(用語の定義)
本願では、特に断らない限り次の各号の用語は、それぞれ次の意味をあらわす。
(1)「役」とは、図柄の組み合わせのうち遊技価値を与えるものをいう。なお、役の名称は「赤7役」、「プラム役」、「ベル役」などと呼ぶ。
(2)「賞群」とは、1つ若しくは複数の役の集まり又は役となる特定図柄の組み合わせ以外の役とは異なる遊技価値を与える複数の図柄組み合わせの集まりをいう。なお、1つの役からなる賞群の場合は、形式的に役と賞群とは等しいものとなる。賞群の名称は「BB賞」、「RB賞」、「小役賞1(又はスイカ賞)」、「小役賞2(又はベル賞)」、「小役賞3(チェリー賞)」、「再遊技賞」などという。役(特定図柄組み合わせ)がないにも拘わらず、遊技価値を得ることができる図柄の組み合わせも賞群である。
(3)「遊技価値」とは、遊技者が得る価値をいう。なお、賞群又は役によって定まる遊技価値には配当、高当選通常ゲームへの移行なおよび再遊技等がある。
(4)「乱数抽出」とは、数列発生器から発生する複数の数値の中から1つの数値をサンプリングするまでのことをいう。
(5)「テーブル(賞群抽選テーブル)」とは、複数の賞群毎に定められている数値の幅(抽選区分)の集まりをいう。
(6)「内部抽選」とは、乱数抽出の結果サンプリングされた数値と賞群抽選テーブルを用いて当選又はハズレを決定することをいう。
(7)「当選」とは、いずれかの賞群に応じて入賞する権利が発生することをいう。
(8)「ハズレ」とは、入賞する権利が発生しないことをいう。
(9)「入賞」とは、内部抽選によって当選した後、有効な入賞ライン上に役が揃うことをいう。
(10)「当選フラグ」とは、当選の結果発生した「入賞する権利」を記憶したデータをいう。
(11)「当選フラグの持ち越し」とは、当選したにも拘わらず入賞しなかったゲームのフラグが次のゲームでも消去されていないことをいう。
(12)「ベット(BET)操作」とは、遊技価値によって入賞ラインを有効化する操作をいう。なお、このベット操作には、遊技価値媒体を遊技機に供給する(例えば、メダル投入口からメダルを投入する)方法と、クレジットされている遊技価値媒体を機械操作で供給する(例えば、クレジットされているメダルをBETボタンで供給する)方法および両方法を併用する方法がある。再遊技賞で始まるゲームでのベット操作は、前ゲームで有効化された入賞ラインと同じ入賞ラインが自動的に有効化されることで行なわれる。
(13)「ゲーム」とは、ベット操作から次のベット操作が可能になるまでの期間の1回の遊技またはその遊技の繰り返しをいう。
(14)「通常ゲーム」とは、内部抽選によって複数の賞群およびハズレのいずれかが抽選されるゲームをいう。
(15)「高当選通常ゲーム」とは、当選率が通常ゲームより高い通常ゲームをいう。
(16)「ジャック(JAC)ゲーム」とは、内部抽選によって1の賞群かハズレのいずれかが抽選されるゲームをいう。
(17)「報知ゲーム」とは、当選した特定の賞群に関連した情報を常に遊技者に報知するゲームをいう。
(18)「引込み制御」とは、何らかの賞群の当選フラグが成立した場合、その賞群に対応する図柄を有効化された入賞ライン上に揃えようとするリールの制御のことをいう。具体的には、遊技者によってリールの停止操作がされた瞬間の入賞ライン上の図柄から4図柄先までの間に当選に係る賞群に対応する図柄がある場合は、有効化された入賞ライン上にその図柄が揃うようにリールの停止位置を制御する。
次に、以下、本実施の形態に係るスロットマシンについて説明する。ただし、本発明はスロットマシンに限定されるわけではない。本発明は、遊技者が自らの意思で遊技価値媒体(例えば、メダル)を投入してゲームのスタートのタイミングを決めることができ、かつ、遊技者が自らの意思で各回胴(リール)の停止タイミングおよび停止順序を決めることができるすべての装置(ゲームを行なう装置)に適用可能である。また、本実施の形態では、遊技価値媒体として、メダルを例にとって説明するが、本発明は、これに限定する趣旨ではなく、パチンコ玉その他の遊技価値を与え得るすべての媒体が該当する。
図1において、スロットマシン1は、筐体2と、この筐体2の前面に開閉自在に取り付けられる前面パネル3とから構成される。前面パネル3の背後には3個のリール4、5、6が3列に並設されている。各リール4〜6の外周面には種々の図柄が描かれており、これらの図柄は、各リールに設けられた図示しないバックライトによって背後から照射され、3コマ分ずつ図柄表示窓7、8、9から観察される。
これらの図柄表示窓7〜9には、合計5本の入賞ラインが記されている。すなわち、横中央ラインP1が1本、横上下ラインP2が2本、斜めラインP3が2本である。スロットマシン遊技は、遊技者がBET操作によって有効な入賞ラインを特定することによって開始される。このBET操作は、後述するメダル投入口10にメダルを投入するか、または貯留メダル投入ボタン21によって貯留しているメダルをBETすることによって行なわれる。また、これらのBET操作を併用することによってもBETは可能となっている。同図に示すように、1BETでは横中央ラインP1の1本のみが有効な入賞ラインとなる。2BETでは3本の入賞ラインが有効化される。すなわち、横中央ラインP1が1本、横上下ラインP2が2本の合計3本である。3BETでは5本の入賞ラインが有効化される。すなわち、横中央ラインP1が1本、横上下ラインP2が2本、斜めラインP3が2本の合計5本である。
筐体2の前面にはメダル投入口10と、投入したメダルが詰まった等の場合に、メダルを返却するメダル返却ボタン10aとが設けられている。スタートレバー11は、各リール4〜6の回転を開始させる操作を行なうレバーである。ストップボタン12、13、14は、各リール4〜6毎に設けられ、回転中の各リール4〜6の回転を個別に停止させる。各リール4〜6は、遊技者によるスタートレバー11の操作に応じて回転し、各図柄表示窓7〜9には図柄が列方向に回転移動表示される。各リール4〜6が、一定の回転速度に到達すると、各リール4〜6に対応して設けられた各ストップボタンの操作が有効となる。遊技者は、回転移動する図柄を観察しながら各ストップボタンを操作し、各リール4〜6の回転を停止させ、所望の図柄をいずれかの入賞ライン上に表示させることを試みる。その際、特定の賞群に入賞するためには、抽選により決定された各ストップボタンの操作順序に合致するように各ストップボタンを操作しなければならない場合がある。各リール4〜6は、各ストップボタンの操作タイミングに応じて回転が停止する。この停止時にいずれかの入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが表示されると共に、以下に説明する条件を満たすと、その図柄の組み合わせに応じた入賞が得られる。
前面パネル3の下方には、メダル払い出し口15とメダル受皿16とが設けられ、前面パネル3の上方には、ゲームの演出のために駆動する遊技演出表示器17が設けられている。遊技演出表示器17は、例えば、LCDまたは各種ランプ類から構成される。本実施の形態では、LCDを採用した例を示す。また、前面パネル3の上方には、ボーナスゲーム表示器18が設けられている。ボーナスゲーム表示器18は、LEDで構成され、BB(ビッグ・ボーナス)賞、またはRB(レギュラー・ボーナス)賞の当選または入賞、ゲームの演出、エラー発生時および打ち止め時を表示する。スピーカ19は、音声案内、音楽、効果音等を発生させる。
前面パネル3に設けられた複数のランプ20は、点灯、消灯、または点滅することによって、メダル投入枚数に応じて有効化された入賞ラインの表示、各リール4〜6を回転可能であることの表示、入賞の表示などのゲームに関する表示を行なう。また、貯留メダル投入ボタン21は、図示しないメダル貯留装置に貯留されているメダルを所定の枚数だけ使用するボタンであり、貯留メダル投入ボタン22は、図示しないメダル貯留装置に貯留されているメダルを最大規定枚数使用するためのボタンである。メダル貯留枚数表示部23は、図示しないメダル貯留装置に貯留されているメダルの枚数を表示する。入賞回数表示部24は、BB賞またはRB賞の入賞の際に入賞回数や残り回数などを表示することができる。なお、入賞回数や残り回数は、必ずしも表示されるものではない。メダル払い出し枚数表示部25は、メダル払い出し枚数などを表示する。メダル貯留枚数表示部23、入賞回数表示部24およびメダル払い出し枚数表示部25は、例えば、LEDで構成されている。精算ボタン26は、貯留されているメダルの精算を行ない、施錠装置27は、回す方向によって、打ち止め解除やドアの解錠を行なう。ラベル28には、スロットマシン1の形式やメーカー名などが記載される。
図2において、本実施の形態に係るスロットマシンは、電気的にはメイン基板Aとサブ基板Bとから構成される。メイン基板Aにおいて、CPU30は、ROM31およびRAM32を備え、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行なう。ROM31には、スロットマシン1の動作を制御する制御プログラムの他、賞群の事前決定(内部抽選)を行なうために使用する賞群抽選テーブル、後述する停止順序を決定するためのテーブル、および報知抽選を行なうための報知抽選テーブルが格納されている。
また、CPU30には、基準クロックパルスを発生するクロック発生回路33と、一定の乱数を発生させる乱数発生回路34とが接続されている。この乱数発生回路34およびCPU30は、抽選装置を構成する。CPU30から送出される制御信号は、出力ポート35を介して、メダルの払い出しを行なうメダル払い出し装置36と、スロットマシン1の3個のリール4〜6を回転させるモータを駆動するリールモータ制御回路37とに出力される。このリール4〜6、およびリールモータ制御回路37はリールユニットを構成する。
また、メダルの適否を判別するメダル判別装置38、払い出すメダル数をカウントする払い出しメダルカウンタ40、リールの回転を開始させるスタートレバー41、およびリールの回転を停止させるストップボタン42から出力された信号は、入力ポート43を介してCPU30に入力される。スタートレバー41(図1に示すスタートレバー11を含む)およびCPU30は、スタート部を構成し、ストップボタン42(図1に示すストップボタン12〜14を含む)およびCPU30は、停止装置を構成する。CPU30から出力される信号は、サブ基板Bへの信号送出タイミングを制御する送出タイミング制御回路45からの制御を受けて、データ送出回路46を介してサブ基板Bへ出力される。
サブ基板Bでは、データ送出回路46から出力された信号はデータ入力回路47に入力される。データ入力回路47に入力された信号は、CPU48で処理される。CPU48には、基準クロックパルスを発生するクロック発生回路49と、各種プログラムおよび画像データが記録されたROM50と、RAM51とが接続されている。画像に関するデータは、CPU48から画像処理等を行なう表示回路52を介して液晶表示器53に出力される。液晶表示器53では、文字、静止画、動画等が表示される。
また、音声に関するデータは、CPU48から音声処理等を行なうサウンドLSI54を介してアンプ回路56に出力される。サウンドLSI54は、音声ROM55から必要な音声データを抽出して音声データの処理を行なう。アンプ回路56で増幅等の処理を受けた音声データは、音声の調整を行なう音声調整回路57を介してスピーカ58に出力される。図1に示す遊技演出表示器17、ボーナスゲーム表示器18、およびスピーカ19、並びに図2に示すサブ基板B、液晶表示器53、音声調整回路57、およびスピーカ58は、演出手段を構成する。
次に、スロットマシン1の動作について、制御プログラムの概略を示すフローチャートに沿って説明する。図3および図4は、本制御プログラムのメインフローである。ゲームは、遊技者によるBET操作によって開始される。まず、BET操作がされたかどうかを判断する(ステップS1)。ここでは、遊技者は、メダルを3枚まで投入することができる。3枚のメダルを投入することにより、図1に示す5本の入賞ラインが有効化される。すなわち、横中央ラインP1が1本、横上下ラインP2が2本、斜めラインP3が2本である。BET操作がされないときは、ステップS1の判断を繰り返す。BET操作がされた場合は、スタートレバー11が操作されたかどうかを判断する(ステップS2)。スタートレバー11が操作されないときは、ステップS2の判断を繰り返し、操作されたときは、BET操作を禁止し(ステップS3)、入賞ラインを確定する。
次に、ゲーム態様(通常ゲーム、BBゲーム、またはRBゲーム)に応じた抽選テーブルを設定し(ステップS4)、内部抽選を行なう(ステップS5)。本実施の形態では、BB賞またはRB賞が1/150以上、好ましくは1/80の確率で当選し得るテーブルに基づいて内部抽選が行なわれる。これにより、BB賞またはRB賞が高確率で当選するため、遊技者の期待感を高めることができる。
さらに、内部抽選によってBB賞またはRB賞が当選した場合、同時に、図5に示すテーブルから各リールの停止順序が抽選で決定される。遊技者は、この停止順序に合致するように各リールを停止しなければBB賞またはRB賞に入賞することができない。この各列の停止すべき順序は、BB賞またはRB賞の入賞確率が予め定められた確率(法律等により規定されている範囲内)となるような確率で抽選される。具体的には、例えば、1/3である。これにより、BB賞またはRB賞の内部抽選確率とあわせた入賞確率を、例えば1/240とすることができる。
例えば、図5の「左」が抽選で決定されると、左、中、右または左、右、中の2通りの停止順序に合致するように各リールを停止させることが入賞の条件となる。また、例えば、図5の「中」が抽選で決定されると、中、左、右または中、右、左の2通りの停止順序に合致するように各リールを停止させることが、さらに、例えば、図5の「右」が抽選で決定されると、右、左、中または右、中、左の2通りの停止順序に合致するように各リールを停止させることが入賞の条件となる。
このように、本実施の形態では遊技者の期待感を高めるためにBB賞またはRB賞の当選確率を高くしているので、そのままでは最終的なBB賞またはRB賞の入賞確率が高くなりすぎるため、各列の停止すべき順序を複数定め、抽選で停止すべき順序を決定することとしている。従って、遊技者は、当選したBB賞またはRB賞に入賞するためには、単にBB賞またはRB賞に対応する図柄を揃えるだけでなく、上記停止すべき順序と合致するように可変表示する各列を停止させる操作をする必要がある。これにより、遊技者のゲームに対する挑戦意欲を掻き立てて、ゲームの面白味を増大させることができる。
また、本実施の形態では、通常ゲームにおいては、ベル賞が1/8以上、好ましくは1/1.8以上の高い確率で当選するように構成されたテーブルに基づいて内部抽選が行なわれる。ベル賞は、当選すると必ず入賞することができるが、これはベルの図柄が、常に引込み制御によって有効化された入賞ライン上に揃うようにリール上に配置されているためである。従って、ベル賞が当選すると、遊技者はいわゆる目押しをすることなく、ストップボタンを意のままに操作すれば入賞を得ることができる。
なお、ベル賞と共に、ベル賞以外の小役賞を合計して1/8以上の確率で当選するように抽選のテーブルを構成してもよい。ベル賞以外の小役賞、例えば、当選しても目押しをしなければならないスイカ賞や、ほとんど目押しを必要としない再遊技賞等を混ぜ合わせることによって、入賞確率を100%未満にすることができる。引込み制御は、遊技者によってリールの停止操作がされた瞬間の入賞ライン上の図柄から4図柄先までの間に当選に係る賞群に対応する図柄がある場合は、有効化された入賞ライン上にその図柄が揃うようにリールの停止位置を制御するものである。このため、4図柄以内の間隔で設けられている図柄(例えば、ベル図柄)は、当選していれば目押しをしなくても100%入賞可能である。しかし、4図柄以上の間隔を有している図柄(例えば、スイカ図柄)の場合は、目押しをしなければ入賞ライン上に停止させることはできない。このため、目押しが必要な図柄と必要としない図柄とを混合させれば入賞確率を100%未満にすることができる。ここで、引込み制御によって有効化された入賞ライン上に上記各小役賞が揃う確率は、70%以上であることが望ましい。入賞のために目押しを必要とすることによって、遊技者の挑戦意欲を掻き立てることができる。
以上のような内部抽選により当選またはハズレが決定する(ステップS5)。当選した場合は、当選フラグがセットされ(ステップS6)、報知演出が行なわれる(ステップS7)。この報知演出は、図6に示すフローチャートに基づいて行なわれる。
報知演出では、図6に示すように、まずBB賞(RB賞も含む)またはベル賞(JAC賞も含む)が当選したかどうかを判断する(ステップT1)。ベル賞に当選した場合は、各ストップボタンの操作順序(押し順)を抽選により決定する(ステップT2)。すなわち、本実施の形態では、遊技者が当選したベル賞に入賞するためには、ステップT2で決定された各ストップボタンの操作順序に合致するように各ストップボタンを操作しなければならない。この停止順序は、図7に示すように決めることができる。図7に入賞するための各リールの停止順序(各ストップボタンの操作順序)を示す。内部抽選によってベル賞が当選した場合、図7に示すテーブルから各リールの停止順序が抽選で決定される。例えば、図7の「左1」が抽選で決定されると、左、中、右の停止順序に合致するように各リールを停止させることが入賞の条件となる。また、例えば、図7の「中2」が抽選で決定されると、中、右、左の停止順序に合致するように各リールを停止させることが入賞の条件となる。
次に、BBゲーム(RBゲームも含む)中であるかどうかを判断し(ステップT3)、BBゲーム中である場合は、ステップT10へ移行し、ベル賞が当選したことを報知すると共に、ベル賞に入賞するための各ストップボタンの操作順序の報知を行なう。BBゲーム中でない場合は、ポイントを付与するモード、すなわち、ポイント付与遊技に移行するかどうかを決定するために抽選を行なう(ステップT4)。
このポイント付与遊技は、ベル賞に当選し、上記停止順序に従ってベル賞に入賞した場合に、ポイントを付与する遊技の形態である。ポイントが付与されると、BB賞またはRB賞に当選した際、当選したことが報知されると共に、各ストップボタンの操作順序も報知される。従って、ポイントが付与されると、極めてBB賞またはRB賞に入賞する確率の高い状況となる。
ステップT5において、ポイント付与遊技に移行するかどうかを決定する抽選に当選したかどうかを判断し、当選した場合は、ポイント付与遊技中であることを示すフラグをセットする(ステップT6)。次に、ベル賞に当選していることの報知演出を行なって(ステップT7)、図3に示すステップS7にリターンする。
一方、ステップT5において、抽選で当選しなかった場合は、ベル報知ゲーム数が0であるかどうかを判断する(ステップT8)。この「ベル報知ゲーム」とは、BBゲームまたはRBゲームが終了した直後に、ベル賞が当選したことを報知すると共に、ベル賞に入賞するための各ストップボタンの操作順序を報知するゲームである。このベル報知ゲームの回数Nは、予め抽選により決められる。この抽選は、例えば、図8に示す抽選テーブルに基づいて行なうことができる。図8に示すように、例えば、縦軸に報知回数を0、1、2、3、8、および12回と定める。0回があるため、ベル報知ゲームが実質的に行なわれない場合もある。また、横軸には、報知回数に対する抽選確率が、設定値毎に定められている。図8においては、1から6までの6通りの設定値が定められており、設定値が高いほど、多い報知回数が当選するように抽選確率が設定されている。例えば、設定値が1の場合は、報知回数の少ない方の抽選確率が高くなるように設定されているが、設定値が6の場合は、報知回数の多い方の抽選確率が高くなるように設定されている。なお、この設定値は、店舗側で日、週などを単位として変更することができる。
これにより、遊技者に対し、BBゲーム中またはRBゲーム中と同じようにベル賞が当選したことを報知すると共に、ベル賞に入賞するための各ストップボタンの操作順序の報知が行なわれるので、あたかもBBゲームまたはRBゲームが継続しているように感じさせることができるゲームをランダムに決めることができる。その結果、遊技者はBBゲームまたはRBゲームがいつ終了するのかを把握し難くなり、遊技者のゲームに対する興味を継続させることが可能となる。
ステップT8において、このベル報知ゲーム数Nが、0である場合は、ステップS7にリターンする。すなわち、ベル報知ゲーム数Nが0である場合は、通常ゲーム中であるため、ベル賞が当選したこと、および各ストップボタンの操作順序の報知はされない。
ステップT8において、ベル報知ゲーム数Nが0でない場合は、BBゲーム(またはRBゲーム)終了直後の通常ゲーム中であるため、ベル報知ゲーム数Nから1を減算する(ステップT9)。次に、ベル賞が当選したことを報知すると共に、各ストップボタンの操作順序を報知し(ステップT10)、ステップS7にリターンする。各ストップボタンの操作順序の報知手法としては、停止させるべきリールをバックライトによって背後から照射することにより点灯させる。その他のリールは点灯させない。例えば、図18に示すように、左端のリール4を停止させるべきである場合は、リール4のみをバックライトで照射する。これにより、遊技者は、どのリールを停止させるべきであるかを容易に把握することができ、停止させるべきリールに対応するストップボタンを操作することができる。
このように、通常ゲーム中にBB賞またはRB賞に入賞した場合、並びにBBゲーム中にRB賞に入賞した場合は、BBゲームおよびRBゲームを区別することなく、次のゲーム以降、ベル賞が当選したときはベル賞が当選したことを報知すると共に、各ストップボタンの操作順序を報知するので、遊技者は、BBゲームまたはRBゲームの区別を特に意識せずに、ベル賞を狙うことができる。これにより、遊技者に対してBBゲームまたはRBゲームが継続しているように感じさせることができる。
また、ステップT1において、BB賞に当選した場合は、図5に示す各ストップボタンの操作順序を抽選により決定する(ステップT11)。次に、ポイントが0であるかどうかを判断し(ステップT12)、ポイントが0でない場合は、BB賞に当選したことを報知すると共に、各ストップボタンの操作順序を報知する(ステップT13)。次に、存在するポイント値から1を減算して(ステップT15)、ステップS7にリターンする。一方、ステップT12において、ポイントが0である場合は、BB賞に当選したことのみを報知し(ステップT14)、ステップS7にリターンする。
このように、内部抽選によりBB賞またはRB賞が当選し、ポイントが付与されている場合は、停止すべき順序を報知するので、極めて容易にBB賞またはRB賞に入賞することが可能となる。従って、遊技者はゲームに対する面白味を強く感じることができる。また、ポイントを付与するモード(ポイント付与遊技)に移行する場合と移行しない場合とがあるため、遊技者に対し、上記モードに移行したかどうかについてスリルを感じさせることができる。
また、ポイント付与遊技を行なう場合、ベル賞が当選したことを報知するので、遊技者は、ベル賞が当選していることを知ることができるが、停止すべき順序は知ることができない。このため、遊技者は、ベル賞に入賞するために停止すべき順序を当てようと試みる。これにより、ゲームに対する挑戦意欲を掻き立てることができる。また、停止すべき順序に従って各列が停止表示され、かつ、有効化された入賞ライン上にベル図柄が揃い入賞したときにポイントが付与されるので、次回以降、BB賞またはRB賞に当選したときには、極めて容易にBB賞またはRB賞に入賞することが可能となるので、遊技者の期待感を高めることができる。
次に、図3に示すステップS8において、各リールの停止制御を行なうためのリール停止データ群を選択し、各リールの回転を開始する(ステップS9)。次に、リール回転の停止処理を行なう(ステップS10)。このリール回転の停止処理は、図9および図10に示すフローチャートに基づいて行なわれる。ここでは、図11に示す図柄表示窓100を参照しながら説明する。なお、図11では、内部抽選により、「7−7−7」の図柄組み合わせに対応する賞群が当選しているものとする。まず、1回目のストップボタンが操作されたかどうかを判断する(ステップR1)。1回目のストップボタンが操作されない場合は、ステップR1における判断を繰り返し、1回目のストップボタンが操作された場合は、押下された停止ボタンの番号を取得する(ステップR2)。例えば、図11において、左端のストップボタン101が押下された場合は、その番号を取得する。次に、停止操作直後の図柄番号を取得する(ステップR3)。このように停止操作直後の図柄の番号を取得することにより、入賞ラインの候補を決定する。また、メダルのBET枚数により入賞ライン候補を決定する。さらに、これらの候補が複数存在する場合は、抽選により候補を決定する。
次に、入賞ラインを決定する(ステップR4)。図11に示すように、ここでは、右下がりの斜めライン104が入賞ラインとして決定されたものとする。次に、第1停止テーブルを決定し(ステップR5)、この第1停止テーブルとステップR3で取得した図柄番号により進みコマ数を取得する(ステップR6)。図11に示すように、左端のリールは、図柄「7」が入賞ライン上で停止するためには、進みコマ数が2コマとなる。次に進みコマ数通りに第1リール(最初に停止操作がされたリール)の停止処理を行なう(ステップR7)。
次に、2回目のストップボタンが操作されたかどうかを判断する(ステップR8)。2回目のストップボタンが操作されない場合は、ステップR8における判断を繰り返し、2回目のストップボタンが操作された場合は、押下された停止ボタンの番号を取得する(ステップR9)。例えば、図11において、右端のストップボタン103が押下された場合は、その番号を取得する。次に、停止操作直後の図柄番号を取得し(ステップR10)、第2・第3停止テーブルを決定する(ステップR11)。本実施の形態に係るスロットマシン1は、3つのリールを有しているので、第2番目のリールを停止するための第2停止テーブルが決定した段階で、第3停止テーブルも決定される。
次に、第2停止テーブルと、ステップR10において取得した図柄番号により進みコマ数を取得する(ステップR12)。例えば、図11において、右端のリールは、図柄「7」が入賞ライン上で停止するためには、進みコマ数が3コマとなる。次に、進みコマ数通りに第2リール(第2番目に停止操作がされたリール)の停止処理を行なう(ステップR13)。
次に、図10に示すように、3回目のストップボタンが操作されたかどうかを判断する(ステップR14)。3回目のストップボタンが操作されない場合は、ステップR14における判断を繰り返し、3回目のストップボタンが操作された場合は、押下された停止ボタンの番号を取得する(ステップR15)。例えば、図11において、真中のストップボタン102が押下された場合は、その番号を取得する。次に、停止操作直後の図柄番号を取得し(ステップR16)、第3停止テーブルとステップR16で取得した図柄番号により進みコマ数を取得する(ステップR17)。例えば、図11において、真中のリールは、図柄「7」が入賞ライン上で停止するためには、進みコマ数が1コマとなる。次に、進みコマ数通りに第3リール(第3番目に停止操作がされたリール)の停止処理を行ない(ステップR18)、図3に示すステップS10にリターンする。
ステップS10におけるリール回転停止処理が終了すると、ベル賞に入賞したかどうかを判断する(ステップS11)。すなわち、ステップS5における内部抽選によりベル賞に当選しており、さらにステップS10におけるリール回転停止処理により、有効化された入賞ライン上にベル図柄が揃い、各ストップボタンの操作順序が抽選により決定された操作順序に合致しているかどうかを判断する。その結果、ベル賞に入賞した場合は、ベル入賞処理が行なわれる(ステップS12)。ベル入賞処理は、図12に示すフローチャートに基づいて行なわれる。すなわち、ベル賞に入賞すると、ポイント付与遊技中フラグがセットされているかどうかを判断する(ステップA1)。ポイント付与遊技中フラグがセットされていない場合は、ステップA5へ移行し、ポイント付与遊技中フラグがセットされている場合は、抽選によって付与するポイント数を決定する(ステップA2)。
この抽選は、例えば、図8に示す抽選テーブルに基づいて行なうことができる。図8に示すように、例えば、縦軸に報知回数を0、1、2、3、8、および12回と定める。この報知回数を、ポイントとする。1ポイントにつき、報知回数は1回である。ここでは0回があるため、ポイントが付与されない場合もある。また、横軸には、報知回数に対する抽選確率が、設定値毎に定められている。図8においては、1から6までの6通りの設定値が定められており、設定値が高いほど、多い報知回数(ポイント数)が当選するように抽選確率が設定されている。例えば、設定値が1の場合は、報知回数の少ない方の抽選確率が高くなるように設定されているが、設定値が6の場合は、報知回数の多い方の抽選確率が高くなるように設定されている。なお、この設定値は、店舗側で日、週などを単位として変更することができる。
このように、付与するポイント数を抽選で決定するので、ポイント付与遊技中であってもポイントが付与されない場合と付与される場合とが発生し、さらにポイントが付与される場合であっても、どのくらいのポイント数が付与されるのかが予測できないため、遊技者に対してスリルを感じさせることができる。
次に、ステップA2で決定されたポイント数を累積する(ステップA3)。すなわち、既にポイントが付与されていた場合は、そのポイントとステップA2で決定されたポイントとが合計される。次に、ポイント付与遊技中フラグをクリアし(ステップA4)、メダル払出処理が行なわれて(ステップA5)、ステップS12にリターンし、ステップS15へ移行する。
一方、図3に示すステップS11において、ベル賞に入賞しなかった場合は、チェリー賞またはスイカ賞に入賞したかどうかを判断する(ステップS13)。すなわち、ステップS5における内部抽選により、チェリー賞またはスイカ賞に当選しており、さらにステップS10におけるリール回転停止処理により、有効化された入賞ライン上にチェリー図柄またはスイカ図柄が揃ったかどうかを判断する。チェリー賞またはスイカ賞に入賞した場合は、メダルの払出処理がなされ(ステップS14)、ステップS15に移行する。チェリー賞またはスイカ賞に入賞しなかった場合は、直接ステップS15に移行する。
次に、RBゲーム中であるかどうかを判断する(ステップS15)。ここでは、BBゲーム中である場合を含む。RBゲーム中である場合は、RBゲーム終了判断処理がなされる(ステップS14)。このRBゲーム終了判断処理は、図13に示すフローチャートに基づいて行なわれる。まず、JAC入賞したかどうかを判断する(ステップB1)。本実施の形態では、後述するように、JAC入賞の図柄は「ベル」であるため、ステップS11およびS12においてベル賞に入賞したかどうかをここで判断することとなる。ステップB1における判断の結果、JAC入賞(ベル入賞)していない場合は、ステップB4へ移行し、JAC入賞した場合は、JAC入賞回数加算処理を行なう(ステップB2)。すなわち、JAC入賞回数に1を加算する。次に、JAC入賞回数が8回であるかどうかを判断し(ステップB3)、8回である場合はステップB6へ移行する。
一方、ステップB3において、JAC入賞回数が8回でない場合は、JACゲーム回数減算処理を行なう(ステップB4)。すなわち、JACゲーム回数から1を減算する。残りのJACゲーム回数が0であるかどうかを判断し(ステップB5)、0でない場合は、ステップS16にリターンする。一方、ステップB5において、残りのJACゲーム回数が0である場合は、RBゲーム中フラグをクリアする(ステップB6)。次に、BBゲーム中であるかどうかを判断し(ステップB7)、BBゲーム中でない場合は、ステップS16にリターンする。BBゲーム中である場合は、RB入賞回数減算処理を行なう(ステップB8)。すなわち、RB入賞回数から1を減算する。次に、残りのRB入賞回数が0であるかどうかを判断し(ステップB9)、0でない場合はステップS16にリターンする。一方、ステップB9において、残りのRB入賞回数が0である場合は、BBゲーム中フラグをクリアし(ステップB10)、BBゲーム終了直後のベル報知ゲームを行なう回数Nを決定する(ステップB11)。このベル報知ゲームの回数Nは、抽選により決められ、この抽選は、上記のように、図8に示す抽選テーブルに基づいて行なうことができる。ベル報知ゲーム回数Nが決定されると(ステップB11)、ステップS16にリターンする。ステップS16におけるRBゲーム終了判断処理が終了すると、ステップS23に移行する。
また、図3に示すステップS15において、RBゲーム中でない場合は、RB賞に入賞したかどうかを判断する(ステップS17)。RB賞に入賞した場合は、RBゲーム開始処理がなされる(ステップS18)。このRBゲーム開始処理は、図14に示すフローチャートに基づいて行なわれる。RBゲーム開始処理は、RBゲーム中フラグをセットし(ステップC1)、JAC入賞回数を設定する(ステップC2)。このJAC入賞回数は、例えば、8回に設定することが可能である。次に、JACゲーム回数を設定する(ステップC3)。このJACゲーム回数は、例えば、12回に設定することが可能である。また、RB賞に入賞した場合、次のゲーム以降、RBゲームが終了するまでの間において、ベル賞が高確率で当選し得るテーブルに基づいて、ゲーム毎に内部抽選が行なわれる。ベル賞の当選確率は、通常ゲーム(1/8以上)よりも高く設定されており、好ましくは1/1.1である。この内部抽選により、ベル賞が当選したときはベル賞が当選したことを報知すると共に、各ストップボタンの操作順序が報知される。
このように、RB賞に入賞した場合、次のゲーム以降、RBゲームが終了するまでの間においては、ベル賞が高確率で当選する。そして、ベル賞が当選したときはベル賞が当選したことを報知すると共に、各ストップボタンの操作順序が報知される。その結果、遊技者は、極めて容易にベル賞に入賞することができ、相当量の配当を受けることが可能となる。これにより、遊技者のゲームに対する面白味を増大させることができる。
また、通常ゲーム中に高確率で当選するベル賞が、そのRBゲーム中ではより高い確率で当選する。これにより、遊技者は、通常ゲーム、およびRBゲームのいずれにおいても同じベル賞を狙うゲームを行なうことが可能となる。その結果、遊技者の射幸心を高めることができる。
ステップC3の後は、ステップS18にリターンする。そして、ステップS18におけるRBゲーム開始処理が終了すると、ステップS23へ移行する。
また、図3に示すステップS17において、RB賞に入賞しなかった場合は、BBゲーム中であるかどうかを判断する(ステップS19)。BBゲーム中である場合は、BBゲーム終了判断処理がなされる(ステップS20)。
このBBゲーム終了判断処理は、図15に示すフローチャートに基づいて行なわれる。まず、BBゲーム数減算処理を行なう(ステップD1)。すなわち、BBゲーム数から1を減算する。次に、残りのBBゲーム回数が0であるかどうかを判断する(ステップD2)。残りのBBゲーム回数が0でない場合は、ステップS20にリターンする。一方、残りのBBゲーム回数が0である場合は、BBゲーム中フラグをクリアし(ステップD3)、BBゲーム終了直後に行なうベル報知ゲームの回数Nを決定する(ステップD4)。このベル報知ゲームの回数Nは、抽選により決められ、この抽選は、上記のように、図8に示す抽選テーブルに基づいて行なうことができる。ベル報知ゲーム回数Nが決定されると(ステップD4)、ステップS20にリターンする。ステップS20におけるBBゲーム終了判断処理が終了すると、ステップS23に移行する。
また、図3に示すステップS19において、BBゲーム中でない場合は、BB賞に入賞したかどうかを判断する(ステップS21)。BB賞に入賞すると、BBゲーム開始処理がなされる(ステップS22)。このBBゲーム開始処理は、図16に示すフローチャートに基づいて行なわれる。まず、BBゲーム中フラグをセットし(ステップE1)、RB入賞回数を設定する(ステップE2)。このRB入賞回数は、例えば、2回に設定することができる。次に、BBゲーム回数を設定する(ステップE3)。このBBゲーム回数は、例えば、30回に設定することができる。
また、BB賞に入賞した場合、次のゲーム以降、BBゲームが終了するまでの間において、ベル賞が高確率で当選し得るテーブルに基づいて、ゲーム毎に内部抽選が行なわれる。ベル賞の当選確率は、通常ゲーム(1/8以上)よりも高く設定されており、好ましくは1/1.2以上である。この内部抽選により、ベル賞が当選したときはベル賞が当選したことを報知すると共に、各ストップボタンの操作順序が報知される。
このように、BB賞に入賞した場合、次のゲーム以降、BBゲームが終了するまでの間においては、ベル賞が高確率で当選する。そして、ベル賞が当選したときはベル賞が当選したことを報知すると共に、各ストップボタンの操作順序が報知される。その結果、遊技者は、極めて容易にベル賞に入賞することができ、相当量の配当を受けることが可能となる。これにより、遊技者のゲームに対する面白味を増大させることができる。
また、通常ゲーム中に高確率で当選するベル賞が、BBゲーム中は、より高い確率で当選する。これにより、遊技者は、通常ゲーム、およびBBゲームのいずれにおいても同じ「ベル賞」を狙うゲームを行なうことが可能となる。その結果、遊技者の射幸心を高めることができる。
ステップE3の後は、ステップS22にリターンする。そして、ステップS22におけるBBゲーム開始処理が終了すると、ステップS23へ移行する。
次に、図4に示すように、リプレイ賞に入賞したかどうかを判断し(ステップS23)、リプレイ賞に入賞した場合は、ステップS2に移行する。一方、リプレイ賞に入賞しなかった場合は、当選フラグをクリアし(ステップS24)、BET操作禁止を解除する(ステップS25)。以上により、当該ゲームが終了する。このように、BB賞またはRB賞であっても、入賞しなかったときは、他の小役賞と同様に、当選フラグが消滅するので、いわゆる当選フラグの持ち越しがされない。これにより、BB賞またはRB賞の当選確率を従来以上の高確率とすることができるので、従来よりも頻繁にBB賞またはRB賞が当選し得る状態を作り出すことができ、遊技者の期待感を高めることができる。
なお、本実施の形態では、BBゲームまたはRBゲーム終了した後、ベル報知ゲームが行なわれる。すなわち、BBゲームまたはRBゲーム終了した後、さらに予め定められたゲーム回数に到達するまでの間において、ベル賞が当選したときはベル賞が当選したことを報知すると共に、各ストップボタンの操作順序を報知する。このベル報知ゲームでは、ベル賞が通常ゲームと同じ当選確率、すなわち、1/8以上、好ましくは1/1.8以上で当選する。
このように、BBゲームまたはRBゲームが終了した後、さらに予め定められたゲーム回数に到達するまでの間においては、BBゲームまたはRBゲーム中と同じように、ベル賞が当選したときはベル賞が当選したことを報知すると共に、各ストップボタンの操作順序を報知する。これにより、遊技者に対し、あたかもBBゲームまたはRBゲームが継続しているかのように感じさせることができる。その結果、遊技者のゲームに対する興味をも継続させることが可能となる。
さらに、本実施の形態では、BBゲームまたはRBゲームが終了した後、さらに予め定められたゲーム回数に到達するまでの間において、BBゲームまたはRBゲーム中に行なう演出と実質的に同一の演出を行なう。実質的に同一の演出とは、BBゲームまたはRBゲーム中に行なわれる演出に極めて近似しているため、遊技者が両者を区別することが困難である演出のことをいう。例えば、BBゲームとRBゲーム中に演奏するBGMと同じまたは曲調の類似したBGMをベル報知ゲームでも演奏する。また、ボーナスゲーム表示器18を使って、BBゲームとRBゲーム中と同じランプ点滅動作をベル報知ゲームにおいても繰り返し表示動作を行なう。
このように、BBゲームまたはRBゲームが終了した後、さらに予め定められたゲーム回数に到達するまでの間においては、BBゲームまたはRBゲーム中に行なう演出と実質的に同一の演出を行なうので、遊技者に対し、あたかもBBゲームまたはRBゲームが継続しているように感じさせることができる。その結果、遊技者のゲームに対する興味をも継続させることが可能となる。
次に、本実施の形態における賞群の種類の分類例について説明する。図17に、賞群の種類の分類例を示す。BB賞の役図柄の名称は、例えば、「L−L−L」とする。図5に示す各リールの停止順序と併せると、BB賞に当選した場合で、例えば、図5のテーブルから「左」が抽選により決定された場合は、遊技者は、最初に左端のリールを停止させると共に、「L−L−L」の図柄を有効化された入賞ライン上に揃えるとBB賞に入賞することができる。BB賞に入賞すると、15枚のメダルの払出が行なわれ、次のゲームからBBゲームが所定回数(例えば、30ゲームまたはRB入賞3回まで)行なわれる。
また、RB賞の役図柄の名称は、例えば、「S−S−S」とする。図5に示す各リールの停止順序と併せると、RB賞に当選した場合で、例えば、図5のテーブルから「左」が抽選により決定された場合は、遊技者は、最初に左端のリールを停止させると共に、「S−S−S」の図柄を有効化された入賞ライン上に揃えるとRB賞に入賞することができる。RB賞に入賞すると、15枚のメダルの払出が行なわれ、次のゲームからRBゲームが所定回数(例えば、12ゲームまたはJAC入賞8回まで)行なわれる。
上記のように、本実施の形態に係るBB賞およびRB賞は、従来のBB賞およびRB賞とは異なるものであるため、「7」や「BAR」と見かけ上区別するためにこれらとは異なる図柄を用いることとしている。
このように、BB賞およびRB賞の狙うべき図柄の組み合わせは1通りのみであるため、遊技者は、BB賞またはRB賞の役図柄が複数通りあるような従来の遊技機のよりも、BB賞またはRB賞を狙いやすくなる。
また、図7に示すテーブルから抽選で決められた停止順序に合致するように各リールが停止され、かつ「ベル−ベル−ベル」の図柄が有効化された入賞ライン上に揃った場合は、15枚のメダルの払出が行なわれる。
BB賞またはRB賞に入賞すると、上記のようにベル賞が高確率で当選するようになると共に、ベル賞に入賞するための各リールの停止順序が報知される。これにより、BBゲームまたはRBゲーム中では、ベル賞に入賞する確率が極めて高くなる。
また、図17に示すように、本実施の形態では、RBゲーム中のJAC入賞のための図柄をベルとしている。すなわち、RBゲーム中にベル図柄が有効化された入賞ライン上に揃い、かつ、停止順序が合致したときにJAC入賞となり、15枚の払出が行なわれる。
このように、通常ゲーム中にRB賞に入賞した場合、またはBBゲーム中にRB賞に入賞した場合は、次のゲーム以降、RBゲームが終了するまでの間、ベル図柄が有効化された入賞ライン上に揃った場合にJAC入賞となるので、遊技者は、RBゲーム中でもベル賞を狙い続けることとなる。これにより、遊技者に対し、通常ゲームとRBゲームとの違いを意識させず、ベル賞を狙うゲームが継続しているように感じさせることができる。
また、図17に示すように、本実施の形態では、BBゲーム中に、RB賞に当選し、有効化された入賞ライン上にプラム図柄が揃うとRBに入賞するが、BBゲーム中にRB賞以外の賞が入賞したときの配当(15枚)と、JAC入賞時の配当(15枚)とが等しくなっている。これにより、遊技者は、BBゲームとRBゲームとの違いを感じ難くなる。
なお、本実施の形態では、停止順序を入賞の条件とする小役賞を「ベル賞」としたが、「ベル賞」に限定するわけではない。例えば、スイカ賞、チェリー賞、リプレイ賞について停止順序を入賞の条件とすることも可能である。さらに、本実施の形態では、ベル賞の当選確率を高めているが、さらに2種類の小役賞を追加し、通常ゲームでの当選確率を高め、BBゲーム中またはRBゲーム中はそれらの小役賞の当選確率をさらに高めて上記のようにゲームを行なうことも可能である。
また、本発明は、次のように、遊技機の制御方法として実現することも可能である。すなわち、本発明の遊技機の制御方法は、複数の図柄を複数列に可変表示し、遊技者の停止操作を契機として前記可変表示を前記各列に停止表示させる遊技機の制御方法において、複数の小役賞のうち、3種類以下の特定の小役賞が、合計して1/8以上の確率で当選するように構成されたテーブルに基づいて、ゲーム毎に内部抽選を行なうステップと、前記特定の小役賞よりも高い遊技価値を付与する賞に入賞した場合、次のゲーム以降、前記特定の小役賞よりも高い遊技価値を付与する賞に対応するゲームが終了するまでの間、前記特定の小役賞が前記確率以上の確率で当選するように構成されたテーブルに基づいて、ゲーム毎に内部抽選を行なうステップとを含むことを特徴としている。
このように、通常ゲーム中に高確率で当選する特定の小役賞が、その小役賞よりも高い遊技価値を付与する賞に対応するゲーム中は、より高い確率で当選する。これにより、遊技者は、通常ゲーム、および高当選通常ゲームのいずれにおいても同じ小役賞を狙うゲームを行なうことが可能となる。その結果、遊技者の射幸心を高めることができる。
また、本発明の遊技機の制御方法は、前記特定の小役賞に対応する図柄は、引込み制御によって有効化された入賞ライン上に揃う確率がそれぞれ70パーセント以上となるように、前記各列に配置されていることを特徴としている。
このように、特定の小役賞に対応する図柄については、引込み制御によって有効化された入賞ライン上に揃う確率がそれぞれ70パーセント以上となっているので、その小役賞は、内部抽選により当選した場合には高い確率(70%以上)で入賞する。これにより、遊技者の射幸心を高めることができる。また、引込み制御によって100%入賞する図柄と、いわゆる目押しが必要な配列をなしている図柄とを組み合わせることによって、入賞確率を調整することが可能となる。これにより、遊技者のゲームへの挑戦意欲も掻き立てることができる。
また、本発明の遊技機の制御方法は、前記特定の小役賞よりも高い遊技価値を付与する賞は、最高位の遊技価値を付与する第1の賞、または前記第1の賞より低く前記特定の小役賞よりも高い遊技価値を付与する第2の賞であって、通常ゲーム中に前記第2の賞に入賞した場合、または前記第1の賞に対応するゲーム中に前記第2の賞に入賞した場合は、次のゲーム以降、前記第2の賞に対応するゲームが終了するまでの間、前記特定の小役賞に対応する図柄が有効化された入賞ライン上に揃った場合に入賞となることを特徴としている。
このように、通常ゲーム中に第2の賞に入賞した場合、または第1の賞に対応するゲーム中に第2の賞に入賞した場合は、次のゲーム以降、第2の賞に対応するゲームが終了するまでの間、特定の小役賞に対応する図柄が有効化された入賞ライン上に揃った場合に入賞となるので、遊技者は、第2の賞に対応するゲーム中でも特定の小役賞を狙い続けることとなる。これにより、遊技者に対し、通常ゲームと第2の賞に対応するゲームとの違いを意識させず、特定の小役賞を狙うゲームが継続しているように感じさせることができる。
また、本発明の遊技機の制御方法は、前記第1の賞に対応するゲームにおいて前記第2の賞以外の賞が入賞したときの配当と、前記第2の賞に対応するゲームにおいて前記特定の小役賞が入賞したときの配当とが等しいことを特徴としている。
このように、第1の賞に対応するゲームにおいて第2の賞以外の賞が入賞したときの配当と、第2の賞に対応するゲームにおいて特定の小役賞が入賞したときの配当とが等しいので、遊技者は、第1の賞に対応するゲームと第2の賞に対応するゲームとの区別を感じ難くなる。
また、本発明の遊技機の制御方法は、前記特定の小役賞よりも高い遊技価値を付与する賞に対応するゲームが終了した後、さらに予め定められたゲーム回数に到達するまでの間において、前記特定の小役賞よりも高い遊技価値を付与する賞に対応するゲーム中に行なう演出と実質的に同一の演出を行なうステップを含むことを特徴としている。
このように、特定の小役賞よりも高い遊技価値を付与する賞に対応するゲームが終了した後に、特定の小役賞よりも高い遊技価値を付与する賞に対応するゲーム中に行なう演出と実質的に同一の演出を行なうので、遊技者に対して、特定の小役賞よりも高い遊技価値を付与する賞に対応するゲームがあたかも継続しているかのように感じさせることができる。