JP4616489B2 - 眼屈折力測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検眼眼底に向けて眼屈折力測定用の光束を投影し、その反射光の状態を解析することにより被検眼の屈折力を演算する眼屈折力測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の眼屈折力測定装置には、固視標投影系から被検眼に固視標を投影して被検眼に固視標を固視させる一方、眼屈折力測定光学系を内蔵する装置本体をジョイスティックにより左右・上下及び前後に移動させて、装置本体の被検眼に対するアライメントを行う際に、このアライメント状態をアライメント光学系で検出すると共に、装置本体の被検眼に対するアライメントが概略行われたのをアライメント光学系が検出したときに、装置本体をパルスモータ等の駆動手段により左右・上下及び前後に自動的に駆動制御してオートアライメントする様にしたものがある。この眼屈折力測定装置では、アライメントが完了すると、被検眼の眼底に視標光束を投影し、その反射光束を受光素子に受光させることにより眼屈折力を測定する様になっている。
【0003】
ところで、この種の眼屈折力測定装置では、前後方向(光軸方向)のアライメントズレ量が所定のしきい値以下〈例えば±5mm)になったら、測定を開始するようになっているものもある。このしきい値は、測定精度化と測定の迅速化の双方を満たすような値に設定されるものである。また、非接触式眼圧計等の厳しいアライメント精度が要求される眼科装置では、アライメントズレ許容値を変更可能に構成したものが既に広く知られている(例えば、特開平10−14879号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この眼屈折力測定装置は、いわゆる他覚式眼屈折力測定装置であり、被検眼の眼底に視標光束を投影し、その反射光束を受光素子に受光させることにより眼屈折力を測定する。また、この他覚式眼屈折力測定装置では、上下左右方向のアライメントは、視標光束が瞳孔を通過しさえすれば、測定自体は可能である。このため、上下左右方向においては、厳しいアライメント精度は要求されない。
【0005】
しかし、この他覚式眼屈折力測定装置では、前後方向のアライメント(作動距離合わせ)に関しては、前記しきい値を大きく設定すると、迅速に測定を完了できるという利点があるが、測定値に誤差が生じる。特に、屈折力Dの大きい被検眼を測定する場合には、その誤差が大きくなるという問題がある。
【0006】
また、他覚式眼屈折力測定装置の場合、仮測定を行い、その後その仮測定値に基づいて被検眼を雲霧して調節力を除去した後本測定に移行するようにしている。このため、仮測定時の作動距離調整が不十分である結果、仮測定値の測定精度が悪いと、雲霧動作が十分に行うことができず、本測定の値にも影響が生じ得る。
【0007】
他方、アライメントズレ許容量を小さくすると、測定値の測定精度は保てるが、測定に時間がかかり、被検者の心理的負担が大きくなるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑み、測定精度を保ちつつ、測定の迅速化も担保することができる眼屈折力測定装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1の発明の眼屈折力測定装置は、被検眼の屈折力を測定するための測定指標を被検眼に投影し、その眼底反射光を受光し、その受光状態に基づいて被検眼の屈折力を測定する眼屈折力測定部と、前記測定指標を移動させる測定指標駆動部と、前記被検眼と装置本体との間の作動距離と適正作動距離との間のズレ量を検出する作動距離検出手段と、しきい値を設定するしきい値設定手段と、前記ズレ量が該しきい値以下であるか否かを判定する判定手段と、前記眼屈折力測定部を含む装置全体の動作を制御する制御手段を備え、該制御手段は、(1)被検眼が正視眼である場合の共役位置に配置した状態で、前記眼屈折力測定部による測定を実行させる第一のステップと、(2)第一のステップによる測定結果を仮測定値として取得する第二のステップと、(3)前記仮測定値に基づき前記許容量設定手段に前記しきい値を再設定させる第三のステップと、(4)該再設定されたしきい値により、前記判定手段に前記判定を実行させた後、前記眼屈折力測定部による測定を実行させる第四のステップと、(5)この第四のステップの測定結果を新たに仮測定値として取得し、この仮測定値に基づき前記測定指標駆動部を制御して本測定を実行する第五のステップとを実行する様に構成されていることを特徴とする。
【0010】
また、上述の目的を達成するため、請求項2の発明の眼屈折力測定装置は、被検眼の屈折力を測定するための測定指標を被検眼に投影し、その眼底反射光を受光し、その受光状態に基づいて被検眼の屈折力を測定する眼屈折力測定部と、前記測定指標を移動させる測定指標駆動部と、前記被検眼と装置本体との間の作動距離と適正作動距離との間のズレ量を検出する作動距離検出手段と、しきい値を設定するしきい値設定手段と、前記ズレ量が該しきい値以下であるか否かを判定する判定手段と、前記眼屈折力測定部を含む装置全体の動作を制御する制御手段を備え、該制御手段は、(1)被検眼が正視眼である場合の共役位置に配置した状態で、前記眼屈折力測定部による測定を実行させる第一のステップと、(2)第一のステップによる演算結果を仮測定値として取得する第二のステップと、(3)前記仮測定値に基づき前記しきい値設定手段に前記しきい値を再設定させる第三のステップと、(4)前記取得された仮測定値が所定値以上である場合には、その大きさに応じて所定の補正を行い新たに補正仮測定値を得る第四のステップと、(5)該補正仮測定値に基づき前記測定指標駆動部を制御して本測定を実行する第五のステップとを実行する様に構成されていることを特徴とする。
【0011】
更に、上述の目的を達成するため、請求項3の発明の眼屈折力測定装置は、被検眼の屈折力を測定するための測定指標を被検眼に投影し、その眼底反射光を受光し、その受光状態に基づいて被検眼の屈折力を測定する眼屈折力測定部と、前記測定指標を移動させる測定指標駆動部と、前記被検眼と装置本体との間の作動距離と適正作動距離との間のズレ量を検出する作動距離検出手段と、しきい値を設定するしきい値設定手段と、前記ズレ量が該しきい値以下であるか否かを判定する判定手段と、前記眼屈折力測定部を含む装置全体の動作を制御する制御手段を備え、該制御手段は、(1)被検眼が正視眼である場合の共役位置に配置した状態で、前記眼屈折力測定部による測定を実行させる第一のステップと、(2)第一のステップによる演算結果を仮測定値として取得する第二のステップと、(3)前記取得された仮測定値と同一の屈折力を有する被検眼を測定する際に許容され得る最大の前記ズレ量と、実際の仮測定時の前記ズレ量とを比較する第三のステップと、(4)この第三のステップにより、前記実際の仮測定時の前記ズレ量が、前記許容され得る最大のズレ量よりも大きいと判定された場合には、(4−1)前記仮測定値に基づき前記しきい値定手段に前記しきい値を再設定させる第4−1ステップと、(4−2)該再設定されたしきい値により、前記判定手段に前記判定を実行させた後、前記眼屈折力測定部による測定を実行させる第4−2ステップと、(4−3)この第4−2ステップの測定結果を新たに仮測定値として取得し、この仮測定値に基づき前記測定指標駆動部を制御して本測定を実行する第4−3ステップとを実行し、この第三のステップにより、前記実際の仮測定時のズレ量が、前記許容され得る最大のズレ量よりも小さいと判定された場合には該仮測定値に基づき前記測定指標駆動部を制御して本測定を実行するように構成されたことを特徴とする。
【0012】
また、上述の目的を達成するため、請求項4の発明の眼屈折力測定装置は、被検眼の屈折力を測定するための測定指標を被検眼に投影し、その眼底反射光を受光し、その受光状態に基づいて被検眼の屈折力を測定する眼屈折力測定部と、前記測定指標を移動させる測定指標駆動部と、前記被検眼と装置本体との間の作動距離と適正作動距離との間のズレ量を検出する作動距離検出手段と、しきい値を設定するしきい値設定手段と、前記ズレ量が該しきい値以下であるか否かを判定する判定手段と、前記眼屈折力測定部を含む装置全体の動作を制御する制御手段を備え、該制御手段は、(1)被検眼が正視眼である場合の共役位置に配置した状態で、前記眼屈折力測定部による測定を実行させる第一のステップと、(2)第一のステップによる演算結果を仮測定値として取得する第二のステップと、(3)前記取得された仮測定値と同一の屈折力を有する被検眼を測定する際に許容され得る最大の前記ズレ量と、実際の仮測定時の前記ズレ量とを比較する第三のステップと、(4)この第三のステップにより、前記実際の仮測定時の前記ズレ量が、前記許容され得る最大のズレ量よりも大きいと判定された場合には、(4−1′)前記仮測定値に基づき前記しきい値定手段に前記しきい値を再設定させる第4−1′ステップと、(4−2′)前記仮測定値の大きさに応じて所定の補正を行い新たに補正仮測定値を得る第4−2′ステップと、(4−3′)該補正仮測定値に基づき前記測定指標駆動部を制御して本測定を実行するように構成されたことを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明の眼屈折力測定装置は、請求項1又は3に記載の眼屈折力測定装置において、前記制御手段は、被検者の左右の被検眼の片方の屈折力測定に際して再設定されたしきい値のデータを前記左右の被検眼の他方の屈折測定にも用いる様に設定されていることを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明の眼屈折力測定装置は、請求項2又は4に記載の眼屈折力測定装置において、前記制御手段は、被検者の左右の被検眼の片方の屈折力測定に際して補正した補正仮測定値を前記左右の被検眼の他方の屈折測定にも用いる様に設定されていることを特徴とする。
【0015】
以下、この発明の作用を図1に示す模式図に基づいて説明する。尚、図1の構成は何等発明を限定するものではない。
(A)この眼屈折力測定装置は、装置本体300、眼屈折力測定光学系(眼屈折力測定部)301,作動距離検出光学系(作動距離検出手段)302,許容量設定回路(許容量設定手段)303,判定回路(判定手段)304,CPUを有する演算制御回路等の制御部(制御手段)305を有する。
【0016】
眼屈折力測定光学系301は、測定光束投影光学系(測定指標投影系)306及び受光光学系(受光系)307を有する。この測定光束投影光学系306は指標形成用光源部(測定指標)308及び対物レンズ309を有する。光源部308からの光束は、光分割部材315を透過した後に対物レンズ309を介して被検眼Eの眼底Erに投影され、眼底Erで反射される。
【0017】
また、測定指標形成用光源部308は、パルスモータ等の駆動モータ(測定指標駆動部)314により光軸O方向に進退駆動されるようになっている。この駆動モータ314は制御部305により駆動制御されるようになっている。
【0018】
受光光学系307は、眼底Erで反射した指標光束を対物レンズ309,光分割部材315,結像レンズ316を介して光電素子317に案内されて、光電素子317に結像する。この光電素子317からの測定信号は制御部305に入力され、制御部305は光電素子317からの測定信号に基づいて被検眼Eの屈折力を求める。
【0019】
作動距離検出光学系302は、検出光束投影系302aと、受光光学系302bを有する。この検出光束投影系302aからの作動距離検出光は被検眼Eの角膜Cに投影され、その反射光は受光光学系302bで受光される。
【0020】
この受光光学系302bからのズレ量検出信号は判定回路304に入力される。また、制御部305により制御されるしきい値設定回路303は、しきい値を設定して、設定したしきい値のデータを判定回路304に入力する。そして、判定回路304は、CCD322からのズレ量検出信号としきい値設定回路303からのしきい値データから、被検眼Eと装置本体300との作動距離のズレ量がしきい値以下であるか否かを判定する。この判定結果は、図示しない表示手段に出力させたり、又は図示しない自動アライメント機構に対し出力させたりすることができる。
【0021】
制御手段としての制御部305は、(1)被検眼Eが正視眼である場合の共役位置に配置した状態で、眼屈折力測定光学系301による測定を実行させる第一のステップと、(2)第一のステップによる測定結果を仮測定値として取得する第二のステップと、(3)仮測定値に基づきしきい値設定回路303にしきい値を再設定させる第三のステップを実行する様になっている。
【0022】
また、制御部305は、(4)再設定された許容量により、判定回路304に上述の判定を実行させた後、眼屈折力測定光学系301による測定を実行させる第四のステップと、(5)この第四のステップの測定結果を新たに仮測定値として取得し、この仮測定値に基づき測定指標駆動部である駆動モータ314を駆動制御して、眼屈折力測定光学系301による本測定を実行する第五のステップとを実行する様になっている。
(B)上記の(A)の第四,第五のステップを次のようにすることもできる。即ち、制御部305は、(4)第二のステップで前記取得された仮測定値が所定値以上である場合には、その大きさに応じて所定の補正を行い新たに補正仮測定値を得る第四のステップと、(5)この補正仮測定値に基づき測定指標駆動部である駆動モータ314を駆動制御して、眼屈折力測定光学系301による本測定を実行する第五のステップとを実行する様にすることもできる。
(C)更に、上記の(A)の第三〜第五のステップを次の第三〜第五のステップとすることもできる。即ち、制御部305は、(3)前記取得された仮測定値と同一の屈折力を有する被検眼を測定する際に許容され得る最大の前記ズレ量と、実際の仮測定時の前記ズレ量とを比較する第三のステップと、(4)この第三のステップにより、前記実際の仮測定時の前記ズレ量が、前記許容され得る最大のズレ量よりも大きいと判定された場合には、(4−1)前記仮測定値に基づき前記しきい値設定回路303に前記しきい値を再設定させる第4−1ステップと、(4−2)該再設定されたしきい値により、前記判定手段に前記判定を実行させた後、前記眼屈折力測定部による測定を実行させる第4−2ステップと、(4−3)この第4−2ステップの測定結果を新たに仮測定値として取得し、この仮測定値に基づき測定指標駆動部である駆動モータ314を駆動制御して、上述の本測定を実行する第4−3ステップとを行う様になっている。一方、制御部305は、この第三のステップにより、前記実際の仮測定時のズレ量が、前記許容され得る最大のズレ量よりも小さいと判定された場合には、該仮測定値に基づき測定指標駆動部である駆動モータ314を駆動制御して、上述の本測定を実行するようにすることもできる。
(D)更に、上記の(A)の第三〜第五のステップを次の第三〜第五のステップように変更することもできる。即ち、制御部305は、(3)第二のステップで前記取得された仮測定値と同一の屈折力を有する被検眼を測定する際に許容され得る最大の前記ズレ量と、実際の仮測定時の前記ズレ量とを比較する第三のステップを実行するようになっている。
【0023】
また、制御部305は、(4)この第三のステップにより、前記実際の仮測定時の前記ズレ量が、前記許容され得る最大のズレ量よりも大きいと判定された場合には、(4−1′)前記仮測定値の大きさに応じて所定の補正を行い新たに補正仮測定値を得る第4−1′ステップと、(4−2′)該補正仮測定値に基づき測定指標駆動部である駆動モータ314を駆動制御して、上述の本測定を実行するようにすることもできる。
【0024】
【発明の実施の形態1】
[構成]
図1は、本発明を適用した眼屈折力測定装置の全体像を示すものである。架台101は、べ一ス100に対し前後方向(以下、Z方向という)及び左右方向(以下、X方向という)に移動可能に設けられていて、これにより、装置本体部H(後述)を前後左右に移動調整可能としている。
【0025】
架台101には、この架台101の位置を調整するためのジョイスティック102が設けられている。103はジョイスティック102に設けられた撮影スイッチである。
【0026】
また、眼屈折力測定装置はアライメント機構Iを有し、このアライメント機構Iは昇降機構I1,横動機構I2,前後動機構I3から構成されている。
【0027】
この昇降機構I1は、架台101の上部に固定したモータ104と、このモータ104の駆動により、架台101に対し上下方向(以下、Y方向という)に移動可能に保持された支柱105を有する。この支柱105の上端にはテーブル106が固定されている。
【0028】
横動機構I2は、テーブル106上に固定されたモータ107及び支柱108を有すると共に、支柱108の上端にX方向に摺動可能に保持されたテーブル109を有する。モータ107の出力軸にはピニオン111が取り付けられる一方、テーブル109の後端には、ラック110が取り付けられ、ピニオン111とラック110は噛み合わされている。モータ107が回転すると、テーブル109が支柱108に対しX方向に移動する。
【0029】
前後動機構I3は、テーブル109の上部に固定されたモータ112及び支柱113を有すると共に、このモータ112の出力軸に設けたピニオン114、及び支柱113上に配設された装置本体Hのケース115を有する。このケース115には、ラック117が取り付けられており、ピニオン114と噛み合わさっている。モータ112が回転すると、ケース115が支柱113に対しZ方向に移動する。
【0030】
図3は、ケースH内に収納された光学系及び信号処理・演算部の説明図である。この図3において、10は被検眼Eを固視・雲霧させるために視標を眼底Erに投影する固視標投影光学系、20は被検眼Eの前眼部Efを観察する観察光学系、30は照準スケールをCCD28に投影するスケール投影光学系、40は被検眼Eの屈折力を測定するためのパターン光束を眼底Erに投影するパターン光束投影光学系、50は眼底Erから反射された光束をCCD28に受光させる受光光学系、60は光軸と垂直な方向に関するアライメント状態を検出する為の指標光を被検眼にむけて投影する為のアライメント光投影系、70は被検眼と装置本体との間の作動距離を検出するための作動距離検出系(作動距離検出光学系すなわち作動距離検出手段)、400は信号処理・演算部、200はTVモニターである。
【0031】
尚、パターン光束投影光学系(測定光束投影光学系)40及び受光光学系(受光系)50は、眼屈折力測定部である眼屈折力測定光学系を構成している。
【0032】
固視標投影光学系10は、光源11、コリメータレンズ12、視標板13、リレーレンズ14、ミラー15、リレーレンズ16、ダイクロイックミラー17、ダイクロイックミラー18、対物レンズ19を備えている。
【0033】
光源11から出射された可視光は、コリメータレンズ12によって平行光東とされた後、視標板13を透過する。視標板13には被検眼Eを固視・雲霧させるためのターゲットが設けられている。そのターゲット光束は、リレーレンズ14を透過してミラー15に反射され、リレーレンズ16を経てダイクロイックミラー17に反射されて装置本体の主光軸O1に導かれ、ダイクロイックミラー18を透過した後、対物レンズ19を経て被検眼Eに導かれる。
【0034】
なお、光源11,コリメータレンズ12,視標板13は、被検眼Eを固視・雲霧させるために、視標投影光学系10の光軸O2に沿って一体に移動可能となるようにユニット化されている。即ち、光源11,コリメータレンズ12,視標板13は視標ユニットU10を構成し、この視標ユニットU10は視標投影光学系10の光軸O2に沿って移動可能に設けられている。この視標ユニットU10はパルスモータ等の駆動モータ(視標駆動部)PM1により光軸O2に沿って進退駆動される様になっている。
【0035】
観察光学系20は、光源21、対物レンズ19、ダイクロイックミラー18、絞り23を有するリレーレンズ22、ミラー24、リレーレンズ25、ダイクロイックミラー26、結像レンズ27、CCD28を有する。
【0036】
光源21から出射された光束は、被検眼Eの前眼部Efをダイレクトに照明する。前眼部Efに反射された光束は、対物レンズ19を経てダイクロイックミラー18に反射され、リレーレンズ22を透過すると同時に絞り23を通過し、ミラー24に反射された後、リレーレンズ25及びダイクロイックミラー26を透過して結像レンズ27によりCCD28に到達し、CCD28の撮像面上に前眼部像が形成される。
【0037】
スケール投影光学系30は、光源31、照準スケールを設けたコリメータレンズ32、リレーレンズ33、ダイクロイックミラー18、絞り23を有するリレーレンズ22、ミラー24、リレーレンズ25、ダイクロイックミラー26、結像レンズ27、CCD28を有する。
【0038】
光源31から出射された光束は、コリメータレンズ32を透過する際に照準スケール光束(平行光束)とされた後、リレーレンズ33,ダイクロイックミラー18,リレーレンズ22,絞り23を経てミラー24に反射され、リレーレンズ25,ダイクロイックミラー26を経て結像レンズ27によってCCD28に結像される。CCD28からの映像信号は、後述する信号処理・演算部400を介してモニタ200に出力され、モニタ200に前眼部像が表示されると共に照準スケールSが表示される。
【0039】
尚、アライメント完了後の屈折力測定時には、光源21,31を消灯させてCCD28への受光が阻止される。ダイクロイックミラー18からダイクロイックミラー26に至る光路中にシャッターを設けてもよい。
【0040】
パターン光束投影光学系40は、光源41、コリメータレンズ42、円錐プリズム43、リング指標板44、リレーレンズ45、ミラー46、リレーレンズ47、穴空きプリズム48、ダイクロイックミラー17、ダイクロイックミラー18、対物レンズ19を備えている。なお、光源41とリング指標板44とは光学的に共役であり、リング指標板44と被検眼Eの瞳孔Epとは光学的に共役な位置に配置されている。また、光源41、コリメータレンズ42、円錐プリズム43、リング指標板44は、光軸O3に沿って一体に移動可能とされるよう、ユニット化されている。即ち、光源41、コリメータレンズ42、円錐プリズム43、リング指標板44は測定指標としての指標ユニット(指標形成用光源部)U40を構成し、この指標ユニットU40は光軸O3に沿って一体に移動出来るようになっている。この指標ユニットU40は、パルスモータ等の駆動モータ(測定指標駆動部)PM2により光軸O3に沿って進退駆動させられる様になっている。
【0041】
光源41から出射された光束は、コリメータレンズ42によって平行光束とされ、円錐プリズム43を透過してリング指標板44に導かれ、このリング指標板44に形成されたリング状のパターン部分を透過してパターン光束となる。パターン光束は、リレーレンズ45を透過した後、ミラー46に反射されリレーレンズ47を透過して穴空きプリズム48によって主光軸Olに沿つて反射され、ダイクロイックミラー17,18を透過した後、対物レンズ19により眼底Erに結像される。
【0042】
受光光学系50は、対物レンズ19、ダイクロイックミラー18,17、穴空きプリズム48の穴部48a、リレーレンズ51、ミラー52、リレーレンズ53、ミラー54、合焦レンズ55、ミラー56、ダイクロイックミラー26、結像レンズ27、CCD28を有する。尚、合焦レンズ55は、光源41、コリメータレンズ42、円錐プリズム43、リング指標板44を含む指標ユニットU40と連動して、光軸O4に沿って移動可能となっている。
【0043】
パターン光束投影光学系40によつて眼底Erに導かれ、この眼底Erで反射された反射光束は、対物レンズ19に集光され、ダイクロイックミラー18,17を透過し、穴空きプリズム48の穴部48aへと導かれ、この穴部48aを通過する。穴部48aを通過したパターン反射光束は、リレーレンズ51を透過してミラー52に反射され、リレーレンズ53を透過してミラー54に反射され、合焦レンズ55を透過してミラー56並びにダイクロイックミラー26に反射され、結像レンズ27によってCCD28に到達し、これによりCCD28上にパターン像が結像される。
【0044】
アライメント光投影系60は、LED61、ピンホール62、コリメートレンズ63、ハーフミラー64とを備え、被検眼角膜に向けてアライメント指標光束を投影する機能を有する。被検眼に向けて平行光として投影されたアライメント指標光束は、被検眼Eの角膜において反射され、前記受光光学系20によりCCD28上にアライメント指標像Tが投影される。アライメント指標像Tが前述の照準スケールSの中心付近に来ると、アライメントが完了したことが検出される。
【0045】
作動距離検出系70は、被検眼Eと装置本体との間の作動距離を検出する為のものであり、無限遠の距離から指標を投影する無限遠距離指標投影系71R,71Lと、有限距離から指標を投影する有限距離指標投影系71R,72Lを、それぞれ光軸O4に関し左右対称に有する。
【0046】
この無限遠距離指標投影系71R,71Lは、光源71aからの光束をピンホール71b及びレンズ71cを介して指標光束として被検眼Eに左右の斜めから投影する様になっている。また、有限距離から指標を投影する有限距離指標投影系71R,72Lは光源72aからの光束を指標光束として被検眼Eに左右の斜めから投影するようになっている。
【0047】
これらの4つの投影系71R,71L,72R,72Lからの指標光束は、被検眼Eの角膜で反射して、前記受光光学系20によりCCD28上に結像される。そして、制御部(信号処理・演算部)400は、このCCD28からの出力基づいて、投影系71R,71L,72R,72Lからの指標光束による指標像71R’、71L’、72R’、72L’をTVモニター200に表示させる。尚、CCD72上には指標像71R’、71L’、72R’、72L’と同じ指標像が結像され、これらの指標像がCCD72上で一定の位置関係になった場合に、作動距離が測定に適した距離Woになったと検出される。
【0048】
制御部(信号処理・演算部)400は、演算部である演算制御回路(演算制御手段)401、A/D変換器402、フレームメモリ403、D/A変換器404、D/A変換器405とからなる。この演算制御回路401は、CPUやROM,RAM,入出力回路,コントロール回路等(図示せず)を有すると共に、上述した許容量設定手段や判定手段を兼用し、演算結果等はRAMに記憶する様になっている。
【0049】
演算制御回路401は、A/D変換器401及びフレームメモリ403を介してCCD28と接続されていると共に、D/A変換器405を介して表示手段としてのTVモニター(表示装置)200に接続されている。また、CCD28はA/D変換器401,フレームメモリ403及びD/A変換器404を介してTVモニター200に接続されている。
【0050】
更に、演算制御回路401は、アライメント機構Iのモータ104,107,112と、ドライバ104’、107’、112’を介して接続される。しかも、演算制御回路401は、モータドライブMD1,MD2を介して駆動モータPM1,PM2を駆動制御し、装置本体HをX,Y,Z方向に駆動するようになっている。
【0051】
また、演算制御回路401は、眼屈折力測定の結果を打ち出すためのプリンタ(図示せず)と接統されている。
【0052】
また、演算制御回路401は、各種光源、即ち上述した光源11,21,31,41,71a,72a及びLED61等の点灯制御を行う為、図示しないドライバとも接続されている。
【0053】
演算制御回路401は、CCD28に受光されたアライメント指標像T、指標像71R’、71L’、72R’、72L’の受光位置を演算し、この演算結果に基づき、光軸O4と被検眼光軸との間のズレ量Δxy、適正作動距離Woからのズレ量Δzを演算する。また、演算制御回路401は、ズレ量Δxy、Δzがしきい値Δxy0、Δz0以下となった場合に、光源41を発光させるための駆動信号を送出する機能を有する。しきい値Δxy0、Δz0は演算制御部405のRAM(不図示)に記憶されており、後述するように一定の条件の下で書き換えられる。また、CCD28に受光されたパターン光束像に基づき、被検眼の屈折力を演算する機能を備える。
[作用]
次に、この様な構成の眼屈折力測定装置の作用を説明する。この説明に際して、図5に示した許容ズレ量特性線図及び図6のフローチャートも用いる。
【0054】
図示しない電源スイッチがONにされると、制御回路401は光源21,31,作動距離検出系の光源を点灯させる。
【0055】
検者は、モニタ200上に映し出された前眼部像に基づき、被検眼瞳孔部が画面の中心付近に来るよう、ジョイスティック102を操作して、概略のアライメントを行う。この概略のアライメントが終了すると、アライメント指標像T、指標像71R’、71L’、72R’、72L’がモニタ200の画面上に現れる。
【0056】
この後、アライメント光投影系60、作動距離検出系70に基づくアライメント検出が開始され、これによりアライメント機構Iが作動を開始して、装置本体HがX,Y,Z方向に駆動され、自動アライメント調整が開始される。
【0057】
こうして装置本体Hの被検眼Eに対するズレ量Δxy、ΔzがそれぞれΔxy0、Δz0以下となる様に装置本体HをX,Y,Z方向に駆動制御することにより、角膜頂点に対する自動アライメントが完了すると、制御回路401は、光源41を発光させる(仮測定を実行する図6のステップS1)。すなわち、被検眼が正視眼であると仮定した場合の眼底共役位置にリング指標板44が位置するよう、ユニットU10を駆動させて光源41を発光させる。
【0058】
これにより、被検眼眼底に眼屈折力測定用のパターン光束が投影され、CCD28上にパターン像が結像される。CCD28からの映像信号は、AD変換器402によりデジタル値に変換された後、フレームメモリ403に記憶される。制御回路401は、フレームメモリMに記憶された画像データに基づき、パターン像を2値化処理により抽出し、これに基づき、眼屈折力が周知の手法により測定され、仮測定値Si、Ci、Aiとして演算される(図6のステップS2)。
【0059】
次に、制御回路401は、仮測定値として演算された球面度数Siの絶対値|Si|が5D以上であるか否かを判断する(図6のステップS3)。
【0060】
|Si|≧5Dである場合、演算制御回路401は、メモリされているしきい値Δz0を書き換える。例えばΔz0を±5mmから±1mmに再設定(図6のステップS4)。|Si|が大きくなると、図5に示したズレ量特性線330から分かるように許容ズレ量Δzmaxが小さくなるからである。
【0061】
この場合、Z方向のアライメントを再度実行すべく、指標像71R’、71L’、72R’、72L’の受光位置を再度演算し、この演算結果に基づき、ズレ量Δzを再度演算する。そして、演算制御回路401は、この演算結果に基づき、モータ112を駆動して、自動アライメントを完了させる。
【0062】
こうして、ズレ量Δzが±1mmの範囲に入った場合には、演算制御回路401は、再度光源41を点灯させて眼屈折力測定用のパターン光束を投影し、CCD28に受光されたパターン像を基に、眼屈折力を演算し、この演算値を仮測定値として新たに記憶する(図6のステップS5)。この新たに記憶された仮測定値は、最初の±5mmのしきい値の範囲にて測定された最初の仮測定値とは異なり、±1mmのしきい値の範囲にて測定されたものであるので、最初の仮測定値よりは信頼性が高くなる。
【0063】
その後、演算制御回路401は、この新たに記憶された仮測定値に基づき、ユニットUl0を駆動して被検眼を雲霧させ、調節力を除去する。信頼性の高い仮測定値を使用することにより、被検眼の調節力の除去がより確実に行われ、これにより正確な本測定が可能となる。
【0064】
その後、演算制御回路401は、再度光源41を点灯させ、ステップS6の本測定を行う(この手順は周知であるので、詳細な説明は省略する)。
【0065】
一方、|Si|<5Dの場合には、仮測定値の誤差は微小であると考えられるので、演算制御回路401は得られた仮測定値を用い、しきい値Δ±5mmのままとして本測定に移行する(図6のステップS7)。
【0066】
こうして片眼の検査が終了すると、検者は架台101を動かして、他方の眼の前に光学系が位置するようにし、他方の眼を同様にして検査する。
【0067】
この際、最初に測定した片眼の測定の際に使用した作動距離ズレ許容範囲をこの他方の眼の測定の際にも使用すると、測定時間が短縮され得る。使用したくない場合には、その旨をあらかじめ設定しておくこともできる。両眼の検査が終わると、しきい値Δz0を元の値(±5mm)に戻す。
【0068】
【発明の実施の形態2】
上述した発明の実施の形態1においては仮測定を再実行させるようにしているが、本実施の形態では仮測定を再実行する代わりに、得られた仮測定値を補正する様にしてもよい。以下、仮測定値を補正する様にした例について説明する。
【0069】
この発明の実施の形態2においても、仮測定値Si、Ci、Aiとして演算し、この仮測定値として演算された球面度数Siの絶対値|Si|が5D以上であるか否かを判断する点までは、発明の実施の形態1と同じである。
【0070】
この発明の実施の形態2では、この判断において|Si|<5Dである場合、作動距離ズレが大きくても屈折力測定値に誤差は少ないと考えられるので、演算制御回路401は仮測定値を補正しない。
【0071】
また、5D≦|Si|<10Dの場合には、±5mmの作動距離では、作動距離ズレが仮測定値に影響してくるので、演算制御回路401は得られた仮測定値に所定の値αを加減し、これを新たな仮測定値(補正仮測定値)として記憶する。
【0072】
更に、|Si|≧10Dの場合には、演算制御回路401はαよりも更に大きい値α’を得られた仮測定値(補正仮測定値)に加減する。尚、ここで仮測定値に加減するとは、α又はα′を補正仮測定値に加算又は減算するという意味である。すなわち、α又はα′を補正仮測定値に加算するか減算するかは、仮測定実行時の作動距離のズレ方向が+側か−側かによって決定されるからである。
【0073】
このように、仮測定値の球面度数Siの絶対値によって、補正量を変化させることにより、仮測定の誤差を補正することができる。上記では3段階で補正値を変化させたが、より細かく場合分けし、よりきめ細かな補正をすることも可能である。
【0074】
また、演算制御回路401は、Z方向のアライメントを再度実行すべく、補正仮測定値に基づいて指標像71R’、71L’、72R’、72L’の受光位置を再度演算し、この演算結果に基づき、ズレ量Δzを再度演算する。この演算結果に基づき、モータ112を駆動制御して、自動アライメントを完了させる。
【0075】
こうして、ズレ量Δzが±1mmの範囲に入った場合には、演算制御回路401は、再度光源41を点灯させて眼屈折力測定用のパターン光束を投影し、CCD28に受光されたパターン像を基に、眼屈析力を演算し、この演算値を仮測定値として新たに記憶する。この新たに記憶された仮測定値は、最初の±5mmの作動距離許容範囲にて測定された最初の仮測定値とは異なり、±1mmの作動距離許容範囲にて測定されたものであるので、最初の仮測定値よりは信頼性が高くなる。
【0076】
その後、演算制御回路401は、この新たに記憶された仮測定値に基づき、ユニットU10を駆動して被検眼を雲霧させ、調節力を除去する。信頼性の高い仮測定値を使用することにより、披検眼の調節力の除去がより確実に行われ、これにより正確な本測定が可能となる。
【0077】
その後、演算制御回路401は、再度光源41を点灯させ、本測定を行う(この手順は周知であるので、詳細な説明は省略する)。
【0078】
【発明の実施の形態3】
次に、本発明の他の実施の形態を説明する。
【0079】
発明の実施の形態1,2では、仮測定値Siが所定値以上である場合には、測定開始を許容する閾値(しきい値)Δz0を、より小さい値に切り替え、この新たな閾値により再度の測定を行うようにしている。このようにするのは、アライメント完了を示す閾値Δz0に設定されている場合には、仮測定実行の時点における作動距離ズレ量Δziもこの閾値Δz0に近い値であろう、という推定しているためである。
【0080】
すなわち、仮測定値Siが図7にズレ量特性線340で示すような値であるならば、許容される作動距離方向の最大許容ズレ量はΔzimaxであり、これは閾値Δz0よりも小さい。従って、上記推定が正しいとすれば、十分な作動距離精度が保たれない状態で仮測定が行われていることになる。発明の実施の形態1,2では、この様な推定の下、前記のような閾値Δz0の切り換え(例:±5mm→±1mm)をおこなっているのである。
【0081】
しかし、この推定は当たっていないことがあり得る。即ち、図7に示すように、仮測定実行時点における実際の作動距離ズレ量Δziが、閾値Δz0より十分小さい値となり(ゼロ近くになることもあり得る)、被検眼の屈折力がSiの時に許容される最大許容ズレ量Δzimaxよりも小さい値となっていることがあり得る。この場合には、仮測定値が大きい値であっても、その仮測定値は信頼性のある値ということができる。そこで、本実施の形態では、仮測定値の大きさを判断する代わりに、制御部400が許容最大ズレ量ΔzimaxとΔziとを比較し、この比較に基づき、閾値Δz0を変更するようにしている。
【0082】
以下、発明の実施の形態3の作用を説明する。なお、ステップ2までは発明の実施の形態1と同一であるので、説明を省略する。
(3)第三のステップ
演算制御回路401は、第二のステップで取得された仮測定値Siを基に、許容される作動距離方向の理想位置からのズレ量として、最大限許される量(以下、許容ズレ量という)を演算する。例えば、仮測定値の球面度数がSiと測定された場合を考える。この場合、被検眼の実際の屈折力が、このSi通りであると仮定すると、許容ズレ量は、図7に示すようにΔzimaxである。ここで、実際に仮測定を実行した時点におけるアライメントズレ量Δziが閾値Δzimaxより大きければ、仮測定値Siは信頼精度が薄いことになるが、アライメントズレ量Δziが閾値Δzimaxより小さければ、仮測定値Siは信頼精度がある値であると考えることができる。そこで、この第三のステップでは、アライメントズレ量Δziが閾値Δzimaxより大きいか否か(Δzi>Δzimaxであるか否か)を比較判断する(図8のステップS3a)。
(4)第四ステップ
<第4−1ステップ>
即ち、Δzi>Δzimaxである場合、演算制御回路401は、前記アライメントズレ許容値Δz0を書き換える。例えばΔz0を±5mmから±1mmに再設定し、Z方向のアライメントを再度実行すべく、指標像71R’、71L’、72R’、72L’の受光位置を再度演算し、この演算結果に基づき、ズレ量Δzを再度演算する。アライメント機構IがこのΔzに基づいて再度駆動され、位置合わせが完了する(図8のステップS4−1)。
<第4−2ステップ>
そして、演算制御回路(判定手段)401は、眼屈折力測定部による仮測定を実行させる(図8のステップS4−2)。
【0083】
即ち、演算制御回路401は、パターン光束投影光学系40及び受光光学系50を用いて測定して、上述したように被検眼Eの屈折力を演算により求める。
(第4−3ステップ)
演算制御回路401は、この第4−2ステップの測定結果により得られた被検眼Eの屈折力を新たに仮測定値Si、Ci、Aiとして取得して記憶し、この仮測定値に基づき、パルスモータPM2を駆動制御して、測定指標駆動部である指標ユニットU40を駆動し、本測定を実行する(図8のステップS4−3)。
【0084】
また、ステップS4−1の比較判断においてΔzi>Δzimaxである場合には、ステップS4−3に移行して本測定をする。
【0085】
【発明の実施の形態4】
本実施の形態も、発明の実施の形態3と同様、アライメントズレ量Δziと閾値Δzimaxを比較する。そして、図8のステップS1からステップ3aまでは発明の実施の形態3と同様であり、次のステップにおいて、この比較を実行する。
(4)第四ステップ
<第4−1′ステップ>
即ち、Δzi>Δzimaxである場合、演算制御回路401は、前記アライメントズレ許容値Δz0を書き換える。例えばΔz0を±5mmから±1mmに再設定し、Z方向のアライメントを再度実行すべく、指標像71R’、71L’、72R’、72L’の受光位置を再度演算し、この演算結果に基づき、ズレ量Δzを再度演算する。アライメント機構IがこのΔzに基づいて再度駆動され、位置合わせが完了する(図9のステップS4−1′)。
<第4−2′ステップ>
そして、ステップS3aの比較判断においてΔzi>Δzimaxである場合、±5mmの作動距離では作動距離ズレが仮測定値に影響してくるので、演算制御回路401は得られた仮測定値Siに所定の値αを加減し、これを新たな仮測定値(補正仮測定値)として記憶する(図9のステップS4−2′)。
(第4−3ステップ)
演算制御回路401は、この第4−2′ステップで補正された新たな仮測定値、即ち補正仮測定値に基づき、パルスモータPM2を駆動制御して、測定指標駆動部である指標ユニットU40を駆動し、本測定を実行する(図9のステップS4−3′)。
【0086】
また、ステップS4−1′の比較判断においてΔzi>Δzimaxである場合には、ステップS4−3に移行して本訴測定をする。
【0087】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した様に構成したので、測定精度を保ちつつ、測定の迅速化も担保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る眼屈折力測定装置の作用を説明する模式図である。
【図2】発明の実施の形態1に係る眼屈折力測定装置のアライメント機構の概略構成を示す説明図である。
【図3】図2の眼屈折力測定装置の光学系及び制御部の概略構成を示す説明図である。
【図4】図3の制御部400を示すブロック図である。
【図5】作動距離方向のズレ量と被検眼の屈折力との関係を示すズレ量特性線図である。
【図6】図2〜図4の眼屈折力測定装置の作用を説明するフローチャートである。
【図7】作動距離方向のズレ量のしきい値と被検眼の屈折力との関係を示すズレ量特性線図である。
【図8】この発明の他の実施の形態の作用を説明するフローチャートである。
【図9】この発明の更に他の実施の形態の作用を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
300・・・装置本体
301・・・眼屈折力測定光学系(眼屈折力測定部)
302・・・作動距離検出光学系(作動距離検出手段)
302a・・・検出光束投影系
302b・・・受光光学系
303・・・しきい値設定回路(しきい値設定手段)
304・・・判定回路(判定手段)
305・・・制御部
306・・・測定光束投影光学系(測定指標投影系)
307・・・受光光学系(受光系)
308・・・指標形成用光源部(測定指標)
E・・・被検眼
Er・・・眼底

Claims (6)

  1. 被検眼の屈折力を測定するための測定指標を被検眼に投影し、その眼底反射光を受光し、その受光状態に基づいて被検眼の屈折力を測定する眼屈折力測定部と、
    前記測定指標を移動させる測定指標駆動部と、
    前記被検眼と装置本体との間の作動距離と適正作動距離との間のズレ量を検出する作動距離検出手段と、
    しきい値を設定するしきい値設定手段と、
    前記ズレ量が該しきい値以下であるか否かを判定する判定手段と、
    前記眼屈折力測定部を含む装置全体の動作を制御する制御手段を備え、
    該制御手段は、(1)被検眼が正視眼である場合の共役位置に配置した状態で、前記眼屈折力測定部による測定を実行させる第一のステップと、(2)第一のステップによる測定結果を仮測定値として取得する第二のステップと、(3)前記仮測定値に基づき前記許容量設定手段に前記しきい値を再設定させる第三のステップと、(4)該再設定されたしきい値により、前記判定手段に前記判定を実行させた後、前記眼屈折力測定部による測定を実行させる第四のステップと、(5)この第四のステップの測定結果を新たに仮測定値として取得し、この仮測定値に基づき前記測定指標駆動部を制御して本測定を実行する第五のステップとを実行する様に構成されていることを特徴とする眼屈折力測定装置。
  2. 被検眼の屈折力を測定するための測定指標を被検眼に投影し、その眼底反射光を受光し、その受光状態に基づいて被検眼の屈折力を測定する眼屈折力測定部と、
    前記測定指標を移動させる測定指標駆動部と、
    前記被検眼と装置本体との間の作動距離と適正作動距離との間のズレ量を検出する作動距離検出手段と、
    しきい値を設定するしきい値設定手段と、
    前記ズレ量が該しきい値以下であるか否かを判定する判定手段と、
    前記眼屈折力測定部を含む装置全体の動作を制御する制御手段を備え、
    該制御手段は、(1)被検眼が正視眼である場合の共役位置に配置した状態で、
    前記眼屈折力測定部による測定を実行させる第一のステップと、(2)第一のステップによる演算結果を仮測定値として取得する第二のステップと、(3)前記仮測定値に基づき前記しきい値設定手段に前記しきい値を再設定させる第三のステップと、(4)前記取得された仮測定値が所定値以上である場合には、その大きさに応じて所定の補正を行い新たに補正仮測定値を得る第四のステップと、(5)該補正仮測定値に基づき前記測定指標駆動部を制御して本測定を実行する第五のステップとを実行する様に構成されていることを特徴とする眼屈折力測定装置。
  3. 被検眼の屈折力を測定するための測定指標を被検眼に投影し、その眼底反射光を受光し、その受光状態に基づいて被検眼の屈折力を測定する眼屈折力測定部と、
    前記測定指標を移動させる測定指標駆動部と、
    前記被検眼と装置本体との間の作動距離と適正作動距離との間のズレ量を検出する作動距離検出手段と、
    しきい値を設定するしきい値設定手段と、
    前記ズレ量が該しきい値以下であるか否かを判定する判定手段と、
    前記眼屈折力測定部を含む装置全体の動作を制御する制御手段を備え、
    該制御手段は、(1)被検眼が正視眼である場合の共役位置に配置した状態で、前記眼屈折力測定部による測定を実行させる第一のステップと、(2)第一のステップによる演算結果を仮測定値として取得する第二のステップと、
    (3)前記取得された仮測定値と同一の屈折力を有する被検眼を測定する際に許容され得る最大の前記ズレ量と、実際の仮測定時の前記ズレ量とを比較する第三のステップと、(4)この第三のステップにより、前記実際の仮測定時の前記ズレ量が、前記許容され得る最大のズレ量よりも大きいと判定された場合には、(4−1)前記仮測定値に基づき前記しきい値定手段に前記しきい値を再設定させる第4−1ステップと、(4−2)該再設定されたしきい値により、前記判定手段に前記判定を実行させた後、前記眼屈折力測定部による測定を実行させる第4−2ステップと、(4−3)この第4−2ステップの測定結果を新たに仮測定値として取得し、この仮測定値に基づき前記測定指標駆動部を制御して本測定を実行する第4−3ステップとを実行し、この第三のステップにより、前記実際の仮測定時のズレ量が、前記許容され得る最大のズレ量よりも小さいと判定された場合には該仮測定値に基づき前記測定指標駆動部を制御して本測定を実行するように構成されたことを特徴とする眼屈折力測定装置。
  4. 被検眼の屈折力を測定するための測定指標を被検眼に投影し、その眼底反射光を受光し、その受光状態に基づいて被検眼の屈折力を測定する眼屈折力測定部と、
    前記測定指標を移動させる測定指標駆動部と、
    前記被検眼と装置本体との間の作動距離と適正作動距離との間のズレ量を検出する作動距離検出手段と、
    しきい値を設定するしきい値設定手段と、
    前記ズレ量が該しきい値以下であるか否かを判定する判定手段と、
    前記眼屈折力測定部を含む装置全体の動作を制御する制御手段を備え、
    該制御手段は、(1)被検眼が正視眼である場合の共役位置に配置した状態で、前記眼屈折力測定部による測定を実行させる第一のステップと、(2)第一のステップによる演算結果を仮測定値として取得する第二のステップと、
    (3)前記取得された仮測定値と同一の屈折力を有する被検眼を測定する際に許容され得る最大の前記ズレ量と、実際の仮測定時の前記ズレ量とを比較する第三のステップと、(4)この第三のステップにより、前記実際の仮測定時の前記ズレ量が、前記許容され得る最大のズレ量よりも大きいと判定された場合には、(4−1′)前記仮測定値に基づき前記しきい値定手段に前記しきい値を再設定させる第4−1′ステップと、(4−2′)前記仮測定値の大きさに応じて所定の補正を行い新たに補正仮測定値を得る第4−2′ステップと、(4−3′)該補正仮測定値に基づき前記測定指標駆動部を制御して本測定を実行するように構成されたことを特徴とする眼屈折力測定装置。
  5. 請求項1又は3に記載の眼屈折力測定装置において、前記制御手段は、被検者の左右の被検眼の片方の屈折力測定に際して再設定されたしきい値のデータを前記左右の被検眼の他方の屈折測定にも用いる様に設定されていることを特徴とする眼屈折力測定装置。
  6. 請求項2又は4に記載の眼屈折力測定装置において、前記制御手段は、被検者の左右の被検眼の片方の屈折力測定に際して補正した補正仮測定値を前記左右の被検眼の他方の屈折測定にも用いる様に設定されていることを特徴とする眼屈折力測定装置。
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