JP4614475B2 - ワード線ストラップ回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は集積回路、更に具体的に云えば、ワード線ストラップ回路を含む集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術及び課題】
現在の相補型金属酸化物半導体(CMOS)ダイナミック・ランダムアクセス・メモリ(DRAM)回路は、卓上型及び携帯用のコンピュータ・システムを含む種々の用途に主メモリとして使われる場合が多い。プロセッサの設計及びソフトウェアの開発の進歩により、主メモリには、高い密度並びに早いアクセス時間を持つダイナミック・ランダムアクセス・メモリ回路が必要になった。ダイナミック・ランダムアクセス・メモリの全アクセス時間のかなりの部分は、低電圧から高電圧へのワード線の変化時間によるものである。このワード線の変化時間は、ワード線に関連する抵抗値と静電容量の積によって制限される。
【0003】
従来のメモリ回路は多結晶シリコン・ワード線と平行に金属ストラップ又は分路を用いて、ワード線の全抵抗値を減らし、こうしてダイナミック・ランダムアクセス・メモリの全アクセス時間を短くしていた。図12Aでは、ワード線ストラップ1200が行復号アンド・ゲート386と各々の多結晶ワード線セグメント1210−1216の間に接点1204−1208によって結合され、ワード線の全抵抗値を小さくしている。しかし、この方法では、金属ワード線ストラップの最小ピッチ(金属幅に金属間スペースを加えた値)が、ダイナミック・ランダムアクセス・メモリ回路のメモリ・セルのピッチより大きい時、問題が起こる。ワード線ストラップのピッチを製造設備の能力より下げると、短絡した金属線のため、ダイナミック・ランダムアクセス・メモリ回路の機能的な歩留まりが大幅に低下する。
【0004】
他のダイナミック・ランダムアクセス・メモリ回路は、ワード線ストラップをメモリ・セルのピッチ迄下げるために2レベル金属ストラップを用いている。図12Aでは、偶数ワード線に対し、下側金属導体1200が行復号アンド・ゲート386と各々の多結晶ワード線セグメント1210−1216の間に接点1204−1208によって結合されている。図12Bでは、奇数ワード線に対し、上側金属導体1220が行復号アンド・ゲート384と各々の多結晶ワード線セグメント1230−1236の間に接点1224−1228によって結合されている。その結果できる構造(図12C)は、ダイナミック・ランダムアクセス・メモリ回路の機能的な歩留まりを低下させずに、ワード線ストラップのピッチを大幅に減少する。しかし、この方法では、下側及び上側金属導体の間の抵抗値の差により、別の問題が起こる。
【0005】
下側金属導体及び上側金属導体のそれぞれの抵抗値を表す、ワード線ストラップ1004の2つの抵抗値に対する、インバータ1002と多結晶シリコン・セグメント1014の端の間のワード線の変化時間をシミュレートする為に、図10Aの回路を使った。8個の多結晶シリコン・セグメント1012を持つワード線では、2.8ボルトに於て、下側金属導体に対する波形1102及び上側金属導体に対する波形1104の間の差は6ナノ秒である(図11)。16個の多結晶シリコン・セグメント1032(図10B)及び同じ数のメモリ・セルを持つワード線1024では、波形1103及び1105(図11)は、奇数及び偶数ワード線のアクセス時間の差が、依然として6ナノ秒であることを示している。これは回路の性能を劣化させる。それは、ワード線を充電するのに要するピーク電流が、抵抗値の小さいストラップを持つワード線によって決定されるが、ダイナミック・ランダムアクセス・メモリ回路のアクセス時間が、抵抗値が大きい方のストラップを持つワード線によって決定されるからである。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】
ワード線ストラップのピッチ、ピーク電流及びアクセス時間を減少するというこういう問題が、2つの端を持つ第1の下側導体を含む回路によって解決される。第1の下側導体の一方の端が第1の信号源に結合される。2つの端を持つ第1の上側導体が、隣接する下側導体の間の許容し得る間隔より短かな距離だけ、第1の下側導体から隔たっている。第1の上側導体の一方の端が第2の信号源に結合される。第2の上側導体が2つの端を持つ。第2の上側導体の一方の端が第1の下側導体の別の端に結合され、第1の信号源からの信号を受け取る。第2の下側導体が2つの端を持つ。第2の下側導体は、隣接する下側導体の間の許容し得る間隔より短な距離だけ、第1の上側導体から隔たっている。第2の下側導体の一方の端が第1の上側導体の別の端に結合され、第2の信号源からの信号を受け取る。
【0007】
この発明はワード線を分路するために上側及び下側導体を使い、こうしてワード線のピッチ及び変化時間を減少する。ピーク電流及びワード線の遅延は、奇数及び偶数ワード線でほぼ等しい。
【0008】
この発明は以下図面について詳しく説明するところを読めば、更に完全に理解されよう。
【0009】
【実施例】
図1について説明すると、64メガビット・ダイナミック・ランダムアクセス・メモリ回路のブロック図が示されている。メモリ回路は、メモリ・セルの8個の8メガビット・アレイ18に分けて構成されている。各々の8メガビット・アレイが列復号回路14及び行復号回路16を持っていて、8メガビット・アレイから複数個のメモリ・セルを選択する。入出力(I/O)回路12が、複数個のメモリ・セルと周辺回路10内にある出力端子(図面に示してない)の間で、データをやりとりする。
【0010】
8メガビット・アレイ18と、列及び行復号回路14、16の拡大図が図2に示されている。8メガビット・アレイが、更に8個の1メガビット・メモリ・バンクに分割されている。各々の1メガビット・メモリ・バンクが、センスアンプ・バンク24と、左側及び右側メモリ・アレイ22、26を有する。ワード線(図に示していない)が、行復号回路16からセンスアンプ・バンク24と平行に、左側及び右側メモリ・アレイ22、26の中を通る。各々の行復号回路16が、冗長メモリ・セル(図に示していない)を含めて、左側又は右側メモリ・アレイ22、26内にある8192個より多くのメモリ・セルからなる夫々の行を選択的に付勢するワード線に対する信号源である。行復号回路16から夫々のワード線に沿ってこの8192個より多いメモリ・セルに至る信号遅延時間を短縮し、こうして選択的に付勢されたメモリ・セルからデータを読取り、又はデータを書込むのに要する時間を短縮することが非常に有利である。この為、ワード線が、28及び30のところに示すように、金属導体を用いて周期的にストラップされ又は分路され、ワード線の抵抗値を減らし、こうしてワード線の抵抗値と静電容量の積を小さくする。このようにワード線の抵抗値と静電容量を小さくすると、夫々のワード線に沿った信号遅延並びに64メガビット・ダイナミック・ランダムアクセス・メモリのデータ・アクセス時間が大幅に短くなる。
【0011】
図3には、センスアンプ・バンク24と左側及び右側メモリ・アレイ22、26の回路図が示されている。行復号回路16がアンド・ゲート376−386を含み、これらのゲートは、バス388の行アドレス信号RA0 −RAn に応答して、選ばれたワード線を付勢する。周知の様に、これらの行アドレス信号RA0 −RAn は、外部の行アドレス信号の予め復号されたミンタームズ(minterms)又はマックスタームズ(maxterms)であって良い。例として云えば、各々のアンド・ゲート384及び386が、夫々ワード線372及び374に対応する。夫々ワード線WL1 372及びWL0 374の一番端にあるメモリ・セル348、350は、行復号回路16に更に接近している他のメモリ・セルよりも、受ける信号遅延が一層大きい。偶数ワード線WL0 374は多数の個所28(図2)でストラップされ、奇数ワード線WL1 372が多数の個所30でストラップされ、ワード線の抵抗値を小さくする。ワード線ストラップの個所28は、ワード線WL0 374の下側金属導体をメモリ・セル350及び362に対する多結晶シリコンのゲートに結合する為の接点375(図3)を有する。WL1 372に対する対応する接点(図に示していない)が多数の個所30にある。
【0012】
図4には、センスアンプ300及び302と夫々のメモリ・セルの回路図が示されている。読取サイクルの間、例えばワード線WL0 374が、アンド・ゲート386(図3)からの選択信号によって付勢される。トランジスタ430及びキャパシタ432を含むメモリ・セル350(図4)が選択されるのは、選択信号がワード線WL0 374の一番端まで伝幡するのに要する時間が過ぎてからである。この為、ワード線WL0 374に沿った伝幡遅延が、読取サイクルでメモリ・セル350を付勢するのに要する時間を直接的に長くする。従って、この発明に従って、ワード線をストラップ又は分路して、メモリ・アクセス時間を短縮することにより、この伝幡遅延を最小限に押さえることが非常に有利である。
【0013】
ワード線WL0 374がメモリ・セル350を選択した後、トランジスタ430が導電し、キャパシタ432からのデータをビット線334に結合する。このデータがトランジスタ318によってセンスアンプ300に結合される。このデータを表す、端子422、424の間の差電圧がセンスアンプ300によって増幅される。同様に、トランジスタ438がWL0 374に応答して導電し、キャパシタ440からの別のデータを端子448に結合し、センスアンプ302によって増幅されるようにする。同様に、WL0 374に応答して、トランジスタ438が導電し、キャパシタ440からの別のデータを端子448に結合し、センスアンプ302によって増幅されるようにする。列復号回路14(図2)が、列アドレス信号(図に示していない)に応答して、端子426に列選択信号を選択的に発生し、センスアンプ300、302(図4)からのデータを相補型データ線I/O0 400と
【外1】
401、I/O1 402と
【外2】
403に結合する。この後、このデータがI/O回路12(図1)に結合され、最終的にはダイナミック・ランダムアクセス・メモリの外部の他の回路に結合される。
【0014】
次に図5Aには、この発明の実施例によるメモリ・セルの1行に対応する例えばWL0 374のような偶数ワード線の線図が示されている。行復号アンド・ゲート386が下側金属導体500に結合され、この金属導体が接点528を介して、多結晶シリコンのワード線ハーフ・セグメント536に結合される。多結晶シリコンのワード線ハーフ・セグメント536は、メモリ・セル377及び381(図3)を含む夫々の行にあるメモリ・セルに対するゲートを形成する。更に下側金属導体500(図5A)が、上側金属導体508及びバイア516、518を介して、下側金属導体502に結合される。下側金属導体502は、接点530を介して多結晶シリコンのワード線セグメント538に結合される。多結晶シリコンのワード線セグメント538が、夫々の行にある他のメモリ・セルに対するゲートを形成する。WL0 374の一番端にある多結晶シリコンのワード線ハーフ・セグメント542迄このパターンが繰返され、このセグメントがメモリ・セル350および362(図3)を含む夫々の行にあるメモリ・セルに対するゲートを形成する。
【0015】
図5Bには、この発明の実施例による、例えばメモリ・セルの1行に対応するWL1 372の様な奇数ワード線の線図が示されている。行復号アンド・ゲート384が上側金属導体544に結合され、この金属導体がバイア560を介して下側金属導体552に結合される。下側金属導体552が接点574を介して、多結晶シリコンのワード線セグメント580に結合される。多結晶シリコンのワード線セグメント580は、メモリ・セル379及び383(図3)を含む夫々の行にあるメモリ・セルに対するゲートを形成する。ワード線WL1 372の一番端にある多結晶シリコンのワード線セグメント584(図5B)迄、このパターンが繰り返され、このセグメントがメモリ・セル348及び360(図3)を含む夫々の行にあるメモリ・セルに対するゲートを構成する。
【0016】
図5Cには、夫々図5A及び図5Bに示したような偶数及び奇数ワード線ストラップの平面図が線図で示されている。例えば偶数ワード線ストラップWL0 374が、夫々の端にある2つの下側金属導体ハーフ・セグンメント500、506と、15個の下側金属導体セグメント502−504と、16個の上側金属導体セグメント508−514を含み、これらが直列に接続されている。同様に、例えば奇数ワード線ストラップWL1 372が、夫々の端にある2つの上側金属導体ハーフ・セグメント544、550と、15個の上側金属導体セグメント546−548と、16個の下側金属導体セグメント552−558とを含み、これらが直列に接続されている。この配置は幾つかの理由で、非常に有利である。第1に、下側金属導体セグメントの抵抗値が上側金属導体セグメントの抵抗値より実質的に大きくても、奇数及び偶数の両方のワード線ストラップの合計抵抗値は同じである。この為、奇数及び偶数の行にあるメモリ・セルのアクセス時間が同じである。第2に、奇数及び偶数の両方のワード線にある多結晶シリコンのセグメントに、下側金属導体だけから接触することが可能である。こうすると、上側金属導体から多結晶シリコン・セグメントに直接的に接点を付けるという、接点のアスペクト比(深さと直径の比)が一層大きいために信頼性が劣る事がある工程が避けられる。最後に、ワード線ストラップの長さの実質的な部分に亘って、隣接するワード線ストラップが異なる金属導体で形成される。同じ様な金属導体が密な間隔で隔たる事が起こるのは、バイア、例えばバイア516及び560が形成された相対的に一層小さい重なり領域だけである。この為、製造中に隣接するワード線ストラップを短絡する確率が大幅に低下する。更に、それに応じて信頼性を低下させる事なく、ワード線ストラップのピッチ(中心線の間の距離)を同じ金属で形成される金属線に対する最小許容ピッチより小さくする事が出来る。この最小許容ピッチは、それより小さくすると、短絡又は開放した金属線が起こる確率が増加する為に、製造過程の信頼性が犠牲になるような、同じ様な金属線に対する最小許容幅及び最小許容スペースを含む。このような特徴の最小許容寸法は、64メガビット・ダイナミック・ランダムアクセス・メモリ又はその他の装置でかなり頻繁に起こるのが特徴である。
【0017】
図6Aには、例えばバイア516及び560(図5C)にある同じ様な金属導体の間の密な間隔の必要性を避ける経由方式の線図が示されている。この場合、上側金属導体605及び下側金属導体611が重なり領域618(図6A)でバイア610によって接続される。隣接する下側金属導体600及び上側金属導体613が、重なり領域620でバイア612によって接続される。次の6つのワード線ストラップ601−603及び606−608に対する接続点が、ワード線ストラップ600及び605に対する接続点に対してずれている。8個のワード線ストラップのパターンが、夫々ワード線ストラップ600及び605に対応するワード線ストラップ604及び609に対して繰り返される。例えば、最小8ワード線ストラップ・ピッチは、1つのバイアの幅(0.36μm)、バイアの2つの下側金属導体の重なり(2×0.15μm)、4個の下側金属導体の幅(4×0.3μm)及び下側金属導体の間の5個のスペース(5×0.3μm)を含み、合計3.36μmである。この為、この発明による1ワード線ピッチは3.36/8μm、即ち、0.42μmにする事が出来る。これは単一の金属導体の、相当する最小ワード線ストラップ・ピッチ(0.3μmの幅に0.3μmのスペースを加えた値)より実質的に小さい。この代りに、単一ワード線・ピッチが0.42μmより大きいが、0.6μmより小さければ、同じ様な金属導体の間の間隔を適当に増加して、信頼性を改善することが出来る。
【0018】
同様に、16本のワード線毎にワード線クロスオーバ・パターンを繰り返すことにより、ワード線ピッチを更に小さくする事が出来る。最小16ワード線ストラップ・ピッチは、1つのバイアの幅(0.36μm)、バイアの2つの下側金属導体の重なり(2×0.15μm)、8個の下側金属導体の幅(8×0.3μm)及び下側金属導体の間の9個のスペース(9×0.3 μm)を含み、合計が5.86μmになる。この為単一ワード線ピッチは5.76/16μm、即ち、0.36μmに更に減少することが出来る。
【0019】
ずらした接続点に必要な領域の全長は、典型的には、金属導体セグメントの長さの20%未満である。この為、隣接した下側及び上側金属導体セグメント、例えば、600及び605は、長さがほぼ等しい。重なり領域618及び620が隔たっていて、隣接する同じ様な金属導体600及び611がずれていて、ワード線ストラップ・ピッチが上側又は下側の同様な金属導体に対する許容し得るピッチより小さくても、同じ様な金属導体の間に少なくとも所望の最小スペースが保たれる。これは、ワード線ピッチが同じ様な金属導体に対する最小許容間隔より小さい場合でも、同じ様な金属導体を、同じ様な金属導体に対する最小許容間隔より大きな距離だけ隔てる事が出来るようにする事により、製造時に、金属の相互接続の信頼性を大幅に改善する。更に、他の接続点に対する上側及び下側金属導体の間の接続点のずれが、メモリ・セル・アレイ、例えば、アレイ22及び26(図2)に亘って起こり、この為、追加のレイアウト面積を必要としない。
【0020】
図8Aには、図6Aの線図に対応した、下側金属導電層の実際の配置を示す線図が示されている。図8Bの線図は、図6Aの線図に対応する上側金属導電層の実際の配置を示す。最後に、図8Cの線図は、図8A及び図8Bの下側及び上側金属導電層を組み合わせた配置を示しており、参照数字はこれまでと同じである。
【0021】
次に図9A及び9Bには、相互接続セグメントの寄生抵抗値及び静電容量とメモリ・セルの静電容量(図に示していない)を含めて、この発明の実施例のシミュレーションに使われた回路の回路図が示されている。図9Aの回路は、8個の上側金属導体を持つワード線のモデルである。図9Bの回路は、16個の上側金属導体を持つワード線のモデルである。更に各々のワード線は対応する数の下側金属導体及び多結晶シリコンのセグメントを含むが、各々のワード線が持つメモリ・セルの総数は同じである。この場合、インバータ902(図9A)及びインバータ932(図9B)が、行復号回路、例えばアンド・ゲート386(図5A)に対応する信号源である。
【0022】
図9A及び図9Bの回路に対するシミュレーション結果が図11に示されている。夫々インバータ902、932の入力端子900、930の信号が、開始時刻0に論理高レベルから論理低レベルへ同時に変化する時、シミュレーションが開始される。波形1100及び1101は、夫々多結晶セグメント926、956の一番端に生じる電圧を表す。波形1101を1100と比較すれば、16個のセグメントを持つ図9Bの回路は、図9Aの回路に比べて、2.8ボルトで1.5ナノ秒有利である事がわかる。更に、波形1101及び1100を波形1103及び1102に夫々比較すれば、図9A及び図9Bの各々の回路は、図12Cに示した従来の抵抗値が更に大きい単一金属導体の場合に比べて、2.8ボルトで3ナノ秒有利である事が分かる。例えば50ナノ秒のアクセス時間(tRAC)を持つダイナミック・ランダムアクセス・メモリでは、これは6%の改善になる。この為、この発明のこれらの実施例では、信頼性及びアクセス時間のかなりの改善が得られる。
【0023】
この発明の実施例を好ましい実施例について詳しく説明したが、以上の説明は例に過ぎず、この発明を制約するものと解してはならない。例えば、上側及び下側金属導体セグメントは、3つの導電層を利用できる場合、図7の経由線図に従って接続する事が出来る。1つのワード線ストラップの接続点が、バイア719で、第3の金属導体セグメント739に接続された第1の金属導体セグメント709を有する。隣接したワード線ストラップは、夫々バイア724、714に2つの接続点を有する。第1の金属導体セグメント734がバイア724で、第2の金属導体セグメント729に接続される。第2の金属導体セグメント729が、バイア714で第3の金属導体セグメント704に接続される。第1及び第2の絶縁層633、631の標準的なエッチ技術と、その後、タングステンその他の導電材料の様な同形金属のデポジッションによってバイア632を形成する事により、第1及び第3の金属導体セグメント634、630(図6B)の間の直接接続を実現する事が出来る。更に別の実施例では、第1及び第3の金属導体セグメント648、640が、別のバイア646(図6C)の真上に1つのバイア642をパターン決めする事により、第2の金属導体セグメント644を介して、接続する事が出来る。別の実施例では、第1及び第3の金属導体セグメント658、650を、別のバイア656(図6D)に対して1つのバイア652をずらすことにより、第2の金属導体セグメント654を介して接続する事が出来る。更に別の実施例では、隣接する同じ様な金属導体の間に少なくとも最小許容間隔を保つ事により、信頼性を改善しながら、隣接する導体のピッチを減少する事によって、レイアウト面積を減少するために任意の相互接続の用途に使う事が出来る。この発明のこの実施例は、接点及び多結晶ワード線セグメント(図5A及び図5B)を省略する事によって実現される。このような用途としてはメモリ及びマイクロプロセッサ装置に対する幅の広いデータ及びアドレス・バス回路がある。
【0024】
更に、以上の説明から、当業者には、この発明の実施例の細部に種々の変更を加える事が出来る事が了解されよう。このような変更並びにそのほかの実施例もこの発明の範囲内に属する事を承知されたい。
【0025】
以上の説明に関し、更に以下の項目を開示する。
(1) 2つの端を持ち、当該第1の下側導体の一方の端が第1の信号源に結合されている第1の下側導体と、2つの端を持ち、前記第1の下側導体から、隣接する下側導体の間の許容し得る間隔よりも小さな距離だけ隔たり、当該第1の上側導体の一方の端が第2の信号源に結合されている第1の上側導体と、2つの端を持ち、当該第2の上側導体の一方の端が前記第1の下側導体の別の端に結合されていて、前記第1の信号源から信号を受け取る第2の上側導体と、2つの端を持ち、前記第2の上側導体から、隣接する下側導体の間の許容し得る間隔よりも小さな距離だけ隔たり、当該第2の下側導体の一方の端が前記第1の上側導体の別の端に結合されていて、前記第2の信号源から信号を受け取る第2の下側導体とを有する回路。
【0026】
(2) (1)記載の回路に於て、絶縁層により、前記第1の下側導体が前記第2の上側導体から隔てられ、第1の上側導体が第2の下側導体から隔てられている回路。
(3) (2)記載の回路に於て、前記第1の下側導体に結合された第3の導体、及び前記第2の下側導体に結合された第4の導体を有する回路。
(4) (3)記載の回路に於て、前記第3及び第4の導体の各々が複数個のメモリ・セルに接続され、各々のメモリ・セルが少なくとも1つのMOSトランジスタを有し、該MOSトランジスタはそれぞれ第3及び第4の導体に接続されるゲートを持っている回路。
(5) (4)記載の回路に於て、前記第3及び第4の導体が多結晶シリコン・ワード線で構成され、該多結晶シリコン・ワード線は隣接する下側導体の間の許容し得る間隔より小いピッチを持っている回路。
【0027】
(6) (2)記載の回路に於て、前記第1の下側導体及び前記第1の上側導体が、前記第1の上側導体の長さの実質的な部分に亘って互いに平行であり、前記第2の上側導体及び前記第2の下側導体が、前記第2の上側導体の長さの実質的な部分に亘って互いに平行である回路。
(7) (2)記載の回路に於て、前記第1の下側導体が前記絶縁層にある第1の孔を介して前記第2の上側導体に結合され、前記第1の上側導体が前記絶縁層にある第2の孔を介して前記第2の下側導体に結合される回路。
(8) (7)記載の回路に於て、前記第1の下側導体が第3の導体によって前記第2の上側導体に結合され、前記第1の上側導体が第4の導体によって前記第2の下側導体に結合され、第3及び第4の導体は前記第1及び第2の上側導体とは異なる材料の性質を持っている回路。
(9) (6)記載の回路に於て、前記第1の下側導体及び前記第1の上側導体が、前記第1の上側導体の長さの実質的な部分に亘って前記絶縁層の厚さより大きな距離だけ隔たっている回路。
(10) (9)記載の回路に於て、前記第1の下側導体及び前記第1の上側導体が、前記第1の上側導体の長さの実質的な部分に亘って前記絶縁層の厚さに等しい距離だけ隔たっている回路。
【0028】
(11) 2つの端並びにその間の長さを持ち、当該第1の下側導体の一方の端が第1の信号源に結合されている第1の下側導体と、2つの端並びにその間の長さを持っていて、当該第1の上側導体の長さの実質的な部分に亘って前記第1の下側導体と平行であって、当該第1の上側導体の一方の端が第2の信号源に結合されている第1の上側導体と、2つの端並びに前記第1の上側導体の長さに略等しい長さを持ち、当該第2の上側導体の一方の端が前記第1の下側導体の別の端に結合されていて、前記第1の信号源から信号を受け取る第2の上側導体と、2つの端並びに前記第1の下側導体の長さに略等しい長さを持ち、前記第2の上側導体の長さの実質的な部分に亘って前記第2の上側導体と平行で、当該第2の下側導体の一方の端が前記第1の上側導体の別の端に結合されていて、前記第2の信号源から信号を受け取る第2の下側導体とを有する回路。
【0029】
(12) (11)記載の回路に於て、絶縁層により、前記第1の下側導体が前記第2の上側導体から隔てられると共に、前記第1の上側導体が前記第2の下側導体から隔てられている回路。
(13) (12)記載の回路に於て、前記第1の下側導体が前記絶縁層にある第1の孔を介して前記第2上側導体に結合され、前記第1の上側導体が前記絶縁層にある第2の孔を介して前記第2の下側導体に結合されている回路。
(14) (13)記載の回路に於て、前記第1及び第2の下側導体が第1の金属で構成されている回路。
(15) (14)記載の回路に於て、前記第1及び第2の上側導体が第2の金属で構成されている回路。
【0030】
(16) 複数個の信号を発生する複数個の駆動回路と、第2の複数個の上側導電セグメントによって直列に接続され、第1の下側導電セグメントの端が1つの駆動回路に結合されて1つの信号を受け取る第1の複数個の下側導電セグメントと、第4の複数個の下側導電セグメントによって直列に接続され、第1の上側導電セグメントの端が1つの駆動回路に結合されて1つの信号を受け取る第3の複数個の上側導電セグメントとを有し、前記第1の複数個の下側導電セグメントの各々が前記第3の複数個の上側導電セグメントの1つに隣接し、前記第2の上側導電セグメントの各々が前記第4の複数個の下側導電セグメントの1つに隣接している回路。
【0031】
(17) (16)記載の回路に於て、前記第1の複数個の導電セグメントの各々が、隣接する下側導電セグメントの間の許容し得る間隔より小さな距離だけ、前記第3の複数個の上側導電セグメントの隣接する1つから隔たっている回路。
(18) (16)記載の回路に於て、前記複数個の信号がアドレス信号である回路。
(19) (16)記載の回路に於て、前記複数個の信号がデータ信号である回路。
(20) (16)記載の回路に於て、前記複数個の信号が、メモリ・セルの複数個の行のうちの1行を選択的に付勢するワード線信号である回路。
【0032】
(21) (20)記載の回路に於て、更に複数個の多結晶シリコン・セグメントを有し、各々の多結晶シリコン・セグメントが、メモリ・セルの複数個の行のうちの1行にあるメモリ・セルの複数個のゲート端子に結合され、各々の多結晶シリコン・セグメントが、前記第1の複数個及び第4の複数個の下側導電セグメントのうちの1つの下側導電セグメントに結合されている回路。
【0033】
(22) 2つの端を持つ第1の下側導体500を有する回路を設計した。第1の下側導体の一方の端が第1の信号源386に結合される。第1の上側導体544が2つの端を持ち、隣接する下側導体の間の許容し得る間隔より小さい距離だけ、第1の下側導体から隔たっている。第1の上側導体の一方の端が第2の信号源384に結合される。第2の上側導体508が2つの端を持っている。第2の上側導体の一方の端が第1の下側導体の別の端に結合され、第1の信号源からの信号を受け取る。第2の下側導体552が2つの端を持ち、隣接する下側導体の間の許容し得る間隔より小さい距離だけ、第2の上側導体から隔たっている。
第2の下側導体の一方の端が、第1の上側導体の別の端に結合され、第2の信号源からの信号を受け取る。上側及び下側導体が、隣接する下側導体の間の許容し得る間隔より小さい距離だけ隔たっているので、レイアウト面積が節約される。
各々の信号源に接続された導体の合計抵抗値は同じであり、従って、信号遅延も同じである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を持つ64メガビット・ダイナミック・ランダムアクセス・メモリの線図。
【図2】図1の64メガビット・ダイナミック・ランダムアクセス・メモリの8メガビット・アレイの線図。
【図3】図2の8メガビット・アレイの1/8の回路図。
【図4】図3に示した部分のメモリ・セル及びセンス・アンプを示す回路図。
【図5】Aは偶数ワード線に対するこの発明の実施例の線図。
Bは奇数ワード線に対するこの発明の実施例の線図。
Cは奇数及び偶数ワード線を示すこの発明の実施例の線図。
【図6】Aはこの発明の実施例の経由線図。
Bはこの発明のバイア構造の1例の線図。
Cはこの発明のバイア構造の別の例の線図。
Dはこの発明のバイア構造の更に別の例の線図。
【図7】この発明の別の実施例の経由線図。
【図8】Aは下側導体に対するこの発明の実施例の配置線図。
Bは上側導体に対するこの発明の実施例の配置線図。
Cは下側及び上側導体を示すこの発明の実施例の配置線図。
【図9】Aはこの発明をシミュレーションする回路の線図。
Bはこの発明の別の実施例をシミュレーションする回路の線図。
【図10】Aは従来の回路の線図。
Bは従来の回路の別の線図。
【図11】この発明の実施例並びに従来のシミュレーション波形を示すグラフ。
【図12】Aは偶数ワード線に対する従来の線図。
Bは奇数ワード線に対する従来の線図。
Cは奇数及び偶数ワード線に対する従来の線図。
【符号の説明】
384 第2の信号源
386 第1の信号源
500 第1の下側導体
508 第2の上側導体
544 第1の上側導体
552 第2の下側導体
Claims (4)
- 2つの端を持ち、当該第1の下側金属導体の一方の端が第1の信号源に結合されている第1の下側金属導体と、
2つの端を持ち、前記第1の下側金属導体から、隣接する下側金属導体の間の許容し得る間隔よりも小さな距離だけ隔たり、当該第1の上側金属導体の一方の端が第2の信号源に結合されている第1の上側金属導体と、
2つの端を持ち、当該第2の上側金属導体の一方の端が前記第1の下側金属導体の別の端に結合されていて、前記第1の信号源から信号を受け取る第2の上側金属導体と、
2つの端を持ち、前記第2の上側金属導体から、隣接する下側金属導体の間の許容し得る間隔よりも小さな距離だけ隔たり、当該第2の下側金属導体の一方の端が前記第1の上側金属導体の別の端に結合されていて、前記第2の信号源から信号を受け取る第2の下側金属導体とを有し、
前記第1の下側金属導体は絶縁層により前記第2の上側金属導体から分離され、前記第1の上側金属導体は前記絶縁層により前記第2の下側金属導体から分離されており、
前記第1の下側金属導体は前記絶縁層中の第1の穴を通して前記第2の上側金属導体と結合され、前記第1の上側金属導体は前記絶縁層中の第2の穴を通して前記第2の下側金属導体と結合され、前記第1の穴と前記第2の穴とをずらすことにより、複数の上側金属導体と下側金属導体が、単一の金属導体層の最小ピッチより小さい平均ピッチを有するものとしたDRAM回路であって、
さらに前記第1の下側金属導体に結合された第3の導体、及び前記第2の下側金属導体に結合された第4の導体を備え、
前記第3及び第4の導体の各々は複数のメモリ・セルに結合され、各々のメモリ・セルは少なくとも1つのMOSトランジスタを構成し、当該MOSトランジスタは前記第3及び第4の導体のそれぞれに接続されたゲートを有し、
前記第3及び第4の導体は多結晶シリコン・ワード線で構成され、当該多結晶シリコン・ワード線は隣接する下側金属導体の間の許容し得る間隔より短いピッチを有する、DRAM回路。 - 請求項1に記載のDRAM回路において、前記第1の下側金属導体と前記第1の上側金属導体は、当該第1の上側金属導体の長さの実質的な部分に対して互いに平行で、前記第2の上側金属導体と前記第2の下側金属導体とは、当該第2の上側金属導体の長さの実質的な部分に対し互いに平行である、DRAM回路。
- 請求項2に記載のDRAM回路において、前記第1の下側金属導体と前記第1の上側金属導体は、当該第1の上側金属導体の長さの実質的な部分において、前記絶縁層の厚さよりも大きな距離だけ離間している、DRAM回路。
- 請求項3に記載のDRAM回路において、前記第1の下側金属導体と前記第1の上側金属導体は、当該第1の上側金属導体の長さの実質的な部分において、前記絶縁層の厚みに等しい距離だけ離間している、DRAM回路。
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