JP4616496B2 - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム Download PDF

Info

Publication number
JP4616496B2
JP4616496B2 JP2001101671A JP2001101671A JP4616496B2 JP 4616496 B2 JP4616496 B2 JP 4616496B2 JP 2001101671 A JP2001101671 A JP 2001101671A JP 2001101671 A JP2001101671 A JP 2001101671A JP 4616496 B2 JP4616496 B2 JP 4616496B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel cell
gas
tube
supply
support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001101671A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002298877A (ja
Inventor
健一郎 小阪
洋 佃
好章 井上
彰 橋本
長生 久留
勝巳 永田
浩二 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Electric Power Development Co Ltd
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Electric Power Development Co Ltd
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Electric Power Development Co Ltd, Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Electric Power Development Co Ltd
Priority to JP2001101671A priority Critical patent/JP4616496B2/ja
Publication of JP2002298877A publication Critical patent/JP2002298877A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4616496B2 publication Critical patent/JP4616496B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の円筒型固体電解質燃料電池の概略構成の一例を図8に示す。また、円筒型固体電解質燃料電池の1本のセルのうち、その上端側(一端側)及び下端側(他端側)の概略構成を図9に示す。図8及び図9では、発電された電力の集電に関わる部分は省略している。
【0003】
図8を参照して、燃料電池は、ガス供給部であるヘッダ110と、発電部であるセルチューブ111とを具備する。ヘッダ110は、仕切板110a、底板110b、供給室110c、排出室110dを有する。また、セルチューブは、案内管112を有する。
【0004】
ヘッダ110の内部は、仕切板110aにより上下方向に区分けされ、上方が供給室110c、下方が排出室110dとして構成されている。ヘッダ110の底板110bには、セルチューブ111の上端側(一端側)が上記排出室110dとガスの出入りが出来るように連結され、支持されている。セルチューブ111の下端側(他端側)は、閉塞されている。セルチューブ111の内部には、案内管112が、同軸をなして挿入されている。案内管112は、その一端側(上端側)が、上記供給室110cとガスの出入りが出来るように、上記仕切板110aに連結され、支持されている。このようなセルチューブ111及び案内管112は、複数本存在し、ヘッダ110に連結され、支持されている。ここで、セルチューブ111は、多孔質の基体管の外周面に燃料電池薄膜を形成された燃焼電池を構成する円筒型セルチューブである。
【0005】
一方、図9を参照して、セルチューブ111の上端部には、筒状をなす集電キャップ113が取付けられている。集電キャップ113は、セルチューブ111の燃料電池と電気的に接続している。また、セルチューブ111の下端部には、シールキャップ114が取付けられ、セルチューブ111が閉塞されている。そして、案内管112から来たガスは、シールキャップ114で折り返し、案内管112の外部であってセルチューブ111の内部に流れる。
【0006】
このような構成をなす燃料電池では、供給室110c内に水素やメタンのような燃料ガス1を供給すると共に、セルチューブ111の外周面に沿って酸素や空気のような酸化剤ガス2を供給する。そうすると、燃料ガス1が各案内管112に対してばらつきの無い流量で流入して、案内管112の先端まで達する。しかる後、燃料ガス1は、セルチューブ111内のシールキャップ114により折り返し、セルチューブ111の他端側から一端側へ向かって流通する。そして、燃料ガス1と酸化剤ガス2がセルチューブ111の前記燃料電池薄膜で電気化学的に反応して電力を発生し、当該電力が集電キャップ113などを介して外部に取出される。
【0007】
発電に供された燃料ガス1の内、余った燃料ガスである使用済みの燃料ガス1は、セルチューブ111の上端と案内管112との隙間から、排出室110d内に送出された後、外部に排出される。一方、発電に供された使用済みの酸化剤ガス2は、図示しない排出管を介して外部に送出される。
【0008】
上述のような円筒型の燃料電池は、支持部分が一点(セルチューブ111と底板110bの連結部分)だけである。従って、熱応力やガスシールに対して対処し易く、作動時における信頼性が高い。その反面、振動や衝撃に対して、その一点に力がかかることになるため、その部分が劣化しやすく、そこから破損し易い、という問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、ガスシール部分に負担をかけない構造の燃料電池システムを提供することである。
【0010】
また、別の目的、筒型の燃料電池が構造的に強くなる燃料電池システムを提供することである。
【0011】
また、別の目的としては、筒型の燃料電池にかかる力が、支持部の一点に集中しない燃料電池システムを提供することである。
【0012】
また、別の目的としては、複数の支持部を有する筒型の燃料電池システムを提供することである。
【0013】
更に別の目的は、筒型の燃料電池を支持する複数点の支持部の相対的な位置がずれた場合でも、セルチューブが破損しない燃料電池システムを提供することである。
【0014】
更に別の目的は、案内管が不要で、内部に流すガスを一方向にのみ流通させる燃料電池システムを提供することである。
【0015】
更に別の目的は、部品点数を削減し、コストを低減することが可能なる燃料電池システムを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本課題を解決するための手段の項における、図番号、符号は、特許請求の範囲と発明の実施の形態との対応を示すために記したものであり、特許請求の範囲の解釈に用いてはならない。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、容器内に設けられ、第一のガス(図1、1)を供給する第一の供給室(図1、8)と、前記容器内に前記第一の供給室(図1、8)から離れて設けられ、前記第一のガス(図1、1)を排出する排出室(図1、9)と、前記容器内に前記第一の供給室(図1、8)と前記排出室(図1、9)との間に隔離されて設けられ、第二のガス(図1、2)を供給する第二の供給室(図1、18)と、基体管の表面に燃料電池セルを形成した燃料電池セル管(図1、3)と、前記第一の供給室(図1、8)と前記排出室(図1、9)との間で前記第一の供給室(図1、8)の近くに設けられ、前記燃料電池セル管(図1、3)を支持する第一の支持体(図1、10−1)と、前記第一の供給室(図1、8)と前記排出室(図1、9)との間で前記排出室(図1、9)の近くに設けられ、前記燃料電池セル管(図1、3)を支持する第二の支持体(図1、10−2)とを具備する。そして、前記燃料電池セル管(図1、3)の一端部は、前記第一の供給室(図1、8)に開放されて接合されている。また、前記燃料電池セル管(図1、3)の他端部は、前記排出室(図1、9)に開放されて接合されている。加えて、前記燃料電池セル管(図1、3)の発電部分は、前記第二の供給室(図1、18)に含まれている。更に、前記第一の支持体(図1、10−1)及び前記第二の支持体(図1、10−2)は、前記容器内に固定されている。
【0018】
また、本発明の燃料電池システムは、前記第一の供給室(図1、8)は、前記第一のガス(図1、1)を供給するガス供給口(図1、8−1)を具備する。前記排出室(図1、9)は、前記第一のガス(図1、1)を排出するガス排出口(図1、9−1)を具備する。そして、前記第一のガス(図1、1)は、前記ガス供給口(図1、8−1)から前記第一の供給室(図1、8)に供給され、前記燃料電池セル管(図1、3)を通過し、前記排出室(図1、9)に入り、前記ガス排出口(図1、9−1)から排出される。
【0019】
更に、本発明の燃料電池システムは、前記第一のガス(図1、1)は燃料ガスである。そして、前記燃料電池セル管(図1、3)の内側に供給される。一方、前記第二のガス(図1、2)は酸化剤ガスである。そして、前記燃料電池セル管(図1、3)の外側に供給される。そして、前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスにより、前記燃料電池セル管(図1、3)で発電を行なう。
【0020】
更に、本発明の燃料電池システムは、前記第一の支持体(図1、10−1)又は前記第二の支持体(図1、10−2)は、断熱材を含む。
【0021】
更に、本発明の燃料電池システムは、前記第一の支持体(図1、10−1)又は前記第二の支持体(図1、10−2)は、耐火材を含む。
【0022】
更に、本発明の燃料電池システムは、前記第一の支持体(図1、10−1)又は前記第二の支持体(図1、10−2)は、ハニカム構造を有する。
【0023】
更に、本発明の燃料電池システムは、前記燃料電池セル管(図1、3)と前記第一の供給室(図1、8)との接合部(図1、4)又は前記燃料電池セル管(図1、3)と前記排出室(図1、9)との接合部(図1、5)のうち少なくとも一つには、ベローズ(図6、11c)を用いる。
【0024】
更に、本発明の燃料電池システムは、前記燃料電池セル管(図1、3)と前記第一の供給室(図1、8)との接合部(図1、4)又は前記燃料電池セル管(図1、3)と前記排出室(図1、9)との接合部(図1、5)のうち少なくとも一つには、金属板(図4、6)(図5、11a/11b)(図7、11d/11e)を用いる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明である燃料電池システムの実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
本実施例において、円筒型の燃料電池の支持構造について2点支持の構造を例に示して説明するが、複数点で支持する構造を適用することも可能である。
【0026】
(実施例1)
では、本発明である燃料電池システムの第一の実施の形態に関して、図面を参照して説明する。
図1は、本発明である燃料電池システムの第一の実施の形態の構成を示す図(断面図)であり、燃料電池20は、燃料電池セル管としてのセルチューブ3、供給側シール部4、排出側シール部5、供給側管板6、排出側管板7、ガス供給口8−1を有する第一の供給室としての供給室8、ガス排出口9−1を有する排出室9、耐火材10−1aと断熱材10−1bとを有する供給室8側の第一の支持体としての支持体A10−1、耐火材10−2aと断熱材10−2bとを有する排出室9側の第二の支持体としての支持体B10−2、第二の供給室としての酸化剤供給室18からなる。なお、図1の構成は、図示しない断熱及びガスリークの安全性を考慮した容器内に設置されている。
【0027】
本発明においては、セルチューブ3は、横置きであり、供給室8側の支持体A10−1及び排出室9側の支持体B10−2によって2点で支持されている。そして、供給室8の供給側シール部4及び排出室9の排出側シール部5の2点でガスシールされている。すなわち、2点でセルチューブを支持しつつ、支持体とは別にシール専用の部材を導入している。従って、従来(図8)の1点支持と比較して、振動や衝撃を2点で、分散して受けることになり、機械的に強い構造となる。加えて、ガスシール部分は、セルチューブ3の荷重を支持する必要が無いため、不要な力がかからず、ガスシールの信頼性が向上する。また、燃料ガス1は、供給室8からセルチューブ3に進入し、排出室9へ排出されるという一方向(ワンスルー)のガスの流れである。従って、案内管が不用となり、従来の場合(図8)と比較して、部品点数を減らせるので、コストの削減と信頼性の向上が可能となる。以上の点が、前述の従来例(図8)と大きく異なる。
【0028】
以下に各構成を詳細に説明する。
燃料電池セル管としてのセルチューブ3は、多孔質セラミックスの基体管の外周面に燃料電池薄膜を形成された、燃焼電池を構成する円筒型の管である。セルチューブ3は、一端側を供給室8(後述)に、他端側を排出室9(後述)に嵌合され、支持されている。そして、一端側が供給室8(後述)と、他端側が排出室9(後述)とガスの出入りが出来るように開放されている。
基体管の長手方向の一定の幅毎に、外周面上に燃料極、電解質、空気極が順に積層され、セルを形成している。それぞれのセル同士は、インターコネクタ膜で接合されている。燃料ガス1が、セルチューブ3内部に供給され、基体管の厚み方向に孔中を拡散し燃料極に達し、セルチューブ3の外側を流れる酸化剤ガス2と共に発電に寄与する。
【0029】
燃料電池セル管と第一の供給室との接合部としての供給側シール部4は、供給室8(後述)の供給側管板6とセルチューブ3が接合している個所である。そして、供給側シール部4は、燃料ガス1及び酸化剤ガス2がリークしないように、ガスをシールする部分である。応力などによる位置ずれや、振動や衝撃を吸収することが可能なように、ベローズや薄い金属板のような柔軟性のある部材を使用する。また、ガスタイト性を確保するために、充填剤を用いて、リークを完全に抑えるようにすることも可能である。詳細は後述する。
【0030】
燃料電池セル管と排出室9との接合部としての排出側シール部5は、排出室9(後述)の排出側管板7とセルチューブ3が接合している個所である。そして、排出側シール部5は、燃料ガス1及び酸化剤ガス2がリークしないように、ガスをシールする部分である。応力などによる位置ずれや、振動や衝撃を吸収することが可能なように、ベローズや薄い金属板のような柔軟性のある部材を使用する。また、ガスタイト性を確保するために、充填剤を用いて、リークを完全に抑えるようにすることも可能である。詳細は後述する。
【0031】
第一の供給室としての供給室8は、セルチューブ3の一端部にあり、中空の直方体や円柱状等の形をしているガス分配室である。本実施例では、直方体である。内部にガスの流れを整える整流板のような機構(図示せず)が付属している場合も有る。一方の面は供給側管板6(後述)であり、セルチューブ3が取付けられている。セルチューブ3は、供給室8に入った燃料ガス1がセルチューブ3へ供給されるように供給側管板6と連結、接合している。複数存在する各セルチューブ3へ、均等に燃料ガス1を供給する、ステンレスや耐熱合金などの金属製の室である。
そして、ガスの供給を受けるためのガス供給口8−1を有する。ガスは燃料ガス1(後述)である。
【0032】
排出室9は、セルチューブ3の他端部にあり、中空の直方体や円柱状等の形をしているガス分配室である。本実施例では、直方体である。内部にガスの流れを整える整流板のような機構(図示せず)が付属している場合も有る。一方の面は排出側管板7(後述)であり、セルチューブ3が取付けられている。セルチューブ3は、セルチューブ3から排出される使用済み燃料ガス1を収集可能なように排出側管板7と連結、接合している。ステンレスや耐熱合金などの金属製の室である。
そして、ガスの排出を行なうためのガス排出口9−1を有する。ガスは燃料ガス1(後述)である。
【0033】
第二の供給室としての酸化剤供給室18は、供給室8と排出室9との間にあり、それらと隔離され、セルチューブ3を含んでいる。セルチューブ3に酸化剤ガスを供給する部屋である。そして、内部の供給側管板6及び排出側管板7の近傍に、支持体10を固定している。ステンレスや耐熱合金などの金属製の室である。
【0034】
なお、第一のガスとしての燃料ガス1は、水素、メタン、あるいは、プロパン等の有機炭化水素の改質ガスと水蒸気との混合ガスである。
また、第二のガスとしての酸化剤ガスは、酸素、空気、あるいはそれらを含む混合ガスである。
【0035】
供給側管板6は、供給室8の一方の面の板であり、セルチューブ3を接続するための穴が(セルチューブ3の数だけ)開口している。セルチューブ3と、セルチューブ3の一端部でガスの出入りが出来るように連結し、接合している。接合部分は、供給側シール部4であり、供給側管板6とセルチューブ3との隙間からガスがリークしないように、適切にシールしている。ステンレスや耐熱合金などの薄い金属製の板を使用する。
【0036】
排出側管板7は、排出室9の一方の面の板であり、セルチューブ3を接続するための穴が(セルチューブ3の数だけ)開口している。セルチューブ3と、セルチューブ3の他端部でガスの出入りが出来るように連結し、可動的に接合している。接合部分は、排出側シール部5であり、排出側管板7とセルチューブ3との隙間からガスがリークしないように、適切にシールしている。ステンレスや耐熱合金などの薄い金属製の板を使用する。
【0037】
第一の支持体としての支持体A10−1は、耐火材10−1a及び断熱材10−1bを有し、セルチューブ3を供給室8の側で支持するための支持体である。それと同時に、セルチューブ3の発電側(セルチューブ3が発電を行なうセルチューブ3の両端(支持及びガスシールを行なう部分)を除いた燃料電池薄膜が形成されている部分、以下同じ)の熱を遮蔽する目的もある。容器(図示せず)内の酸化材供給室18に設けられ、固定されている。
【0038】
支持体A10−1の供給室8側は、断熱材10−1bであり、セルチューブ3の支持に加えて、セルチューブ3の発電側の熱を遮断し、供給側シール部4を熱的に保護する。材料としては、多孔質シリカ、多孔質アルミナ、石英ガラスウールなどである。
支持体A10−1の断熱材10−1bと反対の側は、耐火材10−1aであり、セルチューブ3の支持に加えて、セルチューブ3の発電側の熱を遮断し、断熱材10−1bへの熱の進入を少なくする。材料としては、シリカ、アルミナ、マグネシアなどを主成分とする耐火レンガ等である。
【0039】
第二の支持体としての支持体B10−2は、耐火材10−2a及び断熱材10−2bを有し、セルチューブ3を排出室9の側で支持するための支持体である。
それと同時に、セルチューブ3の発電側の熱を遮蔽する目的もある。容器(図示せず)内の酸化材供給室18に設けられ、固定されている。
支持体B10−2の排出室8側は、断熱材10−2bであり、セルチューブ3の支持に加えて、セルチューブ3の発電側の熱を遮断し、排出側シール部5を熱的に保護する。材料としては、多孔質シリカ、多孔質アルミナ、石英ガラスウールなどである。
支持体B10−2の断熱材10−2bと反対の側は、耐火材10−2aであり、セルチューブ3の支持に加えて、セルチューブ3の発電側の熱を遮断し、断熱材10−2bへの熱の進入を少なくする。材料としては、シリカ、アルミナ、マグネシアなどを主成分とする耐火レンガ等である。
【0040】
図2を参照して、支持体A10−1及び支持体B10−2(以下、「支持体10」ともいう)について、更に説明する。
図2は、支持体10の平面図(図1の左側(排出室9側)又は右側(供給室8側)から見た図)である。図1は断面図であるので、支持体10が分裂しているように描かれている。しかし、支持体10は、図2に示すように本実施例では、一つの部材として製造されたものである。
また、本実施例においては、燃料電池20は、9本のセルチューブ3を有する燃料電池である。支持体10は、直方体の断熱材10−1b又は断熱材10−2b(以下、「断熱材10b」ともいう)と、同じ平面形状の直方体の耐火材10−1a又は耐火材10−2a(以下、「耐火材10−1a」ともいう)とが積層され、セルチューブ3を通す穴であるセル支持部10cがセルチューブ3の数(9本)だけ貫通し、開口した構造である。セル支持部10cの直径は、セルチューブ3の直径よりもやや大きい程度である。すなわち、熱などによるセルチューブ3のずれ、セルチューブ3の受ける振動及び衝撃に関する予測に基づいて、セルチューブ3に無理な力がかからない大きさの直径である。
支持体10は、酸化剤供給室18内の、供給側管板6及び排出側管板7の近傍に固定されている。そして、セルチューブ3上の両端部の燃料電池薄膜が無い部分において、セルチューブ3を支持している。
【0041】
次に、図4を参照して、供給側シール部4及び排出側シール部5について説明する。基本的に、供給側シール部4と排出側シール部5とは、同一の構造で良いので、供給側シール部4についてのみ説明する。
図4(a)は、供給側シール部4及びその周辺部を示す図(断面図)である。セルチューブ3の一端側、シール部6−1及び保持部6−2を有する供給側管板6(の供給側シール部4近傍)、耐火材10−1aと断熱材10−1bとセル支持部10cとを有する支持体A10−1、供給側集電キャップ12、充填剤14からなる。
【0042】
供給側集電キャップ12は、セルチューブ3の一端部に接合している筒状の端子である。セルチューブ3の燃料電池の一方の極であり、燃料電池を外部と電気的に接続するための端子でもある。ステンレスなどの金属を使用し、その下部に取出し電線を接続する。
【0043】
支持体A10−1は、耐火材10−1aと断熱材10−1bとセル支持部10cとを有する。セルチューブ3は、支持体A10−1によりセル支持部10cにおいて支持される。図4(a)において、セル支持部10cに隙間があるのは、セル支持部10cの直径が、セルチューブ3の直径よりもやや大きい程度(前述)であるからである。その場合、セルチューブ3の支持は、セルチューブ3から見て下側のセル支持部10cの面で行なう。別の支持方法として、ガラスウールや石綿のような耐熱性で変形容易な(あるいは弾性体のような性質を持つ)材料をその隙間に埋め込む、などで実施可能である。支持体A10−1のその他の詳細は図1及び図2における説明の通りであるので省略する。
【0044】
本実施例では、供給側管板6そのもの(セルチューブ3を通す穴の部分)が、供給側シール部4を形成し、ガスシールを行なう。供給側管板6のセルチューブ3を通す穴の直径を、セルチューブ3の直径より、やや小さくする。すなわち、図4(a)で示すように供給側管板6の穴部にセルチューブ3を通した時、供給側管板6の穴部の内周部分(シール部6−1)が、セルチューブ3を通した方向に内側に変形し、セルチューブ3の外周部とシール部6−1が密着する程度である。供給側管板6の穴部の内側部分であるシール部6−1は、セルチューブ3と密接する際、供給室側への湾曲に伴うシール部6−1の弾性力により密着し、ガスシール性を発揮する。それと同時に、保持部6−2及びシール部6−1の弾性力により可動性、振動及び衝撃吸収性が発揮される。ステンレスなどの薄い金属の板を使用する。
【0045】
供給側管板6(薄い金属板)は、その伸縮自在性により、セルチューブ3の長手方向に可動である他、セルチューブ3の径方向や、それらを併せた斜め方向方向にもある程度の範囲まで可動である。
また、供給側管板6は、それと同時に、供給室8の燃料ガス1と、供給室8の外側の酸化剤ガス2との間をガスシールする。その時、下記の充填材14も利用する。供給側管板6の他の部分は図1で示した供給側管板6と同一であるのでその説明は省略する。
【0046】
充填材14は、セルチューブ3と供給側管板6の穴部とが接触する付近の隙間がある可能性がある領域に充填されるガスシール材である。その隙間を埋め、供給室8の燃料ガス1と、供給室8の外側の酸化剤ガス2との間をガスシールする。その周辺の最高使用温度に合わせたハンダや、ガラス材料、最高使用温度がそれほど高く無い場合には、樹脂などが使用できる。
【0047】
セルチューブ3は、図1のセルチューブ3と同一であるので説明は省略する。ただし、図中には、燃料電池部分及びその引き出し電極部分を示していない。
【0048】
では、本発明である燃料電池システムの第一の実施の形態の動作に関して、図面を参照して説明する。
図1を参照して、このような構成をなす燃料電池において、供給室8内に水素やメタンのような燃料ガス1がガス供給口8−1から供給される。それと共に、酸化剤供給室18内のセルチューブ3の外周面に沿って酸素や空気のような酸化剤ガス2が供給される。そうすると、燃料ガス1は、各セルチューブ3に対してばらつきの無い流量で流入して、基体管内を一方向に流れる。すなわち、セルチューブ3の一端側から他端側へ向かって一方向に流通する(ワンスルー)。そして、燃料ガス1と酸化剤ガス2がセルチューブ3の燃料電池薄膜(図示せず)で電気化学的に反応して電力を発生し、当該電力が集電キャップ(供給側集電キャップ12など)を介して外部に取出される。
【0049】
発電に供された燃料ガス1の内、余った燃料ガスである使用済みの燃料ガス1は、セルチューブ3を通り抜けて排出室9に達する。そこで、他のセルチューブからの使用済み燃料ガス1とまとめられて、ガス排出口9−1から外部に排出される。一方、発電に供された使用済みの酸化剤ガス2は、排出管を介して外部に送出される。
【0050】
原則的に、図1に示すような、セルチューブ3を一端部の供給側シール部4と他端部の排出側シール部5でシールする場合には、供給側シール部4の水平方向の位置に排出側シール部5が来るように設計されている。しかし、燃料電池始動時又は停止時、あるいは、何らかの原因でセルチューブ3の一端部周辺と他端部周辺との間などで温度差が生じた場合や衝撃や振動が発生した場合など、供給側シール部4の水平方向の位置から排出側シール部5がずれることがありうる。しかしその場合でも、供給側管板6の穴部(薄い金属板)及び排出側管板7の穴部(薄い金属板)で、その位置のずれを吸収できるので、セルチューブ3が損傷を受けることが無い。
【0051】
また、支持体A10−1と支持体B10−2との二点支持なので、一点だけの支持の場合に比べて、各段に耐衝撃性が向上している。加えて、供給側管板6及び排出側管板7には薄い金属板を用いているので、上下、前後左右、斜め上下方向の強い衝撃や振動に対しても、供給側管板6及び排出側管板7の緩衝性により、それらを緩和、吸収することが出来る。すなわち、構造的に強く、セルチューブ3が破損し難く、損傷を受けることが無い。
【0052】
また、ガスは、一方向に流れるだけで良いので、案内管112(従来の技術の項及び図8参照)を用いる必要が無く、セルチューブ3及びその周辺部分の構造を簡単にすることが出来る。すなわち、部品点数を減らすことが出来、コストの削減につながる。加えて、部品点数が減ることにより、部品相互で拘束し合う関係が減少する為、設計の自由度の向上や部品の破損等の問題が減り、全体としての信頼性の向上にもつながる。
【0053】
また、本実施例において、図4(a)のほかに、図4(b)のような構造でも、同様の効果を得ることが可能である。図4(b)は、供給側シール部4及びその周辺部を示す図(断面図)である。セルチューブ3の一端側、シール部6−1及び保持部6−2を有する供給側管板6(の供給側シール部4近傍)、耐火材10−1aと断熱材10−1bとセル支持部10cとを有する支持体A10−1、供給側集電キャップ12、充填剤14からなる。供給側管板6のシール部6−1の穴部の反る方向が、図4(a)の場合と逆である点が、本実施例と異なる。しかし、基本的な構成及び効果は同様である。
【0054】
(実施例2)
では、本発明である燃料電池システムの第二の実施の形態に関して、図面を参照して説明する。
図1は、本発明である燃料電池システムの第二の実施の形態の構成を示す図(断面図)であり、燃料電池20は、燃料電池セル管としてのセルチューブ3、供給側シール部4、排出側シール部5、供給側管板6、排出側管板7、ガス供給口8−1を有する第一の供給室としての供給室8、ガス排出口9−1を有する排出室9、耐火材10−1aと断熱材10−1bとを有する供給室8側の第一の支持体としての支持体A10−1、耐火材10−2aと断熱材10−2bとを有する排出室9側の第二の支持体としての支持体B10−2、第二の供給室としての酸化剤供給室18からなる。なお、図1の構成は、図示しない断熱及びガスリークの安全性を考慮した容器内に設置されている。
【0055】
また、図5は供給側シール部4びその周辺部の構成を示す図(断面図)である。セルチューブ3(の一端側)、供給側管板6(の供給側シール部4近傍)、耐火材10−1aと断熱材10−1bとを有する供給室8側の支持体A10−1、シール部11a−1及び保持部11a−2を有する可動シール部A11a、供給側集電キャップ12、充填材14からなる。
本実施例においては、供給側シール部4及び排出側シール部5の構造が、図5に示すような可動シール部A11aを用いる点が、実施例1と異なる。
【0056】
以下に各構成を詳細に説明する。
図1における燃料電池セル管としてのセルチューブ3、供給側シール部4、排出側シール部5、供給側管板6、排出側管板7、ガス供給口8−1を有する供給室8、ガス排出口9−1を有する排出室9、耐火材10−1aと断熱材10−1bとを有する供給室8側の支持体A10−1、耐火材10−2aと断熱材10−2bとを有する排出室9側の支持体B10−2、酸化剤供給室18は、実施例1と同様であるので、その説明を省略する。
【0057】
次に、図5(a)を参照して、供給側シール部4及び排出側支持部5について説明する。基本的に、供給側シール部4と排出側シール部5とは、同一の構造で良いので、供給側シール部4についてのみ説明する。
図5(a)は、供給側シール部4及びその周辺部を示す図(断面図)である。
セルチューブ3(の一端側)、供給側管板6(の供給側シール部4近傍)、耐火材10−1aと断熱材10−1bとを有する供給室8側の支持体A10−1、シール部11a−1及び保持部11a−2を有する可動シール部A11a、供給側集電キャップ12、充填材14からなる。
【0058】
供給側集電キャップ12は、セルチューブ3の一端部に接合している筒状の端子である。セルチューブ3の燃料電池の一方の極であり、燃料電池を外部と電気的に接続するための端子でもある。ステンレスなどの金属を使用し、その下部に取出し電線を接続する。
【0059】
可動シール部A11aは、シール部11a−1及び保持部11a−2を有し、セルチューブ3の一端側を供給側管板6に可動的に支持させるための、薄い金属板である。可動シール部A11aは、薄いリング状のステンレスなどの金属の板を使用する。
【0060】
可動シール部A11aのリングの内径は、セルチューブ3の直径よりも若干小さい程度である。すなわち、図5(a)で示すように可動シール部A11aにセルチューブ3を通した時、可動シール部A11aの穴部の内周部分が、セルチューブ3を通した方向に内側に変形し、セルチューブ3の外周部と可動シール部A11aの内側部分が密着する程度である。可動シール部A11aの内側部分であるシール部11a−1は、セルチューブ3と密接する際、供給室側への湾曲に伴うシール部11a−1の弾性力により密着し、ガスシール性を発揮する。それと同時に、保持部11a−2及びシール部11a−1の弾性力により可動性、振動及び衝撃吸収性が発揮される。
【0061】
外径は、供給側管板6のセルチューブ3を通す穴の直径よりもやや大きい程度である。すなわち、供給側管板6と可動シール部A11aの保持部11a−2(可動シール部A11aのシール部11a−1以外の部分)との重なり部分で、可動シール部A11aを供給側管板6に適切な手法(ねじ止め、溶接、ハンダ、接着等)で取付け可能な程度である。
【0062】
可動シール部A11aの薄い金属板は、その伸縮自在性により、セルチューブ3の長手方向に可動である他、セルチューブ3の径方向や、それらを併せた斜め方向についてもある程度の範囲まで可動である。
また、可動シール部A11aは、それと同時に、供給室8の燃料ガス1と、供給室8の外側の酸化剤ガス2との間をガスシールする。その時、下記の充填材14も利用する。
【0063】
充填材14は、セルチューブ3と可動シール部A11aとが接触する付近の隙間がある可能性がある領域に充填されるガスシール材である。その隙間を埋め、供給室8の燃料ガス1と、排出室9の外側の酸化剤ガス2との間をガスシールする。その周辺の最高使用温度に合わせたハンダや、ガラス材料、最高使用温度がそれほど高く無い場合には、樹脂などが使用できる。
【0064】
支持体A10−1及びセルチューブ3は、実施例1と同様であるので説明は省略する。ただし、図中には、燃料電池部分及びその引き出し電極部分を示していない。
供給側管板6は、実施例1の図1の説明で示した供給側管板6と同一であるのでその説明は省略する。
【0065】
では、本発明である燃料電池システムの第二の実施の形態の動作に関して、図面を参照して説明する。
図1を参照して、このような構成をなす燃料電池において、供給室8内に水素やメタンのような燃料ガス1がガス供給口8−1から供給される。それと共に、酸化剤供給室18内のセルチューブ3の外周面に沿って酸素や空気のような酸化剤ガス2が供給される。そうすると、燃料ガス1は、各セルチューブ3に対してばらつきの無い流量で流入して、基体管内を一方向に流れる。すなわち、セルチューブ3の一端側から他端側へ向かって一方向に流通する(ワンスルー)。そして、燃料ガス1と酸化剤ガス2がセルチューブ3の燃料電池薄膜(図示せず)で電気化学的に反応して電力を発生し、当該電力が集電キャップ(供給側集電キャップ12など)を介して外部に取出される。
【0066】
発電に供された燃料ガス1の内、余った燃料ガスである使用済みの燃料ガス1は、セルチューブ3を通り抜けて排出室9に達する。そこで、他のセルチューブからの使用済み燃料ガス1とまとめられて、ガス排出口9−1から外部に排出される。一方、発電に供された使用済みの酸化剤ガス2は、排出管を介して外部に送出される。
【0067】
原則的に、図1に示すような、セルチューブ3を一端部の供給側シール部4と他端部の排出側シール部5でシールする場合には、供給側シール部4の水平方向の位置に排出側シール部5が来るように設計されている。しかし、燃料電池始動時又は停止時、あるいは、何らかの原因でセルチューブ3の一端部周辺と他端部周辺との間などで温度差が生じた場合や衝撃や振動が発生した場合など、供給側シール部4の水平方向の位置から排出側シール部5がずれることがありうる。しかしその場合でも、供給側シール部4及び排出側シール部5の可動シール部(薄い金属板)の伸縮自在性により、その上下方向や前後左右の横方向、斜め上方又は下方位置のずれを吸収できるので、セルチューブ3が損傷を受けることが無い。
【0068】
また、支持体A10−1と支持体B10−2との二点支持なので、一点だけの支持の場合に比べて、各段に耐衝撃性が向上している。加えて、供給側シール部4及び排出側シール部5の可動シール部(薄い金属板)を用いているので、上下、前後左右、斜め上下方向の強い衝撃や振動に対しても、可動シール部(薄い金属板)の緩衝性により、それらを緩和、吸収することが出来る。すなわち、構造的に強く、セルチューブ3が破損し難く、損傷を受けることが無い。
【0069】
また、ガスは、一方向に流れるだけで良いので、案内管112(従来の技術の項及び図8参照)を用いる必要が無く、セルチューブ3及びその周辺部分の構造を簡単にすることが出来る。すなわち、部品点数を減らすことが出来、コストの削減につながる。加えて、部品点数が減ることにより、部品相互で拘束し合う関係が減少する為、設計の自由度の向上や部品の破損等の問題が減り、全体としての信頼性の向上にもつながる。
【0070】
また、本実施例において、図5(a)のほかに、図5(b)のような構造でも、同様の効果を得ることが可能である。図5(b)は、供給側シール部4及びその周辺部を示す図(断面図)である。セルチューブ3(の一端側)、供給側管板6(の供給側シール部4近傍)、耐火材10−1aと断熱材10−1bとを有する供給室8側の支持体A10−1、シール部11b−1及び保持部11b−2を有する可動シール部B11b、供給側集電キャップ12、充填材14からなる。
可動シール部B11bのシール部11b−1の反る方向が、可動シール部A11aのシール部11a−1と逆である点が、本実施例と異なる。しかし、基本的な構成及び効果は同様である。
【0071】
(実施例3)
では、本発明である燃料電池システムの第三の実施の形態に関して、図面を参照して説明する。
図1は、本発明である燃料電池システムの第三の実施の形態の構成を示す図(断面図)であり、燃料電池20は、燃料電池セル管としてのセルチューブ3、供給側シール部4、排出側シール部5、供給側管板6、排出側管板7、ガス供給口8−1を有する第一の供給室としての供給室8、ガス排出口9−1を有する排出室9、耐火材10−1aと断熱材10−1bとを有する供給室8側の第一の支持体としての支持体A10−1、耐火材10−2aと断熱材10−2bとを有する排出室9側の第二の支持体としての支持体B10−2、第二の供給室としての酸化剤供給室18からなる。なお、図1の構成は、図示しない断熱及びガスリークの安全性を考慮した容器内に設置されている。
【0072】
また、図6は供給側シール部4びその周辺部の構成を示す図(断面図)である。セルチューブ3(の一端側)、供給側管板6(の供給側シール部4近傍)、耐火材10−1aと断熱材10−1bとを有する供給室8側の支持体A10−1、チューブ側取付部11c−1と可動部11c−2と管板側取付部11c−3とを有する可動シール部C11c、供給側集電キャップ12、供給側シールリング13からなる。
本実施例においては、供給側シール部4及び排出側シール部5の構造が、図6に示すような可動シール部C11cを用いる点が、実施例1と異なる。
【0073】
以下に各構成を詳細に説明する。
図1における燃料電池セル管としてのセルチューブ3、供給側シール部4、排出側シール部5、供給側管板6、排出側管板7、ガス供給口8−1を有する供給室8、ガス排出口9−1を有する排出室9、耐火材10−1aと断熱材10−1bとを有する供給室8側の支持体A10−1、耐火材10−2aと断熱材10−2bとを有する排出室9側の支持体B10−2、酸化剤供給室18は、実施例1と同様であるので、その説明を省略する。
【0074】
次に、図6は、供給側シール部4及びその周辺部を示す図(断面図)である。
セルチューブ3(の一端側)、供給側管板6(の供給側シール部4近傍)、耐火材10−1aと断熱材10−1bとを有する供給室8側の支持体A10−1、チューブ側取付部11c−1と可動部11c−2と管板側取付部11c−3とを有する可動シール部C11c、供給側集電キャップ12、供給側シールリング13からなる。
【0075】
供給側集電キャップ12は、セルチューブ3の一端部に接合している筒状の端子である。セルチューブ3の燃料電池の一方の極であり、燃料電池を外部と電気的に接続するための端子でもある。ステンレスなどの金属を使用し、その下部に取出し電線を接続する。
【0076】
可動シール部C11cは、チューブ側取付部11c−1と可動部11c−2と管板側取付部11c−3とを有し、セルチューブ3の一端側を供給側管板6に可動的に支持させるための、ベローズである。ステンレスなどの薄い金属の板を使用する。可動シール部C11cは、側面の可動部11c−2が蛇腹状の円柱で、セルチューブ3の円筒直径よりも直径が大きい。
【0077】
可動シール部C11cは、セルチューブ3と同軸をなし、セルチューブ3の一端部を囲むように配置される。そして、可動シール部C11cの一端のチューブ側取付部11c−1とセルチューブ3の一端部の供給側シールリング13(後述)とが同軸をなして、チューブ側取付部11c−1で接合している。また、可動シール部C11cの他端の管板側取付部11c−3は、供給側管板6と、セルチューブ3が供給側管板6を貫通する穴を囲むように同軸をなして、管板側取付部11c−3で接合している。
【0078】
ベローズは、その可動部11c−2の伸縮自在性により、セルチューブ3の長手方向に可動である他、蛇腹の形状によりセルチューブ3の径方向や、それらを併せた斜め方向にも可動である。また、ベローズは、その可動部11c−2の緩衝性により、振動や衝撃を緩和、吸収することが出来る。
可動シール部C11cは、それと同時に、供給室8の燃料ガス1と、供給室8の外側の酸化剤ガス2との間をガスシールする。
【0079】
供給側シールリング13は、可動シール部C11cの一端のチューブ側取付部11c−1と供給側集電キャップ12との間にある。セルチューブ3を供給側管板6に、可動シール部C11cにより支持させる際、可動シール部C11cと供給側集電キャップ12とを電気的に絶縁させるために用いる。それと同時に、供給室8の燃料ガス1と、供給室8の外側の酸化剤ガス2との間をガスシールするためのシール部材でもある。アルミナやジルコニア、マグネシアスピネルのようなセラミックス製、又はガラス製が考えられる。
【0080】
支持体A10−1及びセルチューブ3は、実施例1と同様であるので説明は省略する。ただし、図中には、燃料電池部分及びその引き出し電極部分を示していない。
供給側管板6は、実施例1の図1の説明で示した供給側管板6と同一であるのでその説明は省略する。
【0081】
では、本発明である燃料電池システムの第三の実施の形態の動作に関して、図面を参照して説明する。
図1を参照して、このような構成をなす燃料電池において、供給室8内に水素やメタンのような燃料ガス1がガス供給口8−1から供給される。それと共に、酸化剤供給室18内のセルチューブ3の外周面に沿って酸素や空気のような酸化剤ガス2が供給される。そうすると、燃料ガス1は、各セルチューブ3に対してばらつきの無い流量で流入して、基体管内を一方向に流れる。すなわち、セルチューブ3の一端側から他端側へ向かって一方向に流通する(ワンスルー)。そして、燃料ガス1と酸化剤ガス2がセルチューブ3の燃料電池薄膜(図示せず)で電気化学的に反応して電力を発生し、当該電力が集電キャップ(供給側集電キャップ12など)を介して外部に取出される。
【0082】
発電に供された燃料ガス1の内、余った燃料ガスである使用済みの燃料ガス1は、セルチューブ3を通り抜けて排出室9に達する。そこで、他のセルチューブからの使用済み燃料ガス1とまとめられて、ガス排出口9−1から外部に排出される。一方、発電に供された使用済みの酸化剤ガス2は、排出管を介して外部に送出される。
【0083】
原則的に、図1に示すような、セルチューブ3を一端部の供給側シール部4と他端部の排出側シール部5でシールする場合には、供給側シール部4の水平方向の位置に排出側シール部5が来るように設計されている。しかし、燃料電池始動時又は停止時、あるいは、何らかの原因でセルチューブ3の一端部周辺と他端部周辺との間などで温度差が生じた場合や衝撃や振動が発生した場合など、供給側シール部4の水平方向の位置から排出側シール部5がずれることがありうる。しかしその場合でも、可動シール部C11c(ベローズ)の伸縮自在性により、その上下方向や前後左右の横方向、斜め上方又は下方位置のずれを吸収できるので、セルチューブ3が損傷を受けることが無い。
【0084】
また、支持体A10−1と支持体B10−2との二点支持なので、一点だけの支持の場合に比べて、各段に耐衝撃性が向上している。加えて、供給側シール部4及び排出側シール部5の可動シール部(ベローズ)を用いているので、上下、前後左右、斜め上下方向の強い衝撃や振動に対しても、可動シール部の可動部の緩衝性により、それらを緩和、吸収することが出来る。すなわち、構造的に強く、セルチューブ3が破損し難く、損傷を受けることが無い。
【0085】
また、ガスは、一方向に流れるだけで良いので、案内管112(従来の技術の項及び図8参照)を用いる必要が無く、セルチューブ3及びその周辺部分の構造を簡単にすることが出来る。すなわち、部品点数を減らすことが出来、コストの削減につながる。加えて、部品点数が減ることにより、部品相互で拘束し合う関係が減少する為、設計の自由度の向上や部品の破損等の問題が減り、全体としての信頼性の向上にもつながる。
【0086】
(実施例4)
では、本発明である燃料電池システムの第四の実施の形態に関して、図面を参照して説明する。
図1は、本発明である燃料電池システムの第四の実施の形態の構成を示す図(断面図)であり、燃料電池20は、燃料電池セル管としてのセルチューブ3、供給側シール部4、排出側シール部5、供給側管板6、排出側管板7、ガス供給口8−1を有する第一の供給室としての供給室8、ガス排出口9−1を有する排出室9、耐火材10−1aと断熱材10−1bとを有する供給室8側の第一の支持体としての支持体A10−1、耐火材10−2aと断熱材10−2bとを有する排出室9側の第二の支持体としての支持体B10−2、第二の供給室としての酸化剤供給室18からなる。なお、図1の構成は、図示しない断熱及びガスリークの安全性を考慮した容器内に設置されている。
【0087】
また、図7は供給側シール部4びその周辺部の構成を示す図(断面図)である。セルチューブ3(の一端側)、供給側管板6(の供給側シール部4近傍)、耐火材10−1aと断熱材10−1bとを有する供給室8側の支持体A10−1、シール部11d−1及び保持部11d−2を有する可動シール部D11d、供給側集電キャップ12、充填材14からなる。
本実施例においては、供給側シール部4及び排出側シール部5の構造が、図7に示すような可動シール部D11dを用いる点が、実施例1と異なる。
【0088】
以下に各構成を詳細に説明する。
図1における燃料電池セル管としてのセルチューブ3、供給側シール部4、排出側シール部5、供給側管板6、排出側管板7、ガス供給口8−1を有する供給室8、ガス排出口9−1を有する排出室9、耐火材10−1aと断熱材10−1bとを有する供給室8側の支持体A10−1、耐火材10−2aと断熱材10−2bとを有する排出室9側の支持体B10−2、酸化剤供給室18は、実施例1と同様であるので、その説明を省略する。
【0089】
次に、図7(a)を参照して、供給側シール部4及び排出側支持部5について説明する。基本的に、供給側シール部4と排出側シール部5とは、同一の構造で良いので、供給側シール部4についてのみ説明する。
図7(a)は、供給側シール部4及びその周辺部を示す図(断面図)である。
セルチューブ3(の一端側)、供給側管板6(の供給側シール部4近傍)、耐火材10−1aと断熱材10−1bとを有する供給室8側の支持体A10−1、シール部11d−1及び保持部11d−2を有する可動シール部D11d、供給側集電キャップ12からなる。
【0090】
供給側集電キャップ12は、セルチューブ3の一端部に接合している筒状の端子である。セルチューブ3の燃料電池の一方の極であり、燃料電池を外部と電気的に接続するための端子でもある。ステンレスなどの金属を使用し、その下部に取出し電線を接続する。
【0091】
可動シール部D11dは、シール部11d−1及び保持部11d−2を有し、セルチューブ3の一端部を排出側管板7に可動的に支持させるための、薄い金属板である。可動シール部D11dは、薄いリング状のステンレスなどの金属の板を使用する。
【0092】
可動シール部D11dのリングの内径は、セルチューブ3の直径よりも若干小さい程度である。すなわち、図7(a)で示すように可動シール部D11dにセルチューブ3を通した時、可動シール部D11dの穴部の内周部分が、セルチューブ3を通した方向に内側に変形し、セルチューブ3の外周部と可動シール部D11dの内側部分が密着する程度である。可動シール部D11dは、焼きばめの手法(熱した可動シール部D11dの穴に、可動シール部D11dよりも低温のセルチューブ3を差込み、可動シール部D11dの熱収縮で密着させる)で取り付ける。その際、可動シール部D11dの内側部分であるシール部11d−1は、供給室側への熱収縮に伴うシール部11d−1の弾性力により密着し、ガスシール性を発揮する。それと同時に、保持部11d−2の弾性力により可動性、振動及び衝撃吸収性が発揮される。
【0093】
外径は、供給側管板6のセルチューブ3を通す穴の直径よりもやや大きい程度である。すなわち、供給側管板6と可動シール部D11d保持部11d−2(可動シール部D11dのシール部11d−1以外の部分)との重なり部分で、可動シール部D11dを供給側管板6に適切な手法(ねじ止め、溶接、ハンダ、接着等)で取付け可能な程度である。ステンレスなどの金属を使用する。
【0094】
可動シール部D11d(薄い金属板)は、その伸縮自在性により、セルチューブ3の長手方向に可動である他、セルチューブ3の径方向や、それらを併せた斜め方向にもある程度の範囲まで可動である。そして、セルチューブ3は、可動的に供給側管板6に支持される。
また、可動シール部D11dは、それと同時に、供給室8の燃料ガス1と、供給室8の外側の酸化剤ガス2との間をガスシールするためのシール部材でもある。
【0095】
支持体A10−1及びセルチューブ3は、実施例1と同様であるので説明は省略する。ただし、図中には、燃料電池部分及びその引き出し電極部分を示していない。
供給側管板6は、実施例1の図1の説明で示した供給側管板6と同一であるのでその説明は省略する。
【0096】
では、本発明である燃料電池システムの第四の実施の形態の動作に関して、図面を参照して説明する。
図1を参照して、このような構成をなす燃料電池において、供給室8内に水素やメタンのような燃料ガス1がガス供給口8−1から供給される。それと共に、セルチューブ3の外周面に沿って酸素や空気のような酸化剤ガス2が供給される。そうすると、燃料ガス1は、各セルチューブ3に対してばらつきの無い流量で流入して、基体管内を一方向に流れる。すなわち、セルチューブ3の一端側(上端側)から他端側(下端側)へ向かって一方向に流通する(ワンスルー)。そして、燃料ガス1と酸化剤ガス2がセルチューブ3の燃料電池薄膜(図示せず)で電気化学的に反応して電力を発生し、当該電力が集電キャップ(供給側集電キャップ12など)を介して外部に取出される。
【0097】
発電に供された燃料ガス1の内、余った燃料ガスである使用済みの燃料ガス1は、セルチューブ3を通り抜けて排出室9に達する。そこで、他のセルチューブからの使用済み燃料ガス1とまとめられて、ガス排出口9−1から外部に排出される。一方、発電に供された使用済みの酸化剤ガス2は、排出管を介して外部に送出される。
【0098】
原則的に、図1に示すような、セルチューブ3を一端部の供給側シール部4と他端部の排出側シール部5でシールする場合には、供給側シール部4の水平方向の位置に排出側シール部5が来るように設計されている。しかし、燃料電池始動時又は停止時、あるいは、何らかの原因でセルチューブ3の一端部周辺と他端部周辺との間などで温度差が生じた場合や衝撃や振動が発生した場合など、供給側シール部4の水平方向の位置から排出側シール部5がずれることがありうる。しかしその場合でも、供給側シール部4及び排出側シール部5の可動シール部(薄い金属板)の伸縮自在性により、その上下方向や前後左右の横方向、斜め上方又は下方位置のずれを吸収できるので、セルチューブ3が損傷を受けることが無い。
【0099】
また、支持体A10−1と支持体B10−2との二点支持なので、一点だけの支持の場合に比べて、各段に耐衝撃性が向上している。加えて、供給側シール部4及び排出側シール部5の可動シール部(薄い金属板)を用いているので、上下、前後左右、斜め上下方向の強い衝撃や振動に対しても、可動シール部(薄い金属板)の緩衝性により、それらを緩和、吸収することが出来る。すなわち、構造的に強く、セルチューブ3が破損し難く、損傷を受けることが無い。
【0100】
また、ガスは、一方向に流れるだけで良いので、案内管112(従来の技術の項及び図7参照)を用いる必要が無く、セルチューブ3及びその周辺部分の構造を簡単にすることが出来る。すなわち、部品点数を減らすことが出来、コストの削減につながる。加えて、部品点数が減ることにより、部品相互で拘束し合う関係が減少する為、設計の自由度の向上や部品の破損等の問題が減り、全体としての信頼性の向上にもつながる。
【0101】
また、ガスが一方向に流れるので、セルチューブ3の上部に設置していた排出室9を下側に設置することが可能となる。従って、セルチューブ3の本数を増加し、燃料電池システムを大型化した場合でも、従来型に比較して、セルチューブ3の上部の構造を軽量化かつ簡略化することが出来る。
【0102】
また、本実施例において、図7(a)のほかに、図7(b)のような構造でも、同様の効果を得ることが可能である。図7(b)は、供給側シール部4及びその周辺部を示す図(断面図)である。セルチューブ3(の一端側)、供給側管板6(の供給側シール部4近傍)、耐火材10−1aと断熱材10−1bとを有する供給室8側の支持体A10−1、シール部11e−1及び保持部11e−2を有する可動シール部E11e、供給側集電キャップ12からなる。可動シール部E11eのシール部11e−1の反る方向が、可動シール部D11dのシール部11d−1と逆である点が、本実施例と異なる。しかし、基本的な構成及び効果は同様である。
【0103】
なお、上記実施例1〜実施例4において、供給側シール部4と排出側シール部5とは、同じ型のものを使用している。しかし、図4〜図7に示すシール部の中から、供給側シール部4と排出側シール部5とが異なる組み合わせを選択することも可能である。
【0104】
(実施例5)
次に、本発明である燃料電池システムの第五の実施の形態に関して、図面を参照して説明する。
図1は、本発明である燃料電池システムの第五の実施の形態の構成を示す図(断面図)であり、燃料電池20は、燃料電池セル管としてのセルチューブ3、供給側シール部4、排出側シール部5、供給側管板6、排出側管板7、ガス供給口8−1を有する第一の供給室としての供給室8、ガス排出口9−1を有する排出室9、耐火材10−1aと断熱材10−1bとを有する供給室8側の第一の支持体としての支持体A10−1、耐火材10−2aと断熱材10−2bとを有する排出室9側の第二の支持体としての支持体B10−2、第二の供給室としての酸化剤供給室18からなる。なお、図1の構成は、図示しない断熱及びガスリークの安全性を考慮した容器内に設置されている。
【0105】
セルチューブ3、供給側シール部4、排出側シール部5、供給側管板6、排出側管板7、ガス供給口8−1を有する供給室8、ガス排出口9−1を有する排出室9、酸化剤供給室18については、実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0106】
支持体A10−1は耐火材10−1a及び断熱材10−1bを、支持体B10−2は耐火材10−2a及び断熱材10−2bを有し、セルチューブ3を供給室8又は、排出室9の側で支持するための支持体である。それと同時に、セルチューブ3の発電側(セルチューブ3が発電を行なうセルチューブ3の両端(支持及びガスシールを行なう部分)を除いた燃料電池薄膜が形成されている部分、以下同じ)の熱を遮蔽する目的もある。容器(図示せず)内の酸化材供給室18に設けられ、固定されている。
【0107】
図3を参照して、本実施例における支持体A10−1及び支持体B10−2(以下、「支持体10」ともいう)について、更に説明する。
図3(a)は、支持体10の平面図(図1の左側(排出室9側)又は右側(供給室8側)から見た図)である。図1は断面図であるので、支持体10が分裂しているように描かれている。しかし、支持体10は、図3に示すように本実施例では、図3(b)に示す複数の部材を一つに組み合わせて製造されたものである。
【0108】
また、本実施例においては、燃料電池20は、10本のセルチューブ3を有する燃料電池である。支持体10は、図3(b)に示す六角柱の中心に同軸の円柱の穴が開口した(ねじの無いナットのような)基本構造から成る。すなわち、基本構造を有する耐火材10−1a又は耐火材10−2a(以下、「耐火材10−1a」ともいう)と、基本構造を有する断熱材10−1b又は断熱材10−2b(以下、「断熱材10b」ともいう)とを重ねて1つの支持体単位であるハニカムセル支持部10dを構成している(図3(b))。そして、それを蜂の巣状(ハニカム状)に組み合わせて1つの支持体10を構成する。本実施例では、10個のハニカムセル支持部10dを組み合わせて、10本のセルチューブ3が入るようにしている(図3(a))。そして、10個のハニカムセル支持部10dは、型崩れしないように、四角い枠であるハニカム枠10fに嵌め込まれている。ハニカム枠10fのうち、隙間のある部分は、耐火材と断熱材とを積層したスペーサ10eで埋められている。
セル支持部10cの直径は、セルチューブ3の直径よりもやや大きい程度である。すなわち、熱などによるセルチューブ3のずれ、セルチューブ3の受ける振動及び衝撃に関する予測に基づいて、セルチューブ3に無理な力がかからない大きさの直径である。
支持体10は、酸化剤供給室18内の、供給側管板6及び排出側管板7の近傍に固定されている。そして、セルチューブ3上の両端部の燃料電池薄膜が無い部分において、セルチューブ3を支持している。
【0109】
支持体A10−1及び支持体B10−2(支持体10)のその他に関しては、実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0110】
図4〜図7に示す本発明である燃料電池システムの第五の実施の形態の供給側シール部4及び排出側シール部5は、実施例1〜実施例4と同様であるので、説明は省略する。ここで、供給側シール部4及び排出側シール部5は、図4〜図7に示す全てのシール部を、全ての組み合わせにおいて選択可能である。
【0111】
では、本発明である燃料電池システムの第五の実施の形態の動作に関して、図面を参照して説明する。
図1を参照して、このような構成をなす燃料電池において、供給室8内に水素やメタンのような燃料ガス1がガス供給口8−1から供給される。それと共に、セルチューブ3の外周面に沿って酸素や空気のような酸化剤ガス2が供給される。そうすると、燃料ガス1は、各セルチューブ3に対してばらつきの無い流量で流入して、基体管内を一方向に流れる。すなわち、セルチューブ3の一端側(上端側)から他端側(下端側)へ向かって一方向に流通する(ワンスルー)。そして、燃料ガス1と酸化剤ガス2がセルチューブ3の燃料電池薄膜(図示せず)で電気化学的に反応して電力を発生し、当該電力が集電キャップ(供給側集電キャップ12など)を介して外部に取出される。
【0112】
発電に供された燃料ガス1の内、余った燃料ガスである使用済みの燃料ガス1は、セルチューブ3を通り抜けて排出室9に達する。そこで、他のセルチューブからの使用済み燃料ガス1とまとめられて、ガス排出口9−1から外部に排出される。一方、発電に供された使用済みの酸化剤ガス2は、排出管を介して外部に送出される。
【0113】
原則的に、図1に示すような、セルチューブ3を一端部の供給側シール部4と他端部の排出側シール部5でシールする場合には、供給側シール部4の水平方向の位置に排出側シール部5が来るように設計されている。しかし、燃料電池始動時又は停止時、あるいは、何らかの原因でセルチューブ3の一端部周辺と他端部周辺との間などで温度差が生じた場合や衝撃や振動が発生した場合など、供給側シール部4の水平方向の位置から排出側シール部5がずれることがありうる。しかしその場合でも、可動支持体や薄い管板(金属板)により、上下、前後左右、斜め上下方向の位置のずれを吸収することが可能であるので、セルチューブ3が損傷を受けることが無い。
【0114】
また、支持体A10−1と支持体B10−2との二点支持なので、一点だけの支持の場合に比べて、各段に耐衝撃性が向上している。加えて、供給側シール部4及び排出側シール部5の可動シール部を用いているので、上下、前後左右、斜め上下方向の強い衝撃や振動に対しても、可動シール部の可動部の緩衝性により、それらを緩和、吸収することが出来る。すなわち、構造的に強く、セルチューブ3が破損し難く、損傷を受けることが無い。
【0115】
また、ガスは、一方向に流れるだけで良いので、案内管112(従来の技術の項及び図7参照)を用いる必要が無く、セルチューブ3及びその周辺部分の構造を簡単にすることが出来る。すなわち、部品点数を減らすことが出来、コストの削減につながる。加えて、部品点数が減ることにより、部品相互で拘束し合う関係が減少する為、設計の自由度の向上や部品の破損等の問題が減り、全体としての信頼性の向上にもつながる。
【0116】
なお、実施例1〜実施例5においては、図1の右側から左側へ、燃料ガス1が流れているが、逆方向(左側から右側へ)に流れるようにしても、本発明を実施することは可能である。そして、その効果も同等のものが得られる。
【0117】
また、実施例1〜実施例5においては、支持体A10−1及び支持体B10−2は、全て、断熱材及び耐火材の組み合わせである。しかし、必ずしも両方必要ではなく、熱的な設計に基づいて、断熱材又は耐火材のいずれか一方だけで本発明を実施することは可能である。
【0118】
【発明の効果】
本発明により、円筒型の燃料電池のガスシール部分に負担がかからず、燃料電池にかかる力が支持部の一点に集中せず、複数点の支持部の相対的な位置がずれた場合でもセルチューブが破損しない、構造的に強い燃料電池とすることが可能となる。
【0119】
また、本発明により、円筒型の燃料電池において、燃料電池案内管が不要で、内部に流すガスを一方向にのみ流通させて燃料電池部品点数を削減し、コストを低減及び信頼性を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明である燃料電池システムの第一〜第五の実施の形態を示す構造図である。
【図2】本発明である燃料電池システムの第一〜第四の実施の形態の支持部を示す構造図である。
【図3】(a)本発明である燃料電池システムの第五の実施の形態の支持部を示す構造図である。
(b)本発明である燃料電池システムの第五の実施の形態の支持部のハニカム支持体を示す構造図である。
【図4】(a)本発明である燃料電池システムの第一の実施の形態の供給側シール部を示す構造図である。
(b)本発明である燃料電池システムの第一の実施の形態の他の供給側シール部を示す構造図である。
【図5】(a)本発明である燃料電池システムの第二の実施の形態の供給側シール部を示す構造図である。
(b)本発明である燃料電池システムの第二の実施の形態の他の供給側シール部を示す構造図である。
【図6】本発明である燃料電池システムの第三の実施の形態の供給側シール部を示す構造図である。
【図7】(a)本発明である燃料電池システムの第四の実施の形態の供給側シール部を示す構造図である。
(b)本発明である燃料電池システムの第四の実施の形態の他の供給側シール部を示す構造図である。
【図8】従来の技術の実施の形態を示す構造図である。
【図9】従来の技術の実施の形態の供給支持部及び排出支持部を示す図である。
【符号の説明】
1 燃料ガス
2 酸化剤ガス
3 セルチューブ
4 供給側シール部
5 排出側シール部
6 供給側管板
6−1 シール部
6−2 保持部
7 排出側管板
8 供給室
8−1 ガス供給口
9 排出室
9−1 ガス排出口
10 支持体
10−1 支持体A
10−1a 耐火材
10−1b 断熱材
10−2 支持体B
10−2a 耐火材
10−2b 断熱材
10a 耐火材
10b 断熱材
10c セル支持部
10d ハニカムセル支持部
10e スペーサ
10f ハニカム枠
11 可動シール部A
11a−1 シール部
11a−2 保持部
11 可動シール部B
11b−1 シール部
11b−2 保持部
11 可動シール部C
11c−1 チューブ側取付部
11c−2 可動部
11c−3 管板側取付部
11 可動シール部D
11d−1 シール部
11d−2 保持部
11 可動シール部E
11e−1 シール部
11e−2 保持部
12 供給側集電キャップ
13 供給側シールリング
14 充填材
18 酸化剤供給室
20 燃料電池
110 ヘッダ
110a 仕切板
110b 排出室
110c 供給室
110d 底板
111 セルチューブ
112 案内管
113 集電キャップ
114 シールキャップ

Claims (8)

  1. 容器内に設けられ、第一のガスを供給する第一の供給室と、
    前記容器内に前記第一の供給室から離れて設けられ、前記第一のガスを排出する排出室と、
    前記容器内に前記第一の供給室と前記排出室との間に隔離されて設けられ、第二のガスを供給する第二の供給室と、
    基体管の表面に燃料電池セルを形成した燃料電池セル管と、
    前記第一の供給室と前記排出室との間で前記第一の供給室の近くに設けられ、前記燃料電池セル管が貫通する第一の支持体と、
    前記第一の供給室と前記排出室との間で前記排出室の近くに設けられ、前記燃料電池セル管が貫通する第二の支持体と、
    を具備し、
    前記燃料電池セル管の一端部は、前記第一の供給室に開放されて接合され、
    前記燃料電池セル管の他端部は、前記排出室に開放されて接合され、
    前記燃料電池セル管の発電部分は、前記第二の供給室に含まれ、
    前記第一の支持体及び前記第二の支持体は、前記容器内に固定され、
    前記燃料電池セル管は、
    横置きに配置され、
    前記第一の支持体及び前記第二の支持体の二箇所で支持され、
    前記第一の供給室との第一の接合部及び前記排出室との第二の接合部の二箇所でガスシールされる
    燃料電池システム。
  2. 前記第一の供給室は、前記第一のガスを供給するガス供給口を具備し、
    前記排出室は、前記第一のガスを排出するガス排出口を具備し、
    前記第一のガスは、前記ガス供給口から前記第一の供給室に供給され、前記燃料電池セル管を通過し、前記排出室に入り、前記ガス排出口から排出される、
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記第一のガスは燃料ガスであり、前記燃料電池セル管の内側に供給され、
    前記第二のガスは酸化剤ガスであり、前記燃料電池セル管の外側に供給され、
    前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスにより、前記燃料電池セル管で発電を行なう、
    請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記第一の支持体又は前記第二の支持体は、断熱材を含む、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記第一の支持体又は前記第二の支持体は、耐火材を含む、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記第一の支持体又は前記第二の支持体は、
    六角柱形状で軸方向に前記燃料電池セル管が貫通するハニカムセル支持部と、
    前記ハニカムセル支持部をハニカム状に支持するハニカム枠と
    を有する、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記燃料電池セル管と前記第一の供給室との前記第一の接合部又は前記燃料電池セル管と前記排出室との前記第二の接合部のうち少なくとも一つには、ベローズを用いる、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記燃料電池セル管と前記第一の供給室とが接合する前記第一の供給室の接合面又は前記燃料電池セル管と前記排出室とが接合する前記排出室の接合面のうち少なくとも一つには、金属板を用いる、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
JP2001101671A 2001-03-30 2001-03-30 燃料電池システム Expired - Lifetime JP4616496B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001101671A JP4616496B2 (ja) 2001-03-30 2001-03-30 燃料電池システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001101671A JP4616496B2 (ja) 2001-03-30 2001-03-30 燃料電池システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002298877A JP2002298877A (ja) 2002-10-11
JP4616496B2 true JP4616496B2 (ja) 2011-01-19

Family

ID=18954955

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001101671A Expired - Lifetime JP4616496B2 (ja) 2001-03-30 2001-03-30 燃料電池システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4616496B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003096470A1 (en) * 2002-05-07 2003-11-20 The Regents Of The University Of California Electrochemical cell stack assembly
JP4908761B2 (ja) * 2005-01-13 2012-04-04 三菱重工業株式会社 セラミックスと金属との結合方法
JP4929644B2 (ja) 2005-08-10 2012-05-09 トヨタ自動車株式会社 集電電極を兼ねたスペーサを備えたチューブ型燃料電池セル及び燃料電池モジュール
JP4848178B2 (ja) * 2005-11-09 2011-12-28 三菱重工業株式会社 固体酸化物形燃料電池
JP4848177B2 (ja) * 2005-11-09 2011-12-28 三菱重工業株式会社 固体酸化物形燃料電池
JP2008071709A (ja) * 2006-09-15 2008-03-27 Toto Ltd 燃料電池
KR20140081147A (ko) * 2012-12-21 2014-07-01 삼성전기주식회사 고체산화물 연료전지 어셈블리 및 이의 밀봉부 형성방법
JP6121793B2 (ja) * 2013-05-14 2017-04-26 京セラ株式会社 セルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置
US10109867B2 (en) * 2013-06-26 2018-10-23 Upstart Power, Inc. Solid oxide fuel cell with flexible fuel rod support structure
JP2015165454A (ja) * 2014-02-28 2015-09-17 三菱日立パワーシステムズ株式会社 燃料電池モジュールおよび燃料電池モジュールの製造方法
JP7001407B2 (ja) * 2016-12-02 2022-02-03 森村Sofcテクノロジー株式会社 燃料電池セルスタック装置
CN113823808B (zh) * 2020-06-03 2023-05-23 武汉众宇动力系统科技有限公司 一燃料电池电堆及其系统和应用

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03133065A (ja) * 1989-10-18 1991-06-06 Agency Of Ind Science & Technol 固体電解質燃料電池モジュール
JPH05101842A (ja) * 1991-10-03 1993-04-23 Yuasa Corp 固体電解質型燃料電池の集合電池および電解セルの集合セル
US5200279A (en) * 1991-10-11 1993-04-06 Westinghouse Electric Corp. Solid oxide fuel cell generator

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002298877A (ja) 2002-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4616496B2 (ja) 燃料電池システム
EP1929562A1 (en) Solid oxide fuel cell stack for portable power generation
US8921001B2 (en) Hermetic high temperature dielectric conduit assemblies
JP4885166B2 (ja) 断熱容器及びそれを備えた集合電池
JP4848178B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池
JP3868253B2 (ja) 燃料電池の熱交換構造
JP6767399B2 (ja) 燃料電池
JP2009117283A (ja) 燃料電池
JP4623974B2 (ja) 燃料電池
JP3912997B2 (ja) 空気予熱構造
TWI657614B (zh) 密封式高溫介電質導管總成
JP4043360B2 (ja) 固体酸素物燃料電池発電装置のための空気供給管支持システム
JP2002313374A (ja) 燃料電池システム
JP6749051B2 (ja) セルスタック装置、燃料電池モジュール及び燃料電池装置
JP3886763B2 (ja) 燃料電池の熱交換構造
JP2004119300A (ja) 筒状固体酸化物形燃料電池発電装置
JPH10275626A (ja) 積層燃料電池
JP3727906B2 (ja) 燃料電池モジュール
JP4043457B2 (ja) セラミック管と金属との結合構造、及び燃料電池モジュール
JP5017536B2 (ja) 燃料電池用断熱システム
US10476089B2 (en) Reducing heat loss from a lightweight vacuum insulated vessel
JP4848177B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池
JP2011517049A (ja) 燃料電池スタックおよび燃料電池スタックを製造するための方法
JP5831842B2 (ja) 燃料電池装置
JP2022049810A (ja) 電気化学反応セルスタック

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20040624

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060830

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100408

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100604

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101008

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101022

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4616496

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131029

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term