JP4618933B2 - 内燃機関の白煙発生防止装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の白煙発生防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関において機関回転数が比較的小さい機関運転領域であって機関負荷が比較的小さい機関運転領域、特に機関始動時のアイドリング運転領域では燃焼室内における燃料の燃焼により発生する熱量が少ないので内燃機関の温度が低い。
このため燃焼室内において一部の燃料が完全には燃焼せず、したがってこの未燃の燃料が白煙の形で燃焼室から排出される。このように内燃機関の温度が低いと燃焼室から白煙が排出されてしまう。
【0003】
内燃機関において白煙が発生することを防止するために特開平9−256891号公報に記載の技術では内燃機関の温度が低いときに吸気弁の開弁タイミングを通常のタイミングよりも遅くして吸気弁が開弁する前に燃焼室内に大きな負圧を形成しておくようにしている。すなわち燃焼室内のピストンが排気上死点を過ぎても吸気弁が開弁されないように吸気弁の開弁タイミングを通常のタイミングよりも遅くして燃焼室内に大きな負圧を形成しておくようにしている。
【0004】
このように燃焼室内に負圧が形成されている状態で吸気弁が開弁されると空気が急激に燃焼室内に流入する。このように空気が燃焼室内に急激に流入することにより当該空気の温度が高まり、結果として内燃機関の温度が高まる。斯くして上記公報に記載の技術によれば内燃機関の温度が高まり、燃料が燃焼室内にて完全に燃焼し、これにより白煙の発生が防止される。
【0005】
ところで吸気弁の開弁タイミングが遅くされているときに燃焼室内に吸入される空気の量、すなわち吸気量は少ない。したがって機関回転数が大きくなるか、或いは内燃機関の要求負荷が大きくなったときに吸気弁の開弁タイミングが通常のタイミングよりも遅いままであると吸気量が燃料の燃焼にとって不十分である。このためこの場合にも燃焼室内における燃料の燃焼が不完全となり、したがって未燃の燃料が白煙の形で燃焼室から排出されてしまう。そこで吸気弁の開弁タイミングを変更することができるように構成された内燃機関では機関回転数が比較的大きくなったとき、或いは機関負荷が比較的大きくなったときに吸気弁の開弁タイミングを通常のタイミングに戻し、燃料の燃焼にとって十分な量の空気が燃焼室内に吸入されるようにするのが一般的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが機関回転数が大きくなるか、或いは内燃機関の要求負荷が大きくなり、したがって吸気弁の開弁タイミングを通常のタイミングに戻したときに内燃機関の温度が未だ低いと燃焼室内における燃料は完全に燃焼することができず、この場合にもやはり未燃の燃料が白煙の形で燃焼室から排出されることとなる。こうした事情に鑑み本発明の目的は内燃機関において白煙の発生を確実に防止することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための1番目の発明では、内燃機関の燃焼室内における燃料燃焼から発生する熱量が予め定められた量よりも多い第1の運転状態にて内燃機関が運転せしめられる第1の運転領域では第1のタイミングにて吸気弁が開弁され、燃焼室内における燃料燃焼から発生する熱量が上記予め定められた量よりも少ない第2の運転状態にて内燃機関が運転せしめられている第2の運転領域では第1のタイミングよりも遅い第2のタイミングにて吸気弁が開弁されるように構成された内燃機関において、該内燃機関の温度を検出するための温度検出手段と、内燃機関の燃焼室内に吸入せしめられる空気を加熱するための加熱手段とを具備し、第1の運転領域において上記温度検出手段により検出される内燃機関の温度が予め定められた温度よりも低いときには上記加熱手段を作動し、上記第2の運転領域が機関回転数と機関負荷とにより定められる領域である。これによれば燃焼室内における燃料燃焼から発生する熱量が予め定められた量よりも少ないときには吸気弁は第1のタイミングよりも遅い第2のタイミングにて開弁せしめられ、燃焼室内における燃料燃焼から発生する熱量が予め定められた量よりも多いときには内燃機関の温度が判定温度よりも低い場合に加熱手段が作動される。
【0008】
番目の発明では番目の発明において、上記第2の運転領域は機関負荷が機関回転数ごとに定められる判定値よりも小さい運転領域であり、該判定値は機関回転数が大きいほど小さい値に設定される。
【0009】
番目の発明では番目の発明において、上記第2の運転領域が機関アイドリング領域である。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を4ストローク圧縮着火式内燃機関に適用した場合を示している。図1を参照すると、1は機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は電気制御式燃料噴射弁、6aはグロープラグ、7は吸気弁、8は吸気ポート、9は排気弁、10は排気ポート、76は温度センサを夫々示す。グロープラグ6aは燃焼室5内の空気を加熱するための加熱手段として機能する。また温度センサ76は内燃機関を冷却するための機関冷却水の温度を検出するための温度検出手段として機能する。
【0011】
吸気ポート8は対応する吸気枝管11を介してサージタンク12に連結され、サージタンク12は吸気ダクト13およびインタークーラ14を介して過給機、例えば排気ターボチャージャ15のコンプレッサ16の出口部に連結される。コンプレッサ16の入口部は空気吸込管17を介してエアクリーナ18に連結され、空気吸込管17内にはステップモータ19により駆動されるスロットル弁20が配置される。またスロットル弁20上流の空気吸込管17内には吸入空気の質量流量を検出するための質量流量検出器21が配置される。
【0012】
一方、排気ポート10は排気マニホルド22を介して排気ターボチャージャ15の排気タービン23の入口部に連結され、排気タービン23の出口部は排気管24を介して酸化機能を有する触媒25を内蔵した触媒コンバータ26に連結される。触媒コンバータ26の上流側において排気マニホルド22内には空燃比センサ(以下、上流側空燃比センサ)53aが配置され、触媒コンバータ26の下流側には空燃比センサ(以下、下流側空燃比センサ)53bが配置される。
【0013】
触媒コンバータ26の出口部に連結された排気管28とスロットル弁20下流の空気吸込管17とは排気ガス再循環(以下、EGRと称す)通路29を介して互いに連結され、EGR通路29内にはステップモータ30により駆動されるEGR制御弁31が配置される。またEGR通路29内にはEGR通路29内を流れるEGRガスを冷却するためのインタークーラ32が配置される。図1に示した実施例では機関冷却水がインタークーラ32内に導かれ、機関冷却水によってEGRガスが冷却される。
【0014】
一方、燃料噴射弁6は燃料供給管33を介して燃料リザーバ、いわゆるコモンレール34に連結される。このコモンレール34内へは電気制御式の吐出量可変な燃料ポンプ35から燃料が供給され、コモンレール34内に供給された燃料は各燃料供給管33を介して燃料噴射弁6に供給される。コモンレール34にはコモンレール34内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ36が取付けられ、燃料圧センサ36の出力信号に基づいてコモンレール34内の燃料圧が目標燃料圧となるように燃料ポンプ35の吐出量が制御される。
【0015】
電子制御ユニット40はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス41によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)42、RAM(ランダムアクセスメモリ)43、CPU(マイクロプロセッサ)44、入力ポート45および出力ポート46を具備する。質量流量検出器21の出力信号は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力され、上流側空燃比センサ53a、下流側空燃比センサ53b、温度センサ76および燃料圧センサ36の出力信号も夫々対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。
【0016】
アクセルペダル50にはアクセルペダル50の踏込量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ51が接続され、負荷センサ51の出力電圧は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。また入力ポート45にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ52が接続される。
【0017】
一方、出力ポート46は対応する駆動回路48を介して燃料噴射弁6、グロープラグ6a、スロットル弁制御用ステップモータ19、EGR制御弁制御用ステップモータ30および燃料ポンプ35に接続される。
次に図2、図3および図5を参照して吸気弁の開閉弁特性を変更するための機構について説明する。図2は当該機構の全体図である。当該機構は吸気弁7の開弁量を変更すると共に吸気弁7の開弁タイミングを変更するための機構(以下、開弁特性変更機構)と、吸気弁7の閉弁タイミング(または開弁タイミング)を微調整するための機構(以下、タイミング微調整機構)とを具備する。開弁特性変更機構を図3に詳細に示し、タイミング微調整機構を図5に詳細に示した。なお図2、図3および図5において58はエンジンオイルを貯留するためのオイルタンクであり、65はオイルタンク58内のエンジンオイルの温度を検出するための温度検出手段として機能する温度センサであり、温度センサ65の出力信号は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。また図3は図2で見た側とは反対側から開弁特性変更機構を見たときの図である。
【0018】
開弁特性変更機構は図2に示したように三つのカム54a、54b、54cと、これらカムに対応する三つのリフトアーム55a、55b、55cとを有する。カム54a、54b、54cはカムシャフト56に取り付けられており、リフトアーム55a,55b,55cはシャフト57に揺動可能に支持される。すなわちリフトアーム55a,55b,55cはそれぞれ対応するカム54a,54b,54cによりシャフト57周りで揺動せしめられることが可能である。各カムが吸気弁7をリフトする量、すなわち開弁量はそれぞれ異なる。図3に示したように中央のリフトアーム55aの端部に一つの貫通孔67が形成される。残りの二つのリフトアーム55b、55cの端部にはそれぞれ油圧室68b、68cが形成される。各油圧室68b、68c内にはそれぞれ対応してピン69b、69cが摺動可能に収容される。これらピン69b,69cはスプリングバネ39b,39cにより油圧室68b,68c内に引き込まれる方向へ付勢されている。また油圧室68b、68cは切換弁62を介してオイルポンプ66に接続される。
【0019】
オイルタンク58内のエンジンオイルがいずれの油圧室68b、68cにも供給されないときにはカム54aにより吸気弁7が開弁駆動せしめられる。またエンジンオイルが油圧室68bに供給されたときにはカム54bにより吸気弁7が開弁駆動せしめられる。さらにエンジンオイルが油圧室68cに供給されたときにはカム54cにより吸気弁7が開弁駆動せしめられる。このようにエンジンオイルが供給される油圧室を変えることにより吸気弁7の開弁量を変更すると共に吸気弁7の開弁タイミングを変更し、燃焼室6内に供給せしめられる吸気量を制御することができる。
【0020】
図4に吸気弁7の開弁特性を示した。図4において横軸CAはクランク角度、縦軸ALは開弁量、Exは排気弁9の開弁特性、Inは吸気弁7の開弁特性、TDCは排気上死点を示す。吸気弁7を開弁させるカムとして吸気弁7を最も大きく開弁させることができるカム(以下、大カム)54cが選択されたときには吸気弁7の開弁特性は図4(A)に示したようになる。この場合には排気弁9が閉弁される直前から吸気弁7が開弁され始まる。したがって排気行程と吸気行程とは一部において重なる。
【0021】
一方、吸気弁7を開弁させるカムとして吸気弁7を中程度の大きさで開弁させることができるカム(以下、中カム)54bが選択されたときには吸気弁7の開弁特性は図4(B)に示したようになる。この場合には排気弁9が閉弁されると同時に吸気弁7が開弁され始まる。さらに吸気弁7を開弁させるカムとして吸気弁7を最も小さく開弁させることができるカム(以下、小カム)54aが選択されたときには吸気弁7の開弁特性は図4(C)に示したようになる。この場合には排気弁9が閉弁されてから一定の時間が経過したときに吸気弁7が開弁され始まる。
【0022】
一方、タイミング微調整機構は図2に示したようにロータ60とハウジング61とを有する。ロータ60は一定範囲内において回動可能にハウジング61内に収容される。またロータ60はカムシャフト56に取り付けられる。さらにロータ60は図5に示したようにその外周壁面から径方向外方へと延びる四つの羽根73を有する。一方、ハウジング61はその内周壁面から径方向内方へと延びる四つの隔壁74を有する。ロータ60がハウジング61内に収容されたときにこれら羽根73と隔壁74との間に8つの隔室75a、75bが形成される。これら隔室には切換弁63を介してオイルポンプ66が接続される。
【0023】
オイルタンク58内のエンジンオイルが隔室75aに供給されると閉弁タイミングが早くせしめられる。一方、エンジンオイルが隔室75bに供給されると閉弁タイミングが遅くせしめられる。このようにエンジンオイルが供給される隔室を変えることにより吸気弁7の閉弁タイミングを変更することができる。なおハウジング61は歯車であり、図2に示したように内燃機関の出力により回転せしめられる歯車64に係合する。
【0024】
次に本実施例における吸気弁の開弁特性の制御について説明する。本実施例では図6に示したように機関回転数Nとアクセルペダル50の踏込量から算出される機関負荷Lとに基づいて内燃機関の運転状態が線X1により第1の運転領域Iと第2の運転領域IIとに分割されている。特に第1の運転領域Iは内燃機関がアイドリング運転されている領域に相当する。線X1上における機関回転数Nと機関負荷Lとの関係は機関運転領域を第1の運転領域Iと第2の運転領域IIとの間で切り換えるか否かを判定するための機関回転数Nごとに定まる機関負荷L、すなわち判定値が機関回転数Nが大きくなるほど小さくなるような関係である。
【0025】
第1の運転領域においては機関回転数Nや機関負荷Lに関わりなく吸気弁7を開弁させるカムとして小カムが選択される。このように小カムが選択される理由は以下の通りである。第1の運転領域においては機関回転数Nが比較的小さく、或いは機関負荷Lが比較的小さいので燃焼室内における燃料の燃焼により発生する熱量が比較的少ない。このため内燃機関全体の温度が低く、したがって燃焼室内において一部の燃料の燃焼が不完全となり、この未燃の燃料が白煙の形で燃焼室から排出されてしまう。
【0026】
ところが本実施例のように第1の運転領域において吸気弁7を開弁させるカムとして小カムが選択されれば吸気弁7が開弁される前に燃焼室5内に大きな負圧が形成され、吸気弁7が開弁されたときに負圧の影響により空気が燃焼室5内に急激に流入し、このことにより空気の温度が高まる。すなわち本実施例のように第1の運転領域において小カムにより吸気弁7を開弁させるようにすれば燃焼室5内に吸入された空気の温度が高いので燃焼室5内において燃料が完全に燃焼し、したがって燃焼室5内において白煙が発生することが防止される。
【0027】
一方、第2の運転領域においては機関回転数Nが比較的大きく、或いは機関負荷Lが比較的大きいので燃焼室内における燃料の燃焼から発生する熱量は比較的多い。したがって第2の運転領域では吸気弁7を開弁させるカムとして小カムを選択しなくても内燃機関の温度は比較的高いので燃焼室5内において燃料は完全燃焼しやすい。そこで第2の運転領域においては吸気弁7を開弁させるカムは以下の制御に従って決定される。すなわち第2の運転領域においては機関回転数Nと機関負荷Lとに応じて要求吸気量TGaと要求燃料噴射量TQとが算出される。本実施例ではこれら要求吸気量TGaおよび要求燃料噴射量TQとを図7に示したように機関回転数Nと機関要求負荷Lとの関数としてマップの形で予め記憶しておき、当該マップを用いて要求吸気量TGaおよび供給燃料噴射量Qを算出する。
【0028】
次いで要求吸気量TGaに応じて開弁特性変更機構の三つのカム54a,54b,54cのいずれのカムにより吸気弁7を開弁させるかを決定する。すなわち吸気弁7を開弁させるためにいずれのカムを実質的に機能させるかを決定する。本実施例では要求吸気量TGaが多いときには大カム54cが選択され、要求吸気量TGaが中程度の量であるときには中カム54bが選択され、要求吸気量TGaが少ないときには小カム54aが選択される。
【0029】
さらに第2の運転領域では要求吸気量TGaに応じて決定されたカムを機能させるように変更したときには実際の吸気量(以下、実吸気量)は段階的にしか変化しないので実吸気量を正確に要求吸気量TGaとすることができないことがある。そこで本実施例では吸気弁7の閉弁タイミングを変更すれば吸気弁7の開弁状態と燃焼室5内におけるピストン4の位置に関係した燃焼室5内の負圧との関係が変わることから実吸気量が変化することを利用して実吸気量が正確に要求吸気量となるようにする。すなわち吸気弁7を開弁されるために機能させるカムを変更した後に要求吸気量TGaと実吸気量との間のずれ量に応じてタイミング微調整機構により吸気弁7の閉弁タイミングを変更するようにする。本実施例のタイミング微調整機構は吸気弁7の閉弁タイミングを連続的に変更することができるので実吸気量を正確に要求吸気量TGaとすることができる。
【0030】
本実施例によれば第2の運転領域では上述したようにして決定されたカムを機能させるべく開弁特性変更機構を作動させ、上述したようにして決定された閉弁タイミングにて吸気弁7が閉弁するようにタイミング微調整機構を作動させ、実吸気量が要求吸気量となるようにする。なお本実施例ではピストン8のポンピングロスを最小限に抑えるために第2の運転領域ではスロットル弁20は全開とされる。
【0031】
ところで第2の運転領域IIにおいては燃焼室5内における燃料の燃焼により発生する熱量が多いので通常は内燃機関の温度は高く維持されている。ところが内燃機関の温度が十分に高められる前に内燃機関の運転状態(以下、機関運転状態と称す)が第1の運転領域Iから第2の運転領域IIに移行することがある。このときには内燃機関の温度が低く、したがって燃焼室5内にて白煙が発生してしまう。そこで第2の運転領域において内燃機関の温度が或る一定の温度よりも低いときには燃焼室5内における白煙の発生を防止するために内燃機関の温度を上昇させるか、或いは燃焼室5内に吸入される空気の温度を上昇させる必要がある。
【0032】
ところが燃焼室5内に吸入される空気の温度を上昇させるために第2の運転領域において通常の制御に反して強制的に吸気弁7を小カム54aにより開弁させるべきではない。なぜならば強制的に吸気弁7を小カム54aにより開弁させるようにすると燃焼室5内に吸入される空気の量が燃料を完全に燃焼させるためには少なすぎ、したがって燃焼室5内における燃料の燃焼が不完全となり、結局のところ燃焼室5から白煙が排出されてしまう可能性があるからである。
【0033】
そこで本実施例では図8に示したマップに従ってグロープラグの作動を制御することにより第2の運転領域における燃焼室5内での白煙の発生を防止するようにする。図8において線X1,X2はグロープラグの作動を切り換えるか否かを判定するための判定値を結ぶ境界線であり、これら線X1,X2により機関運転領域は3つの領域A,B,Cに分割されている。なお線X1は図6の線X1と同一線上にある線である。したがって図8において領域A,Bは図6の第1の運転領域Iに相当し、領域Cは図6の第2の運転領域IIに相当する。
【0034】
本実施例によれば機関運転状態が領域C内にあるとき、すなわち図6の第2の運転領域II内にあるときに内燃機関の温度が或る一定の温度よりも低い場合にはグロープラグ6aが作動される。これにより第2の運転領域IIにおいて燃焼室5内に吸入された空気が加熱されるので燃料が燃焼室5内において完全に燃焼し、したがって燃焼室5内において白煙が発生することが防止される。
【0035】
特に機関運転状態が第1の運転領域Iから第2の運転領域IIに移行したときには内燃機関の温度が低いことが多く、したがって燃焼室5内において白煙が発生しやすいが本実施例によればこのときにも燃焼室5内に吸入された空気がグロープラグ6aにより加熱されるので燃焼室5内における白煙の発生が防止される。
ところで機関運転状態が図8の線X1を越えて領域Cから領域Bに移行した直後に再び機関運転状態が領域Bから領域Cに移行することがある。ここで機関運転状態が領域Cから領域Bに移行したときにグロープラグ6aの作動が停止されると機関運転状態が領域Bから領域Cに移行したときに再びグロープラグ6aを作動させなければならない。このようにグロープラグ6aの作動とその作動の停止とを繰り返すことは煩雑な制御であり、しかもグロープラグ6aの寿命を短くしてしまう。
【0036】
そこで本実施例によれば機関運転状態が図8の線X1を越えて領域Cから領域Bに移行したときにおいてはグロープラグ6aの作動が継続され、機関運転状態が図8の線X2を越えて領域Bから領域Aに移行したときに初めてグロープラグ6aの作動が停止される。なお機関運転状態が図8の線X2を越えて領域Aから領域Bに移行したときにはグロープラグ6aの作動は停止されたままに維持される。
【0037】
以上、説明したように本実施例によれば第1の運転領域Iにおいても第2の運転領域IIにおいても燃焼室5内に吸入された空気の温度が高く維持されるので全ての運転領域において燃焼室5内にて白煙が発生することが防止される。
なお本実施例においては温度センサ76により検出される冷却水の温度、或いは温度センサ65により検出されるエンジンオイルの温度、或いはこれら両方の温度のうちの低いほうの温度から内燃機関の温度が推定される。すなわち内燃機関の温度を推定するために冷却水の温度が採用された場合には冷却水の温度が燃焼室内において白煙が発生する温度に対応する冷却水温度よりも低いときには内燃機関の温度も燃焼室内において白煙が発生する温度よりも低いと推定する。エンジンオイルの温度、或いは冷却水の温度とエンジンオイルの温度とのうち低いほうの温度を用いて内燃機関の温度を推定する場合もこれと同様である。
【0038】
次に上述した制御を実行するための具体例について図9および図10のフローチャートを参照して説明する。図9は内燃機関の温度を燃焼室内にて白煙が発生しない温度に維持するための暖機制御のルーチンを示す。図9において初めにステップ100において吸気弁7の開弁特性が上述したように開弁特性変更機構および開弁タイミング微調整機構により制御される。すなわち機関運転状態が第1の運転領域Iにあるときには吸気弁7が小カム54aにより開弁せしめられ、一方、機関運転状態が第2の運転領域IIにあるときには上述したように吸気弁7の開弁特性が開弁特性変更機構および開弁タイミング微調整機構により制御される。
【0039】
次いでステップ101においてグロープラグの作動が制御される。ステップ101の制御は図10のルーチンに従って実行される。図10のルーチンでは初めにステップ200において現在の機関運転状態が第1の運転状態Iにあるか否かが判別される。ステップ200において現在の機関運転状態が第1の運転状態Iにあると判別されたときにはステップ201に進んで現在の機関運転状態が図8に示した領域Aにあるか否かが判別される。ステップ201において現在の機関運転状態が領域Aにあると判別されたときにはグロープラグ6aの作動が停止され、ルーチンが終了する。このときには吸気弁7が小カム54aにより開弁せしめられ、これにより燃焼室5内に吸入せしめられた空気の温度が高く維持される。
【0040】
一方、ステップ201において現在の機関運転状態が図8に示した領域Aにないと判別されたとき、すなわち図8に示した領域Bにあると判別されたときにはグロープラグ6aの作動に関しては何ら関与せずにルーチンが終了する。このときにはグロープラグ6aが作動されていればその作動が継続され、グロープラグ6aの作動が停止されていればその停止状態が継続される。
【0041】
ところでステップ200において現在の機関運転状態が第2の運転状態IIにあると判別されたとき、すなわち機関運転状態が図8に示した領域Cにあるときにはステップ203に進んで温度センサ76により検出される冷却水の温度Twが温度センサ65により検出されるエンジンオイルの温度Toよりも低いか否かが判別される。すなわちステップ203では冷却水の温度とエンジンオイルの温度とのいずれが低いかが判別される。
【0042】
ステップ203においてTw<Toであると判別されたとき、すなわち冷却水の温度のほうが低いと判別されたときにはステップ204に進んで冷却水の温度Twが燃焼室5内における白煙の発生を防止することができる温度(以下、判定温度と称す)Twthよりも低いか否かが判別される。ステップ204においてTw<Twthであると判別されたときにはステップ205に進んでグロープラグ6aが作動され、ルーチンが終了する。一方、ステップ204においてTw≧Twthであると判別されたときにはステップ206に進んでグロープラグ6aの作動が停止され、ルーチンが終了する。
【0043】
ところでステップ203においてTw≧Toであると判別されたとき、すなわちエンジンオイルの温度のほうが低いと判別されたときにはステップ207に進んでエンジンオイルの温度Toが燃焼室5内における白煙の発生を防止することができる温度(判定温度)Tothよりも低いか否かが判別される。ステップ207においてTo<Tothであると判別されたときにはステップ208に進んでグロープラグ6aが作動され、ルーチンが終了する。一方、ステップ207においてTo≧Tothであると判別されたときにはステップ206に進んでグロープラグ6aの作動が停止され、ルーチンが終了する。
【0044】
なお上述したルーチンでは機関運転状態が第2の運転領域IIにあるときに冷却水の温度とエンジンオイルの温度との低いほうの温度が判定温度よりも高くなるとグロープラグ6aの作動が停止されるようになっている。しかしながらこれに代えてグロープラグ6aが作動されるときに作動させるべき期間(作動期間)を決め、この作動期間が経過するまでグロープラグ6aの作動を継続するようにしてもよい。
【0045】
ここで燃焼室5内において発生する白煙の量Ahcは図11に示したように内燃機関の温度TEが低いほど多くなるので第2の運転領域IIにおいて冷却水の温度Twのほうがエンジンオイルの温度Toよりも低いと判断され、且つ冷却水の温度Twが判定温度Twthよりも低いと判断されたときには図12に示したマップに従ってグロープラグ6aを作動させるべき作動期間tを算出し、この算出された作動期間tに亘ってグロープラグ6aを作動させればよい。図12のマップでは冷却水の温度Twが判定温度Twthよりも低い領域において冷却水の温度Twが低いほど作動期間tは長くなる。
【0046】
一方、第2の運転領域IIにおいてエンジンオイルの温度Toのほうが冷却水の温度Twよりも低いと判断され、且つエンジンオイルの温度Toが判定温度Tothよりも低いと判断されたときには図13に示したマップに従ってグロープラグ6aを作動させるべき作動期間tを算出し、この算出された作動期間tに亘ってグロープラグ6aを作動させればよい。図13のマップではエンジンオイルの温度Toが判定温度Tothよりも低い領域においてエンジンオイルの温度Toが低いほど作動期間tは長くなる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば燃焼室内における燃料燃焼から発生する熱量が予め定められた量よりも少ないときには吸気弁は第1のタイミングよりも遅い第2のタイミングにて開弁せしめられる。このように吸気弁を第1のタイミングよりも遅い第2のタイミングにて開弁せしめることにより空気が燃焼室内に吸入されるときに燃焼室内には大きな負圧が形成されているので空気の温度が高まる。したがって燃焼室内における燃料燃焼から発生する熱量が予め定められた量よりも少ないとしても燃焼室内の空気の温度が高いので燃焼室内における白煙の発生が防止される。一方、本発明によれば燃焼室内における燃料燃焼から発生する熱量が予め定められた量よりも多いとしても内燃機関の温度が判定温度よりも低い場合には加熱手段が作動されるので燃焼室内の空気の温度が高まる。したがって燃焼室内における白煙の発生が防止される。斯くして本発明によれば全ての機関運転領域において燃焼室内における白煙の発生が確実に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御装置を適用した内燃機関の全体図である。
【図2】図1に示した内燃機関の吸気弁開閉弁特性制御機構を示した図である。
【図3】図2に示した開弁特性変更機構を詳細に示した図である。
【図4】図2に示した開弁特性変更機構による吸気弁の開弁特性を示した図である。
【図5】図2に示した開弁タイミング微調整機構を詳細に示した図である。
【図6】機関運転状態を決定するために用いられる関係を示す図である。
【図7】(A)は要求吸気量TGaを算出するためのマップを示し、(B)は要求燃料噴射量TQを算出するためのマップを示す。
【図8】グロープラグの作動を決定するために用いられる関係を示す図である。
【図9】暖機制御を実行するためのフローチャートである。
【図10】グロープラグ制御を実行するためのフローチャートである。
【図11】内燃機関の温度と燃焼室内にて発生する白煙の量との関係を示す図である。
【図12】冷却水の温度とグロープラグ作動期間との関係を示す図である。
【図13】エンジンオイルの温度とグロープラグ作動期間との関係を示す図である。
【符号の説明】
1…機関本体
5…燃焼室
6a…グロープラグ
7…吸気弁
27c…温度センサ
27d…温度センサ

Claims (3)

  1. 内燃機関の燃焼室内における燃料燃焼から発生する熱量が予め定められた量よりも多い第1の運転状態にて内燃機関が運転せしめられる第1の運転領域では第1のタイミングにて吸気弁が開弁され、燃焼室内における燃料燃焼から発生する熱量が上記予め定められた量よりも少ない第2の運転状態にて内燃機関が運転せしめられている第2の運転領域では第1のタイミングよりも遅い第2のタイミングにて吸気弁が開弁されるように構成された内燃機関において、該内燃機関の温度を検出するための温度検出手段と、内燃機関の燃焼室内に吸入せしめられる空気を加熱するための加熱手段とを具備し、第1の運転領域において上記温度検出手段により検出される内燃機関の温度が予め定められた温度よりも低いときには上記加熱手段を作動し、上記第2の運転領域が機関回転数と機関負荷とにより定められる領域であることを特徴とする白煙発生防止装置。
  2. 上記第2の運転領域は機関負荷が機関回転数ごとに定められる判定値よりも小さい運転領域であり、該判定値は機関回転数が大きいほど小さい値に設定されることを特徴とする請求項に記載の白煙発生防止装置。
  3. 上記第2の運転領域が機関アイドリング領域であることを特徴とする請求項に記載の白煙発生防止装置。
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