JP4616690B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は画像形成装置に係り、特に紙搬送ベルトに設けられたスケールを用いて用紙の搬送制御を行う画像形成装置に関する。
一般に、インクジェット方式の画像形成装置では高品質な画像を得るために、紙搬送駆動において高精度な位置決め制御が要求される。このとき、位置決め制御しようとする紙搬送ベルトの動きを直接観測できることが好ましいため、この紙搬送ベルトに直接マーキングを行い検出することが考えられる(特許文献1参照)。また、実際にマーキングを行う手段としては、リニアスケールを紙搬送ベルトの表面や裏面に張り付ける方法が知られている。
図1は、リニアスケールを紙搬送ベルトに配設した画像形成装置を示している。同図に示す画像形成装置1は、モータ3から減速機構を経て取り付けられた駆動ローラ4を駆動することで駆動ローラ4と従動ローラ5との間に配設された紙搬送ベルト2を回転させ、用紙(図示せず)を搬送する機構とされている。この搬送の過程において、用紙にはインクジェット(IJ)キャリッジ6により印刷(画像形成)が行われる。
紙搬送ベルト2の内側には、ベルト1周にわたってベルト位置を計測するリニアスケール7が配設されている。また、リニアスケール7と対向する位置には、このリニアスケール7を読み取る1個のセンサー8が設けられている。
このセンサー8は検出装置9に接続されており、この検出装置9ではセンサー8から送られるセンサー出力に基づき、紙搬送ベルト2の移動に対応して発生する正弦波状の山の数(パルス数)をカウントする。この紙搬送ベルト2の移動に対応したカウント値は、制御装置10に送られ、制御装置10はこれに基づきモータ3を駆動制御する駆動装置11を制御する。これにより、紙搬送ベルト2の移動速度は規定の速度に制御され、よって高品質の画像生成が可能となる。
特開2002−238274号公報
しかしながら、紙搬送ベルト2に円周方向にスケールを張り付けると、必ず継ぎ目部分ができてしまう。このため、この継ぎ目部分ではリニアスケール27の目盛間隔(位相)が不連続になってしまい、センサー8からのセンサー出力も不連続な信号となってしまう。
即ち、仮に一定速で紙搬送ベルト2が移動している場合でも、センサー8からのセンサー出力が不連続となってしまい、正しい位置情報を得ることができなくなってしまう。このように継ぎ目部分では位置決め制御に必要な情報が途絶えてしまうことにより、用紙に対して高精度の画像形成を行うことができなくなってしまうという問題が発生する。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、紙搬送ベルトの表面もしくは裏面にリニアスケールを貼り付けて、このスケールを読み取ることにより位置決め制御を行う場合に、スケールの継ぎ目区間においても、センサー出力が途絶えることなく連続した位置情報を得ることができるように工夫したものであり、本発明の目的は紙搬送ベルトの全区間において、移動量を直接かつ正確に検出できる紙搬送ベルト駆動装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
請求項1記載の発明は、
用紙を搬送する用紙搬送ベルトと、
該用紙搬送ベルトを駆動する駆動手段と、
前記用紙搬送ベルトに設けられており、位置情報が示されると共にその一部にスケール継ぎ目が存在するスケールと、
前記スケールから位置情報を読み取る位置検出手段と、
前記位置検出手段からの出力から位置情報を生成し、該位置情報に基づき前記駆動手段を制御して前記用紙搬送ベルトの駆動制御を行う制御手段とを有する画像形成装置において、
前記位置検出手段として前記スケールから位置情報を読み取る第1のセンサーと第2のセンサーとを設けると共に、該第1及び第2のセンサーを前記スケール継ぎ目の隙間以上に離間するよう配設し、
かつ、前記制御手段が、前記第1のセンサーから出力される第1のセンサー出力及び第2のセンサーから出力される第2のセンサー出力に重み付けを行った後に合成したものを位置情報として用いるよう構成したことを特徴とするものである。
上記発明によれば、第1及び第2のセンサー(二つのセンサー)をベルト継ぎ目の隙間以上に離した位置に設け、かつ、各センサー出力に重み付けを行った後に合成したものを位置情報とすることで、ベルト継ぎ目区間において、センサー出力が途絶えることを解決できるため、所望の制御精度をベルト全域に渡って維持することができる。
また、請求項2記載の発明は、
請求項1記載の画像形成装置において、
前記第1及び第2のセンサーは、該第1及び第2のセンサー間に前記スケール継ぎ目がある時に出力される前記第1のセンサー出力と前記第2のセンサー出力の位相が、同位相となるよう配置されていることを特徴とするものである。
上記発明によれば、第1及び第2のセンサー間にスケールの継ぎ目があるときに、2つのセンサーで各々スケールを読み取る場合に、第1及び第2のセンサー出力の位相が同位相となるため、センサー切換時の位相の連続性が保たれる。
また、請求項3記載の発明は、
請求項2記載の画像形成装置において、
前記第1及び第2のセンサーは、センサー間距離を調整しうるよう構成されていることを特徴とするものである。
上記発明によれば、センサー間距離を調整する機能を有することで、2つのセンサー出力を同位相に容易に調整できる。
また、請求項4記載の発明は、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記制御手段は、
前記用紙搬送ベルトの搬送に伴い前記スケール継ぎ目が前記第1のセンサーと前記第2のセンサーとの間に位置した際、前記重み付けを瞬時に変化させることにより前記センサー出力を前記第1のセンサーから前記第2のセンサーへ切り換え、
かつ、前記スケール継ぎ目の通過後のスケール連続部分において、前記センサー出力の重み付けを徐々に変化させることにより、前記センサー出力を前記第2のセンサーから前記第1のセンサーへ切り換えることを特徴とするものである。
上記発明によれば、第1及び第2のセンサー出力の重み付けを適宜変化させることで、各センサー出力の合成させた出力において、連続した位相の出力を得ることができ、途切れることなく制御できるため、精度良く位置決め制御を行うことができる。
また、請求項5記載の発明は、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記第1及び第2のセンサーは、インクヘッドが通過する前記紙搬送ベルトの表面と対向する位置または裏面と対向する位置のいずれかに設けられていることを特徴とするものである。
上記発明によれば、第1及び第2のセンサーを印刷位置近傍で位置検出できるため、誤差の少ない高精度な位置決め制御が実現できる。
また、請求項6記載の発明は、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記スケール継ぎ目が、前記第1センサーと前記第2のセンサーとの間を通過することを検出する第3のセンサーを設けたことを特徴とするものである。
上記発明によれば、第3のセンサーを設けることにより、継ぎ目通過検出を確実に行うことができる。
上述の如く本発明によれば、ベルト継ぎ目区間においてセンサー出力が途絶えることなく出力させることができるため、用紙搬送ベルトの駆動制御を高精度に行うことができ、画像形成精度を向上させることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面と共に説明する。
図2は、本発明の一実施例である画像形成装置20を示す構成図である。同図に示す画像形成装置20は、モータ23により駆動ローラ24を駆動し、これにより駆動ローラ24と従動ローラ25との間に配設された紙搬送ベルト22を回転させ、紙搬送ベルト22上に載置された用紙(図示せず)を搬送する機構とされている。
モータ23にはプーリ32が設けられており、また駆動ローラ24にはプーリ33が設けられている。このプーリ32とプーリ33との間にはベルト39が張架されている。よって、モータ23の駆動力はプーリ32,33及びベルト39で形成される減速装置により減速された上で駆動ローラ24に伝達される。
また、プーリ33には、回転スリット34と光センサー35とにより構成される回転式エンコーダ36が配設されている。回転スリット34はプーリ33とに同軸的に配設されており、また回転スリット34には放射状に等幅でかつ等間隔の多数のスリットが形成されている。光センサー35はホトインタラプタであり、スリットと対向する位置に配設されている。光センサー35は、スリットを通過する光を検出することによりパルス信号を生成する。このパルス信号は、モータ23の回転に対応したものとなっており、よって回転式エンコーダ36からの信号によりモータ23の駆動状態を判定できる。この回転式エンコーダ36は、検出装置29に接続されている。
IJキャリッジ26は、紙搬送ベルト22の上面(即ち、用紙上)を矢印X方向に移動可能な構成とされている。そして、紙搬送ベルト22により用紙が搬送される過程においてIJキャリッジ26はY方向に移動し、その過程において用紙に対し印刷(画像形成)を行う。この用紙に対して高品質の印刷(画像形成)を行うには、IJキャリッジ26の駆動制御と共に、紙搬送ベルト22の駆動制御が重要である。
紙搬送ベルト22の内側には、ベルト1周にわたってベルト位置を計測するリニアスケール27が配設されている。本実施例に係るリニアスケール27は、図3及び図7に拡大して示すように、光反射部(図中白地の部分)と光吸収部(図中黒地の部分)が規則的に交互に形成された構成とされている(以下、これを位置検出パターンという)。しかしながら、紙搬送ベルト22に円周方向にリニアスケール27を張り付けると、必ずスケール継ぎ目37が発生してしまうことは前述した通りである。
このリニアスケール27と対向する位置には、このリニアスケール27に形成された位置検出パターンを読み取る位置検出手段が設けられている。本実施例では、この位置検出手段を第1のセンサー28Aと第2のセンサー28Bの、2つのセンサーにより構成したことを特徴としている。
この第1のセンサー28Aと第2のセンサー28Bは、IJキャリッジ26が通過する紙搬送ベルト22の表面と対向する位置または裏面と対向する位置のいずれかに設けられている(本実施例では、紙搬送ベルト22の裏面と対向する位置に配置されている)。これにより、各センサー28A,28Bは、IJキャリッジ26が画像形成(印刷)を行う位置の近傍に配置されることとなり、誤差の少ない高精度な検出処理を行うことができる。
また、第1のセンサー28Aと第2のセンサー28Bは、スケール継ぎ目37の隙間以上に離間するよう配設されている。本実施例では、第1のセンサー28A及び第2のセンサー28Bは固定され一定の間隔で離間した構成とされているが、離間距離調整機構を設けることにより、第1のセンサー28Aと第2のセンサー28Bの離間距離を調整可能な構成としてもよい。この構成とした場合には、センサー間距離を調整する機能を有することで、各センサー28A,28Bからのセンサー出力を同位相に容易に調整できる。
この第1及び第2のセンサー28A,28Bは検出装置29に接続されており、この検出装置29では第1のセンサー28Aから送られる第1のセンサー出力、及び第2のセンサー28Bから送られる第2のセンサー出力に基づき、紙搬送ベルト22の移動に対応して発生する正弦波の波形検出を行う。
この検出装置29で検出された正弦波は、紙搬送ベルト22の移動に対応しているため、山の数(パルス数)をカウントすることで、このカウント値から紙搬送ベルト22の位置検出を行う。この際、本実施例では正弦波状のパルス数を逓倍した後にカウントする構成としている。モータ23を駆動制御する駆動装置31を制御する。
図11は、検出装置29を示すブロック図である。検出装置29は、逓倍器40〜42、カウンタ44〜46、積算器47〜48、加算器50、第1の補正器51、および第2の補正器52等により構成されている。
第1のセンサー28Aからの正弦波パルスは逓倍器40で逓倍された上でカウンタ44に供給されカウントされる。同様に、第2のセンサー28Bからの正弦波パルスは逓倍器41で逓倍された上でカウンタ45に供給されカウントされる。更に、回転式エンコーダ36からのパルスは逓倍器42で逓倍された上でカウンタ46に供給されカウントされる。そして、カウント値は第1の補正器51に供給され、この第1の補正器51では供給されたカウント数に基づき、予め格納されている重み付けテーブルを参照して重み付け係数を求める。
次に、各センサー28A,28Bから出力された各センサー出力に対して重み付け処理が行われる。具体的には、乗算器47,48が各カウンタ44,45から送られるカウント値に対し、第1の補正器51で求められた重み付け係数を乗算する。この乗算器47及び乗算器48で重み付けが行われたカウント値は、加算器50に送られる。この加算器50では、第1のセンサー28Aのセンサー出力から求められたカウント値と、第2のセンサー28Bのセンサー出力から求められたカウント値との合成処理が行われる。
この合成処理の中で、センサー28Bからセンサー28Bへの瞬時切り替えは、後述するようにスケール継ぎ目37が第1のセンサー28Aと第2のセンサー28Bとの間に移動した際に行われる。このスケール継ぎ目37の検出の方法は種々考えられる。例えば、図3に示す第1のセンサー28Aのセンサー出力における欠陥パルスP(これについは後述する)を検出することによっても行うことができ、また図11に示したように、センサー28A,28Bとは別個にスケール継ぎ目37を検出する第3のセンサー38を設け、この第3のセンサー38からの信号に基づき検出する構成としてもよい。但し、スケール継ぎ目37を検出する専用の第3のセンサー38を設けた方が高精度にスケール継ぎ目37の継ぎ目通過検出を行うことができる。
加算器50は、スケール継ぎ目37の検出信号に基づき、カウンタ44から送られる第1のセンサー出力に基づくカウントと、カウンタ45から送られる第1のセンサー出力に基づくカウントとを重み付けして乗算器49に送る。乗算器49では、第2の補正器52で求められる補正係数(これについては後述する)を乗算することにより補正処理を行う。上記のようにして生成されたカウント値(以下、カウント値Yという)は、制御装置30に送られる。そして、制御装置30では、検出装置29から送られるカウント値Yに基づきモータ23の駆動制御を行う。
続いて、上記構成とされた画像形成装置20の具体的な動作について説明する。
図3は、スケール継ぎ目37が第1のセンサー28Aと第2のセンサー28Bとの間に位置した状態を示している。図3(A)はリニアスケール27と各センサー28A,28Bとの位置関係を示しており、図3(B)はリニアスケールの位相を示している。尚、紙搬送ベルト22は矢印Y方向に搬送されており、よってリニアスケール27も各センサー28A,28Bに対して図中矢印Y方向に移動する。
同図に示す例では、スケール継ぎ目37は既に第1のセンサー28Aを通過しているため、第1のセンサー28Aの出力にはスケール継ぎ目37に対応した位置に正弦波形と異なる欠陥パルスPが発生している。よって、仮に配設されているセンサーが第1のセンサー28Aの1個のみである場合を想定すると、従来のように欠陥パルスPにより正弦波状の波形が不連続な波形となってしまい、紙搬送ベルト22の正しい位置情報を得ることができなくなってしまう。
そこで本実施例では、予め第2のセンサー28Bからのセンサー出力によりカウント値Yを演算する状態を通常状態としておく。そして、第3のセンサー38(図11参照)により、紙搬送ベルト22の移動に伴い第1及び第2のセンサー28A,28Bの間にスケール継ぎ目37が移動したことが検出された際、スケール継ぎ目37が第1及び第2のセンサー28A,28Bの間にある間に、重み係数テーブル51、乗算器47,48及び加算器50を用いて乗算器49に送るカウント値を第2のセンサー28Bに基づくものから第1のセンサー28Aに基づくものに切り換える構成とした。
この合成処理は、前記第3のセンサー38から出力される信号をトリガーとして重み係数テーブル51、乗算器47,48及び加算器50において行われる。尚、前記したように、第1のセンサー28Aのセンサー出力として現れる欠陥パルスPをトリガーとすることも可能である。
この切換処理により、制御装置30から出力されるカウント値Yはスケール継ぎ目37を飛び越えた、換言するとスケール継ぎ目37の影響を受けない値となる。これについて、図4乃至図6を用いて説明する。
図4(A)は第1のセンサー28Aのセンサー出力(以下、センサー出力Aという)を示しており、図4(B)は第2のセンサー28Bのセンサー出力(以下、センサー出力Bという)を示している。また、図5は縦軸にカウンタ44,45でカウントされるセンサー出力A及びセンサー出力Bのカウント値を示し、横軸に時間を示している。更に図6は、説明の便宜上、切換時におけるセンサー出力A及びセンサー出力Bのカウント値を分離して示した図である。尚、各図において、切換時刻は時刻TTとしている。
図4に示すように、スケール継ぎ目37が第1及び第2のセンサー28A,28Bの間に存在する状態では、センサー出力Aは欠陥パルスPが既に現れているが、センサー出力Bにおいてはまだ欠陥パルスPが現れていない状態である。この状態では、画像形成装置20は、センサー出力Bに基づいてカウント値Yを出力している。しかしながら、このままセンサー出力Bに基づいてカウント値Yを出力する状態を維持すると、センサー出力Bに欠陥パルスPが現れて紙搬送ベルト22の位置検出を精度よく行うことができなくなることは前記した通りである。
そこで前記のように、重み係数テーブル51、乗算器47,48及び加算器50を用いて時刻TT(スケール継ぎ目37が第1及び第2のセンサー28A,28Bの間に存在する期間内の時刻)において、乗算器49に送るセンサー出力(カウント値)をセンサー出力Bからセンサー出力Aに切り換えることにより、図4に示されるように、センサー出力Bに欠陥パルスPが現れる前に、既に欠陥パルスPが現れた後のセンサー出力Aに信号が切り換わる。この際、センサー出力Aの位相とセンサー出力Bの位相は同一位相となるよう設定されている。よって、センサー出力Bからセンサー出力Aに切換が実施されても、センサー切換後の位相の連続性は保たれる。
上記した切換処理を、センサー出力A及びセンサー出力Bのカウント値と時間との関係としてみると、図5に示されるようになる。カウント値は正弦波状であるセンサー出力A及びセンサー出力Bの山(パルス)を数えることにより求められているため、欠陥パルスPが入り込むと、この欠陥パルスPの範囲においては山(パルス)の計数ができなくなり、よってカウント値は正規のカウント値よりも少なくなる。
図5に示すように、欠陥パルスP以外においてはセンサー出力A及びセンサー出力Bのカウント値は時間の経過と共にリニアに増大する特性となるが、欠陥パルスPにおいては減少側に窪んだ段差を有した特性となる。よって、スケール継ぎ目37が第1及び第2のセンサー28A,28Bの間に存在する時間(即ち、図5における時刻T0から時刻T1の間は、センサー出力Aのカウント値とセンサー出力Bのカウント値は近似した値となる。
このため、時刻T0から時刻T1の間の時刻TTにおいて上記の切換処理を行うことにより、図6に示すように、時刻TTまではセンサー出力Bのカウント値をカウント値Yとして用い、時刻TT以降はセンサー出力Aのカウント値をカウント値Yとして用いることとなる。これにより、図5に示すように、カウント値Yの値はリニアな状態を維持することとなり、リニアスケール27にスケール継ぎ目37が存在しても、紙搬送ベルト22の位置検出を紙搬送ベルト22の全周にわたり高精度に行うことが可能となる。
しかしながら、紙搬送ベルト22は円筒状になっているため、紙搬送ベルト22が1周することで繰り返しセンサー28A,28B間にスケール継ぎ目37が再び現れる。このため、このスケール継ぎ目37が現れるまでに、第1のセンサー28Aから第2のセンサー28Bにセンサー出力を戻しておく必要がある。以下、この第1のセンサー28Aから第2のセンサー28Bにセンサー出力を戻す方法について説明する。
図7及び図8は、第1のセンサー28Aと第2のセンサー28Bとの間に、スケール継ぎ目37が存在していない場合を示している。本実施例では、このスケール継ぎ目37がセンサー28A,28B間に存在しない間に、図10に模式的に示すように、センサー出力Aのカウント値をセンサー出力Bのカウント値に戻す処理を行う。
具体的には、第1のセンサー28Aからの第1のセンサー出力と、第2のセンサー28Bからの第2のセンサー出力に重み付けを行う。これについて、図12及び図13を用いて説明する。図12及び図13は、本実施例における各センサー28A,28Bのセンサー出力に対し重み付けを行う処理の原理を説明するための図である。
センサー出力Aのカウント値をセンサー出力Bのカウント値に戻すには、図12に示すように、第1のセンサー28Aからの出力に重み付けを行う(この時の重み付け係数をWaとする)と共に、第2のセンサー28Bからの出力にも重み付けを行う(この時の重み付け係数をWbとする)。この各重み付け係数Wa,Wbの値は、図13(A)に示すように、重み付け係数をWaは紙搬送ベルト22(リニアスケール27)の回転に伴い減少するよう設定し、逆に重み付け係数をWbは紙搬送ベルト22(リニアスケール27)の回転に伴い増大するよう設定する。そして、各重み付け係数Wa,Wbの和は、図13(B)に示すように、常に一定となるよう設定する。
重み付け係数Wa,Wbは、実際には図11に示した第1の補正器51で生成される。この際、重み付け係数Wa,Wbは駆動ローラ24(紙搬送ベルト22)の移動速度等により影響を受ける値であるため、同図に示されるように、回転式エンコーダ36から駆動ローラ24(紙搬送ベルト22)の回転を検出し、これに基づき第1の補正器51で重み付け係数Wa,Wbを求める構成としている。
このように、紙搬送ベルト22の実際の回転状態に基づき重み付け係数Wa,Wbを変化させ、この重み付け係数Wa,Wbを積算器47,48でセンサー出力A,Bの各カウント値に反映させることにより、カウント値Yの位相の連続性を確保しつつ、第1のセンサー28Aから第2のセンサー28Bへ、センサー出力の切り換えを円滑に行うことができる。図9は、重み付け係数Wa,Wbを変化させることにより、第1のセンサー28Aから第2のセンサー28Bへセンサー出力の切り換えを実施した時のカウント値Yの変化を示している。同図に示すように、本実施例によればカウント値Yに変化が生じることはなく、円滑な切換を行うことができる。
一方、第1のセンサー28Aから第2のセンサー28Bに徐々に切り換えることは、検出位置が徐々に第1のセンサー28Aの位置から第2のセンサー28Bの位置に移動することを意味する。このように検出位置がベルト移動方向Yと同方向で移動するため、このままでは検出装置29から出力されるカウント値Yは、実際の紙搬送ベルト22の移動距離よりもやや短い距離で検出される。
例えば、第1のセンサー28Aと第2のセンサー28Bとの離間離が1cm、紙搬送ベルト22のベルト長を30cmとすると、紙搬送ベルト22の30cmの移動に対して、センサーがリニアスケール27を走査する距離は29cmとなり、ベルト移動距離の29/30を検出することとなる。このため、信号処理を行う際、この補正分30/29を考慮しておく必要がある。本実施例では、この補正を図7に示す第2の補正器52を用いて行う構成としている。尚、別実施例として、重み係数テーブルを予め作成する際に補正分を考慮して作成しておいてもよく、この場合には図11に示すような乗算器49での乗算を必要としない。
図1は、従来の画像形成装置の一例を示す構成図である。 図2は、本発明の一実施例である画像形成装置の構成図である。 図3は、スケール継ぎ目におけるリニアスケールとセンサーとを拡大して示す図である。 図4は、第2のセンサーから第1のセンサーにセンサー出力を切り換える処理を説明するための図である(その1)。 図5は、第2のセンサーから第1のセンサーにセンサー出力を切り換える処理を説明するための図である(その2)。 図6は、第2のセンサーから第1のセンサーにセンサー出力を切り換える処理を説明するための図である(その3)。 図7は、スケール連続部分におけるリニアスケールとセンサーとを拡大して示す図である。 図8は、第1のセンサーから第2のセンサーにセンサー出力を切り換える処理を説明するための図である(その1)。 図9は、第1のセンサーから第2のセンサーにセンサー出力を切り換える処理を説明するための図である(その2)。 図10は、第1のセンサーから第2のセンサーにセンサー出力を切り換える処理を説明するための図である(その3)。 図11は、検出装置(信号処理部)のブロック図である。 図12は、第1及び第2のセンサー出力に対する重みを変化することにより第1のセンサーから第2のセンサーにセンサー出力を切り換える具体的な方法を説明するためのブロック図である。 図13は、第1及び第2のセンサー出力に対する重みの変化を示す図である。
符号の説明
20 画像形成装置
22 紙搬送ベルト
23 モータ
27 リニアスケール
28A 第1のセンサー
28B 第2のセンサー
29 検出装置
30 制御装置
31 駆動装置
36 回転式エンコーダ
37 スケール継ぎ目
38 第3のセンサー
40〜42 逓倍器
44〜46 カウンタ
51 第1の補正器
52 第2の補正器

Claims (6)

  1. 用紙を搬送する用紙搬送ベルトと、
    該用紙搬送ベルトを駆動する駆動手段と、
    前記用紙搬送ベルトに設けられており、位置情報が示されると共にその一部にスケール継ぎ目が存在するスケールと、
    前記スケールから位置情報を読み取る位置検出手段と、
    前記位置検出手段からの出力から位置情報を生成し、該位置情報に基づき前記駆動手段を制御して前記用紙搬送ベルトの駆動制御を行う制御手段とを有する画像形成装置において、
    前記位置検出手段として前記スケールから位置情報を読み取る第1のセンサーと第2のセンサーを設けると共に、該第1及び第2のセンサーを前記スケール継ぎ目の隙間以上に離間するよう配設し、
    かつ、前記制御手段が、前記第1のセンサーから出力される第1のセンサー出力及び第2のセンサーから出力される第2のセンサー出力に重み付けを行った後に合成したものを位置情報として用いるよう構成したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    前記第1及び第2のセンサーは、該第1及び第2のセンサー間に前記スケール継ぎ目がある時に出力される前記第1のセンサー出力と前記第2のセンサー出力の位相が、同位相となるよう配置されていることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2記載の画像形成装置において、
    前記第1及び第2のセンサーは、センサー間距離を調整しうるよう構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記制御手段は、
    前記用紙搬送ベルトの搬送に伴い前記スケール継ぎ目が前記第1のセンサーと前記第2のセンサーとの間に位置した際、前記重み付けを瞬時に変化させることにより前記センサー出力を前記第1のセンサーから前記第2のセンサーへ切り換え、
    かつ、前記スケール継ぎ目の通過後のスケール連続部分において、前記センサー出力の重み付けを徐々に変化させることにより、前記センサー出力を前記第2のセンサーから前記第1のセンサーへ切り換えることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記第1及び第2のセンサーは、インクヘッドが通過する前記紙搬送ベルトの表面と対向する位置または裏面と対向する位置のいずれかに設けられていることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記スケール継ぎ目が、前記第1センサーと前記第2のセンサーとの間を通過することを検出する第3のセンサーを設けたことを特徴とする画像形成装置。
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