JP2013512883A - コンブレタスタチン誘導体調製方法 - Google Patents
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Abstract
本発明はコンブレタスタチン誘導体(I)または(II)の調製方法に関し、該方法は以下の工程を含む:トリアリール(3,4,5−トリメトキシベンジル)ホスホニウムハライドP3(III)(式中、Arはフェニルまたはチエニルのうちから選択されるアリール基を示す。)を式(IV)を有するP2または式(V)を有するP’2と、それぞれ式(VI)および(VII)を有する、化合物P4またはP’4がそれぞれ得られるように反応させ:次に、脱保護工程の間、酸および/または塩基の存在下で、P4またはP’4を有する化合物が、任意の精製工程の後、式(I)または(II)を有する化合物を生じる。
Description
本特許出願は式(I)または(II)のコンブレタスタチン誘導体:
化合物(I)および(II)は、抗癌化合物であるコンブレタスタチン誘導体またはスチルベン誘導体のファミリーに属する。これらは出願EP0731085,EP1264821,EP1068870およびEP1407784に記載される。これらの誘導体の調製は、これらの段階の1つにおいて、C=C二重結合の形成に基づく。この段階においては2つの異性体ZおよびEが形成され得るが、Z異性体
出願人企業は、化合物(I)および(II)を調製するための代替法であって、以下に記述される中間体P2またはP’2の使用に基づく方法を開発している。この方法は細胞毒性中間体が形成される段階を排除する利点を示す。従って、この代替法が示す毒性化合物を含む段階はより少なく、これは産業的な観点からこれを管理することをより容易にする。
論文J.Fluor.Chem.,2003,123,101−108およびSynlett.,2006,18,2977は、ウィッティヒ反応の段階の1つを用いる、コンブレタスタチン類の調製を記載する。ウィッティヒ反応は特許US7265136並びに国際出願WO03/084919およびWO2009/118474においても想定される。
J.Fluor.Chem.,2003,123,101−108
Synlett.,2006,18,2977
本発明は、式(I)または(II)のコンブレタスタチン誘導体:
を、塩基の存在下で:
下記式のP2:
各々(C1−C4)アルキル基を表すか;
もしくは、Rは(C1−C4)アルコキシ基によって場合により置換されるフェニル基を表し、およびR’は水素原子を表すか;
もしくは、RおよびR’は、これらが結合する炭素原子と共に、(C3−C7)シクロアルキル基を形成する。)
と;
もしくは、下記式のP’2:
本発明は式P2の化合物:
各々(C1−C4)アルキル基を表すか;
もしくは、Rは(C1−C4)アルコキシ基によって場合により置換されるフェニル基を表し、およびR’は水素原子を表すか;
もしくは、RおよびR’は、これらが結合する炭素原子と共に、(C3−C7)シクロアルキル基を形成し:
並びに、Xはboc、FmocまたはCBZを表す。)
にも関する。
本発明は式P’2の化合物:
RおよびR’は、例えば、両者ともメチル(Me)基を表すことができ、または、これらが結合する炭素原子と共に、シクロヘキシル基を形成することができる。Xは、例えば、bocを表すことができる。PG1は、例えば、以下の保護基の1つを表すことができる:THP(テトラヒドロピラン)、MEM(メトキシエトキシメチル)、boc、トリチルまたはアセチル(Ac)。Arは、(C1−C4)アルキルまたは(C1−C4)アルコキシ基によって場合により置換される、フェニルまたはチエニル基を表すことができる。A−はCl−を示し得る。
本発明は、式(I)または(II)の化合物の調製における中間体としての、2つの化合物P2およびP’2の一方の使用にも関する。
本発明は、式(I)または(II)の化合物の調製における中間体としての、2つの化合物P4およびP’4の一方の使用にも関する。
一般スキーム1はこの方法の段階(i)から(iv)を記載する:
RおよびR’が以下を表すP1:
各々(C1−C4)アルキル基;
もしくは、Rが(C1−C4)アルコキシ基、例えば、メトキシによって場合により置換されるフェニル基を表し、およびR’が水素原子を表す;
もしくは、RおよびR’が、これらが結合する炭素原子と共に、(C3−C7)シクロアルキル基を形成する;
もしくは、PG1がアルコール官能基の保護基を表す式P’1。このカップリングの結果、それぞれP2またはP’2が得られる。
Xはboc、FmocまたはCBZを表す。
P1は、より具体的には、以下の化合物の1つであり得る:
P’1は、より具体的には、以下の化合物の1つであり得る:
X=boc、PG1=THP:WO06042215の実施例13の化合物13aを参照;
X=PG1=boc:Justus Liebigs Annalen der Chemie,1971,743,57−68;
X=Fmoc、PG1=Ac:式:
X=boc、PG1=THP:WO06042215の実施例13の化合物13aを参照;
X=PG1=boc:Justus Liebigs Annalen der Chemie,1971,743,57−68;
X=Fmoc、PG1=Ac:式:
PG1はアルコール官能基の保護基を示す。boc、FmocおよびCBZは、tert−ブトキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニルおよびベンジルオキシカルボニル基をそれぞれ示す。保護基は、「保護」段階の間に化学基の修飾によって分子上に導入され、該化学基での望ましくない副反応を防止することによって反応の化学選択性を改善することを可能とし、および続く「脱保護」段階の間に放出される化学的実体である。PG1は、例えば、THP(テトラヒドロピラン)、MEM(メトキシエトキシメチル)、boc、トリチルまたはアセチル(Ac)であり得る。
カップリング(アミド化)は酸活性化剤の存在下で有利に行われる。「酸活性化剤」という用語は、アミド結合の形成を促進するため、P1またはP’1の酸官能基−COOHをより反応性にする役割を有する化合物を示す。酸活性化剤に関するさらなる詳細については、総説ChemFiles,Vol.7,No.2,page 3,edited by Aldrich Chemical、もしくはTetrahedron Report,No.672,2004,60,2447−2467,「Recent development of peptide coupling reagents in organic synthesis」を参照することができる。EDCI(塩化1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド))、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)、TOTU(O−[エトキシカルボニル]シアノメチレンアミノ)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート)、HBTU(O−(ベンゾトリアゾル−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)およびN,N−カルボニルジイミダゾールが酸活性化剤またはプロパンホスホン酸(T3P)の無水物の例である。酸活性化剤の存在下で、−COZ形態の活性化酸官能基を含む、単離可能であるか、または単離可能ではない中間体が形成され得る;例えば、塩化ピバロイルの場合、Zは−OtBuを表す。
カップリングは、例えば、塩化溶媒、例えば、ジクロロメタン(DCM)、エーテル、例えば、THF、または芳香族溶媒、例えば、トルエンのような溶媒中、0℃から20℃であり得る温度で行うことができる。
段階(ii):それぞれP4またはP’4を生じる、P2またはP’2とトリアリール(3,4,5−トリメトキシベンジル)ホスホニウムハライドP3とのウィッティヒ反応。P3において、Arは、(C1−C4)アルキルまたは(C1−C4)アルコキシ基によって場合により置換される、フェニルまたはチエニルから選択されるアリール基を示す。
ウィッティヒ反応は、溶媒中、塩基の存在下で行う。P3は3,4,5−トリメトキシベンジルハライドと対応するトリアリールホスフィンPAr3との反応によって得られる。塩化物または臭化物が好ましく用いられる。P3の一例は、J.Fluor.Chem.,2003,123,101−108の102頁に記載される塩化トリフェニル(3,4,5−トリメトキシベンジル)ホスホニウム、もしくはWO02/06279の15−16頁に記載されるこの臭化等価物である。
この反応の溶媒は、例えば、トルエン、THF、ジメチルホルムアミド(DMF)、クロロホルム、DCM、トリフルオロトルエン、これらの溶媒の混合液または水性2相混合液、例えば、クロロホルム/水混合液であり得る。
用いられる塩基は、好ましくは、強塩基、例えば、NaHMDS(ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド;CAS[1070−89−9])、KHMDS(カリウムビス(トリメチルシリル)アミド;CAS[40949−94−8])、ナトリウムメトキシド、ナトリウムアミドまたは水酸化ナトリウムである。塩基をホスホニウム塩P3と合わせた後、アルデヒドP2またはP’2を、予め塩基と接触させているホスホニウム塩P3に対して作用させることができる。より高い収率のP4またはP’4を得ることを可能にする好ましい代替形態によると、アルデヒドおよびホスホニウム塩によって形成される混合物に対して塩基を作用させる。
ウィッティヒ反応は、一般には、0℃および溶媒の還流温度の間の温度で行うことができる。
段階(iii):P4またはP’4の脱保護は、保護基Xおよび、適切な場合には、PG1の性質に依存する条件下、1以上の段階で行う。当業者は、適切な場合には、これらの条件を見出すため、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」,4th edition,ISBN978−0−471−69754−1を参照することができる。
従って、幾つかの保護基(例えば、X=bocである化合物P4)については、有機または無機酸AHの存在下で脱保護を行うことができる。この場合、脱保護で塩形態にある化合物P5が生じる。他の保護基については、有機または無機塩基Bの存在下で脱保護を行うことができる。この場合、脱保護で塩基形態にある化合物P’5が生じる。脱保護反応の温度は、好ましくは、0℃から50℃である。酸は強酸、例えば、塩酸塩を生じる塩酸であり得る。塩基は、例えば、水酸化ナトリウムであり得る。酸処理および塩基処理を、特に2つの異なる保護基XおよびPG1を含むP’4に対して、組み合わせることも可能である。
段階(iv):必要であれば、有機合成において公知のあらゆる精製技術によってZ異性体をE異性体から分離する。アルコールおよびケトンまたはエステルを含む混合液、より具体的には、メチルエチルケトン(MEK)/水混合液を溶媒として用いる再結晶化によって精製することができる。
段階(iii)または、適切な場合には(iv)の後に、場合により:
酸を添加することによって、塩基形態にあるコンブレタスタチン(例えば、(II))を塩形態にあるコンブレタスタチン(例えば、(I))に、
もしくは、塩基を添加することによって、塩形態にあるコンブレタスタチン(例えば、(I))を塩基形態にあるコンブレタスタチン(例えば、(II))に、
変換することからなる追加段階を続けることができる。
酸を添加することによって、塩基形態にあるコンブレタスタチン(例えば、(II))を塩形態にあるコンブレタスタチン(例えば、(I))に、
もしくは、塩基を添加することによって、塩形態にあるコンブレタスタチン(例えば、(I))を塩基形態にあるコンブレタスタチン(例えば、(II))に、
変換することからなる追加段階を続けることができる。
中間体P 1 およびP’ 1
P1は、スキーム2に従い、ケトンおよび、アミン官能基がXで保護されている、L−セリンの誘導体の反応によって得られる。
P1は、スキーム2に従い、ケトンおよび、アミン官能基がXで保護されている、L−セリンの誘導体の反応によって得られる。
[実施例1]
化合物(II)の塩酸塩の調製
化合物(II)の塩酸塩の調製
P
2
の調製(段階(i))
DCM(95ml)中のアミノバール(20.0g)の溶液を撹拌しながら調製し、4−10℃の温度を維持しながらこの溶液を反応器に入れる。次に、この混合物を1時間にわたって20℃に加熱し、20℃で最低16時間、撹拌したままにする。100mlの脱塩水を20−25℃で反応器に添加してこの混合物を20分間撹拌したままとし、沈殿によって分離させる。生成物を含む下有機相および上相(主として水性)を抜き出す。生成物を含む有機相を再度反応器に投入する。140mlの1.0N水酸化ナトリウム水溶液を添加する。この混合物を20−25℃で約20分間撹拌したままとした後、沈殿によって分離させる。生成物を含む下有機相を抜き出す。生成物を含む有機相を再度反応器に投入する。100mlの脱塩水を添加する。この混合物を20−25℃で約20分間撹拌したままとした後、沈殿によって分離させる。生成物を含む下有機相を抜き出す。生成物を含む有機相を再度反応器に投入する。100mlのイソプロパノールを添加する。
約30mbarの残留圧力の下、100mlの残留体積が反応器内に存在するまで蒸留を行う(ジャケット内35±5℃)。温度を20℃に調整し、混合物を20℃で3時間撹拌したままとする。反応器をすすぎ、ケークを合計体積40mlのイソプロパノールで2回洗浄する。生成物を、30mbarの真空下、40℃で乾燥させる。単離生成物の収率:60%。
ウィッティヒ反応(段階(ii))
581gのホスホニウム塩(1.2eq.)、350gの前段階からのアルデヒド(1.0eq.)および3500mlのCHCl3を7l反応器に投入する(濃い黄褐色溶液)。1110mlの1N NaOH溶液(1.2eq.)を添加する。この2相混合物を激しく撹拌すると溶液は淡黄色になる。これを約20℃で保持する。3500mlの水を添加し、混合物を撹拌して沈殿によって分離させる(水相のpHは13)。3500mlの水で第2洗浄を行う;pHは7である。沈殿による分離を行い、黄色−オレンジの有機相を抜き取る(346.0gのZおよび136.7gのEを含む体積4250ml)。Z/E比は72/28であり、アルデヒドに対するZ+Eの収率は96.2%である。
581gのホスホニウム塩(1.2eq.)、350gの前段階からのアルデヒド(1.0eq.)および3500mlのCHCl3を7l反応器に投入する(濃い黄褐色溶液)。1110mlの1N NaOH溶液(1.2eq.)を添加する。この2相混合物を激しく撹拌すると溶液は淡黄色になる。これを約20℃で保持する。3500mlの水を添加し、混合物を撹拌して沈殿によって分離させる(水相のpHは13)。3500mlの水で第2洗浄を行う;pHは7である。沈殿による分離を行い、黄色−オレンジの有機相を抜き取る(346.0gのZおよび136.7gのEを含む体積4250ml)。Z/E比は72/28であり、アルデヒドに対するZ+Eの収率は96.2%である。
この溶液を反応器に再導入した後、出発真空が100mbarで最終真空が45mbarの真空下でCHCl3を蒸留する(ジャケット温度は約30℃)。混合物はシロップ状になる。真空を解き、50mlのCHCl3および2500mlのAcOiPrを添加する:流体溶液が得られる(5250ml)。AcOiPrを添加しながら一定体積で蒸留を再開する。(主として酸化トリフェニルホスフィンの)結晶が形成され、これらを濾別する。次の段階において用いるため、期待される生成物を含む濾液を保持する。Z/E比=71/29。Zの収率:68.9%。
酸媒体中での脱保護(段階(iii))
前段階からの溶液(3045.9gの溶液、即ち、343.9gのZおよび136.9gのE)を投入する。295.2mlの12N HCl溶液(生成物に対して4eq.)を添加する。この2相混合物が黄色から暗赤色に変化する。1800mlの水を添加し、混合物を10分間撹拌して沈殿により分離させ、豊かな水相を抜き取る。900mlの水を有機相に添加する。この混合物を沈殿により分離させ、水相を抜き取る。3714gのオレンジの水相が得られる(Z/E比=67/33)。2700mlのAcOiPrを添加し、10−11のpHが得られるまで10N NaOH溶液を徐々に流し込む。この混合物を沈殿により分離させ、水相を抜き取る。2700mlの水および11gのNaClを添加し、この混合物を激しく撹拌した後、沈殿により分離させる。2700mlの水を用いてこの撹拌操作を反復する。黄色有機相が回収される(2760g)。Z/E比=68/32。収率:35%。
前段階からの溶液(3045.9gの溶液、即ち、343.9gのZおよび136.9gのE)を投入する。295.2mlの12N HCl溶液(生成物に対して4eq.)を添加する。この2相混合物が黄色から暗赤色に変化する。1800mlの水を添加し、混合物を10分間撹拌して沈殿により分離させ、豊かな水相を抜き取る。900mlの水を有機相に添加する。この混合物を沈殿により分離させ、水相を抜き取る。3714gのオレンジの水相が得られる(Z/E比=67/33)。2700mlのAcOiPrを添加し、10−11のpHが得られるまで10N NaOH溶液を徐々に流し込む。この混合物を沈殿により分離させ、水相を抜き取る。2700mlの水および11gのNaClを添加し、この混合物を激しく撹拌した後、沈殿により分離させる。2700mlの水を用いてこの撹拌操作を反復する。黄色有機相が回収される(2760g)。Z/E比=68/32。収率:35%。
再結晶化(段階(iv))
5.27gの前記生成物、50mlの水、50mlのAcOiPrおよび1.32mlの30%水酸化ナトリウム溶液を250ml三首フラスコに投入する。この混合物を30分間撹拌する。これを沈殿によって分離させ、水相(pH=10)を抜き取る。水(50ml)と共に撹拌操作を2回行う。第2の撹拌操作の後、pHは7である。有機相を蒸発乾固(40℃、60mbarの真空)させ、この残滓をオーブン(40℃)内で乾燥させる。この固体(5.49g)を11.2mlのMECに溶解し、1.00mlの12N HCl溶液(密度=1.18)をこの溶液に添加する。少量の生成物が徐々に結晶化する。0.36mlの水を添加し、結晶化した生成物の大部分を再溶解する。次に2.70mlのMECを添加し、再度結晶化を行う。この混合物を周囲温度で5日間撹拌する。Z/E比=93/07で生成物が得られる。Zの収率:45%。
5.27gの前記生成物、50mlの水、50mlのAcOiPrおよび1.32mlの30%水酸化ナトリウム溶液を250ml三首フラスコに投入する。この混合物を30分間撹拌する。これを沈殿によって分離させ、水相(pH=10)を抜き取る。水(50ml)と共に撹拌操作を2回行う。第2の撹拌操作の後、pHは7である。有機相を蒸発乾固(40℃、60mbarの真空)させ、この残滓をオーブン(40℃)内で乾燥させる。この固体(5.49g)を11.2mlのMECに溶解し、1.00mlの12N HCl溶液(密度=1.18)をこの溶液に添加する。少量の生成物が徐々に結晶化する。0.36mlの水を添加し、結晶化した生成物の大部分を再溶解する。次に2.70mlのMECを添加し、再度結晶化を行う。この混合物を周囲温度で5日間撹拌する。Z/E比=93/07で生成物が得られる。Zの収率:45%。
[実施例1a]
化合物(II)の塩酸塩の調製
ウィッティヒ反応(段階(ii))
44.8gのホスホニウム塩(1.2eq.)、27gの前段階からのアルデヒド(1.0eq.)および270mlのCHCl3を500ml反応器に投入する(濃い黄褐色溶液)。85.6mlの1N NaOH溶液(1.2eq.)を添加する。この2相混合物を激しく撹拌すると溶液が淡黄色になる。これを約20℃で約4時間維持する。270mlの水を添加し、この混合物を撹拌して沈殿により分離させる(水相のpHは13)。270mlの水を用いて第2の洗浄操作を行う;pHは7である。この混合物を沈殿により分離させ、黄色−オレンジの有機相(重量470.4g、26.7gのZおよび11.2gのEを含む。)を抜き取る。Z/E比は70/30であり、アルデヒドに対するZ+E比は98%であり、アルデヒドに対するZの収率は69.0%である。
化合物(II)の塩酸塩の調製
ウィッティヒ反応(段階(ii))
44.8gのホスホニウム塩(1.2eq.)、27gの前段階からのアルデヒド(1.0eq.)および270mlのCHCl3を500ml反応器に投入する(濃い黄褐色溶液)。85.6mlの1N NaOH溶液(1.2eq.)を添加する。この2相混合物を激しく撹拌すると溶液が淡黄色になる。これを約20℃で約4時間維持する。270mlの水を添加し、この混合物を撹拌して沈殿により分離させる(水相のpHは13)。270mlの水を用いて第2の洗浄操作を行う;pHは7である。この混合物を沈殿により分離させ、黄色−オレンジの有機相(重量470.4g、26.7gのZおよび11.2gのEを含む。)を抜き取る。Z/E比は70/30であり、アルデヒドに対するZ+E比は98%であり、アルデヒドに対するZの収率は69.0%である。
この溶液を反応器に再導入した後、酢酸イソプロピルへの溶媒の変更を減圧下で行う(45から100mbar、約30℃)。この操作の最後で、残留体積を203mlに調整する。結晶が形成され、これらの結晶を濾別して酢酸イソプロピルで洗浄する。反応生成物を含む濾液を次の段階でこのまま用いる。Z/E比=70/30。Zの収率:69.0%。
酸性媒体中での脱保護(段階(iii))
前段階からの溶液(248.0gの溶液、即ち、26.7gのZおよび11.2gのE)を500ml反応器に投入する。23.3mlの12N HCl溶液(生成物に対して4eq.)を添加する。2相混合物が黄色から暗赤色に変化する。この混合物を20℃で約5時間撹拌したままとする。137mlの水を添加し、混合物を10分間撹拌して沈殿により分離させ、水に富む水相を抜き取る。69mlの水を有機相に添加する。この混合物を沈殿により分離させ、水相を抜き取る。283.6gのオレンジの水相が得られる(Z/E比=66/34)。206mlのAcOiPrを添加し、10−11のpHが得られるまで10N NaOH溶液を徐々に流し込む。この混合物を沈殿により分離させ、水相を抜き取る。206mlの水および2.1gのNaClを添加し、混合物を激しく撹拌した後、沈殿により分離させる。この操作を再度反復する。黄色有機相が回収され、これを乾燥させる(35.0g、Z/E比=66/34)。この残滓を108.3gのMECに溶解する。溶液が得られる。5.82mlの12N HClおよび2.75mlの水を連続的に添加する。続いて、75mgの純粋Z異性体を添加することによって開始する。混合物を20℃で24時間撹拌したままとした後、得られるスラリーを濾過する。ケークを可能な限り乾燥させて引き出した後、オーブン(50℃、60mbar)内で乾燥させる。このようにして7.15gのベージュ色の微粉末が得られる:Zの収率:31.5%、Z/E比=95.9/4.1。
前段階からの溶液(248.0gの溶液、即ち、26.7gのZおよび11.2gのE)を500ml反応器に投入する。23.3mlの12N HCl溶液(生成物に対して4eq.)を添加する。2相混合物が黄色から暗赤色に変化する。この混合物を20℃で約5時間撹拌したままとする。137mlの水を添加し、混合物を10分間撹拌して沈殿により分離させ、水に富む水相を抜き取る。69mlの水を有機相に添加する。この混合物を沈殿により分離させ、水相を抜き取る。283.6gのオレンジの水相が得られる(Z/E比=66/34)。206mlのAcOiPrを添加し、10−11のpHが得られるまで10N NaOH溶液を徐々に流し込む。この混合物を沈殿により分離させ、水相を抜き取る。206mlの水および2.1gのNaClを添加し、混合物を激しく撹拌した後、沈殿により分離させる。この操作を再度反復する。黄色有機相が回収され、これを乾燥させる(35.0g、Z/E比=66/34)。この残滓を108.3gのMECに溶解する。溶液が得られる。5.82mlの12N HClおよび2.75mlの水を連続的に添加する。続いて、75mgの純粋Z異性体を添加することによって開始する。混合物を20℃で24時間撹拌したままとした後、得られるスラリーを濾過する。ケークを可能な限り乾燥させて引き出した後、オーブン(50℃、60mbar)内で乾燥させる。このようにして7.15gのベージュ色の微粉末が得られる:Zの収率:31.5%、Z/E比=95.9/4.1。
再結晶化(段階(iv))
488mgの化合物(I)(Z/E=93.5/6.5)、0.115mlの水および268mlのアセトニトリルを5ml丸底フラスコに投入する。この混合物を35℃に加熱し、溶液が得られるまで撹拌した後、20℃まで冷却する。この温度で3mgの純粋Z異性体を用いて開始させる。混合物を30分間撹拌したままとした後、3.44mlのアセトニトリルを約2時間にわたって流し込む。続いて、混合物を20℃で18時間撹拌したままとし、濾過する。得られるケークをオーブン(50℃、60mbar)内で乾燥させる。このようにして、367mgの期待される生成物が99.65/0.35のZ/E比、即ち、80%の収率で得られる。
488mgの化合物(I)(Z/E=93.5/6.5)、0.115mlの水および268mlのアセトニトリルを5ml丸底フラスコに投入する。この混合物を35℃に加熱し、溶液が得られるまで撹拌した後、20℃まで冷却する。この温度で3mgの純粋Z異性体を用いて開始させる。混合物を30分間撹拌したままとした後、3.44mlのアセトニトリルを約2時間にわたって流し込む。続いて、混合物を20℃で18時間撹拌したままとし、濾過する。得られるケークをオーブン(50℃、60mbar)内で乾燥させる。このようにして、367mgの期待される生成物が99.65/0.35のZ/E比、即ち、80%の収率で得られる。
Claims (12)
- 式(I)または(II)のコンブレタスタチン誘導体:
の調製方法であって、以下の段階を含む方法:
トリアリール(3,4,5−トリメトキシベンジル)ホスホニウムハライドP3
を、塩基の存在下で:
下記式のP2:
各々(C1−C4)アルキル基を表すか;
もしくは、Rは(C1−C4)アルコキシ基によって場合により置換されるフェニル基を表し、およびR’は水素原子を表すか;
もしくは、RおよびR’は、これらが結合する炭素原子と共に、(C3−C7)シクロアルキル基を形成する。)
と;
もしくは、下記式のP’2:
Xはboc、FmocまたはCBZを表す。)
と、それぞれ化合物P4またはP’4が得られるように反応させ:
- RおよびR’が両者ともメチル基を表すか、または、これらが結合する炭素原子と共に、シクロヘキシル基を形成する、請求項1に記載の方法。
- Xがbocを表す、請求項1または2に記載の方法。
- PG1が以下の保護基:THP(テトラヒドロピラン)、MEM(メトキシエトキシメチル)、boc、トリチルまたはアセチル(Ac)の1つを表す、請求項1から3に記載の方法。
- Arが、(C1−C4)アルキルまたは(C1−C4)アルコキシ基によって場合により置換される、フェニルまたはチエニル基を表す、請求項1から4に記載の方法。
- A−がCl−を示す、請求項1から5の一項に記載の方法。
- Xがbocを表す、請求項7に記載の化合物。
- RおよびR’が両者ともメチル基を表し、もしくはRおよびR’が、これらが結合する炭素原子と共に、シクロヘキシル基を形成する、請求項8に記載の化合物。
- PG1がTHP(テトラヒドロピラン)、MEM(メトキシエトキシメチル)、boc、トリチルまたはアセチル(Ac)を表す、請求項10に記載の化合物。
- 請求項1において定義される式(I)または(II)の化合物の調製における中間体としての、請求項7から11に記載の化合物の使用。
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