JP4617558B2 - 電気掃除機用吸込具及びそれを用いた電気掃除機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気掃除機用吸込具、特に、絨毯等に付着したゴミを掻き出すための回転体を備えた電気掃除機用吸込具及びそれを用いた電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気掃除機用吸込具を、図9〜16を用いて説明する。
【0003】
図12、13において、42は吸込具本体で、下面前方に吸込口44を形成した下部ケース45と、下部ケース45の上方を覆う上部ケース46とから構成されている。48は吸込具本体42に回転自在に支持された回転体で、吸込口44に臨ませて配置されている。49は吸込口本体42の下部ケース45と上部ケース46とで囲まれる空間に配設される電動機で、回転体48との間にベルト50を架設し、回転体48を回転駆動するようになっている。51は、吸込口本体42の下部ケース45と上部ケース46とで囲まれる空間に配設される安全装置である。
【0004】
安全スイッチ51を図9〜11、図14〜16に基づいて詳述する。
【0005】
図14において、52は操作部で、軸53を吸込具本体42と後述するカバー体54との間で回転自在に軸支している。55は操作部52の軸の一端側に設けられたブラケットで、回転ローラー56を回転自在に軸支する軸支部57を有している。58は操作部52の軸53の中央部に設けられたバネ受け部で、後述するカバー体54との間にバネ(図示せず)を架設し、バネにより操作部52を回転ローラー56が吸込具本体42の底面から突出する方向に付勢している。59は操作部52の軸53の他端側に設けられた略U字状のストッパー片、60は操作部52の軸53の他端に設けられた操作片で、吸込具本体42を被掃除面61に接地した際に回転ローラー56が被掃除面61に押し上げられるのに伴って回転し、後述するスイッチ62を操作するようになっている。
【0006】
図15及び16において、54は操作部52のブラケット55、バネ受け部58及びストッパー片59を覆うカバー体で、吸込具本体42の底面に嵌合して吸込具本体42に固定するようになっている。64はカバー体54の操作片60に対応する位置に形成された装着部で、後述するスイッチ62が装着されるようになっている。66はカバー体54に形成された上面開口の筒状のガイド部で、操作部52のストッパー片59を囲み、その上面開口に、上部ケース46に形成した当接リブ67により挟持部68を構成している。69はガイド部66の内部を2室に区画する区画リブで、一方の室に位置するストッパー片59の凹所に位置し、ストッパー片59に当接して操作部52の回動を妨げない高さに形成されており、後述するボール70がストッパー片59の凹所内に入り込まないようにしている。70はガイド部66の他方の室に上下自在に配置されているボール、62は装着部64に装着されるスイッチで、電動機49をオンオフ制御するようになっている。
【0007】
上記構成において、吸込具本体42を被掃除面61に接地させると、図10、図14に示すように、ばねの付勢力に抗して回転ローラー56が被掃除面61によって押し上げられて操作部52が回動し、操作部52の回転に伴って操作片60がスイッチ62をオン状態として電動機49を回転させて回転体48を駆動する。尚、この状態では、ボール70はストッパー片59の凹所に位置している。
【0008】
掃除場所を移動する場合など、吸込具本体42を被掃除面61から離間すると図11に示すように、回転ローラー56がバネの付勢力により吸込具本体42の底面から突出し、それに伴う操作部52の回転により操作片60がスイッチ62から離間しスイッチ62がオフ状態となり、電動機49が停止する。この状態では、ストッパ片59はガイド部66の一方の室へ回動し、ボール70の上方向への移動を妨げない状態となっている。
【0009】
吸込具本体42の上下反転時に、図9に示すように、ボール70が自重によってガイド部66の壁面と上部ケース46の当接リブ67に当接した位置へと移動する。この状態で、誤って回転ローラー56を押し下げる方向に操作しても、ストッパー片59の先端がボール70に当接して操作部52の回転が阻止され、操作片60がスイッチ62から離間した状態を維持し、不用意に回転体48が回転するのを防止する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の電気掃除機用吸込具にあっては、吸込具本体42を不用意に上下反転させた時、回転ローラー56に外部から力が加わりストッパー片59が動くと、ボール70近傍付近に前記ボール70の動きを規制するものがないために、ボール70が静止状態を維持することができずに非常に不安定な状態になり、最悪ケースではボール70が挟持不能となり不用意なロック解除により回転体48が回転してしまうという安全装置としての信頼性が不十分であった。
【0011】
また、吸込具本体42を上下反転させた時、ボール70近傍付近に前記ボール70の動きを規制するものがないために、ボール70が水平方向に転がるとガイド部66等に衝突し不快な音が発生していた。
【0012】
さらに、掃除中に敷居を乗り越えるなど強い衝撃が吸込具本体42に加わった時、ボール70が衝撃により重力に逆らってストッパー片59の根元上部から当接リブ67までガイド部66の壁面に沿って垂直に移動し挟持部68に到達し不用意にボール70が挟持され吸込具本体42の底面から回転ローラー56が突出したままになり使用不可能になるといった最悪状態が発生しやすかった。
【0013】
本発明は、以上のような従来の課題を解決しようとするものであって、裏返しの状態で不用意なロック解除により回転体が回転することがなく、通常使用状態での不用意なロックを防止するといった使用勝手が良好であると共に、不快音を低減した電気掃除機用吸込具及び清掃作業の快適性を向上させた電気掃除機を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の電気掃除機用吸込具は、下面に吸込口を有する吸込具本体と、前記吸込口に臨むように前記吸込具本体内に回転自在に設けた回転体と、前記回転体を回転駆動する電動機と、前記吸込具本体を上下反転した時、前記電動機を停止させる安全装置とを備え、前記安全装置は、前記電動機をオンオフ制御するスイッチと、前記吸込具本体の被掃除面への接地状態及び非接地状態を検知する検出部と、前記下部ケースに回動自在に軸支され前記検出部の上下動に応じて前記スイッチを操作する操作部と、前記操作部の回動に連動する略U字状のストッパー片と、前記吸込具本体の上下反転により上下方向に移動する球体状の移動体と、前記ストッパー片に対向する位置に設けられており、1ヶ所又はそれ以上の凹部が設けられた傾斜面を有するガイド体とから構成されており、前記ガイド体の前記傾斜面の中央には、前記吸込具本体の上下反転時に、前記ガイド体に前記移動体が落ち込む溝部が設けられており、前記ストッパー片の先端部の前記ガイド体に対向する位置には、前記移動体の外形形状に沿うように断面が略円弧状に形成された挟持部と、前記ガイド体の前記溝部に入り込むように形成されており、前記移動体の外形形状に沿うように断面が略円弧状に形成された阻止体とが設けられており、前記安全装置は、前記吸込具本体の上下反転時に、前記ガイド体、前記挟持部、及び前記阻止体により前記移動体を保持するとともに、前記移動体の前記吸込具本体の上下反転時における下方への移動を阻止する構成としたものである。
【0015】
これによって、吸込具本体を上下反転させた時、検出部に外部から力が加わりストッパー片が不用意に動いたとしても、移動体はガイド体と阻止体とで保持され静止状態を維持することができるので、ロックさせる時不安定な状態になることなく移動体は確実に挟持され、不用意なロック解除による回転体の回転を防止でき安全装置としての信頼性を向上することができるものである。また、挟持部が移動体の外形形状に沿うように形成したことにより、吸込具本体の上下反転時に移動体は確実に挟持され、安全装置としての信頼性を向上することができるものである。さらに、吸込具本体の上下反転時に、ガイド体と挟持部により移動体を挟持した状態において、ガイド体に移動体が落ち込む溝部を設けたことにより、吸込具本体の上下反転時に、ガイド体と挟持部により移動体を挟持した状態において、移動体はガイド部の複数の接触部と挟持部とで確実に挟持された状態となり、安全装置としての信頼性を向上することができるものである。また、ガイド体の傾斜面に1ヶ所又はそれ以上の凹部を設けたことにより、掃除を開始しようとして吸込具本体を接地させた時や通常使用中に敷居等を乗り越えるなど吸込具本体に強い衝撃が加わった時、移動体が重力に逆らって上方へ跳ね上がりガイド体の傾斜面の凹部に衝突しランダムに跳ね返らせることができるため、移動体は挟持される位置に移動することなく通常使用中に不用意に移動体が挟持され吸込具本体の底面から検出部が突出したままになり使用不可能になるといった最悪状態を避けることができるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の発明は、下面に吸込口を有する吸込具本体と、前記吸込口に臨むように前記吸込具本体内に回転自在に設けた回転体と、前記回転体を回転駆動する電動機と、前記吸込具本体を上下反転した時、前記電動機を停止させる安全装置とを備え、前記安全装置は、前記電動機をオンオフ制御するスイッチと、前記吸込具本体の被掃除面への接地状態及び非接地状態を検知する検出部と、前記下部ケースに回動自在に軸支され前記検出部の上下動に応じて前記スイッチを操作する操作部と、前記操作部の回動に連動する略U字状のストッパー片と、前記吸込具本体の上下反転により上下方向に移動する球体状の移動体と、前記ストッパー片に対向する位置に設けられており、1ヶ所又はそれ以上の凹部が設けられた傾斜面を有するガイド体とから構成されており、前記ガイド体の前記傾斜面の中央には、前記吸込具本体の上下反転時に、前記ガイド体に前記移動体が落ち込む溝部が設けられており、前記ストッパー片の先端部の前記ガイド体に対向する位置には、前記移動体の外形形状に沿うように断面が略円弧状に形成された挟持部と、前記ガイド体の前記溝部に入り込むように形成されており、前記移動体の外形形状に沿うように断面が略円弧状に形成された阻止体とが設けられており、前記安全装置は、前記吸込具本体の上下反転時に、前記ガイド体、前記挟持部、及び前記阻止体により前記移動体を保持するとともに、前記移動体の前記吸込具本体の上下反転時における下方への移動を阻止する構成としたことにより、吸込具本体を上下反転させた時、検出部に外部から力が加わり不用意にストッパー片が動いたとしても、移動体はガイド体と阻止体とで保持され静止状態を維持することができるので、ロックさせる時不安定な状態になることなく移動体は確実に挟持され、不用意なロック解除による回転体の回転を防止でき安全装置としての信頼性を向上することができるものである。また、挟持部が移動体の外形形状に沿うように形成したことにより、吸込具本体の上下反転時に移動体は確実に挟持され、安全装置としての信頼性を向上することができるものである。さらに、吸込具本体の上下反転時に、ガイド体と挟持部により移動体を挟持した状態において、ガイド体に移動体が落ち込む溝部を設けたことにより、吸込具本体の上下反転時に、ガイド体と挟持部により移動体を挟持した状態において、移動体はガイド部の複数の接触部と挟持部とで確実に挟持された状態となり、安全装置としての信頼性を向上することができるものである。また、ガイド体の傾斜面に1ヶ所又はそれ以上の凹部を設けたことにより、掃除を開始しようとして吸込具本体を接地させた時や通常使用中に敷居等を乗り越えるなど吸込具本体に強い衝撃が加わった時、移動体が重力に逆らって上方へ跳ね上がりガイド体の傾斜面の凹部に衝突しランダムに跳ね返らせることができるため、移動体は挟持される位置に移動することなく通常使用中に不用意に移動体が挟持され吸込具本体の底面から検出部が突出したままになり使用不可能になるといった最悪状態を避けることができるものである。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電気掃除機用吸込具を、吸込具本体の上下反転時に、ガイド体とストッパー片に形成された挟持部により移動体が挟持され、操作部の回動を阻止する位置が、前記ガイド体と阻止体により前記移動体が保持された位置に対して、前記吸込具本体の上下反転時における上方に構成されたことにより、吸込具本体の上下反転時に、検出部に外側から力が加わると移動体はガイド体と阻止体とで保持されていた位置から上方へ移動し、ガイド体と挟持部とで挟持される位置において挟持され、この時、移動体は中心軸を挟まれた状態になり、操作部の回動が阻止されスイッチのオフ状態が維持されるので、吸込具本体の上下反転時に、移動体は確実に挟持され不用意なロック解除による回転体の回転を防止でき安全装置としての信頼性を向上することができるものである。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の電気掃除機用吸込具を、吸込具本体の上下反転時に、ガイド体と挟持部により移動体を挟持した状態において、前記移動体と前記ガイド体が接触する接触部と、前記移動体と前記挟持部が接触する接触部とにより前記移動体が水平方向に対して斜めに挟持される構成としたことにより、掃除を開始しようとして吸込具本体を接地させた時や通常使用中に敷居等を乗り越えるなど吸込具本体に強い衝撃が加わった時、移動体が重力に逆らって上方へ跳ね上がりガイド体の傾斜面に衝突し跳ね返るため、移動体は挟持される位置に移動することなく、通常使用中に不用意に移動体が挟持され吸込具本体の底面から検出部が突出したままになり使用不可能になるといった最悪状態を避けることができるものである。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具を、移動体が挟持された状態において、前記移動体と阻止体の間に隙間を形成したことにより、移動体が挟持された状態において、移動体は阻止体により力を受けず、挟持部とガイド体とでのみ挟持されるので移動体は確実に挟持され、安全装置としての信頼性を向上することができるものである。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具を、移動体が挟持された状態において、ガイド体と前記移動体の接触部を複数ヶ所設けたことにより、移動体が挟持された状態において、移動体はガイド部の複数の接触部と挟持部とで確実に挟持された状態となり、安全装置としての信頼性を向上することができるものである。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具を、通常使用時において、ストッパー片の一部がガイド体の溝部に入り込むように構成したことにより、安全装置をコンパクトに構成し吸込具本体の小型化を実現できるものである。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具を、通常使用時において、移動体の移動を最小限に抑える規制体をストッパー片に構成したことにより、移動体とその周辺の壁体との衝撃を緩和することができ、不快な音を低減できるものである。
【0023】
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具を、移動体がガイド体に当たる時に発生する共振音を防止する防振体を吸込具本体を構成する壁体と前記ガイド体の間に当接して設けたことにより、移動体がガイド体に当たる時の衝撃を分散、減衰するので、不快な音を軽減できるものである。
【0024】
請求項9記載の発明は、塵埃吸引用の電動送風機と、塵埃を捕集する集塵室を有し、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具と連通するように接続される接続口を備えた電気掃除機であるため、清掃作業の快適性を向上できるものである。
【0025】
【実施例】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例を、図1〜8を用いて説明する。
【0026】
図8に示すように、吸込具本体1は絨毯などの被掃除面に付着した塵埃を遊離させる回転体2(図5参照)を内蔵し、後部に延長管3と接続される連結体4を回転自在に設けている。掃除機本体5は、内部に塵埃を集塵する集塵室6と電動送風機7を備えており、掃除機本体5に設けた接続口8に、延長管3に接続したホース9を接続し、吸込具本体1の連結体4を接続口8に連通するように構成している。
【0027】
図5、6に示すように、吸込具本体1は、下部ケース10と下部ケース10の上方を覆う上部ケース11とを備え、下部ケース10は長手方向に伸びる吸込口12に臨むように回転体2を保持している。さらに、下部ケース10の下面、すなわち吸込具本体1の下面には回転ローラー14が上下動自在に配されている。つまり回転ローラー14は操作部15を介して吸込具本体1の下部ケース10に回動可能に軸支されている。回転体2は、下部ケース10の後方一側面側に保持された電動機16により回転駆動されるもので、電動機16の回転駆動をベルト17を介して回転伝達し、この回転により回転体2が回転し、回転体2の外周面に設けた毛ブラシ18が絨毯等に付着したゴミを掻き出す。回転ローラー14の両側を覆うようにブラッケット20を配し、このブラケット20で回転ローラー14の回転軸19を軸支し、吸込具本体1の進行方向に回転ローラー14が回転するようにしている。このブラケット20の回転軸19より後方側の一端部が操作部15に一体的に接続される。下部ケース10の下面に対し平行でかつ長手方向に延びる軸21に操作部15を取りつけており、ブラケット20が軸21中心に回動する。軸21は下部ケースに10にを支持されている。操作部15は下部ケース10の下面に対し平行な軸21を中心に回動するものであり、回転ローラー14が被掃除面にあたり上方に押し上げられると、操作部15の軸21を中心に回動して上方に移動する。なお、軸21は操作部15の回動に合わせて回転するように、操作部15と軸21は一体的に連結している。また、軸21の一端に巻設したコイルバネ22により、回転ローラー14を下部ケース14から下方に突出する方向に付勢する。軸21の一端側に外周方向に突出させたアーム23によりコイルバネ22の一端を支持し、軸21の他端側にはこの軸21を中心に回動する略U字状のストッパー片24を一体的に取りつけている。回転ローラー14の接地面への離間・接地に連動してブラケット20が回転ローラー14と一体に回動変位する。一方、ストッパー片24の周囲はカバー体25で覆われている。カバー体25は下部ケース10に固定されている。又、カバー体25は、回転ローラー14の上部も含めてストッパー片24の上部を覆うカバー部26を有し、カバー部26のアーム23側には側壁を有し、その側壁に側方に突出するスイッチ27を保持する一対の保持突起28を設けている。また、プリント基板29を設置するための支持突起30を備えている。スイッチ27のオン、オフは、アーム23の回動に連動するスイッチ27に設けた接点アーム31の回動位置によって切り換えられる。
【0028】
図1〜4、7に示すように、カバー体25の側壁には、傾斜面33を有し、その傾斜面33の数カ所に凹部34を形成したガイド体32を設け、ガイド体32の中央には図7に示すように上下方向に延びる溝部40を形成し、球体からなる移動体35が溝部40に沿って移動できるようにしている。ストッパー片24との間には移動体35を配している。略U字状のストッパー片24の一端側を軸21に固定し、そのストッパー片24の端部側の先端部であってガイド体32と対向する面を、移動体35の外形形状に沿うように断面略円弧状にして形成し、挟持部36を形成している。挟持部36の先端には、ガイド体32側に突出し、通常使用時(図3の状態)にガイド体32の溝部40に入り込めるよう細くした形状の阻止体37を設け、阻止体37のガイド体32に対向する面も断面略円弧状とし、この円弧状は挟持部36の円弧面より反ガイド体23側に一段落とした位置で形成している。通常使用時に移動体35の水平方向の移動を規制するように、U字状のストッパー片24の窪みを埋める規制体38を設けている。ストッパー片24が回動しカバー体25の側壁に接した時、すなわち、阻止体37がガイド体32から最も離れた状態の時、ガイド体32の傾斜面33と阻止体37の先端との間を、移動体35の直径より狭くして構成している。また、ガイド体32の吸込具本体1後部方向にカバー体25と下部ケース10及び上部ケース11との間に防振効果の高い軟材で形成した防振体39を設けている。
【0029】
上記構成による作用は以下のとおりである。
【0030】
吸込具本体1を被掃除面から離して空中に浮かすと、図4に示すように、回転ローラー14も被掃除面から離れると同時にコイルバネ22の付勢力により下部ケース10からの突出量が大きくなる。したがって、アーム23は接点アーム31から離間してスイッチ27がオフ状態となり、回転体2の回転が停止される。
【0031】
次に、吸込具本体1を被掃除面に接地させると、図3に示すように、コイルバネ22の付勢に抗して回転ローラー14が接地面によって押し上げられつつ軸21を回転させ、この軸21の回転に連動してアーム23が接点アーム31を回動させ、スイッチ27がオン状態となり回転体2を回転させる。
【0032】
一方、不用意に吸込具本体1を上下反転した場合について説明する。一旦、吸込具本体1を持ち上げて被掃除面から離間するために、電動機16が駆動停止状態とされた後、上下反転される。この時、図1に示すように、この上下反転操作に連動して移動体35は阻止体37とガイド体32の間に移動し、阻止体37とガイド体32の間は移動体35の直径より狭いため移動体35はその位置で保持され、静止状態を維持することができる。このため、軸21の回転が阻止されてスイッチ27のオフ状態が維持され、回転体2の停止状態が維持される。
【0033】
さらに、この状態からコイルバネ22の付勢に抗して回転ローラー14を押し下げる(回転ローラー14を下部ケース10側に押し込む)ように操作されても、移動体35は静止状態であり挟持されようとする時不安定な状態になることなく、図2に示すように、移動体35は阻止体37より力を受けてガイド体32と阻止体37とで保持されていた位置から上方へ移動し、ガイド体32と挟持部36とで挟持される位置で、移動体35とガイド体32が接触する接触部と、移動体35と挟持部36が接触する接触部とで水平方向に対して斜めに挟持される。この時、移動体35は挟持部36の移動体35の外形形状に沿った略円弧状の面と、ガイド体32の溝部40及び傾斜面33とにより中心軸を挟まれた状態になっている。また、阻止体37は挟持部36に対して一段低い位置にあるため、移動体35の外形とは隙間ができている。このため、移動体35は確実に挟持されるため軸21の回転が阻止されてスイッチ27のオフ状態が維持され、回転体2の停止状態を維持することができる。したがって、吸込具本体1を不用意に上下反転させた時、回転ローラー14に外部から力が加わっても不用意なロック解除による回転体2の回転を防止でき、安全装置としての信頼性を向上することができる。
【0034】
また、通常使用中に敷居を乗り越えるなど強い衝撃が吸込具本体1に加わった時、衝撃力に起因して移動体35が上方に移動しようとすると同時に、ストッパー片24が図4(a)に示す状態から図3(a)に示す状態に移行し始める。この時、移動体35はガイド体32の傾斜面33あるいは凹部34に衝突し跳ね返り挟持される位置には移動しないため、通常使用中に不用意に移動体35が挟持され吸込具本体1の底面から回転ローラー14が突出したままになり使用不可能になるといった最悪状態を避けることができる。
【0035】
また、通常使用中に、移動体35はカバー体25と規制体38の間に位置しており、規制体38は移動体35の移動を最小限に抑えるようにストッパー片24に設けられているため、移動体35のガタツキは最小限に抑えられている。また吸込具本体1の上下反転時には、移動体35はガイド体32と阻止体37とで保持され静止状態を維持している。さらに、防振効果の高い軟材で形成した防振体39を設けているため、移動体35がカバー体25あるいはガイド体32等の周辺部位に衝突する際の衝撃を緩和することができ、不快な音を低減できる。
【0036】
また、通常使用中に阻止体37はガイド体32の溝部40に入り込むため、安全装置をコンパクトに構成でき吸込具本体1の小型化を実現できる。
【0037】
また、移動体35が挟持されている時、ガイド体32は移動体35から力を受けているが、移動体35の一部分は溝部40に落ち込むため、前記移動体35と前記溝部40を有するガイド体32との接触部は2ヶ所となり、移動体35を挟持しているために、ガイド体32が受ける力を分散することができ、ガイド体32の破損を軽減できる。
【0038】
また、吸込具本体1を分解し上部ケース11を取り外した時、吸込具本体1を上下反転しても移動体35は阻止体37の先端とガイド体32の傾斜面33とで保持されるため、分解時、移動体35が吸込具本体1から落ちて消失してしまうのを防止することができる。
【0039】
また、組立時において、移動体35は阻止体37とガイド体32の傾斜面33の間を通して挿入するが、この時、ストッパー片24の弾性を利用して挿入することができるものである。
【0040】
また、床面接地部を回転ローラー14としているので、吸込具本体1を被掃除面へ接地した時、回転ローラー14の動きに応じてスイッチ27をオンできると共に、掃除作業中、被掃除面を傷つけるのをなくすことができる。
【0041】
また、回転ローラー14をコイルバネ22により接地する方向に付勢しているので、吸込具本体1を被掃除面へ接地した時回転ローラー14を押圧し、吸込具本体1を被掃除面から離した時回転ローラー14を突出させることができ、吸込具本体1の被掃除面への接地状態及び非接地状態を確実に判別することができて、吸込具本体1が被掃除面へ接地している時のみスイッチ27をオンすることができる。
【0042】
なお、本実施例では挟持部36及び阻止体37を略円弧状に形成したが、それぞれを直線状に形成することや、防振体39を別部材の軟体で構成したが、下部ケース10あるいは上部ケース11等と一体成形されたリブ体で構成しても、それぞれ同様の効果が得られるし、凹部34を移動体35が挟持される位置に設けてもそれぞれ同様の効果が得られる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、裏返しの状態で不用意なロック解除により回転体が回転することがなく、通常使用状態での不用意なロックを防止するといった使用勝手が良好であると共に、不快音を低減した電気掃除機用吸込具及び清掃作業の快適性を向上させた電気掃除機が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)本発明の第1の実施例を示す電気掃除機用吸込具を上下反転した時の要部断面図
(b)同電気掃除機用吸込具を上下反転した時のスイッチの作用説明図
【図2】 (a)同電気掃除機用吸込具を上下反転し、回転ローラーに外部から力が加わった時の要部断面図
(b)同電気掃除機用吸込具を上下反転し、回転ローラーに外部から力が加わった時のスイッチの作用説明図
【図3】 (a)同電気掃除機用吸込具を接地した時の要部断面図
(b)同電気掃除機用吸込具を接地した時のスイッチの作用説明図
【図4】 (a)同電気掃除機用吸込具を持ち上げた時の要部断面図
(b)同電気掃除機用吸込具を持ち上げた時のスイッチの作用説明図
【図5】 同電気掃除機用吸込具の通常使用時の断面図
【図6】 同電気掃除機用吸込具を持ち上げた時の要部断面図
【図7】 図4のA−A断面図
【図8】 同電気掃除機用吸込具を備えた電気掃除機の全体側面図
【図9】 (a)従来の電気掃除機用吸込具を上下反転した時の要部断面図
(b)同電気掃除機用吸込具を上下反転した時のスイッチの作用説明図
【図10】 (a)同電気掃除機用吸込具を接地した時の要部断面図
(b)同電気掃除機用吸込具を接地した時のスイッチの作用説明図
【図11】 (a)同電気掃除機用吸込具を持ち上げた時の要部断面図
(b)同電気掃除機用吸込具を持ち上げた時のスイッチの作用説明図
【図12】 同電気掃除機用吸込具の側面図
【図13】 同電気掃除機用吸込具の上部ケースとプリント基板を取り外した平面図
【図14】 同電気掃除機用吸込具のストッパー片の正面図
【図15】 同電気掃除機用吸込具のカバー体の平面図
【図16】 同電気掃除機用吸込具のカバー体の側面図
【符号の説明】
1 吸込具本体
2 回転体
10 下部ケース
12 吸込口
14 回転ローラー(検出部)
15 操作部
16 電動機
24 ストッパー片
27 スイッチ
32 ガイド体
33 傾斜面
35 移動体
37 阻止体
Claims (9)
- 下面に吸込口を有する吸込具本体と、前記吸込口に臨むように前記吸込具本体内に回転自在に設けた回転体と、前記回転体を回転駆動する電動機と、前記吸込具本体を上下反転した時、前記電動機を停止させる安全装置とを備え、前記安全装置は、前記電動機をオンオフ制御するスイッチと、前記吸込具本体の被掃除面への接地状態及び非接地状態を検知する検出部と、前記下部ケースに回動自在に軸支され前記検出部の上下動に応じて前記スイッチを操作する操作部と、前記操作部の回動に連動する略U字状のストッパー片と、前記吸込具本体の上下反転により上下方向に移動する球体状の移動体と、前記ストッパー片に対向する位置に設けられており、1ヶ所又はそれ以上の凹部が設けられた傾斜面を有するガイド体とから構成されており、前記ガイド体の前記傾斜面の中央には、前記吸込具本体の上下反転時に、前記ガイド体に前記移動体が落ち込む溝部が設けられており、前記ストッパー片の先端部の前記ガイド体に対向する位置には、前記移動体の外形形状に沿うように断面が略円弧状に形成された挟持部と、前記ガイド体の前記溝部に入り込むように形成されており、前記移動体の外形形状に沿うように断面が略円弧状に形成された阻止体とが設けられており、前記安全装置は、前記吸込具本体の上下反転時に、前記ガイド体、前記挟持部、及び前記阻止体により前記移動体を保持するとともに、前記移動体の前記吸込具本体の上下反転時における下方への移動を阻止する構成とした電気掃除機用吸込具。
- 吸込具本体の上下反転時に、ガイド体とストッパー片に形成された挟持部により移動体が挟持され操作部の回動を阻止する位置が、前記ガイド体と阻止体により前記移動体が保持された位置に対して、前記吸込具本体の上下反転時における上方に構成された請求項1記載の電気掃除機用吸込具。
- 吸込具本体の上下反転時に、ガイド体と挟持部により移動体を挟持した状態において、前記移動体と前記ガイド体が接触する接触部と、前記移動体と前記挟持部が接触する接触部とにより前記移動体が水平方向に対して斜めに挟持される構成とした請求項1又は2記載の電気掃除機用吸込具。
- 移動体が挟持された状態において、前記移動体と阻止体の間に隙間を形成した請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具。
- 移動体が挟持された状態において、ガイド体と前記移動体の接触部を複数ヶ所設けた請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具。
- 通常使用時において、ストッパー片の一部がガイド体の溝部に入り込むように構成した請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具。
- 通常使用時において、移動体の移動を最小限に抑える規制体をストッパー片に構成した請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具。
- 移動体がガイド体に当たる時に発生する共振音を防止する防振体を吸込具本体を構成する壁体と前記ガイド体の間に当接して設けた請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具。
- 塵埃吸引用の電動送風機と、塵埃を捕集する集塵室を有し、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具と連通するように接続される接続口を備えた電気掃除機。
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