JP4614795B2 - 金属イオンの除去方法、吸着剤の再生方法および吸着装置の再生方法 - Google Patents

金属イオンの除去方法、吸着剤の再生方法および吸着装置の再生方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4614795B2
JP4614795B2 JP2005062993A JP2005062993A JP4614795B2 JP 4614795 B2 JP4614795 B2 JP 4614795B2 JP 2005062993 A JP2005062993 A JP 2005062993A JP 2005062993 A JP2005062993 A JP 2005062993A JP 4614795 B2 JP4614795 B2 JP 4614795B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adsorbent
calcium phosphate
metal ions
phosphate compound
metal ion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005062993A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006242921A (ja
Inventor
伸太郎 小林
朋彦 吉武
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP2005062993A priority Critical patent/JP4614795B2/ja
Publication of JP2006242921A publication Critical patent/JP2006242921A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4614795B2 publication Critical patent/JP4614795B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Description

本発明は、金属イオンの除去方法、吸着剤の再生方法および吸着装置の再生方法に関するものである。
リン酸カルシウム系化合物は、生体親和性に優れることから、従来から、タンパク質等を吸着・分離する液体クロマトグラフィー用カラム(吸着装置)に使用する吸着剤として広く利用されている(例えば、特許文献1参照。)。
ところが、リン酸カルシウム系化合物が有するCaは、比較的容易に金属イオンと置換する。その結果、タンパク質等の吸着・分離特性が大きく変化してしまうという問題があった。
特開平9−192480号公報
本発明の目的は、リン酸カルシウム系化合物が有するCaに置換した金属イオンを効率よく除去し得る金属イオンの除去方法、および、かかる金属イオンの除去方法を適用した吸着剤および吸着装置の再生方法を提供することにある。
このような目的は、下記の(1)〜()の本発明により達成される。
(1) リン酸カルシウム系化合物が有するCaに置換した金属イオンを除去する金属イオンの除去方法であって、
前記リン酸カルシウム系化合物と、少なくとも2つのNを含むヘテロ環化合物およびその誘導体のうちの少なくとも1種を除去剤として含む除去液とを接触させる接触工程と、
前記リン酸カルシウム系化合物に接触させた後の前記除去液を除去する除去工程とを有することを特徴とする金属イオンの除去方法。
これにより、リン酸カルシウム系化合物が有するCaに置換した金属イオンを、効率よく除去することができる。
) 前記接触工程と前記除去工程とが連続して行われる上記()に記載の金属イオンの除去方法。
これにより、金属イオンの除去操作を極めて簡便に行うことができる。
) 少なくとも表面付近がリン酸カルシウム系化合物を主材料として構成された吸着剤と、金属イオンを含む被処理液とを接触させた後、前記リン酸カルシウム系化合物が有するCaに置換した前記金属イオンを、上記(1)または(2)に記載の金属イオンの除去方法により除去して前記吸着剤を再生させることを特徴とする吸着剤の再生方法。
これにより、吸着剤を容易かつ迅速に再生させることができる。
) 少なくとも表面付近がリン酸カルシウム系化合物を主材料として構成された吸着剤を、カラムの吸着剤充填空間の少なくとも一部に充填してなる吸着装置を用いて、金属イオンを含む被処理液の処理を行った後、前記リン酸カルシウム系化合物が有するCaに置換した前記金属イオンを、上記()に記載の金属イオンの除去方法により除去して前記吸着装置を再生させることを特徴とする吸着装置の再生方法。
これにより、吸着装置を容易かつ迅速に再生させることができる。
本発明の金属イオンの除去方法によれば、リン酸カルシウム系化合物自体にダメージを与えることを防止または抑制しつつ、Caに置換した金属イオンを効率よく除去することができる。
また、除去剤の種類を適宜選択することにより、金属イオンの除去効率をより向上させることができる。
このような金属イオンの除去方法を、本発明の吸着剤の再生方法および吸着装置の再生方法に適用することにより、吸着剤および吸着装置を容易かつ迅速に再生させることができる。
以下、本発明の金属イオンの除去方法、吸着剤の再生方法および吸着装置の再生方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、以下では、本発明の金属イオンの除去方法を、吸着剤の再生方法(特に、吸着装置の再生方法)に適用した場合を代表に説明する。
図1は、本発明の吸着装置の再生方法が適用される吸着装置の構成を示す縦断面図である。
なお、以下の説明では、図1中の上側を「流入側」、下側を「流出側」と言う。
ここで、流入側とは、処理する被処理液を吸着装置に供給する側のことを言い、一方、流出側とは、前記流入側と反対側、すなわち、被処理液が吸着装置から流出する側のことを言う。
図1に示す吸着装置1は、カラム2と、粒状の吸着剤3と、2枚のフィルタ部材4、5とを有している。
カラム2は、カラム本体21と、このカラム本体21の流入側端部および流出側端部に、それぞれ装着されるキャップ(蓋体)22、23とで構成されている。
カラム本体21は、例えば円筒状の部材で構成されている。カラム本体21を含めカラム2を構成する各部(各部材)の構成材料としては、例えば、各種ガラス材料、各種樹脂材料、各種金属材料、各種セラミックス材料等が挙げられる。
カラム本体21には、その流入側開口および流出側開口を、それぞれ塞ぐようにフィルタ部材4、5を配置した状態で、その流入側端部および流出側端部に、それぞれキャップ22、23が螺合により装着される。
このような構成のカラム2では、カラム本体21と各フィルタ部材4、5とにより、吸着剤充填空間20が画成されている。そして、この吸着剤充填空間20の少なくとも一部に(本実施形態では、ほぼ満量で)、吸着剤3が充填されている。
また、カラム本体21に各キャップ22、23を装着した状態で、これらの間の液密性が確保されるように構成されている。
各キャップ22、23のほぼ中央には、それぞれ、流入管24および流出管25が液密に固着(固定)されている。この流入管24およびフィルタ部材4を介して吸着剤3に、例えば試料、溶出液等の被処理液が供給される。また、吸着剤3に供給された被処理液は、吸着剤3同士の間(間隙)を通過して、フィルタ部材5および流出管25を介して、カラム2外へ流出する。このとき、被処理液中に含まれる各成分(化合物)のうち、吸着剤3に対する吸着性が高い成分は、吸着剤3に吸着(担持)され、他の成分と相互に分離される。
各フィルタ部材4、5は、それぞれ、吸着剤充填空間20から吸着剤3が流出するのを防止する機能を有するものである。これらのフィルタ部材4、5は、それぞれ、例えば、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリエーテルポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の合成樹脂からなる不織布、発泡体(連通孔を有するスポンジ状多孔質体)、織布、メッシュ等で構成されている。
吸着剤3は、その少なくとも表面付近がリン酸カルシウム系化合物を主材料として構成されている。
このような吸着剤3は、リン酸カルシウム系化合物が各種アミノ酸、ペプチド、タンパク質等の生体試料に対して、高い吸着能を有することから、例えば、生体試料の分離・精製等に好適に使用される。
ここで、リン酸カルシウム系化合物としては、例えば、ハイドロキシアパタイト、フッ素アパタイト、炭酸アパタイト等のアパタイト類、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸四カルシウム、リン酸八カルシウム等またはこれらの任意の2種以上の混合物が挙げられる。これらの中でも、リン酸カルシウム系化合物としては、ハイドロキシアパタイトおよびフッ素アパタイトの少なくとも一方を主成分とするものであるのが好ましい。これらのものは、特に、前述したように生体試料に対する吸着能に優れる。
なお、リン酸カルシウム系化合物中には、例えば、その合成の際の原料(未反応物)や、二次反応性物等が含まれていてもよい。
吸着剤3の形態(形状)は、図1に示すように、粒状(顆粒状)のものであるのが好ましいが、その他、例えばペレット状(小塊状)、ブロック状(例えば、隣接する空孔同士が互いに連通する多孔質体、ハニカム形状)等とすることもできる。
吸着剤3を粒状とすることにより、その表面積を増大させることができ、吸着剤3の吸着能を向上させることができる。
粒状の吸着剤3の平均粒径は、特に限定されないが、0.5〜150μm程度であるのが好ましく、1〜40μm程度であるのがより好ましい。このような平均粒径の吸着剤3を用いることにより、前記フィルタ部材5の目詰まりを確実に防止しつつ、吸着剤3の表面積を十分に確保することができる。
なお、吸着剤3は、その全体がリン酸カルシウム系化合物で構成されたものであってもよく、粒状基材の表面をリン酸カルシウム系化合物で被覆した構成のものであってもよい。
また、図示の構成のように、吸着剤3を吸着剤充填空間20にほぼ満量充填する場合には、吸着剤3は、吸着剤充填空間20の各部において、ほぼ同一の組成をなしているのが好ましい。これにより、吸着装置1の被処理液の処理能をより向上させることができる。
なお、吸着剤充填空間20の一部(例えば流入管24側の一部)に吸着剤3を充填し、その他の部分には他の種類の吸着剤を充填して構成することもできる。
このような吸着装置1を用いて、被処理液を処理する際に、被処理液が金属イオンを含有すると、金属イオンの種類等にもよるが、吸着剤3を構成するリン酸カルシウム系化合物が有するCaと比較的容易に置換してしまう。
かかる現象は、リン酸カルシウム系化合物の中でも、ハイドロキシアパタイトおよびフッ素アパタイトに、特に顕著である。
このため、かかる金属イオンを含有する被処理液を、吸着装置1で繰り返し処理すると、リン酸カルシウム系化合物が有するCaの多くが金属イオンで置換されてしまうことになる。
このような吸着剤3には、Caに置換した金属に対して高い親和性を有する各種化合物が特異的に吸着するようになり、本来吸着させたい化合物(目的とする化合物)が吸着し難くなる。すなわち、吸着剤3の吸着・分離特性が大きく変化し、その結果、吸着装置1の分離・精製能が変化しまう。
そこで、本発明者は、かかる問題点を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、特定の除去剤を用いることにより、吸着剤3を構成するリン酸カルシウム系化合物自体にダメージを与えることを防止または抑制しつつ、リン酸カルシウム系化合物が有するCaと置換した金属イオンを効率よく除去し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
これにより、吸着剤3に対して本来の吸着能を回復させること、すなわち、吸着装置1(吸着剤3)を再生させることができる。
以下、図1に示す吸着装置1の再生方法(本発明の吸着剤および吸着装置の再生方法)について説明する。
本実施形態の吸着装置(吸着剤)の再生方法では、特定の除去剤を含む除去液を用いて、この除去液を流入管24からカラム本体(管体)21の吸着剤充填空間(内腔部)20内に供給し、吸着剤充填空間20内を通過させ、流出管25から排出させることにより行われる。
除去液は、吸着剤充填空間20内を通過する際に吸着剤3と接触する(接触工程)。このとき、除去液中の除去剤は、リン酸カルシウム系化合物のCaに置換した金属イオンを引き抜き(捕捉し)、保持する。そして、このリン酸カルシウム系化合物から引き抜かれた金属イオンは、除去剤に保持された状態で、除去剤とともに、流出管25からカラム2外へ排出される(除去工程)。
このような吸着装置の再生方法では、接触工程と除去工程とが連続して行われるため、その操作を極めて簡便に行うことができる。
本発明では、除去剤として、少なくとも2つのNを含むヘテロ環化合物およびその誘導体のうちの少なくとも1種を主成分とするものが用いられる。
本発明者の検討の結果、少なくとも2つのNを含むヘテロ環化合物およびその誘導体は、いずれも、各種金属イオンを比較的容易に捕捉するものの、Caイオンの捕捉能が極めて低いことを見い出した。
このため、このような除去剤を用いることにより、リン酸カルシウム系化合物からCaイオンが実質的に除去されることなく、Caに置換した金属イオンが選択的に除去することができる。
なお、除去剤として、一般に広く用いられるEDTA(エチレンジアミン四酢酸)等のキレート剤を用いると、リン酸カルシウム系化合物からCaイオンも引き抜かれ、吸着剤3に大きなダメージ(崩壊等)が生じる。
ここで、少なくとも2つのNを含むヘテロ環化合物としては、例えば、イミダゾール、ピリミジン、プリン等が挙げられる。
また、それらの誘導体としては、例えば、ヒスチジン、ヒスタミンのようなイミダゾール誘導体、フェノバルビタール、ネムブタール、セコナール、チアミンのようなピリミジン誘導体、尿酸、カフェイン、テオブロミンのようなプリン誘導体等が挙げられる。
これらの中でも、除去剤としては、イミダゾールおよびその誘導体のうちの少なくとも1種を主成分とするものが好ましく、イミダゾールを主成分とするものがより好ましい。かかる除去剤を用いることにより、リン酸カルシウム系化合物が有するCaと置換した金属イオンを特に効率よく除去することができる。
除去液中の除去剤の濃度(含有量)は、特に限定されないが、10〜700mmol/L(mM)程度であるのが好ましく、100〜400mmol/L(mM)程度であるのがより好ましい。除去剤の濃度が低過ぎると、除去剤の種類等によっては、金属イオンの除去が効率よくなされず、除去液の使用量が増大するおそれがあり、一方、除去剤の濃度を前記上限値を超えて高くしても、それ以上の除去率の増大が見込めない。
除去液の通液速度は、0.1〜5mL/min程度であるのが好ましく、0.5〜2.5mL/min程度であるのがより好ましい。通液速度が遅過ぎると、金属イオンの除去に要する時間が必要以上に長くなり、一方、通液速度が速過ぎると、除去剤と金属イオン(吸着剤3)との接触時間が短くなり、金属イオンの除去率が低下するおそれがある。
また、除去液の温度は、常温程度であればよく、特に限定されないが、0〜50℃程度であるのが好ましく、10〜30℃程度であるのがより好ましい。除去液の温度が低過ぎると、除去剤の種類等によっては、金属イオンを効率よく除去できないおそれがあり、一方、除去液の温度を前記範囲を超えて高くしても、それ以上の除去率の増大が期待できない。
なお、除去液の通液方向は、任意である。すなわち、例えば、所定量の除去液を流入側から流出側に向かって吸着剤充填空間20に通液した後、通液方向を変更し、所定量の除去液を吸着剤充填空間20に通液することができる。
本発明において、除去すべき金属イオンとしては、例えば、Na、K、Mg2+、Cu2+、Mn2+、Zn2+、Fe3+、Cr3+、Pb2+、Ni2+等が挙げられる。前述したように、吸着装置1は、生体試料を含む被処理液の処理に適するが、生体試料中には、これらの金属イオンが比較的多く存在する。
これらの金属イオンの中でも、Mg2+、Cu2+、Mn2+、Zn2+のような2価の金属イオンを主に除去し得るのが好ましい。生体試料中には、他の価数の金属イオンに比較して、2価の金属イオンが特に多く含まれるからである。なお、本発明で用いられる除去剤は、特に2価の金属イオンの捕捉能が高い。
以上、本発明の金属イオンの除去方法、吸着剤の再生方法および吸着装置の再生方法について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
前記実施形態では、本発明の金属イオンの除去方法を、吸着装置の再生方法に適用した場合を代表に説明したが、これに限定されるものではなく、本発明の金属イオンの除去方法は、例えば、少なくとも表面付近がリン酸カルシウム系化合物を主材料として構成された各種吸着剤(例えば、フィルター等)と、金属イオンを含む液体とを接触させた後、前記吸着剤から金属イオンを除去する場合に適用することもできる。
この場合、例えば、容器内に貯留された除去液に、前記吸着剤を浸漬させた後、所定時間経過後、容器内から除去液を排出するか、または、容器内から前記吸着剤を取り出すことにより、金属イオンの除去を行うことができる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.吸着装置の製造
以下に示すサンプルNo.1〜No.4の吸着装置を、それぞれ7個ずつ製造した。
(サンプルNo.1)
公知の湿式合成法によりハイドロキシアパタイトを合成し、ハイドロキシアパタイトスラリーを得た。
このハイドロキシアパタイトスラリーを噴霧乾燥して、平均粒径40μmの粉体を得た。その後、この粉体を、大気中、700℃×4時間で焼成した。
次に、このハイドロキシアパタイト粉体を、10mMのMnCl溶液に添加して、30分間、攪拌した。これにより、ハイドロキシアパタイト粉体が有するCaをMnで置換した。
なお、元素分析装置(島津製作所社製、「イオンクロマトHIC−SP」)を用いた元素分析法により、ハイドロキシアパタイト粉体中のMnの含有量を測定した結果、0.11wt%であった。
次に、この置換後のハイドロキシアパタイト粉体を、10mMリン酸緩衝液に懸濁させ、カラム(内径4mm×長さ100mm)の吸着剤充填空間に約1gを充填した。これにより、吸着装置を製造した。
(サンプルNo.2)
10mMのMnCl溶液に代えて、10mMのCuCl溶液と10mMのMgCl溶液とを容積比で75:25で混合した混合液を用いた以外は、前記サンプルNo.1と同様にして吸着装置を製造した。
なお、ハイドロキシアパタイト粉体の充填量は、約1gであった。
前記と同様の元素分析装置を用いた元素分析法により、ハイドロキシアパタイト粉体中のCuおよびMgの含有量を測定した結果、0.13wt%(Cu:Mg=70:30)であった。
(サンプルNo.3)
公知の湿式合成法によりフッ素アパタイトを合成し、フッ素アパタイトスラリーを得た。
このフッ素アパタイトスラリーを噴霧乾燥して、平均粒径40μmの粉体を得た。その後、この粉体を、大気中、700℃×4時間で焼成した。
次に、このフッ素アパタイト粉体を、10mMのZnCl溶液に添加して、30分間、攪拌した。これにより、フッ素アパタイト粉体が有するCaをZnで置換した。
前記と同様の元素分析装置を用いた元素分析法により、フッ素アパタイト粉体中のZnの含有量を測定した結果、0.09wt%であった。
このフッ素アパタイト粉体を用いて、前記サンプルNo.1と同様にして、吸着装置を製造した。
なお、フッ素アパタイト粉体の充填量は、約0.7gであった。
(サンプルNo.4)
前記サンプルNo.1と同様のハイドロキシアパタイトスラリーと、サンプルNo.3と同様のフッ素アパタイトスラリーとを容積比で、60:40となるように混合して混合アパタイトスラリーを得た。
この混合アパタイトスラリーを噴霧乾燥して、平均粒径40μmの粉体を得た。その後、この粉体を、大気中、700℃×4時間で焼成した。
次に、この混合アパタイト粉体を、10mMのMnCl溶液に添加して、30分間、攪拌した。これにより、混合アパタイト粉体が有するCaをMnで置換した。
前記と同様の元素分析装置を用いた元素分析法により、混合アパタイト粉体中のMnの含有量を測定した結果、0.12wt%であった。
この混合アパタイト粉体を用いて、前記サンプルNo.1と同様にして、吸着装置を製造した。
なお、混合アパタイト粉体の充填量は、約0.9gであった。
2.吸着装置の再生
なお、以下において、各緩衝液の調製には、10mMのリン酸緩衝液(pH6.8)を用いた。
(実施例1)
200mMのイミダゾール緩衝液を調製した。
このイミダゾール緩衝液(25℃)を、各サンプルNo.の吸着装置に、1mL/minで10mL通液した。
(実施例2)
150mMのヒスチジン緩衝液を調製した。
このヒスチジン緩衝液(25℃)を、各サンプルNo.の吸着装置に、1.5mL/minで10mL通液した。
(実施例3)
150mMのイミダゾール緩衝液と50mMのヒスタミン緩衝液とを混合して、これらの混合緩衝液を調製した。
この混合緩衝液(25℃)を、各サンプルNo.の吸着装置に、2mL/minで7.5mL通液した。
(実施例4)
200mMのピリミジン緩衝液を調製した。
このピリミジン緩衝液(25℃)を、各サンプルNo.の吸着装置に、0.5mL/minで20mL通液した。
(実施例5)
250mMのプリン緩衝液を調製した。
このプリン緩衝液(25℃)を、各サンプルNo.の吸着装置に、1mL/minで20mL通液した。
(実施例6)
100mMのイミダゾール緩衝液と200mMのピリミジン緩衝液とを混合して、これらの混合緩衝液を調製した。
この混合緩衝液(25℃)を、各サンプルNoの吸着装置に、3mL/minで5mL通液した。
(比較例)
10mMのリン酸緩衝液(pH6.8)を、各サンプルNo.の吸着装置に、1mL/minで10mL通液した。
[評価]
各実施例および比較例で緩衝液を通液した後に、前記と同様の元素分析装置を用いた元素分析法により、各吸着装置において、それぞれ、アパタイト粉体中の金属イオンの含有量を測定した。
その結果を、表1に示す。
Figure 0004614795
表1に示すように、各実施例(本発明)では、各アパタイト粉体中には、殆んど金属イオンが確認されないか、もしくは、確認されても極めて少量であった。
これに対して、比較例では、各アパタイト粉体中の金属イオンの含有量は、通液前と殆ど変化がなかった。
なお、各実施例および比較例において、溶出液中のCa濃度を測定した結果、いずれも、120ppm以下であり、各アパタイト粉体からのCaの溶出は、極めて低く、かつ、各実施例および比較例において、ほぼ同等であった。
このようなことから、本発明によれば、リン酸カルシウム系化合物のCaに置換した金属イオンを、選択的かつ効率よく除去することができることがわかった。
本発明の吸着装置の再生方法が適用される吸着装置の構成を示す縦断面図である。
符号の説明
1 吸着装置
2 カラム
20 吸着剤充填空間
21 カラム本体
22、23 キャップ
24 流入管
25 流出管
3 吸着剤
4、5 フィルタ部材

Claims (4)

  1. リン酸カルシウム系化合物が有するCaに置換した金属イオンを除去する金属イオンの除去方法であって、
    前記リン酸カルシウム系化合物と、少なくとも2つのNを含むヘテロ環化合物およびその誘導体のうちの少なくとも1種を除去剤として含む除去液とを接触させる接触工程と、
    前記リン酸カルシウム系化合物に接触させた後の前記除去液を除去する除去工程とを有することを特徴とする金属イオンの除去方法。
  2. 前記接触工程と前記除去工程とが連続して行われる請求項に記載の金属イオンの除去方法。
  3. 少なくとも表面付近がリン酸カルシウム系化合物を主材料として構成された吸着剤と、金属イオンを含む被処理液とを接触させた後、前記リン酸カルシウム系化合物が有するCaに置換した前記金属イオンを、請求項1または2に記載の金属イオンの除去方法により除去して前記吸着剤を再生させることを特徴とする吸着剤の再生方法。
  4. 少なくとも表面付近がリン酸カルシウム系化合物を主材料として構成された吸着剤を、カラムの吸着剤充填空間の少なくとも一部に充填してなる吸着装置を用いて、金属イオンを含む被処理液の処理を行った後、前記リン酸カルシウム系化合物が有するCaに置換した前記金属イオンを、請求項に記載の金属イオンの除去方法により除去して前記吸着装置を再生させることを特徴とする吸着装置の再生方法。
JP2005062993A 2005-03-07 2005-03-07 金属イオンの除去方法、吸着剤の再生方法および吸着装置の再生方法 Expired - Fee Related JP4614795B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005062993A JP4614795B2 (ja) 2005-03-07 2005-03-07 金属イオンの除去方法、吸着剤の再生方法および吸着装置の再生方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005062993A JP4614795B2 (ja) 2005-03-07 2005-03-07 金属イオンの除去方法、吸着剤の再生方法および吸着装置の再生方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006242921A JP2006242921A (ja) 2006-09-14
JP4614795B2 true JP4614795B2 (ja) 2011-01-19

Family

ID=37049468

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005062993A Expired - Fee Related JP4614795B2 (ja) 2005-03-07 2005-03-07 金属イオンの除去方法、吸着剤の再生方法および吸着装置の再生方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4614795B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101912773B (zh) * 2010-08-27 2012-06-13 江苏永冠给排水设备有限公司 一种饮用水除氟滤料的再生方法
JP2015147948A (ja) * 2014-02-04 2015-08-20 日立化成株式会社 金属イオンの吸着方法、分離方法、脱離方法及び回収方法並びにこれらに用いられる吸着剤及び回収剤セット
JP7288630B2 (ja) * 2019-11-22 2023-06-08 株式会社島津製作所 ポンプユニットおよびクロマトグラフ

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04502574A (ja) * 1988-12-30 1992-05-14 エクスプロアテリングス・アクチボラゲット・テー・ベー・エフ 金属イオン、蛋白質及びその他の無機あるいは有機物質用吸着剤
JP2004535796A (ja) * 2001-05-14 2004-12-02 レプリダイン・インコーポレーテッド エルシニア・ペスティス(yersiniapestis)及びシュードモナス・エルギノーサ(pseudomonasaeruginosa)のdna複製をブロックする薬剤の開発のためのシステム
WO2004108272A1 (ja) * 2003-06-09 2004-12-16 Pentax Corporation 吸着剤、吸着装置および吸着装置の製造方法
JP2005017046A (ja) * 2003-06-24 2005-01-20 Pentax Corp 吸着装置および吸着装置の製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3069283B2 (ja) * 1996-01-22 2000-07-24 東洋電化工業株式会社 アパタイト系吸着剤の製法
JPH10259012A (ja) * 1997-03-14 1998-09-29 Toagosei Co Ltd ヒドロキシアパタイト多孔体及びその製造方法
JPH10153589A (ja) * 1997-09-01 1998-06-09 Asahi Optical Co Ltd 液体クロマトグラフィー用カラム
WO2003018756A2 (en) * 2001-08-24 2003-03-06 Pfizer Products Inc. Methods for preparing purified prostaglandin e synthase

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04502574A (ja) * 1988-12-30 1992-05-14 エクスプロアテリングス・アクチボラゲット・テー・ベー・エフ 金属イオン、蛋白質及びその他の無機あるいは有機物質用吸着剤
JP2004535796A (ja) * 2001-05-14 2004-12-02 レプリダイン・インコーポレーテッド エルシニア・ペスティス(yersiniapestis)及びシュードモナス・エルギノーサ(pseudomonasaeruginosa)のdna複製をブロックする薬剤の開発のためのシステム
WO2004108272A1 (ja) * 2003-06-09 2004-12-16 Pentax Corporation 吸着剤、吸着装置および吸着装置の製造方法
JP2005017046A (ja) * 2003-06-24 2005-01-20 Pentax Corp 吸着装置および吸着装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006242921A (ja) 2006-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7767179B2 (en) Method for producing adsorbent, adsorbent, and adsorption apparatus
JP4617175B2 (ja) 吸着剤および吸着装置
JP7262393B2 (ja) 吸着剤および製造方法
JP4614795B2 (ja) 金属イオンの除去方法、吸着剤の再生方法および吸着装置の再生方法
JP3723806B2 (ja) 吸着装置および吸着装置の製造方法
JP5037793B2 (ja) 吸着剤の製造方法、吸着剤および吸着装置
JP2006239661A (ja) 吸着剤、吸着剤の製造方法、吸着装置および吸着装置の製造方法
AU2006220980A1 (en) Mercury removal sorbent
US7919432B2 (en) Adsorbent, adsorption apparatus, and method for manufacturing the adsorption apparatus
US11325847B2 (en) Adsorption method
JP6444615B2 (ja) 分離容器およびウイルスの濃縮・精製方法
JP3504333B2 (ja) 排ガス中の水銀の除去法
CA2676548C (en) Filtration media having a chemical reagent
JP4563745B2 (ja) 吸着剤
JP2011097918A (ja) 精製方法およびワクチンの製造方法
JP3412455B2 (ja) 砒酸イオン吸着用活性アルミナおよびこれを用いてなる水溶液中からの砒酸イオンの吸着処理方法
JP6141256B2 (ja) フッ素アパタイト、吸着装置および分離方法
WO2005009610A1 (ja) 重金属イオン吸着剤
KR102369230B1 (ko) 흡착제의 제조방법, 흡착제 및 처리방법
JP6588784B2 (ja) 分離方法
WO2011043278A1 (ja) 粉体、粉体の製造方法、吸着装置
JPH09299932A (ja) 水道水の浄化方法
JP2009025154A (ja) ヘムタンパク質分離法およびヘムタンパク質吸着剤
Khadhraoui et al. PERFORMANCE OF A Ca-BASED SORBENT CONTAINING LARGE PORES FOR PHOSPHORUS REMOVAL AND RECOVERY
JP2012061411A (ja) 背圧上昇の防止方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080125

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20080424

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100720

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100916

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101012

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101019

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131029

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees