JP4614577B2 - 貯蔵庫における機械室の外装組立て構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、貯蔵庫における冷却機構を収納配置する機械室の支持およびカバーを行なう外装部材の組立て構造に関し、特に支持部材およびカバー部材等からなる外装部材の部品点数を少なくして、機械室の組立ておよびメンテナンス作業の容易化を達成することができる貯蔵庫における機械室の外装組立て構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、冷蔵庫や冷凍庫等の貯蔵庫の機械室における外装構造としては、冷却機構のメンテナンスを行なう必要から、冷却機構の一部を貯蔵庫の本体から出し入れ可能にするため、例えば圧縮機を引出し可能な底板(シャーシ)に載置した構成が採用されている(例えば特開平9−243233号公報)。そして、この底板の収納状態において、機械室を取り巻くカバー等の外装部材を、部分的に取外すことができるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように冷却機構を本体から引出し可能とする場合、機械室の外装構造としては、前記底板を支持するための機械的強度が要求されることから、多数の支持および固定部材を使用すると共に複雑な構造となる傾向があった。なお、冷却機構を貯蔵庫の本体から出し入れすることなく、貯蔵庫の底部に固定配置する場合もある。この場合には、例えば圧縮機を載置する底板とカバー部材とによる比較的簡便な外装組立て構造とすることができるが(例えば特開平8−145537号公報)、前記外装部材を部分的に取外すだけでは冷却機構のメンテナンスを行なう場合の作業性が悪く、また外装部材を底板と共に全面的に取外す場合には、メンテナンス作業に著しく手間が掛かる等の難点がある。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、前述した従来の技術に内在している前記欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、外装部材の部品点数を削減し得ると共に、安定かつ強固な機械室の外装組立て構造とすることができ、しかも冷却機構のメンテナンス作業を簡便かつ容易に行なうことができる貯蔵庫における機械室の外装組立て構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため本発明は、
冷却機構を収納配置する機械室の支持を行なう外装部材による貯蔵庫における機械室の外装組立て構造において、
前記貯蔵庫における本体ケーシングの一側面下端部に配設され、前記機械室を画成すると共に冷却機構が載置される底板と、
前記機械室に設けられ、冷却ファンを取付けるための冷却ファン取付け基板とを備え、
前記冷却ファン取付け基板は、冷却ファンが取付けられる基板面と、該基板面における前記本体ケーシングの一側面に対向する側縁部に折曲形成した第1折曲片と、該基板面の下側縁部に折曲形成した第2折曲片とを有し、前記第1折曲片が本体ケーシングの一側面に結合固定されると共に、前記第2折曲片が前記底板に結合固定されたことを特徴とする。
【0006】
前記目的を達成するため、本願の別の発明は、
冷却機構を収納配置する機械室の支持を行なう外装部材による貯蔵庫における機械室の外装組立て構造において、
前記貯蔵庫における本体ケーシングの一側面下端部に配設され、前記機械室を画成すると共に冷却機構が載置される底板と、
前記機械室の前側部分に設けられ、冷却ファンを取付けるための冷却ファン取付け基板と、
前記機械室の後側部分に設けられる外装カバーとを備え、
前記冷却ファン取付け基板は、冷却ファンが取付けられる基板面と、該基板面における前記本体ケーシングの一側面に対向する側縁部に折曲形成した第1折曲片と、該基板面の下側縁部に折曲形成した第2折曲片とを有し、前記第1折曲片が本体ケーシングの一側面に結合固定されると共に、前記第2折曲片が前記底板に結合固定され、
前記外装カバーは、前記機械室の後部側を画成するカバー面と、該カバー面における前記本体ケーシングの一側面に対向する側縁部に折曲形成した折曲片とを有し、該折曲片が本体ケーシングの一側面に結合固定されると共に、前記カバー面の下端部が前記底板に結合固定されたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る貯蔵庫における機械室の外装組立て構造の実施例につき、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0008】
図1は、本発明に係る貯蔵庫における機械室の外装組立て構造の一実施例を示す概略構成図であって、貯蔵庫10の下部に設けられた機械室14の前側部分(一側部)に、冷却ファン25を取付けるための冷却ファン取付け基板20が設けられるものである。実施例の貯蔵庫10では、図4および図5に示す如く、貯蔵庫10における本体ケーシング12の一側面下端部に、機械室14を画成する底板(シャーシ)16が配設され、該底板16に、冷却機構の一部である圧縮機18が載置されると共に、この圧縮機18の上方に蒸発皿17およびスパイラルコンデンサ19を順次縦型に配置して冷却機構が構成される。そして、前記冷却ファン取付け基板20は、冷却機構の配設位置より前側に臨むよう配設され、該基板20に配設した冷却ファン25の回転により、機械室14の前側に配設されるフロントパネル27の吸込孔(図示せず)から吸込んだ外部空気により、冷却機構を空冷するようになっている。なお、本体ケーシング12の取付面12aに取付けられたコントロールボックス29が、冷却ファン取付け基板20の上方に臨んでいる。
【0009】
図2の(a)〜(d)は、前記冷却ファン取付け基板20の詳細構造を示すものであって、該冷却ファン取付け基板20は、略矩形の基板面20aの上部側に冷却ファン25を取付けるための通風開口部20bが形成され、該開口部20bを囲繞する冷却ファン枠体24が基板面20aの後面に取付けられている(図4参照)。また基板面20aにおける図2(b)の右側縁部に、前記本体ケーシング12に結合固定するための第1折曲片21a,21aが上下に離間して折曲形成され、下側縁部に、底板16に結合固定するための第2折曲片21bが折曲形成され、更に上側縁部に、前記ショートサイクル防止板26が取付られる第3折曲片21cが折曲形成される。そして、各折曲片21a,21b,21cは、対応する本体ケーシング12、底板16またはショートサイクル防止板26に対し適宜ねじ等の止め具23を介して結合固定されている。なお、本体ケーシング12に結合固定される第1折曲片21a,21aが形成される右側縁部とは反対の左側端縁には、補強のための補強用折曲片22が逆向きに折曲形成してある。
【0010】
図3の(a)〜(c)は、前記ショートサイクル防止板26の冷却ファン取付け基板20に対する取付け状態の詳細構造を示すものである。図に示す如く、側面(図3(a))においてL形に構成されたショートサイクル防止板26は、その水平部26aが前記第3折曲片21cにねじ止めされている。なお、冷却ファン取付け基板20を貯蔵庫10の機械室14に対して取付けた際に、図4に示す如く、、該基板20の第3折曲片21cがフロントパネル27の裏面に近接する位置まで延在すると共に、該第3折曲片21cに取付けられたショートサイクル防止板26における水平部26aの後端部が、本体ケーシング12における前記コントロールボックス29の取付面12aに近接する位置まで延在している。そしてこの構成により、冷却ファン25を回転した際にフロントパネル27の吸込孔から吸込まれた外部空気が、冷却ファン取付け基板20の上部側をショートサイクルするのを防止するよう構成される。またショートサイクル防止板26は、コントロールボックス29のメンテナンスに際して落下した部品を受け得るようになっている。なお、機械室14の側面は、本体ケーシング12および底板16に着脱可能に配設された図示しないサイドパネルにより覆われており、該パネルを取外すことで機械室内部のメンテナンスを行ない得るよう構成される。
【0011】
図6は、前記機械室14の後部側における外装組立て構造部分を示すものであって、該機械室14の後部側(一側部)には、多数の吹出孔34が形成された外装カバーとしてのリアパネル30が設けられる。そして、このリアパネル30の一部は貯蔵庫10の本体ケーシング12に対し適宜ねじ等の止め具38を介して結合固定されると共に、その下端部において前記底板16にねじ等の止め具38を介して結合固定されるようになっている。
【0012】
図7の(a)〜(c)は、前記リアパネル30の詳細構造を示すものであって、該パネル30は、上端縁が斜めに形成されたカバー面30aの一部に前記吹出孔34が形成されると共に、該カバー面30aの上側縁部に、前記本体ケーシング12に結合固定するための第1折曲片31aが折曲形成されている。またカバー面30aの左右の側縁部には、本体ケーシング12に対する位置決め用の第2折曲片31bおよび第3折曲片32が形成してある。なお、第1折曲片31aおよび図7(a)において左側縁部に形成される第2折曲片31bは、何れも機械室14から離間する外側に向けて折曲され、リアパネル30を本体ケーシング12に取付けた際には、該ケーシング12の後面に対して前記カバー面30aは前方に凹み、該カバー面30aの後方に排気用の空間が画成されるよう構成される。そして、リアパネル30が本体ケーシング12に取付けられた状態で、カバー面30aの下端部が、前記底板16にねじ止め固定されるようになっている(図8参照)。
【0013】
また前記リアパネル30の右側縁部に形成される第3折曲片32には、電源コード取付け部33が設けられ、該取付部33を介して本体ケーシング12に図示しない電源コードを取付けることで、リアパネル30による支持力が向上するよう構成される。
【0014】
【実施例の作用】
次に、実施例に係る貯蔵庫における機械室の外装組立て構造の作用につき、以下説明する。前記貯蔵庫10の機械室14に対して、図4および図5に示す如く、その前側部において冷却ファン25が取付けられた冷却ファン取付け基板20を、その第1折曲片21a,21aを介して本体ケーシング12に止め具23で固定する。また冷却ファン取付け基板20の第2折曲片21bを、前記圧縮機18が載置される底板16に止め具23で固定する。すなわち、本体ケーシング12と底板16とに冷却ファン取付け基板20を共通的に結合することで、該取付け基板20を底板16に対する支持板として機能させることができ、外装部材の部品点数の削減を図り、組立て工数を少なくし得る。しかも、冷却ファン取付け基板20は機械室14の略全幅に亘る幅寸法に設定されているから、外装組立て構造としての強度も十分確保することが可能となる。
【0015】
前記貯蔵庫10の機械室14に対して、図6に示す如く、その後側部においてリアパネル30を、その第2折曲片31bおよび第3折曲片32を介して位置決めした状態で、前記第1折曲片31aを介して本体ケーシング12に止め具38で固定する。またリアパネル30のカバー面30aの下端部を、前記底板16に止め具38で固定する。すなわち、本体ケーシング12と底板16とにリアパネル30を共通的に結合することで、該パネル30を底板16に対する支持板として機能させることができるから、外装部材の部品点数の削減を図り、組立て工数を少なくし得る。しかも、リアパネル30は機械室14の略全幅に亘る幅寸法に設定されているから、外装組立て構造としての強度も十分確保することが可能となる。更に、リアパネル30に設けた電源コード取付け部33によっても、該リアパネル30による本体ケーシング12と底板16との支持力を向上させ得る。
【0016】
前記底板16が冷却ファン取付け基板20およびリアパネル30で本体ケーシング12に結合された状態で、該機械室14の前面にフロントパネル27を取付けると共に、側面にサイドパネルを取付けることで、機械室14の外装組立てが完了する。
【0017】
前記冷却ファン25を回転すると、フロントパネル27の吸込孔から吸込まれた外部空気は、冷却機構に向けて吹付けられて、該機構の空冷がなされる。また冷却ファン25から吹出された外部空気が、冷却ファン取付け基板20の上部側をショートサイクルするのは、前記ショートサイクル防止板26により防止されるから、冷却機構の効率的な空冷が達成される。そして、前記圧縮機18を空冷した空気は、前記リアパネル30の吹出孔34を介して外部に排気される。この場合において、リアパネル30の吹出孔34が形成されるカバー面30aは、図6に示す如く、前記本体ケーシング12の後面に対して凹んでいるから、該ケーシング12の後面を壁面等に密着した場合でも排気空間を確保することができる。またリアパネル30自体が壁面に接触することもないから、該パネル30の変形や破損も防止し得る。
【0018】
前述したように機械室14に配設される底板16は、その前後部において冷却ファン取付け基板20とリアパネル30とに結合支持されており、その側面には支持板等は存在しないから、機械室内のメンテナンスに際しては、前記サイドパネルを取外すことで容易に行なうことができる。また前記コントロールボックス29のメンテナンスに際し、誤って部品を落とした際に、該部品を前記ショートサイクル防止板26で受けることができ、機械室14の底部に部品が落下して紛失するのは防止される。
【0019】
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、本発明の精神を逸脱しない範囲内において、多くの設計変更が可能である。例えば実施例では、底板を冷却ファン取付け基板とリアパネルとで本体ケーシングに結合する場合で説明したが、何れか一方のみの構成であってもよい。また実施例では本体ケーシングの外部に底板を配設したが、該底板をケーシングの内部に配設したものであってもよい。
【0020】
【発明の効果】
以上説明した如く、本願の請求項1に係る発明、貯蔵庫における機械室の外装組立て構造では、冷却ファンを取付けるための冷却ファン取付け基板を本体ケーシングと底板とに共通的に結合し、該取付け基板を底板に対する支持板として機能させるよう構成したから、外装部材の部品点数の削減を図り、組立て工数を少なくし得る。しかも、安定かつ強固な機械室の外装組立て構造とすることができると共に、冷却機構のメンテナンス作業を簡便かつ容易に行なうことが可能となる。
【0021】
また、本願の請求項2に係る発明、貯蔵庫における機械室の外装組立て構造では、冷却ファンを取付けるための冷却ファン取付け基板および外装カバーを本体ケーシングと底板とに共通的に結合し、該冷却ファン取付け基板および外装カバーを底板に対する支持板として機能させるよう構成したから、外装部材の部品点数の削減を図り、組立て工数を少なくし得る。しかも、安定かつ強固な機械室の外装組立て構造とすることができると共に、冷却機構のメンテナンス作業を簡便かつ容易に行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る貯蔵庫における機械室の外装組立て構造の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】 図1における外装組立て構造を構成する冷却ファン取付け基板を示すものであって、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は平面図、(d)は底面図である。
【図3】 図1における外装組立て構造を構成するショートサイクル防止板と冷却ファン取付け基板との取付け状態を示すものであって、(a)は側面取付け状態説明図、(b)は正面取付け状態説明図、(c)は平面取付け状態説明図である。
【図4】 実施例に係る外装組立て構造を貯蔵庫の機械室に取付けた詳細構造を示す要部概略側面図である。
【図5】 図4における貯蔵庫の機械室の要部概略正面図である。
【図6】 実施例に係る外装組立て構造の要部を示す概略構成斜視図である。
【図7】 図6に示す外装カバーを示すものであって、(a)は正面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は(a)のC方向矢視図である。
【図8】 図6に示す外装組立て構造を貯蔵庫の機械室に取付けた詳細構造を示す要部概略背面図である。
【符号の説明】
10 貯蔵庫,12 本体ケーシング,14 機械室,16 底板
20 冷却ファン取付け基板,20a 基板面,21a 第1折曲片
21b 第2折曲片,25 冷却ファン,30 リアパネル(外装カバー)
30a カバー面,31a 折曲片
Claims (3)
- 冷却機構を収納配置する機械室(14)の支持を行なう外装部材による貯蔵庫における機械室の外装組立て構造において、
前記貯蔵庫(10)における本体ケーシング(12)の一側面下端部に配設され、前記機械室(14)を画成すると共に冷却機構が載置される底板(16)と、
前記機械室(14)に設けられ、冷却ファン(25)を取付けるための冷却ファン取付け基板(20)とを備え、
前記冷却ファン取付け基板(20)は、冷却ファン(25)が取付けられる基板面(20a)と、該基板面(20a)における前記本体ケーシング(12)の一側面に対向する側縁部に折曲形成した第1折曲片(21a)と、該基板面(20a)の下側縁部に折曲形成した第2折曲片(21b)とを有し、前記第1折曲片(21a)が本体ケーシング(12)の一側面に結合固定されると共に、前記第2折曲片(21b)が前記底板(16)に結合固定された
ことを特徴とする貯蔵庫における機械室の外装組立て構造。 - 冷却機構を収納配置する機械室(14)の支持を行なう外装部材による貯蔵庫における機械室の外装組立て構造において、
前記貯蔵庫(10)における本体ケーシング(12)の一側面下端部に配設され、前記機械室(14)を画成すると共に冷却機構が載置される底板(16)と、
前記機械室(14)の前側部分に設けられ、冷却ファン(25)を取付けるための冷却ファン取付け基板(20)と、
前記機械室(14)の後側部分に設けられる外装カバー(30)とを備え、
前記冷却ファン取付け基板(20)は、冷却ファン(25)が取付けられる基板面(20a)と、該基板面(20a)における前記本体ケーシング(12)の一側面に対向する側縁部に折曲形成した第1折曲片(21a)と、該基板面(20a)の下側縁部に折曲形成した第2折曲片(21b)とを有し、前記第1折曲片(21a)が本体ケーシング(12)の一側面に結合固定されると共に、前記第2折曲片(21b)が前記底板(16)に結合固定され、
前記外装カバー(30)は、前記機械室(14)の後部側を画成するカバー面(30a)と、該カバー面(30a)における前記本体ケーシング(12)の一側面に対向する側縁部に折曲形成した折曲片(31a)とを有し、該折曲片(31a)が本体ケーシング(12)の一側面に結合固定されると共に、前記カバー面(30a)の下端部が前記底板(16)に結合固定された
ことを特徴とする貯蔵庫における機械室の外装組立て構造。 - 前記機械室(14)における本体ケーシング(12)から離間する側の側面は、着脱自在に配設したサイドパネルで覆われる請求項2記載の貯蔵庫における機械室の外装組立て構造。
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