JP4616078B2 - 感熱記録材料 - Google Patents
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Description
前記感熱記録材料は、現像、定着等の煩雑な処理を施す必要がなく、比較的簡単な装置で短時間に記録することができること、騒音の発生が少ないこと、更にコストが安いこと等の利点により、図書、文書などの複写に用いられるほか、電子計算機、ファクシミリ、発券機、ラベルプリンター、レコーダー、ハンディターミナル用などの記録材料として広く使用されている。このような感熱記録体の用途の広がりによって、屋内屋外を問わず感熱記録紙が光にさらされた状態で長期間保管されるケースが多くなってきた。例えば、衣類等の表示ラベルに対する商品陳列ケースでの蛍光灯照射や窓からの太陽光照射、部品管理用ラベルに対する倉庫内での蛍光灯の長期照射、更には、物流ラベルに対する屋外での太陽光照射などがある。
(1)光の遮断(紫外線吸収剤、反射材による光の遮断)
(2)酸素の遮断(酸素を通さない膜などによる酸素の関与を防ぐ)
(3)酸化防止剤等(酸化防止剤、光安定剤等によるロイコ染料の光酸化反応の抑制)
しかしながら、この提案では、UVA(ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、ベンゾトリアジン)モノマーと、ヒンダードアミン(HALS)モノマーとが常に分子内に共存することになる。その結果、紫外線吸収剤としての機能とHALSによる酸化防止剤としての機能を分離することができず、異なる種類の置換基が同一樹脂内に存在するので、樹脂としてのパッキング性が不十分となり、バリア機能が低下することが予想される。また、UVAとHALSとが常に共存するため、紫外線吸収機能と酸化防止機能を分離することができず、技術展開上の可変性に乏しく、実用上の問題がある。
<1> 支持体と、該支持体上に少なくとも感熱層及び保護層をこの順に有してなり、該感熱層及び該保護層の少なくともいずれかが、紫外線吸収性の置換基を有する高分子化合物と、ヒンダードアミン構造を有する高分子化合物及びセミカルバジド化合物の少なくともいずれかと、を含むことを特徴とする感熱記録材料である。該<1>に記載の感熱記録材料においては、前記感熱層及び前記保護層の少なくともいずれかが、紫外線吸収性の置換基を有する高分子化合物と、ヒンダードアミン構造を有する高分子化合物及びセミカルバジド化合物の少なくともいずれかと、を含むので、感熱記録材料の欠点である地肌部の光による変色を改善するとともに、従来の紫外線吸収剤、酸化防止剤を保護層に用いた際に発生する品質の低下(画像濃度低下、印刷適性低下)を起こすことがないものである。
<2> 紫外線吸収性の置換基を有する高分子化合物が、水溶性乃至水分散性である前記<1>に記載の感熱記録材料である。
<3> ヒンダードアミン構造を有する高分子化合物の該高分子化合物を含む層における含有量が、10〜30質量%である前記<1>から<2>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<4> セミカルバジド化合物が、水溶性である前記<1>から<3>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<5> セミカルバジド化合物の該化合物を含む層における含有量が、10〜30質量%である前記<1>から<4>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<6> 感熱層が、ヒンダードアミン構造を有する高分子化合物及びセミカルバジド化合物の少なくともいずれかを含み、かつ保護層が、紫外線吸収性の置換基を有する高分子化合物を含む前記<1>から<5>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<7> 感熱層と保護層との間に中間層を有し、該中間層がバインダー樹脂及び中空粒子を含む前記<1>から<6>のいずれかに記載の感熱記録材料である。該<7>に記載の感熱記録材料においては、中間層を設けることにより、ロイコ染料の光酸化反応に関与する酸素を遮断することができるため、光による地肌部(非印字部)の変色を更に大幅に抑えることができる。
<8> 支持体の感熱層を設けない側の面上にバック層を有する前記<1>から<7>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<9> 支持体の感熱層を設けない側の面に粘着剤層と、該粘着剤層上に剥離紙とを有する感熱記録ラベルである前記<1>から<8>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<10> 支持体の感熱層を設けない側の面に加熱によって粘着性を発現する感熱粘着層を有する感熱記録ラベルである前記<1>から<8>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<11> 支持体の感熱層を設けない側の面に磁気記録層を有する感熱磁気記録紙である前記<1>から<8>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<12> 支持体が、紙、合成紙及び高分子フィルムのいずれかである前記<1>から<11>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
<13> ラベル状、シート状、及びロール状のいずれかである前記<1>から<12>のいずれかに記載の感熱記録材料である。
感熱記録材料における感熱層及び保護層の少なくともいずれかに、紫外線吸収性の置換基を有する高分子化合物(UVA樹脂)と、ヒンダードアミン構造を有する高分子化合物及びセミカルバジド化合物の少なくともいずれかと、を含有させることにより、紫外線吸収機能を有するUVA樹脂が保護層又は感熱層全体に分散粒子ではなく、分子レベルで均一に分布するため、紫外線吸収効率が向上し、光による地肌部(非印字部)の変色レベルが抑えられる。更に、光安定化機能を有するヒンダードアミン構造を有する高分子化合物が保護層、感熱層の少なくとも1層全体に分散粒子ではなく、樹脂膜として分子レベルで均一に分布し、上記紫外線機能を有するUVA樹脂と共存するために紫外線吸収剤と光安定化剤の相乗効果が従来よりも大きく、光による地肌部(非印字部)の変色を大幅に抑えることができる。また、UVA、ヒンダードアミン構造を有する高分子化合物共に高分子であるため、保護層からのブリードアウト現象を起こしにくく印刷適性の低下を抑えると共に、粒子状態に比べて隠蔽性が小さく、画像濃度を高くすることができる。
具体的には、(1)UVA樹脂とHALS樹脂を含む態様、(2)UVA樹脂とセミカルバジド化合物を含む態様、(3)UVA樹脂とHALS樹脂とセミカルバジド化合物を含む態様、が挙げられる。
前記紫外線吸収性の置換基を有する高分子化合物(UVA樹脂)としては、水溶性乃至水分散性(水系)のものが、取り扱い性、環境性、分散安定性などの点から好ましい。
前記UVA樹脂は、紫外線吸収性を有する化合物(UVA化合物)を高分子構造中に含有するものを水溶性に加工、又は、疎水性の場合にはエマルション加工したものであり、該UVA樹脂を構成するモノマー、該UVA樹脂中に含まれる紫外線吸収性の置換基(UVA構造部)については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2‘−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン等が挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジtert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−(3’,4’,5’,6’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕、2(2’−ヒドロキシ−5’−メタアクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等が挙げられる。
該市販品としては、例えば、山南合成化学社製のWF−825(水溶性UVA樹脂、樹脂固形分30質量%、UVA成分9質量%)、RWU−0001(水溶性UVA樹脂、樹脂固形分30質量%、UVA成分9質量%)、RWU−0109(水溶性UVA樹脂、樹脂固形分30質量%、UVA成分9質量%)、新中村化学社製のニューコートUVA−204W(水系エマルションUVA樹脂、樹脂固形分20質量%、UVA成分9質量%)、ニューコートUVA−1025W(水系エマルションUVA樹脂、樹脂固形分40質量%、UVA成分4質量%)、ニューコートUVA−4512MB(水系エマルションUVA樹脂、樹脂固形分42質量%、UVA成分5質量%)などが挙げられる。
前記UVAモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記構造式(1)で表されるモノマー、下記構造式(2)で表されるモノマー、などが好適に挙げられる。
R2は、直接結合、又はメチレン基を表す。
Aは、直接結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はウレタン結合を表す。
R3は、直接結合、又は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、該アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、などが挙げられる。
R4及びR5は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜18(好ましくは1〜10)のアルキル基、又はアルコキシ基を表す。前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、などが挙げられる。前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、などが挙げられる。
前記2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール構造を有する化合物としては、例えば、下記構造式(3)で表されるUVAモノマー(大塚化学社製、商品名:RUVA−93)、などが挙げられる。
前記エマルション化においては各種乳化剤の存在下で乳化することができるが、水溶化する場合には、例えば、アクリル酸モノマーをUVA樹脂を重合する際のモノマー成分として存在させ、該アクリル酸部位を、例えば、アンモニウムやアミン類等の塩基性物質で中和させて塩化することで水溶性状態を実現することができる。
前記ヒンダードアミン構造を有する高分子化合物としては、ヒンダードアミン構造を有すれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、重量平均分子量は3000以上が好ましく、5000以上がより好ましい。前記重量平均分子量が3000未満であると、UVA樹脂との相溶性が低下傾向となり、保護層からのブリードアウト現象を起こしやすく、印刷適性を低下させることがある。
該市販品としては、例えば、ニューコートHAL−11025W、ニューコートHAL−900W(いずれも新中村化学工業社製)、などが挙げられる。
前記反応型ヒンダードアミン系化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記構造式(4)で表されるアデカスタブLA−82(旭電化工業社製)、下記構造式(5)で表されるアデカスタブLA−87(旭電化工業社製)、などが挙げられる。
前記セミカルバジド化合物は、従来より、絹、ポリウレタン、ポリアミド等の樹脂黄変防止剤として用いられている。該セミカルバジド化合物を保護層及び感熱層の少なくともいずれかに含有させることにより、光による樹脂成分の黄変を防ぎ、光による地肌部(非印字部)の変色を大幅に抑えることができる。
前記セミカルバジド化合物としては水溶性のものが好ましく、また、重量平均分子量が400〜3000のオリゴマーが好ましい。これは、前記ヒンダードアミン構造を有する高分子化合物と同様に、前記セミカルバジド化合物が水溶性であり、オリゴマーであると、前記感熱層及び保護層の少なくともいずれかに分子レベルで均一に分布でき、UVA樹脂との相乗効果が大きくなるため、光による樹脂成分の黄変防止効率を向上することができ、光による地肌部(非印字部)の変色を更に大幅に抑えることができるからである。
該市販品としては、例えば、下記構造式(6)で表される1,1,1’,1’−テトラメチル−4,4’(メチレン−ジ−P−フェニル)ジセミカルバジド(日本ヒドラジン工業社製、HN−150)、下記構造式(7)で表される1,6−ヘキサメチレンビス(N,N’−ジメチルセミカルバジド)(日本ヒドラジン工業社製、HN−130)、下記構造式(8)で表されるビューレットリ−トリ(ヘキサメチレン−N,N−ジメチルセミカルバジド)を主成分とするオリゴマー(日本ヒドラジン工業社製、HN−300)、などが挙げられる。
前記保護層は、前記UVA樹脂、前記ヒンダードアミン構造を有する高分子化合物、及び前記セミカルバジド化合物以外にも、バインダー樹脂、架橋剤を含んでなり、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記保護層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.5〜5μmが好ましく、1〜3μmがより好ましい。
なお、前記保護層上には、必要に応じてシリコーン樹脂含有層を設けることができる。
前記感熱層は、熱によって発色する機能を有するものであり、前記UVA樹脂、前記ヒンダードアミン構造を有する高分子化合物、及び前記セミカルバジド化合物以外にも、塩基性色素前駆体(ロイコ染料)と、酸性物質(顕色剤)とを含んでなり、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記塩基性色素前駆体(ロイコ染料)としては、特に制限はなく、感熱記録材料に適用されているものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3,3−ビス(P−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(P−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−p−トリル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−ヘキシル−N−イソアミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−フラニルメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチル−N−ブチルアミノ−7−(2’−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ピロジリル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ビス(ジフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2’−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(2’−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ブチルアミノ−7−(2’−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エトクシエチル−7−アニリノフルオラン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、3−N−エチル−N−p−トリル−6−メチル−7−アニリノフルオランは、それ自身が光に対する着色が発生しにくく、更に熱や光による発色も起こりにくいことから、特に好ましい。
これらは、単独もしくは混合して使用され、更に、必要に応じて架橋剤(硬化剤)を添加して硬化させてもよい。この場合の架橋剤(硬化剤)としては、結着剤と反応するもので、例えば、グリオキザール誘導体、メチロール誘導体、エピクロルヒドリン誘導体、エポキシ化合物、アジリジン化合物等が挙げられる。
前記感熱層の厚みは、前記感熱層の組成や感熱記録材料の用途等により異なり一概には規定できないが、1〜50μmが好ましく、3〜20μmがより好ましい。
前記支持体としては、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、平板状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記感熱記録材料の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、50〜2,000μmが好ましく、100〜1,000μmがより好ましい。
前記中間層は、前記保護層と感熱層との間に設けることができる。この中間層を設けることにより、ロイコ染料の光酸化反応に関与する酸素を遮断することができるため、光による地肌部(非印字部)の変色を更に大幅に抑えることができる。
前記中間層は、バインダー樹脂と、中空粒子とを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記中空粒子としては、熱可塑性樹脂を殼としてなる中空率30〜95%程度の微小中空粒子又はポーラスな顔料などが挙げられる。
前記中空粒子とは、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に空気、その他の気体を含有し、すでに発泡状態となっている中空粒子を意味する。ここで、前記中空率とは、中空微粒子の外径基準の体積と内径基準の体積の比を意味する。
また、前記中間層に用いられるポーラスな顔料としては、尿素ホルムアルデヒド樹脂等の有機顔料やシラス土等の無機顔料があるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
また、前記水性高分子エマルジョンとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体等のラテックス;酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂等のエマルジョン等が挙げられる。
前記感熱記録材料は、支持体の感熱層を設けない側の面上にバック層を有することが好ましい。
前記バック層は、バインダー樹脂、フィラー、滑剤、着色顔料等のその他の成分を含有してなる。
前記無機フィラーとしては、例えば、炭酸塩、ケイ酸塩、金属酸化物、硫酸化合物、等が挙げられる。前記有機フィラーとしては、例えば、シリコーン樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ホルムアルデヒド系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、等が挙げられる。
前記バック層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜20μmが好ましく、0.3〜10μmがより好ましい。
前記感熱記録材料としての感熱記録ラベルは、第1形態では、支持体の感熱層を設けない側の面に粘着剤層と、該粘着剤層上に剥離紙とを有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記粘着剤層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢ビ系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系共重合体、天然ゴム、シアノアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても構わない。
前記感熱粘着層は、熱可塑性樹脂及び熱溶融性物質を含有してなり、更に必要に応じて粘着付与剤を含有してなる。
前記熱可塑性樹脂は、粘着力、及び接着力を付与するものである。前記熱溶融性物質は、常温では固体であるため、樹脂に可塑性は与えないが、加熱により溶融して樹脂を膨潤乃至軟化させて粘着性を発現させるものである。また、前記粘着付与剤は粘着性を向上させる働きを有するものである。
前記感熱記録材料としての感熱磁気記録紙は、支持体の感熱層を設けない側の面に磁気記録層を有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記磁気感熱層としては、酸化鉄、バリウムフェライト等と塩ビビル系やウレタン系樹脂、ナイロン系樹脂等を用い、支持体上に塗工形成されるか、又は蒸着、スパッタリング等の方法により樹脂を用いず形成される。前記磁気感熱層は支持体における該感熱層とは反対側の面に設けることが好ましいが、支持体と該感熱層との間、該感熱層上の一部に設けてもよい。
−感熱層塗布液の調製−
下記組成よりなる混合物を磁性ボールミルで分散して、[A液]〜[C液]を調製した。
[A液]=ロイコ染料分散液
・3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン・・・10質量部
・10質量%ポリビニルアルコール水溶液・・・10質量部
・水・・・30質量部
[B液]=顕色剤分散液
・4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン・・・10質量部
・10質量%ポリビニルアルコール水溶液・・・10質量部
・水・・・30質量部
[C液]=顔料分散液
・二酸化ケイ素粉末・・・10質量部
・10質量%ポリビニルアルコール水溶液・・・10質量部
・水・・・30質量部
下記組成から常法により、保護層塗布液を調製した。
・UVA樹脂1:山南合成化学社製WF−825(水溶性UVA樹脂、樹脂固形分30質量%、UVA成分9質量%)・・・100質量部
・水・・・100質量部
実施例1において、表1に記載のUVA成分(UVA樹脂、UVA低分子)、HALS成分(HALS樹脂、HALS低分子)、及びセミカルバジド系化合物を添加、添加量を変動した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜18及び比較例1〜7の各感熱記録材料を作製した。なお、中間層塗布液としては、ポリビニルアルコール10質量%水溶液を用いた。また、実施例4の保護層塗布液では、水の代わりに溶剤を用いた。
UVA樹脂を用いない比較例1、2、3、6、7においては、UVA樹脂の代わりにポリビニルアルコールを添加して保護層を形成した。
また、UVAの付着量はUVA成分として0.5g/m2、ヒンダードアミン系化合物の付着量はヒンダードアミン成分として0.2g/m2、セミカルバジド系化合物の付着量は0.2g/m2であった。
*添加層:OC(保護層)、TC(感熱層)
<UVA>
・UVA樹脂1:山南合成化学社製WF−825(水溶性UVA樹脂、樹脂固形分30質量%、UVA成分9質量%)
・UVA樹脂2:新中村化学社製ニューコートUVA−204W(水系エマルションUVA樹脂、樹脂固形分20質量%、UVA成分9質量%)
・UVA樹脂3:新中村化学社製バナレジンUVA−1050H(非水溶性UVA樹脂、トルエン−MEK混合溶液、樹脂固形分40質量%、UVA成分20質量%)
・UVA低分子:下記構造式で表される大塚化学社製RUVA−93(UVA樹脂に含まれるモノマー自身)
・HALS低分子:下記構造式で表される旭電化工業社製アデカスタブLA−82)
・下記構造式で表されるヒンダードフェノール系化合物(旭電化工業社製、アデカスタブAO−40)
・非水溶性:下記構造式(6)で表される1,1,1’,1’−テトラメチル−4,4’(メチレン−ジ−P−フェニル)ジセミカルバジド(日本ヒドラジン工業社製、HN−150)
東洋精機社製のウエザオメーターを用いて、各試験片にキセノン光を12時間照射した後の非画像部の色彩値をミノルタ社製分光測色計CM−3700dを用いて測定し、そのb*値を求め、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎◎:b*値が2.0以上2.5未満
◎ :b*値が2.5以上3.0未満
○ :b*値が3.0以上3.5未満
○△:b*値が3.5以上5.0未満
△ :b*値が5.0以上7.5未満
△×:b*値が7.5以上10.0未満
× :b*値が10.0以上15.0未満
熱傾斜試験機を用いて、200−110℃の温度範囲において10℃きざみで裏面から熱ブロックによる印字(2kgf/cm2、1秒)を行い、最大発色濃度をマクベス反射濃度計で測定し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎ :1.40以上
○ :1.35以上1.40未満
○△:1.30以上1.35未満
△ :1.20以上1.30未満
× :1.10以上1.20未満
RI−テスターにて、(1)ニューZ OPニス(大日本インキ化学工業株式会社製)、(2)DIC EX−2 red(大日本インキ化学工業株式会社製)を用いて印刷試験を行い、下記の光沢度及び印刷濃度についての評価を実施した。
−光沢度の評価−
上記(1)のニューZ OPニス(大日本インキ化学工業株式会社製)を用いて印刷試験を行ったサンプルについて日本電色工業製変角光沢度計を用い光沢度を測定し(角度75°)、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎ :90.0以上
○ :80.0以上90未満
○△:65.0以上80.0未満
△ :50.0以上65.0未満
× :50.0未満
上記(2)のDIC EX−2 red(大日本インキ化学工業株式会社製)を用いて印刷試験を行ったサンプルについて、印刷濃度(赤)をマクベス反射濃度計で測定し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎ :OD値が1.60以上
○ :OD値が1.40以上1.60未満
○△:OD値が1.20以上1.40未満
△ :OD値が1.00以上1.20未満
× :OD値が1.00未満
Claims (12)
- 支持体と、該支持体上に少なくとも感熱層及び保護層をこの順に有してなり、
前記感熱層が、ヒンダードアミン構造を有する高分子化合物及びセミカルバジド化合物から選択される少なくとも1種を含み、かつ前記保護層が、紫外線吸収性の置換基を有する高分子化合物を含むことを特徴とする感熱記録材料。 - 紫外線吸収性の置換基を有する高分子化合物が、水溶性乃至水分散性である請求項1に記載の感熱記録材料。
- ヒンダードアミン構造を有する高分子化合物の該高分子化合物を含む層における含有量が、10〜30質量%である請求項1から2のいずれかに記載の感熱記録材料。
- セミカルバジド化合物が、水溶性である請求項1から3のいずれかに記載の感熱記録材料。
- セミカルバジド化合物の該化合物を含む層における含有量が、10〜30質量%である請求項1から4のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 感熱層と保護層との間に中間層を有し、該中間層がバインダー樹脂及び中空粒子を含む請求項1から5のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 支持体の感熱層を設けない側の面上にバック層を有する請求項1から6のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 支持体の感熱層を設けない側の面に粘着剤層と、該粘着剤層上に剥離紙とを有する感熱記録ラベルである請求項1から7のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 支持体の感熱層を設けない側の面に加熱によって粘着性を発現する感熱粘着層を有する感熱記録ラベルである請求項1から7のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 支持体の感熱層を設けない側の面に磁気記録層を有する感熱磁気記録紙である請求項1から7のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 支持体が、紙、合成紙及び高分子フィルムのいずれかである請求項1から10のいずれかに記載の感熱記録材料。
- ラベル状、シート状、及びロール状のいずれかである請求項1から11のいずれかに記載の感熱記録材料。
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