以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。なお、以下の説明において、上下方向および左右方向とは、原則として、遊技者からみた上下方向および左右方向をいうものとし、表面および裏面についても、原則として、遊技者から見た表面および裏面をいうものとする。
図1には、本発明の第一の実施形態としてのパチンコ機10が示されている。このパチンコ機10は、縦長な方形状に枠組み形成された外枠12を備えている。外枠12には、その一側において開閉自在に軸支された状態で、パチンコ機10の主要構成部の略全てが集約して設けられる中枠14が組み付けられている。また、中枠14の表側には、中枠14に対して裏側から取り付けられた遊技盤16を透視保護するためのガラス板を備えたガラス枠18と、上皿20を備えた皿板22がそれぞれ中枠14の一側に開閉自在に軸支された状態で組み付けられている。更にまた、上皿20の下方には、下皿24が設けられており、かかる下皿24の右方には、発射ハンドル26が突設されている。そして、遊技者が発射ハンドル26に対して回動可能に装着された発射レバー28を回動操作することにより、上皿20に貯留された遊技球が球送り機構(図示せず)を介して発射装置(図示せず)に送られた後、遊技盤16に形成された遊技領域30に向けて発射されるようになっている。
遊技盤16は、表面に合成樹脂製のシートが被着された遊技板を備えており、かかる遊技板の表面側に固定されたガイドレール32によって囲まれた略円形の遊技領域30には、その略中央部分において、遊技板の裏面から組付けられた図柄表示装置としての液晶表示器34が配設されている。液晶表示器34は横長な方形状の表示画面36を有しており、かかる表示画面36が遊技領域30に配設されて、遊技者に視認可能とされている。そして、表示画面36の左上隅部に変動図柄としての左特別図柄37a,中特別図柄37bおよび右特別図柄37cが、それぞれ変動および停止表示されるようになっている。
これら三つの特別図柄37a,37b,37cは、本実施形態においては、何れも、「1」〜「9」までの数字図柄によって構成されており、表示画面36の上側から下側に「1」→「9」「1」・・・のループ状にスクロール表示されるようになっている。また、本実施形態では、これら三つの特別図柄37a,37b,37cは、一斉に変動表示が開始されるようになっている一方、左特別図柄37a,右特別図柄37c,中特別図柄37bの順番で停止表示されるようになっている。なお、本実施形態における変動表示とは、特別図柄の図柄が確定していないように認識される表示状態をいい、例えば、特別図柄37a,37b,37cがスクロール表示されている状態等をいう。そして、これら左特別図柄37a,中特別図柄37b、右特別図柄37cの図柄が確定して認識される状態が停止図柄とされている。また、本実施形態における停止表示とは、特別図柄37a,37b,37cの停止図柄が確定したように認識される表示状態をいい、例えば、特別図柄37a,37b,37cのスクロール表示が終了して、停止図柄で止まっている状態等をいう。
なお、特別図柄37a,37b,37cの変動表示が一斉に開始されて、順に停止表示されていく過程において、左特別図柄37aおよび右特別図柄37cが同じ図柄で表示されて、中特別図柄37bが変動表示された状態がリーチ図柄とされている。そして、中特別図柄37bが停止表示されて、これら左特別図柄37a,中特別図柄37b、右特別図柄37cの全てが同じ図柄で停止表示された状態が大当たり図柄とされる一方、中特別図柄37bのみが異なる図柄で停止表示された状態がリーチはずれ図柄とされる。また、左特別図柄37aと右特別図柄37cが異なる図柄で停止表示された状態が完全はずれ図柄とされる。
かかる液晶表示器34の下方には、始動口38が設けられており、かかる始動口38内には、入球した遊技球を遊技盤16の裏側に排出する球通路上において近接スイッチによって構成された始動入球検出装置としての始動口スイッチ134(図6参照)が配設されている。そして、始動口38に遊技球が入ると、始動口スイッチ134が遊技球の通過を検出して始動信号としての電気信号(検出信号)を出力するようにされており、かかる始動信号をきっかけとして判定が行われた後、判定の結果に基づいて決定された内容による複数の特別図柄37a,37b,37cの変動表示が開始されるようになっている。
更にまた、始動口38の下方には、可変入賞口としての大入賞口40が設けられている。かかる大入賞口40の入口には、液晶表示器34において特別図柄37a,37b,37cの図柄が揃って停止表示された場合、即ち、大当たりが発生した場合に開閉する扉42が配設されている。扉42は、通常の遊技状態では閉状態に維持されて遊技者に不利な状態とされる一方、大当たりが発生した場合には開閉動作せしめられて遊技者に有利な大当たり状態とされるようになっている。
また、液晶表示器34における表示画面36の周囲には、表示画面36を装飾するセンター飾り44が配設されている。センター飾り44は、略枠体形状とされた本体枠46(図2参照)の開口端に一体的に形成されて外方に広がる取付板部に装飾枠48が取り付けられた構造とされており、遊技板に設けられた取付孔に挿通された状態で取付板部によって遊技板の表面側から取り付けられるようになっている。
装飾枠48は、中央に表示画面36よりもやや大きな開口寸法を有する貫通窓50が貫設された略枠体形状とされており、かかる貫通窓50の上方に位置せしめられる部位には、前方に突出して左右方向に延びる庇52が形成されている。そして、装飾枠48の遊技板への取付状態において、貫通窓50を通して表示画面36が視認可能にされていると共に、かかる表示画面36の上方で左右方向に広がる庇52によって、遊技領域30を流下せしめられる遊技球が、液晶表示器34の表示画面36の上面を流下せしめられることのないようにされている。
そして、本体枠46の右側端部には、複数(本実施形態においては4つ)の棒状可動役物54a乃至54dが上下方向に並んで配設されている。これら棒状可動役物54a乃至54dは、何れも同様の構造とされており、後述する棒状可動部材56の点数表示部が異ならされているのみであることから、以下の説明においては、これら棒状可動役物54a乃至54dを棒状可動役物54として説明する。
図2に示すように、棒状可動役物54は、薄板の棒形状を有する棒状可動部材56が、電動モータ58によって直線状に往復移動可能とされたラック部材60に対して回動可能に連結されて構成されている。
より詳細には、棒状可動部材56は薄板の棒形状とされており、図3にも示すように、組付け状態においてラック部材60側に位置する後方端縁部62は、上面視において半円形状とされた滑らかな曲面とされている。そして、後方端縁部62には、棒状可動部材56の外方に向かって開口する連結凹部64が幅方向に貫設されて形成されており、かかる連結凹部64の上下両端縁部には、上側板部66aおよび下側板部66bが形成されている。また、上側板部66aには、円形の貫通孔68が鉛直方向に貫設されている一方、下側板部66bには、上側に開口して貫通孔68と略等しい径寸法を有する円形の軸受凹部70が形成されており、これら貫通孔68および軸受凹部70が、鉛直方向で同軸上に形成されている。かかる貫通孔68は上側板部66aの厚さ方向に貫通せしめられている一方、軸受凹部70は、下側板部66bを貫通することなく、凹状に窪んだ形状とされている。なお、特に本実施形態においては、棒状可動部材56の前面には点数表示部(点数に応じた、数および大きさの円形窪みおよび該窪みの内面の着色)が施されており、棒状可動部材56は麻雀に用いる点棒の如き形状とされている。即ち、例えば、一つの棒状可動部材56においては、比較的大きな窪みが一つ設けられており、該窪みの内面が赤色に着色されて、麻雀の千点棒の如き形状とされている。
さらに、棒状可動部材56の配設状態において裏面となる面の連結凹部64からやや内方に位置する部位には、永久磁石71が棒状可動部材56に嵌め込むようにして固着されており、永久磁石71の端面が棒状可動部材56の裏面と略面一とされている。
そして、棒状板部材56の連結凹部64、即ち、上側板部66aと下側板部66bとの対向面間には、ラック部材60の前側端部に一体的に突出形成された突出板部72が嵌め入れられるようになっている。突出板部72は、棒状可動部材56の上側板部66aと下側板部66bとの対向面間距離よりも僅かに小さな高さ寸法を有すると共に、棒状可動部材56の厚さ寸法と略等しい厚さ寸法をもって形成されており、突出板部72の突出端面は上面視において半円形状の滑らかな曲面とされている。
かかる突出板部72の突出方向の端部には、棒状可動部材56に形成された貫通孔68および軸受凹部70と略等しい径寸法をもって突出板部72を鉛直方向に貫通する円形の軸挿通孔74が貫設されている。そして、突出板部72が連結凹部64に入り込むようにして、貫通孔68、軸受凹部70、および軸挿通孔74が同軸上に配設されると共に、貫通孔68の上方から、貫通孔68より僅かに小さい径寸法を有する円柱状の軸部材76が挿通されて、突出板部72の軸挿通孔74を通して軸受凹部70に差し込まれることによって、棒状可動部材56が、ラック部材60に対して貫通孔68を中心として回動可能に連結されている。なお、突出板部72の突出側端面と連結凹部64の内側端面との間には僅かな間隙が形成されており、互いの面が非接触状態とされている。
このような突出板部72によって棒状可動部材56と連結されるラック部材60は略矩形ブロック形状とされており、その幅寸法は棒状可動部材56の幅寸法よりもやや大きくされる一方、高さ寸法は棒状可動部材56の高さ寸法と略等しい大きさをもって形成されている。そして、かかるラック部材60の上端面には、棒状可動部材56の移動距離よりもやや大きな長さ寸法をもってラック部材60の長手方向に延びるラックギア78が形成されている。
このような構造とされたラック部材60および棒状可動部材56は、ケース80に往復変位可能に収容される。ケース80は、中央に案内孔82を有する略有底筒形状とされており、かかる案内孔82は、ラック部材60の長さ寸法と棒状可動部材56の移動距離との合計よりも大きな長さ寸法をもって形成されている。また、案内孔82の一方の端部には、外部に開口せしめられた開口部84が形成されている。なお、ケース80は、ケース80の下半分を形成するケース下部材80aの上側から図示しないケース上部材が被されることによって構成されている。
ケース80の開口部84には、ケース80の配設状態において前方に位置する前側面86と、後側に位置する後側面88が対向せしめられており、前側面86と後側面88がケース80の外方へ行くにつれて互いに離隔するような曲面をもって形成されている。更に、後側面88は、開口端部がケース80の配設状態において液晶表示器34の表示画面36と平行となる所定寸法の平状面90をもって形成されている。
また、後側面88における平状面90には、永久磁石92が嵌め込むように配設されている。かかる永久磁石92は、棒状可動部材56に備えられた永久磁石71の後側面88側の磁極と反対の磁極が、棒状可動部材56側に向くように配設されており、棒状可動部材56側の永久磁石71との間で吸引力を生ぜしめるようにされている。
なお、案内孔82における開口部84のやや内方には段差部94が形成されており、幅寸法が小さくされている。これにより、案内孔82は、段差部94より内方の幅寸法は、ラック部材60の幅寸法より僅かに大きくされる一方、段差部94よりも外方の幅寸法は、棒状可動部材56の幅寸法よりは僅かに大きく、ラック部材60の幅寸法より小さくされている。
そして、かかる案内孔82にラック部材60および棒状可動部材56が収容されており、ラック部材60および棒状可動部材56が案内孔82に案内されることによって、案内孔82の長手方向に往復変位可能とされている。ここにおいて、案内孔82の開口部84付近に段差部94が形成されていることによって、棒状可動部材56はケース80から突出可能とされる一方、ラック部材60は段差部94に係止されて、ケース80から突出しないようにされている。
そして、ケース80には、電動モータ58を収容する収容部95が一体的に形成されており、かかる収容部95に、電動モータ58が配設されている。なお、本実施形態においては、電動モータ58は従来公知のステッピングモータとされている。そして、電動モータ58の出力軸に取り付けられたピニオン96が案内孔82の内部に突出せしめられて、ラック部材60のラックギア78と噛合せしめられている。これにより、電動モータ58の回転駆動力がラック部材60および棒状可動部材56への前後方向の駆動力として及ぼされるようになっている。
このような構造とされた棒状可動役物54は、ケース80の開口部84と反対側の端部が、本体枠46に形成された組付凹部98に嵌め入れられて固定されることによって、棒状可動部材56がパチンコ機10の前後方向から所定角度傾斜して、突出側の端部の方がラック部材60側の端部よりも表示画面36側に位置せしめられた状態で本体枠46に組み付けられるようになっている。かかる組付け状態において、本実施形態においては、ケース80における平状面90の開口端縁部が、最も表示画面36側に位置せしめられると共に、ケース80が表示画面36と重なり合うことのないようにされている。
そして、本体枠46に組付けられた棒状可動役物54の前方には、遮蔽部材としての遮蔽板100が本体枠46に固着されて配設されている。遮蔽板100は、表示画面36の高さ寸法よりも僅かに小さな高さ寸法をもって形成されており、表示画面36側に位置する端縁部102が、正面視において表示画面36の右側端縁部と略同じ位置にまで接近するように配設されて、表示画面36の外周部分を遊技者側から覆うようにされている。更に、遮蔽板100の端縁部102は、棒状可動役物54において最も表示画面36側に位置する部位の端縁部(本実施形態においては、平状面90の開口端縁部)と略同じ位置か、或いはそれより表示画面36側に位置せしめられている。これにより、ケース80は遮蔽板100に隠されて、正面視によっては遊技者から視認不能とされている。加えて、遮蔽板100は、後述する棒状可動部材56の中間位置への駆動を阻害することの無いように、棒状可動部材56の突出方向の延長線上と重ならないように配設されている。要するに、遮蔽板100の端縁部102は、前面視においてケース80よりも表示画面36側で、且つ、上面視において棒状可動部材56の突出方向の延長線と重ならないように配設されている。なお、遮蔽板100を、装飾枠48に一体的に形成すること等も可能である。
ここにおいて、図2にも示すように、電動モータ58によってラック部材60が開口部84と反対側の端部に引き込まれて、ラック部材60と棒状可動部材56がケース80に収容されると、棒状可動部材56の先端部は、平状面90の開口端縁部よりも内方に位置せしめられるようになっている。これにより、棒状可動部材56はケース80への収容状態においてケース80よりも表示画面36側に突出しないようにされており、ケース80と共に遮蔽板100によって遊技者から視認困難とされる。即ち、本実施形態においては、ラック部材60がケース80に引き込まれて、棒状可動部材56が平状面90の開口端縁部よりも内方に位置せしめられた状態が、遊技者から視認困難とされた認識困難位置とされている。
そして、図4に示すように、電動モータ58に所定数のパルス信号が送信されると、電動モータ58が駆動されて、ピニオン96を介して、ラック部材60が案内孔82に案内されて前方に駆動せしめられる。これにより、棒状可動部材56が、遮蔽部材102よりも前方に突出せしめられて、遊技者に視認容易とされると共に、表示画面36に対して傾斜して遊技者に向かって突出するように移動せしめられる。即ち、ラック部材60が前方に駆動されてケース80の開口部84側に位置せしめられて、棒状可動部材56がラック部材60の突出方向と同じ向きで突出せしめられた位置が、中間位置とされている。なお、本実施形態においては、ラック部材60の移動量に応じた数のパルス信号が電動モータ58に送られるようになっており、ラック部材60は、段差部94によって係止される前に停止されるようになっている。このように、本実施形態においては、ラック部材60に形成されたラックギア78と、ピニオン96、電動モータ58を含んで、棒状可動部材56を往復移動せしめる駆動手段が構成されており、案内孔82を含んで、棒状可動部材56を遊技者側に向かって突出するように案内せしめる突出案内手段が構成されている。
そして、棒状可動部材56が中間位置に案内されると、案内孔82の後端面88が後方に湾曲せしめられていることから、棒状可動部材56の後方への回動が許容されると共に、棒状可動部材56に設けられた永久磁石71が、平状面90に固着された永久磁石92に対して接近せしめられる。これにより、中間位置に案内された棒状可動部材56は、平状面90に固着された永久磁石92による吸引力が及ぼされて、貫通孔68を回動中心として平状面90側に回動せしめられて、平状面90に当接状態とされる。このように、本実施形態においては、棒状可動部材56は中間位置まで直線的に突出移動せしめられた後に、表示画面36側へ回動せしめられるようになっている。ここにおいて、平状面90は表示画面36と略平行とされていることから、かかる平状面90に当接せしめられた棒状可動部材56は、表示画面36と平行に延びる平行状態に位置せしめられる。更に、本実施形態においては、棒状可動部材56は平状面90に当接せしめられた位置において、その先端部が表示画面36の右側端部と重なり合うようにされている。そして、本実施形態においては、棒状可動部材56が平状面90に当接せしめられた位置が、遊技者に視認容易な認識容易位置とされている。また、ラック部材60の突出板部72に形成された軸挿通孔74、および棒状可動部材56に形成された貫通孔68および軸受凹部70と、それらに挿通される軸部材76、および永久磁石71、永久磁石91を含んで、棒状可動部材56を傾動せしめる傾動案内手段が構成されている。
このような構造とされた棒状可動役物54は、表示画面36において行なわれる演出表示の内容にあわせて駆動せしめられるようになっている。特に本実施形態においては、始動口38への入球をきっかけとして変動表示が開始される変動図柄37a,37b,37cがリーチ図柄とされる場合に行なわれるリーチ演出において、棒状可動役物54が駆動せしめられるようになっている。
図5に、本実施形態におけるパチンコ機10の表示画面36において行なわれる演出表示の内容を示す。先ず、始動口38に遊技球が入ると、図5(a)に示す如き動画データ104aが表示される。本実施形態においては、演出表示として麻雀ゲームが行なわれる様子が表示されるようになっており、動画データ104aには、遊技者側の手牌106が画面の下部に公開状態で表示されると共に、画面中央部には、相手キャラクタ108と、非公開状態とされた相手側の手牌110が表示されるようになっている。そして、遊技者側の手牌106の図柄が変化せしめられて、遊技者がツモ、打牌を行なう様子が表示されると共に、相手キャラクタ108が自分の手牌(相手側の手牌110)のツモ、打牌を行なう様子が表示される。
そして、左特別図柄37aおよび右特別図柄37cが停止表示されて、リーチ図柄とされた場合には、図5(b)および(c)に示す如き動画データ104b、104cが表示される。動画データ104bでは、遊技者側の手牌106が麻雀におけるテンパイ状態とされると共に、遊技者側を示す遊技者側キャラクタ112が表示されて、遊技者側キャラクタ112がリーチを宣言する演出が行なわれる。続いて、動画データ104cにおいて、遊技者側キャラクタ112が点棒114を投げるように場に置く演出が行なわれる。
そして、中特別図柄37bが停止表示されて、これらの特別図柄37a,37b,37cが大当たりの図柄組合せとされた場合には、図5(d)に示す如き動画データ104dが表示されて、遊技者側の手牌106が麻雀における上がりの図柄組合せとされると共に、遊技者側キャラクタ112が麻雀のおいて勝利する演出が行なわれるようになっている。
そして、本実施形態におけるパチンコ機10においては、動画データ104cが表示されて、遊技者側キャラクタ112が点棒を場においた表示が行なわれるタイミングで、棒状可動部材56が突出せしめられるようになっており、遊技者側キャラクタ112が麻雀のリーチを宣言した時点で、それまで視認困難とされていた棒状可動部材56が表示画面36に対して傾斜して遊技者に向かって突出するように駆動せしめられて遊技者に視認容易とされた後に、表示画面36側に回動せしめられて表示画面36の右側端部に重ね合わせられるようになっている。
図6に、このような作動制御を行なうパチンコ機の主制御回路120の構成を示す。主制御回路120には、主制御回路120の全体を制御する主制御CPU122と、制御プログラムや各種制御処理に必要なデータ等が記憶された主制御ROM124と、各種処理データ等を記憶する主制御RAM126と、入力回路128と、出力回路130が設けられており、これらはバスにより相互に接続されている。また、主制御CPU122には、クロック信号を出力するクロック回路132が接続されている。
さらに、入力回路128には、始動口38に設けられて始動口38への入球を検出する始動口スイッチ134が接続されている。
一方、出力回路130には、液晶表示器34の表示内容を制御する表示制御回路136が接続されており、かかる表示制御回路136が液晶表示器34に接続されている。
また、主制御RAM126には、大当たり判定カウンタ138、リーチはずれ判定カウンタ140、変動パターンカウンタ142が設けられている。大当たり判定カウンタ138は、大当たりか否かの判定に用いられるカウンタであって、クロック回路132から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値(例えば、「0」)から最大値(例えば、「299」)に加算された後に初期値に戻って加算される。リーチはずれ判定カウンタ140は、リーチはずれまたは完全はずれの判定に用いられるカウンタであって、クロック回路132から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値(例えば、「0」)から最大値(例えば、「9」)に加算された後に初期値に戻って加算される。変動パターンカウンタ142は、特別図柄37a,37b,37cの変動表示に要する時間を決定するために用いられるカウンタであって、クロック回路132から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値(例えば、「0」)から最大値(例えば、「9」)に加算された後に初期値に戻って加算される。
一方、主制御ROM124には、大当たりと判定される大当たり判定カウンタ138のカウンタ値(例えば、「7」)が記憶された大当たりカウンタ値記憶エリア144、リーチはずれと判定されるリーチはずれ判定カウンタ140のカウンタ値(例えば、「3」)が記憶されたリーチはずれカウンタ値記憶エリア146が設けられている。
さらに、主制御ROM124には、表1に示す変動パターン選択テーブルを記憶する変動パターン選択テーブル記憶エリア148が設けられている。変動パターン選択テーブルは、大当たり判定の結果を示す「判定結果」と、変動パターンカウンタ142のカウンタ値を示す「変動パターンカウンタ値」と、変動パターンを示す「変動パターン」と、特別図柄37a,37b,37cの変動表示に要する時間を示す「表示時間」から構成されており、大当たり判定の結果と、変動パターンカウンタ142のカウンタ値に基づいて変動パターンを選択するようになっている。
そして、本実施形態では、判定結果が「完全はずれ」の場合には、変動パターンカウンタ142のカウンタ値が「0」〜「4」の場合には「変動パターンA」が、変動パターンカウンタ142のカウンタ値が「5」〜「9」の場合には「変動パターンB」が選択されるようになっている。また、判定結果が「リーチはずれ」の場合には、変動パターンカウンタ142のカウンタ値が「0」〜「6」の場合には「変動パターンC」が、変動パターンカウンタ142のカウンタ値が「7」〜「9」の場合には「変動パターンD」が選択されるようになっている。また、判定結果が「大当たり」の場合には、変動パターンカウンタ142のカウンタ値が「0」〜「2」の場合には「変動パターンE」が、変動パターンカウンタ142のカウンタ値が「3」〜「9」の場合には「変動パターンF」が選択されるようになっている。
なお、これら「変動パターンA」乃至「変動パターンF」はそれぞれ、特別図柄37a,37b,37cの変動表示に要する時間が異ならされており、本実施形態においては、「変動パターンA」は7秒、「変動パターンB」は10秒、「変動パターンC」は17秒、「変動パターンD」は25秒、「変動パターンE」は27秒、「変動パターンF」は30秒に設定されている。
次に、表示制御回路136の構成について、図7に基づいて説明する。表示制御回路136は、表示制御CPU150,表示制御CPU150に接続された入力回路152,表示制御RAM154、プログラムROM156、およびVDP158,VDP158に接続されるキャラクタROM160,作業RAM162,出力回路164を含んで構成されている。また、表示制御CPU150には、クロック信号を出力するクロック回路166が接続されている。更にまた、入力回路152には、主制御回路120を構成する出力回路130が接続されている。また、出力回路164には、液晶表示器34が接続されている。
さらに、出力回路164には、棒状可動役物54a乃至54dのそれぞれに備えられた第一乃至第四の電動モータ58a〜58dの駆動を制御するモータ駆動回路168が接続されている。モータ駆動回路168には、棒状可動部材56の突出および収納に要するストローク量に応じたパルス信号が記憶されており、表示制御回路136からのモータ駆動信号(後述)を受信することによって、第一乃至第四の電動モータ58a〜58dを正方向および逆方向に駆動せしめて、棒状可動役物54a乃至54dのそれぞれに設けられた棒状可動部材56の突出および収納を行なうようにされている。
そして、表示制御CPU150は、所定周期(例えば、本実施形態においては、4ms)毎にクロック回路166からクロック信号が入力された場合には、プログラムROM156に記憶されているパラメータや制御プログラムに従って、後述する処理を実行するようになっており、それによって、主制御回路120からの制御信号に基づいて画像の編集内容を示す制御信号を生成し、VDP158との間で制御信号のやり取りを行う。VDP158は、表示制御CPU150からの制御信号に基づいて、キャラクタROM160から特別図柄37a,37b,37cの画像データ,演出表示データとしてのキャラクタ映像等の画像データを読み出し、作業RAM162を作業エリアとして編集し、これらの画像データを出力回路164を介して液晶表示器34に出力するようになっている。
また、表示制御RAM154には、演出パターンカウンタ170、演出表示タイマカウンタ172、変動パターン記憶エリア174、演出パターン記憶エリア176が設けられている。演出パターンカウンタ170は、演出パターンを選択するために用いられるカウンタであって、クロック回路166から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値(例えば、「0」)から最大値(例えば、「9」)に加算された後に初期値に戻って加算される。演出表示タイマカウンタ172は、演出表示が開始されてからの経過時間を計測するために用いられるカウンタであって、演出表示が開始された時点から、クロック回路166から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算されるものであり、演出表示に要する時間をカウント可能な程度の大きさをもって構成されている。変動パターン記憶エリア174には、受信した変動パターンのデータが記憶される。演出パターン記憶エリア176には、演出表示として選択された演出パターンのデータが記憶される。
一方、プログラムROM156には、演出選択テーブルを記憶する演出選択テーブル記憶エリア178、モータ駆動信号を記憶するモータ駆動信号記憶エリア180が記憶されている。
表2に、演出選択テーブル記憶エリア178に記憶された演出選択テーブルを示す。演出選択テーブルは、受信した変動パターンを示す「変動パターン」と、特別図柄37a,37b,37cの変動表示に要する時間を示す「表示時間」と、演出パターンカウンタ170のカウンタ値を示す「演出パターンカウンタ値」と、演出パターンを示す「演出パターン」と、棒状可動役物54a乃至54dの内、駆動せしめる棒状可動役物を示す「駆動役物番号」と、棒状可動部材56を突出せしめる時刻を、演出パターンが表示されてからの経過時刻として示す「突出時刻」と、棒状可動部材56を収納せしめる時刻を、演出パターンが表示されてからの経過時刻として示す「収納時刻」とから構成されている。なお、表中の「最終結果」は、理解を容易にするための列である。また、「駆動役物番号」における番号は、それぞれ棒状可動役物54aから棒状可動役物54dの順に「1」から「4」までの番号が割り当てられたものであり、複数の番号が記憶されている場合には、それらに該当する複数の棒状可動役物が同時に駆動せしめられるようになっている。また、「突出時刻」および「収納時刻」はそれぞれ、理解を容易とするために秒数で記載されているが、演出選択テーブルには、これらの時間に対応する演出表示タイマカウンタ172のカウンタ値として記憶されている。
そして、本実施形態においては、「変動パターンA」を受信した場合には、演出パターンカウンタ170のカウンタ値が「0」〜「6」の場合には「演出パターンA1」が、演出パターンカウンタ170のカウンタ値が「7」〜「9」の場合には「演出パターンA2」が選択されるようになっている。また、「変動パターンB」を受信した場合には、演出パターンカウンタ170のカウンタ値が「0」〜「6」の場合には「演出パターンB1」が、演出パターンカウンタ170のカウンタ値が「7」〜「9」の場合には「演出パターンB2」が選択されるようになっている。これら「演出パターンA1」、「演出パターンA2」、「演出パターンB1」、「演出パターンB2」は、完全はずれの場合に用いられる演出パターンである。
また、「変動パターンC」を受信した場合には、演出パターンカウンタ170のカウンタ値に関わらず「演出パターンC1」が選択されるようになっている。また、「変動パターンD」を受信した場合には、演出パターンカウンタ170のカウンタ値が「0」〜「3」の場合には「演出パターンD1」が、演出パターンカウンタ170のカウンタ値が「4」〜「6」の場合には「演出パターンD2」が、演出パターンカウンタ170のカウンタ値が「7」〜「8」の場合には「演出パターンD3」が、演出パターンカウンタ170のカウンタ値が「9」の場合には「演出パターンD4」が選択されるようになっている。これら「演出パターンC1」、「演出パターンD1」、「演出パターンD2」、「演出パターンD3」、「演出パターンD4」は、リーチはずれの場合に用いられる演出パターンであって、前述の図5(b)および(c)に示したリーチ演出が行なわれる演出パターンである。特に、「変動パターンD」を受信した場合に選択され得る「演出パターンD1」乃至「演出パターンD4」は、棒状可動役物54を駆動せしめる演出パターンであり、本実施形態においては、「演出パターンD1」が選択された場合には、「駆動役物番号」として「1」(棒状可動役物54a)が、「突出時刻」として「10秒」が、「収納時刻」として「18秒」が選択されるようになっている。また、「演出パターンD2」が選択された場合には、「駆動役物番号」として「1」、「2」(棒状可動役物54a、54b)が、「突出時刻」として「10秒」が、「収納時刻」として「18秒」が選択されるようになっている。また、「演出パターンD3」が選択された場合には、「駆動役物番号」として「1」、「2」、「3」(棒状可動役物54a、54b、54c)が、「突出時刻」として「14秒」が、「収納時刻」として「18秒」が選択されるようになっている。また、「演出パターンD4」が選択された場合には、「駆動役物番号」として「1」、「2」、「3」、「4」(棒状可動役物54a、54b、54c、54d)が、「突出時刻」として「14秒」が、「収納時刻」として「18秒」が選択されるようになっている。
また、「変動パターンE」を受信した場合には、演出パターンカウンタ170のカウンタ値に関わらず「演出パターンE1」が選択されるようになっている。また、「変動パターンF」を受信した場合には、演出パターンカウンタ170のカウンタ値が「0」〜「1」の場合には「演出パターンF1」が、演出パターンカウンタ170のカウンタ値が「2」〜「3」の場合には「演出パターンF2」が、演出パターンカウンタ170のカウンタ値が「4」〜「6」の場合には「演出パターンF3」が、演出パターンカウンタ170のカウンタ値が「7」〜「9」の場合には「演出パターンF4」が選択されるようになっている。これら「演出パターンE1」、「演出パターンF1」、「演出パターンF2」、「演出パターンF3」、「演出パターンF4」は、大当たりの場合に用いられる演出パターンであって、前述の図5(b)および(c)に示したリーチ演出が行なわれる演出パターンである。特に、「変動パターンF」を受信した場合に選択され得る「演出パターンF1」乃至「演出パターンF4」は、棒状可動役物54を駆動せしめる演出パターンであり、本実施形態においては、「演出パターンF1」が選択された場合には、「駆動役物番号」として「1」(棒状可動役物54a)が、「突出時刻」として「10秒」が、「収納時刻」として「25秒」が選択されるようになっている。また、「演出パターンF2」が選択された場合には、「駆動役物番号」として「1」、「2」(棒状可動役物54a、54b)が、「突出時刻」として「10秒」が、「収納時刻」として「25秒」が選択されるようになっている。また、「演出パターンF3」が選択された場合には、「駆動役物番号」として「1」、「2」、「3」(棒状可動役物54a、54b、54c)が、「突出時刻」として「14秒」が、「収納時刻」として「25秒」が選択されるようになっている。また、「演出パターンF4」が選択された場合には、「駆動役物番号」として「1」、「2」、「3」、「4」(棒状可動役物54a、54b、54c、54d)が、「突出時刻」として「14秒」が、「収納時刻」として「25秒」が選択されるようになっている。
このように、本実施形態においては、リーチはずれとなる変動パターンである「変動パターンD」を受信した場合には,突出せしめる棒状可動部材56の本数の少ない「演出パターンD1」、「演出パターンD2」が高い確率で選択される一方、突出せしめる棒状可動部材56の本数の多い「演出パターンD3」、「演出パターンD4」が選択され難くされている。加えて,表1に示したように、「演出パターンD1」乃至「演出パターンD4」が選択されることとなる「変動パターンD」は、同じくリーチはずれとなる「変動パターンC」よりも選択され難くされている。
また、大当たりとなる変動パターンである「変動パターンF」を受信した場合には、突出せしめる棒状可動部材56の本数の多い「演出パターンF4」、「演出パターンF3」が高い確率で選択される一方、突出せしめる棒状可動部材56の本数の少ない「演出パターンF2」、「演出パターンF1」が選択され難くされている。加えて,表1に示したように、「演出パターンF1」乃至「演出パターンF4」が選択されることとなる「変動パターンF」は、同じく大当たりとなる「変動パターンE」よりも選択され易くされている。
すなわち、判定結果がリーチはずれであった場合には,棒状可動部材56が突出され難く,且つ、突出本数が少なくされている一方、判定結果が大当たりであった場合には,棒状可動部材56が突出され易く、且つ、突出本数が多くされている。これにより、リーチ図柄とされた特別図柄37a,37b,37cが大当たり図柄とされる確率、所謂リーチの信頼度が高い場合には、多くの棒状可動部材56が突出せしめられるようになっているのである。
表3に、モータ駆動信号記憶エリア180に記憶されたモータ駆動信号の内容を示す。モータ駆動信号記憶エリア180には、モータ駆動回路168に送信するモータ駆動信号が記憶されており、演出選択テーブルにおける「駆動役物番号」に対応して第一乃至第四の電動モータ58a乃至58dを駆動せしめるために、「第一」、「第一、第二」、「第一、第二、第三」、「第一、第二、第三、第四」のそれぞれの棒状可動役物54a〜54dの組合せに対して、それらの棒状可動役物54a〜54dを突出せしめる「突出信号」と、これら棒状可動役物54a〜54dを収納せしめる「収納信号」とが組み合わせて記憶されている。これにより、例えばモータ駆動回路168が「第一、第二、第三可動役物突出信号」を受信した場合には、電動モータ58a,58b,58cを駆動せしめて、棒状可動役物54a,54b,54cにおける棒状可動部材56を突出せしめるようになっている。
次に、図8に、主制御CPU122が行なう処理の概要を示す。主制御CPU122は、所定周期(例えば、4ms)毎にクロック回路132からクロック信号が入力された際には、図8に示すような処理を行なうことによって、表示制御回路136に演出表示を行なわせるようになっている。
先ず、主制御CPU122は、ステップ(以下、Sとする)1において、カウンタ更新処理を行なう。かかるカウンタ更新処理は、大当たり判定カウンタ138、リーチはずれ判定カウンタ140、変動パターンカウンタ142を「1」加算するものである。
続いて、主制御CPU122は、S2において、始動口スイッチ134が始動口38への入球を検出したか否かを判定し、始動口スイッチ134が入球を検出していない場合(S2:NO)には、カウンタ値更新処理(S1)を繰り返し、始動口スイッチ134が入球を検出するまで待機する。
始動口スイッチ134が始動口38への入球を検出した場合(S2:YES)には、主制御CPU122は、S3において、大当たりか否かを判定する。かかる大当たりの判定は、遊技球が始動口38へ入った時点での大当たり判定カウンタ138の値が、大当たりカウンタ値記憶エリア144に記憶された大当たりカウンタ値と等しいか否かを判定し、等しい場合には大当たりと判定する。
判定結果が大当たりであった場合(S3:YES)には、主制御CPU122は、S4において、変動パターン選択テーブル記憶エリア148に記憶された変動パターン選択テーブルと、変動パターンカウンタ142のカウンタ値に基づいて、大当たり用の変動パターンを選択する。
一方、判定結果が大当たりでなかった場合(S3:NO)には、主制御CPU122は、S5において、リーチはずれか否かを判定する。かかるリーチはずれの判定は、遊技球が始動口38へ入った時点でのリーチはずれ判定カウンタ140の値が、リーチはずれカウンタ値記憶エリア146に記憶されたリーチはずれカウンタ値と等しいか否かを判定し、等しい場合にはリーチはずれと判定する。
判定結果がリーチはずれであった場合(S5:YES)には、主制御CPU122は、S6において、変動パターン選択テーブル記憶エリア148に記憶された変動パターン選択テーブルと、変動パターンカウンタ142のカウンタ値に基づいて、リーチはずれ用の変動パターンを選択する一方、判定結果がリーチはずれでなかった場合(S5:NO)には、主制御CPU122は、S7において、変動パターン選択テーブル記憶エリア148に記憶された変動パターン選択テーブルと、変動パターンカウンタ142のカウンタ値に基づいて、完全はずれ用の変動パターンを選択する。
そして、主制御CPU122は、S8において、選択した変動パターンのデータを表示制御回路136に送信する。
続いて、図9に、表示制御CPU150が行なう処理の概要を示す。表示制御CPU150は、所定周期(例えば、4ms)毎にクロック回路166からクロック信号が入力された際には、図9に示すような処理を行なうことによって、演出表示および棒状可動役物54a乃至54dの駆動を行なうようになっている。
先ず、表示制御CPU150は、S10において、カウンタ更新処理を行なう。かかるカウンタ更新処理は、演出パターンカウンタ170を「1」加算するものである。
続いて、表示制御CPU150は、S11において、変動パターンを受信したか否かを判定し、変動パターンを受信していない場合(S11:NO)には、カウンタ値更新処理(S10)を繰り返し、変動パターンを受信するまで待機する。
変動パターンを受信した場合(S11:YES)には、表示制御CPU150は、S12において、演出選択テーブル記憶エリア178に記憶された演出選択テーブルと、演出パターンカウンタ170のカウンタ値に基づいて、受信した変動パターンに対応する演出パターンを選択して、選択した演出パターンを演出パターン記憶エリア176に記憶する。
そして、表示制御CPU150は、S13において、選択した演出パターンのデータをVDP158に送信して、VDP158にかかる演出パターンに基づく画像を液晶表示器34に表示させる表示開始処理を実行した後に、S14において、演出表示タイマカウンタ172に「0」をセットする。
続いて、表示制御CPU150は、S15において、演出表示タイマカウンタ172を1加算して、S16において、演出パターン記憶エリア176に記憶されている演出パターンと、演出選択テーブル記憶エリア178に記憶されている演出選択テーブルに基づいて表示中の演出パターンの「突出時刻」として記憶されているカウンタ値を取得し、かかるカウンタ値が演出表示タイマカウンタ172のカウンタ値と等しくなったか否かを判定する。
演出表示タイマカウンタ172のカウンタ値が突出時刻に対応するカウンタ値と等しくない場合(S16:NO)には、表示制御CPU150は、S18以降の処理を実行する一方、演出表示タイマカウンタ172のカウンタ値が突出時刻に対応するカウンタ値と等しい場合(S16:YES)には、表示制御CPU150は、S17において、演出パターン記憶エリア176に記憶されている演出パターンと、演出選択テーブル記憶エリア178に記憶されている演出選択テーブルに基づいて表示中の演出パターンの「駆動役物番号」を取得し、モータ駆動信号記憶エリア180に記憶された、取得した駆動役物番号を突出せしめるモータ駆動信号をモータ駆動回路168に送信する。これにより、モータ駆動回路168は、第一乃至第四の電動モータ58a乃至58dの内、受信したモータ駆動信号に対応する電動モータを駆動せしめて、演出パターンに対応する棒状可動部材56を所定のタイミングで突出せしめることとなる。
次に、表示制御CPU150は、S18において、演出パターン記憶エリア176に記憶されている演出パターンと、演出選択テーブル記憶エリア178に記憶されている演出選択テーブルに基づいて表示中の演出パターンの「収納時刻」として記憶されているカウンタ値を取得し、かかるカウンタ値が演出表示タイマカウンタ172のカウンタ値と等しくなったか否かを判定する。
演出表示タイマカウンタ172のカウンタ値が収納時刻に対応するカウンタ値と等しくない場合(S18:NO)には、表示制御CPU150は、S20以降の処理を実行する一方、演出表示タイマカウンタ172のカウンタ値が収納時刻に対応するカウンタ値と等しい場合(S18:YES)には、表示制御CPU150は、S19において、演出パターン記憶エリア176に記憶されている演出パターンと、演出選択テーブル記憶エリア178に記憶されている演出選択テーブルに基づいて表示中の演出パターンの「駆動役物番号」を取得し、モータ駆動信号記憶エリア180に記憶された、取得した駆動役物番号を収納せしめるモータ駆動信号をモータ駆動回路168に送信する。これにより、モータ駆動回路168は、第一乃至第四の電動モータ58a乃至58dの内、受信したモータ駆動信号に対応する電動モータを駆動せしめて、演出パターンに対応する棒状可動部材56を所定のタイミングで収納せしめることとなる。
以上のように、本実施形態においては、S13を含んで演出表示手段が構成されている。また、S14乃至S19を含んで、棒状可動部材56を演出表示の表示内容にあわせて駆動せしめる連動制御手段が構成されている。
本態様に従う構造とされたパチンコ機10においては、表示画面36において行なわれる演出表示の内容にあわせて、通常は遊技者から視認困難とされた棒状可動部材56を遊技者に向けて突出せしめて視認容易とすることが出来る。これにより、遊技者に大きなインパクトを与えて、優れた演出効果を発揮することが出来る。
そして、特に本実施形態においては、棒状可動部材56を遊技者に向けて突出せしめた後に、表示画面36側に傾動せしめることによって、往復移動のように単純な動きではなく、立体的な動きを行なわしめることが可能とされており、単純な形状を有する棒状可動部材56の如き棒形状の部材でも、優れた演出効果をもった動きを行なうことが可能とされている。また、棒状可動部材56が遊技者に向かって突出せしめられることと、さらにはこの棒状可動部材56が表示画面36側に傾動せしめられて遊技者との正対面積が大きく増大されることで、遊技者に与えるインパクトを大きくすることが可能とされているのである。
加えて、本実施形態における棒状可動部材56は、突出状態においてその一部が表示画面36に重なり合うように配設されていることから、遊技者が注目する表示画面36上に棒状可動部材56を現出せしめることが出来て、遊技者に対して棒状可動部材56およびその動きを明確に認識せしめることも可能とされており、遊技者に与えるインパクトをより大きくすることが可能とされているのである。
また、特に本実施形態においては,棒状可動部材56が麻雀の点棒の如き形状とされている。棒状可動部材56は、遊技者に向かって突出せしめられた後、表示画面36側に傾動せしめられて遊技者側からの投影面積が増大されるため、例えば該棒状可動部材56に設けられた点数表示部を、換言すれば該棒状可動部材56が麻雀の点棒であることを、遊技者が認識し易くなる。要するに、棒状可動部材56が何であるのかを遊技者に容易に理解させる点においても、該棒状可動部材56を突出せしめた後に表示画面36側に傾動せしめて遊技者との正対面積を増大させることは、有効な手法であると言える。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、棒状可動部材56を駆動せしめる駆動手段の具体的な構造としては、前述の如きラック、ピニオンによる往復機構のみならず、その他の構造として、ソレノイドやリニアモータを用いて構成すること等も可能である。或いは、前述の実施形態における電動モータ58としては、ステッピングモータを採用していたが、ステッピングモータに代えて従来公知のDCモータを用いて、突出時にはモータへの通電を維持しつつ、ラック部材56をケース80の段差部94によって係止せしめる等しても良いし、リミットスイッチによってラック部材60が突出先端位置に位置したことを検出して、かかる検出に基づいてモータへの通電を停止せしめる等しても良い。
また、前述の実施形態においては、複数の棒状可動部材56が突出せしめられる場合には、複数の棒状可動部材56が同時に突出および収納されており、1本の場合よりも遊技者に大きなインパクトを与えることが可能とされているが、例えば、1本ずつ順次に突出せしめることによって、突出せしめられる棒状可動部材56の本数を次第に多くする等しても良い。このようにすれば、例えば前述の実施形態のように、突出せしめられた棒状可動部材56の本数が多いほどリーチの信頼度が高くされているような場合には、棒状可動部材56が1本ずつ次第に突出せしめられて本数が多くされてゆくことによって、遊技者の大当たりへの期待を徐々に高めることも出来る。
さらに、棒状可動役物54の配設位置は表示画面36の側方に限定されるものではなく、表示画面36の上方に配設して棒状可動部材56を下方に向かって突出せしめたり、表示画面36の下方に配設して棒状可動部材56を上方に向かって突出せしめる等しても良い。
また、前述の実施形態においては、突出案内手段による棒状可動部材の突出移動が直線移動とされると共に、傾動案内手段による棒状可動部材の傾動が回転移動とされていたが、中間位置を挟んでこのように明確に移動方向が変化するものに限定されない。例えば、突出案内手段によって遊技者側に向かって直線的に突出移動してきた棒状可動部材の移動方向を、中間位置の付近で次第に変化させることにより、傾動案内手段による回転移動につなげるようにしても良い。このような作動は、例えば棒状可動部材の基端側の外周面に摺接突起を形成しておいて、棒状可動部材が所定量だけ突出移動せしめられた際に、この摺接突起が円弧状に湾曲したガイド面に摺接しつつ突出移動を続けるようにすることで、容易に実現出来る。或いは、リンク機構を用いて棒状可動部材を非可動部材に連結して、棒状可動部材が中間位置の付近まで突出移動せしめられた際に、かかるリンクで棒状可動部材を引張って突出方向への移動を制限する等しても良い。
そして、ここに例示したように、突出案内手段および傾動案内手段の具体的構造も、前述の実施形態の如き永久磁石による磁力を利用したものに限定されることなく、摺接ガイド面やリンク機構などを利用した公知の各種の案内機構によって実現可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。