JP4619457B2 - 徐放性製剤 - Google Patents
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Description
本発明は、活性化合物、特に薬学的に活性な化合物の徐放に関する。より詳しくは、本発明は、放出制御機構として錯化剤と薬学的に活性な化合物または他の活性化合物の相互作用を、イオン系重合体支持マトリックスと組み合わせ、例えば、薬学的に活性な化合物の所望の箇所への標的化を改良するための使用に関する。
発明の背景
本発明は、その最も広い特徴において、例えば工業または農業分野ならびに医学および獣医学分野において特別な活性を有する化合物を徐放するための製剤に関する。
本明細書において、細胞毒性または抗腫瘍性薬剤、特に制癌剤ドキソルビシン(DOX)およびシスプラチン(CDDP)、を人間や動物の腫瘍箇所に標的化する方法に関して特に詳細に説明するが、無論、本発明はこれらの特定の制癌剤の投与に制限されるものではなく、好ましい特徴においては、あらゆる薬学的に活性な化合物の投与に関連する。上記の様に、その最も広範囲な特徴において、本発明は一般的な活性化合物の徐放に関する。
活性細胞毒性薬を徐放性マトリックス中に取り入れることは、癌の治療に関して強力で有効な方法であることが立証されている。これらの薬剤−重合体複合体は、腫瘍の中に直接注入するか、または腫瘍を含む標的器官の動脈循環の中に微小球の形態で塞栓形成(embolisation)させることにより、投与することができる。動脈循環中への塞栓形成および固体の腫瘍堆積物中への直接注入の両方とも、局所的癌治療の認められた形態である1,2。癌を含む器官の動脈循環の中に薬剤−重合体複合体を塞栓形成させる場合、薬剤−重合体複合体は、一般的に直径10〜200ミクロンの大きさの小粒子または微小球の形態に製造する。薬剤−重合体複合体を腫瘍の中に直接投与する場合、同じ配合を使用できるが、微小球にする必要はない。
この形態の治療が有効であるためには、2つの基本的な必要条件がある。第一に、所望の細胞毒性効果を得るために、標的箇所に十分な量の薬剤を集中する必要がある。第二に、腫瘍環境中への、最大限の細胞破壊を引き起こす投与率を制御する必要がある。これらを達成するには、高濃度の細胞毒性薬を担持できると共に、薬剤の制御または持続された放出の概要を与える重合体マトリックス系を設計または開発することが不可欠である。
このことは、徐放性マトリックスの製造に対して問題を提起することが多い。薬剤担持量の高いマトリックスは、「バースト・リリース(burst release)」効果と呼ばれる、薬剤の急速な放出が観察されることが多い。これはほとんどの場合、高担持量マトリックスを製造する際の、薬剤の結合が弱いか、または薬剤が表面に集中する結果である。従来の被覆技術を使用する方法は、薬剤を徐放させることはできるが、一般的に系の薬剤担持量が低下する3。
局所的な化学療法を使用する癌患者の治療では、反復投薬できる様に、薬剤−重合体コンプレックスが分解性であるのが望ましい。したがって、身体の組織内で分解する薬剤−重合体複合体を製造することも必要である。
持続放出/徐放系では、薬剤放出の速度は、大部分、薬剤と重合体マトリックスの間の相互作用によって決定され、薬剤配合の方法により影響される。薬剤は一般的に下記の簡単な手段、すなわち物理的な捕獲、イオン的な相互作用および共有結合、により徐放系の中に取り入れることができる。物理的捕獲では、中〜高度の薬剤担持が可能であるが、一般的に薬剤放出は速過ぎる。イオン的相互作用も良好な薬剤担持性を与えられるが、バースト・リリースがなお問題になることがある。共有結合では、薬剤担持量が低くなり、放出速度が遅くなる。生物分解性重合体マトリックスでは、分解速度も生体内薬剤放出速度に影響する。
ドキソルビシン(DOX)、アンスラサイスリン、は癌の治療に最も広く使用されている薬の1種である。しかし、この薬の全身投与は心臓毒性および他の組織損傷を引き起こすことがあり、このために、腫瘍箇所を標的としてDOXをより直接的に送り込む系を開発する試みがなされている。これらの中で最も有望な試みの一つは、腫瘍に供給している血管系の中にDOXを含む微小球を注入する方法である。これは微小球が塞栓を形成し、次いでそれらの薬剤を長時間に渡って腫瘍環境中に放出することを意図している。
最初の方法は、DOXの存在下でアルブミンを重合させることにより製造した微小球を使用する4-8ことであったが、これらの粒子には、担持容量が低く(1〜13%)、初期のバースト・リリースの概要を有する、という欠点があった。アルブミン微小球の処方に、ポリ陰イオン系化合物、例えばポリα−L−グルタミン酸9、ポリβ−L−アスパラギン酸10またはヘパリン11、を含むことにより、これらの担持および放出特性が同じ程度に改良された。別の方法では、スルホン酸基を含む市販の陰イオン交換樹脂を使用してDOXを結合している12,13。これらの粒子は、高担持容量および優れた放出特性を示し、ラットの肝臓およびラットの後肢腫瘍の治療に著しく有望であることを示している14,15。しかし、これらの微小球は、非毒性ではあるが、体内または体外における分解性がなく、薬剤治療をさらに続ける必要がある患者には用途が限られている。
本発明に関する研究の一つの目的は、薬剤担持量が高く、徐放性があるが、バースト・リリースがなく、生物分解性を有する系を提供することであった。この研究の一特徴において、本発明者は、マトリックスとして生物分解性のイオン系重合体を開発し、薬剤−重合体結合機構としてイオン結合を使用し、高い薬剤担持量を達成した。本発明者は、バースト・リリースを抑制するための、薬剤−金属イオン錯体の形成も開発した。これによって、臨床使用に必要なすべての特性を備えたキャリヤーマトリックスが得られた。
発明の開示
本発明により、活性化合物、例えば薬学的に活性な化合物、を担持したイオン系重合体マトリックスを含んでなる徐放性製剤を提供するが、該活性化合物は錯化剤と錯体形成し、重合体マトリックスからの活性化合物の放出性が改良される。本明細書およびそれに続く請求項を通して使用する様に、用語「薬学的に活性な化合物」とは、治療上の活性を有し、ヒト医薬および獣医学の分野の両方で使用される化合物を含む。
好ましくは、イオン系重合体マトリックスは微小球、例えば直径10〜200ミクロン、好ましくは直径20〜70ミクロンの大きさの微小球、の形態で提供される。その様な微小球は、徐放性製剤が薬学的に活性な化合物を含んでなり、非経口的に、例えば静脈内、動脈内、または直接注入により投与される場合に特に好適である。しかし無論、本発明の徐放性製剤は、懸濁液、エマルション、リポソーム、小粒子、マイクロカプセル/微小粒子、配合体/凝集物、インプラント、ディスク、フィルムおよびメンブラン投与方式の様な他の種類の処方または薬剤投与方式にも適用できる。
本質的に、本発明では、活性化合物の放出を制御する機構として、担持性のイオン系重合体マトリックス中で活性化合物を錯体形成する。薬学的に活性な化合物を使用する実験の結果、この錯体形成により、他の薬剤−マトリックス処方に対して、高担持性、初期のバースト・リリースの減少、活性化合物の徐放性、および生物分解性を含む多くの利点が得られる。
本発明の一特徴により、系の好ましい高い薬剤担持性に悪影響を及ぼさずに、バースト・リリースを最小に抑えるために、薬剤−金属イオン錯体形成を開発した。ある種の金属は、薬剤ならびに重合体に対して親和力を有することが知られている16。薬剤−金属錯体は生物学的に活性である場合がある。DOX−鉄はその一例である17。しかし、薬剤−金属イオン錯体は、薬剤の徐放機構としてはこれまで提案されていない。これに関して、本発明は、DOX−鉄の徐放性に関するものではなく、徐放機構としてDOX−金属イオンおよびDOX−金属イオン−重合体の錯体形成を利用し、純粋なDOXの最適な/望ましい放出性を有する系を提供する。本発明書の実験的なデータによれば、金属イオンとDOXの、特に弱く結合したDOXの錯体形成により、重合体マトリックス中に巨大分子の網目構造が形成されると考えられる。これによって、DOXが徐々に放出される。錯体の形成に必要な金属の量は非常に小さいので、この技術により初期薬剤担持性は影響を受けない。様々な比率および種類の金属イオンを使用することにより、多様で持続性のある薬剤放出の概要を有し、同時に、高度の薬剤担持性を維持しているマトリックス系の処方が可能になる。
本発明の好ましい特徴では、DOXやCDDPの様なイオン系薬剤のための重合体マトリックスとして架橋したアルブミンおよびデキストラン硫酸の微小球を使用し、陽イオン系薬剤DOXおよびCDDP用の担持構造および陰イオン性箇所の両方を提供し、高度の薬剤担持性を達成する。この実施態様では、アルブミンおよびデキストラン硫酸が2種類の重合体を代表するが、一方は担持網目構造を与え、他方は強力なイオン交換体である。アルブミンおよびデキストラン硫酸の両方とも、類似の特性を有する他の重合体、例えばトランスフェリンおよびコンドロイチン硫酸、によりそれぞれ置き換えることができる。場合により、2種類の重合体は、イオン交換樹脂の様な、担持およびイオン結合機能の両方を与えることができる1種類の重合体系、例えばポリスチレンジビニルベンゼン系のイオン交換樹脂またはSP-Sephadex、により置き換えることもできる。陽イオン性基を含む重合体を使用することにより、同じ原理が、陰イオン系薬剤用の重合体マトリックスの処方にも適用できる。
本発明の徐放性製剤のイオン系重合体マトリックスは、生物分解性でも非生物分解性でもよい。非生物分解性重合体マトリックスの例は、上記のポリスチレン−ジビニルベンゼン系のイオン交換樹脂の様なイオン交換樹脂である。
上記の架橋アルブミンおよびデキストラン硫酸を含んでなる重合体マトリックスは、生物分解性重合体マトリックスの一例である。その様なマトリックスでは、デキストラン硫酸は、陽イオン性基を含む活性化合物と相互作用し、その放出を制御するイオン系重合体マトリックスを形成するためのイオン性物質として使用される。デキストラン硫酸の代わりに使用できる他のイオン性物質の例としては、硫酸アミロペクチン、カラギーナン、コンドロイチン硫酸、ヘパリン硫酸、ヘパリン、フコイダン(fucoidan)、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリイノシン酸、ポリ乳酸、多価重合体酸、SP-Sephadex、CM-Sephadex、デキストラン硫酸セルロース、デキストラン硫酸アガロース、陽イオン系イオン交換樹脂、および他の、酸性/陰イオン性基を含むすべての物質がある。
ウシまたはヒトの血清アルブミンの様なアルブミンが、生物分解性イオン系重合体マトリックス中で担体材料として使用することができる。これらのマトリックスには、アルブミンの代わりに、例えばカゼイン、ゼラチン、ヘモグロビン、トランスフェリン、コラーゲン、フィブリノーゲン、フィブリン、ゼイン、フェリチン、アクチン、その他、デキストラン硫酸または上記のすべてのイオン系物質とイオン系重合体マトリックスを形成できる。類似の性質を有するすべての物質を含めて、様々な他の担持材料を使用することができる。
好ましくは、金属イオンを使用して、イオン系重合体マトリックス上に担持された活性化合物と錯体形成し、それによって活性化合物の放出特性を制御する。錯化剤として使用できる金属イオンの例としては、鉄、銅、亜鉛、コバルト、クロム、ニッケル、パラジウム、ジルコニウムおよびバナジウムがある。活性化合物と錯体形成し得る他の物質、例えばCDDPの場合のキトサン、および他の金属系活性化合物、も使用できる。
錯化剤は、好ましくは活性化合物の放出を遅延させるものである。活性化合物がDOXである場合、この錯化剤は好ましくはFeイオンである。
前に説明した様に、本発明では、薬学的に活性な化合物、例えばドキソルビシン、ダウノルビシンおよびシスプラチンの様な細胞毒性または細胞増殖抑制(cytostatic)剤、を含むすべての適当な活性化合物をイオン系重合体マトリックス中に担持することができる。
アルブミン−デキストラン硫酸微小球(A−DMS)を含んでなる重合体マトリックスは、DOXに対して高い担持容量を有することが分かった。これらの微小球からDOXを放出する速度は、微小球に様々な程度で担持させることにより、および担持微小球を様々な濃度の鉄で処理し、DOXと微小球の結合を変えるDOXとの錯体を形成する17,18ことにより、制御することができる。
さらに別の特徴では、本発明は、上に広範囲に説明した徐放性製剤を、薬学的に許容される担体および/または希釈剤と共に含んでなる医薬組成物であって、活性化合物が薬学的に活性な化合物である、医薬組成物を提供する。
その様な医薬組成物の処方は当業者には良く知られている。適当な薬学的に許容される担体および/または希釈剤には、通常のすべての溶剤、分散媒体、水溶液、殺菌剤および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤等がある。薬学的に活性な物質に対するその様な媒体および物質の使用は、この分野では良く知られており、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,Mack Publishing Company,Pennsylvania,USAに記載されている。通常のすべての媒体または物質が活性化合物と非相容性である場合を除き、本発明の医薬組成物にそれらを使用することができる。補足的な活性成分も組成物に配合することができる。
本発明は、別の特徴において、治療に有効な量の、活性化合物が薬学的に活性な化合物である、上に広範囲に説明した徐放性製剤を患者に投与することを含んでなる、人間または動物の患者の治療方法を提供する。これに関して本発明は、活性化合物が薬学的に活性な化合物である、上に広範囲に説明した徐放性製剤の、人間または動物の患者の治療に使用する医薬組成物の製造における使用にも関する。
様々な投与方法が人間または動物の患者の治療に使用できる。無論、選択する特定の様式は、治療する特定の条件、および効果的な治療に必要な投与量により異なる。一般的に、本発明の方法は、医学的に許容されるすべての投与様式、つまり臨床的に許容できない悪影響を引き起こさずに、薬学的に活性な化合物の治療水準をもたらすすべての様式を使用して実行することができる。その様な投与様式には、非経口的(例えば皮下、筋肉内、動脈内および静脈内)経路がある。
非経口投与に適した組成物は、好ましくは受容者の血液と等張である、活性化合物の無菌水性製剤を含んでなるのが有利である。無菌の注入可能な製剤は、無毒性の非経口的に受け入れられる希釈剤または溶剤中の、無菌の注入可能な溶液または懸濁液でよい。使用可能な媒体および溶剤には、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液がある。
薬学的に活性な化合物は治療に有効な量で投与される。治療に有効な量とは、少なくとも部分的に望ましい効果を得る、または治療する特定の状態の開始または進行を遅延させる、阻止する、または停止させるのに必要な量である。その様な量は、無論、治療する特定の状態、状態の重度、および年齢、物理的状態、身長、体重および同時に行なっている治療を含む個々の患者のパラメータにより異なる。これらの要因は当業者には良く知られており、日常の試験で指摘できる。一般的に、最大量、すなわち適切な医学的判断に基づく最高で安全な投与量、を使用するのが好ましい。しかし、当業者には明らかな様に、医学的な理由、心理学的理由、または事実上他のあらゆる理由から、より低い量、または許容される量を投与することができる。
本発明書に記載する詳細な説明は、アルブミンおよび高分子量デキストラン硫酸のエマルションを架橋させることにより製造した生物分解性微小球粒子が、強い陰イオン交換特性を示すことを立証している。これらの微小球は、陽イオン系薬剤DOXおよびCDDPに対して高い担持容量を有する。これらの微小球からのDOXの放出の概要は、担持百分率を変えるか、または薬剤担持した微小球をFe(III)で処理することにより変えることができ、一方、CDDPの放出プロファイルは、薬剤担持した微小球をキトサンで処理することにより変えることができる。この放出プロファイルの多様性により、これらの微小球を腫瘍の臨床治療に効果的に使用できるであろう。
本明細書およびそれに続く請求項を通して、他に指示がない限り、「含んでなる」の語、またはその変形は、記載された事項または事項の群を含むが、他の事項または事項の群を排除しないことを意味する。
本発明の他の特徴を下記の実施例で、より詳細に説明する。しかし、この詳細な説明は、本発明を例示するためだけであり、上記の本発明の広範囲な説明を制限するものではない。
添付の図面中、
図1は、連続法を使用してPBSで溶離させた、最大限に担持させたA−DMS(DOX含有量78%)の放出の概要を、イオン交換樹脂(DOX含有量63%)および遊離薬剤との比較で示す。それぞれの実験は1mgのDOXを使用した。
図2は、非連続法を使用してPBSで溶離させた、最大限に担持させたA−DMS(DOX含有量80%)の放出の概要を、イオン交換樹脂(DOX含有量61%)との比較で示す。それぞれの実験は1mgのDOXを使用した。
図3は、連続法を使用してPBSで溶離させた、微小球からのDOXの累積放出を示す。濃度はUV吸収により測定した。
図4は、非連続法により測定した、担持量を低下させた場合の「バースト・リリース」に対する影響を示す、最大限未満に担持させたA−DMS(DOX含有量20〜60%)の、PBSで溶離させた放出の概要を示す。それぞれの実験は1mgのDOXを使用した。
図5は、鉄処理前後の、最大限に担持させたA−DMS(DOX含有量80%)の放出の概要を示す。微小球は、連続法を使用してPBSで溶離させた。それぞれの実験は1mgのDOXを使用した。
図6は、非連続法で測定した、様々なFe(III)対DOX比における処理の影響を示す、PBSで溶離させたA−DMS(DOX含有量50%)の放出の概要を示す。
図7は、遊離DOX、およびDOXを担持し、鉄処理したA−DMSの治療を受けている患者(1mg/kg患者体重)における、ドキソルビシンの血漿濃度を示す。
図8は、放出媒体としてEDTAを含むPBSを使用する、Fe−およびCu−処理したDOX担持IE樹脂の放出の概要を示す。
実施例1
この実施例は、ドキソルビシンを含む分解性薬剤−複合体系の製造技術を示す。
A.材料および方法
ウシの血清アルブミンをCommonwealth Serum Laboratories,Melbourne、オーストラリア、で製造した。デキストラン硫酸のナトリウム塩(分子量500,000)はSigma(オハイオ、米国)から入手した。ドキソルビシンは、Farmitalia,Sydney、オーストラリアの好意による。Bio-Radから入手したイオン交換樹脂Aminex AG50WX4(直径32.5±2.5μm)を、HClおよびNaOH溶液および蒸留水で洗浄して精製した。使用した他の薬品はすべて分析用試薬であった。
アルブミン−デキストラン硫酸微小球(A−DMS)の合成
ウシ血清アルブミン(0.4g)を、0.1%ドデシル硫酸ナトリウムを含む1mMリン酸塩緩衝液、pH7.5、1.6mlに溶解させ、次いで20%(w/v)デキストラン硫酸ナトリウム塩2mlと混合し、分散相を形成した。この分散相を、Silverson Mixer(Silverson Machines,Chesham,Bucks,UK)を使用し、撹拌速度720rpm、室温で、オリーブ油100ml中に乳化した。このエマルションにグルタルアルデヒドの水溶液(10% w/v、400μl)を加え、1時間撹拌してアルブミンを架橋させ、微小球を凝固させた。微小球を分離し、石油エーテル(×3)、イソプロパノール(×2)および0.1%Tween 80を含む蒸留水(×2)で洗浄した。遠心分離後、ナイロンメッシュ(63μm)およびステンレス鋼製篩(20μm)を通して微小球を濾過した。20〜63μmの大きさの微小球をイソプロパノールで洗浄(×2)し、次いでインキュベーター中、37℃で48時間乾燥させた。これらの微小球は、使用するまで、デシケーター中、4℃で保存した。
薬剤の担持
最大担持量を得るために、一般的に20mgのA−DMSをエタノール100μlで処理し、水3mlで洗浄し、微小球を膨潤させた。次いで、膨潤した微小球を2mlのDOX溶液(10mg/ml)と、4℃で18時間、暗所で混合した。微小球を水2mlで3回洗浄し、DOX溶液の減少および洗浄液中のDOXの量から担持程度を求めた。最大担持量より少ない量(20〜60%)では、計算量のDOXを膨潤した微小球と10分〜1時間混合すると、この間に、吸収は99%を超え、赤色の担持溶液はほとんど無色になった。DOX含有量は、それらの495nmにおけるUV吸収により測定した。
DOXを担持したA−DMSの鉄による処理
鉄との最大錯体形成の代表的な手順は、下記の通りである。10mgのDOXを含むDOX担持したA−DMSを水1ml中に分散させ、0.1mol/l Hepes緩衝液(pH7.0)200μl、続いて0.1mol/l FeSO4・7H2O 200μlを加えた。この懸濁液を5分間混合している間に、微小球が深い赤色から褐−黒色に変化し、次いで処理した粒子を水で洗浄(3×3ml)し、緩衝液および過剰のFeSO4を除去した。また、放出速度に対する錯体形成の程度の影響を決定するために、鉄処理したDOX微小球を、Fe対DOXの比(1:1、1:3、1:6、1:9、1:12)を使用して製造した。
放出試験
試験管内におけるA−DMSからのDOXの放出を、連続流動方式または断続方式を使用して評価した。流動方式に関して、DOXまたは鉄処理したDOXを含む(通常、薬剤1mg)微小球をガラスカラム上に固定し、0.15mol/l NaCl、0.05mol/l NaH2PO4の組成を有する、リン酸塩緩衝液を加えた塩水(PBS)、pH7.0、37℃、により、5ml/lの割合で溶離させた。溶離液中のDOX濃度は、495nmにおけるUV吸収により連続的に監視した。断続方式では、DOXを担持したA−DMSを横揺れミキサー上で3.5mlのPBSと20分間混合し、微小球を遠心分離により沈降させ、上澄み液を吸引し、そのDOX含有量を495nmにおけるUV吸収により測定した。新しいPBSを加え、このサイクルを6時間まで繰り返した。両方法から得た溶離液の一部を、HPLC、UV分光法および原子吸光による分析用に保存した。HPLCは以前に記載されている条件を使用して行なった13。
B.結果および考察
A−DMSの合成
重量で等量のアルブミンおよびデキストラン硫酸から製造した微小球は、自由流動性の褐色粉末として、20〜63μm(光学顕微鏡法により測定)の直径に対して32〜40%の収率で得られた。
薬剤の担持
A−DMSは強いイオン交換特性を示し、スルホン酸官能基を含む市販の陰イオン交換樹脂と類似した量のDOXを担持した。これらの担持量(担持された薬剤のグラム数/空の微小球100gとして計算)は、これまでに報告されているアルブミン系微小球よりも大きかった(表1参照)。より低いDOX対微小球の比率を使用して得た最大限未満の担持量は、大幅に短縮された混合時間で達成された。この研究で使用した最低担持量(20〜25%)は、初期の深い赤色を有する担持溶液から色が完全に失われることにより立証される様に、5分間未満で達成された。
最大限に担持したA−DMSからのDOXの放出
最大限に担持したA−DMSからのDOXの放出に関する概要およびそれらのイオン交換微小球との比較を図1および2に、それぞれ連続および断続法で示す。この研究および行なったすべての他の放出研究に対して、2つの方法は定性的に非常に類似した結果を示した。A−DMSに対する放出パターンの特徴は、微小球からDOXが最初に急速に失われ、その後に、より安定した放出速度が続くことである。初期段階の間に、使用可能な薬剤の43%が放出された(断続試験から計算)。このことは、より一様な放出速度(同じ時間内に12%が放出された)を有するイオン交換粒子と対照的である。担持された粒子が、DOXがそれ以上放出されなくなるまで繰り返し抽出される実験では、85〜95%のDOXがA−DMSから回収可能であった(495nmにおけるUV吸収性から計算)。DOX担持したA−DMSから薬剤が累積放出されるグラフを図3に示す。
様々な含有量の放出速度に対する影響
バースト・リリースは、毒性が増加するために一般的に臨床的には好ましくないので、A−DMSからの初期の高い放出速度を低減させるための研究を行なった。担持量を減少させる影響を図4に示す。担持量を60から20%に下げるにつれて、バースト・リリース現象は段階的に低下した。これから、担持量の最も低い微小球は、試験の最後で高担持量微小球が枯渇に向かう時に、担持量の高い微小球よりも実際に大きな速度で放出することが観察された。20および30%担持したA−DMSはDOXを一定の速度で放出しているが、これらの担持量を臨床的に使用する場合、等しい量の薬剤を投与するためにはより多くの微小球が必要になる、という欠点があろう。しかし、これらの低担持量でも、以前に開示されているアルブミン系微小球に関する値と比較して、より優れた放出プロファイルを示している。臨床使用に最も好ましい担持量は、実験的に求める必要があろう。
担持量の放出速度に対する影響のこれらの観察は、A−DMSが様々な強度の結合箇所を有するためである、と説明するのが妥当であろう。低担持量では、最も強い箇所が優先的に占領され、それらの薬剤を低速度で放出するのであろう。飽和担持量では、最も弱い箇所も占領され、これらの箇所から薬剤は急速に放出され、「バースト・リリース」を引き起こすのであろう。
A−DMSからの放出速度に対する鉄処理の影響
DOXは、溶液中で鉄を含むある種の金属と錯体を形成する(Fe(III)1分子がDOX3分子と結合する)ことが知られており、担持した微小球を鉄または銅溶液で処理すると、イオン交換微小球からのDOX放出速度が下がることが分かった(下記の実施例4参照)。そこで、鉄もデキストランと錯体を形成することが良く知られているので、DOX担持したA−DMSの鉄処理が同様な効果を有するか、否かを調べることにした。この試験では、鉄をFe(II)として微小球に加えたが、これは実験条件下で急速にFe(III)に酸化され、DOXと錯体形成すると考えられるのはこの状態の鉄である。連続流動法を使用し、最大担持したDOX A−DMSを、1部のDOXに対して1部の鉄(化学量論的に6倍過剰の鉄)で処理することの、放出速度に対する影響を図5に示す。De対DOX比(1:1〜1:12)を使用して50%担持したA−DMSを処理する影響を、断続方式を使用して測定したが、その結果を図6に示す。両方の実験が、Fe対DOX比1:3以上を使用する処理が、バースト・リリース現象を克服すると共に未処理微小球に対して放出速度を下げるのに、著しい影響を有することを示している。Fe処理したDOX A−DMSおよび未処理DOXイオン交換微小球の放出の概要は極めて類似している(図1および5または2および6を比較)。
鉄処理した微小球からの放出に使用できるDOXの量を測定するために、微小球をPBSで2時間かけて抽出した。担持された薬剤の78%までが抽出中に回収され(図3参照)、抽出した微小球をパパインで部分消化することにより、さらに4〜9%が使用可能になった。
放出物質の特性検査
(a)DOX担持A−DMSから
放出画分中のDOX濃度を、すべての発色団の495nmでの吸収を測定するUV吸収、およびDOXをそのUV吸収性代謝物質から分離して検出する確立されたHPLC法、の両方により測定した。DOXに対するHPLC値は、全UV吸収を使用して測定した値の85〜95%であったが、この相違を説明する既知のDOX代謝物質の証拠は無かった。微小球上のDOXの5〜15%は容易に抽出されないので、本来の含有量の72〜90%が活性DOXとして治療に使用できる筈である。
(b)鉄処理したDOX担持A−DMSから
DOXが1:3の鉄−DOX錯体として、または遊離のDOXとして放出されるかを確認するために、放出画分を上記に加えて、鉄含有量について検定した。鉄は検出されたが、化学量論的に、その量は真の錯体に対して予想される値の3分の1未満であった。錯体は612nmで強く吸収すると報告されているが、放出画分のいずれに関しても、この波長で重要な吸収は観察されなかった。錯体は希釈によりその成分に解離することが以前に示されている17ので、DOXが鉄−DOXキレートとして放出されるとしても、この試験で達した濃度では解離していると予想される。したがって、鉄処理したDOX担持A−DMSは、その“DOX”の大部分を遊離形態で放出するという結論に達した。
HPLCにより、495nmでUV吸収する物質の70〜85%が遊離DOXによるものと考えられる。したがって、鉄処理に続いて微小球から抽出され得るDOXの量を考えると、担持された薬剤の52〜66%が活性DOXとして容易に利用できる筈であり、さらに9%までが微小球の生物分解により放出される可能性がある。
A−DMSの貯蔵安定性
4℃で4箇月まで除湿保存したA−DMSは、新しく製造した微小球と同様の担持および放出特性を示した。−20℃で冷凍水中懸濁液として貯蔵したDOX担持A−DMSは、1箇月後に放出試験に使用したときも分解を示さなかった。
実施例2
上記の実施例1で製造した、鉄処理したDOX担持A−DMSの生体内使用の結果を示すために、4人の肝臓癌患者(患者R、F、CおよびM)に微小球を投与した。微小球の投与量は1mg/kg患者体重であり、4人の患者のそれぞれの肝臓動脈中に注射した。注射後60分間にわたって全身血液の血漿水準を検査した。図7に示す結果は、DOX担持A−DMSを肝臓動脈中に注入した後の全身循環系で、事実上ドキソルビシンは検出されないことを示している。一人の患者(患者C)は遊離のドキソルビシンを肝臓動脈に注射され、その後高水準の薬剤が全身循環系に現れた。これらの結果は、A−DMSに結合したドキソルビシンは、微小球が投与された標的器官に保持されることを立証している。
実施例3
この実施例は、DOXを使用する分解性および非分解性の両方の薬剤−錯体の製造技術、ならびにDOX担持錯体のv治療評価を示す。
ポリスチレン−ジビニルベンゼン系イオン交換樹脂(IE樹脂、32.5±2.5μm)およびアルブミン−デキストラン硫酸微小球(A−DMS、29.4±8.0μm)をDOX用の薬剤担体として選択した。IE樹脂は、HClおよびNaOH溶液および脱イオン水で洗浄することにより精製した。DOXは、バッチ製造方法を使用してイオン交換微小球樹脂上に担持させた。予め精製したイオン交換樹脂を純粋なDOX溶液(10mg/ml)と1:1重量比で、室温で一晩混合した。次いで、DOX担持したIE樹脂微小球を薬剤上澄み液から遠心分離し、脱イオン水で2回洗浄した後、既知体積の脱イオン水中に再分散させた。
実施例1に記載する技術を使用してDOX担持A−DMS微小球を製造した。
金属イオン錯体形成した、およびしなかったIE樹脂およびA−DMSの薬剤放出試験を、放出媒体としてリン酸塩緩衝塩水(PBS)を使用し、一定溶離による連続方式またはバッチ式溶離による断続方式で行なった。
薬剤担持微小球の治療効果を評価するために、肝臓に結腸癌を移植したWAG雄ラットを使用して試験を行なった。腫瘍移植から8日後に、ラットを無作為に1群あたり最少5匹のラットの群に分けた。ラットは、遊離DOX溶液または異なった微小球系を2.5mg/kgの投与量で肝臓動脈投与して治療した。処置から1週間後、すべてのラットを殺し、それらの肝臓を取り出し、腫瘍の重量を測定した。治療期間の間、動物の体重を定期的に監視した。群間の重要な差の統計的な解析を、大きさの異なる複数の試料を比較するための分散解析を使用して行なった。
IE樹脂およびA−DMSの両方とも、DOXに対する好ましい高担持容量を示し、最大担持量はそれぞれ67〜86%(mgDOX/100mg空微小球)および75〜100%であった。これは、IE樹脂がスルホン酸基を有し、A−DMSが硫酸塩基を有する2種類の微小球間の官能基の類似性によるものと考えられる。そのため、これらの担体がDOX分子中の陽イオン系アミン基とイオン結合を形成し、その結果、薬剤担持量が高くなる。
IE樹脂およびA−DMSは、類似の薬剤担持容量を有するにも関わらず、非常に異なった放出特性を示す。IE樹脂は薬剤をゆっくり、一定して放出するのに対し、A−DMSはバースト・リリースを示すが、その程度は溶液中の遊離DOXのそれよりははるかに低い。これは、DOXとA−DMS中の硫酸塩基の間の弱いイオン的相互作用によるものであろう。しかし、同じ微小球が、第二鉄イオンで処理(Fe:DOX=3:1モル比)した後は、バースト・リリースはほとんど無く、DOXをはるかにゆっくりと放出した。Fe処理したDOX A−DMSおよび未処理IE樹脂の放出プロファイルは、極めて類似している。
また、FeおよびCuの両方とも、DOX担持したIE樹脂MSと錯体形成し、その結果、図8に示す様に、放出媒体としてEDTAを含むPBSで、よりゆっくりした多様な薬剤放出を示す。この様に、Fe処理は、バースト・リリースを少なくする手段を与え、薬剤担持量に影響せずに、多様な徐放の概要を与える。
これらの微小球のFTIR試験は、DOXと金属イオンの間の相互作用が起こり、DOXの放出を遅延させる錯体が形成されたことを示している。Fe処理したDOX A−DMSの放出画分のUVおよびHPLC測定を比較することにより、DOXの70〜85%がその純粋な形態で放出されることが分かる。AA分析は、真の錯体に対して3〜6%に等しい痕跡量のイオンしか検出しなかった。解離したFeは硫酸塩基とより強く相互作用し、したがって微小球上に残り、DOXは媒体中に放出されると考えられる。
表2は、DOXの搬送に関して3種類の微小球を検査して得られた結果を示す。3種類のすべてについて最大薬剤担持量は類似しているが、薬剤放出性は大きく異なり、A−DMSは薬剤を他の2種類より3〜4倍速く放出することが分かる。IE樹脂およびFE処理したA−DMSはゆっくり、比較的一定して放出するが、IE樹脂は非分解性である。腫瘍成長の抑制に関しては、遊離DOX治療と比較して、Fe処理したA−DMSはp<0.05の著しい水準で最も効果的であった。
この試験は、DOXの治療効果を改善する際の薬剤徐放性の重要性を明確に立証している。FeとDOXの錯体形成により、薬剤放出の制御程度が大きく改善され、微小球からの薬剤のバースト・リリースを抑制しながら、好ましい薬剤担持性を維持している。これによって、DOXの治療効率が著しく高くなり、局所化学療法として薬剤錯体を投与する場合、薬剤−金属イオン相互作用を使用する原理が癌の治療に最も効果的であることを立証している。
実施例4
この実施例は、薬剤−金属イオン錯体形成の原理が、金属系薬剤のための徐放系の処方へ商用されることを示す。ここでは、金属系薬剤のシスプラチンを重合体マトリックスのアルブミン−デキストラン硫酸およびキトサンと錯体形成させる。 実施例3に記載するのと同じバッチ式製造方法を使用し、シスプラチンをポリスチレン−ジビニルベンゼン系イオン交換樹脂(IE樹脂)上に担持したが、ここでは1mg/mlの純粋なシスプラチン溶液を使用して樹脂と混合した。
シスプラチン担持したA−DMSを得るために、実施例1に記載する方法により製造したアルブミン/デキストラン−SO4微小球を2%エタノールで湿らせた後、等量のシスプラチン溶液(1mg/ml)と、室温で一晩混合した。結合していない薬剤を微小球から遠心分離し、続いて微小球を脱イオン水で洗浄することにより、シスプラチンのA−DMS中への取込みを完了した。
CDDPを担持したIE樹脂およびA−DMSを1.5%キトサン溶液(5%酢酸中)と、1:5重量比(シスプラチン:キトサン)で、室温で一晩混合した。次いで、微小球を脱イオン水で洗浄し、遠心分離し、直ちに放出試験に使用した。
これら2種類の微小球処方は、非常に異なった放出の概要を示したが、CDDPの担持量は類似していた(それぞれ45.7±8.7%および46.1±12.4%)。IE樹脂は薬剤を著しく急速に放出し、シスプラチンの約60%を最初の5時間で放出した。対照的に、A−DMSは同じ時間内にCDDPの20%近くを放出しただけである。キトサンによる微小球の処理は、連続流動放出方式を使用して測定した場合、IE樹脂からのCDDP放出を、その後の方の放出段階では遅延させるが、A−DMSの初期放出速度にはほとんど影響しなかった。しかし、これは、閉鎖放出方式において、A−DMSからのシスプラチンの初期バースト・リリースを抑制した。
本発明の精神および範囲から離れることなく、本明細書に広範囲に説明した本発明に具体的に説明した以外の変形および修正を加えることができることは、当業者に明らかである。その様な変形および修正はすべて本発明に含まれる。
参考文献
Claims (7)
- 細胞毒性または抗腫瘍性の薬剤である薬学的に活性な化合物を担持したイオン系重合体マトリックスを含んでなり、前記活性化合物が錯化剤で錯体形成されて、重合体マトリクスからの活性化合物の放出が抑制されたものであり、ここで(i)前記錯化剤が鉄イオンであり、(ii)前記細胞毒性または抗腫瘍性の薬剤がドキソルビシンである、徐放性製剤。
- イオン系マトリックスが微小球の形態である、請求項1に記載の製剤。
- 微小球の直径が10〜200ミクロンである、請求項2に記載の製剤。
- 微小球の直径が20〜70ミクロンである、請求項3に記載の製剤。
- イオン系重合体マトリックスが生物分解性の架橋したアルブミン/デキストラン硫酸マトリックスを含んでなる、請求項1に記載の製剤。
- イオン系重合体マトリックスが架橋したアルブミン/デキストラン硫酸マトリックスおよびポリスチレン−ジビニルベンゼン系のイオン交換樹脂から選択され、イオン系重合体マトリックスに、Feと錯体形成したドキソルビシンが担持されている、請求項1に記載の製剤。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の徐放性製剤を、薬学的に許容される担体および/または希釈剤とともに含んでなる医薬組成物。
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