JP4613396B2 - 走査型共焦点顕微鏡及びその遮光板の位置調整方法 - Google Patents

走査型共焦点顕微鏡及びその遮光板の位置調整方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は走査型共焦点顕微鏡及びその遮光板の位置調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より微細な標本の形状、構造等を観察するための走査型共焦点顕微鏡が公知である。
この従来の走査型共焦点顕微鏡は、レーザ光源からの光を所定ビーム径まで広げ、これを走査ユニット、走査レンズ、対物レンズ等の光走査手段を用いて標本に対してX−Y方向(2次元)に走査しながら照射し、このとき標本から戻ってくる光(反射光、蛍光、散乱光等の検出光)を光検出器によって検出して、標本の形状、構造等を観察するものである。
【0003】
この走査型共焦点顕微鏡では、標本から戻ってきた検出光を光検出器に向けて集光させるための検出器レンズが、標本から光検出器に至る光路上に配置されている。そして、検出器レンズと光検出器との間には、所定の口径の開口(共焦点開口)が形成された遮光板が配置されている。ここで開口径は、標本上に照射されるレーザ光のビーム径と走査型共焦点顕微鏡に備えられた対物レンズの開口率NA等に応じて決定される。仮に、対物レンズの開口率NAが1.0で、光学系の総合倍率が100倍、レーザ光の波長が500nm程度であるならば、開口径は60μm程度となる。
【0004】
このように開口が形成された遮光板を検出器レンズと光検出器との間に配置するのは、光検出器で検出すべき検出光(標本上に照射されたレーザ光のスポット領域から戻ってきた光)の光路に、標本上のスポット領域以外の他の領域から発生した光が混入し得るからであり、この開口を通過できた光のみが光検出器で検出される。換言すれば、標本上の他の領域(点)から発生した光が光検出器で検出されることは殆どなく、従って、高い横分解能のみならず、高い縦分解能をもって標本を観察することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、遮光板の開口によって、標本上のスポット領域以外の他の領域から発生した光を排除するためには、その開口中心と、検出器レンズによって集光された検出光のスポット中心とを一致させなければならない。仮に、遮光板の開口中心とスポットの中心とがずれると、開口を通過する検出光の光量が減ってしまい、光検出器からの検出信号のSN比を悪化させることになる。
【0006】
例えば、開口中心がスポット中心から開口径の1/4程度ずれると、開口を通過する検出光の光強度は10%程度減少し、開口径の1/2程度ずれると光強度は50%程度減少する。
ここで、走査型共焦点顕微鏡にあっては、開口が形成された遮光板を交換する場合等に遮光板自体を配置し直さなければならない。ここで、交換される遮光板は、その開口の加工精度によって、一般的に他の遮光板の開口位置と0.1mm程度の誤差が生じ得る。このような0.1mm程度誤差は、遮光板の開口径(60μm程度)に比べて大きく、遮光板の開口中心と検出光のスポット中心との不一致が生じ易い。すなわち、走査型共焦点顕微鏡上に遮光板を設計通りに搭載しても、その開口が検出光のスポットから完全に外れることがある。このように遮光板の開口が検出光のスポットから完全に外れると、当該検出光が光検出器に達することなく、標本の観察ができなくなる。又、遮光板を他の位置に配置し直すときに同様である。
【0007】
これらの場合には、遮光板を標本と光学的に共役な位置に載置しておき、その後、検出器レンズの光軸に垂直な面内で移動させて、開口中心を検出光のスポット中心に合わせる作業が必要になるが、開口が検出光のスポットから完全に外れていると、遮光板を光軸に垂直な面内で何れの方向に動かせばよいかが分からなくなり、径が極めて小さい開口(60μm)を検出光のスポット(60μm)に一致させる作業(光学調整)が困難となる。この作業は、結局、作業者の勘に頼ることとなり、開口を検出光のスポットに合わせる作業(光学調整)に多大な時間を要することになる。
【0008】
特に、対物レンズの開口率NAを大きくし、レーザ光源の短波長化を図った近年の走査型共焦点顕微鏡にあっては、検出光のスポット径は、更に小さくなる傾向にあり、遮光板の開口とスポットとを一致させる光学調整が、更に困難になる傾向にある。
ここで、検出器レンズの焦点距離を長くすれば検出光のスポット径を大きくすることができ、これに合わせて遮光板の開口径も大きくすることができ、この場合には、光学調整が行い易くなる。しかし、検出器レンズの焦点距離を大きくすることは、光学系の大型化、ひいては走査型共焦点顕微鏡全体の大型化を招来することになる。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもので、検出器レンズで集光された検出光のスポットとこれと略同じ径の遮光板の開口とを、簡易に一致させることができる走査型共焦点顕微鏡及びその遮光板の位置調整方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、光源と、光源からの光を集光して標本に照射する光走査手段と、前記標本から発せられる検出光の光量を検出する光検出器と、前記検出光を前記光検出器の検出部に集光させる検出器レンズと、前記検出器レンズと前記光検出器の間に配置され集光された前記検出光のスポット径と略同一の径の開口を有する遮光板とを備えた走査型共焦点顕微鏡において、前記遮光板を、前記検出器レンズの光軸に垂直な面内で移動可能にする第1の調整手段と、前記遮光板を、前記標本と光学的に共役な点を中心に前記光軸の方向に前後移動可能にする第2の調整手段とを備えているものである。これにより、開口を光軸に垂直な面内だけではなく、光軸方向にも移動でき、開口中心とスポット中心との位置合わせの自由度が向上し、光学調整を短時間に容易に行なうことができる。
【0011】
又、発明では、前記第2の調整手段によって前記遮光板を前記標本と光学的に共役な位置から当該光軸方向に一定距離離れた位置まで初期移動させる初期移動制御手段と、前記検出光のスポットが前記開口を略完全に包含していないことが前記光検出器の検出光量によって検知されていることを条件に、前記第1の調整手段によって前記遮光板を、前記スポットが前記開口を略完全に包含することが前記光検出器の検出光量によって検知されるまで、前記光軸に対し垂直な面内で移動させる第1の移動制御手段と、前記スポットが前記開口を略完全に包含していることが前記光検出器の検出光量によって検知されていることを条件に、前記第2の調整手段によって前記遮光板を、前記スポットが前記開口を略完全に包含していないことが前記光検出器の検出光量によって検知されるまで、前記光軸方向に移動させる第2の移動制御手段と、前記遮光板が、前記標本と光学的に共役な位置に達するまで前記第1、第2の移動制御手段による前記遮光板の移動制御を繰り返し実行する制御手段とを備えたものである。すなわち、制御手段は、以下の手順で、開口中心と検出光のスポット中心との位置合わせ(光学調整)を行う。
【0012】
(1) 遮光板が標本と共役な位置から、第2の調整手段によって光軸に沿って前後の何れかに一旦ずらされる。このとき遮光板によって遮られる検出光の光円錐の光半径は、前記共役な位置でのスポット径より大きい。その後、大きな光半径のスポットが、第1の調整手段によって、遮光板の開口に包含される。
(2) 光検出器によって開口を通過する検出光の光量をモニタしながら、遮光板を、光軸に沿って光量が増大する方向(光半径が小さくなる方向)に移動させる。
【0013】
(3) その後、光検出器によって検出された光量が急激に減少した時点で、遮光板の光軸方向の移動が停止される。
(4) 次いで、光検出器による検出光の光量がモニタされ、光量が最大となるように、遮光板が光軸と垂直な面内で移動される。
(5) 検出された光量が変化しなくなるまで手順(2)〜(4)が繰り返し実行される。
【0014】
この結果、遮光板の開口中心が、検出光のスポット中心に、容易に一致される。又、本発明の方法で、前記遮光板を、前記検出器レンズの光軸上の前記標本と光学的に共役な位置から該光軸方向に一定距離離れた位置まで初期移動させる初期移動手順と、前記検出光のスポットが前記開口を略完全に包含していないことが前記光検出器の検出光量によって検知されていることを条件に、前記遮光板を、前記スポットが前記開口を略完全に包含することが前記光検出器の検出光量によって検知されるまで、前記光軸に対し垂直な面内で移動させる第1の移動手順と、前記スポットが前記開口を略完全に包含していることが前記光検出器の検出光量によって検知されていることを条件に、前記遮光板を、前記スポットが前記開口を略完全に包含していないことが前記光検出器の検出光量によって検知されるまで、前記光軸方向に移動させる第2の移動手順と、前記遮光板が、前記標本と光学的に共役な位置に達するまで前記第1、第2の移動手順による前記遮光板の移動制御を繰り返し実行する制御手順とを含んでいるものである。これにより、以下の容易な手順に従った開口と検出光のスポットとの位置合わせ(光学調整)が可能になる。この開口とスポットとの位置合わせは、短時間でしかも精度良く行うことができる。
【0015】
(1) 標本と共役な位置から遮光板を、第2の調整手段によって光軸に沿って前後の何れかにずらす。このとき遮光板によって遮られる検出光の光円錐の光半径は、前記共役な位置でのスポット径より大きい。従って、大きな光半径のスポットを、第1の調整手段によって、開口に包含させることができる。
【0016】
(2) 光検出器によって開口を通過する検出光の光量をモニタしながら、遮光板を、光軸に沿って光量が増大する方向(光半径が小さくなる方向)に移動させる。
(3) その後、光検出器によって検出された光量が急激に減少した時点で、遮光板の光軸方向の移動を停止させる。
【0017】
(4) 次いで、光検出器による検出光の光量をモニタしながら、光量が最大となるように、遮光板を光軸と垂直な面内で移動させる。
(5) 検出された光量が変化しなくなるまで手順(2)〜(4)を繰り返し行う。
この結果、遮光板の開口中心を検出光のスポット中心に容易に一致させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について、図1から図4を用いて説明する。
図1は走査型共焦点顕微鏡100の全体構成を示す図である。
この図に示すように、走査型共焦点顕微鏡100は、レーザ光源101、レーザ光源101からのレーザ光を所定ビーム径に広げるビームエキスパンダ102、ビームエキスパンダ102で所定ビーム径に広げられたレーザ光を標本1上でX−Y方向に走査するための走査ユニット110、走査レンズ104、リレーレンズ105、ミラー106、対物レンズ120、標本ホルダ107、標本ホルダ107上の標本1から戻ってきた検出光(反射光、蛍光、散乱光等)を検出するための光検出器130、前記検出光を光検出器130側に偏向させるビームスプリッタ108、ビームスプリッタ108と光検出器130との間に配置される検出器レンズ109、遮光板140、この遮光板140を検出器レンズ109の光軸Lの方向及びこれに垂直な面内で移動させる遮光板移動装置150、走査ユニット110による標本1への光の光走査状態と光検出器120からの信号とに基づいて標本1の観察結果を示すデータを生成するデータ処理装置160等によって構成されている。
【0019】
このうち走査ユニット110は2枚の可動式ミラー111,112を有し互いに直交する2方向(標本1上のX−Y方向)でレーザ光を走査する。この走査ユニット110によって走査されたレーザ光は、走査レンズ104で一次像面100Aでスポット状に結像され、その後、リレーレンズ105、ミラー106を介して偏向され、対物レンズ120によって標本1上でもスポット状に結像される。
【0020】
標本1上でスポット状に結像された像は点像となり、そのスポット径は、対物レンズ120の開口率NAで決まる(スポット領域)。ここでは、0.25μm〜0.5μm程度である。このスポット領域における標本1の光学的な特性により検出光(反射光、蛍光、散乱光等)がこのスポット領域より生じる。
標本1上のスポット領域(照射領域)で生じた検出光(反射光、蛍光、散乱光等)は、再び対物レンズ120で集められ、照射されたレーザ光と同じ光路を逆方向に進み、リレーレンズ105によって一次像面100Aで結像され、その後、走査レンズ104,走査ユニット110を経て、ビームスプリッタ108に達する。
【0021】
標本1からビームスプリッタ108に至った検出光は、このビームスプリッタ108で光検出器130側に偏向され、検出器レンズ109によって遮光板140の開口(共焦点開口)141に向けて、所定のスポット径に集光される。光検出器130はこの開口141の先に配置されているため、この開口141を通過できた光のみが光検出器130に達して、その検出が行われる。
【0022】
ところで、開口141に集光されるスポット径は、標本1に照射されるレーザ光のスポット径(スポット領域の大きさ)に対応するもので、対物レンズ120の開口率NA、更には、光学系の総合倍率、レーザ光の波長によって決定される(この実施の形態では、後述するように60μm)。
【0023】
標本1にレーザ光が照射されたとき、スポット領域以外の他の領域(点)から発生した光は、検出光と同じ光路に混入する虞があるが、混入した光は、開口141を通過することが殆どなく像を結ぶことがない。すなわち、標本1上のスポット領域以外で生じた光は、遮光板140によって遮られることになり、この結果、走査型共焦点顕微鏡100では高い横分解能だけでなく、高い縦分解能をもって標本1の形状、構造等を観察できる。
【0024】
ここで、走査型共焦点顕微鏡100の高い縦横分解能を実現するため、遮光板140の開口141の中心を、検出器レンズ109によって集光された検出光のスポットの中心に一致させる必要がある。例えば、NA=1.0の対物レンズ120を用い、対物レンズ120から検出器レンズ109に至る光学系の総合倍率が100倍であるなら、レーザ光源101から照射されるレーザ光の波長が500nmのとき、スポット径は60μm程度であり、開口141の径はこれと略同じ若しくは若干小さい値(ここでは60μm)に形成される。
【0025】
ここで、遮光板移動装置150により遮光板140を移動させて、開口141の中心を検出器レンズ109で集光されたスポットPの中心に一致させる作業(光学調整)の手順について説明する。図2(a)〜(c)は、各々、遮光板移動装置150を示す正面断面図、側部断面図及び底面図である。
【0026】
この遮光板移動装置150では、遮光板140は、円筒状の保持部材151に保持される。
ここで遮光板140は、金属の薄板からなり、その表面にエッチング加工等で開口141が設けられている。この開口141の開口径は、上記の通り、60μm程度である。
【0027】
遮光板140を保持する保持部材151には、その下方に切欠部151aが形成され、この切欠部151aに、バネによって付勢されたロッド152が嵌合されている。
又、保持部材151は、ハウジング153に設けられた凹部153Aに収容されている。この凹部153Aは、保持部材151の外形よりやや大きめに形成されている。そして、保持部材151は、凹部153Aに収容された状態で、前記ロッド152にてその下方から、2つの調整ピン154,155によってその上方から、計3点で支持されている。
【0028】
調整ピン154,155には、そのロッド部分154a,155aに雄ネジが形成されており、ハウジング153側の雌ネジが形成された貫通孔に螺合される。
ここで、調整ピン154のつまみ部154bを回して引き上げることで、図3(a)に示すように、遮光板140の開口141は左方向に移動し、調整ピン155のつまみ部155bを回して引き上げることで、図3(b)に示すように、遮光板140の開口141は右方向に移動する(X方向への移動)。
【0029】
又、調整ピン154,155を共に引き上げることで、遮光板140の開口141は上方向に(図3(c))、共に引き下げることで遮光板140の開口141は下方向に(図3(d))、各々移動する(Y方向への移動)。
又、ハウジング153の両側部には、図2(a)〜(c)に示すように、リニアガイド156A,156Aが設けられている。このリニアガイド156A,156Aは、走査型共焦点顕微鏡100本体の台座103に固定されており、ハウジング153は、台座103に対し、リニアガイド156A,156Aに沿って移動可能になっている。
【0030】
ここで、ハウジング153の前後(Z方向の前後)には、光軸方向調整部157が配置されている。
この光軸方向調整部157の固定部157Aには、バネによって付勢された押しピン158が設けられている。又、固定部157Bには雌ネジが切られた貫通孔157Cが形成され、この貫通孔157Cに、雄ネジが形成されたロッド159が螺合されている。
【0031】
このロッド159のつまみ部159bを回すことで、開口141がハウジング153ごと、台座103に対してZ方向(光軸L方向)に移動する。
次に、この遮光板移動装置150を用いた遮光板140の位置調整方法について説明する。
上記したように、検出器レンズ109によって集光された検出光のスポット径は60μm程度と極めて小さい。又、開口141もこれに合わせて60μm程度の大きさに形成されている。
【0032】
従って、遮光板140を単に光軸Lに垂直な面内(X−Y面)で移動させて、その開口141中心をスポットPの中心に一致させるのは困難である。
そこで、この実施の形態では、遮光板140の開口141中心と、集光された検出光のスポットPの中心との位置合わせ(光学調整)を以下の手順で行っている。尚、開口141とスポットPとの位置合わせを行うに当たっては、検出光の光量を多くするため、標本1として金属鏡が、標本ホルダ107上に搭載される。
【0033】
位置合わせを行うに当たっては、先ず、図4(a)に示すように、遮光板140を、検出器レンズ109の光軸Lに沿って(Z方向)、標本1と共役な位置Gから検出器レンズ109側に移動させる(図4(a)中、破線で示す遮光板140)。このとき遮光板140が、検出光の光円錐を遮る面(図中斜線で示す部分)が大きくなる(面S1)。
【0034】
そして、遮光板140を今度は光軸Lに垂直な面内(X−Y面)にて移動させて、この大きな面S1の中心と開口141の中心とを合わせる(図4(a)中、実線で示す遮光板140)。ここで、面S1は検出光のスポットPに比べて大きいので、面S1を開口141に略完全に包含させることは容易である。
【0035】
面S1が開口141を略完全に包含したとき、開口141を通過する検出光は、広がっているため単位面積当たりの光量は少ないものの、光検出器130は、この少ない光量の検出光を検出することができる。従って、光検出器130からの信号をモニタしながら、遮光板140をX−Y面内で移動させ、光検出器130が、検出光の面S1が開口141を略完全に包含していることを示す信号を出力する時点で、その移動を停止すればよい。
【0036】
検出光の面S1が開口141を略完全に包含していることが検出されて遮光板140の移動を停止したならば、この状態をモニタしながら、今度は遮光板140を光軸Lに沿って、共役な位置点Gに近づける(図3(b))。このとき遮光板140が検出光の光円錐を遮る面が徐々に小さくなり(S2)、単位面積当たりの光量が増え、光検出器130からの出力信号が徐々に大きくなる。更に、遮光板140が共役な位置Gに向かって光軸L方向に移動すると開口141が面S2の光軸L方向での位置から外れる。すなわち、面S2が開口141を略完全に包含していない状態になる。このとき開口141を通過する検出光の光量が急激に減少し、その旨が、光検出器130によって検知される。
【0037】
光検出器130からの出力信号によって、開口141が、遮光板140が光円錐を遮る面S2が開口141を略完全に包含していないことが検知されたならば、遮光板140の検出器レンズ109の光軸L方向(Z方向)への移動を停止させ、遮光板140をX−Y面内で移動させる(図3(c))。開口141が面S2の光軸L方向での位置から外れた直後であれば、開口141は、面S2から僅かに外れただけなので、遮光板140をX−Y面内で微動させれば、再び面S(S2)を開口141に略完全に包含させることができる。
【0038】
面S(S2)が開口141を略完全に包含したならば、遮光板140を光軸L方向(Z方向)に移動させて、開口141を標本1と共役な位置Gに近づける(図3(d))。このとき遮光板140が光円錐を遮る面Sが再び小さくなる(S3)。以下同様の手順を繰り返すことで、標本1と共役な位置Gにおいて、開口141中心を検出光のスポットPの中心に一致させることができる(図3(e))。
【0039】
以上、説明したように、本実施の形態の走査型共焦点顕微鏡100では、遮光板移動装置150を用いて遮光板140の開口141の中心を、検出器レンズ109で集光される検出光のスポットPの中心に容易に、かつ短時間で一致させることができ、走査型共焦点顕微鏡100の光学調整が容易となり、その使い勝手が向上する。又、光学調整の精度が高いので、光検出器130による検出時のSN比が低下することがない。
【0040】
尚、上記した実施の形態では反射型の走査型共焦点顕微鏡100を例にあげて説明したが、蛍光、散乱光及び透過光量による吸収の程度を捉えることができる透過型顕微鏡にも、本発明は適用可能である。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について、図5を用いて説明する。
【0041】
この第2の実施の形態の走査型共焦点顕微鏡200は、遮光板140の開口141中心と検出光のスポットPの中心との位置合わせ(光学調整)を自動的に行うようにしたものである。
すなわち、走査型共焦点顕微鏡200の遮光板移動装置250では、遮光板移動装置の調整ピン(図2参照)がアクチュエータ(図示省略)によって自動的に調整可能になっている。
【0042】
このアクチュエータにはアクチュエータ駆動部190が接続されており、自動制御部180が、当該アクチュエータ駆動部190に駆動信号を送ることで、前記調整ピンの移動量が自動制御される。
この場合、自動制御部180は、データ処理装置160と光検出器130からの信号に基づいて、遮光板140のX−Y面内での移動量、Z方向(光軸L方向)への移動量を決定し、その旨を示す駆動信号をアクチュエータ駆動部190に出力する。
【0043】
ここでは、自動制御部180は、遮光板140を標本1と光学的に共役な位置Gから、一旦、光軸L方向に一定距離離れた位置まで初期移動させる。そして、光検出器130からの出力信号に基づいて、検出光のスポットPが開口141を略完全に包含していないことを条件に、遮光板140を、スポットPが開口141を略完全に包含するまで、光軸Lに対し垂直なX−Y面内で移動させる。
【0044】
更に、自動制御部180は、スポットPが開口141を略完全に包含していることを条件に、遮光板140を、スポットPが再び開口141を略完全に包含しなくなるまで、光軸L方向に移動させる。自動制御部180は、これらの処理を繰り返し実行して、検出光のスポットPが遮光板140の開口141を略完全に包含させる。
【0045】
尚、この第2の実施の形態の走査型共焦点顕微鏡200の他の構成は、上記した第1の実施の形態の走査型共焦点顕微鏡100と同一であり、その詳細な説明は省略する。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、走査型共焦点顕微鏡において、前記遮光板を前記検出器レンズの光軸に垂直な面内で移動可能にする第1の調整手段と、前記遮光板を前記標本と光学的に共役な点を中心に前記光軸の方向に前後移動可能にする第2の調整手段とを備えているので、開口を光軸に垂直な面内だけではなく、光軸方向にも移動でき、開口中心とスポット中心との位置合わせ(光学調整)の自由度が向上し、ひいては、短時間に容易に光学調整を行なうことができる。この位置合わせにより、光検出器からの出力信号のSN比が低下することがない。特に、遮光板の取り替え時等に、開口の中心が検出器レンズで集光された光のスポットと不一致であっても、短時間で検出光のスポットが開口を略完全に包含させることができ、走査型共焦点顕微鏡の光学調整の操作性が向上する。
【0047】
又、発明によれば、走査型共焦点顕微鏡において、初期移動制御手段によって、前記遮光板が前記標本と光学的に共役な位置から当該光軸方向に一定距離離れた位置まで初期移動され、第1の移動制御手段によって、前記検出光のスポットが開口を略完全に包含していないことが前記光検出器の検出光量によって検知されていることを条件に前記スポットが前記開口を略完全に包含することが前記光検出器の検出光量によって検知されるまで、前記遮光板が、前記光軸に対し垂直な面内で移動され、第2の移動制御手段によって、前記スポットが前記開口を略完全に包含していることが前記光検出器の検出光量によって検知されていることを条件に前記スポットが前記開口を略完全に包含していないことが前記光検出器の検出光量によって検知されるまで、遮光板が、前記光軸方向に移動され、制御手段によって、前記遮光板が前記標本と光学的に共役な位置に達するまで前記第1、第2の移動制御手段による前記遮光板の移動制御が繰り返し実行されるので、開口中心と検出光のスポット中心との位置合わせ(光学調整)を自動で行うことができる。この位置合わせにより、光検出器からの出力信号のSN比が低下することがない。
【0048】
又、発明走査型共焦点顕微鏡の遮光板の位置調整方法では、前記遮光板が、前記検出器レンズの光軸上の前記標本と光学的に共役な位置から該光軸方向に一定距離離れた位置まで初期移動され、前記検出光のスポットが開口を略完全に包含していないことが前記光検出器の検出光量によって検知されていることを条件に前記スポットが前記開口を略完全に包含することが前記光検出器の検出光量によって検知されるまで、前記遮光板が前記光軸に対し垂直な面内で移動され、前記スポットが前記開口を略完全に包含していることが前記光検出器の検出光量によって検知されていることを条件に前記スポットが前記開口を略完全に包含していないことが前記光検出器の検出光量によって検知されるまで、前記遮光板が前記光軸方向に移動させられ、前記遮光板が前記標本と光学的に共役な位置に達するまでこれらの遮光板の移動が繰り返し実行されるので、容易な手順に従った開口と検出光のスポットとの位置合わせ(光学調整)が短時間で、しかも精度良くできる。この位置合わせにより、光検出器からの出力信号のSN比が低下することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の走査型共焦点顕微鏡100の全体構成を示す図である。
【図2】走査型共焦点顕微鏡100の遮光板移動装置150を示す図である。
【図3】遮光板移動装置150による開口141の移動方向を説明する図である。
【図4】遮光板移動装置150によって開口141を検出光のスポットPに合わせる手順を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の走査型共焦点顕微鏡200の全体構成を示す図である。
【符号の説明】
1 標本
100,200 走査型共焦点顕微鏡
101 レーザ光源
102 ビームエキスパンダ
108 ビームスプリッタ
109 検出器レンズ
110 走査ユニット
120 対物レンズ
130 光検出器
140 遮光板
141 開口
150,250 遮光板移動装置
180 自動制御部

Claims (2)

  1. 光源と、光源からの光を集光して標本に照射する光走査手段と、前記標本から発せられる検出光の光量を検出する光検出器と、前記検出光を前記光検出器の検出部に集光させる検出器レンズと、前記検出器レンズと前記光検出器の間に配置され集光された前記検出光のスポット径と略同一の径の開口を有する遮光板とを備えた走査型共焦点顕微鏡において、
    前記遮光板を、前記検出器レンズの光軸に垂直な面内で移動可能にする第1の調整手段と、
    前記遮光板を、前記標本と光学的に共役な点を中心に前記光軸の方向に前後移動可能にする第2の調整手段と、
    前記第2の調整手段によって、前記遮光板を、前記標本と光学的に共役な位置から当該光軸方向に一定距離離れた位置まで初期移動させる初期移動制御手段と、
    前記検出光のスポットが前記開口を略完全に包含していないことが前記光検出器の検出光量によって検知されていることを条件に、前記第1の調整手段によって、前記遮光板を前記スポットが前記開口を略完全に包含することが前記光検出器の検出光量によって検知されるまで、前記光軸に対し垂直な面内で移動させる第1の移動制御手段と、
    前記スポットが前記開口を略完全に包含していることが前記光検出器の検出光量によって検知されていることを条件に、前記第2の調整手段によって、前記遮光板を、前記スポットが前記開口を略完全に包含していないことが前記光検出器の検出光量によって検知されるまで、前記光軸方向に移動させる第2の移動制御手段と、
    前記遮光板が前記標本と光学的に共役な位置に達するまで前記第1、第2の移動制御手段による前記遮光板の移動制御を繰り返し実行する制御手段と
    を備えていることを特徴とする走査型共焦点顕微鏡。
  2. 光源と、光源からの光を集光して標本に照射する走査光学系
    と、前記標本から発せられる検出光を検出する光検出器と、前記検出光を前記光検出器の検出部に集光させる検出器レンズと、前記検出器レンズと前記光検出器の間に配置され集光された前記検出光のスポット径と略同一の径の開口を有する遮光板とを備えた走査型共焦点顕微鏡の遮光板の位置調整方法において、
    前記遮光板を、前記検出器レンズの光軸上の前記標本と光学的に共役な位置から該光軸方向に一定距離離れた位置まで初期移動させる初期移動手順と、
    前記検出光のスポットが前記開口を略完全に包含していないことが前記光検出器の検出光量によって検知されていることを条件に、前記遮光板を、前記スポットが前記開口を略完全に包含することが前記光検出器の検出光量によって検知されるまで、前記光軸に対し垂直な面内で移動させる第1の移動手順と、
    前記スポットが前記開口を略完全に包含していることが前記光検出器の検出光量によって検知されていることを条件に、前記遮光板を、前記スポットが前記開口を略完全に包含していないことが前記光検出器の検出光量によって検知されるまで、前記光軸方向に移動させる第2の移動手順と、
    前記遮光板が、前記標本と光学的に共役な位置に達するまで前記第1、第2の移動手順による前記遮光板の移動制御を繰り返し実行する制御手順と
    を含んでいることを特徴とする走査型共焦点顕微鏡の遮光板の位置調整方法。
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