JP4619715B2 - 有害生物防除剤 - Google Patents

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Description

本発明は、有害生物防除剤および該有害生物防除剤を用いる有害生物の防除方法に関する。
湖沼、池、井戸、水路や貯水槽における害虫の防除では種々の有害生物防除剤が使用されている。かかる有害生物防除剤として、一般には有害生物防除成分を含有する粒剤、粉剤、水和剤等の製剤が使用されているが、これらの製剤を処理した後に有害生物防除成分の残存状態を直接判定することは困難であり、有害生物防除成分の残存状態は防除対象害生物の発生の有無により判断せざるを得ないのが実情であった。即ち、有害生物防除剤を処理した後しばらくたってから、処理した有害生物防除成分の有効性の残存状態を判定することは、困難を伴う場合があった。
特開平6−279204号公報 特開2003−126879号公報
ところで、湖沼、池、井戸、水路や貯水槽等の水域に生息する有害生物の中には、例えばデング熱等の人命に関わる重大な疾病を媒介する蚊などの害虫もある。これらの害虫の発生は継続して抑制されることが重要であり、これらの害虫を防除するためには有害生物防除剤を処理した後しばらくたってから、処理した有害生物防除成分の有効性の残存状態を判定し、有害生物防除剤の有効性の減少に応じて有害生物防除剤を追加処理することが重要となる。
本発明は、湖沼、池、井戸、水路や貯水槽等の比較的水が滞留した水域における有害生物の防除において、処理した有害生物防除成分の有効性の残存状態を簡便に判定することができ、有効性の残存状態の判定に基づいた適量の追加施用が可能な有害生物防除剤を提供することを課題とする。
本発明は、支持担体に有害生物防除成分が担持されてなる有害生物防除剤であって、有効量の前記有害生物防除成分が前記支持担体に担持された状態では水中に沈み、前記有害生物防除成分が水中に放出された後には水面に浮上することを特徴とする有害生物防除剤(以下、本防除剤と記す。)および本防除剤を有害生物が生息する水域に処理することを特徴とする有害生物の防除方法に関するものである。
本防除剤を、貯水槽、池、湖沼、水田等の比較的水が滞留した水域に処理すると、有効量の有害生物防除成分が支持担体に担持された状態では水中に沈み、有害生物防除成分が水中に放出された後には水面に浮上するので、処理した有害生物防除成分の有効性の残存状態を、支持担体が水面に浮上することを観察して簡便に判定することができる。さらに、水面に浮上した数だけ、新しい本防除剤を追加して処理することで、継続して有害生物防除成分の有効性を維持させることができる。
本防除剤は有効量の有害生物防除成分が支持担体に担持された状態では水中に沈み、有害生物防除成分を徐々に放出する。そして、有害生物防除成分が水中に放出された後には、水面に浮上するものである。
本防除剤に用いられる有害生物防除成分(以下、本防除成分と記す。)は、20℃において1よりも大きい比重を有するものである。本防除成分の20℃における比重は、本防除剤の使用時の水への沈降性および本防除成分放出後の水面浮上性の点から、好ましくは1.05〜2の範囲である。
本防除成分の水に対する溶解性は、必要とされる有効濃度、必要とされる有効期間、製剤の形状や構成により様々であり、特に限定されるものではないが、水中にある程度の濃度で溶解して有害生物の防除活性を発揮することができ、かつ、水に対する溶解性が高すぎて短期間で効力低下することがないように、25℃において0.01〜1000ppmの範囲であることが好ましい。
本防除成分の具体例としては以下のものが挙げられる。
殺虫成分:テトラメトリン、レスメトリン、プラレトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、フェノトリン、シフェノトリン、フェンバレレート、シハロスリン、エトフェンプロックス、イミプロスリン、フェンプロパトリン、シクロプロトリン、エンペントリン、除虫菊エキス、フラメトリンなどのピレスロイド化合物、ダイアジノン、DDVP、フェニトロチオン、マラチオン、クロルピリホスメチル、テメホス、フェンチオン、トリクロルホン、ピリダフェンチオン、プロチオホス、プロペタンホスなどの有機燐化合物、プロポキスル、ベンチオカーブ、カルバリル、メトキサジアゾン、BPMCなどのカーバメイト化合物、ピリプロキシフェン、メトプレン、ジフルベンズロン、ルフェヌロン、フェノキシカーブなどの昆虫生長制御活性化合物(IGR);
防かび成分:PCP、PCP−Na、p−クロロ−m−キシレノール、ペンタクロロフェノール、4−クロロ−2−フェニルフェノール、N−(トリクロロメチルチオ)フタラミド、N,N−ジメチル−N’−フェニル(N’−フルオロジクロロメチルチオ)−4−シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシミド、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、ビス(トリ−n−ブチルスズ)オキサイド、トリブチルスズラウレート、10,10’−オキシビスフェノキシアルシン、チアベンダゾール;
抗菌成分:アゾキシストロビン、オキソリニック酸、オキシカルボキシン、オキシテトラシクリン、フラメトピル、フルアジナム、フルスルファミド、プロピコナゾール、プロシミドン、ヘキサコナゾール、ペフラゾエートなど。
本防除成分としては、これらの2種以上の組み合わせにおいて20℃での比重が1.05〜2のものでもよく、防除目的に応じて使用することができる。
なお、上記本防除成分の比重については、例えば市販の比重測定装置により測定したり、ペスティサイドマニュアル等の公知文献に記載された数値又はそれらを組み合わせて算出される数値を採用することにより決定できる。
例えば、デング熱、マラリヤや西ナイル熱などを媒介する蚊の防除においては、本防除剤は飲料用途に供せられる水域に処理される。このため本防除成分としては、ピリプロキシフェンが極少量で蚊の生長を制御でき、かつ、人間や家畜などの脊椎動物に対する高い安全性を有することから特に好ましく使用される。
本防除剤に占める本防除成分の比率は、本防除成分の放出前後における十分な比重変化を確保する点等から、1〜30重量%の範囲であるのが好ましい。
本防除剤に使用される支持担体としては、本防除成分の担持能力と水中での形状保持性を有するものが使用される。本防除剤に使用される支持担体の20℃における比重(見掛け比重)は、本防除剤使用開始時における沈降性と本防除剤放出後の浮上性等の点から、通常0.60〜0.99、好ましくは0.90〜0.99の範囲である。
本防除剤に使用される支持担体の材質としては、例えば樹脂が挙げられる。ここで樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の樹脂そのもののみならず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の樹脂材料にエラストマー材料及び/又は無機化合物、有機化合物等の充填剤などを1種または2種以上を添加したものの含まれる。また、樹脂に発泡剤を加えて製造される発泡樹脂であってもよい。支持担体が発泡樹脂である場合も比重(見掛け比重)は、通常0.60〜0.99の範囲に調整される。
なお、本発明において比重とは、その物質の質量の、それと同体積の4℃の水の質量に対する比を意味する。
熱可塑性樹脂の具体例としては、アクリロニトリル/アクリリックスチレン樹脂(AAS),アクリロニトリル/エチレン/プロピレン/ジエン/スチレン樹脂(AES)、アクリロニトリル/スチレン樹脂(AS)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(ABS)、液晶ポリマー、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン/ブチルアクリレート共重合体(EBA)、エチレン/ビニルアルコール共重合体(EVOH)、塩素化ポリ塩化ビニル(PVC−C)、塩素化ポリエチレン(PE−C)、塩素化ポリプロピレン(CPP)、全芳香族ポリエステル、フェノキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリアクリレート、ポリアセタール、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、ポリサルホン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメタクリル酸メチル、メチルペンテンポリマー、ポリヒドロキシブチレート、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリアジペート、ポリサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリテトラメチレンアジペート、ポリエチレンサクシネートなどが挙げられる。
熱硬化性樹脂の具体例としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、珪素樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。
エラストマー材料としては、例えばアクリルゴム、アクリロニトリル/ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、エチレン/プロピレンゴム、エチレン/プロピレン/ジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、スチレン/ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、フッソゴムなどが挙げられる。
無機化合物の充填剤の具体例としては、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン、アルミナ繊維などの酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウムなどの水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、ドーソナイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩または亜硫酸塩、タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイトなどのケイ酸塩、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素中空球などの炭素などが挙げられる。
有機化合物の充填剤の具体例としては、松、樫、鋸くずなどの木粉、アーモンド、ピーナッツ、モミ殻などの殻繊維、木綿、ジュート、紙細片、セロハン片、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、芳香族ポリアミド繊維、デンプン、エステル化デンプン、酢酸セルロース、キトサンなどが挙げられる。
支持担体に充填剤が用いられる場合、その量は樹脂に対して通常5〜50重量%の割合であり、支持担体の20℃における比重(見掛け比重)が1よりも小さいように(通常0.60〜0.99の範囲)樹脂の種類等に応じて適宜決められる。
発泡剤としては、無機分解性発泡剤、有機分解性発泡剤、ガス状発泡剤、揮発性発泡剤等を挙げることができる。無機分解性発泡剤としては例えば、炭酸アンモニウム、重炭酸ソーダ、水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられ、有機分解性発泡剤としては例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、アゾヘキサヒドロベンゾニトリル、アゾジカルボンアミド、ジアゾアミノベンゼン等のアゾ化合物、ベンゼンスルホヒドラジド、ベンゼン‐1,3‐ジスルホヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホヒドラジド、ジフェニルオキシド−4,4’−ジスルホヒドラジド等のスルホヒドラジド化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジニトロソ‐N,N’−ジメチルテレフタルアミド等のニトロソ化合物、テレフタルアミド、p−tert−ブチルベンズアジド等のアジド化合物が挙げられ、ガス状発泡剤としては例えば、炭酸ガス、プロパン、メチルエーテル、二塩化二弗化メタン、ブタン等が挙げられ、揮発性発泡剤としては例えばエーテル、石油エーテル、アセトン、ヘキサン等が挙げられる。その他、支持担体は、その成形過程で支持担体用材料の溶融体を攪拌するなどして空気を混入させたあと冷却等により該材料中に空気を気泡として閉じ込めた発泡体であってもよい。
発泡剤は支持担体が発泡樹脂である場合に支持担体の製造工程で用いられるものである。発泡剤の使用量は、得られる支持担体の20℃における比重(見掛け比重)が1より小さい(通常0.60〜0.99の範囲)となるように適宜決められる。
本防除剤は、支持担体用材料に本防除成分を混合・混練した混合物を、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂に通常用いられる成形法である押出成形、射出成形、カレンダー成形、圧縮成形、積層成形、トランスファー成形、ブロー成形、真空成形、スラッシュ成形、回転成形、注入成形、粉末成形等で賦形して製造される。
また、鋳物の成形法であるシェルモールド法、ホットボックス法、コールドボックス法等でも賦形することができる。本防除剤は賦形した成形体をスリット加工、スライス加工、ペレット加工、粉砕加工などの二次加工により形状を変更してもよい。
本防除剤は、本防除成分を含まない支持担体材料または一部の本防除成分を含む支持担体材料を賦形したあと、本防除成分の残りを、含浸させたり、表面に塗布して製造することもできる。この方法は、特に支持担体が発泡体など空孔の多い構造体である場合には有効である。賦形した支持担体に本防除成分を含浸させる方法としてはディップ法、注型法やスプレー法等が挙げられる。賦形した支持担体表面に本防除成分を塗布する方法としては、スプレッドコーティング、ディップコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング、スクリーンコーティング、ディップ成形、スラッシュ成形、回転成形、注型等が挙げられる。
本防除剤は、使用開始前の有効量の有害生物防除成分が支持担体に担持された状態において比重が1より大きく、20℃における比重は通常1.01〜1.29の範囲内である。
本防除剤は、例えば有害生物が生息する水域(貯水槽、池、湖沼、水田等)に、有害生物の防除効力が発揮される数を投入等により処理して施用する。有害生物が生息する水域に施用された本防除剤は、本防除剤から本防除成分が水中に徐放(徐々に放出すること)される。本防除剤は有効量の本防除成分が支持担体に担持された状態において水より比重が大きいので、本防除剤は有害生物が生息する水域に施用された際には水底に沈む。そして、本防除剤は本防除剤から本防除成分が放出されている間、水底に沈んだ状態が保たれる。本防除剤は、本防除成分の放出が終了に近づき実質的に本防除成分を含有しなくなると、支持担体が水より比重が小さいために、水面に浮上する。従って水面への浮上の有無を確認することにより、本防除剤の有効性を容易に判定することができる。
例えば、防火水槽や溜池、さらには飲料用水槽等では、比較的長期間にわたって雑菌やボウフラなどの水中有害生物の発生を防止する効果を持続させることが必要となる。そこで、かかる水域に本防除剤を処理し、一定期間経過後、本防除剤が水面に浮上してきたら、それを掬い取って、掬い取った本防除剤と同数の新たな本防除剤を処理することにより、簡便かつ確実に水中有害生物の発生を防止する効果を長期間安定的に持続させることが可能となる。
本防除剤が対象とする有害生物としては、ハエ目蚊科に属するアカイエカ、ネッタイイエカ、チカイエカ、コガタアカイエカ、トラフカクイカ、ハマダラカ、ヒトスジシマカ、ネッタイシマカ、トウゴウヤブカ、キンイロヤブカ、セスジヤブカ、オオクロヤブカ、アシマダラヌマカ、キンパラナガハシカ、シマハマダラカ、コガタハマダラカ、チョウバエ科に属するホシチョウバエ、オオショウバエ、ユスリカ科に属するセスジユスリカ、オオユスリカ、アカムシユスリカ、シマユスリカ、オオヤマチビユスリカ、カゲロウ目シロカゲロウ科に属するオオシロカゲロウ、トビケラ目シマトビケラ科に属するコガタシマトビケラ、オオシマトビケラ、ナカハラシマトビケラ、粘管目ヒメトビムシ科に属するムラサキトビムシ、水中や容器壁に発生付着するカビ類や菌類等を挙げることができ、これらの対象とする有害生物は本防除剤に担持された本防除成分の種類に応じて変化する。
以下、本発明を実施例にてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
試験方法
各実施例または比較例においてペレットまたは試験片を製造し、表1に示す個数だけ、1m3の水中(約20℃)に投入する。この水中には約20−30匹のボウフラが生息している。試験開始から32日経過までに4日目毎に水より比重が軽くなり水面上に浮上したペレットまたは試験片は網ですくいとり、同数の新しいペレットまたは試験片を水中(約20℃)に投入し、最初に投入した個数だけ水中(約20℃)に存在させるようにして試験を行う。4日目ごと32日目経過までのペレットまたは試験片の水面上への浮上個数と新規に投入したペレットまたは試験片の個数を表2に示す。また、4週目ごと32週目経過までの水中に存在するペレットまたは試験片の個数を表3に、ヒトスジシマカの幼虫から成虫への羽化率の結果を表4に示す。
実施例1
酢酸ビニル含有量が6重量%でメルトインデックスが7、比重が0.92のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂85重量%と比重が2.7の炭酸カルシウム15重量%からなる樹脂コンパウンドを、シリンダー温度180℃、ダイ出口温度180℃に設定したベント孔付き一軸押出機で46rpmのスクリュー回転数にて押出した。シリンダーの途中にあるベント孔に取り付けた液体添加装置を用いて、55℃で加熱溶融したピリプロキシフェン(20℃での比重:1.23)をシリンダー中で溶融状態にある樹脂コンパウンドに混合・混練した。液体添加装置のポンプの回転数を調整することで、樹脂コンパウンド100重量部に対してピリプロキシフェンを5重量部の割合で混合・混練した。ダイから押出された直径2.9mmのストランドをペレタイザーで4mm長に切断し、1個当たりの重量が平均で26mgのペレットを作成した。作成したペレットの20℃での比重は1.03であった。また、支持担体の比重は0.98(20℃)であった。
得られたペレットを20個最初に水中に投入した。16日目に16個のペレットが水面上に浮上したので同数の新しいペレットを水中に投入した。20日目で4個のペレットが水面上に浮上したので同数の新しいペレットを水中に投入した。32日目に8個のペレットが水面上に浮上したので同数の新しいペレット水中に投入し、水中に存在する個数を20個にした。羽化率は32週目まで0%であった。この結果から、水面に浮上したペレットを掬い取って新しいペレットと取り替えることで、長期間に亘り害虫を防除することが可能なことがわかる。
比較例1
酢酸ビニル含有量が6重量%でメルトインデックスが7、比重が0.92のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂95重量%と比重が2.7の炭酸カルシウム5重量%からなる樹脂コンパウンドを、シリンダー温度170℃、ダイ出口温度180℃に設定したベント孔付き一軸押出機で46rpmのスクリュー回転数にて押出した。シリンダーの途中にあるベント孔に取り付けた液体添加装置を用いて、55℃で加熱溶融したピリプロキシフェンをシリンダー中で溶融状態にある樹脂コンパウンドに混合・混練した。液体添加装置のポンプの回転数を調整することで、樹脂コンパウンド100重量部に対してピリプロキシフェン(20℃での比重:1.23)を5重量部の割合で混合・混練した。ダイから押出された直径2.9mmのストランドをペレタイザーで4mm長に切断し、1個当たりの重量が平均で25mgのペレットを作成した。作成したペレットの20℃での比重は0.96であった。また、支持担体の比重は0.92(20℃)であった。
得られたペレットを20個最初に水中に投入したが、ペレットが水中に沈まず、水面上に浮上したままであった。ペレットを浮上した状態で放置し8日目で試験を中止した。
比較例2
酢酸ビニル含有量が6重量%でメルトインデックスが7、比重が0.92のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂50重量%と比重が2.7の炭酸カルシウム50重量%からなる樹脂コンパウンドを、シリンダー温度190℃、ダイ出口温度190℃に設定したベント孔付き一軸押出機で42rpmのスクリュー回転数にて押出した。シリンダーの途中にあるベント孔に取り付けた液体添加装置を用いて、55℃で加熱溶融したピリプロキシフェン(20℃での比重:1.23)をシリンダー中で溶融状態にある樹脂コンパウンドに混合・混練した。液体添加装置のポンプの回転数を調整することで、樹脂コンパウンド100重量部に対してピリプロキシフェンを5重量部の割合で混合・混練した。ダイから押出された直径2.9mmのストランドをペレタイザーで4mm長に切断し、1個当たりの重量が平均で34mgのペレットを作成した。作成したペレットの20℃での比重は1.37であった。また、支持担体の20℃での比重は1.30であった。
得られたペレットを20個最初に水中に投入した。試験終了時の32週目まですべてのペレットが水中に沈んだままであった。20週目から羽化防止効果がなくなり始め、本防除成分の水中への放出の終点が判明できないために効果のなくなったペレットを新しいペレットと取り替えることが出来ず、羽化防止効果を長期間持続させることが困難である。
比較例3
酢酸ビニル含有量が6重量%でメルトインデックスが7、比重が0.92のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂80重量%と比重が2.7の炭酸カルシウム20重量%からなる樹脂コンパウンドを、シリンダー温度180℃、ダイ出口温度180℃に設定したベント孔付き一軸押出機で46rpmのスクリュー回転数にて押出した。ダイから押出された直径2.9mmのストランドをペレタイザーで4mm長に切断し、1個当たりの重量が平均で27mgのペレットを作成した。作成したペレットの20℃での比重は1.06であった。
得られたペレットを20個最初に水中に投入した。試験終了時の32週目まですべてのペレットが水中に沈んだままであった。4週目から羽化防止効果がなくなった。
実施例2
メチルメタクリレート含有量が10重量%でメルトインデックスが7、比重が0.93のエチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂粉末(平均粒子径500μm)75重量部をヘンシェルミキサー中で攪拌しながら、55℃で加熱溶融したピリプロキシフェン(20℃での比重:1.23)を10重量部を滴下し、樹脂粉末に吸収・含浸させた。さらに比重が2.7の炭酸カルシウム15重量部を攪拌しながら混合し、樹脂コンパウンドを作成した。
この樹脂コンパウンドを、シリンダー温度160℃、ダイ出口温度170℃に設定したベント孔付き一軸押出機で46rpmのスクリュー回転数にて押出した。ダイから押出された直径2.9mmのストランドをペレタイザーで4mm長に切断し、1個当たりの重量が平均で27mgのペレットを作成した。作成したペレットの20℃での比重は1.06であった。また、支持担体の20℃での比重は0.95であった。
得られたペレットを12個最初に水中に投入した。16週目に投入した12個のペレットが浮上したので同数の新しいペレットを水中に投入した。32週目に10個のペレットが浮上したので同数の新しいペレットを水中に投入し水中に存在する個数を12個にした。羽化率は32週目まで0%であった。この結果から、浮上した16週目以降に水面に浮上したペレットを掬い取って新しいペレットと取り替えることで、羽化防止効果を長期間持続可能なことが分かる。
実施例3
メチルメタクリレート含有量が10重量%でメルトインデックスが7、比重が0.93のエチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂粉末(平均粒子径500μm)70重量部をヘンシェルミキサー中で攪拌しながら、比重が2.7の炭酸カルシウム30重量部とADCA(アゾジカルボンアミド)系発泡剤(三協化成株式会社 セルマイクCAP−500)0.1重量部を混合し、樹脂コンパウンドを作成した。この樹脂コンパウンドを、シリンダー温度180℃、ダイ出口温度180℃に設定したベント孔付き一軸押出機で46rpmのスクリュー回転数にて押出した。ダイから押出されたストランドをペレタイザーで4mm長に切断し、1個当たりの重量が平均で22mgのペレットを作成した。作成したペレットの20℃での比重は0.95であった。このペレットを60℃に加熱溶融したピリプロキシフェン(20℃での比重:1.23)中で攪拌してペレットの空孔中にピリプロキシフェンを含浸させた。含浸後のペレット中のピリプロキシフェン含量は12重量%であり、ペレットの20℃での比重は1.05であった。また、支持担体の20℃での比重は0.95であった。
得られたペレットを20個最初に水中に投入した。12週目で6個のペレットが水面上に浮上したので同数の新しいペレットを水中に投入した。16週目で14個のペレットが水面上に浮上したので同数の新しいペレットを水中に投入した。24週目で4個のペレットが水面上に浮上したので同数の新しいペレット水中に投入した。28週目で14個のペレットが水面上に浮上したので同数の新しいペレットを水中に投入した。また、32週目で2個のペレットが水面上に浮上したので同数の新しいペレットを水中に投入し、32週目まで20個のペレットを水中に存在させた。羽化率は32週目まで0%であった。この結果から、浮上した12週目以降に水面に浮上したペレットを掬い取って新しいペレットと取り替えることで、羽化防止効果を長期間持続可能なことが分かる。
実施例4
メチルメタクリレート含有量が10重量%でメルトインデックスが7、比重が0.93のエチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂粉末(平均粒子径500μm)80重量部をヘンシェルミキサー中で攪拌しながら、比重が2.7の炭酸カルシウム20重量部とADCA系発泡剤(三協化成株式会社 セルマイクCAP−500)0.08重量部を混合し、樹脂コンパウンドを作成した。この樹脂コンパウンドを、シリンダー温度180℃、ダイ出口温度180℃に設定したT−ダイ押出機で厚さ4mm、幅500mmのシートを作成した。作成したシートの20℃での比重は0.96であった。イソプロピルアルコールを溶媒とするピリプロキシフェンの30%溶液を作成し、上記シートに厚さ1mmでコーティングし、150℃の乾燥炉で乾燥させ溶媒を揮散させて9.3重量%のピリプロキシフェンを塗工・含浸させた。このシートを4mm角に切断し、試験片を作成した。試験片の重量は66mgで、20℃での比重は1.05であった。また、支持担体の20℃での比重は0.96であった。
得られた試験片を12個最初に水中に投入した。8週目で3個、12週目で9個、16週目で2個、20週目で3個、24週目で6個、28週目で6個、32週目で5個の試験片が水面上に浮上したのでそれぞれ同数の新しい試験片を水中に投入した。羽化率は32週目まで0%であった。この結果から、浮上した8週目以降に水面に浮上した試験片を掬い取って新しい試験片と取り替えることで、羽化防止効果を長期間持続可能なことが分かる。
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本発明の有害生物防除剤は、有害生物防除、特に比較的水が滞留した水域における有害生物防除に有用である。

Claims (7)

  1. 20℃での比重が0.60〜0.99の支持担体に、20℃での比重が1.05〜2の有害生物防除成分が担持されてなる有害生物防除剤であって、有効量の有害生物防除成分が支持担体に担持された状態において、20℃での比重が1.01〜1.29であり、有効量の前記有害生物防除成分が前記支持担体に担持された状態では水中に沈み、前記有害生物防除成分が水中に放出された後には水面に浮上することを特徴とする有害生物防除剤。
  2. 支持担体が、20℃での比重が0.90〜0.99の支持担体である請求項1記載の有害生物防除剤。
  3. 支持担体が、樹脂である請求項1または2記載の有害生物防除剤。
  4. 樹脂が、発泡樹脂である請求項記載の有害生物防除剤。
  5. 有害生物防除成分が、殺虫成分である請求項1〜4のいずれか1項記載の有害生物防除剤。
  6. 有害生物防除成分が、ピリプロキシフェンである請求項記載の有害生物防除剤。
  7. 請求項1〜のいずれか1項記載の有害生物防除剤を有害生物が生息する水域に処理することを特徴とする有害生物の防除方法。
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