JP4612448B2 - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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Description

本発明は半導体レーザ装置に係り、特に化合物半導体を用いた半導体レーザ装置に関するものである。
従来、半導体レーザ装置は、構造面ではシングルヘテロ構造やダブルヘテロ構造が開発されてきた。
これらの半導体レーザ装置で、特にダブルヘテロ接合と呼ばれる構造を持つ半導体レーザ装置の概略を図5に示す。
これは、図示するように、n+型GaAs基板7上に、n型AlGaAsクラッド層8、アンドープGaAs活性層9、p型AlGaAsクラッド層10を順次形成してレーザ発光領域を構成している。すなわち、アンドープGaAs活性層9をn型AlGaAsクラッド層8とp型AlGaAsクラッド層10で挟んだダブルヘテロ接合構造を有している。このダブルヘテロ接合構造のレーザ発光領域はストライプ構造となっており、そのストライプ構造の両側には電流狭窄を行う目的で絶縁物からなる電流ブロック層11、12が形成され、埋め込み成長されている。
このようにpn接合をシングルヘテロ構造やダブルヘテロ構造として有するところの活性層を含むレーザ発光領域をストライプ構造やメサ型構造として備え、その両側が高抵抗の電流ブロック層で埋め込まれた構造の半導体レーザ装置は、既に数多く提案されている。例えばInP系材料を用いたもの(例えば、特許文献1参照)や、GaN系材料を用いたもの(例えば、特許文献2参照)がある。
ダブルヘテロ接合構造の半導体レーザ装置の場合、半導体のp型領域から注入された正孔(ホール)と、n型領域から注入された電子は、活性層と呼ばれる領域にたまり、この領域において電子と正孔は再結合する。再結合の際に、半導体のエネルギーギャップに等しいエネルギーを有する光を放出する。一般に、光の放出は等方的であるが、半導体層の両端面は、通常、(110)面で劈開したミラー面であり、共振器となるこの両面で光が反射を繰り返して、光の方向と位相が揃うようになる。この方向と位相が揃った光は、さらに正孔と電子の再結合による発光を誘導する。こうして共振器の間には多量の光の定在波が生じて、最終的には外部にレーザ光として放出される。
半導体レーザの課題の1つは、いかに量子効率を上げて出力の大きいレーザ光を発振させるかである。また、一般に、共振器の間隔は波長に比べて大きいため、所望の波長だけでなく、共振器間で波長が変化してマルチモード化した光が発振されてしまうという問題もある。
所望の波長のレーザ光を効率よく取り出すための装置として提案されている分布帰還型(Distributed Feedback、略してDFB)レーザ装置の概略を図6に示す。
図6において、7はn型GaAs基板、8は基板7の上のn型AlGaAsクラッド層、9はAlGaAsクラッド層8の上のGaAs活性層、13は活性層9の上の回折格子13aを有するp型AlGaAsガイド層、10はガイド層13の上のp型AlGaAsクラッド層、16はクラッド層10を覆うp型GaAsコンタクト層である。この構造の従来例としては、例えば特開平5−048197号公報(特許文献3)がある。
上記DFBレーザ装置では、レーザ導波路中に回折格子を形成して、共振器の波長選択性を向上させることを試みている。従来は共振器の2つのミラーだけで光の反射を繰り返させたのに比べ、DFBレーザ装置では半導体中の回折格子が光の一部の反射に寄与するため、回折格子の間隔を持った波長の光の反射の確率が増加し、波長の選択性が部分的に向上する。
特開平10−12962号公報 特開平10−93198号公報 特開平5−048197号公報
しかしながら、DFBレーザ装置の場合、光の大部分は回折格子のない活性層領域を通るため、波長のマルチモード化が完全には抑えられないという課題があった。また、DFBレーザ装置では、レーザ発振方向(レーザ光の進行方向)と垂直な方向の考慮がなされておらず、量子効率がかならずしも高くはない。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、レーザ発振の波長選択性と量子効率の向上の2つを改善した半導体レーザ装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1の発明は、基板上に形成されたpn接合を有する活性層を含む化合物半導体のレーザ発光領域と、該レーザ発光領域上に形成された電極を備えた半導体レーザ装置において、上記レーザ発光領域が、レーザ光の進行方向に並べられた複数個のレーザ発光要素と、そのレーザ発光要素間に介在するレーザ光透過物質とから構成され、レーザ光の波長をλ、レーザ発光要素の半導体の屈折率をn、レーザ光透過物質の屈折率をmとしたときに、全てのレーザ発光要素のレーザ光の進行方向の長さと、全てのレーザ光透過物質の長さの和が
kλ/n+lλ/m (k、lは整数)
であることを特徴とする。
この請求項1の構造の典型例は、同一寸法の複数個のレーザ発光要素をレーザ光の進行方向に一定間隔で並べ、その同一寸法の間隔(レーザ発光要素間)内にレーザ光透過物質を介在させた構成とし、かかる構成においてレーザ発光要素とレーザ光透過物質に、それぞれレーザ光発振波長λの整数倍の数の定在波が乗るようにするものである。このようにレーザ光発振波長λの整数倍の数の定在波が乗るようにすることにより、単一波長の誘導放出が起こり、半導体レーザ装置の波長選択性が良好となる。
しかし、レーザ光の進行方向におけるレーザ発光要素とレーザ光透過物質の個々の長さは、レーザ光の発振波長λの整数倍という関係を満たす限り、相互に異なっていても良い。
なお、一波長が乗る構成の場合、整数kはレーザ発光要素の個数に、整数lはレーザ光透過物質の個数に一致するので、全てのレーザ発光要素(k個)のレーザ光の進行方向の長さと、全てのレーザ光透過物質(l個)の長さの和が、kλ/n+lλ/m (k、lは整数)となるようにすることとなる。
請求項2の発明は、請求項1記載の半導体レーザ装置において、k=1、l=0であることを特徴とする。
これは、レーザ発光要素のレーザ光の進行方向の長さに関し、レーザ発光要素に乗せる定在波を一波長(λ/n)のみとし、レーザ光透過物質の個数lをゼロ(k=1、l=0)としたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の半導体レーザ装置において、上記レーザ発光領域をレーザ光の進行方向と直角かつ半導体層の積層方向と直角な方向であるところの幅方向に見たとき、上記レーザ発光領域を含む半導体レーザ装置の幅方向における領域が上記レーザ発光要素とその両側のレーザ光透過物質から構成され、レーザ光の波長をλ、上記レーザ発光要素の半導体層の屈折率をn、上記両側のレーザ光透過物質の屈折率をmとしたときに、上記幅方向における上記レーザ発光要素の半導体層の長さと、上記両側のレーザ光透過物質の全体の長さの和が、
p(q±1/2)λ/n+r(s±1/2)λ/m (p、q、r、sは整数)
であることを特徴とする。
この特徴によれば、半導体レーザ装置の幅方向におけるレーザ発光要素の半導体層の長さとレーザ光透過物質の長さが、レーザ光の発振波長λから半波長又はその整数倍だけずらされる。このため、レーザ光の進行方向と垂直な幅方向において定在波が生じないことから、誘導放出は起こらない。このため半導体レーザ装置の波長選択性及び量子効率がさらに向上する。
請求項4の発明は、請求項3記載の半導体レーザ装置において、p=1、q=1、s=0であることを特徴とする。
これは、レーザ光の進行方向と垂直な幅方向に関し、上記レーザ発光要素の半導体層及び上記両側のレーザ光透過物質に定在波が乗らないように、上記レーザ発光要素の半導体層の長さ(幅)をレーザ光の波長λの一波長(λ/n)から1/2波長ずらした値[(1±1/2)λ/n]とし、上記両側のレーザ光透過物質の長さ(幅)を、レーザ光の波長λの一波長(λ/n)から1/2波長ずらした値の整数倍[r(1/2)λ/m (rは整数)]にするものである。
請求項5の発明は、請求項1又は2記載の半導体レーザ装置において、上記レーザ発光領域をレーザ光の進行方向と直角かつ半導体層の積層方向と同一方向であるところの厚さ方向に見たとき、上記レーザ発光要素が上記活性層を含め2層以上の半導体層から構成され、レーザ光の波長をλ、上記2層以上の半導体層の屈折率をnとしたときに、上記2層以上の半導体層の全体の厚さが
p(q±1/2)λ/n (p、qは整数)
であることを特徴とする。
これは、レーザ発光要素のレーザ光の進行方向と垂直な厚さ方向に関し、上記レーザ発光要素の半導体層に定在波が乗らないように、上記レーザ発光要素の2層以上の半導体層の全体の厚みを、レーザ光の波長λの整数倍(q倍)の波長から1/2波長ずらした値[(q±1/2)λ/n]の整数倍(p倍)とするものである。
請求項5においてp、qの数値が最も小さい形態は、p=1、q=1の場合、つまりレーザ発光要素の上記2層以上の半導体層の厚みをレーザ光の波長λの一波長(λ/n)から1/2波長ずらした値[(1±1/2)λ/n]とするものである。
この特徴によれば、レーザの発振方向と垂直な方向の膜厚方向には定在波が形成されず、誘導放出は起こらない。これにより、さらに波長の選択性がよくなる。
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の半導体レーザ装置において、レーザ光の進行方向に並べられた複数個のレーザ発光要素間に介在するレーザ光透過物質が、絶縁物から成ることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の半導体レーザ装置において、レーザ光の進行方向に並べられた複数個のレーザ発光要素間に介在するレーザ光透過物質が、空気又はガスから成ることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の半導体レーザ装置において、上記レーザ発光要素の半導体層が束縛エネルギーの大きい励起子を有することを特徴とする。
<発明の要点>
本発明の要点は、レーザ発光領域を、レーザ光の進行方向に複数個のレーザ発光要素を並べ、その間にレーザ光透過物質を配置した構造としたことにある。個々のレーザ発光要素は、pn接合を有する活性層を含む化合物半導体で構成され、シングルヘテロ構造又はダブルヘテロ構造のいずれかを持つ。
レーザ発振方向(レーザ光の進行方向)に関しては、活性層領域である個々の半導体層(レーザ発光要素)の長さを、(レーザ光の波長÷屈折率)すなわち、λ/n(nは半導体の屈折率)とし、全体の半導体層(レーザ発光要素)の長さをこの長さの整数倍、すなわち、kλ/n(kは整数)とする。
このようにすると、(レーザ波長÷屈折率)の整数倍に等しい半導体層の長さはブラッグの反射条件を満たし、半導体中で光の強い定在波が形成され、この方向のレーザ発振に寄与する。
次に、レーザ発振の方向と垂直な2方向に関しては、半導体層(レーザ発光要素)の幅又は厚さを、(レーザ光の波長÷n)の値の整数倍(p倍)から±1/2倍ずれた値とする、すなわち、(p±1/2)λ/n(pは整数)とする。このようにすると、λ/n値の(整数倍±1/2倍)の長さは、ブラッグの反射条件からずれて弱めあう条件であり、光の定在波は形成されず、この方向にレーザは発振しない。
次に、半導体層と半導体層の間(レーザ発光要素間)はレーザ光透過物質とする。代表的には空気又はガス層とするか、レーザ光に対して透明な絶縁物とする。
このとき、全体のレーザ発光領域の発振方向の寸法は、全てのレーザ発光要素のレーザ光の進行方向の長さと、全てのレーザ光透過物質の長さの和であり、
kλ/n+lλ/m (k、lは整数)
と表される。ただし、mはレーザ光透過物質である空気(ガス)層あるいは透明な絶縁物の屈折率である。
また発振方向と垂直な2方向のうち幅方向の寸法は、例えば上記レーザ発光要素の両側にレーザ光透過物質の層を備えている場合、
p(q±1/2)λ/n+r(s±1/2)λ/m (p、q、r、sは整数)
で表される。
また発振方向と垂直な2方向のうち膜厚方向の寸法は、上記レーザ発光要素が上記活性層を含む2層以上の半導体層から構成されていると考えた場合、
p(q±1/2)λ/n (p、qは整数)
で表される。
本発明ではレーザ発光領域を複数個のレーザ発光要素とその間に介在するレーザ光透過物質とから構成し、個々のレーザ発光要素の長さを(波長÷屈折率)としたので、発振波長がマルチモード化することを防ぎ、波長の選択性がよくなる。また、レーザ発光要素の発振方向と垂直な方向における半導体層の長さ(幅又は膜厚)をレーザ光の波長寸法からずらす形状としたので、さらに波長の選択性がよくなる。またレーザ発光要素間に介在するレーザ光透過物質を空気又はガスとしたので、量子効率が高くなる。従って、これらを組み合わせることにより、レーザ発振の波長選択性と量子効率の向上の2つを改善した大出力の半導体レーザ装置を実現することができる。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
[実施形態1]
図1に本発明の第一の実施形態に係る半導体レーザ装置を示す。この半導体レーザ装置は、n+型ZnMgO基板1上に、アンドープZnO活性層2、p型ZnMgOクラッド層3を順次積層してシングルヘテロ接合構造のレーザ発光領域20を構成している。このダブルヘテロ接合構造のレーザ発光領域20はストライプ構造となっており、そのストライプ構造の両側には電流狭窄を行う目的で、絶縁物であるSiO2膜からなる電流ブロック層4が形成されている。そして、このレーザ発光領域上に上部電極5が、基板1の下面に下部電極6が形成されている。15はレーザ光であり、その矢印方向がレーザ発振方向、つまりレーザ光の進行方向を示す。
上記レーザ発光領域20は、レーザ光の進行方向に一定間隔で並べられた複数個のレーザ発光要素21と、そのレーザ発光要素間に介在するレーザ光透過物質22とから構成されている。この実施形態の場合、レーザ光透過物質22の部分は、上述の電流ブロック層4の材料であって絶縁物たるSiO2からなる(図2参照)。
ここで、レーザ光の波長をλ、レーザ発光要素21の半導体の屈折率をnとしたとき、個々のレーザ発光要素21のレーザ光の進行方向の長さaはλ/nであり、個々のレーザ光透過物質22の長さcはλ/mとなっている。そして、全てのレーザ発光要素21についてのレーザ光の進行方向の長さの和は、kλ/n(kは整数)であり、全てのレーザ光透過物質22についての長さの和はlλ/m(lは整数)となっている。この実施形態の場合、レーザ発光要素21及びレーザ光透過物質22のレーザ光の進行方向の長さを、一波長分(λ/n、λ/m)としていることから、kはレーザ発光要素の個数、lはレーザ光透過物質の個数と一致する。従って、レーザ光の進行方向におけるk個のレーザ発光要素21の全長と、l個のレーザ光透過物質22の全長の和として、レーザ発光領域20全体の長さは、
kλ/n+lλ/m (k、lは整数)
となっている。
上記のように構成すると、レーザ発光要素21にはレーザ光の発振波長λの整数倍(k倍)の数の定在波が乗るようになり、またレーザ光透過物質22にはレーザ光の発振波長λの整数倍(l倍)の数の定在波が乗るようになるので、単一波長の誘導放出が起こり、半導体レーザ装置の波長選択性及び量子効率が良好となる。
この実施形態では、レーザ光の進行方向におけるレーザ発光要素とレーザ光透過物質の個々の長さをλ/n、λ/mとしたが、それぞれレーザ光の発振波長λの整数倍(k倍、l倍)という関係を満たす限り、レーザ発光要素同士で又はレーザ光透過物質同士で相互に異なった長さとしても良い。
[実施形態2]
この第二の実施形態では、図1の半導体レーザ装置における上記レーザ発光領域20を、レーザ光の進行方向と直角かつ半導体層の積層方向と直角な方向であるところの幅方向に見て、次のように構成する。
すなわち、上記レーザ発光領域20を含む半導体レーザ装置の幅方向における領域を、上記レーザ発光要素21とその両側のレーザ光透過物質たるSiO2電流ブロック層4から構成する。そして、レーザ光の波長をλ、レーザ発光要素21の半導体層の屈折率をn、両側のレーザ光透過物質のSiO2電流ブロック層4の屈折率をmとしたときに、幅方向におけるレーザ発光要素21の半導体層の長さと、両側のレーザ光透過物質のSiO2電流ブロック層4の全体の長さの和が、
p(q±1/2)λ/n+r(s±1/2)λ/m (p、q、r、sは整数)
となるようにする。
このように設定すれば、幅方向におけるレーザ発光要素の半導体層の長さとレーザ光透過物質の長さが、レーザ光の発振波長λから半波長又はその整数倍だけずらされる。このため、レーザ光の進行方向と垂直な幅方向において定在波が生じない。よって、半導体レーザ装置の波長選択性がさらに向上する。
[実施形態3]
この第三の実施形態では、図1の半導体レーザ装置における上記レーザ発光領域20を、レーザ光の進行方向と直角かつ半導体層の積層方向と同一方向であるところの厚さ方向に見て、次のように構成する。
すなわち、レーザ発光要素のレーザ光の進行方向と垂直な厚さ方向に関し、上記レーザ発光要素の半導体層に定在波が乗らないように、上記レーザ発光要素の半導体層の厚みを、レーザ光の波長λの整数倍(q倍)の波長から1/2波長ずらした値[(q±1/2)λ/n]の整数倍(p倍)とするものである。
このように構成すると、レーザ発光要素の半導体層の長さが、レーザ光の発振波長λから半波長又はその整数倍だけずらされる。このため、レーザ光の進行方向と垂直な厚み方向においては定在波が生じない。よって半導体レーザ装置の波長選択性がさらに向上する。
図1の場合、各レーザ発光要素21が、アンドープZnO活性層2とその上のp型ZnMgOクラッド層3の2層から成り、それぞれの厚みt1、t2がレーザ光の波長λの整数倍(q倍)の波長から1/2波長ずらした値に設定される。
[実施形態4]
図4に第四の実施形態を示す。
これは図1の半導体レーザ装置において、上記レーザ発光領域20に、上部電極5及びSiO電流ブロック層4を貫いて長方形断面の穴(トレンチ)14をあけ、これにより上記レーザ光の進行方向に一定間隔で並べられた複数個のレーザ発光要素21に区切ると共に、各レーザ発光要素21間にレーザ光透過物質22として空気層又はガス層を介在させた構成としたものである。
本実施形態では、レーザ光は絶縁物でなく空気層又はガス層を通過するため、散乱や吸収が低減されて量子効率が向上する。
以下、本発明の一実施例を図を用いて説明する。
この実施例は、図1で説明したZnO/ZnMgO系ヘテロ接合型レーザダイオードの例である。図2に断面構造を示す。基本的構造は既に説明した通りであり、レーザ光の進行方向に一定間隔で並べられた複数個のレーザ発光要素21と、それらの間に介在するレーザ光透過物質22により構成されるレーザ発光領域20を有する。
図3に、このヘテロ接合型レーザダイオードのプロセス工程を示す。まず図3(a)に示すように、Gaをドープしたn+型のZnMgO基板上1に、パルスレーザ蒸着(PLD)法により、0.27μmのアンドープZnO活性層2と、0.35μmのp型ZnMgOクラッド層3を成長させる。アンドープZnO活性層2の膜厚t1の算出は、レーザ発振波長がλ=0.36μm、n=2であることから、定在波が乗らないようにするため、t1=0.36μm/2+0.36μm/2・2=0.27μmとした。なおp型ZnMgOクラッド層3の膜厚t2は、後の研磨工程により0.27μmとなる。
次に、ZnO活性層2とp型ZnMgOクラッド層3の二層をホト・エッチ工程により加工して、図3(b)に示すように、平面形状がa×b=0.18μm×0.27μmの小部分(レーザ発光要素21)が複数個残るように加工し、一列に配置された複数個のレーザ発光要素21を形成した。この各レーザ発光要素21の平面形状a×bの寸法は、幅bを厚さt1と同じ(b=t1)にして、(λ/2)×t1(λ=0.36μm、t=0.27μm)となるように決めた。
次に、低温の化学気相成長(Chemical Vapor Deposition、略してCVD)法により、レーザ光透過物質22及び電流ブロック層4として機能するところのSiO2膜を0.7μm堆積し、その後、精密研磨法により、このSiO2膜を0.54μmとした。最後に素子の上下両面に上部電極5と下部電極6を形成してレーザダイオードが完成する。
ヘテロ接合の半導体エネルギーバンド構造から明確なように、ZnO活性層とZnMgOクラッド層のバンドギャップは、それぞれ3.37eVと3.50eVであり、p型ZnMgOクラッド層とn+型ZnMgO基板から注入される正孔と電子はZnO活性層に集まり、主としてこの領域でキャリアの再結合が起こる。電子と正孔の再結合により、半導体中では(波長÷屈折率)、すなわち、0.18μmの光が放出される。
レーザの発振方向(レーザ光の進行方向)におけるレーザ発光要素21の半導体層の長さは、この値と同じ0.18μmであり、この方向に波長0.18μmの光の定在波だけが形成される。この定在波は反転分布状態にある電子とホールの再結合を促進させ、光の放出が大きくなり、この繰り返しで誘導放出によるレーザ発振状態となる。
レーザの発振方向と垂直な方向におけるレーザ発光要素21の半導体層の幅b及び膜厚t1は供に0.27μmであり、定在波は形成されず、むしろ光は弱めあい、レーザ発振は阻止される。最終的には、波長の選択性と発光効率がきわめて高い半導体レーザが実現できる。
本半導体レーザの量子効率は93%ときわめて高く、発光波長の0.360μmをピークとする波形の半値幅は0.025μmと小さく、高品質の半導体レーザ装置が実現できている。
図4に第二の実施例を示す。これは、上述の第一の実施例(図3(b))の如く、p型ZnMgOクラッド層3とアンドープのZnO活性層2を、ホトエッチ工程により、0.18μm×0.27μmの大きさのレーザ発光要素21が多数並んだ形状に加工するかわりに、まず、図4(a)の如く、加工形状を600μm×0.27μmのストライプ23の形状とする。そして、電極を形成した後に、ホトエッチ工程か集束イオンビーム(Focused Ion Beam、略してFIB)加工法により、図4(b)の如く、ストライプ23に長方形断面の穴(トレンチ)14をあける。これによりZnO活性層2とp型ZnMgOクラッド層3の積層体から成るレーザ発光要素21を、0.18μm×0.27μmの大きさで、複数個残す。ここでは、3個の長方形断面の穴(トレンチ)14をあけることにより、4個のレーザ発光要素21をレーザ光透過物質である空気(ガス)層により隔離して一列に設けた例を示す。
この第二の実施例では、多数の半導体領域(レーザ発光要素21)が空気(ガス)層により接続された構造である。本実施例では、レーザ光は絶縁物でなく空気層を通過するため、散乱や吸収が一層、低減されて量子効率は95%に向上する。
<変形例>
上記実施例1、2では、レーザ発光領域20のレーザ発光要素21がシングルヘテロ接合構造である場合について説明したが、シングルヘテロ接合構造の場合でも同様に本発明を適用して本発明所期の効果を得ることができる。
本発明の第一の実施例に係る半導体レーザ装置の概略図である。 図1の半導体レーザ装置の断面図である。 本発明の第一の実施例に係る半導体レーザ装置の製造工程を示す図である。 本発明の第二の実施例に係る半導体レーザ装置の製造工程を示す図である。 従来技術のダブルヘテロ接合型レーザ装置を示す概略図である。 従来技術のDFBレーザ装置を示す概略図である。
符号の説明
1 基板(n+型ZnMgO)
2 アンドープZnO活性層
3 p型ZnMgOクラッド層
4 SiO2電流ブロック層
5 上部電極
6 下部電極
7 基板(n+型GaAs)
8 n型AlGaAsクラッド層
9 アンドープGaAs活性層
10 p型AlGaAsクラッド層
11 電流ブロック層(絶縁物)
12 電流ブロック層(絶縁物)
13 p型AlGaAsガイド層
13a 回折格子
14 穴(トレンチ)
15 レーザ光
16 p型GaAsコンタクト層
20 レーザ発光領域
21 レーザ発光要素
22 レーザ光透過物質
23 ストライプ
a レーザ発光要素のレーザ光進行方向の長さ
c レーザ光透過物質のレーザ光進行方向の長さ

Claims (6)

  1. 基板上に形成されたpn接合を有する活性層を含む化合物半導体のレーザ発光領域と、該レーザ発光領域上に形成された電極を備えた半導体レーザ装置において、
    上記レーザ発光領域が、レーザ光の進行方向に並べられた複数個のレーザ発光要素と、そのレーザ発光要素間に介在するレーザ光透過物質とから構成され、
    レーザ光の波長をλ、レーザ発光要素の半導体の屈折率をn、レーザ光透過物質の屈折率をmとしたときに、上記レーザ発光要素のレーザ光の進行方向の長さがkλ/n(kは整数)であり、上記レーザ光透過物質のレーザ光の進行方向の長さがlλ/m(lは整数)
    であることを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 請求項1記載の半導体レーザ装置において、
    k=1、l=であることを特徴とする半導体レーザ装置。
  3. 請求項1又は2に記載の半導体レーザ装置において、
    レーザ光の進行方向に並べられた複数個のレーザ発光要素間に介在するレーザ光透過物質が、絶縁物から成ることを特徴とする半導体レーザ装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の半導体レーザ装置において、
    レーザ光の進行方向に並べられた複数個のレーザ発光要素間に介在するレーザ光透過物質が、空気又はガスから成ることを特徴とする半導体レーザ装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の半導体レーザ装置において、
    上記レーザ発光要素の半導体層が束縛エネルギーの大きい励起子を有することを特徴とする半導体レーザ装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の半導体レーザ装置において、
    上記レーザ発光要素の活性層がZnOからなることを特徴とする半導体レーザ装置。
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