JP4615363B2 - 包装袋へのマーキング方法およびマーキング付き包装袋 - Google Patents
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Description
特許文献2には、通常は存在が分からないようにしたマーキングを飲料缶の缶蓋部分に形成するため、母材金属の表面に設けられた透明樹脂の薄い塗膜をレーザー光で焼き切るようにしてマーキングする方法が記載されている。
特許文献3には、金属箔を有する包装材の表側に設けられた印刷層を、下刷り層で断熱してレーザー光で加熱し、印刷層の溶融、流動化もしくは昇華による白抜き文字の形成、あるいは化学反応による変色による発色文字の形成を行う方法が記載されている。
特許文献4には着色層及び樹脂フィルム層を表面に有する紙基材により作製された包装用ケースの表面にレーザー光を照射し、このレーザー光で着色層及び樹脂フィルム層を蒸発させることにより包装用ケースに表示を形成する方法が記載されている。
特許文献5には、レーザー光の照射により、金属フォイルの上層のプラスチックフィルムが、視認可能な変色が起こるような態様で熱的に変化するか、或いは表面の一部が除去されることによって所望の印字を形成する方法が記載されている。
特許文献2に記載の方法は、敢えて存在が分からないような印字をするものであり、鮮明な文字や絵柄等を必要とする包装袋には適用できない。
特許文献3に記載の方法は、PTP包装の蓋材などに適用されるもので、基材フィルム層を有しない包装材料に適用されるものである。そして、印刷層やその上に設けられたオーバーコート層を除去することなく、白抜き文字を形成するものである。したがって、レーザー照射が印字に充分な変化を印刷層にもたらすためにはオーバーコート層は設けないか、あるいはその厚さを0.5〜2μmと極めて薄くする必要があり、通常の包装袋には適用できない。
特許文献4に記載の方法は、当該明細書の段落0017に記載されたように、紙基材を用いることによってレーザー照射によるケースの変形を防いでいる。また、金属層も有しない。よって合成樹脂を主体とする材料からなる包装袋に適用した場合、レーザー照射により生じる熱のため合成樹脂の変形や穿孔(ピンホール)等が発生するおそれがある。
特許文献5に記載の方法は、単に、金属フォイルに接着されたプラスチックフィルムをレーザーでマーキングするものであり、プラスチックフィルムの材質や厚さによっては短時間のレーザー照射では印字が不明瞭になるおそれがある。
前記透明インキ層を構成する透明インキは、無機系の着色剤を含まないことが好ましい。前記透明インキは、有機系着色剤およびカーボン系着色剤のうちの1種または2種以上からなる着色剤を含有することが好ましい。
前記レーザー光の照射は、前記包装材料または包装袋を充填機にセットしたのち、前記充填機において前記包装材料または包装袋に内容品を充填する前に行うことが好ましい。
前記レーザー光の照射は、前記包装材料のシール予定部および/またはシール部に行うことができる。
前記透明インキ層を構成する透明インキは、無機系の着色剤を含まないことが好ましい。前記透明インキは、有機系着色剤およびカーボン系着色剤のうちの1種または2種以上からなる着色剤を含有することが好ましい。前記マーキングはシール部に設けることができる。
図1は、本発明で用いられる包装材料の層構成の一例を示す模式的断面図である。
本形態例のマーキング方法では、包装材料1として、シーラント層1aと補強層1bと金属層1cと透明インキ層1dと基材フィルム層1eをこの順に有する積層体を使用する。
補強層1bは、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂、ナイロン(Ny)等のポリアミド樹脂、ポリプロピレン(PP)などの強度を補う層、あるいは、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、塩化ビニリデン等の合成樹脂からなるガスバリア性等の機能を補強する層である。強度を補強する場合は一軸方向又は二軸方向に延伸された延伸フィルムが好ましい。これらのフィルム層は二層以上設けられていても良い。あるいは、共押出や押出ラミネートされたPPやPE等のポリオレフィン系樹脂層などであってもよい。なお、本発明においては、シーラント層1aや補強層1bはレーザー光によるマーキングには影響を与えないので、通常の包装材料に用いられるのと同様に、用途に合わせて種類や厚さは任意に選択することができる。
金属層1cが蒸着膜である場合、例えば補強層1bまたは透明インキ層1d上に金属を蒸着するか、あるいは、PET等からなる他のフィルム(図示せず)上に金属を蒸着した他のフィルムを積層することにより形成できる。前記他の金属蒸着フィルムを積層する場合は、金属蒸着膜が金属層1cとなり、前記他のフィルムが補強層1bとなるように積層することが好ましい。金属層1cを透明インキ層1dと積層するには、透明インキ層1dをグラビア印刷やオフセット印刷など公知の印刷法で基材フィルム層1eに裏印刷し、基材フィルム層1eとの間に接着剤層を設けて金属層1cと接着することが好ましい。金属層1cの接着に用いられる接着剤としては、特に限定はないが、ウレタン系接着剤やエポキシ系接着剤等の各種ドライラミネート用接着剤が挙げられる。
なお、本発明では、メジュウムのみ配合し、着色剤を配合することなく無色透明とした透明インキを用いることもできる。
レーザー光Lとしてはレーザーマーキングに使用可能なものであれば特に限定はなく、例えば炭酸ガス(CO2)レーザー、イットリウムアルミニウムガーネット(YAG)レーザー、エキシマーレーザー等が挙げられる。
図2は、本発明の包装袋の一例としてのピロータイプ包装袋を示す図であり、図3は、図2の包装袋の製造と内容品の充填を行うために用いられる製袋充填機の一例を示す概略斜視図である。図2に示すピロータイプ包装袋6は、上述の層構成を有する包装材料1を縦シール部3によって筒状にするとともに、上下一対の横シール部4、4によって内容品の収納室5を密封したものである。
充填手段12は、先端から内容品(図示略)を供給する充填ノズルであり、成形板11のフィルム通過口11aに挿通されている。充填ノズル12の先端部は、筒状化した包装材料1内に達している。なお、図3において充填ノズルの上部は図示を省略しているが、内容品を供給するタンクや内容品を圧送するポンプ等に接続されている。
縦シール手段13は、筒状化された包装材料1の側縁部2,2同士が重ね合わされた部分を一対のシール板で挟み込み、ヒートシールによって縦シール部3を形成する。
横シール手段14は、包装材料1を一対のシール板で横方向(長手方向に交差する方向)に挟み込み、ヒートシールによって横シール部4を形成する。
レーザー光照射手段15は、ガイドロール16のうちの1本に向かって設置されており、ガイドロール16に支持されたヒートシール前の包装材料1に対してレーザー光を照射できるようになっている。マーキングが包装袋6の外面側に形成されるよう、レーザー光照射手段15は、包装材料1の外面側(基材フィルム層1eの側)に面して設置されれば良く、レーザー光照射手段15の向きは、鉛直上向き、鉛直下向き、横向き、斜めなど、特に限定されない。
また、包装袋の内容品を充填する部分にマーキングを行う場合、内容品の充填前にレーザー照射を行うことにより、マーキングの位置制御が容易となり、ゆがみのない、識別しやすいマーキングを容易に形成することができる。なお、レーザー光照射手段15は、図3中、二点鎖線で示したように、充填後に形成済みのシール部上にレーザー光を照射する箇所に設置することもできる。
図5に示す四方シール包装袋8は、上述の層構成を有する包装材料1を縦方向に沿って2枚に切断し(もしくは裏表2枚の包装材料1、1を用いて)包装材料1同士を重ね合わせ、内容品の収納室5の周囲四方を左右一対の縦シール部3、3および上下一対の横シール部4、4によって閉鎖して密封したものである。
充填手段22は、先端から内容品(図示略)を供給する充填ノズルであり、リード21の穴21aに挿通されている。この充填ノズル22の先端部は、2つ折りにされた包装材料1内に達している。なお、図6において充填ノズルの上部は図示を省略しているが、内容品を供給するタンクや内容品を圧送するポンプ等に接続されている。
また、包装袋の内容品を充填する部分にマーキングを行う場合、内容品の充填前にレーザー照射を行うことにより、マーキングの位置制御が容易となり、ゆがみのない、識別しやすいマーキングを容易に形成することができる。なお、レーザー光照射手段25は、図6中、二点鎖線で示したように、充填後にシール部上にレーザー光を照射する箇所に設置することもできる。
なお、図6に示す製袋充填機20において、横シール用シールロール24、24の下方に、ヒートシール直後の横シール部4を冷却する冷却ロールを設けることもできる。これにより、横シール部4にかみ込んだ内容品を押し出すとともに、横シール部4上のシーラント層の樹脂を冷却固化させ、ヒートシール強度を向上させることができる。
図7に示す包装袋30は、2つ折りにされた底部材32を一対の胴部材31、31の間の下部に介装したものであり、胴部材31、31の両側縁同士にはヒートシールにより側縁シール部34が設けられ、各胴部材31と底部材32との下端部にはヒートシールにより底シール部35が設けられている。側縁シール部34と底シール部35とに囲まれた部分は、内容品が充填される収納室36となっている。内容品の充填前には、収納室36は包装袋30の上部の開口部33で開口している。
また、包装袋30の収納室36にマーキングする場合、内容品を充填する前にレーザー照射を行うことにより、マーキングの位置制御が容易となり、ゆがみのない、識別しやすいマーキングを容易に形成することができる。なお、レーザー光照射手段は、充填後に形成済みのシール部上にレーザー光を照射する箇所に設置することもできる。
包装袋の形態は、上記説明中に例示した包装袋に限定されるものではない。その他ガゼットタイプの包装袋など種々の包装袋に対して特に制限なく本発明を適用可能である。
また、包装袋は、本発明に用いる透明インキ層以外のインキ層を有しても良い。その場合、両インキ層は基材フィルムに裏印刷するとき同時に形成することもできる。ただし、本発明に用いる透明インキ層が形成される部分には、白ベタなど他のインキ層が存在しないことが好ましい。
Claims (9)
- 基材フィルム層と透明インキ層と金属層をこの順に備える積層体を、前記基材フィルム層が最表面となるように有する包装材料からなる包装袋へのマーキング方法であって、
前記基材フィルム層側からのレーザー光の照射により前記基材フィルム層および透明インキ層を除去し、この除去痕によりマーキングを形成することを特徴とする包装袋へのマーキング方法。 - 前記透明インキ層を構成する透明インキは、無機系の着色剤を含まないことを特徴とする請求項1に記載の包装袋へのマーキング方法。
- 前記透明インキは、有機系着色剤およびカーボン系着色剤のうちの1種または2種以上からなる着色剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の包装袋へのマーキング方法。
- 前記レーザー光の照射は、前記包装材料または包装袋を充填機にセットしたのち、前記充填機において前記包装材料または包装袋に内容品を充填する前に行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の包装袋へのマーキング方法。
- 前記レーザー光の照射は、前記包装材料のシール予定部および/またはシール部に行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の包装袋へのマーキング方法。
- 基材フィルム層と透明インキ層と金属層をこの順に備える積層体を、前記基材フィルム層が最表面となるように有する包装材料からなる包装袋であって、
前記基材フィルム層の側からのレーザー光の照射により前記基材フィルム層および透明インキ層が除去されてなるマーキングを有することを特徴とするマーキング付き包装袋。 - 前記透明インキ層を構成する透明インキは、無機系の着色剤を含まないことを特徴とする請求項6に記載のマーキング付き包装袋。
- 前記透明インキは、有機系着色剤およびカーボン系着色剤のうちの1種または2種以上からなる着色剤を含有することを特徴とする請求項6または7に記載のマーキング付き包装袋。
- 前記マーキングがシール部に設けられたことを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載のマーキング付き包装袋。
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