JP4619558B2 - 5−アミノ−4−ヒドロキシペンタン酸誘導体とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬品合成中間体である5-(アミノメチル)−2−ピロリジノン(ピロリドン)の合成原料として利用できる5−アミノ−4−ヒドロキシペンタン酸誘導体、その塩、およびその製造方法に関する。本発明はまた、5−アミノ−4−ヒドロキシペンタン酸誘導体から、化粧品等における保湿剤として有用なγ−アミノメチル−γ−ブチロラクトン又はその塩を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸誘導体は、機能性物質或いは医薬品合成中間体として注目される化合物である。5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸を得る方法は、Herdeisらの方法がC. Herdeis, Synthesis,(3),232 (1986)に記載されており、また5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸又はそのエチルエステルを得る方法は、米国特許第4,372,974号及び同第4,322,440号に記載されている。
また、γ−アミノメチル−γ−ブチロラクトンは、従来、Herdeis外のC. Herdeis, Synthesis, (3), 232頁(1986)に記載された製造方法や、5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸を、酸性水溶液中でラクトン化する一般的方法が知られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の米国特許第4,372,974号又は同第4,322,440号に記載されている方法では、5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸の炭素数3以上の炭化水素のエステルは得られないと考えられる。何故なら、上記の方法では5-アミノレブリン酸を水素化ホウ素ナトリウムにより還元して5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸を生成しているが、この方法を5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸エステルの製造に適用する場合、エステル部分の炭化水素基の炭素数が大きくなると、原料の5-アミノレブリン酸エステルおよび生成物の5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸エステルは水に溶けにくくなるので、反応系の溶媒として親油性溶媒を使用せざるを得なくなる。親油性溶媒には還元剤である水素化ホウ素ナトリウムは溶けないので、還元反応は不可能になり、従って上記の方法は使用できなくなるからである。
また、従来の5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸エステルの製造方法に於いては、多段階の工程を要する結果として、収率が実用に適さないものであるか、或いは反応試薬である水素化ホウ素ナトリウムより発生するホウ素化合物及びナトリウム塩類を除去するのに複雑な工程を必要とする。従って、反応工程と精製工程が共に簡便な方法が求められている。
【0004】
更に、吸湿性であるγ−アミノメチル−γ−ブチロラクトンの製造方法は、水溶液中で反応を行うため、反応後の乾燥が非常に困難であるので、簡便な製法が求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸誘導体とその製造方法について鋭意研究を行った結果、5-アミノレブリン酸誘導体を基質とし不均一系遷移金属触媒を用いて接触還元反応を行うことにより、5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸誘導体を高収率で得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明により、式(I):
【0007】
【化6】
【0008】
(式I中、R1は炭素数3以上の炭化水素基を示す)で表される化合物、及びその塩が提供される。
【0009】
本発明はまた、式(II):
【0010】
【化7】
【0011】
(式II中、R2は水素原子または炭素数1以上の炭化水素基を示す)で表される化合物又はその塩を、遷移金属触媒及び水素の存在下で接触還元することを特徴とする、式(III):
【0012】
【化8】
【0013】
(式III中、R2は前に定義したとおりである)で表される化合物又はその塩の製造方法を提供する。
【0014】
更に本発明は、式(III)で表される化合物又はその塩と、酸触媒とを接触することを特徴とする、式(IV):
【0015】
【化9】
【0016】
で表される化合物又はその塩の製造方法を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の一般式(I):
【0018】
【化10】
【0019】
の式中、R1は炭素数が3以上の炭化水素基を示す。該炭化水素基の炭素数は3以上であれば特に制限されないが、好ましくは3〜50、特に好ましくは3〜20である。
【0020】
R1としての炭化水素基は、例えば飽和脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、脂環式-脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香族-脂肪族炭化水素基等である。好ましい炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数3〜20、特に炭素数3〜10の飽和脂肪族炭化水素基である。
【0021】
上記飽和脂肪族炭化水素基の例としては、例えば、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、2-メチルブチル、n-ヘキシル、イソヘキシル、3-メチルペンチル、エチルブチル、n-ヘプチル、2-メチルヘキシル、n-オクチル、イソオクチル、tert-オクチル、2-エチルヘキシル、3-メチルヘプチル、n-ノニル、イソノニル、1-メチルオクチル、エチルヘプチル、n-デシル、1-メチルノニル、n-ウンデシル、1,1-ジメチルノニル、n-ドデシル、n-テトラデシル、n-ヘプタデシル、n-オクタデシル、ラウリル、パルチミル、ステアリル、及びエチレン、プロピレンおよびブチレンの重合物若しくはそれらの共重合物よりなる基などの炭化水素基があげられ、特に好ましい飽和脂肪族炭化水素基としてn-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシルがあげられる。
【0022】
上記不飽和脂肪族炭化水素基の適当な具体例としては、例えばビニル、アリル、イソプロペニル、2-ブテニル、2-メチルアリル、1,1-ジメチルアリル、3-メチル-2-ブテニル、3-メチル-3-ブテニル、4-ペンテニル、ヘキセニル、オクテニル、ノネニル、デセニル基、及びアセチレン、ブタジエンおよびイソプロピレンの重合物若しくはそれらの共重合物よりなる基などがあげられる。
【0023】
上記脂環式炭化水素基の適当な具体例としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、3-メチルシクロヘキシル、4-メチルシクロヘキシル、4-エチルシクロヘキシル、2-メチルシクロオクチル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロオクテニル、4-メチルシクロヘキセニル、4-エチルシクロヘキセニル基などがあげられる。
上記脂環式-脂肪族炭化水素基の適当な具体例としては、例えばシクロプロピルエチル、シクロブチルエチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘプチルメチル、シクロオクチルエチル、3-メチルシクロヘキシルプロピル、4-メチルシクロヘキシルエチル、4-エチルシクロヘキシルエチル、2-メチルシクロオクチルエチル、シクロプロペニルブチル、シクロブテニルエチル、シクロペンテニルエチル、シクロヘキセニルメチル、シクロヘプテニルメチル、シクロオクテニルエチル、4-メチルシクロヘキセニルプロピル、4-エチルシクロヘキセニルペンチル基などがあげられる。
【0024】
上記芳香族炭化水素基の適当な具体例としては、例えばフェニル、ナフチルなどのアリール基;4-メチルフェニル、3,4-ジメチルフェニル、3,4,5-トリメチルフェニル、2-エチルフェニル、n-ブチルフェニル、tert-ブチルフェニル、アミルフェニル、ヘキシルフェニル、ノニルフェニル、2-tert-ブチル-5-メチルフェニル、シクロヘキシルフェニル、クレジル、オキシエチルクレジル、2-メトキシ-4-tert-ブチルフェニル、ドデシルフェニルなどの置換フェニル基などがあげられる。
【0025】
上記芳香族-脂肪族炭化水素基の具体的な例としては、例えばベンジル、1-フェニルエチル、2-フェニルエチル、2-フェニルプロピル、3-フェニルプロピル、4-フェニルブチル、5-フェニルペンチル、6-フェニルヘキシル、1-(4-メチルフェニル)エチル、2-(4-メチルフェニル)エチル、2-メチルベンジル、1,1-ジメチル-2-フェニルエチル基などがあげられる。
式(I)の化合物の塩としては、塩酸、硫酸、硝酸、亜硝酸等の無機酸の塩;および酢酸、乳酸、クエン酸、酪酸等の有機酸の塩が挙げられる。
【0026】
式(III)で表される5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸エステルの合成法は、一般式(II):
【0027】
【化11】
【0028】
(式II中、R2は水素原子、または炭素数1以上の炭化水素基を表す)で表される5-アミノレブリン酸誘導体を、遷移金属触媒存在下で接触還元することを特徴とする。
【0029】
式(II)中、R2は水素原子または炭素数1以上の炭化水素基、好ましくは炭素数1以上の炭化水素基を表す。該炭化水素は、メチルおよびエチルを含む以外は、一般式(I)のR1について記載したと同様の基である。R2として好ましい炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数1〜20、特に炭素数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基である。該飽和脂肪族炭化水素基の例としては、R1について前述した基があげられ、好ましい基としてメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルがあげられる。
式(III)の化合物は塩の形で存在しても良く、この場合は塩として塩酸、硫酸、硝酸、亜硝酸等の無機酸の塩;および酢酸、乳酸、クエン酸、酪酸等の有機酸の塩が挙げられる。原料同士の重縮合反応を防止するために原料濃度を低濃度に保つ必要があるので、塩を用いるのがより効果的である。
【0030】
一般式(II)で表される化合物及びその塩は従来公知の方法で合成することができ、例えば特開平4−9360号記載の方法で得ることができる。
【0031】
本発明で式(II)の化合物から式(III)の化合物へ変換する反応に供される触媒は遷移金属触媒である。ここで遷移金属触媒とは、遷移金属単体および遷移金属の化合物、特に遷移金属酸化物、の両者を意味する。好ましい遷移金属は、周期表で第VIB族、VIIB族、VIII族及び1B族の遷移金属元素で、例えば銅、クロム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金が挙げられる。さらに好ましい遷移金属元素は第VIII族金属であって、例えばルテニウム、ロジウムが挙げられる。これらの元素の1種類或いは2種類以上を使用してもよい。遷移金属酸化物としては、酸化ロジウム、酸化ルテニウムが挙げられ、好ましくは酸化ロジウムである。
【0032】
触媒の形態は特に制限されないが、溶媒に溶解しない形態が好ましく、担持触媒の形態が好ましい。
触媒の担体としてはアルミナ、炭素、アスベスト等が使用できる。担体と遷移金属の組み合わせとしては、ロジウム−アルミナ、ロジウム−炭素、ロジウム−アスベストが挙げられ、好ましくはロジウム−アルミナ、ロジウム−炭素である。担持方法としては、遷移金属と担体の固液接触が利用でき、遷移金属を含有する溶液に担体を混合して撹拌する方法が簡便である。
遷移金属触媒を反応に供する際は、均一系、不均一系の何れでも良いが、不均一系が好ましい。
【0033】
遷移金属触媒の添加量は特に制限されないが、式(II)の化合物量の0.01〜100wt(重量)%、好ましくは1〜80wt%、特に5〜50wt%である。遷移金属を担体に担持させる場合の担持量は、担体や調製条件によって異なるが、通常、担体量の0.1〜30wt%、好ましくは1〜10wt%である。この場合の遷移金属触媒量は、遷移金属に換算して上記範囲に入るように添加する。
【0034】
遷移金属触媒の存在下での式(II)の化合物の反応は水素雰囲気下で行うが、窒素、アルゴン等の不活性ガス、および二酸化炭素等の上記反応に不活性なガスを共存させて、2種以上のガスを使用しても良い。2種以上のガスを使用する場合は、ガス全体に対する水素ガスの含有割合は20〜100vol%である。
【0035】
反応圧力は0〜20MPaであるが、反応時間の短縮と副反応の防止の面からは2MPa〜6MPaが好ましい。
反応温度は30℃〜200℃であるが、好ましくは50℃〜150℃、さらに好ましくは70℃〜90℃である。
反応時間は過反応防止の面から15分〜2時間が好ましい。
【0036】
溶媒は、式(II)の化合物が溶解すれば特に制限されないが、水、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族溶媒等が挙げられる。反応速度、溶解性、安定性から水、メタノール、エタノール等が好適である。
【0037】
反応終了後、目的の化合物(I)は一般法に従って反応混合物より採取される。例えば、濾過により触媒を除いた後、溶媒を留去することにより得られる。
得られた目的化合物は必要ならば例えば再結晶、再沈殿、またはクロマトグラフィー等によりさらに精製できる。かかる手順により本発明の式(III)の化合物及びその塩を得ることができる。
【0038】
式(IV)で表される化合物は、式(III)の化合物又はその塩と酸触媒とを接触させることにより、容易に合成することができる。式(III)におけるR2は水素原子または炭素数1以上の炭化水素基、好ましくは炭素数1以上の炭化水素基を表す。該炭化水素は、メチルおよびエチルを含む以外は、式(I)のR1について記載したと同様の基である。好ましい炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数1〜20、特に炭素数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基である。
上記の酸触媒としては、塩化水素、臭化水素、弗化水素、酢酸、硫酸などを使用でき、好ましくは塩化水素である。これらの酸は2種以上を使用しても良い。酸触媒の添加量は、式(III)の化合物量の0.01〜1000重量%、好ましくは1〜1000重量%、特に100〜1000重量%である。
式(III)の化合物と酸触媒との接触はプロトン性溶媒またはその他の極性溶媒中で行っても良い。プロトン性溶媒としては、プロトン供与性の溶媒であれば特に制限されないが、水、又はメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール、極性溶媒としてはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル、およびアセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル等、水よりも低沸点の有機溶媒を挙げることができる。これらの溶媒の1種、または2種以上を混合して使用しても良い。反応後の回収の観点から、ジエチルエーテル、アセトン等の低沸点の有機溶媒、又は水と水よりも低沸点の有機溶媒との混合溶媒、特に水とエーテルとの混合溶媒、が好ましい。
反応(即ち接触)は常温又は加熱条件下で行う。加熱条件下で接触反応させる場合は、40〜100℃、好ましくは60〜80℃で反応させる。反応時間は、4〜8時間が好ましい。
接触方法としては、撹拌、震とう、加熱還流などの方法を用いることができる。
反応終了後、目的の化合物(IV)は一般法により反応混合物より採取される。例えば、反応液をエバポレータ等で濃縮後、30〜50mmHgで減圧して溶媒を留去することにより、化合物(IV)が得られる。
得られた目的化合物は、必要ならば例えば再結晶、再沈殿、またはクロマトグラフィー等によりさらに精製できる。
かかる手順により、本発明の式(IV)の化合物及びその塩を得ることができる。
式(IV)の化合物の塩としては、塩酸、硫酸、硝酸、亜硝酸等の無機酸;酢酸、乳酸、クエン酸、酪酸等の有機酸の塩が挙げられる。
【0039】
【実施例】
以下に実施例をあげて、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0040】
実施例1(5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸メチルエステル塩酸塩の合成)
100mlオートクレーブに、5-アミノレブリン酸メチルエステル塩酸塩5.40g、5%ロジウム-アルミナ1.08g及びメタノール45mlを入れ、水素ガス(4MPa)を封入した後、80℃で45分間攪拌した。室温まで冷却して内容物を取り出し、吸引ろ過して触媒を除去した。ろ液を濃縮乾固させ、5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸メチル塩酸塩5.38g得た。収率99mol%であった。
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ(ppm)
1.68-1.89(m,2H,CH2CH 2CH(OH));2.44-2.56(m,2H,COCH 2CH2);
2.79-2.85(q,1H,CH(OH)CH 2N);3.04-3.08(q,1H,CH(OH)CH 2N);
3.68(s,3H,CH 3);3.80-3.87(m,1H,CH(OH))
13C[1H] NMR(400MHz,CD3OD)δ(ppm)
30.57(CH2);30.62(CH2);45.89(CH2);52.30(CH3);67,76(CH(OH));
175.29(CO2)
IR(cm-1)
3363,1731,1610,1504,1440,1344,1273,1208,1177,1058,951,887
【0041】
実施例2(5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸エチルエステル塩酸塩の合成)
100mlオートクレーブに、5-アミノレブリン酸エチルエステル塩酸塩2.98g、5%ロジウム-アルミナ0.50g及びエタノール23mlを入れ、水素ガス(4MPa)を封入した後、実施例1と同様の処理を行い、5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸エチルエステル塩酸塩2.92gを得た。収率99mol%であった。
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ(ppm)
1.24-1.27(t,3H,CH2CH 3);1.73-1.88(m,2H,CH2CH 2CH(OH));
2.45-2.54(m,2H,COCH 2CH2);2.86-2.92(q,1H,CH(OH)CH 2N);
3.10-3.14(q,1H,CH(OH)CH 2N);3.89-3.93(m,1H,CH(OH));
4.11-4.16(m,2H,CH 2CH3)
13C[1H] NMR(400MHz,CD3OD)δ(ppm)
14.55(CH3);30.72(CH2);30.85(CH2);45.93(CH2);61.53(CH2CH3);
67.81(CH(OH));174.87(CO2)
IR(cm-1)
3356,3107,1739,1591,1564,1448,1421,1380,1343,1269,1178,1053,1001,
959,934,907
【0042】
実施例3(5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸n-プロピルエステル塩酸塩の合成) 100mlオートクレーブに5-アミノレブリン酸n-プロピルエステル塩酸塩3.16g、5%ロジウム-アルミナ0.51g及n-プロパノール23mlを入れ、水素ガス(4MPa)を封入した後、80℃で45分間攪拌した。室温まで冷却して内容物を取り出し、吸引ろ過して触媒を除去した。ろ液にN-プロパノールを加えて体積を40mlとし、活性炭素1.04gを加えて室温下で1時間攪拌し、吸引ろ過して活性炭素を除去した。ろ液を濃縮乾固させ、n-ヘキサン30mlで固体を洗浄した後、室温下1mmHgで12時間乾燥させて、5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸n-プロピルエステル塩酸塩3.00gを得た。収率95mol%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm)
0.91-0.96(t,3H,CH3);1.60-1.67(m,2H,CH2);1.72-1.77(m,1H,CH);
1.82-1.86(m,1H,CH);2.47-2.54(m,2H,CH2);2.85-2.91(t,1H,CH);
3.09-3.13(d,1H,CH);3.88-3.92(m,1H,CH);4.02-4.05(t,2H,CH2)
13C[1H] NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm)
10.88(CH3);23.00(CH2);30.89(CH2);30.89(CH2);30.97(CH2);46.06(CH2);
67.23(CH2O);67.94(CH(OH));175.05(CO2)
IR(cm-1)
3354,3106,1735,1591,1558,1421,1345,1269,1179,1047,1002,951,911
【0043】
実施例4(5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸n-ブチルエステル塩酸塩の合成) 100mlオートクレーブに、5-アミノレブリン酸n-ブチルエステル塩酸塩3.35g、5%ロジウム-アルミナ0.50g及びn-ブタノール25mlを入れ、水素ガス(4MPa)を封入した後、実施例3と同様の処理を行い、5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸n-ブチルエステル塩酸塩3.22gを得た。収率95mol%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm)
0.91-0.95(t,3H,CH3);1.32-1.40(m,2H,CH2);1.57-1.64(m,2H,CH2);
1.78-1.84(m,2H,CH2);2.45-2.55(m,2H,CH2);3.07-3.21(br d,2H,CH2);
4.04-4.08(t,3H,CH 2,CH(OH));5.02(s,1H,CH(OH));7.93(s,3H,NH3)
13C[1H] NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm)
13.47(CH3);18.88(CH2);29.48(CH2);29.91(CH2);30.37(CH2);45.11(CH2);
64.31(CH2);66.80(CH(OH));173,64(CO2)
IR(cm-1)
3358,1734,1603,1462,1342,1270,1178,1062,947
【0044】
実施例5(5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸メチルエステル塩酸塩の合成)
10mlオートクレーブに、5-アミノレブリン酸n-メチルエステル塩酸塩540.0mg、5%ルテニウム-アルミナ100.0mg及びメタノール4mlを入れ、水素ガス(10MPa)を封入した後、80℃で1時間攪拌した。室温まで冷却して内容物を取り出し、吸引ろ過した。ろ液濃縮乾固させ、5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸メチルエステル塩酸塩513.8mgを得た。
【0045】
実施例6(γ-アミノメチル-γ-ブチロラクトン塩酸塩)の合成
100mlナスフラスコに、5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸メチルエステル塩酸塩2.70gと酢酸40mlを入れ、4時間加熱還流した。冷却後、反応液をエバポレータで濃縮し、ジエチルエーテル100mlを加えた。析出した結晶を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した後、室温下1mmHgで12時間乾燥して、γ-アミノメチル-γ-ブチロラクトン塩酸塩2.12gを得た。収率95mol%であった。
1H NMR(400MHz,D2O)δ(ppm)
2.01-2.11(m,1H);2.47-2.55(m,1H);2.66-2.81(m,2H);3.25-3.30(q,1H);
3.40-3.44(q,1H);4.92-4.98(m,1H)
13C[1H]NMR(400MHz,D2O)δ(ppm)
27.22(CH2);30.92(CH2);45.60(CH2);80.53(CH);183.42(CO2)
【0046】
試験例1(5−(アミノメチル)−2−ピロリジノンの合成)
10mlオートクレーブに、5-アミノ−4−ヒドロキシペンタン酸n−プロピルエステル塩酸塩264mgと25%アンモニア水1.6mlを入れ、水素ガス(10MPa)を封入した後、170℃で3時間攪拌した。室温まで冷却して内容物を取り出し、濃縮乾固した。残った固体を1H NMR、13C{1H}NMR、GC-MSで分析した結果、5−(アミノメチル)−2−ピロリジノンがほぼ定量的に生成しているのを確認した。
【0047】
【発明の効果】
本発明の5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸誘導体は、医薬品合成中間体である5−(アミノメチル)−2−ピロリジノンの合成原料として利用できる。本発明の製造法によると、簡単に且つ反応工程と別に精製工程を必要とすることなく高収率で5-アミノ-4-ヒドロキシペンタン酸誘導体を製造することができる。
また、本発明の式(IV)のラクトンの製造法によると、低沸点有機溶媒、又は水と低沸点有機溶媒との混合溶媒を反応系の溶媒として使用できるので、反応液からのラクトンの回収のための減圧乾燥(溶媒除去)のために、水を溶媒として使用する従来法が約2日かかるのに対して、本発明では約3時間で済む。
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