JP4615193B2 - 金属膜研磨用スラリー - Google Patents
金属膜研磨用スラリー Download PDFInfo
- Publication number
- JP4615193B2 JP4615193B2 JP2003076332A JP2003076332A JP4615193B2 JP 4615193 B2 JP4615193 B2 JP 4615193B2 JP 2003076332 A JP2003076332 A JP 2003076332A JP 2003076332 A JP2003076332 A JP 2003076332A JP 4615193 B2 JP4615193 B2 JP 4615193B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polishing
- acid
- slurry
- colloidal silica
- oxidizing agent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属膜を研磨するための研磨用スラリーに関する。
【0002】
【従来の技術】
CMP(Chemical Mechanical Polishing)は、半導体材料からなるウェハの層間絶縁膜の平坦化などを行う技術であり、半導体の一層の高性能化および高集積化を達成する上で、必要不可欠なものになっている。
【0003】
CMP工程では、図3に示すように、研磨定盤1に貼付されたパッド2に、ウェハ3の被研磨面がパッド2に接するようにウェハ3を載せ、ウェハ3に加圧ヘッド4を押し付けてウェハ3に一定の荷重をかけかつ研磨用スラリー5をパッド2表面に供給しながら、パッド2と加圧ヘッド4とを回転させることによって、ウェハ3の研磨が行われる。
【0004】
研磨用スラリーは、水に、シリカ、アルミナ、チタニアなどからなる研磨材を添加した水性スラリーであり、ウェハの被研磨面に形成されている膜の材質などに応じて、適当な研磨材および添加剤が選択される。
【0005】
従来から、ウェハの金属膜を研磨するに際しては、たとえば、シリカ系、アルミナ系などの研磨材および硫酸、硝酸、酢酸などの酸を含むスラリー(たとえば、特許文献1参照)、シリカ系、アルミナ系などの研磨材、リン酸などの酸および過酸化水素などの酸化剤を含むスラリー(たとえば、特許文献2参照)、シリカ系研磨材(コロイダルシリカ)および過硫酸塩などの研磨促進剤を含むスラリー(たとえば、特許文献3参照)などが知られている。しかしながら、これらのスラリーは、金属膜特にタングステン膜に対する研磨能力が充分ではなく、しかも研磨速度も満足の行く水準に達していない。
【0006】
また、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカなどのシリカ系研磨材、ヨウ素酸カリウムなどの酸化剤および無機酸を含むスラリーも知られている。このスラリーは、金属膜の中でも特にタングステン膜の研磨に汎用されるものであり、ヨウ素酸カリウムの安定性を考慮し、pH4付近に調整して用いられている。ヨウ素酸カリウムはタングステン膜に対して強い酸化作用を示し、タングステン膜を脆弱化する。それと同時に、研磨材による機械的な研磨が施されるので、タングステン被膜に対して優れた研磨能力が発現され、平坦度の高い研磨面を得ることができる。しかしながら、pH4付近では、ヨウ素酸カリウムが本来有しているタングステン酸化能力が充分には発揮されない。その結果、研磨能力には優れるものの、満足できる水準の研磨速度は得られない。ヨウ素酸カリウムのタングステン酸化能力を最大に発揮させるためには、pH2程度の強酸性下におくことが必要である。しかしながら、前述のように、pH2程度ではヨウ素酸カリウムが不安定になって分解を起こす。しかも、真球状コロイダルシリカ、ヒュームドシリカなどのシリカ系研磨材は、酸濃度が高くなるほど膨潤が進み、その機械的な研磨能力を失うという特性を有している。
【0007】
また、コロイダルシリカなどのシリカ系研磨材、過酸化水素、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸、オゾン水などの酸化剤、ベンゾトリアゾールなどの金属表面に対する保護膜形成剤およびマロン酸、リンゴ酸、酒石酸、グリコール酸、クエン酸などの有機酸を含むスラリーが知られている(たとえば、特許文献4参照)。しかしながら、このスラリーは、タングステン膜に対する研磨能力が充分ではない。
【0008】
【特許文献1】
米国特許第4944836号明細書
【特許文献2】
米国特許第5209816号明細書
【特許文献3】
特開平6−313164号公報
【特許文献4】
特開2001−127020号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高い研磨能力および研磨速度を併せ持ち、CMP工程において、金属膜、特にタングステン膜の研磨に極めて好適に使用できる半導体研磨用スラリーを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、研磨定盤上のパッドに被研磨面が接するように載せられた金属膜ウェハに、荷重をかけかつパッドと加圧ヘッドとを回転させて該ウェハを研磨する際にパッド表面に供給され、少なくともタングステンを含む金属膜を研磨するための研磨用スラリー(複素環を有する化合物および三重結合を有する界面活性剤を含むものを除く)であって、非真球状コロイダルシリカ、酸化剤としてヨウ素酸カリウム、ヨウ素カリウムおよびヨウ素酸から選ばれる1種または2種以上および有機酸として有機カルボン酸を含有し、残部が水であり、pHが2〜3であることを特徴とする研磨用スラリーである。
【0011】
本発明に従えば、研磨定盤上のパッドに被研磨面が接するように載せられた金属膜ウェハに、荷重をかけかつパッドと加圧ヘッドとを回転させて該ウェハを研磨する際にパッド表面に供給され、少なくともタングステンを含む金属膜を研磨するための研磨用スラリーであって、非真球状コロイダルシリカ、酸化剤としてヨウ素酸カリウム、ヨウ素カリウムおよびヨウ素酸から選ばれる1種または2種以上および有機酸として有機カルボン酸を含有し、残部が水であり、pHが2〜3であることを特徴とする研磨用スラリーが提供される。
【0019】
また、酸化剤はヨウ素を含む特定の酸化剤であることが好ましく、ヨウ素酸カリウムであることが特に好ましい。それによって、本発明スラリーにおいて、顕著に優れた研磨能力および研磨速度が発揮される。酸化剤としてヨウ素酸カリウムを用い、スラリーのpHを前述の2〜3の範囲に調整しても、スラリー中に共存する非真球状コロイダルシリカおよび有機酸の作用によって、ヨウ素酸カリウムはスラリー中に安定して存在するので、ヨウ素酸カリウムが本来有する研磨能力が充分に発揮され、金属膜、特にタングステン膜の研磨において、きわめて高い研磨能力および研磨速度を示す半導体研磨用スラリーを得ることができる。
【0020】
このように、本発明において、有機酸は単にpH調整剤として用いられているのではなく、強酸性域でヨウ素酸カリウムなどの酸化剤を安定化し、酸化剤が本来有する研磨能力を最大限に発揮させるという効果をも有している。このような効果は、ヨウ素酸カリウムなどの酸化剤と併用する場合に初めて得られるのであり、従来知られていない効果である。
【0022】
また、スラリーにおける酸化剤の含有量は特定の範囲にあることが好ましい。それによって、本発明スラリーの研磨能力および研磨速度が向上するとともに、金属膜の研磨しすぎ、金属膜表面でのスクラッチの発生といった不都合を起こすことなく、金属膜の適切な平坦化を容易に達成することができる。
【0025】
本発明に従えば、有機酸がカルボン酸であることによって、スラリーがpH2〜3の強酸性域であっても、ヨウ素酸カリウムなどの酸化剤をスラリー中に一層安定的に存在させることができ、酸化剤の金属膜に対する研磨能力を最大限に発揮させることができる。
【0026】
また本発明の研磨用スラリーは、有機酸の含有量がスラリー全量の0.01〜20重量%であることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の研磨用スラリーは、非真球状コロイダルシリカ、酸化剤としてヨウ素酸カリウム、ヨウ素カリウムおよびヨウ素酸から選ばれる1種または2種以上および有機酸として有機カルボン酸を含有し、残部が水であり、pHが2〜3である水性組成物である。
【0029】
非真球状コロイダルシリカは、図1に示す特性を有する。図1は、非真球状コロイダルシリカ、真球状コロイダルシリカおよびヒュームドシリカをそれぞれ12重量%含む水性スラリーを用いて、ウェハ表面に形成されたTEOS膜を研磨除去する際の、除去速度と各々の水性スラリーのpHとの関係を示すグラフである。図1から明らかなように、非真球状コロイダルシリカは、アルカリ性域よりも酸性域において高い機械的研磨能力を示す。一方、従来から汎用されているシリカ系研磨材である真球状コロイダルシリカ(通常は単にコロイダルシリカと呼ばれている)およびヒュームドシリカは、酸性域では膨潤し、研磨能力が低下する。したがって、シリカ系研磨材を用いる場合には、アルカリ性域で使用するのが技術常識になっており、非真球状コロイダルシリカが酸性域で高い研磨能力を示すのは、予想外のことである。このように、CMPの分野では、非真球状コロイダルシリカと真球状コロイダルシリカは全く異なる作用を有する研磨材である。また、非真球状コロイダルシリカは、前述のシリカ系研磨材よりも低い濃度でも、同等またはそれ以上の研磨能力を示し、研磨後のパーティクル残存量も少ないという利点を有している。
【0032】
本発明で使用する非真球状コロイダルシリカは、長径/短径比が1.2〜3.5の範囲にある非真球状コロイダルシリカの混合物であり、好ましくは長径/短径比が1.5〜3.0の範囲にある非真球状コロイダルシリカの混合物である。
【0033】
非真球状コロイダルシリカは、長径/短径比が前記の範囲内にあるものであれば、単独でも使用できまたは2種以上を併用できる。
【0034】
非真球状コロイダルシリカの含有量は特に制限されず、それ自体の粒子径(長径)および長径と短径との比、併用する酸化剤および有機酸の種類および含有量、研磨対象になる半導体薄膜の種類および膜厚などの各種条件に応じて広い範囲から適宜選択できるけれども、通常は本発明スラリー全量の0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜10重量%である。0.01重量%未満では、充分な研磨速度が得られない可能性がある。一方30重量%を大幅に超えると、パーティクルの残留、スクラッチの発生などが起こるおそれがある。
【0035】
酸化剤としては、金属膜、特にタングステン膜を研磨することを考慮すると、ヨウ素を含む酸化剤が好ましい。ヨウ素を含む酸化剤としては、たとえば、ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸、ヨウ素カリウム、ヨウ素酸などが挙げられる。これらの中でも、ヨウ素酸カリウムが好ましい。酸化剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。酸化剤の含有量は特に制限されず、非真球状コロイダルシリカの粒子径(長径)、長径と短径との比および含有量、酸化剤の種類、有機酸の種類および含有量、研磨対象になる金属膜の材質および研磨しようとする膜厚などの各種条件に応じて広い範囲から適宜選択できるけれども、通常は本発明スラリー全量の0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。0.01重量%未満では、充分な研磨速度が得られない可能性がある。一方20重量%を大幅に超えると、スクラッチが発生するおそれがある。
【0036】
有機酸としては、ヨウ素酸カリウムなどの酸化剤の、pH2〜3程度の強酸性域での安定性を考慮すると、カルボン酸が好ましく、カルボン酸としては公知のものを使用でき、たとえば、乳酸、マロン酸、酢酸、ギ酸、ニコチン酸、リンゴ酸、クエン酸、サリチル酸、アジピン酸、コハク酸、マレイン酸、酒石酸、アスコルビン酸、キナルジン酸、吉草酸、酪酸、没食子酸などのカルボン酸、アミノ酸などが挙げられる。これらの中でも、乳酸、マロン酸、酢酸、クエン酸などが特に好ましい。有機酸は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。有機酸の含有量は特に制限されず、非真球状コロイダルシリカの粒子径(長径)、長径と短径との比および含有量、酸化剤の種類および含有量、有機酸の種類、スラリーのpH、研磨対象になる金属膜の材質および研磨しようとする膜厚などの各種条件に応じて広い範囲から適宜選択できるけれども、通常はスラリー全量の0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは3〜8重量%である。0.01重量%未満では、スラリーのpHを所望の領域に調整できない可能性がある。20重量%を大幅に超えると、金属膜にピッティングなどの欠陥が生じるおそれがある。
【0037】
本発明スラリーは、その好ましい特性を損なわない範囲で、従来から研磨用スラリーに常用されている各種の添加剤の1種または2種以上を含んでいてもよい。該添加剤の具体例としては、たとえば、ポリカルボン酸アンモニウムなどの分散剤、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、グリセリンなどの水溶性アルコール、界面活性剤、緩衝液、粘度調節剤などが挙げられる。
【0038】
本発明スラリーは、非真球状コロイダルシリカ、酸化剤および有機酸の適量、ならびに必要に応じて他の添加剤の適量に水を加えて全量を100重量%とし、これらの成分を一般的な混合方法にしたがって混合することによって製造できる。
【0039】
このようにして得られる本発明スラリーは、そのpHが2〜3であることによって、図1に示すように、非真球状コロイダルシリカの機械的研磨能力が最大限に発揮されるとともに、酸化剤、特にヨウ素酸カリウムの化学的研磨能力が最大限に発揮されるので、両者の相乗作用によって、極めて高い研磨速度を達成することができる。
【0040】
本発明スラリーの好ましい形態は、非真球状コロイダルシリカ、酸化剤としてヨウ素酸カリウム、ヨウ素カリウムおよびヨウ素酸から選ばれる1種または2種以上および有機酸として有機カルボン酸を含有し、残部が水であり、pHが2〜3である水性組成物である。
【0041】
本発明スラリーのさらに好ましい形態は、長径と短径との比(長径/短径)が1.2〜3.5である非真球状コロイダルシリカ0.01〜30重量%、ヨウ素酸カリウム0.01〜20重量%および有機カルボン酸0.01〜20重量%を含有し、残部が水であり、そのpHが2〜3である組成物である。
【0042】
本発明スラリーの特に好ましい形態は、長径と短径との比(長径/短径)が1.2〜3.5である非真球状コロイダルシリカ0.01〜30重量%、ヨウ素酸カリウム0.01〜20重量%ならびに乳酸および/またはマロン酸0.01〜20重量%を含有し、残部が水であり、そのpHが2〜3である組成物である。
【0043】
本発明スラリーを用いるウェハの研磨は、従来の研磨用スラリーに代えて本発明スラリーを使用する以外は、従来の方法と同様に実施できる。
【0046】
【実施例】
以下に実施例、比較例および試験例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
【0047】
実施例1
非真球状コロイダルシリカ(平均長径70nm、長径と短径との比1.2〜3.5)1.5重量%、ヨウ素酸カリウム3.0重量%、乳酸6.54重量%および残部水を混合し、本発明の研磨用スラリー(pH2.2)を製造した。
【0048】
実施例2
乳酸6.54重量%に代えてマロン酸7.55重量%を使用する以外は、実施例1と同様にして、本発明の研磨用スラリー(pH2.3)を製造した。
【0049】
比較例1
乳酸を用いない以外は実施例1と同様にして、比較用の研磨用スラリー(pH4.0)を製造した。
【0050】
比較例2
乳酸6.54重量%に代えてリン酸第一カリウム3.5重量%を使用する以外は実施例1と同様にして、比較用の研磨用スラリー(pH4.0)を製造した。
【0051】
試験例1
実施例1および比較例1〜2で得られた研磨用スラリーを用いて、タングステンウェハを研磨し、引き続きインサイトコンディショニングを行った。研磨条件およびコンディショニング条件はつぎの通りである。
【0052】
〔研磨条件〕
研磨装置:商品名AVANTI472、SpeedFam−IPEC社製
ウェハへの荷重 :5(psi)
研磨定盤の回転数 :100(rpm)
加圧ヘッドの回転数:94(rpm)
スラリー流量 :170(ml/分)
研磨時間 :60秒
【0053】
〔コンディショニング条件〕
圧力:7(lbs) 回転数:20(rpm)
【0054】
得られた研磨済のタングステンウェハについて、腐食電流測定装置(商品名:HSV−100、北斗電工(株)製)を用いて、各電流密度(μA/cm2)における電位(mV)を測定した。陽極としてはタングステンプレートおよび陰極としては白金プレートをそれぞれ用いた。
【0055】
得られた結果を、ターフェル(Tafel)の式にしたがって評価するため、電流密度の自然対数と当該電流密度における電位との関係をプロットしてグラフ化した。結果を図2に示す。図2の各グラフは、それぞれ、左上がりの曲線とほぼ水平な部分と右上がりの曲線とから構成されている。ターフェルの理論によれば、左上がりの曲線について、該曲線の始点から該曲線が水平線に移行する点までを直線で結び、さらに右上がりの曲線について、該曲線が急激に右上がりに移行する点から終点までを直線で結び、その2つの直線の交点における電位が高いほど、金属の腐食能力が高いことを示している。
【0056】
図1から、実施例1の本発明スラリーは、比較例1および2のスラリーに比べ、タングステンを腐食する能力が高く、研磨能力に優れていることがわかる。
【0057】
試験例2
実施例1〜2および比較例2の研磨用スラリーについて、次のようにして、タングステン膜に対する研磨速度(Å/分)および研磨後の平坦度(均一性、%)を調べた。結果を表1に示す。
【0058】
〔研磨速度〕
金属膜については抵抗測定器(商品名:OmuiMap RS35C、PROMETRIX社製)、TEOS膜については薄膜測定器(商品名:Nanospec/AFT5100、Nanometrics社製)をそれぞれ用い、各膜上の49の地点での膜除去量を測定し、それらの1分間平均除去量を算出して研磨速度(または除去速度)とした。
【0059】
〔均一性〕
研磨速度を求める際に測定した、金属膜およびTEOS膜における49の地点での膜除去量から算出した1分間平均除去量および標準偏差値を用い、下記の式に従って求めた。
均一性(%)=(標準偏差値/1分間平均除去量)×100
【0060】
【表1】
【0061】
表1から、本発明の研磨用スラリーが、従来の研磨用スラリーに比べ、著しく高い研磨速度を有し、研磨が施された面の均一性にも優れていることが判る。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、非真球状コロイダルシリカ、酸化剤としてヨウ素酸カリウム、ヨウ素カリウムおよびヨウ素酸から選ばれる1種または2種以上および有機酸として有機カルボン酸を含有し、残部が水であり、pHが2〜3であって、金属膜、特にタングステン膜の研磨において、高い研磨能力および研磨速度を示す研磨用スラリーが提供される。
【0064】
また、酸化剤はヨウ素を含む特定の酸化剤であることが好ましく、ヨウ素酸カリウムであることが特に好ましい。それによって、本発明スラリーにおいて、顕著に優れた研磨能力および研磨速度が発揮される。
【0065】
また、有機酸としてはカルボン酸が好ましく、カルボン酸の中でも特定のものがさらに好ましい。それによって、スラリーがpH2〜3の強酸性域であっても、ヨウ素酸カリウムなどの酸化剤をスラリー中で一層安定的に存在させることができ、酸化剤の金属膜に対する研磨能力を最大限に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 シリカ系研磨材を含む水性スラリーを用いてウェハ表面に形成された金属膜を研磨除去する際の、水性スラリーのpHと除去速度との関係を示すグラフである。
【図2】 半導体研磨用スラリーの金属腐食能力を示すグラフである。
【図3】 CMP工程を簡略的に示す図面である。
Claims (1)
- 研磨定盤上のパッドに被研磨面が接するように載せられた金属膜ウェハに、荷重をかけかつパッドと加圧ヘッドとを回転させて該ウェハを研磨する際にパッド表面に供給され、少なくともタングステンを含む金属膜を研磨するための研磨用スラリー(複素環を有する化合物および三重結合を有する界面活性剤を含むものを除く)であって、非真球状コロイダルシリカ、酸化剤としてヨウ素酸カリウム、ヨウ素カリウムおよびヨウ素酸から選ばれる1種または2種以上および有機酸として有機カルボン酸を含有し、残部が水であり、pHが2〜3であることを特徴とする研磨用スラリー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003076332A JP4615193B2 (ja) | 2003-03-19 | 2003-03-19 | 金属膜研磨用スラリー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003076332A JP4615193B2 (ja) | 2003-03-19 | 2003-03-19 | 金属膜研磨用スラリー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004288732A JP2004288732A (ja) | 2004-10-14 |
JP4615193B2 true JP4615193B2 (ja) | 2011-01-19 |
Family
ID=33291417
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003076332A Expired - Lifetime JP4615193B2 (ja) | 2003-03-19 | 2003-03-19 | 金属膜研磨用スラリー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4615193B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4755805B2 (ja) * | 2003-04-04 | 2011-08-24 | ニッタ・ハース株式会社 | 研磨用スラリー |
KR100770571B1 (ko) | 2006-06-05 | 2007-10-26 | 테크노세미켐 주식회사 | 텅스텐의 화학적 기계적 연마슬러리 조성물 |
JP5137521B2 (ja) | 2006-10-12 | 2013-02-06 | 日揮触媒化成株式会社 | 金平糖状シリカ系ゾルおよびその製造方法 |
JP4907317B2 (ja) | 2006-11-30 | 2012-03-28 | 日揮触媒化成株式会社 | 金平糖状無機酸化物ゾル、その製造方法および前記ゾルを含む研磨剤 |
JP5602358B2 (ja) | 2007-11-30 | 2014-10-08 | 日揮触媒化成株式会社 | 非球状シリカゾル、その製造方法および研磨用組成物 |
JP2009188059A (ja) * | 2008-02-04 | 2009-08-20 | Nippon Chem Ind Co Ltd | 半導体ウエハ研磨用コロイダルシリカおよびその製造方法 |
JP5613067B2 (ja) * | 2011-01-27 | 2014-10-22 | 日本化学工業株式会社 | 半導体ウエハ研磨用組成物、その製造方法、及び研磨方法 |
Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07221059A (ja) * | 1994-02-04 | 1995-08-18 | Nissan Chem Ind Ltd | 半導体ウェーハーの研磨方法 |
JPH10102037A (ja) * | 1996-10-02 | 1998-04-21 | Kao Corp | 研磨材組成物及びこれを用いた基板の製造方法 |
JPH10204417A (ja) * | 1997-01-27 | 1998-08-04 | Kao Corp | 加工用助剤組成物、研磨材組成物、表面加工方法及び基板の製造方法 |
JPH1160232A (ja) * | 1997-08-11 | 1999-03-02 | Mamoru Iso | 繭型コロイダルシリカの製造方法 |
JPH11214338A (ja) * | 1998-01-20 | 1999-08-06 | Memc Kk | シリコンウェハーの研磨方法 |
JP2001150334A (ja) * | 2000-10-12 | 2001-06-05 | Nissan Chem Ind Ltd | 半導体ウェーハーの研磨方法及び研磨剤 |
JP2001196336A (ja) * | 2000-01-12 | 2001-07-19 | Jsr Corp | 半導体装置の製造に用いる化学機械研磨用水系分散体、および化学機械研磨方法 |
JP2002038131A (ja) * | 2000-07-19 | 2002-02-06 | Rodel Nitta Co | 研磨組成物、研磨組成物の製造方法及びポリシング方法 |
JP2002256256A (ja) * | 2001-02-28 | 2002-09-11 | Jsr Corp | 化学機械研磨用水系分散体 |
-
2003
- 2003-03-19 JP JP2003076332A patent/JP4615193B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07221059A (ja) * | 1994-02-04 | 1995-08-18 | Nissan Chem Ind Ltd | 半導体ウェーハーの研磨方法 |
JPH10102037A (ja) * | 1996-10-02 | 1998-04-21 | Kao Corp | 研磨材組成物及びこれを用いた基板の製造方法 |
JPH10204417A (ja) * | 1997-01-27 | 1998-08-04 | Kao Corp | 加工用助剤組成物、研磨材組成物、表面加工方法及び基板の製造方法 |
JPH1160232A (ja) * | 1997-08-11 | 1999-03-02 | Mamoru Iso | 繭型コロイダルシリカの製造方法 |
JPH11214338A (ja) * | 1998-01-20 | 1999-08-06 | Memc Kk | シリコンウェハーの研磨方法 |
JP2001196336A (ja) * | 2000-01-12 | 2001-07-19 | Jsr Corp | 半導体装置の製造に用いる化学機械研磨用水系分散体、および化学機械研磨方法 |
JP2002038131A (ja) * | 2000-07-19 | 2002-02-06 | Rodel Nitta Co | 研磨組成物、研磨組成物の製造方法及びポリシング方法 |
JP2001150334A (ja) * | 2000-10-12 | 2001-06-05 | Nissan Chem Ind Ltd | 半導体ウェーハーの研磨方法及び研磨剤 |
JP2002256256A (ja) * | 2001-02-28 | 2002-09-11 | Jsr Corp | 化学機械研磨用水系分散体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004288732A (ja) | 2004-10-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI453272B (zh) | 研磨液 | |
EP1210395B1 (en) | Compositions for insulator and metal cmp and methods relating thereto | |
JP4644434B2 (ja) | 研磨用組成物 | |
US20060060568A1 (en) | Slurry compositions, methods of preparing slurry compositions, and methods of polishing an object using slurry compositions | |
US20070037892A1 (en) | Aqueous slurry containing metallate-modified silica particles | |
JP2002075927A (ja) | 研磨用組成物およびそれを用いた研磨方法 | |
TWI730970B (zh) | 研磨方法及雜質去除用組成物以及基板及其製造方法 | |
TW200825147A (en) | Compositions and methods for CMP of semiconductor materials | |
US20090124173A1 (en) | Compositions and methods for ruthenium and tantalum barrier cmp | |
WO2007026863A1 (ja) | 研磨方法 | |
TW200808946A (en) | CMP method for copper-containing substrates | |
JP5319887B2 (ja) | 研磨用スラリー | |
TW201819588A (zh) | 高溫cmp組成物及用於使用其之方法 | |
KR101682085B1 (ko) | 텅스텐 연마용 슬러리 조성물 | |
US20050045852A1 (en) | Particle-free polishing fluid for nickel-based coating planarization | |
JP4615193B2 (ja) | 金属膜研磨用スラリー | |
TW201726883A (zh) | 研磨用組成物及使用此組成物之研磨方法、以及使用此等之經研磨之研磨對象物的製造方法 | |
JP2005175218A (ja) | 銅配線研磨用スラリー | |
JP2015532005A (ja) | 白金及びルテニウム材料を選択的に研磨するための組成物及び方法 | |
JP7409917B2 (ja) | Cmp組成物およびこれを用いた方法 | |
WO2007026861A1 (ja) | 研磨用組成物 | |
JP2005082649A (ja) | 研磨用スラリー | |
KR101854510B1 (ko) | 금속 배선 연마용 cmp 슬러리 조성물 및 이를 이용한 연마 방법 | |
JP4368495B2 (ja) | 研磨液組成物 | |
TW202024291A (zh) | 化學機械拋光含銅和釕的基材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060126 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080925 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080930 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20081128 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20081203 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090105 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20090909 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090915 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091116 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100525 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100804 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20100902 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20101008 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20101020 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4615193 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131029 Year of fee payment: 3 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |