以下、本発明における実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔実施の形態1〕実施の形態1は、可動体としてのハンマーを備えたパチンコ機に本発明を適用した例である。当該実施の形態1は、図1〜図12を参照しながら説明する。
図1には遊技機に相当するパチンコ機10の外観を正面図で示す。図1に示すパチンコ機10の遊技盤面12上には、通過するパチンコ球を検出するゲートセンサ22,48をそれぞれ有するゲート24,46、入賞したパチンコ球を検出する始動口センサ50を有する第1種始動口20、パチンコ球が大入賞口開放期間(例えば20秒間)内に入賞すると大当たり遊技状態を所要回数(例えば16回)内で継続することができるVゾーン44を有する大入賞口26、後述するようにハンマー68や普通図柄表示器72,特別図柄表示器64等を有する複合装置14、その他に一般の入賞口や風車,釘などが適宜に配置されている。大入賞口26はソレノイド42によって開閉される蓋60を有する。この大入賞口26の下方には入賞したパチンコ球を検出する始動口センサ54を有する下部始動口56を設ける。当該下部始動口56は第1種始動口20と同等の機能を備える。なお、第1種始動口20や下部始動口56は、いずれもパチンコ球が入賞すると通常の入賞口と同様に賞球を払い出す。
図2に示す複合装置14は、支軸70を中心に上下方向に往復運動が可能に構成したハンマー68、普通図柄を変動または停止して表示する普通図柄表示器72、画像を表示する特別図柄表示器64、普通図柄の変動中にゲート24,46を通過したパチンコ球の個数を表示する保留球ランプ62、特別図柄の変動中に第1種始動口20や下部始動口56に入賞したパチンコ球の個数を表示する保留球ランプ66等を有する。以下、保留球ランプ66の表示によって認識できる数を「保留球数」と呼ぶ。普通図柄表示器72は複数個の発光体(例えば緑色を発するLEDと赤色を発するLED)からなり、ゲート24,46にパチンコ球が通過したときに変動が始まって所定時間経過後に停止する。具体的には発光体を点滅等させて変動を行う。そして、特定の発光体(例えば赤色のLED)が点灯または消灯する状態で停止すると、下部始動口56の蓋を一定期間(例えば4秒間)だけ開ける。
画像表示部に相当する特別図柄表示器64は例えば液晶表示器を用い、画像として特別図柄(例えば絵柄や英数字,記号等)や装飾図柄等を表示する。この特別図柄表示器64に表示する特別図柄は、第1種始動口20や下部始動口56にパチンコ球が入賞すると変動し始め、所定時間経過後に停止するようになっている。なお、特別図柄表示器64として液晶表示器を用いたが、CRTやLED表示器,プラズマ表示器などのように画像が表示可能な如何なる表示器を用いてもよい。また、普通図柄表示器72と特別図柄表示器64とを別個に用いたが、同一の表示器で双方を兼用するものとしてもよい。保留球ランプ62,66は、それぞれが複数個の発光体(例えば4個のLED)からなる。
可動体に相当するハンマー68を動かすための構成例を図3に示す。図示する矢印D4方向(図面左右方向)に進退可能なロッド84を有するソレノイド86は、後述するメイン制御基板100によって動きが制御される。ソレノイド86で発生した動力はトルク伝達機構を通じてハンマー68に伝達し、ハンマー68を矢印D2方向(図面上下方向)に往復運動させる。以下、トルク伝達機構の具体例について説明する。ロッド84の先端部には、結合部材82を介して係合部材76を設ける。この係合部材76と係合する係合片78は、支軸80を中心に回転(正回転,逆回転,正逆回転のいずれでもよく、回動を含む)する回転板74に設ける。回転板74には支軸80に対してほぼ反対側に扇板88を一体に形成し、当該扇板88の円弧(周縁)部位にギア歯を設ける。ハンマー68は支軸70を中心に回転する回転部材90に固定し、当該回転部材90の円周上には上記扇板88のギア歯と噛み合うギア歯を設ける。この機構によれば、ロッド84の進退運動は係合部材76と係合片78を通じて支軸80を中心に往復回転する回転運動に変換される。この回転運動はギア歯を介してハンマー68に伝わり、パチンコ機10の正面から見るとハンマー68は支軸70を中心に上下方向に往復運動する。なお、トルク伝達機構は上述した構成に限らず、他の構成としてもよい。具体的には、ソレノイド86に代わる他の駆動体(例えばモータ等)や、ギア歯に代わる伝達部(例えばベルト,チェーン,ラック&ピニオン等)を用いてもよく、さらにはトルクコンバータ等を用いてもよい。また、ソレノイド86やモータ等の駆動体によってハンマー68を直接運動させるように構成してもよい。
図1に戻って、パチンコ機10における遊技盤面12の下方には、賞球を含むパチンコ球を一時的に貯留する下皿36や、タバコの吸い殻等を入れる灰皿38、遊技者の手が触れているか否かを検出するタッチセンサ34を備えるハンドル32、賞球の受皿である上皿30の内部に設けており効果音や音楽等を出すスピーカ40などを備える。また、ガラス枠18の開放を検出する枠開放センサ28や、パチンコ機10の遊技内容等に合わせて適切な位置に配置されている発光体からなるランプ類16も備える。
次に、パチンコ機10によるパチンコ遊技を実現するメイン制御基板100(動作制御部)と、メイン制御基板100から送られた表示指令を受けて特別図柄表示器64に画像を表示する表示制御基板200(画像制御部)とについて、これらの概略構成を示した図4を参照しながら説明する。これらのメイン制御基板100および表示制御基板200は例えばパチンコ機10の背面側に設ける。図4に示すメイン制御基板100はCPU(プロセッサ)110を中心に構成し、遊技制御プログラムや所要の遊技データ(例えば大当たり値等)を格納するROM112、各種の乱数,データ,入出力信号等を格納するRAM114、各種の入力装置から送られた信号を受けてメイン制御基板100内で処理可能なデータ形式に変換する入力処理回路102、CPU110から送られた作動データを受けて各種の出力装置を作動させる出力処理回路104、CPU110から送られた表示データを受けて各種の表示体を適宜に表示(点灯・消灯を含む)する表示制御回路106、表示制御基板200に対して所要のデータを送信する通信制御回路116等を有する。これらの構成要素は、いずれもバス118に互いに結合されている。
CPU110はROM112に格納された遊技制御プログラムを実行してパチンコ機10による遊技を実現するが、当該遊技制御プログラムには後述する第1種始動口処理等を実現するためのプログラムをも含む。ROM112にはEPROMを用い、RAM114にはDRAMを用いるが、他の種類のメモリを用いてもよい。当該他の種類のメモリとしては、EEPROM,SRAM,フラッシュメモリ等がある。入力処理回路102が信号を受ける入力装置としては、例えば始動口センサ50,54、ゲートセンサ22,48、入賞センサ(Vゾーンセンサ52等)あるいは他のセンサ(タッチセンサ34,枠開放センサ28等)などがある。出力処理回路104が信号を出力する出力装置としては、例えばソレノイド42,86等がある。表示制御回路106が表示する表示体としては、例えばランプ類16や保留球ランプ62,66、あるいは普通図柄表示器72等がある。通信制御回路116は、必要に応じてさらに図示しない枠制御基板やホールコンピュータ等に対しても所要のデータを送信することができる。
次に、表示制御基板200はCPU210を中心に構成し、表示制御プログラムや所要の表示データ(例えば表示指令に対応する表示情報や複数の変動パターン等)を格納するROM202、表示指令,表示情報,入出力信号等を格納するRAM204、メイン制御基板100から送信されたデータを受信しする通信制御回路206、所要の画像を生成するキャラクタジェネレータ212、CPU210から送られた表示情報を受けて特別図柄表示器64に対して画像を加工して表示するVDP(Video Display Processor)214等を有する。これらの構成要素は、いずれもバス208に互いに結合されている。
CPU210はROM202に格納された表示制御プログラムを実行して特別図柄表示器64に画像を表示するが、当該表示制御プログラムには後述する画像表示処理等を実現するためのプログラムをも含む。ROM202にはEPROMを用い、RAM204にはDRAMを用いるが、他の種類のメモリを用いてもよい。当該他の種類のメモリとしては、EEPROM,SRAM,フラッシュメモリ等がある。通信制御回路206は、必要に応じてさらに図示しない枠制御基板やホールコンピュータ等に対しても所要のデータを送信することができる。キャラクタジェネレータ212が生成する画像としては、例えば文字(英数字や漢字等),図柄(特別図柄や装飾図柄等),アニメーション等の動画,静止画,映像等がある。VRAMやパレットRAM等を有するVDP214は、表示情報に対応する文字,図柄,背景等のデータをキャラクタジェネレータ212で生成して読み込み、配色指定及びスプライト処理等の画像編集を行なってVRAMやパレットRAMにデータ展開した上で、最終的に映像信号や同期信号等を特別図柄表示器64に出力する。
上記のように構成したパチンコ機10において、本発明を実現するためにメイン制御基板100や表示制御基板200で行う処理手順について図5〜図10を参照して説明する。ここで、図5には第1種始動口処理の内容を、図6には図柄変動処理の内容を、図7には変動表示処理の内容を、図8にはリーチ処理の内容を、図9には連動変動処理の内容を、図10には画像表示処理の内容をそれぞれフローチャートで示す。これらの処理手順のうち、第1種始動口処理,図柄変動処理,変動表示処理,リーチ処理,連動変動処理は、いずれも図4に示すメイン制御基板100においてROM112に格納されている遊技制御プログラムをCPU110が適当なタイミング(例えば4ミリ秒ごとの周期)で実行して実現する。また、画像表示処理は表示制御基板200においてCPU210とVDP214が適当なタイミングでプログラムを実行して実現する。また、後述するハンマー68と画像(特別図柄や装飾図柄等)の同期などに必要な時間計測は、上述した4ミリ秒ごとの周期でプログラムを実行する毎に当該実行回数をカウントすることによって行う。なお、以下の説明において「加算する」とは通常は1だけ保留球数を増やすことを意味するが、遊技状態等に応じて適宜に2以上ずつ増やす場合を含む。これに対して「減算する」とは、保留球数を減らす点を除いて加算する場合と同様である。また、第1種始動口20と下部始動口56とは同様に機能するので、説明を簡単にするために第1種始動口20を例にして説明する。さらに、特別図柄表示器64に表示する画像の例としては、三つ(左側,中側,右側)の変動領域を区画してそれぞれ図柄群を変動し、左側の変動領域に左図柄を、中側の変動領域に中図柄を、右側の変動領域に右図柄を停止する態様を適用する。
図5に示す第1種始動口処理は、第1種始動口20に対するパチンコ球の入賞判別を実現する。まず、第1種始動口20にパチンコ球が入賞したか否かを判別する〔ステップS10〕。具体的には、図4において始動口センサ50から検出信号を受けると入賞した(YES)と判別し、当該検出信号を受けなければ入賞していない(NO)と判別する。もし、第1種始動口20にパチンコ球が入賞すると、保留球数が上限値(例えば4)に達したか否かを判別する〔ステップS12〕。保留球数が上限値に達していなければ(NO)、その保留球数を加算する〔ステップS14〕。加算した保留球数に応じて保留球ランプ66のLEDを点灯する。その後、各種乱数の読み込みと記憶を行い〔ステップS16〕、第1種始動口処理を終了する。なお、第1種始動口20にパチンコ球が入賞していない場合(ステップS10のNO)や、保留球数が上限値に達した場合(ステップS12のYES)には、何もせずにそのまま第1種始動口処理を終了する。
ここでステップS16で読み込んでRAM114に記憶する各種乱数には、大当たり判定用乱数RA,大当たり図柄用乱数RB,リーチパターン乱数RC,確率変動用乱数RD等がある。大当たり判定用乱数RAは、大当たりか否かを判別するために用いる。大当たり図柄用乱数RBは、大当たり判定用乱数RAによって大当たりと判別された場合において、特別図柄表示器64に停止して表示する大当たり図柄(特定図柄の組み合わせ)を特定するために用いる。リーチパターン乱数RCは、特別図柄表示器64に表示されたリーチ図柄(所定図柄の組み合わせ)等に応じて、リーチに達してから変動を停止するまでの表示パターンを特定するために用いる。「リーチ」または「リーチ状態」とは、未だに変動している残りの特別図柄を除き、他の特別図柄がリーチ図柄と一致している状態を意味する。確率変動用乱数RDは、大当たりになった後に大当たりになる確率を変更するか否かを判別するために用いる。
図6に示す図柄変動処理は、特別図柄表示器64に図柄群を変動または停止する表示を実現する。まず保留球数が正数(すなわち保留球数>0を満たす)か否かを判別する〔ステップS20〕。保留球数が正数のときは(YES)、上記ステップS16で記憶した大当たり判定用乱数RAを読み込むとともに〔ステップS22〕、次回の処理に備えて保留球数を減算する〔ステップS24〕。減算した保留球数に応じて保留球ランプ66のLEDを点灯する。そして、変動表示処理を実行する〔ステップS26〕。変動表示処理の具体的な内容について、図7を参照しながら説明する。
図7に示す変動表示処理は、図柄群を変動し始めてから停止するまでの表示を実現する。まず「大当たり」か否かを判別する〔ステップS40〕。具体的には、上記ステップS22で読み込んだ大当たり判定用乱数RAが大当たり値と一致したか否かによって判別する。大当たり値は通常は1個であるが、遊技状態(例えば確率変動)等によっては複数個としてもよい。もし「大当たり」と判別されたときは(YES)、図5のステップS16で記憶した大当たり図柄用乱数RBを読み込み〔ステップS42〕、図柄群を変動させ始めるべく後述するステップS44に進む。当該大当たり図柄用乱数RBの値に応じて、最終的に停止して確定する予定の図柄(以下「停止予定図柄」と呼ぶ。)を決定する。一方、ステップS40で「はずれ」と判別されたときは(NO)、はずれ図柄を特別図柄表示器64に表示するためにはずれ図柄データをRAM114から読み込んだ後〔ステップS60〕、当該はずれ図柄にリーチ図柄を含むか否かを判別する〔ステップS62〕。リーチ図柄は例えば左図柄と右図柄の組み合わせが該当し、通常のパチンコ機10では同じ図柄(いわゆるゾロ目)である。もしリーチ図柄を含むならば(YES)、最終的には「はずれ」になるが途中でリーチに達するので後述するステップS44に進む。もしリーチ図柄を含まなければ(NO)、後述するステップS64に進む。
表示制御基板200に表示指令を送って図柄群を変動し始めた後〔ステップS44〕、リーチ処理を実行する〔ステップS46〕。表示制御基板200で行われる処理については後述することとし、まずリーチ処理の具体的な内容について図8を参照しながら説明する。図8に示すリーチ処理は、リーチ表示およびリーチパターンに基づく変動を実現する。まず図5のステップS16で記憶したリーチパターン乱数RCを読み込み〔ステップS70〕、リーチパターンを決定する〔ステップS72〕。リーチパターンの決定は、例えば図7のステップS42(またはステップS60)で決定した停止予定図柄と、図8のステップS70で読み込んだリーチパターン乱数RCとに基づいて以下に示す表1に従って行う。当該表1には図柄の関係と、0から10までのいずれかの数値を取り得るリーチパターン乱数RCとの設定例を示す。図柄の関係とは、リーチ図柄と中図柄との間における図柄のずれであって、変動方向を考慮して2図柄前,1図柄前,同一図柄,1図柄後,2図柄後,他の図柄(例えば3図柄前や3図柄後等)に分けている。例えば、リーチ図柄が図柄「7」であるときに中図柄が図柄「6」であれば、リーチ図柄からみた中図柄は「1図柄前」となる。
上記表1の例では、六つのリーチパターンα,β,γ,δ,ε,ζが設定されている。例えばリーチに達した後であって中図柄が停止して大当たり図柄を表示した後、すぐに可動体としてのハンマー68の動きと特別図柄表示器64に表示する画像(図柄群の変動と停止を含む)とが連動して全ての特別図柄が一図柄ずつ変更されるリーチパターン(以下「連動変動アクション」と呼ぶ。)をリーチパターンβとする。ここで、リーチパターンα,β,γ,δ,ε,ζについて、各表示内容の概要を表2に例示する。
なお、表2に示す「アクション」とは、アニメーション等を行うことである。「再抽選アクション」とは停止した特別図柄(左図柄,中図柄,右図柄)によって「はずれ」になった後、変動領域等で再び図柄群の変動を行なって大当たりか否かの再抽選を行う。「正逆変動」は停止の一態様であり、特別図柄表示器64の所定位置(例えば画面中央を通る水平線)を中心に特別図柄を所定方向に所定範囲(例えば上下方向に半図柄分)だけ揺れ動かす。「移動位置」は特別図柄表示器64における画面上の位置であって、上記所定位置とは原則として異なる。「図柄の拡大アクション」とはリーチ図柄を中図柄の変動中に拡大して表示する状態を意味する。
ここで、所定の条件が成立すると、上記表1におけるリーチパターンα,β,γ,δ,ε,ζの位置や個数等の設定を変更して(変化させて)もよい。所定の条件としては、例えば特別図柄が指定図柄(特定図柄,特定図柄の組み合わせを含み、例えば図柄「333」である)で停止した場合や、パチンコ機10の種類や日時等に応じて条件を適切に変えてもよい。こうすれば、遊技者は大当たりになる期待感を特別図柄の全てが停止するまで維持することができる。また、所定の条件が成立すると、変動領域で変動する図柄の数や種類あるいは図柄群の構成等を変化させてもよい。こうすれば連動変動アクションの態様が変化してゆき、場合によっては連動変動アクションの実行によって大当たりの可能性が高くなる。したがって、遊技者は連動変動アクションによる表示態様の変化とともに、大当たりになる期待感を持って遊技することができる。
リーチパターンを決定した後、表示制御基板200に表示指令を送って特別図柄表示器64にリーチ図柄を表示する〔ステップS74〕。リーチ図柄は特別図柄表示器64に表示するが、他の表示器のみに表示してもよく、その両方に表示してもよい。こうすれば、特別図柄表示器64以外の表示器にもリーチ図柄等が表示されるので、リーチ図柄が何であるかを認識しやすくなる。なお、リーチ図柄を表示する際には、さらにリーチに達したことを遊技者に報知してもよい。当該報知としては、例えば「リーチ」の文字や所定のアニメーションなどを表示し、音声や特定の効果音をスピーカ40から出し、遊技者が触れるハンドル32や遊技者が座る椅子を振動させる等の態様がある。こうすれば、遊技者はリーチに達したことをより確実に認識することができる。
その後、ステップS72で決定したリーチパターンがリーチパターンβ(特定のリーチパターン)か否かによって処理を分ける〔ステップS76〕。もし、リーチパターンβ以外のリーチパターンのときは(NO)、表示制御基板200に表示指令を送ってステップS72で決定したリーチパターンで変動を行なった後に停止する〔ステップS80〕。この停止によって特別図柄表示器64には確定した中図柄が表示され、今回の抽選における特別図柄(左図柄,中図柄,右図柄)が確定する。一方、リーチパターンβのときは(ステップS76のYES)、連動変動処理を実行する〔ステップS78〕。当該連動変動処理の具体的な内容について図9を参照しながら説明する。
図9に示す連動変動処理は、可動体としてのハンマー68の動きと特別図柄表示器64に表示する画像(特別図柄や装飾図柄等)との連動を実現する。まず、上記ステップS40と同様に大当たり判定用乱数RAが大当たり値と一致する否かによって大当たりか否かを判別する〔ステップS90〕。もし、大当たりのときは(YES)、以下の処理を実行する。すなわち、変動中の特別図柄を停止して停止予定図柄を表示し〔ステップS92〕、再変動を行う回数(以下「再変動回数」と呼ぶ。)nを決定し〔ステップS94〕、さらに停止予定図柄を変更する〔ステップS96〕。再変動は例えば三つの変動領域で表示する全ての特別図柄(左図柄,中図柄,右図柄)を同期させて始めは高速で変動する態様であり、再変動回数nの決定は例えば2回〜10回の範囲内であって乱数やデータテーブル等に基づいて行う。停止予定図柄の変更は最終的に停止する特別図柄を再変動回数nと同様の方法で決定するが、確率変動用乱数RDと変更後の停止予定図柄との間で整合を図る。例えば、確率変動用乱数RDによって確率変動であるときに、確率変動でない特別図柄が停止予定図柄に変更される場合がある。この場合には、再変動回数nを調整(加算または減算)して変更後の停止予定図柄が確率変動の特別図柄になるようにする。このことは、確率変動用乱数RDによって確率変動でないときも同様である。
そして、特別図柄表示器64の表示画面を叩くように演出するためにハンマー68を振り下した後〔ステップS98〕、装飾図柄の一つであって特別図柄の背景として表示する背景図柄を上記ハンマー68の動きに連動して表示する〔ステップS100〕。ハンマー68の動きは、図4に示すCPU110から作動データを出力処理回路104を介してソレノイド86に伝達することによって実現する。さらに特別図柄について再変動を始めると〔ステップS102〕、振り下したハンマー68を振り上げて原位置に復帰させる〔ステップS104〕。もし、再変動回数nが0でなければ(ステップS106のNO)、n図柄前で再変動を一旦停止するとともに〔ステップS109〕、保留球数の場合と同様に再変動回数nを減算し〔ステップS108〕、上記ステップS98〜S104を繰り返し実行する。したがって、ハンマー68の振り下ろしに連動して背景図柄を変化させるとともに、特別図柄の再変動を行う際にハンマー68を振り上げる態様は再変動回数nだけ繰り返すことになる。この繰り返しによってステップS109で表示される特別図柄は、例えば再変動回数n=7のときには「000」→「111」→「222」→…→「777」と変化してゆく。その後、再変動回数nが0になると(ステップS106のYES)、ステップS96で変更した停止予定図柄で再変動を停止し〔ステップS107〕、連動変動処理を終了する。またステップS90で大当たりでなければ(NO)、例えば中図柄をはずれ図柄で停止し〔ステップS97〕、連動変動処理を終了する。こうして連動変動処理を終了すると、さらに図8に示すリーチ処理も終了する。
上記連動変動処理を実行すると、ハンマー68を振り下すごとに再変動を開始するので、遊技者は望ましい特別図柄で停止することを期待しながらハンマー68の動きを見るようになる。また、ステップS94で決定する再変動回数nは通常は毎回異なるので、遊技者は最終的に何回目で停止するのかを予測できない。つまり、確率変動の特典がある大当たり図柄で停止するのか、あるいは当該特典のない大当たり図柄で停止するのかを予測できない。よって遊技者は特別図柄表示器64を見る楽しみとともに、あと何回再変動するかスリルと期待感を持って遊技することができる。さらに、図9に示す連動表示処理では大当たり後の特別図柄を1回だけ変更しているが(ステップS96)、再変動に伴って大当たりか否かの抽選を行なっている訳ではない。遊技者に確率変動等の特典を期待する期待感を与えるためには、再変動の際(毎回あるいは特定の時期)に特別図柄を変更してもよい。ここで、上記連動変動処理を実行した場合のタイムチャートを次表に示す。
上記表3の例では、図柄群の変動開始から最終的に確定した特別図柄を停止するまでの過程を、特別図柄,背景図柄,ハンマー68(可動体)に対応して示す。すなわち、図柄群の変動を開始した時を0秒とし、その後に行われる態様を経過時間とともに示している。以下時間を示すときは当該経過時間を意味する。具体的には、15.99秒後に最初の特別図柄「000」を停止して表示し、19.05秒後にハンマー68を振り下ろし、19.15秒後に特別図柄と背景図柄を震わせたり揺らし、この揺れを21.17秒後に止める。このとき、特別図柄は「111」になっている。振り下ろしたハンマー68は、振り下ろしてから0.5秒後に復帰させている。特別図柄や背景図柄の振動や揺れは、ハンマー68が表示画面を叩くタイミングを基準にしてその前後の動きや変化は予め決まっている。このようなハンマー68を振り下ろしと、特別図柄と背景図柄の振動は再変動回数nだけ繰り返し、最終的に29.81秒後に揺れを止めて特別図柄「777」を表示する。このように、ハンマー68を振り下ろしては再変動するという過程を繰り返す回数を遊技者は知り得ないので、遊技者は最終的にいつ止まるかを予測できず、また確率変動になるか否かも分からない。よって遊技者は期待感とスリルでドキドキしながら遊技することができる。
リーチ処理を終えると図7に戻り、確率変動か否かを判別する〔ステップS48〕。もし確率変動と判別されたときは(YES)、確率変動処理を実行した後〔ステップS50〕、変動表示処理を終了する。確率変動か否かは、図5のステップS16で記憶した確率変動用乱数RDが所定値と一致しているか否か等によって行う。確率変動処理の内容については、周知であるので説明を省略する。なお、確率変動処理が実行されると、今回の大当たり遊技終了後から次回の大当たりになるまで、変動後に大当たり図柄で停止して大当たりになる確率が高まり、特別図柄の変動期間が短縮される。また、変動後に当たり図柄で停止して当たりになる確率が高まり、普通図柄の変動期間が短縮される。一方、確率変動でなければ(ステップS48のNO)、何もせずに変動表示処理を終了する。ここで、ステップS62においてリーチ図柄でないときは(NO)、ステップS44と同様に図柄群を変動し始め〔ステップS64〕、所定の変動パターンに基づいて変動を行なった後にはずれ図柄で停止し〔ステップS66〕、上記ステップS48に進む。上記ステップS64,S66ではそれぞれ対応する表示指令を表示制御基板200に送って実現する。
変動表示処理を終えると図6に戻り、最終的に確定して特別図柄表示器64に表示された特別図柄が大当たり図柄と一致するか否かを判別する〔ステップS28〕。図7に示すステップS40でも大当たりか否かを判別しているが、この判別はステップS22で読み込んだ大当たり判定用乱数RAに基づいて行なっている。しかし、ステップS26の変動表示処理を実行している際などで外来ノイズ等の影響を受け、予定していた大当たり表示となるものがはずれ表示になることもある。したがって、パチンコ遊技の混乱を防止するため、特別図柄表示器64に表示された特別図柄を優先して大当たりか否かの判別を行うものである。なお、外来ノイズ等の影響を受けにくく信頼性が高いパチンコ機10では、大当たり判定用乱数RAのみに基づいて「大当たり」か否かをステップS28で判別してもよい。こうすれば処理速度が向上する。もし、確定した特別図柄が大当たり図柄と一致すれば(YES)、「大当たり」として大当たり処理を行い〔ステップS30〕、図柄変動処理を終了する。大当たり処理は、例えば大入賞口26の蓋60を一定期間(例えば30秒間)だけ開放し、入賞したパチンコ球の数に応じて賞球を払い出す等の大当たり遊技を行う。一方、確定した特別図柄が大当たり図柄と一致しなければ(NO)、「はずれ」としてはずれ処理を行い〔ステップS32〕、図柄変動処理を終了する。なお、はずれ処理の内容については、周知であるので説明を省略する。
次に、メイン制御基板100から送られた表示指令を受けた表示制御基板200が画像編集を行なって特別図柄表示器64に画像を表示する画像表示処理について、図10を参照しながら説明する。なお、メイン制御基板100から送られた表示指令は、受信割り込みによって実行される別個の処理プログラムによって図4に示すRAM204等に設けた受信バッファに記憶されているものとする。図10に示す画像表示処理では、まずCPU210が受信バッファに記憶した表示指令を読み込み〔ステップS110〕、読み込んだ表示指令に基づいて表示データを取得しRAM204に記憶する〔ステップS112〕。より具体的には、表示指令と表示データとの関係を規定しROM202等に記憶したデータテーブルを参照して表示データを取得する。この表示データは画像編集を行うためのデータ要素(パラメータ)であり、例えばステータス番号,左図柄番号,左位置座標,中図柄番号,中位置座標,右図柄番号,右位置座標,アニメーション番号,ステータスフラグ,アニメーションタイマ等を有する。こうして取得した表示データを取得した210は、当該表示データをVDP214に伝達する。
CPU210から表示データを受けたVDP214は、当該表示データに基づいて文字,図柄,背景等のデータをキャラクタジェネレータ212から抽出し〔ステップS114〕、配色指定及びスプライト処理等の画像編集を行った後〔ステップS116〕、VRAMやパレットRAM上にデータを展開する〔ステップS118〕。そして、展開したデータを画像信号に変換して特別図柄表示器64に出力する〔ステップS120〕。こうして表示データに基づいて編集した図柄等を特別図柄表示器64に表示させることができる。また、画像編集をハードウェアとしてVDP214で行うので、画像を高速に表示することができる。
次に、上記図5〜図10に示すそれぞれの処理を実行して、ハンマー68を動かすとともに特別図柄表示器64に画像を表示する例について、図11,図12を参照しながら説明する。図11,図12には特別図柄表示器64に表示する画像の例を示す。この例は「大当たり」になるケースの一例を示すものであって、多く発生する「はずれ」のケースについては図示と説明を省略する。なお、特別図柄「777」で大当たりになると確率変動になると仮定する。
まず特別図柄表示器64の表示画面には、図11,図12に示すように三つの変動領域a2,a4,a6のほかに、背景として例えば山,川,ヤシの木等を模した背景図柄(装飾図柄)を同時に表示する。図柄群の変動開始(図7のステップS44,S64)では、図11(A)に示す変動領域a2,a4,a6でほぼ一斉に図柄群を変動させ始める。例えば図8のステップS72でリーチパターンβを決定した後、リーチに達したことを遊技者に報知するためにリーチ図柄を表示する(図8のステップS74)。図11(B)の例では、変動領域a2の左図柄b2と変動領域a6の右図柄b6にそれぞれリーチ図柄として同一の特別図柄「0」を停止して表示している。その後、未だ変動領域a4で継続していた図柄群の変動を停止し、停止予定図柄を表示する(図9のステップS92)。図11(C)の例では、変動領域a2,a4,a6に大当たり図柄として特別図柄「000」を停止して表示している。この時点では確率変動でないと分かったので、遊技者は大当たりなのだけれども少しガッカリする。
次にハンマー68を振り下ろし、その動きに連動して特別図柄および/または背景図柄を表示する(図9のステップS98,S100)。図12(A)の例では、実際には寸止めされるハンマー68が表示画面を叩いたときに衝撃があったと遊技者に思わせるため、特別図柄や背景図柄をしばらく揺らし続ける。このとき衝撃音や振動音等をスピーカ40から出すとより臨場感が増す。その後、変動領域a2,a4,a6では特別図柄の再変動を始めるとともに、ハンマー68を原位置に復帰させ、さらに再変動の変動期間(例えば10秒間)を経過すると変動領域a2,a4,a6に特別図柄を停止して表示する(図9のステップS102,S104,S109)。特別図柄の再変動は例えば当該特別図柄を震わせながらゆっくりとスクロールさせ、「000」から「111」に変わってからスクロールを止める。図12(B)の例では、ハンマー68を振り上げて原位置に戻すとともに、変動領域a2,a4,a6には大当たり図柄として特別図柄「111」を停止して表示している。こうしたハンマー68の振り下ろし/振り上げと特別図柄の再変動を再変動回数nだけ繰り返し行う(図9のステップS106)。そして、最終的に変更後の停止予定図柄を停止して表示する(図9のステップS107)。図12(C)の例では、最終的に変動領域a2,a4,a6には大当たり図柄として特別図柄「777」を停止して表示している。この時点で確率変動と分かるので、遊技者は以後の大当たりを期待して喜ぶ。
なお、ハンマー68は図3,図12等に示すように上下方向に往復運動できるように構成したが、さらに左右方向にも往復運動できるように構成してもよい。この場合には、三つの変動領域a2,a4,a6に対応して個別にハンマー68を振り上げ/振り下ろしができるようになるので、左図柄b2,中図柄b4,右図柄b6についてそれぞれ特別図柄を確定するための動作が行える。また、ハンマー68を振り下ろした際に、特別図柄表示器64に表示している特別図柄(左図柄b2,中図柄b4,右図柄b6)を凹ませたり、飛ばしたり、あるいは粉々にする等の画像を表示してもよい。こうすれば現実味がより増すので、見ている遊技者の楽しみも増える。さらに、特別図柄の再変動は左図柄,中図柄,右図柄の全てを同期して行う態様に限らず、リーチ後に継続して変動する図柄群(あるいは変動領域)について再変動を行う態様としてもよい。例えば左図柄→右図柄→中図柄の順番で停止するパチンコ機10では、ハンマー68が変動領域a4を叩き次々に中図柄を変化させるように再変動を行う。こうすれば、残りの特別図柄の再変動によって大当たりを期待する期待感を持って遊技者は特別図柄表示器64を見る。
上記実施の形態1によれば請求項1に対応し、メイン制御基板100(動作制御部)がハンマー68(可動体)を動かすと、その動きに連動して表示制御基板200(画像制御部)が特別図柄表示器64(画像表示部)の変動領域a2,a4,a6を含む表示画面(表示領域)内に大当たり図柄(画像)を表示する{図9のステップS92〜S107,S109、図11(C),図12(A),図12(B),図12(C)参照}。すなわち、特別図柄が大当たり図柄で停止した後の再変動において、当該表示画面にハンマー68を入り込ませて再変動を停止させる。よってハンマー68の動きに合わせて特別図柄が変化するので、特別図柄表示器64を見る遊技者を飽きさせない。
また請求項2に対応し、ハンマー68の動きと特別図柄の変化とが連動するように、表示制御基板200が特別図柄や装飾図柄等を変化させ、メイン制御基板100がハンマー68を動かした{図9に示すステップS98〜S104、図12参照}。すなわち、特別図柄表示器64の表示画面上で上下方向に動くハンマー68に合わせて特別図柄の再変動と停止を行なって画像を変化させ、あるいは逆に当該表示画面で行う特別図柄の再変動と停止に合わせてハンマー68を動かすことになる。よってハンマー68と特別図柄の連動がより多様に変化するので、特別図柄表示器64を見る遊技者をより飽きさせない。
さらに請求項4に対応し、特別図柄表示器64の表示画面内にハンマー68が入り込むと表示制御基板200は特別図柄を変化させ、その変化を特定図柄の表示に関連させた{図9に示すステップS98,S100、図12参照}。そして、最終的に停止した大当たり図柄(特別図柄;画像)に応じて遊技者に特典を与える{図6に示すステップS30}。こうすれば、ハンマー68と特別図柄が連動して動く様子を見て楽しむだけでなく、連動する動きが特典獲得に関係するので当該様子を見る楽しみが増加する。
〔実施の形態2〕実施の形態2は、可動体としてのキャラクタを備えたパチンコ機に本発明を適用した例である。当該実施の形態2は、図13〜図16を参照しながら説明する。なお、パチンコ機10の構成等は同様であるので、説明を簡単にするために実施の形態2では実施の形態1と異なる点について説明する。また、図13等において実施の形態1に示す要素(図3等)と同一の要素には同一の符号を付す。
図2に示す複合装置14に代わる図13に示す複合装置92は、矢印D6方向(図面上下方向)に往復運動が可能に構成した実体キャラクタ94、普通図柄を変動または停止して表示する普通図柄表示器72、画像を表示する特別図柄表示器64、普通図柄の変動中にゲート24,46を通過したパチンコ球の個数を表示する保留球ランプ62、特別図柄の変動中に第1種始動口20や下部始動口56に入賞したパチンコ球の個数を表示する保留球ランプ66等を有する。
ワニを模した実体キャラクタ94は例えば板材を打ち抜いて装飾を施したもので構成し、複合装置92に備えた出入口92aから出入りする。この実体キャラクタ94はモータ97で発生した動力を動力伝達機構を通じて受けて動く。以下、動力伝達機構の具体例について説明する。実体キャラクタ94をラック95に固定し、そのラック95と噛み合うピニオン96をモータ97の回転軸97aに固定する。モータ97は図4等に示すソレノイド86に代わるものであり、メイン制御基板100によって回転を制御する。したがって、メイン制御基板100からモータ97の回転を制御することにより、実体キャラクタ94の動きを制御することができる。なお、上述したトルク伝達機構等の構成によって実体キャラクタ94の動きを制御してもよい。
図14に示すリーチ処理は図8に示すリーチ処理とほぼ同様の処理を行うが、連動変動処理(ステップS78)に代えて以下の処理を行う。すなわちリーチパターンβのときは(ステップS76のYES)、残りの図柄群の変動を継続するとともに、実体キャラクタ94(実体の可動体)を模した仮想キャラクタ98(仮想の可動体)を特別図柄表示器64に表示する〔ステップS82〕。そして、図柄群の変動と可動体の動きを連動した後〔ステップS84〕、当該図柄群の変動と可動体の動きを止める〔ステップS86〕。このステップS82〜S84の具体例を図15,図16を参照して説明する。
リーチに達してステップS82を実行すると、図15(A)に示すように仮想キャラクタ98を特別図柄表示器64に登場させる。図15(A)の例では、画面右側から仮想キャラクタ98が登場している。この仮想キャラクタ98は実体キャラクタ94を模した画像であり、図15(B)に示すように登場後は実体キャラクタ94がいる位置に向けて(例えば矢印D8方向に)移動する。図15(B)の例では、水中に潜ろうとする仮想キャラクタ98の尻尾が見えている。そしてステップS84を実行すると、今度は図16(A)に示すように実体キャラクタ94を登場させて特別図柄表示器64の表示領域内に入り込ませる。図16(A)の例では、中図柄b4を停止させるために実体キャラクタ94が特別図柄表示器64の表示領域内に入り込んでいる。その後、矢印D10方向に行なっている図柄群の変動をスローにし、図16(B)に示すように中図柄b4の移動速度と実体キャラクタ94の移動速度をほぼ一致させる。こうすれば、遊技者から見ると実体キャラクタ94が中図柄b4に噛みつきながら移動させているように見える。図16(B)の例では、実体キャラクタ94が中図柄b4「5」に噛みつきながら移動しているように見える。さらにその後にステップS86を実行することにより、図柄群の変動を停止するとともに、実体キャラクタ94の動きを停止する。停止のタイミングは一致していてもよく、異なってもよい。また、仮想キャラクタ98を実体キャラクタ94がいる位置に向けて移動させ、その後は実体キャラクタ94を動かしたので、模したワニの画像と可動体とが連動している。こうして模したワニの画像と可動体の連動がより多様に変化するので、特別図柄表示器64を見る遊技者をより飽きさせない。
上記実施の形態2によれば請求項3に対応し、特別図柄表示器64の表示領域内に実体キャラクタ94(可動体)が入り込むと、表示制御基板200(表示制御部)が中図柄b4(特別図柄;画像)を変化させたり、メイン制御基板100(動作制御部)が実体キャラクタ94を動かす{図14に示すステップS82,S84、図15,図16参照}。当該中図柄b4の変化や実体キャラクタ94の動きは、実体キャラクタ94が中図柄b4に噛みつきながら移動して見える、すなわち力学的作用を及ぼしたように見える。この制御によって実際にはあり得ない実体キャラクタ94(実体のある可動体)から中図柄b4(実体のない画像)に力学的作用を及ぼす様子を演出することができる。したがって、実体キャラクタ94と中図柄b4の連動がより多様に変化するので、特別図柄表示器64(画像表示部)を見る遊技者をより飽きさせない。
なお、中図柄b4(実体のない画像)から実体キャラクタ94(実体のある可動体)に力学的作用を及ぼす様子を演出することも同様にできる。例えば、図16(B)において図面上方向(矢印D10と反対方向)に中図柄b4と実体キャラクタ94を速度をほぼ一致させて移動させると、中図柄b4に噛みついた実体キャラクタ94を引き上げているように見える。これらのことは、中図柄b4を左図柄b2,右図柄b6,仮想キャラクタ98に代えても同様である。その他、上下方向に移動する実体キャラクタ94の一部分を作動可能に(例えば口を開閉可能に)構成したり、あるいは実体キャラクタ94が中図柄b4に噛みつく際に当該中図柄b4の形状をつぶすように変形させるとなおよい。こうすれば現実味がより増すので、見ている遊技者の楽しみも増える。
また請求項1に対応し、表示制御基板200(画像制御部)が特別図柄表示器64の表示領域内にリーチ図柄(所要の画像)を表示すると、メイン制御基板100(動作制御部)は当該表示領域内に実体キャラクタ94(可動体)を入り込ませる動きを制御する{図14に示すステップS82,S84、図16参照}。この例では、リーチ図柄の表示が所要のタイミングに相当する。よって実施の形態1と同様に実体キャラクタ94と特別図柄の連動が変化するので、特別図柄表示器64(画像表示部)を見る遊技者を飽きさせない。さらに請求項2に対応し、特別図柄表示器64の表示領域内における実体キャラクタ94の動きと特別図柄の変化とが連動するように、表示制御基板200が特別図柄を変化させ、メイン制御基板100が実体キャラクタ94を動かした{図14に示すステップS82,S84、図16参照}。よって実施の形態1と同様に実体キャラクタ94と特別図柄の連動がより多様に変化するので、特別図柄表示器64を見る遊技者をより飽きさせない。そして請求項4に対応し、特別図柄表示器64の表示領域内に実体キャラクタ94が入り込むと表示制御基板200は特別図柄を変化させ、その変化を特定図柄の表示に関連させた{図14に示すステップS82,S84、図16参照}。よって実施の形態1と同様に、実体キャラクタ94と特別図柄が連動して動く様子を見て楽しむだけでなく、連動する動きが特典獲得に関係するので当該様子を見る楽しみが増加する。この場合、大当たりになる確率が高いときに仮想キャラクタ98を登場させ実体キャラクタ94を動かすと、仮想キャラクタ98等を見た遊技者は大当たりになる期待感を持って遊技することができる。
〔他の実施の形態〕上述したパチンコ機10(遊技機)において、他の部分の構造,形状,大きさ,材質,配置および動作条件等については、上記実施の形態に限定されるものでない。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
(1)上記各実施の形態では、パチンコ機10に本発明を適用した。この形態に代えて、パチンコ機以外の他の遊技機(例えばスロットマシン,パチスロ機,アレンジボール機,雀球遊技機,テレビゲーム機等)であって少なくとも画像表示部と可動体とを備えたものにも同様に本発明を適用することができる。当該他の遊技機であっても、可動体の動きに合わせて画像が変化するので、画像表示部を見る遊技者を飽きさせない。
(2)上記実施の形態1では、可動体として上下方向に往復運動可能なハンマー68を適用した。この形態に代えて、回転運動が可能であってゴルフ用のものを模したパター99を適用してもよい。当該パター99の回転運動は、例えば図3に示す構成によって実現することができる。より具体的には、ハンマー68の代わりにパター99を回転部材90に取り付け、ソレノイド86やトルク伝達機構等を特別図柄表示器64とほぼ平行に配置すればよい。また、メイン制御基板100は図14に示すリーチ処理を実行することによって、パター99の回転角度や回転速度等を制御することができる。ここで、パター99の回転運動と画像の動きとを連動させる例について図17,図18を参照しながら説明する。
この例では、リーチ図柄「77」でリーチになると、特別図柄表示器64の表示領域には特別図柄を一時的に消去するとともにゴルフ場のグリーン302を模して表示する(図17(A),図17(B),図17(C),図18(A)参照)。このグリーン302にはカップ304がある。図17(A)に示すようにショットされたゴルフボール300がグリーン302上で止まった後、パター99を図17(A)に示す基準位置から所定方向(例えば矢印D12方向)に回転させ始めると図17(B),図17(C)等のように当該パター99が表示領域内に入り込む。さらにパター99を回転させ続けると、図17(C)に示すようにあたかもグリーン302上で止まっていたゴルフボール300を打ったように当該ゴルフボール300を動かし始める。そのゴルフボール300が図18(A)に示すようにカップ304に入ると、図18(B)に示すようにパター99を基準位置に戻すとともに表示領域に所要の画像を表示する。すなわち「大当り」という文字とともに、変動領域a2,a4,a6にそれぞれ左図柄b2,中図柄b4,右図柄b6として特別図柄「777」を表示する。
こうすれば、大当たり予告を画像と可動体との連動によって演出することができる。また、パター99の回転運動に伴う運動力をゴルフボール300に及ぼすような力学的作用を表現することができるので、遊技者は実体のパター99で実体のない仮想のゴルフボール300を打っているように見える。このようにパター99の動きに合わせてゴルフボール300が動くようにしたので、特別図柄表示器64を見る遊技者を飽きさせない。こうした連動の演出表示を行えば、その作用状態が視覚的に分かりやすく、動きを見ていて面白い。なお、こうした力学的作用は打つ(叩く)例だけでなく、他の自然現象(例えば押す,引っ張る,上げ下げする,落とす等)を模す場合についても同様に適用することができる。例えば、画像として風船を表示し、先の尖った部材(針や槍等)を往復運動可能に設ける。そして先の尖った部材で風船をつつくと、風船が破裂するように画像を変化させる。この場合も上記効果を得ることができる。
(3)上記各実施の形態では、画像として特別図柄(左図柄b2,中図柄b4,右図柄b6)を適用したが、特別図柄表示器64で表示する特別図柄以外の図柄(チャンス図柄,第4図柄,装飾図柄等)や普通図柄表示器72で表示する普通図柄等を適用してもよい。これらの画像であっても可動体と連動して変化するので、特別図柄表示器64を見る遊技者を飽きさせない。また、画像表示部として特別図柄表示器64を適用したが、普通図柄表示器72や他の表示器を適用してもよい。これらの表示器であっても、当該表示器に表示する画像の変化と可動体の動きとを連動させることができる。したがって、普通図柄表示器72や他の表示器を見る遊技者を飽きさせない。さらに、可動体が入り込む表示領域は特別図柄表示器64のほぼ全部に適用したが(図12(B),図16(A),図17(C)等を参照)、特別図柄表示器64の一部の表示領域としてもよく、他の表示器の表示領域としてもよい。さらには、一つの表示領域だけでなく複数の表示領域についても適用することが可能である。二の表示領域を有する例では、次のように制御する。すなわち、当該表示領域に表示する画像の変化に連動して、一方の表示領域内に可動体を入り込ませる。このとき他方の表示領域に表示する画像は可動体の動きとは無関係に表示してもよく、あるいは可動体の動きと連動して表示してもよい。こうすれば可動体と画像の連動がより多様に変化するので、特別図柄表示器64を見る遊技者をより飽きさせない。
(4)上記各実施の形態では、画像と可動体との連動をリーチ後に行うリーチパターンの一つとして実現した(図8,図14参照)。この形態に代えて(あるいは加えて)、リーチ前に行う図柄群の変動や、確率変動、大当たり遊技中におけるアニメーション表示(装飾図柄等)などのように特別図柄表示器64で表示可能な全ての態様について画像と可動体との連動を実現してもよい。例えばリーチ前に行う図柄群の変動では、リーチになる確率が高まったときに(所要のタイミングに達すると)画像と可動体を連動させる。こうすれば、可動体と画像の連動がより多様に変化するので、特別図柄表示器64を見る遊技者をより飽きさせない。さらに、遊技者はリーチや確率変動等になる期待感を持って遊技することができる。
(5)上記各実施の形態では、一の可動体(ハンマー68,実体キャラクタ94,パター99等)を動かすと、その動きに連動して一の画像表示部(特別図柄表示器64)に画像を表示した。この形態に代えて、一の可動体の動きに連動して複数の画像表示部に画像を表示してもよく、複数の可動体の動きに連動して一の画像表示部に複数の画像を表示してもよい。また、可動体はハンマー68,実体キャラクタ94,パター99に限らず、表示領域に入り込む動きが可能な他の任意の可動体を適用してもよい。例えば複数の可動体の動きに連動して一の画像表示部に複数の画像を表示する態様としては、図2に示す複合装置14に対して、図13に示す実体キャラクタ94を複数設ける。そして、大当たりになる前に複数の実体キャラクタ94を動かし、大当たり後の再変動でハンマー68を動かす。こうすれば画像と可動体との連動態様が多様化するので、連動して動く様子を見る楽しみをより遊技者に与えることができる。また、画像表示部に表示する画像によって可動体が一方的に作用を受けるように連動して動かす構成としてもよい。例えば、複合装置14に備えた出入口92aと同様の出入口を横並びに複数設け、当該複数の出入口からそれぞれモグラ(実体キャラクタ)が出てきたり引っ込んだりする動きが可能に構成する。そして画像表示部に模して表示したハンマーでいずれか任意のモグラを叩くアニメーションを表示する。もし遊技者から見て画像表示部のハンマーが出入口から出てきたモグラに当たったと認識できるときは、そのモグラを引っ込ませる。こうして画像の変化に合わせて可動体が動く態様が実現されるので、画像表示部を見る遊技者を飽きさせない。
(6)上記各実施の形態では、発光(発色)させて画像を表示する特別図柄表示器64を画像表示部として適用した。この形態に代えて、表示面に表した画像を表示するドラム表示器等のような機械的表示器を画像表示部として適用することもできる。例えばドラム表示器は一または複数の回転体を有し、その回転体の表面(すなわち表示面)に複数の画像を適切に配置して表す。こうして回転体に表された画像を遊技者が認識できる部位が表示領域に相当する。そして、モータ等の駆動体によって回転体を正回転,逆回転,正逆回転や回転速度等を回転制御することにより図柄群の変動等を実現する。この構成によれば可動体の動きに連動させて回転体の回転制御を行うと、表示領域内の画像を変化させることができる。したがって、画像表示部を見る遊技者を飽きさせない。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この実施の形態には特許請求の範囲に記載した発明の態様のみならず他の発明の態様を有するものである。この発明の態様を以下に列挙するとともに、必要に応じて関連説明を行う。
〔態様1〕 画像を表示可能な表示領域を備える画像表示部と、前記画像の表示を制御する画像制御部と、前記表示領域内に入り込む動きが可能な可動体と、前記画像制御部が前記表示領域に所要の画像を表示すると、前記表示領域内に前記可動体を入り込ませる動きを制御する動作制御部とを有する遊技機。
〔態様1の関連説明〕 本態様によれば、画像制御部が表示領域に所要の画像を表示すると、動作制御部は当該表示領域内に可動体を入り込ませる動きを制御する。表示領域内に可動体が入り込むと、遊技者は当該表示領域内で画像と可動体とがリアルに連動して動くように見える。こうした可動体の動きは表示領域に所要の画像が表示されると行われるので、画像の内容によって変化が生ずる。こうして可動体の動きに合わせて画像が変化するので、画像表示部を見る遊技者を飽きさせない。
〔態様2〕 請求項1から5のいずれか一項または上記態様1に記載した遊技機において、所要の条件を満たすと、動作制御部が可動体を動かす遊技機。
〔態様2の関連説明〕 本態様によれば、所要の条件を満たして初めて動作制御部が可動体を動かして、当該可動体と画像の連動が実現される。遊技者は可動体と画像の連動を見たときには所要の条件を満たしたことを知ることができるので、所要の条件を満たしたときに行われる遊技や遊技者に与えられる特典等を報知することができる。その意味では可動体と画像の連動が報知手段となる。したがって、遊技者への報知をより確実に伝達することができる。なお、「所要の条件」は遊技機の種類,日時,遊技状態等に応じて適切に定める条件であって、当該条件は固定してもよく変化させてもよい。例えば、遊技球が所定領域に入賞または通過することや、大当たりしたときの特別図柄が特定図柄であること等のような条件がある。