JP4618644B2 - 非消耗電極溶接トーチと該トーチを備えた溶接ヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、固定配管の突き合わせ溶接に係わり、特に複数本配設された小口径厚肉配管の間の超狭隘作業空間下で行われる配管と配管の円周多層盛り自動溶接に適用される非消耗電極溶接トーチと該溶接トーチ部分に電力、シールドガス及び冷却媒体を供給する部材と溶接トーチを含めた構成からなる溶接ヘッドに関する。
固定した配管と配管を突き合わせて行なう配管の円周多層盛り自動溶接に対しては、従来より多数の配管の自動溶接装置が提供されている。前記自動溶接装置とは溶接ヘッド、溶接電源、制御装置及び冷却水ポンプなどを含めた装置であり、この中でトーチ本体と該トーチ本体に取り付けた電極と該電極の周りにシールドガスを供給するガス供給機構などを含む構成を溶接トーチといい、該溶接トーチと溶接トーチ部分に電力、シールドガス及び溶接用ワイヤを供給する部材と溶接トーチを冷却する冷却部材などとを含む部材を溶接ヘッドということにする。
特にTIG(Tungsten Inert Gas)溶接法を用いる配管溶接装置の自動TIG溶接ヘッドでは、溶接ヘッドを固定配管にクランプし、溶接トーチのトーチ本体1を配管外周に沿ってワイヤを溶接部に挿入しながら回転させて二つの配管(チューブ)の突き合わせた部分の円周方向を多層盛り自動溶接する。
ボイラの炉壁は、図28に示すように、平面上に並設された複数の配管28の間をメンブレンバー29でつないで構成されるが、配管28と配管28の突き合わせ溶接部が存在する。二つの配管28,28の突き合わせ溶接部は、二つの配管28,28に開先32の加工がされていて、該開先32に溶接ビード34を形成するために溶接部のある箇所だけ作業性を考慮してメンブレンバー29を取り付けずに両配管28,28の回りには空間がある。
このボイラの炉壁において、並行位置に隣接して配置される配管28,28の間隙が約17mmであり、このように非常に狭隘な間隙に前記突き合わせ溶接部が存在する。従来より多数提供されている配管溶接装置の溶接ヘッド部分に搭載されている溶接トーチのトーチ本体1は、この非常に狭隘な作業空間を通過することができなかった。そこで、特開平9−271939号公報、特開平10−193103号公報では超扁平な溶接トーチが提案されている。
特開平9−271939号公報 特開平10−193103号公報 特開2001−225165号公報
溶接トーチに必要な機能は、(1)電極の保持と電極への給電、(2)電極の冷却、(3)溶接部のガスシールドである。
上記3つの機能はいずれも溶接トーチのサイズが小さくなるに従って、十分な性能を確保することが困難となる。例えば、溶接中の溶接トーチの焼損防止を図りながら連続使用に耐えられる構成にするために、溶接トーチには熱伝導性及び導電性に優れた材質を採用すると共に、溶接トーチに冷却媒体(多くの場合は水)を直接供給することで溶接トーチの冷却を行っている。
非消耗電極溶接法の代表であるTIG溶接の場合、溶接を行うための電源と溶接部を保護するための不活性ガスあるいは活性ガスとの混合ガスを溶接トーチに供給するだけでなく、場合によっては溶接トーチを冷却するための冷却媒体を溶接トーチまで供給する必要がある。
多くの自動溶接装置の場合、溶接トーチを先端に備えた溶接ヘッドは、電力、ガス、冷却媒体及びワイヤを溶接ヘッドに取り付けられたケーブルあるいはホースを介して溶接トーチに直接供給される構造となっている。
自動TIG溶接の場合には、溶接を安定した条件で施工するため、特にアークスタート性能の劣化を防止する目的で、溶接の進行に伴いタングステン電極の交換作業が発生する。また、溶接を行うための配管の径方向のストロークが十分確保できないような狭隘部での溶接施工の場合、初層溶接時と余盛溶接時のタングステン電極の突き出し長さを適宜変更する作業が発生することもある。
狭隘部での溶接を実現するため、溶接トーチを小型化した場合、溶接トーチ構成部品のサイズも当然のように小さくなる。タングステン電極のように溶接作業中に頻繁に交換と調整が行われるトーチ構成部品あるいは消耗品のサイズが小さくなることにより溶接作業性及びメンテナンス性が悪くなり、たとえ狭隘部での施工を前提とした自動溶接装置が開発できたとしても、劇的な作業能率の改善は望めない。
また、自動溶接装置の使用場所が溶接設備の整った工場内等、十分な予備品及び技術者が確保できる場所である場合には、メンテナンス性の悪い自動溶接装置であっても、溶接作業工程に与える遅延等の影響を最小限にとどめることができるが、海外の据付現地で使用する場合など、自動溶接装置の台数、予備品員数及び対応できる技術者に制限がある場合には、自動溶接装置に故障が発生した場合、復旧までに時間を要する問題点がある。
さらに、実際の溶接作業現場において、自動溶接装置の非常に小型の部品を交換する際には細心の注意が必要である。例えばネジによって溶接ヘッドなどから着脱する部品の場合には、小さなネジの紛失が頻繁に生じ、溶接作業を中断しなければならない場合がある。また、着脱式の溶接トーチにおいては、溶接スパッタやグラインダ研削粉等の異物が溶接トーチと該トーチ基部に接続される溶接ヘッド構成部材の接合面の間に入り込んだ場合、溶接トーチと溶接ヘッド構成部材との接合面での取付位置がずれたり、接合面間に隙間が生じることによる溶接トーチの冷却不良が起こり、溶接トーチの異常過熱となるおそれもある。従って、着脱式の溶接トーチを、より容易に溶接ヘッド構成部材に着脱することができ、かつ所定の位置に確実に固定できる構造が望まれていた。
次に、溶接部のガスシールドの問題点について述べる。
溶接トーチのガスシールドは、溶接トーチのガス吹出し口から吹出されたガスが層流状態で流れて溶接部全体を覆い空気を遮断しなければならない。しかし超扁平な溶接トーチは、該溶接トーチの厚さが薄く、ガス吹出し部の長さを充分に確保することができないため、溶接部のガスシールドは非常に難しい課題であった。
特開平10−193103号公報記載の発明は、溶接トーチの形状を均一な厚さの板を円弧形状とし、非消耗電極周辺にシールドガス吹出し出口を設けて、この吹出し出口に金網等のガスレンズを取り付けることにより、アーク周辺に均一にシールドガスを吹出して安定したアークの形成を可能にした構成が開示されている。
しかし、この構造では、ガスレンズによりガスの流れは層流状態になるが、ガスレンズ通過前のガス流速のむらは、そのままガスレンズ通過後も均一にならない。すなわち、ガスレンズ通過後のガスの流れはガス吹出し出口の空間に供給されるむらのあるガスの流速に影響されることになる。
そのため、最終層の予盛り溶接等において広範囲にガスシールドしたい場合にガス供給量を多くすると、ガス吹出し出口空間へ供給するガスの供給口の径が一定のためガスの流速が速くなり、シールドガスの吹出し流速にむらができ、溶接部のシールドが全領域で均一にならないという問題があった。
また、特開平9−271939号公報記載の発明は、扁平形状のトーチボディにシールドガス供給孔が設けられており、シールドガスがトーチボディ内の空間部に供給され、このガスは非消耗電極の周りに形成された複数のオリフィスを通過する。また、トーチボディの非消耗電極の周りには、ガスレンズ用として粗密なメッシュの金網を複数枚組合せて形成された金網板がはめ込まれ、ねじ込まれた短尺大口径のシールドカップにより保持されている。
そのため、上記オリフィスを通過したシールドガスは、この金網を通った後、均等な流れとなってシールドカップより排出され、配管の溶接箇所に適正なシールドガス雰囲気を形成する。しかし、この構造ではガス流速を考慮してオリフィスとガスレンズまでの距離を所定長さ分確保する必要があり、また、シールドカップがねじ込み式になっているためシールドカップの厚さをかなりの厚み分だけ確保する必要がある。すなわち、この発明もトーチ全体の厚さを7mm等と非常に薄くするのは難しい。そして金網板が非消耗電極と接して設置されているため、非消耗電極のトーチからの突出し長さが短いと、非消耗電極先端に形成されるアークの熱により金網板が損耗される問題も発生する。
また、特開平9−271939号公報記載の発明のトーチは、トーチに設けられた上下二段のガス空間の内の上段のガス空間から隔壁の複数のオリフィスを経由して下段のガス空間にシールド用のガスを送り、下段のガス空間の下側にあるガス吹出し用の開口部からシールド用のガスを吹き出す構成であり、次のような問題点がある。
すなわち、トーチの厚さが厚くなるだけでなく、上段ガス空間から下段のガス空間にオリフィスを経由して導入されたシールドガスは、下段のガス空間からその下側のガス吹出し用の開口部に吹き出される。このため、ガス吹き出し方向がオリフィスとガス吹出し用の開口部とで同じ向きとなり、シールドガスの流れは下段のガス空間内で滞留することなく、トーチ下側のガス吹出し用の開口部から吹き出され、非消耗電極回りに吹き出されるシールドガスは全体に流速にむらのある流れになりやすい。
本発明の課題は、非消耗電極回りに吹き出されるシールドガスが全体に均一な流速を形成することができ、ボイラパネル等の配管同士等の溶接など、隣接する配管の狭隘な間隙を利用して溶接作業が可能な小型の超扁平タイプの非消耗電極溶接トーチおよび該溶接トーチを備えた溶接ヘッドを提供し、従来より少ない溶接作業工数で安定した高品質の溶接製品を得ることである。
また、本発明の課題は、固定構造物を対象とした溶接ヘッドのメンテナンス性を従来より向上させ、溶接ヘッドとしての信頼性を従来より高め、および溶接作業工数の低減と遅延の防止を図ることである。
本発明の上記課題は、次の解決手段により解決される。
請求項1記載の発明は、トーチ本体と、該トーチ本体内に固定されて該トーチ本体より外部に突き出た非消耗電極と、前記トーチ本体内を通過して前記非消耗電極の先端に形成される溶接部にシールドガスを供給するガス供給機構を備え前記ガス供給機構は、前記非消耗電極の周囲に外側のガス空間とその内側のガス空間とからなり、隔壁により隔てられた2重の環状のガス空間と、トーチ本体外からガスを供給するために前記外側のガス空間に接続したガス供給路と、前記外側のガス空間と内側のガス空間の間の隔壁に均等な間隔で設け、径方向断面積の和が、前記ガス供給路の径方向断面積よりも小さい複数のオリフィスと、前記内側のガス空間に設けられ、かつ該オリフィスのガス吹出し方向とは異なる方向であって、非消耗電極がトーチ本体より外部に突き出た方向に向いたガス吹出し用の開口部と、該開口部に設けた金網板とを備えた非消耗電極溶接トーチである。
請求項記載の発明は、前記ガス供給路の軸芯を通る中心線と前記2重の環状のガス空間の隔壁との交点が、隣接する2つのオリフィスの中間部にある請求項1記載の非消耗電極溶接トーチである。
請求項記載の発明は、オリフィスの軸芯を通る中心線と非消耗電極が突き出したトーチ本体の壁面の平面とのなす角度が該平面に対して非消耗電極がトーチ本体より外部に突き出た方向と逆方向に0〜60度の角度であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の非消耗電極溶接トーチである。
請求項記載の発明は、前記非消耗電極が外部に突き出た方向の前記トーチ本体の壁面に、非消耗電極とガス吹出用開口部を除いて全面にセラミック板を取り付けたことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の非消耗電極溶接トーチである。
請求項記載の発明は、前記非消耗電極の周辺のトーチ本体の壁面は金網板が当たる位置まで延びている請求項1ないしのいずれかに記載の非消耗電極溶接トーチである。
請求項記載の発明は、前記内側のガス空間は、前記ガス吹き出し用開口部側に向けて、その断面積が順次小さくなる環形状であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の非消耗電極溶接トーチである。
請求項記載の発明は、前記内側のガス空間は、前記ガス吹き出し用開口部側に向けて、その内径が順次大きくなり、外径は一定である環形状である請求項記載の非消耗電極溶接トーチである。
請求項記載の発明は、前記ガス吹き出し用開口部には、金網板に代えてフィルタを設置した請求項1ないしのいずれかに記載の非消耗電極溶接トーチである。
請求項記載の発明は、ガス供給機構へシールドガスを供給するガス供給部と非消耗電極に溶接用電力を供給する電力供給部と冷却媒体の循環路とをトーチ本体内に設けた請求項1ないしのいずれかに記載の非消耗電極溶接トーチである。
請求項10記載の発明は、ガス供給機構へシールドガスを供給するガス供給部と非消耗電極に溶接用電力を供給する電力供給部とを備え、かつ内部に冷却媒体の循環路を備えた冷却ブロックをトーチ本体とは別体として設け、該冷却ブロックをトーチ本体に着脱自在に接続したことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の非消耗電極溶接トーチである。
請求項11記載の発明は、冷却ブロックとトーチ本体には互いに面接触により接合する接合部を設け、冷却ブロックとトーチ本体は前記接合部を介して着脱可能にした請求項10記載の非消耗電極溶接トーチである。
請求項12記載の発明は、冷却ブロックの前記ガス供給部にはシールドガスを供給するケーブルを接続し、該冷却ブロック内のガス供給部とトーチ本体内の前記外側のガス空間に接続したガス供給路とは前記トーチ本体との前記接合部において、面接触により接続させる請求項11記載の非消耗電極溶接トーチである。
請求項13記載の発明は、冷却ブロックとトーチ本体の前記接合部は環状の止め具で着脱可能に接続した請求項11記載の非消耗電極溶接トーチである。
請求項14記載の発明は、請求項10記載の非消耗電極溶接トーチのトーチ本体と非消耗電極とガス供給機構を含むトーチ本体モジュールと、冷却ブロックを有する前記トーチ本体モジュールを固定するトーチ取付台モジュールと、被溶接体の周りでトーチ本体モジュールとトーチ取付台モジュールを一体的に回転させるトーチ駆動部ボディモジュールと、該トーチ駆動部ボディモジュールに動力を供給するトーチ駆動機構部モジュールと、被溶接体を支持するクランプ機構モジュールとを機械的手段により着脱可能に接続する非消耗電極溶接ヘッドである。
配管の溶接に際して溶接部を外気から遮断して安定したアーク状態と高品質な溶接金属を得るためには、溶接トーチから吹出されるシールドガスの流れは層流状態で全体に流速が均一になっていなければならない。溶接トーチからのガスの吹出し口に金網板等のガスレンズを設けてガスの流れを層流状態にする技術は公知である。しかし、金網板ではガスの流速の偏りを完全に均一にすることはできないので、金網板通過前に吹出し部全体においてガス流速の偏りを均一にする必要がある。
上記請求項1記載の発明によれば、シールド用のガスがガス供給路からトーチ本体の外側のガス空間と内側のガス空間の間の隔壁にある複数のオリフィスを経由して外側のガス空間から内側のガス空間を経てガス吹出し用の開口部から金網板を通って非消耗電極の回りに吹き出される。
このとき、シールド用のガスは、外側のガス空間から隔壁の複数のオリフィスを経由して内側のガス空間に送られた後、向きを変えてガス吹出し用の開口部から金網板を通って非消耗電極の回りに吹き出される。しかも複数のオリフィスは隔壁に均等な間隔で設けられているので、各オリフィスから内側のガス空間内に送られるシールドガスの吹出流速が互いに偏りがなくなり、内側のガス空間ではシールドガスの流れる向きが変わり、ガス吹出し用の開口部から金網板を通って全体に均一に非消耗電極の回りに吹き出される。
一方、前記特開平9−271939号公報記載の従来技術のトーチは、上段のガス空間から隔壁のオリフィスを経由して下段のガス空間にシールド用のガスを送り、非消耗電極の回りのガス吹出し用の開口部から吹き出す構成であるが、この構成では、下段のガス空間からその下側に設けられたガス吹出し用の開口部に吹き出されるシールドガスの吹き出し方向が隔壁のオリフィスから下段のガス空間に吹き出すガスの方向と同じ向きであることから、シールドガスの流れは下段のガス空間内で滞留することなく、ガス吹出し用の開口部から吹き出され、非消耗電極回りに吹き出されるシールドガス流速は全体にむらになりやすい。
これに対して、請求項1記載の発明によれば、ガス吹出し用の開口部から金網板を通って非消耗電極の回りに吹き出されるシールドガスの吹出流速には偏りがなく、全体に均一に吹き出されるので、ボイラパネル等の狭隘な間隙の固定配管の突き合わせ溶接部でも溶接が可能となり、また従来技術のトーチの上下段に設けたガス空間を経由してトーチ下側のガス空間からシールドガスを吹き出す構成に比較してトーチの厚みを薄くできる。こうして小型の自動溶接ヘッドに搭載する超扁平非消耗電極溶接トーチを提供し、比較的少ない溶接作業工数で安定した高品質の溶接製品を得ることができる。
また、複数のオリフィスの径方向断面積の和が、前記ガス供給路の径方向断面積よりも小さくしているので、外側のガス空間の圧が内側のガス空間の圧より高くなるために複数のオリフィスからのガスの吹き出し流速に偏りが無くなり、溶接部に向けて均一な流速でシールドガスを吹き出すことができるので、ガスによるシールド効果が良い。
請求項記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、前記ガス供給路の軸芯を通る中心線と前記2重の環状のガス空間の隔壁との交点が、隣接する2つのオリフィスの中間部にあるので、前記交点にはオリフィスを設けず、この交点の両側の対称位置に等間隔でオリフィスが配置されるので、各オリフィスを通るガス流速はほぼ等しくなり、各オリフィスからのシールドガスが、より均一な流速で非消耗電極の回りに吹き出される。
請求項記載の発明によれば、請求項1ないし記載の発明の効果に加えて、内側のガス空間に入ってくるガスは内側のガス空間内でガス吹出し用の開口部の反対側に吹出され、攪拌されて、内側のガス空間でガス吹出し用の開口部に設置されている金網板を通過するので、全体に均一で、流速に偏りのない層流状態のシールドガス流を形成することができる。その結果、狭隘な間隙の溶接部でも高品質の溶接が可能となる。
請求項記載の発明によれば、請求項1ないし記載の発明の効果に加えて、トーチ全体の厚さを薄くすることが可能になる。また、セラミック板は、溶接トーチと被溶接物との間の絶縁も兼ねるので、アークスタート時の高周波スタートで溶接トーチと被溶接物との間でアークが飛ばないようにすることができ、また溶接部の高温の輻射熱が直接溶接トーチに当たらないようにすることができる。
請求項記載の発明によれば、請求項1ないし記載の発明の効果に加えて、非消耗電極の周辺のトーチ本体は金網板が当たる位置まで延びていて金網板が直接非消耗電極と接触しないので、金網板がアークの熱により損耗されることが無い。
請求項記載の発明によれば、請求項1ないし記載の発明の効果に加えて、複数のオリフィスから吹き出されるガスは、内側のガス空間内でぶつかり合い、均一に混合され、各オリフィスから吹き出したガスの流速は、完全に打ち消されることになり、ガス吹き出し用開口部から吹き出すガスの流れに直接影響を与えることがない。さらにガス吹き出し開口部側のガス空間の断面積が他のガス空間のガス流路の断面積より小さくなっているので、ガスは内側のガス空間内に多少滞留することになり、金網板などを通過する前にガス流速の偏りを均一にする。その後、内側のガス空間の下部に設置されている金網板を通過するので、全体に均一で流速に偏りのない層流状態のシールドガス流を非消耗電極の周りで形成できる。
請求項記載の発明によれば、請求項記載の発明の効果に加えて、各オリフィスから内側のガス空間内に吹き出したガスは、内径の小さい側に流れようとするので、ガス吹き出し用開口部とは逆方向に流れながら互いに混合した後、オリフィスからのガス吹き出し方向とは異なる方向に向いているガス吹き出し用開口部から均一に非消耗電極の周りに向けて吹き出される。
請求項記載の発明によれば、請求項1ないしのいずれかに記載の発明の効果に加えて、フィルタを通過したガスが全体に均一な流れとなり、流速に偏りのない層流状態のシールドガス流が非消耗電極の周りで形成される。
請求項記載の発明によれば、請求項1ないしのいずれかに記載の発明の効果に加えて、トーチ本体内にシールドガス供給部と電力供給部と冷却媒体の循環路を設けているので、トーチ本体のシールドガス供給部と冷却媒体の循環路のシール性が完全であるため、ガス漏れ等のトラブルが少なくトーチ本体の冷却効果が良いので冷却を確実に行うことができるだけでなく、取り扱い性が優れている。
請求項10記載の発明によれば、請求項1ないしのいずれかに記載の発明の効果に加えて、トーチ本体が冷却ブロックから着脱が可能となるので、例えばTIG溶接法の場合には、タングステン電極の調整、交換を作業現場で行うのではなく、予め調整されたタングステン電極を備えたトーチ本体を複数個準備しておき、トーチ本体自体を交換することで作業性、メンテナンス性をトーチ本体内に冷却媒体の循環路を設ける場合より向上させることができる。
請求項11記載の発明によれば、請求項10記載の発明の効果に加えて、トーチ本体と冷却ブロックが面接触しているため冷却ブロックによりトーチ本体の冷却とトーチ本体への電力供給を確実に行うことができる。
請求項12記載の発明によれば、請求項11記載の発明の効果に加えて、トーチ本体が冷却ブロックと分離していても、冷却ブロックからトーチ本体内に容易にシールドガスを供給できる。
請求項13記載の発明によれば、請求項11記載の発明の効果に加えて、ネジ止め機構を使わず、簡単な構造の環状の止め具で溶接トーチを冷却ブロックより着脱できるので、前記着脱の作業性が大幅に改善される。また、面接触する接合部に比較的大きな異物等を巻き込んでいる場合は、環状の止め具が装着できないため、作業者は容易に異常に気付く。また、環状止め具が装着できているにもかかわらず、接合部に微細な紛体等が残留している等の何らかの原因で、面接触が完全でなく、溶接作業進行中に冷却不良でトーチ本体の温度が次第に上昇した場合でも、止め具の熱膨張よりもトーチ本体(一般には銅合金)の熱膨張の方が大きいため、温度が高まるに従い、環状止め具がトーチ本体を冷却ブロックに押し付けることになり、結果的に接触面圧が上昇して、接触面での冷却効果が回復し、トーチの温度を下げることができる。
請求項14記載の発明によれば、請求項10記載の発明の効果に加えて、非消耗電極溶接ヘッドを構成する部品を部位別(溶接トーチ、被溶接物保持用回転部、駆動部等)に独立構造体(モジュール)とし、各構造体を機械的手段により容易に着脱が可能な構造とすることでメンテナンス性の向上を図ると共に故障発生時の復旧期間短縮を達成する。特に非消耗電極溶接ヘッドの構成部品の小型化及び剛性確保のための一体化構造採用によるメンテナンス性の悪化、更には、ソフトウエアとハードウエア両面で十分な対応を行うことが困難な海外据付現地での故障発生時に不具合のあるモジュールを効果的に点検修理できる。
特に、故障が発生する頻度の最も高い部分の交換部品のモジュールを準備しておき、故障発生時は、故障が発生した部品のモジュールのみを交換復旧することにより、作業停止時間の最小化が可能となる。また、故障により交換された部品モジュールは、分解され、内部の故障部品を交換、復旧することで、次の故障発生時に備えることができる。
以下に本発明の実施例を挙げ、図面を用いてさらに詳細に説明する。
本実施例のチューブ突き合わせ溶接用全姿勢溶接ヘッドの側面図を図10に、平面図を図11に、背面図を図12にそれぞれ示す。また図1は図10〜図12に示す全姿勢溶接ヘッドの非消耗電極溶接トーチの平面図である。図2は図1のA−A線矢視図である。図3は本発明の一実施例に係る非消耗電極溶接トーチの正面図である。図4は図1のB−B矢視図である。
トーチ本体1は厚さ5mm程度の超扁平形状であり、周辺部との干渉をできるだけ無くすために上部が円弧形状になっている。このトーチ本体1内にトーチ本体1より外部に突き出た非消耗電極2を止めネジ4で固定する。トーチ本体1内部には水路9が設けられていて、非消耗電極2が設けられたトーチ本体1の壁面に対向する壁面に水路と電源ケーブルを一体的に備えた水冷パワーケーブルの取り合い部(ジョイント)6、7が設けられ、該水冷パワーケーブル取り合い部6に冷却水が供給されて水路9を経由して水冷パワーケーブルの取り合い部7から排水する水冷路が形成されている。
また、水冷パワーケーブルの取り合い部6より溶接電流がトーチ本体1を経由して非消耗電極2に給電される。トーチ本体1内の非消耗電極2の周囲には外側のガス空間11と内側のガス空間12の二重のガス空間が設けられていて、外側のガス空間11にガスホース取り合い部8とガス供給路10を通してシールドガスが供給される。外側のガス空間11と内側のガス空間12の間の隔壁15には複数のオリフィス13が設けてあり、内側のガス空間12は非消耗電極2がトーチ本体1より外部に突き出たトーチ本体1の表面に開口している。このガス空間12の開口部12aには金網板5が設けられていて、金網板5はセラミック板3とトーチ本体1の表面との間に挟んで固定される。なお、セラミック板3は非消耗電極2とガス吹出し用の開口部12aとトーチ取付台21でトーチ本体1を固定する部分を除いてトーチ本体1の下部全壁面を被う大きさでトーチ本体1の下部に取り付けられている。そしてセラミック板3はセラミックネジ14でトーチ本体1に固定されている。
上記構成からなるトーチ本体1を用いる固定配管の突き合わせ円周多層盛り自動溶接について図10〜図12により説明する。
溶接ヘッド30を、配管28にクランプ機構25をガイドにして押し当てて、トーチ本体1の非消耗電極2が開先32(図28)の位置に合うように位置合わせをし、ハンドノブ26を操作してクランプレバー27で配管28を挟み込んで溶接ヘッド30を配管28に固定する。トーチ本体1の非消耗電極2は、トーチ駆動機構部22の駆動機構により、配管28の周方向に対して1回転するようになっている。また、図示していないがワイヤリール24に巻かれた添加ワイヤをワイヤ送給機構23によりワイヤノズル20を経由して溶接部に送給するようになっている。
非消耗電極2の先端と配管28の間にアークを発生させ、溶接部にワイヤを添加しながら、非消耗電極2を配管28の周方向に1周移動させて1層の溶接を行なう。ケーブル類の二重以上の巻き付けを防ぐために1層分の溶接を終わると、アークの発生を停止させて非消耗電極2を配管28の周方向に逆向きに1周移動させて非消耗電極2を元の位置の近傍に戻す。この動作を何回か繰り返して配管28の円周多層盛り溶接を行なう。
ボイラの炉壁は、図28に示すように、平面上に並設された複数の配管28の間をメンブレンバー29でつないで構成されるが、配管28と配管28の突き合わせ溶接部が存在する。この突き合わせ溶接部は、両方の配管28に開先加工がされていて、溶接部のところだけ溶接作業を容易にするためにメンブレンバー29を取り付けずに空間部を残している。このボイラの炉壁において、並列配置される2つの配管28,28の間隙がたとえば17mmであるような非常に狭隘な溶接部が存在する。この空間を通過する溶接トーチは、電極の突き出し長さ、トーチの移動を考慮すると厚さが7mm程度の超扁平形状である必要がある。
既述したように溶接トーチに必要な機能は、(1)電極の保持と電極への給電、(2)電極の冷却及び(3)溶接部のガスシールドである。非消耗電極2は、止めネジ4でトーチ本体1に押し付けて固定する、これによりトーチ本体1から非消耗電極2への給電も確実に行なうことができる。また、トーチ本体1は直接水冷されていて、非消耗電極2の冷却も確実に行なうことができる。
また、溶接部のガスシールドは、トーチ本体1のガス吹出し用の開口部12aから吹出されたガスが、層流状態で流れて溶接部全体を覆い、空気を遮断しなければならないが、溶接トーチの厚さが薄く、ガス吹出し部のガス吹き出し方向の長さを充分に確保することができないために非常に難しい課題であった。
溶接部を外気から遮断して安定したアーク状態を得て、さらに高品質な溶接金属を得るためには、溶接トーチから吹出されるシールドガスの流れは層流状態で全体に均一になっていなければならない。溶接トーチからのガス吹出し用の開口部12aに金網板等のガスレンズを設けてガスの流れを層流状態にする技術は公知である。しかし、金網板5ではガスの流速の偏りを完全に均一にすることはできないので、金網板5の通過前にガス流速の偏りを均一にする必要がある。
本実施例をガスの流れに合わせて説明を行なう。
まず、ガスはトーチ本体1の外よりガス供給路10を通って二重リング状ガス空間のうちの外側のガス空間11に供給される。次に、外側のガス空間11と内側のガス空間12の間の隔壁15に設けた複数の断面円形のオリフィス13を通って内側のガス空間12にガスが送られる。前記隔壁15は非消耗電極2を中心とするリングであり、該隔壁15には等間隔で8個のオリフィス13が設けられている。なお、オリフィス13の設置個数は8個とは限らない。
また、各オリフィス13の径を一定にして各オリフィス13を通過するガス流速を同じ値にするためには、オリフィス13がガスの流動抵抗になるように外側のガス空間11内のガス圧を内側のガス空間12のガス圧より大きくする必要がある。このためには、複数あるオリフィス13の軸芯を通る中心線に直交する方向(径方向)の断面積の和が、ガス供給路10の軸芯を通る中心線に直交する方向の断面積よりも小さくなるように、オリフィス13の径を設定する必要がある。
さらに、図1に示すように非消耗電極2の中心を通るガス供給路10の中心線Cと隔壁15との交点部分にはオリフィス13を設けないで、この交点の両側の対称位置にそれぞれオリフィス13を設ける。
従って、前記ガス供給路10の中心線Cと隔壁15の中心(非消耗電極2の中心)を結ぶ直線(=前記中心線C;図1の構成の場合)と、前記ガス供給路10の中心線Cと隔壁15の交点の両側の対称位置にある2つのオリフィス13,13の各軸芯を通る中心線と隔壁15の中心(非消耗電極2の中心)を結ぶ線Dとのなす角度をθ1とすると、オリフィス13を隔壁15に均等に8箇所設ける場合には、前記角度θ1が22.5度である。
また隣接するオリフィス13,13の各軸芯を通る中心線と隔壁15の中心(非消耗電極2の中心)を結ぶ線Dと前記ガス供給路10の中心線Cと隔壁15の交点の両側の対称位置にある隣接オリフィス13,13の中心を結ぶ線Dとのなす角度θ2は45度になり、オリフィスを6箇所設ける場合は、角度θ1が30度で角度θ2が60度になる。
さらに、図4に示すように、外側のガス空間11と内側のガス空間12の間の隔壁15に設けた各オリフィス13の軸芯を通る中心線と非消耗電極2が突き出したトーチ本体1の壁面の平面とのなす角度θ3が0〜60度の範囲内になるようにオリフィス13を設ける。これによりガス供給路10から入ってくるガスは外側ガス空間11から内側ガス空間12内の開口部12aの反対側に向けて吹き出されて、内側ガス空間12内で攪拌された後に、内側ガス空間12内の開口部12a側に設置されている金網板5を通過するので、ガスの流速に偏りがなくなり、全体に均一で層流状態のガス流を形成することができる。
また、金網板5はセラミック板3とトーチ本体1のセラミック板位置決め用突起部平面との間に挟んでトーチ本体1に固定する。この構造により、トーチ本体1の厚さを5mm程度、セラミック板3の厚さを2mm程度にすることで、トーチ全体の厚さを7mm程度にすることができる。また、非消耗電極2を挿入して支持するトーチ本体1の壁面の凸部1a(図2)に金網板5が嵌り込む構造になっているので金網板5が直接非消耗電極2に接触することがない。このため金網板5がアークの熱により損耗されることが無い。
セラミック板3は、溶接トーチと被溶接物との間の絶縁も兼ねるので、アークスタート時の高周波スタートで溶接トーチと被溶接物との間でアークが飛ばないようにすることができ、またセラミック板3は、溶接部からの高温の輻射熱を直接溶接トーチに当てないようにしている。このセラミック板3は500℃以上になり、そのためセラミック板3はセラミックネジ14でトーチ本体1に固定し、金網板5の交換が可能になっている。
前記実施例1の非消耗電極溶接トーチの構成の変形した実施例2は、図5に示す図1のA−A線断面矢視図と、図6に示す図1のB−B線断面矢視図で説明する。
本実施例の特徴点は図5に示すように、トーチ本体1の内側のガス空間12がガス吹き出し開口部12a側に行くほど狭くなっていることである。そのため、オリフィス13から吹き出したガスはガス空間12の壁面に当たりガス空間12の壁面の周方向に二手に分かれて回り込もうとするが、同様に隣のオリフィス13から吹き出したガスとぶつかり混合し、オリフィス13から吹き出したガスの流速は、完全に打ち消される。また、各オリフィス13から内側のガス空間内に吹き出したガスは、より広い空間側(ガス吹き出し開口部12aの反対側)に流れようとするので、ガス吹き出し開口部12aとは逆方向に流れながら互いに混合した後、ガス吹き出し開口部12aから均一に非消耗電極の周りに向けて吹き出される。さらにガス吹き出し開口部12a側の断面積(電極2が突出したトーチ本体1側の平面に平行な面の断面積)が、ガス空間12内で最少断面積であるので、ガスは内側のガス空間12内に多少滞留することになり、金網板5を通過する前にガス流速の偏りを均一にする。その後、内側のガス空間12の下部に設置されている金網板5を通過するので、全体に均一で流速の偏りのない層流状態のガス流を形成することができる。
前記実施例2の非消耗電極溶接トーチの構成の変形した実施例3を図7の非消耗電極溶接トーチの断面図に示す。
この非消耗電極溶接トーチでは図1に示す構成と同じ部材又は構造については図1の実施例1と同じ番号を付して、その説明は省略する。
電極周辺のトーチ本体1は円柱状とし、ガス吹き出し用開口部12aにフィルタ16を設置する。フィルタ16としては、例えば、ステンレスの金属繊維のフェルトを積層して焼結した不織布フィルタ(富士フィルター工業株式会社製の製品名フジ・メタルファイバーなど)が好適である。またその他のフィルタとしては、ステンレス(例えばSUS347)、インコネル、ニッケル、ハステロイ、カーペンター、ニクロムなどの金属線を金網状にし数枚重ねて、線の交差部を焼結したメッシュ状の多孔質体(例えば富士フィルター工業株式会社製の製品名フジロイフィルターエレメント)を用いることもできる。この多孔質体は、線径、線の間隔、重ねる枚数を調整することより、シールドガスの噴出状態を良好にコントロールすることができる。またフィルタ16としては、ステンレス、ブロンズ、インコネル、ニッケル、ハステロイ、カーペンター、ニクロムなどの金属粉末を焼結した多孔質体(例えばSMC焼結金属エレメント)あるいはセラミックスの焼結多孔質体も好適である。これらフィルタ16として多孔質体を用いる場合は、粉末の粒径、粒度分布、加圧力や加熱時間等の焼結条件を調整することより、シールドガスの噴出状態を良好にコントロールすることができる。
ガス吹き出し用開口部12aにフィルタ16を設置するので、フィルタ16がガスの流れの抵抗になるため、オリフィス13から吹き出したガスは内側のガス空間12に滞留し、フィルタ16を通過する時にガス流速の偏りを均一にする。また、フィルタ16は金網板と同様にガスの流れを層流にする効果もあるため、フィルタ16を通過したガスは全体に均一で流速に偏りのない層流状態のガス流を形成することができる。
このようにすれば上記実施例と同様の効果を得ることができる。
また、図6、図7に示す各オリフィス13は、図4に示すように、外側のガス空間11と内側のガス空間12の間の隔壁15に設けた各オリフィス13の軸芯を通る中心線と非消耗電極2が突き出したトーチ本体1の壁面の平面とのなす角度θ3が0〜60度の範囲内あるように設けても良い。
実施例1の非消耗電極溶接トーチの構成の変形した実施例4を図8の非消耗電極溶接トーチの平面図に示す。この非消耗電極溶接トーチで図1に示す構成と同じ部材又は構造については図1の実施例1と同じ番号を付して、その説明は省略する。
図1の実施例では、ガス供給路10の中心線Cが隔壁15の中心(非消耗電極2の中心)と一致していたが、図8に示す本実施例では、ガス供給路10の中心線Cが非消耗電極2の中心と一致しない例を説明する。
本実施例4では図8に示すようにガス供給路10の中心線Cと、2重リング状のガス空間11,12の間の隔壁15の外側の壁面との交点と非消耗電極2の中心とを結ぶ直線Eの上にはオリフィス13を設けず、前記交点の両側に等間隔の位置に一対のオリフィス13を設ける。8個のオリフィス13を隔壁15に均等間隔で設ける場合には、ガス供給路10の中心線Cと隔壁15の交点と非消耗電極2の中心とを結ぶ線Eと、両側の対称位置にある2つのオリフィス13,13の軸芯を通る中心線と非消耗電極2の中心とを結ぶ線Dとのなす角度をθ1とすると、オリフィス13を隔壁15に均等に8箇所設ける場合には、前記角度θ1が22.5度であり、隣接するオリフィス13,13の軸芯を通る中心線と隔壁15の中心(非消耗電極2の中心)を結ぶ線D同士のなす角度θ2は45度とする。
このようにすれば上記実施例1と同様の効果を得ることができる。
実施例1の非消耗電極溶接トーチの構成の変形した実施例5を図9の非消耗電極溶接トーチの平面図に示す。この非消耗電極溶接トーチで図1に示す構成と同じ部材又は構造については図1の実施例1と同じ番号を付して、その説明は省略する。
図1の実施例では、ガス供給路10の中心線Cが隔壁15の中心(非消耗電極2の中心)と一致していたが、図9に示す本実施例では、ガス供給路10の中心線Cが非消耗電極2の中心と一致しない例を説明する。
本実施例5では図9に示すガス供給路10の中心線Cが外側のガス空間11と内側のガス空間12の間の隔壁15と接する接点にはオリフィス13を設けず、この接点の両側の対称でかつ等間隔の位置にそれぞれオリフィス13を設ける。
この場合のガス供給路10の中心線Cと隔壁15の接点と非消耗電極2の中心とを結ぶ線Eと、その両側の対称位置にある2つのオリフィス13,13の軸芯を通る中心線のいずれか一方と非消耗電極2の中心とを結ぶ線Dとのなす角度をθ1とすると、オリフィス13を隔壁15に均等に8箇所設ける場合には、前記角度θ1が22.5度である。
このようにすれば上記実施例1と同様の効果を得ることができる。
図13は、本実施例に係わるトーチ本体1を間接的に冷却するために配置された部材(以下、冷却ブロック33)をトーチ本体1から分離して別体として設けた場合の非消耗電極溶接トーチの平面図である。図14は、図13のA-A線断面矢視図である。図15は、図13の溶接トーチの正面図である。図13の溶接トーチを搭載した溶接ヘッド30の側面図を図16に、平面図を図17に、正面図を図18に示す。
トーチ本体1の外観は実施例1のトーチ本体1と同様に厚さ5mm程度の超扁平形状であり、上部が円弧形状になっている。なお、その他の部材で実施例1と同一機能を奏する部材は同一番号を付してその説明は省略する。
トーチ本体1及び冷却ブロック33にはガス供給路10が設けられていて、ガスホース取り合い部8より供給されたシールドガスをガス供給路接続部10aを経由してトーチ本体1へ供給する構造となっている。ガス供給路接続部10aには、ガスの漏洩を防止するためのO−リング35が設けられている。
トーチ本体1に供給されたガスはトーチ本体1のガス吹き出し開口部12aより配管28(図16)などの溶接部へ供給されるが、開口部12aにはガスの整流を行うための、例えば金網板5等のガスレンズが設けられており、セラミック板3とトーチ本体1の間にガスレンズを挟んで固定するようになっている。
なお、セラミック板3は非消耗電極2と開口部12a及び冷却ブロック33の接触面33aと接する面を除いてトーチ本体1の下部全面を覆うようになっている。セラミック板3はセラミックネジ14でトーチ本体1に固定されている。冷却ブロック33内には、冷却水路9が設けられており、水冷パワーケーブル取り合い部6より供給された冷却水が水冷パワーケーブル取り合い部7から復水される構造となっている。冷却水によるトーチ本体1の冷却効果は冷却ブロック33の接触面33aを経由して間接的に行われる。
一方、溶接電流は電源ケーブルと水路を備えた水冷パワーケーブルの取り合い部6から導電体である冷却ブロック33内に供給され、同じく接触面33aを経由してトーチ本体1に供給される。トーチ本体1は、溶接トーチ固定用ねじ40で冷却ブロック33に固定される。
なお、冷却ブロック33にはリング46,47に冷却ブロック33を連結するための固定ネジ41a,41bの挿入口33b、33c(図13参照)が設けられている。また、本実施例の冷却ブロック33は図10に示すトーチ取付台21も兼ねた構成からなっている。
図16〜図18に示すように、本実施例のトーチ本体1を溶接ヘッド30に搭載して円周多層盛自動溶接を行うが、円周多層盛自動溶接においては、まず配管28にクランプ機構25(図16)をガイドにして押し当てる。さらに、溶接トーチの非消耗電極2が配管28の溶接開先32の位置に合うように位置合わせを行い、ハンドノブ26を操作してクランプ機構25のクランプレバー27で配管28を挟み込んで溶接ヘッド30を配管28に固定する。溶接トーチの非消耗電極2は、トーチ駆動機構部22の駆動機構により、配管28の周方向に対して1回転するようになっている。また、図示していないが、ワイヤリール24に巻かれた溶接ワイヤをワイヤ送給機構23によりワイヤノズル20を経由して溶接部に送給するようになっている。
溶接は、非消耗電極2の先端と配管28の間にアークを発生させ、溶接部に溶接ワイヤ(図示せず)を添加しながら、非消耗電極2を配管28の周方向に一周移動させて一層の溶接を行う。ケーブル類が配管28に二重に巻き付かないようにするために、この動作を何回か繰り返して円周多層盛溶接を行う。
前述したように、溶接作業中は非消耗電極2の調整、交換作業が頻繁に行われるが、上記した小型化された超扁平形状の溶接トーチの場合、非消耗電極2の長さは10mm前後となり、作業現場、特に被溶接製品の現地据付工事現場においては、部品交換作業中の部品の落下、作業能率の極端な悪化を引き起こすこととなるが、これらは、交換部品単位の大型化により防止することが可能となる。
具体的には、溶接トーチを構成する部品である非消耗電極2、セラミック板3及び止めネジ4等はいずれも小型化されているが、個々の部品を単品で交換するのではなく、溶接トーチを溶接ヘッド30から容易に着脱可能な構造とすることで、トーチ本体1、非消耗電極2、セラミック板3及び止めネジ4を含む溶接トーチごと交換を行う。
また、溶接トーチを溶接ヘッド30から容易に着脱可能にするためには、溶接に必要な溶接電力、溶接溶融部保護用ガス及び溶接トーチ冷却用の冷却媒体を供給するためのケーブル、ホース類をトーチ本体1以外に接続する必要があり、トーチ本体1が取り付けられる冷却ブロック33に水冷パワーケーブル取り合い部6、7及びガスホース取り合い部8を取り付ける構造としている。冷却ブロック33内に供給されたガスは、ガス供給路接続部10aを経由してガス供給路10からトーチ本体1へ供給される。ガス供給路接続部10aには、ガスの漏洩を防止するためのO−リング35を設置している。非消耗電極2への溶接電力の供給は、トーチ本体1及び冷却ブロック33の材質を導電体として、冷却ブロック33の接触面33aを経由して行われる。また、トーチ本体1を冷却ブロック33から着脱するので、冷却ブロック33の接触面33aでの冷却水供給用接続部のシール性を確保するのが難しいため、冷却水路9は冷却ブロック33内にのみで循環するようにし、トーチ本体1は間接的に冷却することとしている。
このような構造により、溶接トーチが溶接ヘッド30から容易に着脱が可能になると共に、溶接に必要となる溶接電力、ガスの供給、冷却性能の確保並びに溶接作業中の作業性とメンテナンス性に優れた溶接トーチが得られた。
図19〜図21に示す本実施例は、図16〜図18に示す非消耗電極式自動溶接ヘッド30をモジュール毎に分割可能な構造にしたものである。
図19は、図16〜図18に示す溶接ヘッド30の分解図であり、図19(a)はその正面図、図19(b)は側面図である。また、図20はトーチ駆動部ボディ45のモジュール詳細図であり、図20(a)は、その正面図であり、図20(b)は図20(a)のA−A線断面矢視図である。また、図21はトーチ駆動機構部22のモジュールの詳細図であり、図21(a)はその正面図であり、図21(b)はその側面図であり、図21(c)は図21(b)のB−B線断面矢視図である。本実施例に示すその他の部材で実施例6と同一機能を奏する部材は同一番号を付してその説明は省略する。
溶接ヘッド30は、トーチ本体1のモジュール、冷却ブロック33のモジュール(トーチ取付台を兼ねている)、トーチ駆動部ボディ45のモジュール、トーチ駆動機構部22のモジュール及びクランプ機構25のモジュールの計5つの独立モジュールから構成され、それぞれのモジュールは固定ネジ39〜42により互いに機械的に結合される。また、トーチ駆動機構部22とトーチ駆動部ボディ45とは固定ネジ39(図19(a))により組み付けられる。
図19に示すクランプ機構25、クランプレバー27及びハンドノブ26などからなるクランプ機構25のモジュールで配管28が把持され、図20に示すトーチ駆動部ボディ45のモジュールは配管28を遊嵌する馬蹄形状の円筒状のトーチ回転用リング46とトーチ上下移動用リング47を同一円心上に取り付ける。このときリング46をリング47の上側に重ねて互いに回転自在に設ける。従ってクランプ機構(クランプ機構25,クランプレバー27及びハンドノブ26など)で把持される配管28はトーチ上下移動用リング47内に遊嵌されるように配置される。
また、トーチ回転用リング46とトーチ上下移動用リング47は図20(b)に示すようにトーチ駆動部ボディ45の下端開放部内に抱え込まれるように遊嵌支持され、またリング46は軸受け53を介してボディ45に回動可能に支持され、またリング47も軸受け54を介してボディ45に回動可能に支持され、リング46とリング47の間には軸受け56が配置されている。
上記構成によりトーチ回転用リング46とトーチ上下移動用リング47が図示しない各駆動モータでそれぞれ独立に互いに軸芯周りに回動自在であるが、軸芯方向に抜け出ない構成になっている。
また、電極2が取り付けられたトーチ本体1を固定した正面視で湾曲状の冷却ブロック(トーチ取付台を兼ねている)33の一端はリング46に他端はリング47にそれぞれ固定ネジ41a、41bで連結されているので両方のリング46,47の回転量を調整することで電極2が配管28の円周方向外側を回転し、また電極2の先端と配管28との距離を変えることができるため配管28の開先32の肉盛り溶接が可能となる。
さらに、前記トーチ回転用リング46とトーチ上下移動用リング47の駆動用の歯車機構(図示せず)がトーチ駆動機構部22内に配置されている。また前記歯車機構の前方には前記機構部22の開口部を覆うカバー58が設けられている。また前記歯車機構の駆動力源となる図示しないトーチ回転用モータとトーチ上下移動用モータがトーチ駆動機構部22内の上方部に収納されている。
従って、後述する駆動機構により上下移動用リング47を回転させると、固定ネジ41bで上下移動用リング47に端部が支持された冷却ブロック33は固定ネジ41a又は41bを支点として揺動する。この冷却ブロック33の固定ネジピン41a又は41bを支点とする揺動によりトーチ本体1の電極2と配管28の表面との間隔が変動して適切な溶接アーク長さに調整することができる。
また、図20(b)に示すようにトーチ回転用リング46の外周面とトーチ上下移動用リング47の外周面にはそれぞれ歯車46a,47aが設けられているが、これらの歯車46a,47aは、トーチ駆動機構部22のモジュール内の各回転用モータからの駆動力で複数の平歯車を介してそれぞれ駆動される。図21(c)には複数の平歯車59a,59b,59cを順次経由してトーチ回転用リング46に図示しないトーチ回転用モータからの駆動力が伝達されることを示している。
図28に示すボイラの配管28の円周多層盛溶接を行う自動溶接ヘッド30においては、定常的なメンテナンス作業として非消耗電極2の調整及び交換作業並びに摩耗に伴うワイヤノズル20の交換作業が発生する。一方、故障の要因としては長期間の使用に伴うギア、ベアリング等駆動部品の摩耗あるいは異物混入による駆動部品の損傷に加えて据付現地等では、落下等により強い衝撃が自動溶接ヘッド30に加わり、構成部品の変形あるいは損傷の発生が挙げられる。
特にトーチ駆動部ボディ45のモジュール及びトーチ駆動機構部22のモジュールは駆動力を伝達するための多数のギア及び小型ベアリングを内在しており、溶接作業中は常にこれらの部品に負荷がかかる状態となっているため、定常使用時においても故障が発生する可能性の高いモジュールである。このことに加えて構成部品点数が多いこと及び構造も複雑となっており、故障発生時には故障発生箇所の特定及び復旧作業が困難であることは容易に想像される。
例えば、トーチ駆動部ボディ45のモジュールを構成する部品の中の軸受け56が損傷したと仮定した場合に従来の溶接ヘッド30では、トーチ本体1のモジュールからトーチ駆動部ボディ45のモジュールまでが容易に着脱できない構造になっているのが一般的であり、少なくともトーチ駆動部ボディ45のモジュールとトーチ駆動機構部22のモジュールは一体化構造を採用する場合が多い。
このようなモジュールの一体化構造を採用する場合には、故障発生箇所の特定にも時間を要し、また軸受け53,56等を交換するためには,トーチ駆動部ボディ45とリング46,47等の多数の部品を分解する必要があり、復旧時には駆動部であることから回転軸のアライメント調整のように熟練技能が要求される作業が発生することになる。
従ってモジュール毎に分割可能な構造になっていない従来構造の溶接ヘッド30の場合には、故障発生から装置復旧までの時間は長くなってしまう。復旧期間を短くするための手段として、予備の溶接ヘッド30を別に準備しておくことも考えられるが、使用確度が定かではない装置を別に準備しておくことはコスト面に十分な余裕がない場合は不可能である。
これに対して、本実施例の分割可能な構造を溶接ヘッド30に採用した場合には、予めアライメント調整が完了したトーチ駆動部ボディ45のモジュールを予備品として用意しておくことで、故障が発生したモジュールとの迅速な交換、復旧が可能となる。また、故障により取り外されたモジュールは故障部品の取替、調整作業を行い、次の故障発生時のための予備部品として保管される。このような構造を採用することにより予備モジュールは故障発生頻度の高い部分のみとすることでコストの増加を抑えることが可能になると共に、修理期間の短縮にも寄与する。
一方、故障発生箇所の特定並びに予備部品単価を抑えるための手法として、構造弱点部位を意図的に設定する方法がある。具体的には、構造上交換作業が容易であり、単価の安い部品を他の部品に比べて強度的に劣る材質で製作することにより、故障発生箇所を予め限定する方法である。例えば、トーチ駆動機構部22のモジュールの平歯車59c,59cは,交換作業が容易な部品であると共に形状が単純な部品であることから部品単価も安い。この平歯車59cを隣接する平歯車59bよりも強度的に劣る材質で製作することにより、駆動部に負荷が発生した場合は最初に平歯車59cが損傷することになり、故障個所の特定及び予備部品単価の抑制が可能となる。
次にトーチ本体1を冷却ブロック33から容易に着脱可能にした非消耗電極溶接ヘッド30に付いて説明する。
図22は、本実施例に係わる非消耗電極溶接トーチの冷却ブロック33の組立前の状態の平面図であり、図23は、図22のA−A線断面矢視図である。なお、本実施例において、実施例6等で説明した部材は同一番号を付してその説明は省略する。
本実施例では溶接トーチを冷却ブロック33に装着するために止め具60を使用する。図24は止め具60の構造を説明するための斜視図である。止め具60は鋼製の帯板を折り曲げ加工してリング状に成形したもので、ここでは剛性の高い高張力鋼を用いている。止め具60の材質は、高張力鋼に限ることはないが、溶接トーチの材質(一般には銅合金)よりも線膨張係数の小さい金属とする。止め具60の内寸法は、トーチ本体1と冷却ブロック33を組み合わせた部分の外寸法と一致させてある。
ここで、トーチ本体1及び冷却ブロック33に係る各部品の機能、構造について、以下説明する。トーチ本体1を容易に着脱可能にするため、溶接に必要な溶接電力、溶接溶融部保護用ガス及び溶接トーチ冷却用の冷却媒体を供給するためのケーブル、ホース類はトーチ本体1に接続せず、トーチ本体1が取り付けられる冷却ブロック33に水冷パワーケーブル取り合い部6,7及びガスホース取り合い部8を取り付ける構造としている。供給されたガスは、ガス供給路接続部10aを経由してトーチ本体1へ供給される。溶接電力の供給は、トーチ本体1及び冷却ブロック33の材質を導電体として、接触面33aを経由して行われる。一方、冷却水に関しては、冷却水路9は冷却ブロック33内にのみ設け、トーチ本体1は間接的に冷却する。
次に、トーチ本体1と冷却ブロック33を組み立てる手順について説明する。
まず、冷却ブロック33の先端を止め具60の中に通しておき、次にトーチ本体1の根元部分を止め具60の中に挿入する。トーチ本体1が冷却ブロック33の上面に加工してある接触面の所定の位置に接した時、トーチ本体1の上面に設けた凸部1bと、止め具60に設けたへこみ部60aが一致し、この位置でトーチ本体1と冷却ブロック33は固定される。
図25は、溶接トーチ1と冷却ブロック33を組立て、止め具60で固定した状態を示す平面図であり、図26は、図25のA−A線断面矢視図である。
もし、トーチ本体1と冷却ブロック33の間の接触面33aに溶接スパッタや砂粒等の異物が付着していた場合、従来方法のネジ止め方式では、接触面33aが密着せず空隙として残るが、本実施例ではトーチ本体1を止め具60の中に押し込むことができないので、作業者はこの時点で容易に異常に気付くことができる。うまく組み立てられた後、止め具60の剛性により、トーチ本体1と冷却ブロック33は互いに接触面33aで押し付けられ、溶接中は接触面33aを介してトーチ本体1は冷却される。ここで、万一、接触面33aに数十μm程度の微細な粉末状の異物が残留していると、接触面圧が不足することで冷却効果が完全に機能しないことも想定されるが、その場合、溶接中にゆっくりとトーチ本体1の温度が上昇していく可能性がある。
しかし本実施例では、前記したトーチ本体1と止め具60の線膨張係数の差異により、トーチ本体1の熱膨張よりも止め具60の熱膨張の方が小さいため、トーチ本体1の温度が上がれば上がるほど、止め具60によって冷却ブロック33に押し付けられるので、結果的に接触面圧が上昇して冷却効果が回復し、トーチ本体1の異常な過熱には至らない。
本実施例によれば、従来のネジ止めに比べ、はるかに容易にワンタッチで溶接トーチ本体1を冷却ブロック33側に着脱することができる。またトーチ本体1の取り付け面(接触面33a)への異物付着を防止し易く、何らかの原因で接触面を介しての冷却効果が低下した場合でも、自動的に面圧が上昇し、冷却効果が回復するロバスト性を有している。このため、溶接作業の信頼性が向上し、溶接ヘッドの寿命も長くなるという効果も得られる。
また、トーチ本体1と冷却ブロック33を固定する止め具61として、鋼製の帯板を環状に加工したものの例を図27の斜視図に示す。この場合、止め具61の着脱にやや力を要するものの、従来のネジ止めに比べれば図24に示す止め具60と同様の容易さであり、作業性の改善に支障とはならない。得られる効果は図24に示す止め具60と同様であるが、図27に示す止め具61は環状で、容易には変形しないので、図24に示す止め具60に比べ、より強固にトーチ本体1と冷却ブロック33を締付けることができるので、粉塵等の多い環境での溶接作業に適する。
また、止め具60,61の材質は、鋼に限られることはなく、溶接トーチの材質(一般には銅合金)より線膨張係数の小さなもので耐熱性及びある程度の強度を有するものであればよく、低線膨張係数を有する耐熱セラミックスでもよい。
製品の品質向上と品質安定化、合わせて溶接作業工数の低減を図った小型の自動溶接ヘッドに搭載する超扁平非消耗電極溶接トーチとして各種配管の溶接に利用できる。
本発明の実施例の非消耗電極溶接トーチの平面図である。 図1の非消耗電極溶接トーチのA−A線断面矢視図である。 図1の非消耗電極溶接トーチの矢印S方向からの矢視図(一実施例に係る非消耗電極溶接トーチの正面図)である。 図1の非消耗電極溶接トーチのB−B線断面矢視図である。 本発明の実施例2に係る図1の非消耗電極溶接トーチのA−A線断面矢視図である。 本発明の実施例2に係る図1の非消耗電極溶接トーチのB−B線断面矢視図である。 本発明の実施例3に係る非消耗電極溶接トーチの断面図である。 本発明の実施例4に係る非消耗電極溶接トーチの平面図である。 本発明の実施例5に係る非消耗電極溶接トーチの平面図である。 本発明の各実施例のチューブ突き合わせ溶接用全姿勢溶接ヘッドの側面図である。 図10のチューブ突き合わせ溶接用全姿勢溶接ヘッドの平面図である。 図10のチューブ突き合わせ溶接用全姿勢溶接ヘッドの背面図である。 本発明の一実施例に係るトーチ本体を間接的に冷却する冷却ブロックをトーチ本体から分離して別体として設けた場合の非消耗電極溶接トーチの平面図である。 図13のA−A線断面矢視図である。 図13の非消耗電極溶接トーチ及び冷却ブロックの正面図である。 図13の溶接トーチを搭載した溶接ヘッドの側面図である。 図13の溶接トーチを搭載した溶接ヘッドの平面図である。 図13の溶接トーチを搭載した溶接ヘッドの正面図である。 本発明の一実施例に係る分割構造を備えた溶接ヘッドの概略図(図19(a)は正面図、図19(b)は側面図)である。 図19の溶接ヘッドのトーチ駆動部ボディモジュールの正面図(図20(a))と図20(a)のA−A線断面矢視図(図20(b))である。 図19の溶接ヘッドのトーチ駆動機構部モジュールの詳細図(図21(a)は正面図、図21(b)は側面図、図21(c)は図21(b)のB−B線断面矢視図)である。 本発明の一実施例に係わるトーチ本体と冷却ブロックを組立てる前の状態の非消耗電極溶接トーチの平面図である。 図22のA−A線断面矢視図である。 図22の非消耗電極溶接トーチに用いる止め具の斜視図である。 図22のトーチ本体と冷却ブロックを組立てた状態の非消耗電極溶接トーチの平面図である。 図25のA−A線断面矢視図である。 図22の非消耗電極溶接トーチに用いる他の止め具の斜視図である。 本発明の実施例の非消耗電極溶接トーチを用いて、ボイラ火炉壁の溶接作業を行う様子を示す図である。
符号の説明
1 トーチ本体 1a,1b 壁面の凸部
2 非消耗電極 3 セラミック板
4 止めネジ 5 金網板
6、7 水冷パワーケーブル取り合い部 8 ガスホース取り合い部
9 水路 10 ガス供給路
10a ガス供給路接続部 11 外側ガス空間
12 内側ガス空間 12a 開口部
13 オリフィス 14 セラミックネジ
15 隔壁 16 フィルタ
20 ワイヤノズル 21 トーチ取付台
22 トーチ駆動機構部 23 ワイヤ送給機構
24 ワイヤリール 25 クランプ機構
26 ハンドノブ 27 クランプレバー
28 チューブ 29 メンブレンバー
30 溶接ヘッド 32 開先
33 冷却ブロック 33a 冷却ブロックの接触面
33b,33c 挿入孔 34 溶接ビード
35 O−リング 39〜42 固定ネジ
45 トーチ駆動部ボディ 46 トーチ回転用リング
47 トーチ上下移動用リング 46a,47a 歯車
53,54,56 軸受け 58 カバー
59a〜59c 平歯車 60,61 止め具

Claims (14)

  1. トーチ本体と、該トーチ本体内に固定されて該トーチ本体より外部に突き出た非消耗電極と、前記トーチ本体内を通過して前記非消耗電極の先端に形成される溶接部にシールドガスを供給するガス供給機構を備え、
    前記ガス供給機構は、
    前記非消耗電極の周囲に外側のガス空間とその内側のガス空間とからなり、隔壁により隔てられた2重の環状のガス空間と、
    トーチ本体外からガスを供給するために前記外側のガス空間に接続したガス供給路と、
    前記外側のガス空間と内側のガス空間の間の隔壁に均等な間隔で設け、径方向断面積の和が、前記ガス供給路の径方向断面積よりも小さい複数のオリフィスと、
    前記内側のガス空間に設けられ、かつ該オリフィスのガス吹出し方向とは異なる方向であって、非消耗電極がトーチ本体より外部に突き出た方向に向いたガス吹出し用の開口部と、
    該開口部に設けた金網板と
    を備えたことを特徴とする非消耗電極溶接トーチ。
  2. 前記ガス供給路の軸芯を通る中心線と前記2重の環状のガス空間の隔壁との交点が、隣接する2つのオリフィスの中間部にあることを特徴とする請求項1記載の非消耗電極溶接トーチ。
  3. オリフィスの軸芯を通る中心線と非消耗電極が突き出したトーチ本体の壁面の平面とのなす角度が該平面に対して非消耗電極がトーチ本体より外部に突き出た方向と逆方向に0〜60度の角度であることを特徴とする請求項1ないし2のいずれかに記載の非消耗電極溶接トーチ。
  4. 前記非消耗電極が外部に突き出た方向の前記トーチ本体の壁面に、非消耗電極とガス吹出用開口部を除いて全面にセラミック板を取り付けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の非消耗電極溶接トーチ。
  5. 前記非消耗電極の周辺のトーチ本体の壁面は金網板が当たる位置まで延びていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の非消耗電極溶接トーチ。
  6. 前記内側のガス空間は、前記ガス吹き出し用開口部側に向けて、その断面積が順次小さくなる環形状であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の非消耗電極溶接トーチ。
  7. 前記内側のガス空間は、前記ガス吹き出し用開口部側に向けて、その内径が順次大きくなり、外径は一定である環形状であることを特徴とする請求項6記載の非消耗電極溶接トーチ。
  8. 前記ガス吹き出し用開口部には、金網板に代えてフィルタを設置したことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の非消耗電極溶接トーチ。
  9. ガス供給機構へシールドガスを供給するガス供給部と非消耗電極に溶接用電力を供給する電力供給部と冷却媒体の循環路とをトーチ本体内に設けたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の非消耗電極溶接トーチ。
  10. ガス供給機構へシールドガスを供給するガス供給部と非消耗電極に溶接用電力を供給する電力供給部とを備え、かつ内部に冷却媒体の循環路を備えた冷却ブロックをトーチ本体とは別体として設け、該冷却ブロックをトーチ本体に着脱自在に接続したことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の非消耗電極溶接トーチ。
  11. 冷却ブロックとトーチ本体には互いに面接触により接合する接合部を設け、冷却ブロックとトーチ本体は前記接合部を介して着脱可能にしたことを特徴とする請求項10記載の非消耗電極溶接トーチ。
  12. 冷却ブロックの前記ガス供給部にはシールドガスを供給するケーブルを接続し、該冷却ブロック内のガス供給部とトーチ本体内の前記外側のガス空間に接続したガス供給路とは前記トーチ本体との前記接合部において、面接触により接続させることを特徴とする請求項11記載の非消耗電極溶接トーチ。
  13. 冷却ブロックとトーチ本体の前記接合部は環状の止め具で着脱可能に接続したことを特徴とする請求項11記載の非消耗電極溶接トーチ。
  14. 請求項10記載の非消耗電極溶接トーチのトーチ本体と非消耗電極とガス供給機構を含むトーチ本体モジュールと、冷却ブロックを有する前記トーチ本体モジュールを固定するトーチ取付台モジュールと、被溶接体の周りでトーチ本体モジュールとトーチ取付台モジュールを一体的に回転させるトーチ駆動部ボディモジュールと、該トーチ駆動部ボディモジュールに動力を供給するトーチ駆動機構部モジュールと、被溶接体を支持するクランプ機構モジュールとを機械的手段により着脱可能に接続することを特徴とする非消耗電極溶接ヘッド。
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