JP4613405B2 - 走査型電子顕微鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は試料上に電子線を走査して、電子線の走査領域から発生する二次電子および反射電子を検出して、該試料表面の形状を画像化する走査型電子顕微鏡に関するものであり、二次電子や反射電子を対物レンズよりも上方に配置した検出器にて信号を得るTTL (Through The Lens)方式の走査型電子顕微鏡にて、試料上で発生した二次電子を完全に分離した反射電子のみの情報を効率良く得ることができ、試料表面の帯電による影響を受け難く、かつ請求項2記載の該第一の検出器を複数個用いることにより、異なった方向から信号を取得し、該試料表面の微小な凹凸の立体的な観察を可能とする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
TTL方式の走査型電子顕微鏡において、試料に試料から発生した二次電子を電子源方向に加速するような電圧が印加されていない場合には、一次電子線の照射によって生じたエネルギーの小さい二次電子は電界,磁界を組み合わせた速度分離器であるウィーンフィルタを用いることで、該一次電子の軌道に作用すること無く、該二次電子の軌道のみを曲げて、検出器に直接もしくは間接的に該二次電子を導くことも可能であるが、リターディング法のように試料に電圧を印加して、対物レンズ下面と該試料表面との間に一次電子線を減速させるような急峻な減速電界を発生させる場合には、該試料表面から出射した二次電子は逆に、電子源方向に加速され、大きいエネルギーを持つことになる。このため、ウィーンフィルタにて二次電子の軌道を変化させるためには、電界,磁界を発生するための電圧,電流も大きなものとなり、ウィーンフィルタのサイズが大きくなり、電気回路の負荷も大きくなるために実用的ではない。もともと大きなエネルギーをもつ反射電子の場合も同じであるが、このような場合には、該一次電子の軌道上に該一次電子が通過できる穴を開けた適当な大きさの反射板を設け、二次電子および反射電子を該反射板に衝突させて、該反射板上で二次電子を発生させ、このエネルギーの小さい二次電子をウィーンフィルタにて検出器に導くことは行われているが、二次電子と反射電子を分離することは不可能である。このため、電子源方向に向かってくる二次電子を減速して追い返す阻止電圧をウィーンフィルタの試料側入口に設けたメッシュ状の電極に印加し、該阻止電圧印加部を透過した、該阻止電圧と試料印加電圧との電位差で決まる電位障壁より大きい運動エネルギーをもつ反射電子を反射板で二次電子に変換した後に該ウィーンフィルタで検出器に導くことで二次電子と反射電子を分離することが従来技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術に示したように、TTL方式の走査型電子顕微鏡において、ウィーンフィルタおよび阻止電圧により反射電子と二次電子を分離した後に反射電子を反射板に衝突させ、反射板から発生した二次電子を検出器に導く方法では、該フィルタ内に配置した反射板から見込む試料上の一次電子線照射領域への立体角が大きくなく、試料面からの仰角が大きい反射電子しか得ることしか出来ないために、反射電子の検出効率は低くなり、さらに試料表面の凹凸形状によるコントラストが低い信号しか得ることができず、凹凸形状の立体的な情報を得ることができない。よって、高分解能観察が可能で、コントラストの良い反射電子像を得ることが課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
反射電子は電子源から放出されて試料に照射される一次電子線が試料表面との相互作用によってエネルギーを授受して、後方散乱されたものであって、弾性散乱したものであれば、一次電子線の入射エネルギーが保存される。一方、二次電子の持つエネルギーは通常50eV以下であり、反射電子に比べてかなり小さい。まず第一に反射電子のエネルギー分布は一次電子線の入射エネルギーにも依存するが、弾性散乱がピークとなり、その量は二次電子に比べてかなり少ないが、反射電子のエネルギー分布を全体的に見れば一次電子線のエネルギーよりも小さいエネルギー範囲にブロードに分布し、それらをエネルギーについて積分した量は二次電子に劣らない。よって、試料から放出された反射電子の対物レンズの磁場による回転角を異なるエネルギーをもつ反射電子について考慮し、なるべく広いエネルギー範囲内で反射電子を捕らえられる位置に検出器を配置することで、反射電子の収量を損なわずに済む。該対物レンズの磁極を含む磁路の一部に電圧を印加したり、試料に一次電子線に対するリターディング電圧を印加した系であっても、二次電子のように試料面からの出射エネルギーが小さい場合には対物レンズの磁場に補足され、かつ磁路の一部に印加された電圧やリターディング電圧により電子源方向に加速されるため、該二次電子の試料面からの出射角度は著しく変更を受ける。一方、反射電子は試料面からの出射エネルギーが大きいため、試料面からの出射仰角が小さければ、試料面と平行な方向の速度成分も大きく、反射電子の場合には、磁場により磁極の中心軸回りの回転はするものの、出射仰角に近い角度にて電子源方向に進行し、散乱角度の異なる反射電子の相対的な角度分布は出射仰角を反映すると考えられる。よって磁路の一部に印加された電圧やリターディング電圧の印加によって、二次電子と反射電子の軌道は大きく異なることから、検出器の電子検出面が磁極を見込み、磁極の中心軸から角度を持たせて斜めに配置することによって、従来技術では得られなかった二次電子の混入が実質上ない反射電子像が得られ、出射仰角が小さい反射電子をも捕らえることが出来るため、従来技術よりも反射電子の検出効率が良く、試料表面の凹凸形状が陰影を持った画像として得られる。つまり、反射電子の対物レンズの磁場による回転角が2πn(nは整数)前後である場合は、検出器を配置した側は明るく、その対向側は暗い像が得られる。第二に反射電子の放出角度分布についてであるが、cosine lawとして知られているように、試料に垂直に入射した一次電子線の散乱確率は反射電子の散乱角度(試料からの仰角)が大きくなる程高くなる。しかし、対物レンズ上方には一次電子線および二次電子を通過させるために、ある程度の大きさを確保して通過口を設けねばならないので、試料からの仰角が大きい反射電子については該通過口を通過してしまい、請求項2記載の第一の検出器では検出することが出来ない。反射電子の検出収量を上げるためには、該通過口を通過しない角度で散乱された反射電子のほとんどを取り込み可能な位置に検出器を配置する必要がある。また、該通過口は二次電子が完全に通過することのできる最小の穴径とし、さらに該通過口を有する部材を、反射電子を二次電子に変換する反射板として利用し、該通過口を通過しない角度で散乱された反射電子を該反射板に衝突させる様に配置し、さらに該反射板は二次電子発生率の高い材料もしくは構造として、該通過口を通過して検出できない分の収量を補うようにする。ただし、ある程度の分解能を確保するために試料にリターディング電圧を印加した系においては、該磁路の一部に一次電子線を加速するような電圧を印加すると、例え反射電子であっても試料から電子源方向へ大きく加速されるため、請求項2.記載の第一の検出器での収量は大きく減少する。よって、リターディング法を用いたTTL方式の走査型電子顕微鏡においては、反射電子像を得る必要のある場合には該磁路の一部には、収量を損なわない程度の電圧しか印加しない様にし、観察条件によって該磁路の一部に印加する電圧を切替える必要がある。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態は図1のようであり、引出電極(21)に高電圧電源(23)により電圧を印加することによって電子源(22)から出射した一次電子線(20)は真空雰囲気とした鏡体内を通り、レンズ系で収束された後に試料(1)に入射する。本発明の走査型電子顕微鏡においては、φ300mm程度の大径のウェーハをも観察することを目的としていることから、TTL方式を採用する。また、TTL方式でありながら、二次電子と反射電子を分離して効率良く反射電子を検出し、かつ複数の反射電子検出器にて観察箇所の立体的な観察を実現する必要がある。また、二次電子による高分解能観察を実現するために該試料(1)には高電圧電源(2)によって負の電圧(リターディング電圧)を印加するリターディング法を採用する。よって、リターディング電圧によって電子源方向に加速されたエネルギーの高い二次電子は〔従来の技術〕に記したように反射板とウィーンフィルタによって検出器に導くようにし、該一次電子線(20)の試料上での後方散乱により発生した反射電子については〔課題を解決するための手段〕に記した方法にて反射板および検出器を配置する。
【0006】
本発明の実施の形態の構成においては反射板1(9)の形状や反射電子検出器1(11)および反射電子検出器2(12)の配置を最適化し、リターディング電圧は一定値とし、試料に入射する該一次電子線(20)のエネルギー(入射エネルギー)は該電子源(22)に該高電圧電源(23)にてリターディング電圧から該一次電子線(20)が試料に入射するエネルギー分の電圧を引いた負の電圧を印加することで、該一次電子線(20)のエネルギーを変化させても試料から放出される二次電子の軌道(17)および反射電子の収量を大きく変化させない制御が可能となる。
【0007】
これらのことから、本発明の実施の形態としては、該電子源(22)から放出された一次電子線(20)はレンズ系(28)で収束され、ウィーンフィルタであるE×Bフィルタ2(19),E×Bフィルタ1(18)を通過し、電子線偏向手段(10)にてX,Y方向に走査され、反射板1(9)を通過して、最終的に対物レンズにて試料上に収束される。対物レンズは磁路下部(3),磁場発生用の電磁コイルを含む磁路上部(4),電圧印加磁路(5),該電圧印加磁路(5)と該磁路上部(4)を絶縁するための絶縁碍子(6)から成る。該電圧印加磁路(5)には高電圧電源(27)により正の電圧(以下ブースティング電圧)を印加することができ、対物レンズ中で該一次電子線(20)を加速させ、強励磁にて対物レンズを使用することにより、対物レンズの収差の低減とともに高分解能化ができる。また、試料上の一次電子線が照射された箇所で発生した二次電子および反射電子を検出する手段としては〔課題を解決するための手段〕に記したように、反射電子は対物レンズの磁場により回転作用を受けながら電子源方向に向かうが、種々の電子光学系のパラメータから決定される反射電子の軌道を、予め計算機シミュレーションにて解析された電磁場中での反射電子の軌道、例えば反射電子軌道1(7),反射電子軌道2(8)に基づき反射電子の収量が十分得られるように反射板1(9)および反射電子検出器1(11),反射電子検出器2(12)を最適位置に配置する。なお、反射電子検出器1(11),反射電子検出器2(12)は反射電子のエネルギーを光に変換するシンチレータを電子検出体とし、該シンチレータにて発生した光をライトガイドにより光電子増倍管に導き、該光電子増倍管の出力を電気的に増幅するアンプからの信号を最終的に出力するタイプであるが、半導体検出器や二次電子増倍管により直接試料からの電子を電気的に出力するタイプのものでも構わない。なお、本実施例では反射電子検出器を二本用い、180°対向して磁極を見込むように斜めに配置しているが、この位置は電子ビームの横(X)走査方向に対して垂直方向に伸びる凹もしくは凸の配線パターンの側面の左右一方から出射した反射電子を二本のうちの一本の検出器にて捕らえ、かつ反射電子の収量を十分得られる位置としている。配線パターンの右側,左側はそれぞれ、該反射電子検出器の二本の内一方に一対一に対応しているため、該反射電子検出器を切替えて用いることにより配線パターンの左右それぞれに陰影の付いた立体的な反射電子像を得ることができる。さらに、該反射電子検出器を三本以上用いて多方向から反射電子を検出し、反射電子の収量を上げると共に、立体的な反射電子像を得ることも可能である。
【0008】
該反射板1(9)は該反射電子軌道1(7)のように衝突した反射電子が該反射板1(9)上で二次電子を生成し、該二次電子が該反射電子検出器1(11)、および反射電子検出器2(12)にて検出されるように、該シンチレータに印加された電圧による電界が該反射板1(9)に作用する位置に置かれ、かつ該反射板1(9)に衝突する反射電子によって発生した二次電子が複数回該反射板1(9)表面に衝突して雪崩式に二次電子の数が増加するように、反射電子の衝突面を図2の如く階段状に加工してある。さらに図3,図4のように、該反射板1(9)の表面をサンドブラスト処理により凹凸を設けて、前記同様の効果を得たり、該反射板1(9)の表面に金めっきを施すことによって反射電子による二次電子の発生効率を高めて、結果的に反射電子の収量を増やすこともできる。なお、金めっきの他に二次電子発生率の高い物質、例えばベリリウウム合金をめっき、もしくは蒸着したり、該反射板(9)自体の材料とすることも可能である。また、該反射板1(9)の形状の特徴として、電子線の通過する穴部の直径は、試料(1)で生じた二次電子はリターディング電圧により二次電子軌道(17)のようにある程度の広がりをもって電子源方向に加速さるが、この二次電子全てが完全に通過することのできる最小の寸法になっており、試料表面からの仰角が大きい角度で出射した反射電子は該穴を通過して電子源方向に向かうが、その損失は最小限に押さえられている。それ以外の反射電子は該反射板1(9)に衝突後、反射電子検出器1(11)および反射電子検出器2(12)にて検出されるため、前述したように二次電子の混入が実質上ない反射電子により試料表面の立体的な観察が可能となる。
【0009】
該二次電子は該反射板1(9)を通過した後、電子線偏向手段(10)を通過し、E×Bフィルタ1(18)およびE×Bフィルタ2(19)に設けられた反射板にてエネルギーの低い二次電子に変換されて、二次電子軌道1(15)および二次電子軌道2(16)のように二次電子検出器1(13)および二次電子検出器2(14)で検出される。なお、二次電子検出器1(13)および二次電子検出器2(14)の構造は該反射電子検出器1(11)、該反射電子検出器2
(12)のそれと同じである。
【0010】
一方、分解能を向上させて試料を観察する必要のある場合には該電圧印加磁路(5)に正の電圧(ブースティング電圧)を印加する。この場合には、試料上の一次電子線が照射された箇所で発生した反射電子はブースティング電圧により電子源方向に加速されるため、試料表面からの仰角が大きくない角度で出射した反射電子は〔課題を解決するための手段〕に述べたように、反射電子軌道1(7),反射電子軌道2(8)のような軌道ではなくなるため、反射板1(9)に衝突する電子数も減少し、該反射電子検出器1(11)および反射電子検出器2(12)での収量も減少する。よって、高分解能観察を行う場合や反射電子像を得る場合にはブースティング電圧は印加しない様にするが、元来、反射電子はその発生メカニズムからして、高い空間分解能で試料表面の形状を反映することが出来ないため、高分解能観察は二次電子像にて行うことが適切であり、反射電子像を得る必要性は無い。ただし、本発明の実施の形態においては、E×Bフィルタ1(18)とE×Bフィルタ2(19)の間に電圧の印加できるメッシュ状の電極を挿入し、〔従来の技術〕で述べた反射電子と二次電子の分離方法も実施できるようになっている。また、電圧印加磁路(5)は磁路上部(4)を構成する部材との絶縁を行う必要が有るため、該磁路上部(4)との結合はアルミナ製の絶縁碍子(6)を介して行う。よって、該電圧印加磁路(5)と磁路上部(4)は磁性体として一体となっていないために、両部材の隙間からは磁場が漏れ出す。この漏れ磁場に起因して、該一次電子線(20)の通過する軸上にも磁場が発生する。この軸上磁場が磁極で発生する磁場強度に対して無視できないような大きさであると、電子光学系として最適な条件が得られなくなるため、漏れ磁場の強度を抑える必要がある。図1に示したような構造であっても、漏れ磁場は磁極での軸上磁場に対して約1/50程度と小さいが、図2に示したような構造とすることで、該磁路上部(4)から突き出した、該電圧印加磁路(5)の上部の張り出し部分(50)から、該電圧印加磁路(5)への磁束の流入効率が上がり、漏れ磁場の磁路の結合部周辺への染み出しを小さくすることができ、結果的に光軸上での漏れ磁場をさらに半分程度に減少させることが可能である。さらに、漏洩磁場シールド(51)を設けることで、電子線偏向手段(10)上方の漏洩磁場を減少させることもできる。
【0011】
以上述べた発明の実施の形態にて、種々の特徴ある像観察が可能となるが、反射電子検出器1(11),反射電子検出器2(12),二次電子検出器1(13),二次電子検出器2(14)の各検出器は電子線偏向手段(10)を駆動する走査信号に同期した試料より発生した電子を直接、もしくは間接的に検出して増幅後に電気信号に変換するものであり、本信号は画像処理装置(24)によって、CRTや液晶モニタのような画像表示装置(26)に出力される。各検出器では各々、二次電子,反射電子,エネルギー分別された二次電子ならびに反射電子などの特徴のある信号を得ることができ、画像表示制御装置(25)にて各検出器を任意に切替えられる。図5に示したように配線層間に異物(35)が存在し、二次電子像(32)では異物や配線のコントラストが同じように見え、異物が上部配線層(33)と下部配線層(34)の層間にあるのか表面にあるのか判別しにくい場合は、検出器を反射電子検出器(図5では縦パターンの右側に位置する検出器)とすることにより、試料表面のみのコントラストが強調され、上部配線層(36)が陰影のついた反射電子像(37)として得られるため、異物が配線層間にあることが判別できる。また、しみ状の異物(41)が試料表面にあるにもかかわらず、上部配線層(39)とのコントラストの差異がないため、二次電子像(38)では該上部配線層(39)にあるのか下部配線層(40)の間にあるのか判別がつかないような場合には、検出器を反射電子検出器(図6では縦パターンの右側に位置する検出器)として反射電子像(42)を得ることによって表面のわずかな凹凸を検出し、陰影のついたしみ状の異物(44)の姿が得られるため、異物が上部配線層(43)の上に存在すると断定することが可能となる。なお、本発明の実施の形態では、像上右方向に配置されている反射電子検出器1(11)では試料上観察箇所の凸部側面の右側および下側が明、凹部側面の左側および上側が明となり、反射電子検出器2(12)では試料上観察箇所の凸部側面の左側および上側が明、凹部側面の右側および下側が明となるため、該反射電子検出器1(11)および反射電子検出器2(12)で得られた像を比較することによって異物や配線パターンの凹凸形状を判別することが出来る。また、図7に示したように照射した電子線によって帯電しやすい試料では、二次電子像は観察領域が形状を反映したコントラストがつかない二次電子像(45)となる場合がある。このような場合には、該画像表示制御装置(25)によって検出器を切替えることによって反射電子像(46)を得ることで、試料表面の帯電による影響を受けにくい像観察が可能となる。本発明の実施の形態においては、反射電子像では前述したように形状の微妙な凹凸形状が像上で陰影をもって見え(図7では像右側に位置する検出器)、また反射電子では組成によるコントラストも期待できるために、二次電子像ではチャージアップにより判別のつきにくかった配線構造(47)も該配線構造(47)周辺との構造および組成の違いによりコントラストが得られる。
【0012】
本発明の実施の形態においては前述したように反射電子検出器の電子検出体はシンチレータを用いており、該シンチレータには正の電圧を印加して反射電子軌道1(7),反射電子軌道2(8)のような軌道で試料より入射してくる反射電子および反射板1(9)にて発生した二次電子をシンチレータに引き込むと同時に加速して衝突させる。この引き込み電界は一次電子線(20)の軌道にわずかながら漏れ出し、該一次電子線(20)の軌道を曲げる可能性が有る。左右の反射電子検出器の一方の電圧を調整し、左右の漏れ出した電場のバランスをとることで該一次電子線(20)の軌道への影響を無くすることは可能であるが、図8に示したように該反射板1(9)の試料側開口部に該反射板1(9)と同電位とした金属製シールド(48)を設けることによって、該一次電子線(20)とシンチレータの間に静電シールドを作り、確実に引き込み電界を該一次電子線(20)軌道から遮蔽することが可能となる。該金属製シールド(48)は図10に示したように金属製メッシュ(49)から構成されており、電界のシールド効果を持たせると共に該反射電子軌道1(7)、反射電子軌道2(8)の如く入射してくる反射電子はメッシュを透過して、直接反射電子検出器に入射するか、該反射板1(9)に衝突して二次電子を発生させる。メッシュのフレームに衝突する反射電子もあるが、衝突箇所で二次電子を発生させて、この二次電子は反射電子検出器からの電界に補足されて最終的に反射電子検出器で検出されるため、結果的に反射電子の収量を損なうことはない。
【0013】
以上が本発明を実施した形態についての説明である。
【0014】
【発明の効果】
TTL方式の走査型電子顕微鏡において、対物レンズと試料との間に検出器を配置する必要が無いため、ワーキングディスタンスを短くすることができ、電子ビームの収束開き角を大きくとれるために、装置の高分解能化が可能となる。また、試料に電子ビームを減速させる電圧を印加するリターディング法を採用しても、反射電子と二次電子を分離することができ、反射電子を二次電子に変換する反射板を設けたり、該反射板や磁路の電子通過孔の大きさや形状および請求項2.記載の第一の検出器の配置を最適化することで反射電子の収量を損なうこと無く、コントラストの良い反射電子像が得られる。よって、リターディング法を用いない場合に比べて高分解能観察が可能であり、分解能に関して裕度が持てることから、分解能を犠牲にして焦点深度を深くすることも出来る。また、磁路には観察条件毎にあらかじめ設定した電圧を印加することが出来るので、反射電子を必要とする場合には磁路には電圧を印加しないか、印加しても低電圧とし、逆に磁路に一次電子線を加速する電圧を印加することで二次電子による高分解能観察が可能となる。さらに、請求項2.記載の検出器を各々任意に切替えて二次電子像と反射電子像を取得することができ、これらの画像を画像処理装置にて合成したり、各画像の特徴量を抽出して比較することで観察箇所の立体的な構造を知ることも可能であり、異物や欠陥部の構造や配置から、異物や欠陥の発生に関して半導体デバイスの製作工程の内、どこに問題が有るのか知見を得ることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実現する走査型電子顕微鏡の構成図。
【図2】請求項3および請求項4記載の電圧を印加する磁極を含む磁路と、その他の対物レンズを構成する部材との結合部の断面図。
【図3】請求項13記載の反射電子を二次電子に変換する部材の断面図。
【図4】請求項14記載の反射電子を二次電子に変換する部材の断面図。
【図5】請求項15記載の反射電子を二次電子に変換する部材の断面図。
【図6】本発明の効果として、異物が配線層間にある場合の二次電子像(左)と反射電子像(右)の模式図。
【図7】本発明の効果として、厚みが薄い、又はしみ状の異物が表面にあるのか層間にあるのか判別がつきにくい二次電子像(左)に対して、反射電子像(右)で立体的な観察を行うことでわずかな凹凸を検出し、異物が表面にあることが判別できることを説明した模式図。
【図8】本発明の効果として、試料表面の帯電により二次電子像(左)ではコントラストが得られない場合に反射電子で表面構造の(ここではセル構造)の立体的な観察を行うことで、帯電の影響を受けにくく、凹凸形状が判別できる反射電子像(右)が得られることを説明する模式図。
【図9】請求項16記載の金属製シールドの配置図。
【図10】請求項16記載の金属製シールドの正面図および断面図。
【符号の説明】
1…試料(ウェーハ)、2…負の高電圧電源、3…磁路下部、4…磁路上部、5…電圧印加磁路、6…絶縁碍子、7…反射電子軌道1、8…反射電子軌道2、9…反射板、10…電子線偏向手段、11…反射電子検出器1、12…反射電子検出器2、13…二次電子検出器1、14…二次電子検出器2、15…二次電子軌道1、16…二次電子軌道2、17…二次電子軌道、18…E×Bフィルタ1、19…E×Bフィルタ2、20…一次電子線、21…引出電極、22…電子源、23…電子銃用高電圧電源、24…画像処理装置、25…画像表示制御装置、26…画像表示装置、27…正の高電圧電源、28…レンズ系、29…階段状の段差、30…サンドブラスト面、31…金めっき面、32…配線層間に異物がある時の二次電子像の例、33…上部配線層、34…下部配線層、35…異物、36…上部配線層、37…配線層間に異物がある時の反射電子像の例、38…配線層間にしみ状の異物がある時の二次電子像の例、39…上部配線層、40…下部配線層、41…しみ状の異物、42…配線層間にしみ状の異物がある時の反射電子像の例、43…上部配線層、44…陰影のついたしみ状の異物、45…試料の帯電により、コントラストのついていない二次電子像の例、46…試料の帯電の影響を受けにくい反射電子像の例、47…配線構造、48…金属製シールド、49…金属製メッシュ、50…磁路結合部の張り出し、51…漏洩磁場シールド。
Claims (15)
- 反射電子と二次電子を同一の、もしくは別個の検出器で検出する方式の走査型電子顕微
鏡において、
一次電子線の照射によって試料から発生した信号が通過する開口部と電圧印加可能な磁極を備えた対物レンズと、
前記対物レンズの磁極に0または正の範囲でブースティング電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
前記ブースティング電圧は、前記電圧印加手段により、反射電子像の取得時には印加されないもしくは二次電子像の取得時よりも低い電圧に制御されることを特徴とした走査型電子顕微鏡。 - 試料に一次電子線を出射する電子源と、
前記一次電子線を前記試料上の所望の位置に偏向する偏向器と、
前記一次電子線を前記試料上に収束させる対物レンズと、
前記対物レンズの磁極に正のブースティング電圧を印加できる電圧印加手段と、
電子検出面が前記対物レンズと前記偏向器の間であって、前記対物レンズ磁極の中心を臨む角度で、かつ磁極の中心軸から角度を持たせて配置され、反射電子に起因する信号を検出する一つ以上の第一の検出器と、
前記偏向器の上方に配置され二次電子を検出する複数の第二の検出器と、
前記第一の検出器の近傍に配置され衝突した反射電子を二次電子に変換する反射板とを備え、
前記ブースティング電圧は、前記電圧印加手段により、反射電子像の取得時には印加されないもしくは二次電子像の取得時よりも低い電圧に制御されることを特徴とする走査型電子顕微鏡。 - 請求項2に記載の走査型電子顕微鏡において、
前記一次電子線に対するリターディング電圧を前記試料に印加することを特徴とした走査型電子顕微鏡。 - 請求項2記載の走査型電子顕微鏡において、
前記対物レンズは、電圧を印加できる前記対物レンズの磁極と対物レンズを構成する他の磁路との結合部の上方に磁路上部から張り出した部分を持つ構造であって、
前記磁路上部から張り出した部分の上方に磁場シールド部材を配置したことを特徴とする走査型電子顕微鏡。 - 請求項2に記載の走査型電子顕微鏡において、
前記対物レンズの磁極と、前記対物レンズを構成する他の磁路との結合部の間には、絶縁物が挿入されていることを特徴とする走査型電子顕微鏡。 - 請求項2に記載の走査型電子顕微鏡において、
前記試料に印加する電圧を常に一定とし、前記電子源に印加する電圧を変化させることで前記一次電子線の試料照射エネルギーを制御することを特徴とする走査型電子顕微鏡。 - 請求項2に記載の走査型電子顕微鏡において、
前記第一の検出器と第二の検出器で検出された信号から前記試料の画像を出力する画像処理装置と、前記第一の検出器と前記第二の検出器からの画像を任意に切り替える画像表示制御装置とを備えることを特徴とする走査型電子顕微鏡。 - 請求項2に記載の走査型電子顕微鏡において、
試料上の同一部分における前記第一の検出器の信号から得られた画像と前記第二の検出器の信号から得られた画像とを比較表示ことを特徴とする走査型電子顕微鏡。 - 請求項2に記載の走査型電子顕微鏡において、
反射電子に起因する信号を検出する複数の第一の検出器を備え、
前記試料上の所定の基準方向に対して右に配置した反射電子検出器によって得られる陰影のついた像と、基準方向に対して左に配置した反射電子検出器によって得られる陰影のついた像とを比較することを特徴とする走査型電子顕微鏡。 - 請求項2に記載の走査型電子顕微鏡において、
前記反射板は前記偏向器の下方に位置し、前記反射板の反射電子衝突領域が前記第一の検出器の電子を捕獲するための電界が作用する範囲でかつ前記第一の検出器の電子検出面より下方となるように置かれていることを特徴とする走査型電子顕微鏡。 - 請求項2に記載の走査型電子顕微鏡において、
前記反射板は前記対物レンズの磁極方向に先細りとなった円錐形状であって、前記反射板の中心軸は該対物レンズの磁極の中心軸と一致するよう配置されることを特徴とした走査型電子顕微鏡。 - 請求項2に記載の走査型電子顕微鏡において、
前記反射板の反射電子衝突領域は前記反射板の中心軸に関して対称である円形の溝が階段状に配置されることを特徴とする走査型電子顕微鏡。 - 請求項2に記載の走査型電子顕微鏡において、
前記反射板の反射電子衝突領域の表面が、凹凸が設けられるように処理されていることを特徴とする走査型電子顕微鏡。 - 請求項2に記載の走査型電子顕微鏡において、
前記反射板の反射電子衝突領域の少なくとも表面は、二次電子発生率の高い物質であることを特徴とする走査型電子顕微鏡。 - 請求項2に記載の走査型電子顕微鏡において、
反射板の試料側先端部に、反射電子が通過できるメッシュ状の金属製シールドを具備することを特徴とした走査型電子顕微鏡。
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