JP2014108458A - プラズマgma溶接トーチ - Google Patents

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康生 村井
Tetsuya Hashimoto
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Abstract

【課題】その先端の径を増大させて大型化させることなく、シールドガスのシールド性を向上させたプラズマGMA溶接トーチを提供する。
【解決手段】プラズマGMA溶接トーチ1は、シールドノズル6の先端部とプラズマノズル5の先端部との間にガスレンズ7等の多孔質部材を取り付けると共に、この多孔質部材とシールドノズル6の先端部及びプラズマノズル5の先端部との間に形成されたガス貯留空間14により、シールドノズル6から吐出されるシールドガス13の勢いをしずめた後、前記多孔質部材により、シールドガス13を整流化するため、シールドガス13のシールド性が向上する。これにより、ブローホールの発生が防止される。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属材料を溶接又は肉盛するために使用される消耗電極式プラズマ溶接トーチ、即ちプラズマGMA溶接トーチに関する。
プラズマGMA(ガスメタルアーク)溶接法は、プラズマを使用しない通常のGMA溶接でも用いられる消耗電極(溶接ワイヤ)の外周に、プラズマを発生させると共に、更にそのプラズマの外周にシールドガスを流してプラズマを外気から遮断するトーチを用いて、金属を溶接又は肉盛する方法である。従来のプラズマGMA溶接トーチを、図3に示す。図3に示すように、従来のプラズマGMA溶接トーチ21は、トーチの先端に取り付けられたコンタクトチップ23に溶接ワイヤ22が挿通されており、この溶接ワイヤ22は、コンタクトチップ23により給電されると共に被溶接材28に向けて送出される。
また、このコンタクトチップ23を囲むように、コンタクトチップ23と同心的に、円筒状のプラズマ電極24が溶接トーチの先端に取り付けられており、プラズマ電極24の先端部は縮径されている。このプラズマ電極24は、その先端の縮径部と溶接ワイヤ22との間にアーク(パイロットアーク)を発生させて、このアーク熱によって、プラズマ電極24とコンタクトチップ23との間に供給されたセンターガス31を、プラズマ化させる。そして、プラズマ電極24の先端の縮径部から、このセンターガス31のプラズマを、溶接ワイヤ22の周辺部に向けて吐出する。また、このプラズマ電極24を囲むように、コンタクトチップ23と同心的に、円筒状のプラズマノズル25が溶接トーチの先端に取り付けられており、このプラズマノズル25の先端部も、プラズマ電極24の先端部に整合させて縮径されている。このプラズマノズル25とプラズマ電極24との間には、プラズマガス32が供給されており、このプラズマガス32は、プラズマ電極24の先端の縮径部とプラズマノズル25の先端の縮径部との間に発生させたアーク(パイロットアーク)のアーク熱によってプラズマ化される。そして、プラズマノズル25の先端の縮径部から、プラズマ化されたプラズマガス32を、溶接ワイヤ22の周辺部に向けて吐出する。また、このプラズマノズル25を囲むように、コンタクトチップ23と同心的に、円筒状のシールドノズル26が溶接トーチの先端に取り付けられており、シールドノズル26とプラズマノズル25との間に供給されたシールドガス33を、シールドノズル26の先端から、被溶接材28に向けて吐出する。このプラズマGMA溶接トーチ21においては、溶接ワイヤ22の外周をプラズマ29で覆うと共に、溶接ワイヤ22と被溶接材28との間にアーク30を発生させ、更にプラズマ29の外周をシールドガス33で外気から遮断する。
一方、図4に示すプラズマGMA溶接トーチ21aは、図3に示すシールドノズル26の先端を縮径することにより、シールドガス33が流れる流路33aの上流側の幅と出口側の幅とを同程度のものにしている。この図3,図4に示すプラズマGMA溶接トーチ21,21aを使用して行われるプラズマGMA溶接は、溶接ワイヤ22がアーク発生により溶融されることに加えて、プラズマ29による加熱が付加されるため、プラズマを使用しない通常のGMA溶接に比べて著しく溶融速度が増加すると共に、アーク力を比較的弱くすることができる。従って、特に、肉盛溶接のように、被溶接材28(母材)の溶融率を低くして、溶着速度を増加させたい場合には、極めて有効な溶接方法となる。
なお、プラズマGMA溶接ではないが、特許文献1には、1次シールドガスノズルから、アークを被覆する1次シールドガスを吐出すると共に、メッシュ状のガスレンズが設けられた2次シールドガスノズルから、1次シールドガスを被覆する2次シールドガスを吐出しながら溶接を行うミグ溶接法が開示されている。そして、この特許文献1には、2次シールドガスをメッシュ状のガスレンズを通過させることにより、ガスの分布及び流速をノズルの径方向及び周方向に均等化させることが開示されている。
また、特許文献2には、プラズマGMA溶接ではないが、非消耗電極と被溶接材との間に高周波高電圧を印加するのと同時に、非消耗電極とシールドノズルとの間に高周波高電圧を印加して溶接アークを発生させる溶接アークの発生方法が開示されている。この特許文献2にも、シールドガスをガスレンズで整流することが開示されている。
特開昭60−46880号公報 特開昭59−125271号公報
上述の如く、従来のプラズマGMA溶接トーチ21,21aは、コンタクトチップ23とプラズマ電極24との間のセンターガス流路31a、プラズマ電極24とプラズマノズル25との間のプラズマガス流路32a、プラズマノズル25とシールドノズル26,26aとの間のシールドガス流路33aという3種類のガス流路が形成されている。しかしながら、トーチを扱いやすくするため、トーチ自身を可能な限り小径にする必要があるので、図3に示すプラズマGMA溶接トーチ21の最外周に形成されているシールドガス流路33aの幅は、シールドガス流路33aの上流側において、幅が狭いスリット状の流路となっている。また、図4に示すプラズマGMA溶接トーチ21aは、シールドノズル26aの先端を縮径しているので、シールドガス流路33aの上流側だけでなく、シールドガス流路33aの出口側においても、幅が狭いスリット状の流路となっている。
また、このシールドガス流路33aの内周側は、比較的肉厚が厚いプラズマノズル25となっており、プラズマガス流路32aの出口側とシールドガス流路33aの出口側との間隙は、プラズマノズル25の肉厚分だけ、いずれのガスも流れない領域となっている。シールドガス33が、スリット状のシールドガス流路33aをとおって、シールドノズル26の先端から吐出されると、シールドガス33は、流れの方向が不規則な乱流となる。これにより、シールドガス33の一部が、不規則な方向に流れてしまい、シールド性が低下してしまう。これらの従来のプラズマGMA溶接トーチ21,21aは、シールド性が低下するため、軟鋼ワイヤを用いた溶接時に、ブローホールが発生するという問題があった。
また、特許文献1に開示されたミグ溶接法及び特許文献2に開示された溶接アークの発生方法は、シールドガスが、ガスレンズにより、整流化されているが、このガスレンズを通過するだけでは、シールドガスのシールド性が十分ではない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、シールドガスのシールド性を向上させることができると共に、ブローホールの発生を確実に防止することができるプラズマGMA溶接トーチを提供することを目的とする。
本発明に係るプラズマGMA溶接トーチは、トーチ本体の先端に取り付けられ、溶接ワイヤを被溶接材に向けて送出すると共に、前記溶接ワイヤに溶接電流を供給するコンタクトチップと、前記トーチ本体の先端に前記コンタクトチップを囲むように取り付けられ、前記コンタクトチップとの間に、センターガスが流れるセンターガス流路を形成し、前記溶接ワイヤとの間にプラズマ電圧を印加して前記センターガスをプラズマ化させると共に、このプラズマ化されたセンターガスを、その先端から前記溶接ワイヤの周辺部に向けて吐出するプラズマ電極と、前記トーチ本体の先端に前記プラズマ電極を囲むように取り付けられ、前記プラズマ電極との間に、プラズマガスが流れるプラズマガス流路を形成し、前記プラズマ電極との間のプラズマ電圧により前記プラズマガスをプラズマ化させると共に、このプラズマ化されたプラズマガスを、その先端から前記溶接ワイヤの周辺部に向けて吐出するプラズマノズルと、前記トーチ本体の先端に前記プラズマノズルを囲むように取り付けられ、前記プラズマノズルとの間にシールドガスが流れるシールドガス流路を形成し、その先端から前記シールドガスを前記被溶接材に向けて吐出するシールドノズルと、前記シールドノズルの先端部と前記プラズマノズルの先端部との間に前記シールドガス流路に介在するように取り付けられ、前記シールドガスを整流化する多孔質部材と、を有し、前記シールドノズルの先端部と前記プラズマノズルの先端部との間に、これらの先端部と前記多孔質部材とにより囲まれた空間であって、前記シールドガス流路より大きな間隔のガス貯留空間が形成され、前記多孔質部材の密度が0.3乃至2g/cmであることを特徴とする。
本発明においては、例えば、前記多孔質部材の材質は、Ni、Ni合金、Cu又はCu合金である。
本発明によれば、シールドノズルの先端部とプラズマノズルの先端部との間にガスレンズ等の多孔質部材を取り付けると共に、この多孔質部材とシールドノズルの先端部及びプラズマノズルの先端部との間に形成されたガス貯留空間により、シールドノズルから吐出されるシールドガスの勢いをしずめた後、前記多孔質部材により、シールドガスを整流化するため、シールドガスのシールド性が向上する。これにより、ブローホールの発生が防止される。
本発明の第1実施形態に係るプラズマGMA溶接トーチを示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係るプラズマGMA溶接トーチを示す断面図である。 従来のプラズマGMA溶接トーチを示す断面図である。 従来のプラズマGMA溶接トーチを示す断面図である。
以下、本発明の第1の実施の形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るプラズマGMA溶接トーチを示す断面図である。溶接ワイヤ2は、トーチ本体(図示せず)の内部を介して送り出され、被溶接材8に向けて送給される。トーチ本体の先端には、図1に示すように、コンタクトチップ3が取り付けられており、このコンタクトチップ3には、トーチ本体から送給された溶接ワイヤ2が挿通されている。このコンタクトチップ3は、溶接ワイヤ2を、被溶接材8に向けて送出すると共に溶接電流を供給する。
そして、トーチ本体の先端には、コンタクトチップ3を囲むように、コンタクトチップ3と同心的に、円筒状のプラズマ電極4が取り付けられており、このプラズマ電極4の先端部は縮径されている。このプラズマ電極4とコンタクトチップ3との間には、センターガス11が供給されており、プラズマ電極4とコンタクトチップ3との間は、センターガス11が流れる流路11aとなっている。このセンターガス11は、プラズマ電極4の先端の縮径部と溶接ワイヤ2との間にプラズマ電圧を印加して発生させたアーク(パイロットアーク)のアーク熱によって、プラズマ化される。このセンターガス11のプラズマは、プラズマ電極4の先端の縮径部から、溶接ワイヤ2の周辺部に向けて吐出される。
更に、このプラズマ電極4を囲むように、トーチ本体の先端には、コンタクトチップ3と同心的に、円筒状のプラズマノズル5が取り付けられており、このプラズマノズル5の先端部も、プラズマ電極4の先端部に整合させて縮径されている。このプラズマノズル5とプラズマ電極4との間には、プラズマガス12が供給されており、プラズマノズル5とプラズマ電極4との間は、プラズマガス12が流れる流路12aとなっている。このプラズマガス12は、プラズマノズル5の先端の縮径部とプラズマ電極4の先端の縮径部との間にプラズマ電圧を印加して発生させたアーク(パイロットアーク)のアーク熱によって、プラズマ化される。このプラズマガス12のプラズマは、プラズマノズル5の先端の縮径部から、溶接ワイヤ2の周辺部に向けて吐出される。なお、このプラズマノズル5の先端の縮径部は、プラズマ電極4の先端の縮径部よりも、更に、トーチ先端側に位置している。このため、プラズマ電極4の先端から吐出されるセンターガス11のプラズマと、プラズマノズル5の先端から吐出されるプラズマガス12のプラズマとは、その吐出位置が異なる。このように、本実施形態では、プラズマ化させるガスとして、センターガス11及びプラズマガス12の2種類のガスが使用されている。
そして、このプラズマノズル5を囲むように、トーチ本体の先端には、コンタクトチップ3と同心的に、円筒状のシールドノズル6が取り付けられている。このシールドノズル6とプラズマノズル5との間には、シールドガス13が供給されており、シールドノズル6とプラズマノズル5との間は、シールドガス13が流れる流路13aとなっている。このシールドガス13は、プラズマ9を外気から遮断するものであり、シールドノズル6の先端から被溶接材8に向けて吐出される。溶接トーチは、取扱い性を向上させるため、可能な限り小径にしなければならない。このため、シールドノズル6とプラズマノズル5との間に形成されたシールドガス流路13aは、幅が狭く、スリット状になっている。なお、シールドガス流路13aの出口側は、プラズマノズル5の先端が縮径されているため、シールドガス流路13aの上流側よりも幅が広くなっている。
このように幅が広がったシールドガス流路13aの出口側には、シールドガス流路13aに介在するように、多孔質部材からなるガスレンズ7が取り付けられている。そして、シールドノズル6の先端部及びプラズマノズル5の先端部と、ガスレンズ7とにより囲まれた空間は、シールドガス流路13aの上流側より大きな間隔のガス貯留空間14となっている。このガスレンズ7は、シールドガス流路13aを流れてきたシールドガス13を、整流化するものであり、この整流化されたシールドガス13が、シールドノズル6の先端から被溶接材8に向けて吐出される。
このガスレンズ7の密度は、0.3乃至2g/cmである。ガスレンズ7の密度が0.3g/cmを下回ると、孔の数が少なくなって、ガスレンズ7を取り付けていない状態に近づくため、シールドガス13を整流化する効果が弱まる。一方、ガスレンズ7の密度が2g/cmを上回ると、孔の数が増えすぎて、ガスレンズ7の内圧が高まるため、シールドガス13がガスレンズ7を通過して流出する量が減ってしまう。このため、本発明は、ガスレンズ7の密度は、0.3乃至2g/cmである。なお、ガスレンズ7の材質は、例えば、Ni、Ni合金、Cu又はCu合金である。
次に、本発明の第1実施形態に係るプラズマGMA溶接トーチ1の動作について説明する。図1に示すように、コンタクトチップ3により給電された溶接ワイヤ2と、被溶接材8との間にアーク10を発生させると共に、センターガス11のプラズマ及びプラズマガス12のプラズマを、夫々プラズマ電極4の先端及びプラズマノズル5の先端から、溶接ワイヤ2の周辺部に向けて吐出する。また、これと同時に、シールドノズル6の先端からシールドガス13を被溶接材8に向けて吐出する。これにより、溶接ワイヤ2の外周をプラズマ9で覆うと共に、更にそのプラズマ9の外周をシールドガス13で外気から遮断することにより、プラズマGMA溶接が行われる。この溶接時に、シールドガス13は、シールドガス流路13aにおける幅が狭い上流側から、幅が広い出口側に流出することにより、流れの方向が不規則な乱流となる。
この乱流となったシールドガス13は、シールドノズル6の先端部及びプラズマノズル5の先端部との間に形成されたガス貯留空間14により、シールドガス流路13aから流出するシールドガス13の流れが弱くなる。そして、この流れが弱くなったシールドガス13を、シールドガス流路13aの出口側に設けられたガスレンズ7によって整流化する。これにより、シールドガス13におけるプラズマ9を外気から遮断する性能を向上させることができる。このように、本発明のプラズマGMA溶接トーチ1は、シールドガス13のシールド性を向上させることができるため、ブローホールの発生を防止することができる。このように、このプラズマGMA溶接トーチ1を用いて、溶接を行うことによって、プラズマGMA溶接におけるシールド性が顕著に向上するため、優れた品質を有する溶接金属を得ることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るプラズマGMA溶接トーチについて説明する。図2は、このプラズマGMA溶接トーチを示す断面図である。プラズマGMA溶接トーチ1aは、トーチ本体と、コンタクトチップ3と、プラズマ電極4と、プラズマノズル5とを有することが、第1実施形態のプラズマGMA溶接トーチ1と同様である。そして、図2に示すように、このプラズマノズル5を囲むように、トーチ本体の先端には、コンタクトチップ3と同心的に、円筒状のシールドノズル6aが取り付けられており、このシールドノズル6aの先端部は縮径されている。なお、プラズマノズル5も、第1実施形態と同様に、プラズマ化されたプラズマガス12を、溶接ワイヤ2の周辺部に吐出するため、その先端が縮径されているが、シールドノズル6aの先端の径は、プラズマノズル5の先端の径よりも太くなっている。このため、シールドノズル6aとプラズマノズル5との間に形成されるシールドガス流路13aは、シールドノズル6aの先端である出口側の方が、上流側よりも幅が広くなっている。
このように幅が広がったシールドガス流路13aの出口側には、第1実施形態のプラズマGMA溶接トーチ1と同様の多孔質部材からなるガスレンズ7aが取り付けられている。そして、シールドノズル6aの先端部及びプラズマノズル5の先端部と、ガスレンズ7aとにより囲まれた空間は、シールドガス流路13aの上流側より大きな間隔を有するガス貯留空間14aとなっている。シールドノズル6aの先端を縮径したプラズマGMA溶接トーチ1aは、シールドガス流路13aの出口側にガスレンズ7aを取り付けると共に、このガスレンズ7aとシールドノズル6aの先端部及びプラズマノズル5の先端部との間に形成されたガス貯留空間14aにより、第1実施形態と同様に、シールドガス13の流れを弱くして、この流れが弱くなったシールドガス13を整流化することによって、シールドガス13のシールド性が向上する。このため、ブローホールの発生を防止することができる。
以下、実施例、比較例及び従来例に基づいて、本発明の効果について説明する。
SM490A鋼板に対して、軟鋼用溶接ワイヤJIS Z3312 YGW11の径が1.2mmのものを使用して、ビードオンプレート溶接を行った。表1に、溶接施工条件を示す。
Figure 2014108458
表1に示すように、プラズマGMA溶接において、溶接姿勢を下向とし、溶接電源は、GMA用溶接電源及びプラズマ用溶接電源のいずれも、500Aの直流電源を使用した。また、溶接トーチは、500A用水冷トーチとし、試験板は、前述の如く、SM490A鋼板を使用した。この鋼板の寸法は、厚さを12mm、幅を75mm、長さを430mmとし、その表面をグラインダ仕上げとした。そして、使用したガスは、センターガス及びプラズマガスとして、100%Arを一定に供給し、また、シールドガスとして、Arを80%、COを20%混合させたものを一定に供給した。また、GMA電流を270A、GMA電圧を26V、プラズマ電流を100A、溶接速度を80cm/分とした。運棒法(溶接ワイヤの動かし方)はストレートとし、トーチ角度を垂直にした。そして、ワイヤ突出し長さを30mmとした。そして、溶接を行った後、溶接金属の窒素含有量を分析することで、シールド性を評価した。このシールド性の合否判定として、窒素含有量が0.005%未満を合格とし、また、窒素含有量が0.005%以上を不合格とした。
先ず、溶接トーチとして、図3,図4に示す従来のプラズマGMA溶接トーチを用いたものを従来例とし、また、図1,図2に示すガスレンズを有する本発明のプラズマGMA溶接トーチを用いたものを実施例として、これらの溶接トーチを使用して溶接を行った。この本発明のプラズマGMA溶接トーチは、ガスレンズとして、厚さが3mm、密度が0.6g/cmのNi製多孔質金属を、シールドノズルとプラズマノズルとの間のシールドガス出口側に取り付けることができるサイズに切断加工を施して取り付けた。そして、シールドガスの流量を変えて、溶接を行った。このシールドガスの流量は、15,20,25,30L/分とした。表2に、溶接金属の窒素分析結果及びシールド性評価結果を示す。
Figure 2014108458
表2に示すように、本発明のプラズマGMA溶接トーチを用いた実施例No.9乃至16の溶接金属の窒素含有量は、従来のプラズマGMA溶接トーチを用いた従来例No.1乃至8の窒素含有量よりも、顕著に低くなっており、これにより、本発明のプラズマGMA溶接トーチを使用した溶接は、良好なシールド性が確保されていることが確認された。
次に、ガスレンズの材質及び密度を変えて、溶接を行い、シールドガスのシールド性を比較した。溶接トーチとしては、図1に示すガスレンズを有するプラズマGMA溶接トーチを用いた。なお、溶接条件は、表1に示すとおりであるが、シールドガス流量は25L/分一定とした。比較例No.17は、ガスレンズの材質をNiとし、ガスレンズの密度を0.2g/cmとした。比較例No.18は、比較例No.17と同様に、ガスレンズの材質をNiとしたが、ガスレンズの密度を2.5g/cmとしたものである。比較例No.19は、比較例No.18よりも更に、ガスレンズの密度を高くしたものであり、3.5g/cmとして、ガスレンズの材質をNiとした。
実施例No.20乃至22は、ガスレンズの材質をNiとし、ガスレンズの密度を夫々0.3g/cm、1.2g/cm、2.0g/cmとした。実施例No.23は、ガスレンズの材質をNi−Cr合金としたものであり、その密度を0.8g/cmとした。実施例No.24は、ガスレンズの材質をCuとし、ガスレンズの密度を0.6g/cmとした。そして、実施例No.25は、ガスレンズの材質をCu−Ni合金とし、そのガスレンズの密度を1.0g/cmとした。これらの溶接トーチを用いて、溶接を行った後、溶接金属の窒素含有量を分析して、シールド性を評価した。表3に、溶接金属の窒素分析結果及びシールド性評価結果を示す。
Figure 2014108458
表3に示すように、ガスレンズの密度を0.3乃至2.0g/cmとした実施例No.20乃至25は、ガスレンズの密度を0.2g/cmとした比較例No.17よりも、溶接金属の窒素含有量が低くなっており、良好なシールド性が得られた。これは、ガスレンズの密度が0.3g/cmよりも低いと、孔の数が少なくなって、ガスレンズを取り付けていない状態に近づくため、ガスレンズによるシールドガスの整流効果が得られないためである。また、ガスレンズの密度を0.3乃至2.0g/cmとした実施例No.20乃至25は、ガスレンズの密度を2.5g/cmとした実施例No.18及びガスレンズの密度を3.5g/cmとした実施例No.19よりも、溶接金属の窒素含有量が低くなっており、良好なシールド性が得られた。これは、ガスレンズの密度が2.0g/cmよりも高いと、ガスレンズにおける内圧が高まるため、シールドガスがガスレンズを通過して流出する量が不足するためである。このように、プラズマGMA溶接トーチに用いられるガスレンズの密度を0.3乃至2.0g/cmとすることによって、シールド性が良好となることが確認された。
1,1a:プラズマGMA溶接トーチ、2:溶接ワイヤ、3:コンタクトチップ、4:プラズマ電極、5:プラズマノズル、6,6a:シールドノズル、7,7a:ガスレンズ、8:被溶接材、9:プラズマ、10:アーク、11:センターガス、11a:センターガス流路、12:プラズマガス、12a:プラズマガス流路、13:シールドガス、13a:シールドガス流路、14,14a:ガス貯留空間、21,21a:プラズマGMA溶接トーチ、22:溶接ワイヤ、23:コンタクトチップ、24:プラズマ電極、25:プラズマノズル、26,26a:シールドノズル、28:被溶接材、29:プラズマ、30:アーク、31:センターガス、31a:センターガス流路、32:プラズマガス、32a:プラズマガス流路、33:シールドガス、33a:シールドガス流路

Claims (2)

  1. トーチ本体の先端に取り付けられ、溶接ワイヤを被溶接材に向けて送出すると共に、前記溶接ワイヤに溶接電流を供給するコンタクトチップと、
    前記トーチ本体の先端に前記コンタクトチップを囲むように取り付けられ、前記コンタクトチップとの間に、センターガスが流れるセンターガス流路を形成し、前記溶接ワイヤとの間にプラズマ電圧を印加して前記センターガスをプラズマ化させると共に、このプラズマ化されたセンターガスを、その先端から前記溶接ワイヤの周辺部に向けて吐出するプラズマ電極と、
    前記トーチ本体の先端に前記プラズマ電極を囲むように取り付けられ、前記プラズマ電極との間に、プラズマガスが流れるプラズマガス流路を形成し、前記プラズマ電極との間のプラズマ電圧により前記プラズマガスをプラズマ化させると共に、このプラズマ化されたプラズマガスを、その先端から前記溶接ワイヤの周辺部に向けて吐出するプラズマノズルと、
    前記トーチ本体の先端に前記プラズマノズルを囲むように取り付けられ、前記プラズマノズルとの間にシールドガスが流れるシールドガス流路を形成し、その先端から前記シールドガスを前記被溶接材に向けて吐出するシールドノズルと、
    前記シールドノズルの先端部と前記プラズマノズルの先端部との間に前記シールドガス流路に介在するように取り付けられ、前記シールドガスを整流化する多孔質部材と、
    を有し、
    前記シールドノズルの先端部と前記プラズマノズルの先端部との間に、これらの先端部と前記多孔質部材とにより囲まれた空間であって、前記シールドガス流路より大きな間隔のガス貯留空間が形成され、
    前記多孔質部材の密度が0.3乃至2g/cmであることを特徴とするプラズマGMA溶接トーチ。
  2. 前記多孔質部材の材質は、Ni、Ni合金、Cu又はCu合金であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマGMA溶接トーチ。
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