JP4983986B1 - 防蟻剤を含有する発泡樹脂複合構造体およびその製造方法並びに発泡樹脂複合構造体を用いた白蟻防除方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発泡樹脂製の母材の連通孔に防蟻剤を含有する充填材料を充填して成る発泡樹脂複合構造体であって、難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体およびその製造方法並びに発泡樹脂複合構造体を用いた白蟻防除方法を実現する。
【解決手段】独立気泡構造が形成された発泡ビーズ1c間に空隙1dが形成されるとともに空隙1d間が連通することにより一の面1aから他の面1bに連通した連通孔1eが存在し、かつ、酸素指数が21より大きい母材1と、酸素指数が21より大きく防蟻剤が含有された充填材料4を母材1の空隙1dおよび連通孔1eに充填する充填装置10とを用意し、充填材料4の母材1に対する充填率を充填材料4の種類に応じて0.1〜4.5vol%の範囲から決定し、その決定した充填率にて充填材料4を充填装置10を用いて母材1の空隙1dおよび連通孔1eに充填する。
【選択図】図4

Description

この発明は、発泡樹脂製の母材を利用した防蟻剤を含有する発泡樹脂複合構造体およびその製造方法並びに発泡樹脂複合構造体を用いた白蟻防除方法に関する。
本願発明者らは、先の出願において、差圧発生装置を用い、樹脂水性エマルションなどを発泡樹脂製の母材の連通孔に浸透させる発泡樹脂複合構造体の製造方法を提案した(特許文献1)。
特開2010−89267号公報
本願発明者らは、その後、前述の製造方法により製造した発泡樹脂複合構造体の燃焼性について試験を行った。この試験は、JIS A 9511に規定されている燃焼性の測定方法に従って行った。また、母材として、酸素指数(JIS K 7201に定義されている酸素指数。以下同じ。)が21より大きい発泡樹脂製のものを使用し、充填材料として樹脂水性エマルションなどの酸素指数が21より大きいものを使用した。
その結果、母材に対する充填材料の充填率が特定の充填率以上になると、燃焼性の要件(JIS A 9511の規定においてA種ビーズ法ポリスチレンフォーム保温材の特性の1つとして規定されている要件)を満たすことができなくなるおそれのあることが分かった。
つまり、酸素指数が21より大きい発泡樹脂製の母材に酸素指数が21より大きい充填材料を特定の充填率以上充填すると、発泡樹脂複合構造体の難燃性という特性が損なわれるおそれのあることが分かった。
そこでこの発明は、酸素指数が21より大きい発泡樹脂製の母材の空隙および連通孔に酸素指数が21より大きい充填材料を充填して成り、難燃性が損なわれ難い発泡樹脂複合構造体を実現するとともに、当該発泡樹脂複合構造体に防蟻剤を含有することにより、防蟻性能を付加させることを目的とする。なお、以下において、難燃性の判定は、JIS A 9511の規定においてA種ビーズ法ポリスチレンフォーム保温材の特性の1つとして規定されている燃焼性の要件に基づいて行った。また、防蟻効果の判定等については(社)日本木材保存協会規格 第17号 1992」、防蟻剤処理非木質系製品の室内防除効力試験方法及び性能基準の「はい上がり防止性能試験」に則って実施した。
この発明は、上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明では、隣接する発泡ビーズ(1c)同士が融着することにより独立気泡構造が形成されており、前記発泡ビーズ間に空隙が形成されているとともに、前記空隙間が連通することにより一の面(1a)から他の面(1b)に連通した連通孔(1d)が存在し、かつ、酸素指数が21より大きい母材(1)の前記空隙および連通孔に充填材料(4)を充填して成る発泡樹脂複合構造体(5)であって、前記母材はビーズ法ポリスチレンフォームにより形成されており、前記充填材料は、主成分が有機系物質であり、酸素指数が21より大きく、かつ、前記母材の空隙および連通孔に対する充填率を充填材料の種類に応じて0.1以上4.5vol%以下の範囲から決定したものであり、防蟻剤を含有することを特徴とする。
なお、以下において、ビーズ法ポリスチレンフォームとは、JIS A 9511に規定されたA種ビーズ法ポリスチレンフォーム保温材の特性に一致するビーズ法ポリスチレンフォームのことをいうものとし、通常販売されているものの標準的な酸素指数は26とされている。ここで、ビーズ法ポリスチレンフォームにより形成された母材とは、金型内に発泡ビーズを充填し、それを加熱発泡させて成型した金型の形状通りの発泡樹脂成型体そのもの、あるいは、その発泡樹脂成型体を、加熱したニクロム線などによって溶断して作成された発泡樹脂成型体などのことである。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発泡樹脂複合構造体(5)において、前記有機系物質は塩化ビニリデンであり主成分として含有率85%以上であることを特徴とする。
請求項に記載の発明では、請求項に記載の発泡樹脂複合構造体(5)において、前記母材の空隙および連通孔に対する充填率が、1.0以上4.5vol%以下の範囲から決定されたものであることを特徴とする。
請求項に記載の発明では、請求項に記載の発泡樹脂複合構造体(5)において、前記母材の空隙および連通孔に対する充填率が、1.0以上2.5vol%以下の範囲から決定されたものであることを特徴とする。
請求項に記載の発明では、請求項1ないし請求項のいずれか1つに記載の発泡樹脂複合構造体(5)において、前記充填材料(4)は主成分に有機系の難燃剤を添加したものであることを特徴とする。
請求項に記載の発明では、請求項1ないし請求項のいずれか1つに記載の発泡樹脂複合構造体(5)において、前記防蟻剤がアセタミプリドであることを特徴とする。
請求項に記載の発明では、請求項1ないし請求項のいずれか1つに記載の発泡樹脂複合構造体(5)において、前記母材の空隙および連通孔内に存在する前記充填材料は、その表面の少なくとも一部が当該充填材料と異なる保護材料により覆われることを特徴とする。
請求項に記載の発明では、請求項1ないし請求項のいずれか1つに記載の発泡樹脂複合構造体の製造方法であって、前記母材の一の面に前記防蟻剤を含有した充填材料を配置する第1工程と、前記母材の一の面および他の面間に差圧を発生させて前記一の面に配置された防蟻剤を含有した充填材料を前記母材の空隙および連通孔に充填する第2工程と、前記母材の一の面および他の面間に差圧を発生させて前記一の面から気体を前記母材の連通孔に通す第3工程と、を有することを特徴とする。
請求項に記載の発明では、請求項に記載の発泡樹脂複合構造体の製造方法において、前記第3工程は、前記母材の一の面および他の面間に差圧を発生させて前記一の面から前記第2工程における前記差圧を発生させる際の周囲の温度および湿度よりも高温度かつ低湿度の気体を前記母材の連通孔に通すことを特徴とする。
請求項10に記載の発明では、請求項またはに記載の発泡樹脂複合構造体の製造方法において、前記第3工程にて前記気体を前記母材の連通孔に通した後に、前記母材の空隙および連通孔内に存在する前記充填材料の表面を覆うための保護材料を、前記母材の一の面に配置する第4工程と、前記母材の一の面および他の面間に差圧を発生させて前記一の面に配置された前記保護材料を前記母材の空隙および連通孔に充填する第5工程と、前記母材の一の面および他の面間に差圧を発生させて前記一の面から気体を前記母材の連通孔に通す第6工程と、を有することを特徴とする。
請求項11に記載の発明では、請求項1ないしのいずれか1項に記載の発泡樹脂複合構造体(5)を建築材料として使用する白蟻防除方法を特徴とする。
請求項12に記載の発明では、請求項1ないしのいずれか1項に記載の発泡樹脂複合構造体(5)を建築物の断熱材として使用する白蟻防除方法を特徴とする。
なお、前述の各括弧内の符号は、後述する実施形態との対応関係を示すものである。
(請求項1に係る発明の効果)
本願発明者らの実験によれば、酸素指数が21より大きく防蟻剤が含有され有機系物質が主成分の充填材料を酸素指数が21より大きくビーズ法ポリスチレンフォームにより形成される母材の空隙および連通孔に充填して成る発泡樹脂複合構造体は、充填材料の充填率を充填材料の種類に応じて0.1以上4.5vol%以下の範囲から決定することにより、難燃性が損なわれ難くできるとともに優れた防蟻効果を有することが分かった。
(請求項2に係る発明の効果)
酸素指数が21より大きく防蟻剤が含有され塩化ビニリデンが主成分として含有率85%以上含有される充填材料を0.1以上4.5vol%以下の範囲から決定した充填率で充填した発泡樹脂複合構造体も難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する。特に、充填率を0.1以上2.5vol%以下の範囲から決定すれば、発泡樹脂複合構造体の難燃性がより一層損なわれ難い。
(請求項に係る発明の効果)
特に、請求項に係る発明のように、酸素指数が21より大きく防蟻剤が含有され樹脂が主成分の充填材料を充填する場合は、その充填率の下限値を0.1から1.0vol%に上げ、1.0以上4.5vol%以下の範囲から充填率を決定しても、発泡樹脂複合構造体の難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する。
(請求項に係る発明の効果)
特に、請求項に係る発明のように、酸素指数が21より大きく防蟻剤が含有され樹脂が主成分でありその充填率の下限値が1.0vol%に上げられた充填材料を充填する場合は、その充填率の上限値を4.5から2.5vol%に下げ、1.0以上2.5vol%以下の範囲から充填率を決定すれば、発泡樹脂複合構造体の難燃性がより一層損なわれ難く優れた防蟻効果を有する。
(請求項に係る発明の効果)
防蟻剤が含有され有機系物質が主成分の難燃剤を添加した充填材料を充填する場合も、その種類に応じて請求項1ないし請求項のいずれかに記載の特徴に従って充填率を決定すれば、発泡樹脂複合構造体の難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する。
(請求項に係る発明の効果)
充填材料に含有させる防蟻剤としてアセタミプリドを選択すれば、難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体を提供することができる。
(請求項に係る発明の効果)
母材の空隙および連通孔に充填された充填材料に含有している防蟻剤が上記保護材料により覆われて保護されるため、充填材料中の防蟻剤の溶出量が減少するので、長期間に亘って防蟻効果を持続することができる。
(請求項に係る発明の効果)
充填材料を母材の空隙および連通孔に充填した後に、母材の一の面から気体を母材の連通孔に通すため、充填された防蟻剤を含有した充填材料を母材から排出することができるので、防蟻剤を含有した充填材料の充填率を調節することができる。また、充填ムラを軽減して充填の安定化を図ることができる。
(請求項に係る発明の効果)
第3工程では、母材の一の面から第2工程における差圧を発生させる際の周囲の温度や湿度よりも高温度かつ低湿度の気体を母材の連通孔に通すため、充填された防蟻剤を含有した充填材料のうち不要な分が母材から適度に排出されるとともに、母材の空隙および連通孔を構成する壁面を覆う充填材料の乾燥が促進される。これにより、母材の空隙および連通孔に充填された充填材料の乾燥に必要な乾燥時間を短縮することができる。
(請求項1に係る発明の効果)
母材の空隙および連通孔に充填された充填材料に含有している防蟻剤が上記保護材料により覆われて保護されるため、充填材料中の防蟻剤の溶出量が減少するので、長期間に亘って防蟻効果を持続することができる。
(請求項1に係る発明の効果)
本発明の発泡樹脂複合構造体を建築材料として使用することにより、優れた白蟻防除方法を提供することができる。
(請求項1に係る発明の効果)
本発明の発泡樹脂複合構造体を建築物の断熱材として使用することにより、優れた白蟻防除方法を提供することができる。


母材1の説明図であり、(a)は母材1の斜視図、(b)は(a)に示す領域Dの拡大図である。 図1(b)に示す領域Dのさらなる拡大図であり、(a)は充填材料が空隙に充填されていない状態を示す拡大図、(b)は充填材料が空隙に充填された状態を示す拡大図である。 図1に示す母材に形成された連通孔の模式図であり、(a)は充填材料が連通孔に充填された状態を示す模式図、(b)は充填材料による膜が母材の一の面に形成された状態を示す模式図である。 装置に母材および充填材料がセットされた状態を示す縦断面図である。 実験1〜3の結果をまとめた図表である。 実験4、実験5の結果をまとめた図表である。 各実験で用いた充填材料の詳細を示す図表である。 防蟻剤としてイミダクロプリドを充填材料に含有した場合の実験結果をまとめた図表である。 充填材料を保護材料により保護した場合の実験結果をまとめた図表である。 必要乾燥時間について実験結果をまとめた図表である。
この発明に係る発泡樹脂複合構造体の実施形態ついて図を参照しながら説明する。
[母材の構造]
発泡樹脂複合構造体5を製造するための母材の構造について説明する。
図1は、母材1の説明図であり、(a)は母材1の斜視図、(b)は(a)に示す領域Dの拡大図である。図2は、図1(b)に示す領域Dのさらなる拡大図であり、(a)は充填材料が空隙1dに充填されていない状態を示す拡大図、(b)は充填材料4が空隙1dに充填された状態を示す拡大図である。図3は、図1に示す母材1に形成された連通孔1eの模式図であり、(a)は充填材料4が連通孔1eに充填された状態を示す模式図、(b)は充填材料4の膜4aが母材1の一の面1aに形成された状態を示す模式図である。
図1(b)に示すように、母材1は、ビーズ法ポリスチレンフォーム (以下、略してEPS(Expanded Polystyrene)という)により形成されており、相互に融着した多数の発泡ビーズ1cにより構成されている。隣接する発泡ビーズ1c同士が融着することにより独立気泡構造が形成されており、発泡ビーズ1c間に空隙1dが形成されている。
また、一部の空隙1d同士は連通しており、それにより、図3(a)に示すように、母材1には、一の面1aから他の面1bに連通した連通孔1eが多数形成されている。連通孔1eは、母材1の表面(一の面)1aおよび裏面(他の面)1b間に存在するだけでなく、表面および側面間または裏面および側面間または側面および側面間にも存在する。
[実験]
本願発明者らは、図2(b)に示すように、母材1に形成された空隙1dに防蟻剤が含有された充填材料4を充填するとともに、図3(a)に示すように、この充填材料4を連通孔1eにも充填して発泡樹脂複合構造体5を製造し、当該充填材料4の母材1の空隙1dおよび連通孔1eに対する充填率と発泡樹脂複合構造体5の難燃性および防蟻効果との関係を求めるための実験を行った。図4は、充填装置10に母材1および充填材料4がセットされた状態を示す縦断面図である。図5は実験1〜3の結果をまとめた図表であり、図6は実験4、実験5の結果をまとめた図表である。図7は各実験で用いた充填材料4の詳細を示す図表である。
(製造装置)
この実験において母材1の空隙1dおよび連通孔1eに充填材料4を充填するために用いた充填装置10について図を参照して説明する。
図4に示す充填装置10は、母材1および充填材料4を収容するための容器2と、母材1の一の面1aと他の面1bとの間に差圧を発生させるための減圧装置3とを備える。容器2の上面は開口しており、その内部は中仕切り2aによって上下二つの空間に分かれている。上部空間2bは、母材1および充填材料4を収容する空間に形成されており、下部空間2cは、減圧室2dに形成されている。
中仕切り2aには、上部空間2bから減圧室2dに連通する通気口2eが複数箇所に貫通形成されている。減圧室2dは、減圧室2dの側壁に貫通形成された排気口2fに連通しており、排気口2fは、管3aを介して減圧装置3と接続されている。この実験では、減圧装置3として、減圧室2dの圧力を調整可能な真空ポンプを使用した。
(実験方法)
以下の各実験では、上記の充填装置10を用いた。また、母材1として、大きさが150×25×10(mm)で、酸素指数が21より大きく空隙率が3%のEPS製の母材を用いた。そして、以下の各工程によって母材1に充填材料4を充填して試験片(発泡樹脂複合構造体)を製造した。
母材1を充填装置10の中仕切り2aの上に配置し、その母材1の一の面1aに防蟻剤が含有された充填材料4を配置する(第1工程)。次に、減圧装置(真空ポンプ)3を作動させ、母材1の一の面1aおよび他の面1b間に差圧を発生させて充填材料4を母材1の空隙1dおよび連通孔1eに充填する(第2工程)。次に、母材1の一の面1aから充填材料4が消失した後も減圧装置3を作動させて母材1の一の面1aから空気を吸引し、充填材料4の母材1の空隙1dおよび連通孔1eに対する充填率を制御するとともに充填ムラを軽減して充填の安定化を図る(第3工程)。また、充填材料4に混合する水量を調節することにより、充填材料4の母材1の空隙1dおよび連通孔1eに対する充填率を調節した。
また、充填材料4の母材1の空隙1dおよび連通孔1eに対する充填率は、母材1に充填した充填材料4の重量(g)をA、充填材料4の比重をB、母材1の体積をCとして、充填率(vol%)=(A/B)/(0.03×C)という式を用いて算出した。また、充填装置10によって充填材料4が充填された試験片に対する燃焼性試験は、JIS-A-9511に規定されている燃焼性試験方法に従って行った。また、燃焼性試験は、各充填率に対して5回ずつ行った。つまり、1つの充填率に対して計5個の試験片を用いて燃焼性試験を行った。また、式中の「0.03」は本試験で用いた母材1のEPSの空隙率が3%であることからの数値である。
そして、JISに規定の合格基準を満たさなかった試験片の数に基づいて難燃性を評価した。JISに規定の合格基準とは、JIS−A−9511の規定に従って試験を行った結果、3秒間以内に炎が消えて、残じんがなく、かつ、燃焼限界指示線を超えて燃焼しないことである。そして、5個の試験片のうち、合格基準を満たさなかった試験片の数が3〜5個の場合を難燃性が無いとして「×」と評価し、1〜2個の場合を難燃性が損なわれ難い(難燃性が少し劣る)として「△」と評価し、0個の場合を難燃性が損なわれない(難燃性が有る)として「○」と評価した。
また、充填装置10によって防蟻剤が含有された充填材料4が充填された試験片に対する防蟻効果を確認する試験は、「(社)日本木材保存協会規格 第17号 1992」、防蟻剤処理非木質系製品の室内防除効力試験方法及び性能基準の「はい上がり防止性能試験」に則って実施した。即ち、プラスチック容器(縦12cm、横12cm、高さ15cm)に含水率25%の真砂土250gを入れた。この真砂土上に試験片(防蟻剤が含有された充填材料4を所定の充填率で充填したEPS、縦100mm、横100mm、厚さ50mm)を立て、その上にアカマツ辺材(シロアリの餌用、縦3cm、横1cm、厚さ1cm)をのせた。真砂土上に供試虫(職蟻200頭、兵蟻20頭)を放虫し、そして処理21日後の試験体上の蟻道の高さ、試験片への穿孔の有無、防蟻効果を確認した。特に、防蟻効果は、死虫率100%を「A」、死虫率90〜99%を「B」、死虫率70〜89%を「C」、死虫率30〜69%を「D」、死虫率29%以下を「E」として評価した。
〈実験1.難燃性の有機系物質を充填した場合〉
(実験1−1)
防蟻剤が含有された難燃性の有機系物質を充填材料4として母材1に充填して試験片を製造し、その試験片の難燃性を評価した。難燃性の有機系物質として、旭化成ケミカルズ株式会社製造のサランラテックスL131A(サランラテックスは旭化成ケミカルズ株式会社の登録商標)を用いた。
サランラテックスL131Aは、塩化ビニリデン(PVDC(Poly Vinylidene Chloride))を主成分とする水性エマルションであり、酸素指数は21より大きく、一般的に主として難燃バインダーとして用いられる。サランラテックスL131Aの固形分は55%、比重は1.65、粘度は10mPa・s、表面張力は35MN/m、最低成膜温度は12〜18℃である。
また、防蟻剤としては、本実験1−1および以下の各実験において、アセタミプリドが採用されており、このアセタミプリドを20重量部の分散液にして充填材料4に混合し、この混合液を、母材1に含浸(充填)させた後に乾燥し、試験片を製造した。なお、発泡樹脂複合構造体中の防蟻剤は、樹脂エマルション中の防蟻剤濃度が0.5%の場合14.7mg/Lであり、アセトンで抽出、HPLC分析することにより、所定量含浸されていることを確認した。
防蟻剤を含有する分散液の調整方法としては、アセタミプリド(日本曹達)を20.0重量部、含水珪酸アルミニウムを0.5重量部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物を2.0重量部、水を87.5重量部、の割合にて均一に混合して、分散剤とする。なお、この分散液の調整方法は一例であり、当該実施例に限定されるものではない。
実験の結果、図5のNo.1に示すように、サランラテックスL131A(表では、難燃有機(H−PVDC)と記載)の充填率が0.1以上2.5vol%以下の範囲における評価結果は総て○であり、充填率が2.5vol%を超え4.5vol%以下の範囲における評価結果は総て△であった。また、防蟻効果に関する評価結果は全てAであった。
この実験結果より、母材1の空隙1dおよび連通孔1eに対する充填材料4(サランラテックスL131A)の充填率を0.1以上4.5vol%以下の範囲から決定しこの充填材料4に防蟻剤を含有させることで、難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造できることが分かった。
また、充填率の上限値を4.5vol%から2.5vol%に下げ、充填率を0.1以上〜2.5vol%以下の範囲から決定すれば、難燃性が損なわれず優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造できることが分かった。
(実験1−2)
次に、母材1に充填する充填材料4として難燃性の有機系物質、例えば、旭化成ケミカルズ株式会社製造のサランラテックスL106Cを用いこの充填材料4に防蟻剤を含有させて上記の実験を行った。サランラテックスL106Cは、塩化ビニリデン(PVDC)を主成分とする水性エマルションであり、酸素指数は21より大きく、一般的に主として難燃バインダーとして用いられる。サランラテックスL106Cの固形分は55%、比重は1.55、粘度は12mPa・s、表面張力は43MN/m、最低成膜温度は0〜5℃である。
実験の結果、図5のNo.2に示すように、サランラテックスL106C(表では難燃有機(L−PVDC)と記載)の充填率が0.1以上1.0vol%未満の範囲における評価結果は総て○であり、充填率が1.0以上2.5vol%未満の範囲における評価結果は総て△であった。また、防蟻効果に関する評価結果は全てAであった。
この実験結果より、母材1の空隙1dおよび連通孔1eに対する充填材料4(サランラテックスL106C)の充填率を0.1以上2.5vol%未満の範囲から決定しこの充填材料4に防蟻剤を含有させることで、難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造できることが分かった。
また、充填率の上限値を2.5vol%から1.0vol%に下げ、0.1以上1.0vol%未満の範囲から決定すれば、難燃性が損なわれず優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造できることが分かった。
(実験1−3)
次に、防蟻剤が含有された難燃性の有機系物質に可燃性の有機系物質を添加したものを充填材料4として母材1に充填した試験片を用いて前述の実験を行った。難燃性の有機系物質として前述のサランラテックスL131Aを用い、可燃性の有機系物質としてBASFジャパン株式会社製造のアクロナールYJ2720D(ACRONALは、ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアの登録商標)を用いた。アクロナールYJ2720Dは、1液常温架橋性化合物のアクリルスチレン系水性エマルション(AS樹脂)であり、酸素指数は21以下、樹脂固形分は48重量%、比重は1.0、造膜温度は6℃である。
また、サランラテックスL131Aに対するアクロナールYJ2720Dの重量比を5/95、1/9および1/4にそれぞれ設定したものを作成し、それぞれについて同じ実験を行った。
実験の結果、図5のNo.3に示すように、サランラテックスL131Aに対するアクロナールYJ2720D(表では可燃有機/難燃有機(AS/H−PVDC)と記載)の重量比が5/95の試験片は、充填率が0.1以上0.5vol%以下の範囲における評価結果は総て○であり、充填率が0.5を超え2.0vol%未満の範囲における評価結果は総て△であった。また、防蟻効果に関する評価結果は全てAであった。
また、図5のNo.4に示すように、サランラテックスL131Aに対するアクロナールYJ2720D(表では可燃有機/難燃有機(AS/H−PVDC)と記載)の重量比が1/9の試験片は、充填率が0.1以上0.5vol%以下の範囲における評価結果は総て○であり、充填率が0.5を超え1.5vol%未満の範囲における評価結果は総て△であった。また、防蟻効果に関する評価結果は全てAであった。
さらに、図5のNo.5に示すように、アクロナールYJ2720D(表では可燃有機/難燃有機(AS/H−PVDC)と記載)の重量比が1/4の試験片は、充填率が0.1以上0.5vol%未満の範囲における評価結果は総て○であり、充填率が0.5以上1.5vol%未満の範囲における評価結果は総て△であった。また、防蟻効果に関する評価結果は全てAであった。
これらの実験結果より、サランラテックスL131AにアクロナールYJ2720Dを5/95〜1/4の重量比で添加して成る物質を充填材料4として母材1の空隙1dおよび連通孔1eに対する充填率を0.1以上0.5vol%未満の範囲から決定しこの充填材料4に防蟻剤を含有させることで、難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造できることが分かった。
また、難燃性を損なわないで充填率を高めるためには、可燃性の有機系物質であるアクロナールYJ2720Dの添加量を少なくすれば良いことが分かった。
〈実験2.難燃性の無機系物質を充填した場合〉
(実験2−1)
次に、防蟻剤が含有された難燃性の無機系物質を充填材料4として母材1に充填した試験片を用いて前述の実験を行った。難燃性の無機系物質として昭和電工株式会社製造のH−42Mを用いた。H−42Mは、水酸化アルミニウムであり、酸素指数は21より大きく、一般的に主として難燃バインダーとして用いられる。また、水にH−42Mおよび防蟻剤を分散した分散液を作成し、それを母材1に充填して試験片を作成した。
実験の結果、図5のNo.6に示すように、H−42M(表では難燃無機物(水酸化アルミ)と記載)の充填率が0.1vol%における評価結果は○であり、充填率が0.1を超え1.5vol%未満の範囲における評価結果は総て△であった。また、防蟻効果に関する評価結果は全てAであった。
この実験結果より、水酸化アルミニウムの母材1の空隙1dおよび連通孔1eに対する充填材料4(H−42M)の充填率を0.1以上1.5vol%未満の範囲から決定すれば、難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造できることが分かった。
また、上記の充填率を0.1vol%に決定すれば、難燃性が損なわれず優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造できることが分かった。
(実験2−2)
次に、母材1に充填する充填材料4として難燃性の無機系物質、例えば、白石カルシウム株式会社製造のソフトン1500を用いた。ソフトン1500は、炭酸カルシウムであり、酸素指数は21より大きい。また、水にソフトン1500および防蟻剤を分散した分散液を作成し、それを母材1に充填して試験片を作成した。
実験の結果、図5のNo.7に示すように、ソフトン1500(表では無機物(炭酸カルシウム)と記載)の充填率が0.1vol%の場合の評価結果は○であり、充填率が0.1を超え1.0vol%未満の範囲における評価結果は総て△であった。また、防蟻効果に関する評価結果は全てAであった。
この実験結果より、母材1の空隙1dおよび連通孔1eに対する充填材料4(ソフトン1500)の充填率を0.1以上1.0vol%未満の範囲から決定しこの充填材料4に防蟻剤を含有させることで、難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造できることが分かった。
また、上記の充填率を0.1vol%に決定することにより、難燃性が損なわれず優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造できることが分かった。
〈実験3.難燃性の有機系物質に難燃性の無機系物質を添加したものを充填した場合〉
次に、防蟻剤が含有された難燃性の有機系物質に難燃性の無機系物質を添加したものを充填材料4として母材1に充填した試験片を用いて前述の実験を行った。難燃性の有機系物質として前述のサランラテックスL131Aを用い、難燃性の無機系物質として前述のソフトン1500を用いた。この混合物の固形分に対する樹脂固形分の比は、80%である。
実験の結果、図5のNo.8に示すように、充填率が0.1以上1.5vol%以下における評価結果は総て○であり、充填率が1.5を超え2.0vol%以下の範囲における評価結果は総て△であった。また、防蟻効果に関する評価結果は全てAであった。
この実験結果より、サランラテックスL131Aにソフトン1500を添加したもの(表では難燃有機/無機(H−PVDC/炭カル)と記載)の母材1の空隙1dおよび連通孔1eに対する充填率を0.1以上2.0vol%以下の範囲から決定しこの充填材料4に防蟻剤を含有させることで、難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造できることが分かった。
また、充填率の上限値を2.0vol%から1.5vol%に下げ、充填率を0.1以上1.5vol%以下の範囲から決定すれば、難燃性が損なわれず優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造できることが分かった。
〈実験4.難燃剤を添加した場合〉
(実験4−1)
次に、防蟻剤が含有された可燃性の有機系物質に難燃剤を添加したものを充填材料4として母材1に充填した試験片を用いて前述の実験を行った。可燃性の有機系物質として前述のアクロナールYJ2720Dを用い、難燃剤として丸菱油化工業株式会社製造のノンネンSM−18を用いた(ノンネンは丸菱油化工業株式会社の登録商標)。ノンネンSM−18は有機系の分散液であり、その成分は、ハロゲン・多価金属酸化物系であり、酸素指数は21より大きい。また、アクロナールYJ2720Dに対するノンネンSM−18の重量比は30%である。
実験の結果、図6のNo.1に示すように、充填率が0.1以上0.5vol%以下における評価結果は総て○であり、充填率が0.5を超え3.0vol%未満の範囲における評価結果は総て△であった。また、防蟻効果に関する評価結果は全てAであった。
この実験結果より、アクロナールYJ2720Dに対してノンネンSM−18を重量比30%で添加して成るものを充填材料4として母材1の空隙1dおよび連通孔1eに対する充填率を0.1以上3.0vol%未満の範囲から決定すれば、難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造できることが分かった。
また、上記の充填率の上限値を3.0vol%から0.5vol%に下げ、充填率を0.1以上0.5vol%以下の範囲から決定すれば、難燃性が損なわれず優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造できることが分かった。
さらに、図5のNo.9(実験4−1)と比較して分かるように、可燃性の有機系物質であるアクロナールYJ2720Dに難燃性の有機系物質であるノンネンSM−18を添加することにより、発泡樹脂複合構造体5の難燃性を確保しながら可燃性の有機系物質の充填率を高めることができる。
(実験4−2)
次に、防蟻剤が含有された可燃性の有機系物質としてポリ酢酸ビニルメタノール溶液を用い、難燃剤として前述のノンネンSM−18を用いて前述の実験を行った。ポリ酢酸ビニルメタノール溶液の酸素指数は21以下である。ポリ酢酸ビニルメタノール溶液に対するノンネンSM−18の重量比は30%である。
実験の結果、図6のNo.2に示すように、充填率が0.1以上0.5vol%以下における評価結果は総て○であり、充填率が0.5を超え3.0vol%未満の範囲における評価結果は総て△であった。また、防蟻効果に関する評価結果は全てAであった。
この実験結果より、ポリ酢酸ビニルメタノール溶液に対してノンネンSM−18を重量比30%で添加したもの(表ではポリ酢酸ビニルメタノール溶液/難燃剤(酢酸ビニル/SM−18)と記載)を充填材料4として母材1の空隙1dおよび連通孔1eに対する充填率を0.1以上3.0vol%未満の範囲から決定すれば、難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造できることが分かった。
また、充填率の上限値を3.0vol%から0.5vol%に下げ、充填率を0.1以上0.5vol%以下の範囲から決定すれば、難燃性が損なわれず優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造できることが分かった。
〈実験5.難燃性の有機系物質に難燃剤を添加した場合〉
(実験5−1)
次に、防蟻剤が含有された難燃性の有機系物質に難燃剤を添加したものを充填した試験片を用いて前述の実験を行った。難燃性の有機系物質としてハロゲン化エポキシ樹脂を用い、難燃剤として三酸化アンチモンを用いた。三酸化アンチモンは、無機系物質である。ハロゲン化エポキシ樹脂の酸素指数は21より大きい。ハロゲン化エポキシ樹脂に対する三酸化アンチモンの重量比は3%である。
実験の結果、図6のNo.3に示すように、充填率が0.1以上1.0vol%未満における評価結果は総て○であり、充填率が1.0以上2.0vol%未満の範囲における評価結果は総て△であった。また、防蟻効果に関する評価結果は全てAであった。
この実験結果より、ハロゲン化エポキシ樹脂に対して三酸化アンチモンを重量比3%で添加したもの(表ではハロゲン化エポキシ樹脂/難燃剤(YL7726/三酸化アンチモン)と記載)を充填材料4として母材1の空隙1dおよび連通孔1eに対する充填率を0.1以上2.0vol%未満の範囲から決定すれば、難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造できることが分かった。
また、充填率の上限値を2.0vol%から1.0vol%に下げ、充填率を0.1以上1.0vol%未満の範囲から決定すれば、難燃性が損なわれず優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造できることが分かった。
(実験5−2)
次に、防蟻剤が含有された難燃性の有機系物質として前述のサランラテックスL131Aを用い、難燃剤として丸菱油化工業株式会社製造のノンネンBC−52EMを用いた。ノンネンBC−52EMは、有機系のエマルションであり、その成分は、リン・ハロゲン系化合物であり、酸素指数は21より大きい。サランラテックスL131Aに対するノンネンBC−52EMの重量比は30%である。
実験の結果、図6のNo.4に示すように、充填率が0.1以上2.5vol%未満における評価結果は総て○であり、充填率が2.5以上4.5vol%以下の範囲における評価結果は総て△であった。また、防蟻効果に関する評価結果は全てAであった。
この実験結果より、サランラテックスL131Aに対してノンネンBC−52EMを重量比30%で添加したもの(表では難燃有機/難燃剤(H−PVDC/BC−52EM)と記載)を充填材料4として母材1の空隙1dおよび連通孔1eに対する充填率を0.1以上4.5vol%以下の範囲から決定すれば、難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造できることが分かった。
また、充填率の上限値を4.5vol%から2.5vol%に下げ、充填率を0.1以上2.5vol%未満の範囲から決定すれば、難燃性が損なわれず優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造できることが分かった。
さらに、図5のNo.1(実験1−1)と比較して分かるように、難燃性の有機系物質であるサランラテックスL131Aのみを母材1に充填した場合と、有機系の難燃剤であるノンネンBC−52EMを添加した場合とでは、難燃性が殆ど変化しない。
〈総括〉
前述した実験1ないし5の各実験結果を総括すると、この実施形態に係る発泡樹脂複合構造体の製造方法を実施すれば、以下の効果を奏することができることが明らかとなった。
(1)前述した実験1ないし5から、防蟻剤としてアセタミプリドが含有された酸素指数が21より大きい充填材料を酸素指数が21より大きい母材1の空隙1dおよび連通孔1eに充填して発泡樹脂複合構造体5を製造する場合は、当該母材1の空隙1dおよび連通孔1eに対する充填率が低いほど、防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5の難燃性を高めることができる。
(2)また、充填する充填材料の種類に応じて上記充填率を0.1以上4.5vol%以下の範囲から決定すれば、難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造することができる。
(3)充填材料としては、有機系物質を主成分とする充填材料を選択することができ、その有機系物質としては樹脂を選択することができる。
(4)特に、樹脂を主成分とする充填材料を選択する場合は、上記充填率の下限値を0.1から1.0vol%に上げ、1.0以上4.5vol%以下の範囲から上記充填率を決定しても、難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体を製造することができる。
(5)特に、樹脂を主成分とする充填材料を選択する場合において、上記充填率の上限値を4.5から2.5vol%に下げ、1.0以上2.5vol%以下の範囲から上記充填率を決定すれば、難燃性がより一層損なわれ難く優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体を製造することができる。
(6)充填材料としては、無機系物質を主成分とする充填材料を選択することもでき、この場合も、その種類に応じて上記充填率を0.1以上1.5vol%以下の範囲から決定すれば、難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体を製造することができる。
(7)また、主成分に難燃剤を添加した充填材料を選択することもでき、この場合も、その種類に応じて上記充填率を0.1以上4.5vol%以下の範囲から決定すれば、難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体を製造することができる。
(8)また、有機系物質が主成分の難燃剤を添加した充填材料を充填する場合も、その種類に応じて上記充填率を0.1以上4.5vol%以下の範囲から決定すれば、難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体を製造することができる。
(9)また、無機系物質が主成分の難燃剤を添加した充填材料を充填する場合は、その種類に応じて上記充填率を0.1以上1.5vol%以下の範囲から決定すれば、難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体を製造することができる。
(10)また、酸素指数が21より大きい母材としてビーズ法ポリスチレンフォームにより形成された母材1を用いる場合でも、上記充填率を充填材料4の種類に応じて0.1以上4.5vol%以下の範囲から決定すれば、難燃性が損なわれ難くすることができるとともに優れた防蟻効果を有する。
[他の実施形態]
(1)充填材料4に含有させる防蟻剤としては、アセタミプリドを選択することに限らず、農園芸用の殺虫剤、防蟻剤を使用することができる。本発明で使用できる防蟻剤しては、例えば、ピレスロイド系化合物、ネオニコチノイド系化合物、有機塩素系化合物、有機リン系化合物、カーバメート系化合物、フェニルピラゾール系化合物、ヒドラゾン系化合物、アントラニルアミド系化合物、及びピロール系化合物が挙げられる。
この内、ピレスロイド系化合物剤としては、例えば、アレスリン、エトフェンプロックス、シクロプロトリン、シハロトリン、シフルトリン、シペルメトリン、ピレトリン、トラロメトリン、フェンバレレート、フェンプロパトリン、フルシトリネート、ペルメトリン、ビフェントリン、シラフルオルフェン、レスメトリン、テフルトリン、アクリナトリン、プラレトリン、シスメトリン、d−フェノトリン、デルタメトリン、テトラメトリン、フルバリネート、フタルスリン、N−(3,4,5,6−テトラヒドロフタリミド)−メチルdl−シス/トランス−クリサンテマート又はシフェノトリン等が挙げられ、好ましくは、ビフェントリンである。
ネオニコチノイド系化合物としては、ニテンピラム、イミダクロプリド、アセタミプリド、チアメトキサム、クロチアニジン、及びチアクロプリド、又はジノテフランが挙げられ、好ましくは、アセタミプリドである。
有機塩素系化合物としては、例えば、ケルセンなどが挙げられる。有機リン系化合物としては、例えば、ホキシム、ピリダフェンチオン、フェニトロチオン、テトラクロルビンホス、ジクロフェンチオン、プロペタンホスなどが挙げられる。カーバメート系化合物としては、例えば、カルバリル、フェノブカルブ、プロポクスルなどが挙げられる。
フェニルピラゾール系化合物としては、フィプロニル、ピリプロール、アセトプロール、バニリプロールなどがあげられ、好ましくは、フィプロニル、ピリプロールである。
ヒドラゾン系化合物としては、メタフルミゾン、インドキサカルブが挙げられる。好ましくは、メタフルミゾンである。
アントラニルアミド系化合物としては、クロラントラニリプロール、シアントラニリプロールが挙げられる。ピロール系化合物としては、クロロフェナピルが挙げられる。
ここで、上述した実験1−1における充填材料4に対して、防蟻剤としてアセタミプリドに代えてイミダクロプリドを含有した場合の実験結果を図8に示す。図8は、防蟻剤としてイミダクロプリドを充填材料4に含有した場合の実験結果をまとめた図表である。
この実験結果から分かるように、充填材料4に対して防蟻剤としてイミダクロプリドを含有した場合でも、難燃性が損なわれず優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を
製造することができる。このことから、他の実験における充填材料4に対して、イミダクロプリドを含有した場合でも、難燃性が損なわれず優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造することができるだけでなく、他の実験における充填材料4に対して、上述した各種防蟻剤を含有した場合でも、難燃性が損なわれず優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造することができる。
本発明の防蟻効果を持った発泡樹脂複合構造体によって、防除できる白蟻類としては、例えば、イエシロアリ(Coptotermes formosanus Shiraki)、ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus (Kolbe))、タイワンシロアリ(Odontotermes formosanus (Shiraki))及びダイコクシロアリ(Cryptotermes domesticus (Haviland))等の家屋等を加害する全ての白蟻類であり、当該白蟻類に対して長期間にわたる顕著な殺蟻効果及び薬剤処理層貫通阻止効果を有するものである。
たとえば、上記の防蟻効果を持った発泡樹脂複合構造体5を建築材料、例えば断熱材などに使用すれば、白蟻やゴキブリ、ダニなどの住宅害虫を駆除でき、さらに防カビや抗菌の特性を付与することができる。また、防蟻剤を母材1の内部まで充填することができるため、発泡樹脂複合構造体5の表面が剥がれたり、欠けたりした場合であっても、防蟻効果を持続することができる。
防蟻剤はそのまま又は農薬で用いられている方法により製剤化したものを混合することができるが、充填材料中で均一に分散させるためには製剤化して混合するのが好ましい。
製剤化の方法としては、防蟻剤を補助剤と一緒に適当な割合に配合して溶解、分散、懸濁、混合、含浸、吸着若しくは付着させて適宜の剤型、例えば、懸濁剤、乳剤、液剤、水和剤、顆粒水和剤、粒剤、粉剤、錠剤、パック剤等に製剤化することができ、懸濁剤が好ましい。
製剤化の方法にて使用できる補助剤は、界面活性剤、分散安定化、粘着及び/又は結合助剤、増粘剤、流動性改良剤、解こう剤、消泡剤、防腐剤等を挙げることができ、これらの補助剤は目的に応じて使用できる。補助剤は、単独で用いてもよく、ある場合は二種以上の補助剤を併用して用いてもよく、又ある場合には全く補助剤を使用しないこともできる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル等が挙げられる。
分散安定化、粘着及び/又は結合助剤としては、例えば、カゼイン、ゼラチン、澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、松根油、糠油、ベントナイト、リグニンスルホン酸塩等が挙げられる。
増粘剤としては、ヘテロポリサッカライド等の有機系増粘剤、モンモリロナイト、アタパルジャイト等の無機系増粘剤が挙げられる。
流動性改良剤としては、例えば、ワックス、ステアリン酸塩、燐酸アルキルエステル等が挙げられる。解こう剤は、懸濁性製品の分散解こう剤として使用することができる。解こう剤としては、例えば、ナフタレンスルホン酸縮合物、縮合燐酸塩等が挙げられる。
消泡剤としては、例えば、シリコーン油等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、パラクロロメタキシレノール、パラオキシ安息香酸ブチル等が挙げられる。
更に、必要に応じて機能性展着剤、活性増強剤、プロピレングリコール等の凍結防止剤、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)等の酸化防止剤、紫外線吸収剤等その他の添加剤等も加えることができる。
また適当な不活性担体を加えても良く、ここで使用できる不活性担体は固体又は液体の何れであっても良い。固体の担体になりうる材料としては、例えば、粉砕合成樹脂等の合成重合体、粘土類(例えば、カオリン、ベントナイト、酸性白土等)、タルク類(例えば、タルク、ピロフィライト等)、シリカ類{例えば、珪藻土、珪砂、雲母、ホワイトカーボン(含水微粉珪素、含水珪酸ともいわれる合成高分散珪酸で、製品により珪酸カルシウムを主成分として含むものもある。)等}、活性炭、イオウ粉末、焼成珪藻土、レンガ粉砕物、フライアッシュ、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム等の無機鉱物性粉末、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン等のプラスチック担体等を挙げることができ、これらは単独で若しくは2種以上の混合物の形で使用できる。
液体の担体になりうる材料としては、それ自体溶媒能を有するものの他、溶媒能を有さずとも補助剤の助けにより有効成分化合物を分散させうることとなるものから選択される。例えば代表例として、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール等)、グリコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノノルマルブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル等)、油脂類(例えば、ナタネ油、大豆油、オリーブ油等)等を挙げることができ、これらは単独で若しくは2種以上の混合物の形で使用することもできる。これらの添加剤は、使用する発泡樹脂の種類によっては発泡樹脂の独立気泡を溶解する恐れがあるので、事前のチェックが必要となる。
防蟻剤を分散した充填材料の製造は、充填材料に必要量の防蟻剤又は製剤化した防蟻剤を混合すればよい。即ち、充填材料の樹脂中と、又は各樹脂を水に分散してなる各種の樹脂水性エマルションと防蟻剤又は製剤化した防蟻剤を混合すればよい。充填材料4に混合する防蟻剤又は製剤化した防蟻剤は、充填材料4の全重量に対して、0.0001%〜50%であり、好ましくは、0.001%〜10%である。防蟻剤又は製剤化した防蟻剤を分散する充填材料の主成分は、有機系物質及び無機系物質の何れでもよいが、有機系物質が好ましく、有機系物質であって、樹脂であることが更に好ましい。
また、防蟻剤をマイクロカプセルに収容し、そのマイクロカプセルが多数集合してなる粉末を分散した充填材料4を母材1に浸透させて生物忌避効果を持った発泡樹脂複合構造体5を製造することもできる。たとえば、マイクロカプセルの外殻を構成するシェル(壁材)として、外気温度が所定温度を超えると亀裂の入る性質のシェルを使用し、そのシェルに防蟻剤をコア(芯物質)として内包する。そして、そのマイクロカプセルを粉末として分散した充填材料4を母材1に浸透させることにより、外気温度が所定温度を超えると連通孔内のマイクロカプセルに亀裂が入り、ホウ酸の成分を外気中に放出することができる。
また、時間の経過により自然分解するシェルを用いることもできる。なお、「マイクロカプセル」とは、直径がナノメートルからミリメートルの間の微小な容器のことをいう。また、マイクロカプセルには、密閉型および多孔型のものを含む。
(2)母材1の空隙1dおよび連通孔1e内に存在する防蟻剤を含有する充填材料4は、その表面の少なくとも一部が当該充填材料と異なる保護材料、例えば防蟻剤を含有しない充填材料4が保護膜化して覆われるように構成してもよい。
具体的な保護膜化の方法としては、上述した第3工程にて空気(気体)を母材1の連通孔1eに通し、ある程度充填材料が母材1に固着した後に、上記保護材料を、母材1の一の面1aに配置する(第4工程)。そして、母材1の一の面1aおよび他の面1b間に差圧を発生させて一の面1aに配置された保護材料を母材1の空隙1dおよび連通孔1eに充填する(第5工程)。そして、母材1の一の面1aおよび他の面1b間に差圧を発生させて一の面1aから空気(気体)を母材1の連通孔1eに通す(第6工程)。これにより、母材1の空隙1dおよび連通孔1e内に充填されて、表面の少なくとも一部が保護材料で覆われた充填材料を形成することができる。
具体的な実験結果を図9に示す。図9は、充填材料4を保護材料により保護した場合の実験結果をまとめた図表である。
発泡樹脂複合構造体5を50mm、縦10mm、横10mmの試験体に切り分け、野外土中(深さ10cm)に埋設した。床下を模して、直接雨が埋設部に当たらないよう地上50cmに屋根を設置した。また、埋設部を囲うように壁板を設置し、5cm程度埋め込んだ。2ヵ月後に掘り出し、アセトンで抽出、HPLC分析することにより、イニシャルに対する残存率を算出した。図9のNo,1は上記第3工程までの発泡樹脂複合構造体5であり、図5のNo,1の充填率1vol%に対応している。図9のNo,2は上記第6工程まで行い、保護材料で防蟻剤が含有した充填材料を保護した発泡樹脂複合構造体5とした。保護材料として固形分6%に調節したサランラテックスL131Aを使用した。結果を図9に示す。また、図9のNo,3は防蟻剤を含有していないサランラテックスL131Aを充填材料4として含浸させた。
この実験結果から分かるように、充填材料に含有している防蟻剤が上記保護材料により覆われて保護されるため、充填材料中の防蟻剤の溶出量が減少するので、長期間に亘って防蟻効果を持続することができる。特に、上記保護材料によっては、防蟻機能の効果や効力、有効期間をコントロールした発泡樹脂複合構造体5を製造することができる。
(3)防蟻剤を含有した充填材料4の乾燥に必要な乾燥時間を短縮するために、上記第3工程において、上記第2工程において差圧を発生させる際の周囲の温度および湿度よりも高温度かつ低湿度の気体を母材1の連通孔1eに通してもよい。
具体的な実験結果を図10に示す。図10は、必要乾燥時間について実験結果をまとめた図表であり、図10のNo,1は、上記第3工程において、通常乾燥(温度23℃、相対湿度50%)した場合の必要乾燥時間を示し、図10のNo,2は、上記第3工程において、温度60℃、相対湿度30%の加温された空気を吸引させ乾燥を促進させた場合の必要乾燥時間を示す。
この実験結果から分かるように、充填された防蟻剤を含有した充填材料4のうち不要な分が母材から適度に排出されるとともに、母材1の空隙1dおよび連通孔1eを構成する壁面を覆う充填材料の乾燥が促進される。これにより、母材1の空隙1dおよび連通孔1eに充填された充填材料4の乾燥に必要な乾燥時間を短縮することができる。また、乾燥を促進させる温度としては、40℃〜100℃が好適と考えられる。湿度は低ければ低いほど良い。また、充填材料4に揮発成分、例えば水、溶剤等がある場合は、この実験結果と同様に乾燥時間を短縮することができる。
(4)防蟻剤が含有された充填材料4を母材1の一の面から充填する際に、充填材料4が一の面に残留するようにすることもできる。たとえば、図3(b)に示すように、流動状の樹脂4を母材1の一の面1aから充填する際に、その樹脂4を一の面1aに残留させ、その残留した樹脂4を乾燥させれば、一の面を樹脂製の膜4aで覆うことができる。この製造方法によれば、樹脂製の膜4aで覆われた面に防水効果を持った発泡樹脂複合構造体5を製造することができる。
(5)前述した実施形態では、減圧装置3を用いて母材1の一の面1aおよび他の面1b間に差圧を発生させることにより防蟻剤が含有された充填材料4を母材1に充填したが、母材1の一の面1aに配置した充填材料4を加圧する加圧装置を併用することもできる。たとえば、図4に示す充填装置10の上部空間2bに蓋を配置し、その蓋と充填材料4との間に形成される空間に空気を送出して加圧する。この方法によれば、母材1の一の面1aおよび他の面1b間の差圧を効率良く増大させることができるため、母材1に対する充填材料4の充填速度を速くすることができるので、発泡樹脂複合構造体5の製造効率を高めることができる。空気の送出にはエアポンプなどを用いることができる。
(6)防蟻剤が含有された充填材料4を充填させたくない母材1の領域を予めフィルムなどでマスキングしておいても良い。この方法によれば、母材1の所望の領域に充填材料4を充填することができる。
(7)充填材料4として、アクリル系、合成ゴム系、酢酸ビニル系、エチレン系、塩化ビニル系、塩化ビニリデン系、エポキシ系およびウレタン系の少なくとも1つからなる溶剤型または分散型の樹脂を用いることができる。たとえば、アクリル系の溶剤型または分散型の樹脂として、アクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル−アクリル酸共重合物、アクリル酸エチル-スチレン-アクリルアミド共重合物、アクリル酸2エチルヘキシル-メタクリル酸-アクリル酸共重合物などを用いることができる。なお、上記の酸素指数が21以下の充填材料を用いる場合は、必要に応じて難燃剤を配合して充填材料の酸素指数を21より大きくする。
また、合成ゴム系の溶剤型または分散型の樹脂として、スチレン-ブタジエンラテックス、スチレン-アクリルニトリル-ブタジエンラテックス、ポリブタジエンラテックスなどを用いることができる。また、酢酸ビニル系の溶剤型または分散型の樹脂として、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル-アクリル酸エチル共重合物、酢酸ビニル-メタクリル酸メチル共重合物、酢酸ビニル-ベオバ共重合物、ポリビニールアルコールなどを用いることができる。また、エチレン系の溶剤型または分散型の樹脂として、ポリエチレンエマルジョン、エチレン-酢酸ビニル共重合物、エチレン-酢酸ビニル-アクリル酸共重合物、エチレン-アクリルニトリル-酢酸ビニル共重合物などを用いることができる。なお、これらの樹脂を用いる場合は、必要に応じて難燃剤を配合して充填材料の酸素指数を21より大きくする。
また、エポキシ系の溶剤型または分散型の樹脂として、エポキシ、アクリル酸ブチル-グリシジルメタクリレート-アクリルアミド共重合物などを用いることができる。また、ウレタン系の溶剤型または分散型の樹脂として、ポリウレタン、ウレタン変性アクリル酸-メタクリル酸共重合物などを用いることができる。なお、これらの樹脂を用いる場合は、必要に応じて難燃剤を配合して充填材料の酸素指数を21より大きくする。
さらに、上記の各樹脂を水に分散してなる各種の樹脂水性エマルションを用いることができる。たとえば、エポキシ樹脂水性エマルション 、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂水性エマルション 、変性脂肪族ポリアミン樹脂水性エマルション、生分解性樹脂水性エマルションなどの樹脂水性エマルションを用いることができる。なお、これらの樹脂水性エマルションを用いる場合は、必要に応じて難燃剤を配合して充填材料の酸素指数を21より大きくする。
(8)充填材料4を着色することもできる。その着色剤には、一般的な顔料または染料を用いることができる。顔料としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、ドロマイト、桂砂、酸化鉄、カーボンブラック、シアニン系顔料、キナクドリン系顔料など、色材および充填剤として使用されるものがある。染料では、アゾ系染料、アントラキノン系染料、インジゴイド系染料、スチルベン系染料などがある。
さらに、アルミフレーク、ニッケル粉、金粉、銀粉、銅粉、酸化チタンなどの金属粉を着色剤として用いても良い。
これらの着色剤によってエポキシ樹脂を着色することにより、発泡樹脂複合構造体5の色や模様を変えることができる。
(9)母材1を形成するための発泡樹脂原料としては、特定の発泡温度において発泡するものである限り特に限定されないが、熱可塑性物質を主材とし、気体もしくは液体を発泡剤として含浸させたもの、あるいは、熱分解性の発泡剤を含有するものを好適に用いるが、両者を含有するものでも良い。また、熱可塑性物質は架橋されていても良い。
熱可塑性物質を主材とし、気体もしくは液体を発泡剤として含浸させたものとしては、前述の実験で用いたビーズ法ポリスチレンフォームの発泡樹脂原料であるポリスチレン発泡性ビーズの他、ポリエチレン発泡性ビーズ、ポリプロピレン発泡性ビーズなどを用いても良いし、ブタン、ペンタン、フロン等の炭化水素、水、CO2、N2を含浸させたものでも良い。また、熱分解性の発泡剤を含有するものとしては、下記に示す熱分解性の発泡剤および熱可塑性物質から適宜調製して用いても良い。この熱分解性の発泡剤と熱可塑性物質は、発泡剤の分解温度が熱可塑性物質の可塑化温度よりも高いことが好ましく、発泡剤の分解温度と熱可塑性物質の可塑化温度がほぼ等しくなるように選ばれることが、発泡材料を綺麗に発泡できることからさらに好ましい。
発泡樹脂原料には、これら発泡剤と共に、成形特性を改良する目的で各種の添加剤を配合してもよい。添加助剤として、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの金属石鹸、亜鉛華硝酸亜鉛などの無機塩があげられる。
なお、上記の各原料によって母材1を形成する場合も母材1の酸素指数が21より大きいことが必要である。
発泡助剤は、使用する樹脂、発泡剤、助剤の種類によって異なるが、通常熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜2.0重量部程度の割合で添加されることが好ましい。これは、添加量が0.1重量部以下では効果が小さく、2.0重量部以上では効果が飽和する傾向があるためである。
発泡ビーズの大きさは、0.3ミリから5ミリが好適に用いられる。ここで発泡ビーズの大きさとは、発泡ビーズがほぼ球形の場合には平均直径とする。また、平らなものやストランド状のものの場合に発泡ビーズの大きさといえば、最も幅が小さいサイズをさすものとし、以下、発泡ビーズの大きさといえばこの例に倣うものとする。発泡ビーズの大きさが0.3ミリから5ミリのものが好適に用いられるのは、発泡ビーズの製造し易さと発泡ビーズの表面積、そして伝熱遅れによる軟化ムラが出にくいということの兼ね合いの結果である。0.3ミリより小さいビーズの使用も可能であるが、しかしこの場合、ビーズの表面積の総和が大きくなるので最終的な発泡ビーズの接触する界面の面積が大きくなり、薄膜状剛性セル壁を構成する材料がずっと多く必要となる。したがって、圧縮強度は増すものの、軽量化の効果は小さくなる。
また、発泡ビーズ内部からの発熱を引き起こす仕組みを併用すれば、直径5ミリより大きな発泡ビーズを用いることもできる。発泡ビーズ内部からの発熱をひき起こす仕組みとしては、たとえば、発泡ビーズに金属粉を混ぜ込み高周波電磁場環境下での電磁誘導を利用することができる。
均質な発泡ビーズ構造を持つ発泡樹脂複合構造体を得るためには、発泡ビーズの大きさは、概略揃っているのが望ましい。しかし、厳密に揃っている必要はない。また、あえて発泡ビーズの大きさに分布を持たせることで、発泡ビーズ膜に特異な3次元構造を持たせることができるので、異なる大きさの発泡ビーズを混ぜて用いることもある。
さらに、発泡材料は、たとえば予備発泡ビーズや発泡体の破砕品のような既に発泡している材料に高圧下でガスを含浸させたものでも良い。さらに、既に発泡成型されたチップ状、ストロー状などの形状の材料や発泡体の破砕品でも良く、その材料を凝縮して成型型内で加熱融着させて母材1を形成しても良い。
(10)〈参考実験.可燃性の有機系物質を充填した場合〉
(実験A)
可燃性の有機系物質を充填した試験片を用いて前述の実験を行った。可燃性の有機系物質として前述のアクロナールYJ2720Dを用いた。
実験の結果、図5のNo.9に示すように、アクロナール2720D(表では可燃有機(AS樹脂)と記載)の充填率が0.1vol%における評価結果は○であり、充填率が0.1を超え1.0vol%未満の範囲における評価結果は総て△であった。また、防蟻効果に関する評価結果は全てAであった。
この実験結果より、アクロナールYJ2720Dの母材1の空隙1dおよび連通孔1eに対する充填率を0.1以上1.0vol%未満の範囲から決定すれば、難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造できることが分かった。
また、上記の充填率を0.1vol%に決定すれば、難燃性が損なわれず優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造できることが分かった。
(実験B)
次に、可燃性の有機系物質として中京油脂株式会社製造のセロゾール524を充填した試験片を用いて前述の実験を行った。セロゾール524は、カルナバワックスと呼ばれるワックスエマルションであり、酸素指数は21以下、比重は0.9である。
実験の結果、図5のNo.10に示すように、セロゾール524(表では可燃有機(ワックス(カルナバ))と記載)の充填率が0.1以上0.5vol%未満における評価結果は○であり、充填率が0.5を超え1.0vol%未満の範囲における評価結果は総て△であった。また、防蟻効果に関する評価結果は全てAであった。
この実験結果より、セロゾール524の母材1の空隙1dおよび連通孔1eに充填率を0.1以上1.0vol%未満の範囲から決定すれば、難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造できることが分かった。
また、上記の充填率を0.1vol%に決定すれば、難燃性が損なわれず優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体5を製造できることが分かった。
上述した実験A,Bから、酸素指数が21以下の充填材料、つまり、可燃性の充填材料を充填する場合は、その充填率を0.1以上1.0vol%未満の範囲から決定すれば、難燃性が損なわれ難く優れた防蟻効果を有する発泡樹脂複合構造体を製造できることが分かった。
1・・母材、1a・・一の面、1b・・他の面、1c・・発泡ビーズ、1d・・空隙、
1e・・連通孔、2・・容器、2d・・減圧室、3・・減圧装置、
4・・充填材料、4a・・膜、5・・発泡樹脂複合構造体、10・・充填装置。

Claims (12)

  1. 隣接する発泡ビーズ同士が融着することにより独立気泡構造が形成されており、前記発泡ビーズ間に空隙が形成されているとともに、前記空隙間が連通することにより一の面から他の面に連通した連通孔が存在し、かつ、酸素指数が21より大きい母材の前記空隙および連通孔に充填材料を充填して成る発泡樹脂複合構造体であって、
    前記母材はビーズ法ポリスチレンフォームにより形成されており、
    前記充填材料は、主成分が有機系物質であり、酸素指数が21より大きく、かつ、前記母材の空隙および連通孔に対する充填率を充填材料の種類に応じて0.1以上4.5vol%以下の範囲から決定したものであり、防蟻剤を含有することを特徴とする発泡樹脂複合構造体。
  2. 前記有機系物質が塩化ビニリデンであり主成分として含有率85%以上であることを特徴とする請求項1に記載の発泡樹脂複合構造体。
  3. 前記充填率が、1.0以上4.5vol%以下の範囲から決定されたものであることを特徴とする請求項2に記載の発泡樹脂複合構造体。
  4. 前記充填率が、1.0以上2.5vol%以下の範囲から決定されたものであることを特徴とする請求項3に記載の発泡樹脂複合構造体。
  5. 前記充填材料が主成分に有機系の難燃剤を添加したものであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の発泡樹脂複合構造体。
  6. 前記防蟻剤がアセタミプリドであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の発泡樹脂複合構造体。
  7. 前記母材の空隙および連通孔内に存在する前記充填材料は、その表面の少なくとも一部が当該充填材料と異なる保護材料により覆われることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の発泡樹脂複合構造体。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の発泡樹脂複合構造体の製造方法であって、
    前記母材の一の面に前記防蟻剤を含有した充填材料を配置する第1工程と、
    前記母材の一の面および他の面間に差圧を発生させて前記一の面に配置された前記充填材料を前記母材の空隙および連通孔に充填する第2工程と、
    前記母材の一の面および他の面間に差圧を発生させて前記一の面から気体を前記母材の連通孔に通す第3工程と、
    を有することを特徴とする発泡樹脂複合構造体の製造方法
  9. 前記第3工程は、前記母材の一の面および他の面間に差圧を発生させて前記一の面から前記第2工程における前記差圧を発生させる際の周囲の温度および湿度よりも高温度かつ低湿度の気体を前記母材の連通孔に通すことを特徴とする請求項8に記載の発泡樹脂複合構造体の製造方法。
  10. 前記第3工程にて前記気体を前記母材の連通孔に通した後に、前記母材の空隙および連通孔内に存在する前記充填材料の表面を覆うための保護材料を、前記母材の一の面に配置する第4工程と、
    前記母材の一の面および他の面間に差圧を発生させて前記一の面に配置された前記保護材料を前記母材の空隙および連通孔に充填する第5工程と、
    前記母材の一の面および他の面間に差圧を発生させて前記一の面から気体を前記母材の連通孔に通す第6工程と、
    を有することを特徴とする請求項8または9に記載の発泡樹脂複合構造体の製造方法。
  11. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の発泡樹脂複合構造体を建築材料として使用することを特徴とする白蟻防除方法。
  12. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の発泡樹脂複合構造体を建築物の断熱材として使用することを特徴とする白蟻防除方法。
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