201では、メダル投入に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合はメダルの投入が不要である。
ステップS1202では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定する。又、副制御部500に対してスタートレバー受付コマンドを送信する。副制御部500は、このスタートレバー受付コマンドを受信することによって遊技の開始を把握する。
ステップS1203では、有効な入賞ライン114を確定する。
ステップS1204では、乱数発生器317で発生させた乱数を取得する。
ステップS1205では、ステップS1204で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、その入賞役のフラグが内部的にONになる。なお、ステップS1204で取得した乱数値は、入賞役内部抽選のほかにも、リール停止制御テーブルを選択するときの抽選等にも使用してもよい。
ステップS1206では、メインリール202の回転を開始すると共に、副制御部500に対してリール回転開始コマンドを送信し、メインリール202が回転したことを知らせる。又、リール自動停止タイマを初期値(本実施例2では170)に設定する。本実施例2では、リール自動停止タイマは、1.877msのタイマ割り込み処理中において206.47ms毎に1だけ減算するように構成されており、リール自動停止時間は35.0999s(=206.47ms×170)に設定されている。
ステップS1207では、副制御部500に対してストップボタン操作コマンドを送信し、ストップボタン137〜139が押されたことを知らせる。又、リール停止時に副制御部500に対してリール停止関連コマンドを送信し、リール停止情報や停止図柄位置情報などを送信する。
ステップS1208では、有効化された入賞ライン114上に、内部当選した入賞役又はフラグ持越し中の入賞役に対応する入賞図柄組合せが揃った(表示された)場合にその入賞役に入賞したと判定する。又、入賞した場合には、副制御部500に対して入賞コマンドを送信する。
ステップS1209では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
ステップS1210では、遊技状態制御処理を行う。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BB入賞やSRB入賞の場合に次回からBBゲーム又はSRBゲームを開始できるよう準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。
以上により1ゲームが終了し、以降、主制御部メイン処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<副制御部メイン処理>
次に、図27を用いて、副制御部500のメイン処理について説明する。なお、図27は副制御部500のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1301では、主制御部300からのコマンドを受信したか否かを判断する。何らかのコマンドを受信した場合はステップS1302に進み、コマンドを受信していない場合はステップS1301の判定を繰り返し実行し、コマンド受信待ちとなる。
ステップS1302では、主制御部300から受信したコマンドを解析する。
ステップS1303では、演出処理(詳細は後述)を行う。
副制御部500のSubCPU410は、以上の処理を、電源断等を検知しないかぎり繰り返し実行する。
<演出処理>
次に、図28を用いて、上記副制御部500のメイン処理における演出処理(ステップS1303)について説明する。なお、図28は演出処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1401では、リール回転開始コマンドを受信したか否かを判断する。そして、リール回転開始コマンドを受信した場合にはステップS1402に進み、受信していない場合にはステップS1403に進む。
ステップS1402では、演出リール停止タイマに初期値をセットする。なお、この演出リール停止タイマは、副制御部500のタイマ割り込み処理内で所定時間毎にカウントアップされる。
ステップS1403では、ストップボタン操作コマンドを受信したか否かを判断する。そして、ストップボタン操作コマンドを受信した場合にはステップS1412に進み、受信していない場合にはステップS1404に進む。
ステップS1404では、リール停止関連コマンドを受信したか否かを判断する。そして、リール停止関連コマンドを受信した場合にはステップS1405に進み、受信していない場合にはステップS1406に進む。
ステップS1405では、メインリール202の停止リール情報を設定する。
ステップS1406では、入賞コマンドを受信したか否かを判断する。そして、入賞コマンドを受信した場合にはステップS1407に進み、受信していない場合にはステップS1409に進む。
ステップS1407では、入賞の演出を行う。
ステップS1408では、演出リール停止タイマをリセットする。
ステップS1409では、演出リール停止タイマが0であるか否かを判断する。そして、演出リール停止タイマが0で無い場合には、ステップS1410でその他の演出処理を行い、演出リールタイマが0である場合にはステップS1411に進む。
ステップS1411では、演出リール自動停止処理(詳細は後述)を行う。
ステップS1412では、演出リール停止処理(詳細は後述)を行う。
<演出リール自動停止処理>
次に、図29を用いて、上記演出処理における演出リール自動停止処理について説明する。なお、図29は演出リール自動停止処理の流れを示すフローチャートである。なお、この演出リール自動停止処理は、上記実施例1に係る自動停止制御処理の構成と略同一であるため、同一の処理については適宜、説明を省略する。
この演出リール自動停止処理では、上記図12に示される図柄位置情報テーブルと、図30に示される仮停止図柄テーブル1〜3(上記図13に示される仮停止図柄テーブル1〜3に対応)が用いられる。なお、本実施例2では、仮停止図柄位置としてブランク図柄を用いているが、上述の通り、仮停止図柄位置は入賞の判定を行うために用いられる便宜上の停止図柄位置に過ぎないため、本発明はこれに限定されるものではない。又、このブランク図柄は、遊技者によるリール停止操作に基づいてリールを停止させる場合に用いられるリール停止位置テーブルに適用することもでき、更に、内部当選の結果に応じて、自動停止に使用したり、遊技者によるリール停止に使用したりすることができる。
図29に示されるように、演出リール自動停止処理のステップS1501では、メインリール202の停止リール情報を取得する。
ステップS1502では、演出サブリール204の図柄切替情報を確認する。なお、演出サブリール204の図柄切替情報の更新処理は、上記実施例1における定速処理と同様の処理であるため、その説明は省略する。
ステップS1503では、ステップS1501における図柄切替情報の確認の結果、図柄が切り替わったか否かを判断する。そして、図柄が切り替わっている場合にはステップS1504に進み、そうでない場合にはステップS1502に進む。
以下、ステップS1504〜ステップS1513の処理は、上記実施例1に係る自動停止制御処理のステップS603〜ステップS612と同一の処理である。即ち、演出サブリール204の各リールに対して、停止図柄位置情報、図柄切替時の図柄位置情報、仮停止図柄位置情報のいずれかを設定する。
ステップS1514では、全てのリールに対して図柄位置情報が設定済みであるか否かを判断する。そして、全てのリールの図柄位置情報の設定が完了した場合にはステップS1515に進み、そうでない場合にはステップS1504に進み、他のリールの設定を継続する。
ステップS1515では、事前判定処理(詳細は後述)を行う。
ステップS1516では、事前判定フラグを確認して、ステップS1517で事前判定フラグが設定されているか否かを判断する。そして、事前判定フラグが設定されている場合にはステップS1518に進み、そうでない場合には処理を終了する。
ステップS1518では、演出リール自動停止フラグを設定して、処理を終了する。
<事前判定処理>
次に、図31を用いて、上記演出リール自動停止処理における事前判定処理について説明する。なお、図31は事前判定処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1601では、事前判定フラグをクリアし、初期化する。
ステップS1602では、上記演出リール自動停止処理において設定された図柄位置情報を取得する。なお、取得される図柄位置情報は、ステップS1509で設定される停止図柄位置情報、ステップS1510で設定される図柄切替時の図柄位置情報、ステップS1513で設定される仮停止図柄位置情報である。
ステップS1603では、有効な演出ライン(演出サブリール204の有効ライン)のライン数を取得する。
ステップS1604では、ステップS1602で取得した演出サブリール204の各図柄位置情報を読み出し、ステップS1605で演出サブリール204が入賞を示す報知態様で停止しているか否かを判断する。そして、入賞を示す演出態様で停止している場合にはステップS1606に進み、そうでない場合にはステップS1609に進む。
ステップS1606では、単図柄による入賞を示す報知態様であるか否かを判断する。そして、単図柄による入賞を示す報知態様の場合にはステップS1607に進み、そうでない場合にはステップS1608に進む。
ステップS1607では、停止予定のリールに単図柄があるか否かを判断する。そして、単図柄がある場合にはステップS1608に進み、そうでない場合にはステップS1609に進む。
ステップS1608では、事前判定結果情報に入賞報知を示す情報を設定する。
ステップS1609では、事前判定結果情報に非入賞報知を示す情報を設定する。
ステップS1610では、事前判定結果情報を保存する。
ステップS1611では、ステップS1603で取得した全ての演出ラインについて入賞報知の判定を行ったか否かを判断する。そして、全ての演出ラインについて入賞報知の判定を行った場合にはステップS1612に進み、そうでない場合にはステップS1604に進み、他の演出ラインの入賞判定を行う。
ステップS1612では、事前判定結果情報に入賞報知を示す情報が設定されているか否かを判断する。そして、入賞報知を示す情報が設定されている場合にはステップS1613に進み、入賞報知を示す情報が設定されていない場合にはステップS1614に進む。
ステップS1613では、入賞報知を示す事前判定フラグを設定して、処理を終了する。
ステップS1614では、非入賞報知を示す事前判定フラグを設定して、処理を終了する。
本実施例2に係るスロットマシン200によれば、複数種類の図柄が施された複数のリール(本実施例1では、演出サブリール204の各リール)と、予め定められた役の内部当選の当否を抽選する抽選手段(本実施例2では、入賞役内部抽選処理)と、遊技者によるリール停止操作に基づいてリールを停止させることが可能であると共に、遊技の開始から所定のリール自動停止時間経過後にリールの回転を自動停止させるリール自動停止制御手段(本実施例2では、演出リール自動停止処理)を含んでなるリール停止制御手段(本実施例2では、演出処理)と、を備えた遊技台であって、リール自動停止制御手段は、自動停止時間経過後に、リールの状況に基づいてリールの図柄位置を設定する設定手段(本実施例2では、主として演出リール自動停止処理のステップS1506〜S1513が該当)と、自動停止前に、設定手段によって設定されたリールの図柄位置に基づいて役が成立するか否かを事前判定する事前判定手段(本実施例2では、事前判定処理)と、を備え、事前判定手段によって役が成立しないと事前判定された場合に、リールを自動停止させるため、役の成立・不成立の判断を簡素化することができ、役が成立しないようにリールを自動停止させる場合であっても従来よりも制御負担を軽減することができる。しかも、遊技者はリールの自動停止を回避すべくリールが自動停止される前に自身の操作によってリールを停止するようになり、遊技者によるリール停止操作を促進し、遊技台の稼働率を向上させることが可能で、遊技店の売り上げの低下を効果的に防止することができる。
なお、本発明に係るスロットマシンは、上記実施例1及び2に係るスロットマシンの構成に限定されるものではない。
従って、例えば、図32及び図33に示されるようなエラータイマを用いてリールの自動停止を行うようにしてもよい。
なお、図32は、上記図7に示したリール回転処理におけるステップS205をステップS207に変更したものであり、このリール回転処理のステップS207では、エラータイマに初期値を設定する。又、図33は、上記図10に示した停止ボタン受付処理におけるステップS504を削除し、且つ、ステップS506及びS508を、ステップS512〜S516に変更したものであり、この停止ボタン受付処理におけるステップS512では、リール回転開始処理のステップS207で設定したエラータイマが0であるか否か、即ち、リール回転開始から所定のエラー時間が経過したか否かを判定する。そして、所定のエラー時間が経過した場合にはステップS513において回転中のリールを現在位置で停止する。
例えば、図34(B)に示されるように、エラー時間が経過した場合に液晶表示装置157やスピーカ483からエラーを報知すると共に、図34(A)に示されるように、遊技店に設置された各遊技台208からホールコンピュータ210に対して、エラーの発生を知らせるエラー信号やエラーの解除を知らせるエラー解除信号などを送信するように構成すれば、遊技店側がエラーの発生を確実に把握することができ、エラーの解除を迅速に行うことが可能となる。そのため、遊技台の稼働率の低下を防止することが可能となる。又、店内に監視カメラ212を設置し、エラーが発生した遊技台を撮影するようにすれば、エラーが発生した遊技台の遊技者に対して注意を行うなどの対策を講じることが可能で、又、不正行為などの証拠映像を撮像することもできる。
上記実施例1及び2においては、メダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシンの例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技球(例えば、パチンコ玉)を遊技媒体としたスロットマシン(いわゆるパチロット)等にも適用可能である。