JP2018086671A - 狭開先用溶接トーチ、狭開先溶接方法及び狭開先溶接システム - Google Patents

狭開先用溶接トーチ、狭開先溶接方法及び狭開先溶接システム Download PDF

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尚重 黒川
Naoshige Kurokawa
尚重 黒川
敏之 泉
Toshiyuki Izumi
敏之 泉
稔 長島
Minoru Nagashima
稔 長島
道貴 山越
Michitaka Yamakoshi
道貴 山越
小川 亮
Akira Ogawa
亮 小川
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Abstract

【課題】トーチ角度を変更しても狭開先内でワークとの接触を防止でき、且つ安定したシールドガス雰囲気を維持して溶接することができる狭開先用溶接トーチ、狭開先溶接方法及び狭開先溶接システムを提供する。【解決手段】トーチ銃身11と、該トーチ銃身11に取り付けられて溶接部に向けてシールドガスを噴出するノズル15と、送給される溶接ワイヤ30を案内するコンタクトチップ14と、を備える。ノズル15は、インナーノズル16と、インナーノズル16の外周側に配設されるアウターノズル17と、を有する2重構造ノズルであり、コンタクトチップ14は、インナーノズル16の先端より10mm以上突出している。【選択図】図2

Description

本発明は、狭開先用溶接トーチ、狭開先溶接方法及び狭開先溶接システムに関し、より詳細には、開先に干渉することなく、安定して狭開先の溶接部を溶接することができる狭開先用溶接トーチ、狭開先溶接方法及び狭開先溶接システムに関する。
狭開先溶接は、溶接能率の向上、溶接材料の低減等の長所を有する反面、開先角度が狭くなることに起因する溶接トーチとワークとの干渉やシールドガス不良から発生する溶接作業性の劣化や溶接欠陥の発生等の短所がある。
このような問題を解決するため、特許文献1には、シールドガスを放出させるためのシールドガスカップを狭開先の所要位置まで挿入可能とすると共に、シールドガスを電極ワイヤの近傍に集中して放出させ、安定したシールド雰囲気を形成して狭開先溶接を行う溶接トーチが開示されている。具体的に、特許文献1の溶接トーチは、シールドガスカップの内側面の幅寸法を、コンタクトチップの外径より若干大きい扁平形状とし、該シールドガスカップ中心位置にコンタクトチップを有するトーチ本体を通すようにする。また、シールドガスカップ内の長手方向両端部に、該シールドガスカップの内側面の幅寸法より狭幅とした整流ピースを相対向させて取り付けて、シールドガスを該両整流ピースにより層流化し電極ワイヤの近傍に集中して流すようにしている。
また、特許文献2では、溶接ワイヤが挿設されるトーチ本体の両側に一対のメインガス通路と補助ガスノズル通路を設け、後側メインガス通路より後方のトーチ本体先端面を切り欠いて溶接面より後退させると共に、トーチ本体内部に冷却水が循環する冷却部を設けた狭開先溶接トーチが開示されている。これにより、溶接部のシールド性を確保して溶接性を向上させ、且つトーチ本体を冷却してトーチ本体及びトーチ本体の先端に設けられるチップ等を保護している。
特開2001−179456号公報 特開2010−234409号公報
しかしながら、特許文献1、2は、溶接トーチを狭開先に挿入可能するためにトーチ形状が幅広の長方形であり、トーチ角度を変えると溶接トーチがワークに干渉する可能性が高い。また、複数電極を用いる場合、トーチ角度を調整する必要があり、電極の極間距離の調整が非常に困難となる。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、トーチ角度を変更しても狭開先内でワークとの接触を防止でき、且つ安定したシールドガス雰囲気を維持して溶接することができる狭開先用溶接トーチ、狭開先溶接方法及び狭開先溶接システムを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 狭開先の溶接部のアーク溶接に用いられる狭開先用溶接トーチであって、
トーチ銃身と、
該トーチ銃身に取り付けられ、前記溶接部に向けてシールドガスを噴出するノズルと、
送給される溶接ワイヤを案内するコンタクトチップと、を備え、
前記ノズルは、インナーノズルと、前記インナーノズルの外周側に配設されるアウターノズルと、を有する2重構造ノズルであり、
前記コンタクトチップは、前記ノズルの先端より10mm以上突出することを特徴とする狭開先用溶接トーチ。
(2) 前記アウターノズルの噴出口には、スパッタ付着防止用のフィルタが設けられることを特徴とする(1)に記載の狭開先用溶接トーチ。
(3) 前記フィルタは、多孔質金属で形成されることを特徴とする(2)に記載の狭開先用溶接トーチ。
(4) 前記インナーノズルの内径(d)と、前記アウターノズルの内径(D)との比d/Dは、0.30〜0.75であることを特徴とする(1)に記載の狭開先用溶接トーチ。
(5) (1)〜(4)のいずれかに記載の狭開先用溶接トーチを用いて、狭開先の溶接部をアーク溶接する狭開先溶接方法であって、
溶接時には、前記インナーノズルから10〜35L/minの前記シールドガスを供給すると共に、前記アウターノズルから10〜65L/minの前記シールドガスを供給することを特徴とする狭開先溶接方法。
(6) 前記インナーノズルからの供給量と前記アウターノズルからの供給量の比(前記インナーノズルからの供給量/前記アウターノズルからの供給量)が0.2〜3.0であることを特徴とする狭開先溶接方法。
(7) (1)〜(4)のいずれかに記載の狭開先用溶接トーチを搭載したことを特徴とする狭開先溶接システム。
なお、本明細書において、狭開先とは、開先の平均幅が板厚の1/2より小さい開先とする。
本発明の狭開先用溶接トーチによれば、トーチ銃身と、インナーノズル及びアウターノズルを有し溶接部に向けてシールドガスを噴出する2重構造のノズルと、溶接ワイヤを案内するコンタクトチップと、を備え、コンタクトチップは、ノズルの先端より10mm以上突出している。これにより、コンタクトチップの突出し部が狭開先の底部まで入り込むと共に、2重構造のノズルから噴出されるシールドガスによって狭開先内を安定してガスシールドするので、シールド性を確保しながら狭開先の溶接部を溶接することができ、良好な溶接品質を確保することができる。また、トーチ角度を変えたとしても、溶接トーチとワークとの干渉を回避することが可能となる。さらに、複数電極の場合においては、極間距離やトーチ姿勢の調整が容易となる。
本発明に係る狭開先用溶接トーチを備える狭開先溶接システムの構成図である。 図1に示す狭開先用溶接トーチの断面図である。 スパッタ付着防止用フィルタが装着される狭開先用溶接トーチの先端の斜視図である。
以下、本発明の一実施形態に係る狭開先用溶接トーチ、狭開先溶接方法及び狭開先溶接システムについて、詳細に説明する。
まず、本発明に係る狭開先用溶接トーチが適用される溶接システムについて説明する。溶接システムとしては、アーク溶接を行う構成であれば、特に限定されず、従来のガスシールドアーク溶接に用いられている溶接システムを用いることができる。
図1に示すように、溶接システムを構成する溶接装置100は、アームの先端51に取り付けられた狭開先用溶接トーチ(以下、単に溶接トーチとも言う)10を、狭開先形状を持つ被溶接材Wの溶接線に沿って移動させるロボット50と、溶接トーチ10に消耗電極である溶接ワイヤ30を供給するワイヤ供給部(図示しない)と、ワイヤ供給部を介して溶接ワイヤ30に溶接電流を供給して溶接ワイヤ30と被溶接材Wとの間でアークを発生させる溶接電源部60を備える。また、溶接装置100は、溶接トーチ10を移動させるためのロボット50の動作を制御するロボット制御部52を備え、ロボット制御部52には、手元操作装置53が接続されている。そして、ロボット50は、離れた場所から制御されて、溶接トーチ10が作業者の代わりに溶接作業を行う。
図2及び図3に示すように、狭開先用溶接トーチ10は、トーチ銃身11と、チップボディ12と、チップアダプタ13と、コンタクトチップ14と、インナーノズル16及びアウターノズル17を有する2重構造のノズル15と、を主に備える。
トーチ銃身11は、トーチクランプ(図示せず)に支持されると共に、チップボディ12及びノズル15を支持する。トーチ銃身11内には、溶接ワイヤ30をガイドするインナチューブ(図示せず)が先端方向に突出しており、インナチューブは、トーチ銃身11と螺合するチップボディ12内まで挿入されている。トーチ銃身11の周囲には、ノズル15と被溶接材Wとの接触を検知するための微弱な電流をノズル15に流すための通電金具18が装着されている。
チップボディ12は、トーチ銃身11内部に設けられた、通電性を有する筒状の部材であり、チップアダプタ13を介してコンタクトチップ14を着脱自在に保持する。したがって、チップボディ12は、溶接電源部60から供給される溶接電流を、コンタクトチップ14を介して溶接ワイヤ30に供給する。また、チップボディ12には、径方向に貫通する貫通孔22が設けられた円環状のオリフィス21が装着され、図示しないガス供給装置から供給されたシールドガスをインナーノズル16に供給する。
チップアダプタ13は、トーチ銃身11内部に設けられた筒状の部材であり、その先端にコンタクトチップ14を着脱自在に保持する。コンタクトチップ14の突き出し長さは、チップアダプタ13を変更することにより任意の長さに調節可能である。
コンタクトチップ14は、その軸中心に溶接ワイヤ30を案内するワイヤ送給孔(図示せず)を備えており、インナーノズル16の先端より所定の距離Lだけ突出して配設されている。インナーノズル16からのコンタクトチップ14の突出距離Lは、10mm以上に設定され、30〜70mmが好ましい。
これは、コンタクトチップ14の突出距離Lが10mm未満だと、溶接トーチ10と狭開先の被溶接材Wとの干渉が発生する虞があるためである。なお、コンタクトチップ14の突出距離Lを30mm以上とすることで、該干渉の発生をより抑制できる。また、コンタクトチップ14の突出距離Lが70mmを超えるとシールドガスが先端まで届かなくなる可能性があり、70mm以下が好ましい。コンタクトチップ14の材質は、特に限定されないが、CuやAgなどの導電性の良い金属またはそれを基にした合金が好ましい。コンタクトチップ14は、チップアダプタ13に着脱自在に取り付けられており、長期間の使用で消耗した場合や開先角度などに合わせて交換することができる。
ノズル15は、トーチ銃身11に取り付けられ、チップアダプタ13の外周側に配置される筒状のインナーノズル16と、インナーノズル16のさらに外周側に配置される筒状のアウターノズル17と、から構成された2重構造ノズルである。インナーノズル16は、図示しないガス供給装置から供給されたシールドガスを、インナチューブとチップボディ12との間に形成される空間を通過させ、チップボディ12に形成された貫通孔を介して、オリフィス21に形成された貫通孔22によって該シールドガスを整流して、溶接部に噴出する。また、アウターノズル17は、アウターノズル17に接続された供給パイプ23を介して外部から供給されたシールドガスを、溶接部に噴出する。即ち、インナーノズル16及びアウターノズル17は、それぞれ独立したガス流路を備え、流量が独立して制御可能である。
インナーノズル16及びアウターノズル17に供給されるシールドガスとしては、アルゴン(Ar)や炭酸ガス(CO)等が用いられる。なお、インナーノズル16及びアウターノズル17から供給するシールドガスは、同じ種類のシールドガスであっても、異なる種類のシールドガスであってよい。
インナーノズル16は、その先端がアウターノズル17の先端より所定の寸法aだけ突出している。これにより、インナーノズル16から噴出するシールドガスの指向性を高め、コンタクトチップ14の突き出し長さLが長い場合でも、溶接ワイヤ30の先端まで確実にシールドガスを届けて溶接部をガスシールドする。この寸法aの値は特に問わないが、1mm以上であるとよりシールドガスの指向性を高めることができ、10mm以内であると、より狭開先内でのワーク干渉を抑制することができるため、1〜10mmの範囲内とすることが好ましい。また、アウターノズル17は、外部からの空気の巻き込みを抑制してシールド環境を良好に維持し、溶接性を向上させる。
また、インナーノズル16の内径dは15〜30mmが好ましく、アウターノズル17の内径Dは30〜60mmが好ましい。また、インナーノズル16の内径dと、アウターノズル17の内径Dとの比d/Dとしては、0.30〜0.75の範囲に設定されていることが好ましい。これにより、インナーノズル16及びアウターノズル17から噴出するシールドガスの流量比や流速を最適に制御することができる。
例えば、溶接時において、インナーノズル16からは、10〜35L/minのシールドガスが供給され、アウターノズル17からは、10〜65L/minのシールドガスが供給される。また、流量比(=インナーガスの流量/アウターガスの流量)としては、0.2〜3.0の範囲で設定される。
また、インナーノズル16及びアウターノズル17からのガス流速を略同じ速度にしたり、インナーノズル16のガス流速をアウターノズル17のガス流速より速くすることができる。
また、アウターノズル17の前方には、スパッタ付着防止用フィルタ25が配設されている。フィルタ25は、好ましくは、多孔質金属で形成された略円環板状部材であり、その外周面から一対の爪部26が外方に突出形成され、さらに、インナーノズル16の先端部の外周面に形成された傾斜面16aと嵌合するテーパ面25aを有する。一対の爪部26は、アウターノズル17の先端に形成された一対のコの字型溝27に前方から押し込まれてアウターノズル17の噴出口を覆うように着脱自在に装着されている。フィルタ25の装着によりアウターノズル17へのスパッタの付着を防止してシールド性が向上する。フィルタ25の材質は、特に限定されないが、スパッタが付着し難いことから、例えば、ニッケル製とするのが好ましい。
フィルタ25をアウターノズル17の前方にのみ配置したのは、インナーノズル16に付着したスパッタは、従来公知のクリーナで容易に除去可能であるのに対し、アウターノズル17は、自動でのスパッタ除去が困難であり、アウターノズル17のスパッタ除去作業の軽減を図るためである。
そして、狭開先の溶接時は、溶接トーチ10の先端を狭開先に挿入し、ワイヤ供給部から供給される溶接ワイヤ30をコンタクトチップ14を介して送給すると共に、インナーノズル16から10〜35L/minの流量のシールドガスを、アウターノズル17から10〜65L/minの流量のシールドガスを独立して噴出させて溶接部をシールドガスでガスシールドする。そして、溶接ワイヤ30に溶接電流を供給して、被溶接材Wとの間でアークを発生させて溶接する。これにより、溶接部を大気から遮断し、安定した溶接を可能とする。
以上説明したように、本実施形態の狭開先用溶接トーチ10によれば、トーチ銃身11と、該トーチ銃身11に取り付けられて溶接部に向けてシールドガスを噴出するノズル15と、送給される溶接ワイヤ30を案内するコンタクトチップ14と、を備える。ノズル15は、インナーノズル16と、インナーノズル16の外周側に配設されるアウターノズル17と、を有する2重構造ノズルであり、コンタクトチップ14がインナーノズル16の先端より10mm以上突出している。これにより、コンタクトチップ14の突き出し長さLを長くして、コンタクトチップ14の突出し部が狭開先の底部まで入り込むと共に、二重構造のノズル15から噴出されるシールドガスによって狭開先内を安定してガスシールドするので、シールド性を確保しつつ狭開先の溶接部を溶接することができ、良好な溶接品質を確保することができる。また、トーチ角度を変えたとしても、溶接トーチ10と被溶接材Wとの干渉を回避することが可能となる。さらに、複数電極の場合においては、極間距離やトーチ姿勢の調整が容易となる。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
本発明の有効性を立証するため、開先角度25°、ルートギャップ3mmのレ型開先を形成する板厚40mmの鋼板を、溶接電流300A、溶接電圧32V、溶接速度30cm/minの溶接条件に固定し、コンタクトチップの突き出し長さ(L)、インナーノズルの内径(d)、アウターノズルの内径(D)、インナーノズルの内径とアウターノズルの内径との比(d/D)、フィルタの有無及びフィルタ材質、シールドガスの種類及び流量などを変更した各種溶接条件において、溶接試験を行った。なお、寸法aは5.5mmで固定している。
また、使用されるフィルタとしては、多孔質金属の他、ステンレスフィルタ(100メッシュ、目開き:約0.15mm)、多孔質プラスチック、多孔質セラミックのものを用意した。
溶接品質は、目視によりシールド性、ノズル内のスパッタ付着、溶接トーチの母材との干渉について外観検査して評価した。
シールド性については、正常なものは○、アーク不安定が若干発生(全溶接線のアーク不安定期間30%未満)したものは△(合格)、全溶接線の30%以上でアーク不安定、またはブローホール、ピット等の溶接欠陥が発生したものは×とした。ノズル内のスパッタ付着については、スパッタによるノズル噴出部の遮蔽が30%未満の場合は〇(良好)、30〜60%の場合は△(合格)、60%を超えて遮られた場合は×とした。母材との干渉については、溶接中母材との干渉が無ければ○、母材との干渉が発生すれば×とした。試験結果を、各種溶接条件と共に表1に示す。
Figure 2018086671
表1に示すように、コンタクトチップの突き出し長さLが、本発明で規定する10mm以上である各試験No.1〜No.34では、インナーノズルの内径、アウターノズルの内径、インナーノズルの内径とアウターノズルの内径との比、フィルタの有無及び材質、シールドガスの種類、インナーノズル及びアウターノズルの流量、インナーノズルとアウターノズルとの流量比、を変更した各溶接条件においても、シールド性、ノズル内のスパッタ付着、溶接トーチの母材との干渉が合格レベルを満たした。
一方、従来の二重ノズルの溶接トーチを用いた試験No.35、No.36や、試験No.14に対してコンタクトチップの突き出し長さを8mmに変更した試験No.37では、コンタクトチップの突き出し長さが本発明で規定する範囲外(10mm未満)となるため、いずれも溶接トーチの母材との干渉が合格レベルに達しなかった。また、試験No.35〜No.37は、いずれもフィルタなしであり、ノズル内のスパッタ付着についても合格レベルに達しなかった。さらに、シールドガスの噴出がインナーシールドガスのみであった試験No.35では、シールド性も合格レベルに達しなかった。
また、コンタクトチップの突き出し長さは本発明の規定を満足するが、シールドガスの噴出がインナーシールドガスのみであった試験No.38でも、シールド性が合格レベルに達しなかった。
また、コンタクトチップの突き出し長さが、好ましい範囲である30〜70mmの上限を超える試験No.3では、シールド性が△評価であった。また、フィルタなし以外は本発明の規定を満足する試験No.14では、シールド性及びノズル内のスパッタ付着がともに△評価であった。
さらに、フィルタの材質については、100メッシュのステンレス製フィルタを用いた試験No.15では、ノズル内のスパッタ付着が△評価であったが、多孔質プラスチックフィルタを用いた試験No.16、及び多孔質セラミックフィルタを用いた試験No.17では、いずれの項目も良好な結果であった。
また、インナーノズルの内径が好ましい範囲である15〜30mmの下限値を下回る試験No.7、及び好ましい範囲の上限値を超える試験No.9では、いずれもシールド性が△評価であった。また、アウターノズルの内径が好ましい範囲である30〜60mmの下限値を下回る試験No.13及び好ましい範囲の上限値を超える試験No.6では、いずれもシールド性が△評価であった。さらに、インナーノズルの内径とアウターノズルの内径との比が、本発明で規定する範囲(0.30〜0.75)から外れる試験No.10、及び試験No.11では、いずれもシールド性が△評価であった。
また、インナーシールドガス流量が、本発明で規定する範囲である10〜35L/minの下限値を下回る試験No.23、及びインナーシールドガス流量の上限値を超える試験No.29では、いずれもシールド性が△評価であった。また、アウターシールドガス流量が、本発明で規定する範囲である10〜65L/minの下限値を下回る試験No.32、及び上限値を超える試験No.27では、いずれもシールド性が△評価であった。
さらに、インナーシールドガス流量とアウターシールドガス流量との流量比が、0.2〜3.0の好ましい範囲を下回る試験No.24、及び上限値を超える試験No.31では、いずれもシールド性が△評価であった。
一方、いずれの溶接条件も本発明の範囲を満足する各試験No.1,No.2,No.4,No.5,No.8,No.12,No.16〜22,No.25,No.26,No.28,No.30,No.33,No.34では、いずれも良好な結果であった。
10 狭開先用溶接トーチ
11 トーチ銃身
14 コンタクトチップ
15 ノズル
16 インナーノズル
17 アウターノズル
25 スパッタ付着防止用フィルタ
30 溶接ワイヤ
100 溶接装置(狭開先溶接システム)
D アウターノズルの内径
d インナーノズルの内径
L コンタクトチップ突出距離

Claims (7)

  1. 狭開先の溶接部のアーク溶接に用いられる狭開先用溶接トーチであって、
    トーチ銃身と、
    該トーチ銃身に取り付けられ、前記溶接部に向けてシールドガスを噴出するノズルと、
    送給される溶接ワイヤを案内するコンタクトチップと、を備え、
    前記ノズルは、インナーノズルと、前記インナーノズルの外周側に配設されるアウターノズルと、を有する2重構造ノズルであり、
    前記コンタクトチップは、前記ノズルの先端より10mm以上突出することを特徴とする狭開先用溶接トーチ。
  2. 前記アウターノズルの噴出口には、スパッタ付着防止用のフィルタが設けられることを特徴とする請求項1に記載の狭開先用溶接トーチ。
  3. 前記フィルタは、多孔質金属で形成されることを特徴とする請求項2に記載の狭開先用溶接トーチ。
  4. 前記インナーノズルの内径(d)と、前記アウターノズルの内径(D)との比d/Dは、
    0.30〜0.75であることを特徴とする請求項1に記載の狭開先用溶接トーチ。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の狭開先用溶接トーチを用いて、狭開先の溶接部をアーク溶接する狭開先溶接方法であって、
    溶接時には、前記インナーノズルから10〜35L/minの前記シールドガスを供給すると共に、前記アウターノズルから10〜65L/minの前記シールドガスを供給することを特徴とする狭開先溶接方法。
  6. 前記インナーノズルからの供給量と前記アウターノズルからの供給量の比(前記インナーノズルからの供給量/前記アウターノズルからの供給量)が0.2〜3.0であることを特徴とする狭開先溶接方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の狭開先用溶接トーチを搭載したことを特徴とする狭開先溶接システム。
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