JP4613058B2 - 音響装置、その制御方法、制御プログラムおよび記録媒体 - Google Patents
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Description
この種の音響装置においては、案内音声が一定の音量レベルで出力されるように、メイン音声信号を電子ボリューム回路で音量調整した後、ミキサー回路により、このメイン音声信号に、案内音声の音声信号をミキシングして出力するものがある。
一方、ミキサー回路を省略すると、案内音声の音声信号を一定の音量レベルで出力することが困難となり、案内音声が小音量で出力されて聞き取り難くなってしまう等の問題が生じてしまう。
図1は、本実施の形態に係る車載装置の一態様たるカーオーディオ装置1の正面図であり、図2は当該カーオーディオ装置1の装置本体2の正面図である。図1に示すように、カーオーディオ装置1の正面(フロント部分)には、着脱可能コントロールパネル(以下、DCP(Detachable Control Panel)という)3が装置本体2に対して着脱自在に取り付けられている。
液晶パネル5の上下縁部には、上フレーム8Aおよび下フレーム8Bが設けられ、これら上フレーム8Aおよび下フレーム8Bにより液晶パネル5が挟持される。また、下フレーム8Bには、液晶パネル5との隣接部分に沿ってほぼ等間隔に4つの凹部9が形成されている。これら凹部9は、タッチパネル6上の操作箇所を案内するものであり、すなわち、図1に示すように、液晶パネル5には、これら4箇所の凹部9に対応して4つの操作ボタンアイコン10が表示され、ユーザが下フレーム8B上で指を摺動させれば、液晶パネル5に表示された操作ボタン10の位置を凹部9の位置から察することができるようになっている。したがって、ユーザは液晶パネル5を見なくとも、タッチパネル6の操作を容易に行うことができる。
具体的には、図1に示すように、液晶パネル5の左右両縁付近には、液晶画面5に表示されている表示項目を順次変更するためのスクロール操作アイコン12が表示され、ユーザはガイド片11を頼りにスクロール操作アイコン12を操作することができる。すなわち、ユーザがガイド片11に沿ってタッチパネル6上を指で摺摩することで、スクロール操作アイコン12が操作され、表示項目が順次変更される。
電源・ボリュームキー7Aは、ロータリーキースイッチとして構成され、押下操作によって電源がオン・オフされ、また、回転操作によってボリューム(音量)が調整される。ソースボタン7Bは、音源ソースを切り換えるための押下式ボタンであり、押下の度に、再生する音源ソースが切り換えられる。音源ソースとしては、装置本体2に内蔵されたラジオ音源やCD(Compact Disc)音源、装置本体2に通信可能に接続されたCDチェンジャーやDVD(Digital Versatile Disk)チェンジャー、および、外部音声入力端子から入力される外部音声(本実施形態では、カーナビゲーション装置200からの案内音声)等である。
図2に示すように、装置本体2の正面にはCDの挿入口20が設けられており、DCP3を開状態とすることで装置本体2へのCDの挿脱が可能となる。また、DCP3が開いた状態で上記オープン・イジェクトボタン7Cを操作した場合には、挿入口20からのCDの排出動作が行われる。このDCP3が開状態となった場合、所定時間経過後に、図示せぬリンク機構が作動して、自動で閉状態となる。
マスターマイコン100は、装置本体2の各部およびDCP3の制御を実行するものであり、EEPROMやRAM等の記憶手段が内蔵され、当該EEPROMには、制御用プログラムやメニュー画面等の各種表示用データが格納されている。なお、図示を省略しているが、マスターマイコン100には、車両のバッテリに直結されたバックアップ電源と、キースイッチを介してバッテリに接続されたACC電源とが供給されている。したがって、ACC電源がオフの間は、バックアップ電源がマスターマイコン100に供給され、RAM等に格納したデータが保持される。
この音声出力部130は、A/D変換部131を備え、このA/D変換部131は、上記音声信号SA1A、および、案内音声信号SA2をデジタル音声信号に変換してDSP(デジタルシグナルプロセッサ)140に出力する。
このマスターマイコン100には、デコード処理を特定するためのスピーカ接続構成を示す複数(本実施形態では4つ)の設定情報P1〜P4がEEPROMに記憶されており、これら設定情報P1〜P4には、図5に示すように、各々異なるスピーカ接続構成を示す音声出力OUT1〜3とスピーカ種別との対応関係が記述されている。
ここで、スピーカ種別とは、スピーカの再生可能周波数域や配置位置を示す情報であり、図5では、ツィータを「HIGH」、ミドルレンジスピーカ(フルレンジスピーカを含む)を「MID」、サブウーハーを「SUB WOOFER又はSW」、フロントスピーカを「FRONT」、リアスピーカを「REAR」、センタースピーカを「CTR」として示している。
また、設定情報P2は、図6(B)に示すように、音声出力OUT1の出力先SP1L、SP1Rがツィータ(HIGH2ch)、音声出力OUT2の出力先SP2L、SP2Rがフロントスピーカ(MID2ch)、音声出力OUT3の出力先SP3L、SP3Rがリアスピーカ(REAR)である2WAY構成を示している。
また、設定情報P4は、図6(D)に示すように、音声出力OUT1の出力先SP1L、SP1Rがフロントスピーカ(FRONT2ch)、音声出力OUT2の出力先SP2L、SP2Rがリアスピーカ(REAR2ch)、音声出力OUT3の出力先SP3L、SP3Rがサブウーハー(SW2ch)である標準的な構成を示している。
また、外部アンプユニット160は、カーオーディオ装置1の音声出力OUT1〜3に音声ケーブルを介して接続され、音声出力OUT1〜3から出力される各音声信号を増幅して、当該外部アンプユニット160に接続される上記スピーカSPを駆動する。なお、アンプ回路を装置本体2に内蔵し、外部アンプユニット160を介さずに音声を出力可能に構成しても良い。
設定情報P1が選択された場合、CD読取部121から信号SA1BがDSP140のデコード部141に入力されると、デコード部141は、このデジタル信号SA1Bからステレオ(L、R)のデジタル音声信号を生成し、設定情報P1に対応づけられたデコード処理を施し、このデコード処理により、ステレオのデジタル音声信号の高音域成分、中音域成分、低音域成分からなる6チャンネルのデジタル音声信号を生成する。
ここで、案内音声信号SA2が非入力の場合は、デコード部141は、上記6チャンネルの音声信号に対する音量調整処理を行うことなく(音声調整処理無効)、そのまま出力し、案内音声信号SA2が入力されている場合は、デコード部141は、上記6チャンネルの音声信号に対し、音量レベルを予め定めた減衰レベルに減衰させる音量調整処理を施し、レベル減衰後の音声信号を出力する。
このミキシング部142は、案内音声信号SA2が入力された場合には、A/D変換後の案内音声信号SA2を、上記6チャンネルの音声信号のうち、設定情報P1に記述された中音域音声の出力先(MID)である音声出力OUT2に対応する音声信号に、ミキシングして出力する。
そして、このDSP140から出力された各音声信号は、電子ボリューム回路132によりボリュームキー7Aにより設定される音量に対応する増幅率で増幅された後、各音声出力OUT1〜3から出力される。
なお、上記設定情報P1又は以下に述べる設定情報P2〜P4が選択された場合において、運転席Xに最も近い位置のフロントスピーカSP2Rだけから案内音声を放音させるように構成してもよい。
この場合、音声出力OUT1からは、高音域の音声信号が出力され、音声出力OUT2およびOUT3からは、中音域或いは中低音域(フロント用、リア用)の音声信号が各々出力される。
このため、図6(B)に示すスピーカ接続構成の場合、高音域の音声信号がツィータSP1L、SP1Rに出力され、中音域或いは中低域の音声信号がフロントスピーカSP2L、SP2RおよびリアスピーカSP3L、SP3Rに出力され、各スピーカSPの再生可能周波数域にマッチする音声信号で、各スピーカSPが駆動される。
この場合、音声出力OUT1およびOUT2からは、中音域或いは中高音域(フロント用、リア用)の音声信号が各々出力され、音声出力OUT3の2出力のうち、一方の出力からは、中音域(センター用)の音声信号が出力され、他方の出力からは、低音域の音声信号が出力される。
このため、図6(C)に示すスピーカ接続構成の場合、中音域或いは中高音域の音声信号がフロントスピーカSP1L、SP1R、サラウンドスピーカSP2L、SP2R、センタースピーカSP3Lに出力され、低音域の音声信号がサブウーハーSP3Rに出力され、各スピーカSPの再生可能周波数域にマッチする音声信号で、各スピーカSPが駆動される。
この場合、音声出力OUT1およびOUT2からは、中音域或いは中高音域(フロント用、リア用)の音声信号が各々出力され、音声出力OUT3からは、低音域の音声信号が出力される。
このため、図6(D)に示すスピーカ接続構成の場合、中音域或いは中高音域の音声信号がフロントスピーカSP1L、SP1RおよびリアスピーカSP2L、SP2Rに出力され、低音域の音声信号がサブウーハーSP3L、SP3Rに出力され、各スピーカSPの再生可能周波数域にマッチする音声信号で、各スピーカSPが駆動される。
そこで、本実施形態では、案内音声信号SAの入力時は、電子ボリューム回路132で音量を可変制御するのではなく、DSP140でメイン音声のみの音量を可変制御するようになっている。
まず、マスターマイコン100は、案内音声信号SA2が入力されているか否かを判定する(ステップST1)。そして、マスターマイコン100は、案内音声信号SA2が入力されていると判定すると(ステップST1:YES)、DSP140のデコード部141により音量制御処理を行うと共に、電子ボリューム回路132による音量制御を無効にし、例えば、電子ボリューム回路132による信号増幅レベルを予め定めた設定レベルに固定する(ステップST2)。
このため、メイン音声の音量だけが絞られて放音され、しかも、案内音声の音量が一定の適正レベルに維持されるので、案内音声が小音量となったり、メイン音声に埋もれてしまうことがなく、案内音声を聞きやすくすることができる。
一般に、電子ボリューム回路132は、DSP140に比して、音質を損ねることなく音量制御を行うことが可能に構成されている。このため、案内音声信号SA2が非入力の間は、この電子ボリューム回路132によって音量を可変制御することにより、音質を損ねることなく音量を可変制御することができ、一方、案内音声信号SA2が入力中の間は、DSP140のみで音量を可変制御することにより、案内音声の音量を可変させることなく、メイン音声の音量だけを減衰レベルに制御することが可能となる。
なお、案内音声信号SA2が入力中の場合に、デコード141により、電源・ボリュームキー7Aで設定されるボリューム値に連動させて、音量を可変制御させてもよい。この場合、案内音声の音量を一定に保ちつつ、ユーザがメイン音声の音量だけを調整することが可能になる。
このため、車両の現在のスピーカ接続構成に合致する設定情報P1〜P4をユーザが選択することによって、そのスピーカ接続構成にマッチする最適な音響空間を提供することができ、また、車両のスピーカ接続構成を変更しても、例えば、3WAY構成から5.1ch構成等に変更しても、選択する設定情報を変更するだけで、変更後のスピーカ接続構成に合わせた再生環境を容易に提供することができる。
このため、例えば、ツィータから案内音声の高音域だけが放音されるといった事態を容易かつ確実に回避することができる。しかも、いずれの設定情報P1〜P4が選択されても、案内音声の出力先がフロントスピーカSPに設定されるので、いずれのスピーカ接続構成であっても、運転者が案内音声を聞きやすくなっている。
2 装置本体
3 DCP
100 マスターマイコン
110 ラジオ受信部
120 CD再生部
130 音声出力部
140 DSP(音声処理手段)
141 デコード部(第1の音声処理部)
142 ミキシング部(第2の音声処理部)
200 カーナビゲーション装置
OUT1〜3 音声出力
P1〜P4 設定情報
SP、SP1L、SP1R、SP2L、SP2R、SP3L、SP3R スピーカ
SA1A、SA1B 信号(第1音声信号)
SA2 案内音声信号(第2音声信号)
Claims (6)
- 第1音声信号に、音声案内用の第2音声信号をミキシングして出力する音響装置において、
ソフトウェア処理により、前記第1音声信号に対し、マルチチャンネル化するデコード処理及び音量制御処理をデジタル処理で選択的に施すデコード部と、
前記デコード部から出力された前記第1音声信号を入力し、前記第2音声信号が入力中の場合は、この第2音声信号を、ソフトウェア処理により、前記第1音声信号にミキシングして出力すると共に、前記第2音声信号が非入力の場合は、前記第1音声信号を出力するミキシング部と、
ユーザーの操作に応じて、前記ミキシング部から出力された音声信号を、アナログ信号の状態で振幅レベルを調整し、その音量レベルを可変制御する電子ボリューム部と、
前記第2音声信号が非入力の場合は、前記デコード部による音量制御を無効に設定し、前記電子ボリューム部により、ユーザーの操作に応じて前記第1音声信号の音量レベルを可変させ、前記第2音声信号が入力中の場合は、前記デコード部により、前記第1音声信号の音量レベルを、ミキシング前の前記第2音声信号の音量レベルよりも低くする予め定めた減衰レベルに制御させると共に、前記電子ボリューム部による信号増幅レベルを予め定めた一定レベルに固定させる制御部と
を備えることを特徴とする音響装置。 - 前記制御部は、前記第2音声信号が非入力の場合、前記電子ボリューム部により、音量操作子に連動して音量を可変制御させることを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
- 前記制御部は、前記デコード部に対し、各々異なるスピーカ接続構成を示す複数の設定情報のうち選択された設定情報に応じたデコード処理を行わせると共に、前記ミキシング部に対し、前記第2音声信号のミキシング先を、前記選択された設定情報に応じて、中音域音声を再生可能なスピーカに出力されるチャンネルの音声信号に変更させることを特徴とする請求項1又は2に記載の音響装置。
- 第1音声信号に、音声案内用の第2音声信号をミキシングして出力する音響装置の制御方法において、
前記音響装置は、ソフトウェア処理により、前記第1音声信号に対し、マルチチャンネル化するデコード処理及び音量制御処理をデジタル処理で選択的に施すデコード部と、前記デコード部から出力された前記第1音声信号を入力し、前記第2音声信号が入力中の場合は、この第2音声信号を、ソフトウェア処理により、前記第1音声信号にミキシングして出力すると共に、前記第2音声信号が非入力の場合は、前記第1音声信号を出力するミキシング部と、ユーザーの操作に応じて、前記ミキシング部から出力された音声信号を、アナログ信号の状態で振幅レベルを調整し、その音量レベルを可変制御する電子ボリューム部とを備え、
前記第2音声信号が非入力の場合は、前記デコード部による音量制御を無効に設定し、前記電子ボリューム部により、ユーザーの操作に応じて前記第1音声信号の音量レベルを可変させ、前記第2音声信号が入力中の場合は、前記デコード部により、前記第1音声信号の音量レベルを、ミキシング前の前記第2音声信号の音量レベルよりも低くする予め定めた減衰レベルに制御させると共に、前記電子ボリューム部による信号増幅レベルを予め定めた一定レベルに固定させることを特徴とする音響装置の制御方法。 - 第1音声信号に、音声案内用の第2音声信号をミキシングして出力する音響装置を、コンピュータにより制御するための制御プログラムにおいて、
前記コンピュータを、
ソフトウェア処理により、前記第1音声信号に対し、マルチチャンネル化するデコード処理及び音量制御処理をデジタル処理で選択的に施すデコード部と、
前記デコード部から出力された前記第1音声信号を入力し、前記第2音声信号が入力中の場合は、この第2音声信号を、ソフトウェア処理により、前記第1音声信号にミキシングして出力すると共に、前記第2音声信号が非入力の場合は、前記第1音声信号を出力するミキシング部と、
ユーザーの操作に応じて、前記ミキシング部から出力された音声信号を、アナログ信号の状態で振幅レベルを調整し、その音量レベルを可変制御する電子ボリューム部と、
前記第2音声信号が非入力の場合は、前記デコード部による音量制御を無効に設定し、前記電子ボリューム部により、ユーザーの操作に応じて前記第1音声信号の音量レベルを可変させ、前記第2音声信号が入力中の場合は、前記デコード部により、前記第1音声信号の音量レベルを、ミキシング前の前記第2音声信号の音量レベルよりも低くする予め定めた減衰レベルに制御させると共に、前記電子ボリューム部による信号増幅レベルを予め定めた一定レベルに固定させる制御部として機能させることを特徴とする制御プログラム。 - 請求項5記載の制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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