以下、本発明の第一実施形態にかかる断熱容器について、添付図面を参酌しつつ説明する。
本実施形態にかかる断熱容器は、図1に示す如く、有底筒状の容器本体1と、該容器本体1の周壁10を覆う外装体2とで構成されている。
前記容器本体1は、射出成形、ブロー成形、真空成形、或いは圧空成形等の成形方法により成形された樹脂成形品である。該容器本体1は、周壁10が下端側ほど径が小さくなるように円筒状に形成されている。該容器本体1は、周壁10の上端に環状の接続部11が外方の向けて延設され、該接続部11の外周縁に、下方に向けて開放した断面コの字状で環状のフランジ部12の内周側の片12aの下端が接続されている。
前記フランジ部12の外周側の片12bには、内周側の片12a側に膨出した係合用凸部13が、周方向に所定間隔を有して複数形成されている。
前記外装体2は、熱収縮性を有する発泡樹脂シートから成形されており、前記容器本体1の周壁10に対向するように、周壁10を覆う筒状部20と、該筒状部20の下端を基端に、当該筒状部20の内部に向けて延設された(折り返された)環状部21とを備えている。なお、前記発泡樹脂シートを用いて外装体2の成形する工程については、後述する。
前記筒状部20の上端部には、外側に向けてカールしたカール部22が形成されている。該カール部22は、前記容器本体1のフランジ部12内に嵌め入れ、その状態で、前記係合用凸部13と係合するように形状設定されている。
前記環状部21は、先端側(内周縁側)が筒状部20の内周面に対して離間するように形成されている。具体的には、環状部21は、先端(内周縁)が基端(外周縁)より筒状部20の内部側に位置して、先端側ほど先細りするようにテーパー状に形成されている。なお、筒状部20の内周面に対する環状部21の傾斜角は、30°〜60°に設定することが好ましい。
また、環状部21の内周縁には、水平環状部23が筒状部20の中心に向けて延設されている。
上記構成の断熱容器は、筒状部20の内周面と容器本体1の周壁10の外周面とが対向するように、容器本体1を外装体2に嵌め入れ、図2に示す如く、カール部22を容器本体1のフランジ部12に嵌合することで、容器本体1の周壁10と外装体2の筒状部20との間に空間40が形成されている。
また、この状態で、図3に示す如く、環状部21の先端、及び水平環状部23の内面は、容器本体1の底部14と間隔を有しており、前記空間40が、環状部21の先端、及び水平環状部23と容器本体1の底部14との間、環状部21で形成した穴、及び筒状部20の下端開口を介して外部に連通した状態になっている。
上記構成の断熱容器は、外装体2を把持して当該外装体2(下端部)に径方向の外力が加わった場合、該外力は、筒状部20の中心に向けて(筒状部20の中心線と直交する方向に)作用し、筒状部20の下端開口縁部を縮径、或いは偏平状に変形させるように作用することになる。これと同時に外力は、環状部21の基端(外周縁部)に対しても筒状部20の中心に向けて作用することになる。
そうすると、環状部21が筒状部20の内部側ほど先細りした環状に形成されているので、外力が環状部21に対して面交差する方向に作用することになり、当該環状部21の先端側には、外力に対して作用方向の異なる方向(内周縁を広げる方向)の反力が生じることになる。これにより、環状部21の基端乃至先端の間で曲げ作用が生じ、該曲げによって当該環状部21に生じた弾性力によって外力による筒状部20の径方向の変形が阻止されることになる。
つまり、当該断熱容器は、環状部21を筒状部20の内部側に延設し、先端側が筒状部20の内周面と離間するようにテーパー状に形成することで、外力が加わった際に環状部21に弾性力が生じるようにし、該弾性を活用して当該外装体2の下端部における径方向の強度を十分に得ることができるようになっている。
また、上記断熱容器は、環状部21の先端に水平環状部23を延設して環状部21の内周縁近傍の強度を強化し、外力に対する反力で環状部21の内周縁近傍が変形するのを規制し、よりいっそう径方向の強度を得ることができるようになっている。つまり、外力に対して環状部21の基端乃至先端の間の弾性を有効的に活用して筒状部20の下端側の強度をいっそう増すようにしている。
さらに、外装体2の環状部21の先端及び水平環状部23の内面と容器本体1の底部14との間に間隙を形成(環状部21の先端を容器本体1の底部14に対して間隔を有するように環状部21を形成)することで、容器本体1に加熱食品等を収容して前記空間40の空気が加熱されても、当該断熱容器を載置していた載置面から持ち上げると、前記空間40内で空気の対流が生じる(外装体2の下端開口から空間40内の加熱された空気がより温度の低い外部の空気が流入する)ことになる。
したがって、空間40内の温度上昇を抑制し、外装体2に空間40内の空気の熱が伝わるのを抑制することができ、断熱容器としての機能を更に向上させることができるようになっている。
また、当該断熱容器は、環状部21が筒状部20の下端から内部に向けて、内周面に対して傾斜状態で延設されことで、底に凹部が形成された態様をなしているので、指を環状部21にかけた状態で当該断熱容器を持つことができる。従って、当該断熱容器をすべり落とすことなく安定した状態で把持することができる。また、このように環状部21に指をかけた状態で当該断熱容器を持っても、前記環状部21の内周縁(先端)から水平環状部23が延設されているので、環状部21にかけた指が容器本体1の底部14に触れることがなく、容器本体1に高温の加熱食品等を入れた状態であっても火傷を負うなどいった事態にはならず安全である。
次に、上記構成の外装体2を製造する工程について説明する。該外装体2を製造するに際し、図4に示す如く、外装体2の筒状部20を形成する型50、前記環状部21及び水平環状部23を成形するプレス型51、及び外装体2を成形する帯状の発泡樹脂シートS(図においては筒状にされている)を予め用意する。なお、カール部22の形成工程については割愛し、外装体2についての製造工程の説明に先立って、型50、プレス型51、及び発泡樹脂シートSについて説明する。
前記型50は、前記筒状部20の形状に対応して一端から他端に向けての外径が小さく設定されて、截頭直円錐状に形成されている。ここで、截頭直円錐とは、直円錐形状の先端部を中心と直交する方向に切除した形状をいう。該型50は、小径に設定された他端面に、前記プレス型51が嵌め合わされる凹部52が形成され、当該他端面の外周縁部に、上端が略水平をなす環状凸部53が形成されている。該環状凸部53の内周面は、テーパー状に形成されており、該型50の外周面と環状凸部53の内周面とでなす角度は、外装体2の筒状部20に対する環状部21の傾斜角度と対応した角度に設定されている。
前記プレス型51は、前記凹部52に嵌め合わされる凸部54を備えている。該凸部54は、環状凸部53の内周面の形状に対応して截頭円錐状に形成されている。
前記発泡樹脂シートSは、短手方向の長さが型50における一端から他端までの長さよりも長く設定されており、外装体2を成形した際に外面となる一方の面に文字、図柄等が印刷された熱収縮性を有する発泡倍率が2〜10倍(好ましくは2.5〜7倍)の発泡ポリスチレン製のシートが用いられている。また、該発泡樹脂シートSは、一方向(長手方向)に熱収縮性を有している。
該発泡樹脂シートSを構成する発泡ポリスチレンとしては、汎用ポリスチレンを各種発泡剤によって発泡させたものや、ポリスチレンにブタジエン、アクリロニトリル、メタクリル酸、アクリル酸、アクリル酸エステル類等を共重合させたコポリマを主成分とし、且つそのスチレン成分を50重量%以上(好ましくは70%以上)含有したものを各種発泡剤によって発泡したもの等を採用することができる。なお、発泡樹脂シートSの厚さは、0.1〜1.0mm、好ましくは0.2〜0.5mmである。
上記構成の型50、及びプレス型51を用いて外装体2を製造するには、まず、上記構成の発泡樹脂シートSの長手方向の両端部同士を貼着して筒状にする。この状態で、発泡樹脂シートSは周方向に(中心に向けて)熱収縮できるようになる。なお、発泡樹脂シートSの熱収縮率は、例えば、所定温度のオイル中に10秒間浸積した際の収縮率で測定され、本実施形態の筒状にされた発泡樹脂シートSの周方向の熱収縮率は、80℃において5%以下で、110℃において30〜60%である。
そして、型50の一端と、筒状にした発泡樹脂シートSの一端開口縁とを一致させて、前記型50の外周面を覆うように筒状にした発泡樹脂シートSを外嵌する。この状態で、図5(イ)に示す如く、筒状にした発泡樹脂シートSの他端開口縁部は、型50の他端より外側に位置することになる。
そして、発泡樹脂シートSを熱風A等により加熱すると、当該発泡樹脂シートSが熱収縮性を有しているので、中心方向に縮径し、型50の外周面に密接して筒状部20が形成されることになる。そして、発泡樹脂シートS(特に他端部)を更に加熱すると、図5(ロ)に示す如く、当該他端部が中心に向けて収縮して型50の軸心方向に倒れて水平環状をなすことになる。
この状態で、加熱を停止し、図5(ハ)に示す如く、発泡樹脂シートSの水平環状をなす他端部を、プレス型51でプレスする。なお、このプレスを行う状態においては、発泡樹脂シートSに対する加熱を停止しているが、これまでの加熱によって発泡樹脂シートSは軟化しているので、図5(ニ)に示す如く、発泡樹脂シートSの他端部は、プレス型51の凸部54によって、環状凸部53の上端部を曲げ支点にして型50の凹部52内に円滑に押し込まれることになる。
そうすると、プレス型51の外周形状に対応して筒状部20の一端(下端)を基端にしてテーパー状の環状部21が形成されることになる。これと同時に、環状部21より他端側の部位は、中心に向けて収縮力が作用しているので、水平環状を維持した状態で、筒状部20(型50の凹部52)の内部に押さえ込まれ、前記水平環状部23が形成されることになる。この状態で、プレス型51を型50から離間させ、当該型50を取り外すことで、筒状にした発泡樹脂シートSから上記構成の外装体2が形成されることになる。
したがって、上述の如く、断熱容器(外装体2)の下端側の強度を十分に得ることのできる外装体2を製造するに際し、従来のように環状部によって形成された穴を塞ぐ底板を設ける工程を要さず、当該断熱容器に製造にかかる製造コスト、材料コストを低減することができる。
次に、本発明の第二実施形態にかかる断熱容器について説明する。なお、本実施形態において、第一実施形態にかかる構成に対して同一、又は相当する構成については、第一実施形態と同一名称、及び同一符号を付すこととする。
本実施形態にかかる断熱容器は、図6、及び図7に示す如く、第一実施形態と同様に、有底筒状の容器本体1と、該容器本体1の周壁10を覆う外装体2とで構成されている。
前記容器本体1は、ポリプロピレンや高密度ポリエチレン等を材料として射出成形により成形された樹脂成形品である。該容器本体1は、筒状の周壁10と、該周壁10の下端開口を閉塞する底部14とで構成されている。
前記周壁10は、下端側ほど径が小さくなるように逆円錐筒状に形成されている。具体的には、該周壁10は、当該断熱容器の開口を形成する筒状の上部周壁部10aと、該上部周壁部10aよりも小径に設定され、前記上部周壁部10aの下方に形成された下部周壁部10bと、前記上部周壁部10aの下端開口縁部と下部周壁部10bの上端開口縁部とを接続する環状の接続部5とで構成されている。
前記上部周壁部10aは、前記接続部5の外周縁部に下端開口縁部が連結された筒状の周壁本体部110と、該周壁本体部110の上端開口縁部に内周縁部が連結された水平環状の環状接続部111と、該環状接続部111の外周縁部に下端開口縁部が連結された筒状の大径部112と、該大径部112の上端開口縁部から外方に向けて延出したフランジ部113とで構成されている。
前記周壁本体部110は、下端側に向かうにつれて外径、及び内径が小さくなるように、逆円錐筒状に形成されている。該周壁本体部110は、軸線方向に延びる複数の凹条110aと、複数の凸条110bとが周方向に交互に形成されることで形成されている。
前記凹条110aの表面が周方向で凹状の湾曲面をなすとともに、前記凸条110bの表面が周方向で凸状の湾曲面をなしている。これにより、周壁本体部110の外周面は、凹状の湾曲面と凸状の湾曲面とが交互に形成された波状の曲面をなしている。
換言すれば、前記凸条110bの断面は緩やかな山形形状をなしており、該凸条110b同士の接続部分によって凹条110aが形成されている。本実施形態において、前記凹条110aは、周壁本体部110の軸線を中心にして所定角度(本実施形態においては約7.5°)の間隔を周方向に有して形成されている。したがって、複数の凸条110bについても、凹条110aを介して隣接する凸条110b同士の頂点が、周壁本体部110の軸線を中心にして所定角度(本実施形態において7.5°)の間隔を周方向に有するように形成されている。
本実施形態にかかる周壁本体部110の下端部には、当該容器本体1の径方向の強度を高めるための補強片117が垂設されている。該補強片117は、下部周壁部10b(後述する下部筒状部114)の外周面に所定の間隔を有した状態で設けられており、両側端が後述する縦リブ115に接続されている。
前記環状接続部111は、上述の如く、外周縁部が前記周壁本体部110の上端開口縁部に接続されており、前記周壁本体部110に対して鍔状に形成されている。
前記大径部112は、略真円筒状をなしており、前記環状接続部111の外周縁部に下端開口縁部が接続されている。これにより、該大径部112、環状接続部111、及び周壁本体部110が、該上部周壁部10a(容器本体1)の上端開口部近傍に段差を形成しており、前記環状接続部111の上面が熱湯等を注ぎ込む量の目安となる入り目線として用いることができるようになっている。
前記フランジ部113は、水平環状の天板部113aと、該天板部113aの外周縁部に垂設された垂下部113bとで構成されており、断面略L字状をなしている。該フランジ部113は、前記天板部113aの内周縁部に前記大径部112の上端開口縁部が接続されており、これによって、前記天板部113aの上面が、当該断熱容器の上端面を構成するようになっている。該フランジ部113は、天板部113a上にアルミ箔と合成樹脂フィルムや紙等のラミネート材とが積層されたシール蓋(図示しない)が剥離可能に貼着され、収容物(例えば、熱湯を注ぎ込むことで食すことのできるインスタント麺や、スープ等)が収容された容器本体1を密閉するようになっている。
前記下部周壁部10bは、上端開口縁部が前記接続部5を介して上部周壁部10aに連結された下部筒状部114と、該下部筒状部114の外周面に上下方向に延びるように突設された複数の縦リブ115とで構成されている。
前記下部筒状部114は、下端側に向かうにつれて外径、及び内径が小さくなるように逆円錐筒状(逆円錐台状をなす筒状)に形成されている。本実施形態にかかる下部筒状部114は、成形時の樹脂の流れを考慮して、前記接続部5と接続される上端開口側の厚肉筒状部114aと、該厚肉筒状部114aの下端開口縁部に連結された薄肉筒状部114bとで構成されている。
該下部筒状部114は、上述の如く、接続部5を介して上部周壁部10aに接続されているため、前記厚肉筒状部114aは、上端開口縁部の外径が接続部5の介在する分、上部周壁部10a(周壁本体部110)の下端開口の内径よりも小径になっており、下端側ほど小径となった逆円錐筒状に形成されている。
前記薄肉筒状部114bは、前記厚肉筒状部114aの内周面と略均一な連続面を形成するように、上端開口縁部が厚肉筒状部114aの下端開口縁部に接続されている。該薄肉筒状部114bの肉厚は、前記厚肉筒状部114aの肉厚よりも薄く設定されており、本実施形態においては、約0.2mm〜0.4mmに設定されている。該薄肉筒状部114bについても、厚肉筒状部114aと同様に、下端側ほど小径になるように略逆円錐筒状をなしている。
前記複数の縦リブ115は、前記下部筒状部114の外周面上に下部周壁部10bの軸線を中心にして放射状に設けられている。すなわち、該複数の縦リブ115は、厚肉筒状部114aと薄肉筒状部114bとに跨るように、下部筒状部114の軸線を中心にして放射状設けられている。本実施形態にかかる縦リブ115は、上端が前記接続部5の下面に接続されており、突出量が下部筒状部114の上端から下端側に向けて漸減している。
本実施形態にかかる縦リブ115は、厚肉筒状部114aと薄肉筒状部114bとの接続部分近傍における突出量が薄肉筒状部114bの外周面を基準にして約1.5mm〜2.7mmに設定され、薄肉筒状部114bに接続された部位の肉厚が約0.6〜0.7mmに設定されている。これにより、本実施形態にかかる容器本体1は、周壁本体部110の外周面、縦リブ115の先端、及び底部14の外面が、連続的に形成されている。なお、前記縦リブ115が上記寸法に設定された場合には、前記厚肉筒状部114aは、薄肉筒状部114bの肉厚よりも厚くすることを前提に、肉厚を約0.3mm〜0.8mmに設定するとともに、軸心の長さを約1mm〜10mmに設定することが好ましい。
前記底部14は、平面視円形状の底板部14aと、該底板部14aを薄肉筒状部114b(周壁10)の下端開口縁部に接続する底接続部14bとで構成されている。前記底板部14aは、略中央部の円形の領域が容器本体1の内部側にやや膨出して形成されている。
前記底接続部14bは、環状に形成されており、容器本体1の内面を構成する一方の面が凹状の湾曲面をなし、容器本体1の外面を構成する他方の面が凸状の湾曲面をなすように形成されている。該底接続部14bは、内周端縁に前記底板部14aの外周端縁が接続され、底板部14aとともに略皿状の底部14を構成している。該底接続部14bの外周端縁部は、前記下部筒状部114(周壁10)の下端開口縁部に連結されている。
前記外装体2は、第一実施形態と同様に、熱収縮性を有する発泡樹脂シートから成形されており、前記容器本体1の周壁10に対向するように、周壁10を覆う筒状部20と、該筒状部20の下端を基端に、当該筒状部20の内部に向けて延設された(折り返された)環状部21とを備えている。
前記筒状部20は、前記容器本体1の周壁10(厳密には、周壁本体部110の外周面、及び下部周壁部10bの外周面上の縦リブ115の先端)に対して所定の間隔を有した状態で、容器本体1の周壁10に外嵌できるように内径が設定されており、本実施形態においては、前記容器本体1の周壁10に対応して逆円錐筒状に形成されている。
本実施形態にかかる筒状部20の上端開口部は、第一実施形態と異なり、カール部22が設けられておらず、略真円筒状に形成されている。該筒状部20の上端開口部は、容器本体1の大径部112に嵌着可能な内径に設定されている。
前記環状部21は、先端側(内周縁側)が筒状部20の内周面に対して離間するように形成されている。具体的には、環状部21は、先端(内周縁)が基端(外周縁)より筒状部20の内部側に位置して、先端側ほど先細りするようにテーパー状に形成されている。なお、筒状部20の内周面に対する環状部21の傾斜角は、30°〜60°に設定することが好ましい。また、環状部21の内周縁には、水平環状部23が筒状部20の中心に向けて延設されている。なお、該外装体2は、前記第一実施形態と同様の工程によって作製されているので、該外装体2を作製する工程については割愛する。
上記構成の断熱容器は、筒状部20の内周面と容器本体1の周壁10の外周面とが対向するように、容器本体1を外装体2に嵌め入れ、図8に示す如く、外装体2(筒状部20)の上端開口部を容器本体1の大径部112に外嵌した状態で、筒状部20の上端を天板部113aの下面に当接させると、図9に示す如く、底部14(底板部14a)が水平環状部23に当接して支持された態様になるようになっている。これにより、容器本体1内に熱湯を注ぎ込むことで、薄肉に成形された底部14(底板部14a)が軟化し、熱湯や収容物等の重量によって下方に向けて撓むように変形するのを防止できるようになっている。また、この状態で、容器本体1の周壁10(周壁本体部110、及び下部筒状部114)と外装体2の筒状部20との間には空間40が形成されており、熱の空気伝導によって断熱効果を得ることができるようになっている(図7参照)。
上記構成の断熱容器によれば、外装体2を把持して当該外装体2(下端部)に径方向の外力が加わった場合、該外力は、筒状部20の中心に向けて(筒状部20の中心線と直交する方向に)作用し、筒状部20の下端開口縁部を縮径、或いは偏平状に変形させるように作用することになる。これと同時に外力は、環状部21の基端(外周縁部)に対しても筒状部20の中心に向けて作用することになる。
そうすると、環状部21が筒状部20の内部側ほど先細りした環状に形成されているので、外力が環状部21に対して面交差する方向に作用することになり、当該環状部21の先端側には、外力に対して作用方向の異なる方向(内周縁を広げる方向)の反力が生じることになる。これにより、環状部21の基端乃至先端の間で曲げ作用が生じ、該曲げによって当該環状部21に生じた弾性力によって外力による筒状部20の径方向の変形が阻止されることになる。
つまり、当該断熱容器は、環状部21を筒状部20の内部側に延設し、先端側が筒状部20の内周面と離間するようにテーパー状に形成することで、外力が加わった際に環状部21に弾性力が生じるようにし、該弾性を活用して当該外装体2の下端部における径方向の強度を十分に得ることができるようになっている。
また、前記断熱容器は、環状部21の先端に水平環状部23を延設して環状部21の内周縁近傍の強度を強化し、外力に対する反力で環状部21の内周縁近傍が変形するのを規制し、よりいっそう径方向の強度を得ることができるようになっている。つまり、外力に対して環状部21の基端乃至先端の間の弾性を有効的に活用して筒状部20の下端側の強度をいっそう増すようにしている。したがって、断熱容器(外装体2)の下端側の強度を十分に得ることのできる外装体2を製造するに際し、従来のように環状部によって形成された穴を塞ぐ底板を設ける工程を要さず、当該断熱容器に製造にかかる製造コスト、材料コストを低減することができる。
また、当該断熱容器は、環状部21が筒状部20の下端から内部に向けて、内周面に対して傾斜状態で延設されることで、底に凹部が形成された態様をなしているので、指を環状部21にかけた状態で当該断熱容器を持つことができる。従って、当該断熱容器をすべり落とすことなく安定した状態で把持することができる。また、このように環状部21に指をかけた状態で当該断熱容器を持っても、前記環状部21の内周縁(先端)から水平環状部23が延設されているので、環状部21にかけた指が容器本体1の底部14に触れることがなく、容器本体1に高温の加熱食品等を入れた状態であっても火傷を負うなどいった事態にはならず安全である。
また、容器本体1の周壁10を構成する下部周壁部10bに複数の縦リブ115が設けられているので、外装体2を把持した際に、該把持力の作用で外装体2が径方向に変形しても、縦リブ115に接触した態様となり、下部周壁部10bと外装体2との間に常に空間40が形成され、該空間40における熱伝導によって断熱効果を常に維持することができる。
また、本実施形態にかかる断熱容器は、容器本体1の周壁10と底部14との接続部分(底接続部14b)に丸みを持たせ、外装体2との干渉が防止されているので、底板部14aを水平環状部23で支持させた態様にすることができ、当該断熱容器の強度をいっそう強くすることができる。
また、容器本体1の底部14の内周面(底接続部14bの内面)が凹状の湾曲面になっているので、スプーンの先端部を底部14の内周面に沿わすことで、収容物を容器本体1内に残すことなく容易にすくうことができる。
次に、本発明の第三実施形態にかかる断熱容器について説明する。本実施形態にかかる断熱容器についても、第一、及び第二実施形態と同様に、なお、本実施形態において、第一、及び第二実施形態にかかる構成と同一の構成、又は相当する構成については、第一実施形態と同一名称、及び同一符号を付すこととする。
本実施形態にかかる断熱容器は、図10、及び図11に示す如く、第一、及び第二実施形態と同様に、有底筒状の容器本体1と、該容器本体1の周壁10を覆う外装体2とで構成されている。
前記容器本体1は、ポリプロピレンや高密度ポリエチレン等を材料として射出成形により成形された樹脂成形品である。該容器本体1は、筒状の周壁10と、該周壁10の下端開口を閉塞する底部14とで構成されている。
前記周壁10は、下端側ほど径が小さくなるように逆円錐筒状に形成されている。具体的には、該周壁10は、当該断熱容器の開口を形成する筒状の上部周壁部10aと、該上部周壁部10aよりも小径に設定され、前記上部周壁部10aの下方に形成された下部周壁部10bと、前記上部周壁部10aの下端開口縁部と下部周壁部10bの上端開口縁部を接続する環状の接続部5とで構成されている。
前記上部周壁部10aは、前記接続部5の外周縁部に下端開口縁部が連結された筒状の周壁本体部110と、該周壁本体部110の上端開口縁部に内周縁部が連結された水平環状の環状接続部111と、該環状接続部111の外周縁部に下端開口縁部が連結された筒状の大径部112と、該大径部112の上端開口縁部から外方に向けて延出したフランジ部113とで構成されている。
本実施形態にかかる周壁本体部110は、周方向、及び軸線方向の肉厚が略均等に設定されており、下端側ほど小径に設定されて逆円錐筒状になっており、下端開口縁部が前記接続部5の外周縁部に連結されている。該周壁本体部110の下端部には、当該容器本体1の径方向の強度を高めるための補強片117が垂設されている。該補強片117は、下部周壁部10bの外周面に所定の間隔を有した状態で設けられており、両側端が後述する縦リブ115に接続されている。
前記環状接続部111は、上述の如く、外周縁部が前記周壁本体部110の上端開口縁部に接続されており、前記周壁本体部110に対して鍔状に形成されている。
前記大径部112は、略真円筒状をなしており、前記環状接続部111の外周縁部に下端開口縁部が接続されている。これにより、該大径部112、環状接続部111、及び周壁本体部110が、該上部周壁部10a(容器本体1)の上端開口部近傍に段差を形成しており、前記環状接続部111の上面が熱湯等を注ぎ込む量の目安となる入り目線として用いることができるようになっている。
前記フランジ部113は、水平環状の天板部113aと、該天板部113aの外周縁部に垂設された垂下部113bとで構成されており、断面略L字状をなしている。該フランジ部113は、前記天板部113aの内周縁部に前記大径部112の上端開口縁部が接続されており、これによって、前記天板部113aの上面が、当該断熱容器の上端面を構成するようになっている。該フランジ部113は、天板部113a上にアルミ箔と合成樹脂フィルムや紙等のラミネート材とが積層されたシール蓋(図示しない)が剥離可能に貼着され、収容物(例えば、熱湯を注ぎ込むことで食すことのできるインスタント麺や、スープ等)が収容された容器本体1を密閉するようになっている。
前記下部周壁部10bは、上端開口縁部が前記接続部5を介して上部周壁部10aに連結されるとともに、下端開口が前記底部14によって閉塞されている。前記下部周壁部10bは、下端側に向かうにつれて外径、及び内径が小さくなるように逆円錐筒状(逆円錐台状をなす筒状)に形成されている。本実施形態にかかる下部周壁部10bは、第二実施形態にかかる下部筒状部114と同様に成形時の樹脂の流れを考慮して、前記接続部5と接続される上端開口側の厚肉筒状部114aと、該厚肉筒状部114aの下端開口縁部に連結された薄肉筒状部114bとで構成されており、全体的に逆円錐筒状に形成されている。
該下部周壁部10bは、上述の如く、接続部5を介して上部周壁部10aに接続されているため、前記厚肉筒状部114aは、上端開口縁部の外径が接続部5の介在する分、上部周壁部10a(周壁本体部110)の下端開口の内径よりも小径になっており、下端側ほど小径となった逆円錐筒状に形成されている。
前記薄肉筒状部114bは、前記厚肉筒状部114aの内周面と略均一な連続面を形成するように、上端開口縁部が厚肉筒状部114aの下端開口縁部に接続されている。該薄肉筒状部114bの肉厚は、前記厚肉筒状部114aの肉厚よりも薄く設定されており、本実施形態においては、約0.2mm〜0.4mmに設定されている。該薄肉筒状部114bについても、厚肉筒状部114aと同様に、下端側ほど小径になるように略逆円錐筒状をなしている。
上記構成の容器本体1の周壁10の外周面には、周壁本体部110、及び下部周壁部10bに跨るように、複数の縦リブ115が、容器本体1の軸線を中心にして放射状に設けられている。該複数の縦リブ115は、上端が環状接続部111の下面に接続されており、上端側の先端が大径部112の外周面に連続的になる(先端が大径部112の外周面よりも突出することのない)ように形成され、且つ前記補強片117よりも突出して下方に向けて延びている。また、該縦リブ115は、補強片117よりも他端側における突出量が、下端に向けて漸減しており、先端が後述する底部14(底接続部14b)の外面に対しても連続的になるように形成されている。本実施形態にかかる縦リブ115は、厚肉筒状部114aと薄肉筒状部114bとの接続部分近傍における突出量が薄肉筒状部114bの外周面を基準にして約1.5mm〜2.7mmに設定され、薄肉筒状部114bに接続された部位の肉厚が約0.6〜0.7mmに設定されている。これにより、本実施形態にかかる容器本体1は、周壁本体部110の外周面、縦リブ115の先端、及び底部14との外面が、連続面上に位置するようになっている。なお、前記縦リブ115が上記寸法に設定された場合には、第二実施形態と同様に、前記厚肉筒状部114aは、薄肉筒状部114bの肉厚よりも厚くすることを前提に、肉厚を約0.3mm〜0.8mmに設定するとともに、軸心の長さが約1mm〜10mmに設定することが好ましい。
前記底部14は、平面視円形状の底板部14aと、該底板部14aを薄肉筒状部114b(周壁10)の下端開口縁部に接続する底接続部14bとで構成されている。前記底板部14aは、略中央部の円形の領域が容器本体1の内部側にやや膨出して形成されている。
前記底接続部14bは、環状に形成されており、容器本体1の内面を構成する一方の面が凹状の湾曲面をなし、容器本体1の外面を構成する他方の面が凸状の湾曲面をなすように形成されている。該底接続部14bは、内周端縁に前記底板部14aの外周端縁が接続され、底板部14aとともに略皿状の底部14を構成している。該底接続部14bの外周端縁部は、前記下部周壁部10b(周壁10)の下端開口縁部に連結されている。
前記外装体2は、第一、及び第二実施形態と同様に、熱収縮性を有する発泡樹脂シートから成形されており、前記容器本体1の周壁10に対向するように、周壁10を覆う筒状部20と、該筒状部20の下端を基端に、当該筒状部20の内部に向けて延設された(折り返された)環状部21とを備えている。
前記筒状部20は、前記容器本体1の周壁10(厳密には、周壁本体部110の外周面、及び下部周壁部10bの外周面上の縦リブ115の先端)に対して所定の間隔を有した状態で、容器本体1の周壁10に外嵌できるように内径が設定されており、本実施形態においては、前記容器本体1の周壁10に対応して逆円錐筒状に形成されている。
本実施形態にかかる筒状部20は、第一実施形態と異なり、上端開口部にはカール部22が設けられておらず、略真円筒状に形成されている。該筒状部20の上端開口部は、容器本体1の大径部112に嵌着可能な内径に設定されている。
前記環状部21は、第一、及び第二実施形態と同様に、先端(内周縁)が基端(外周縁)より筒状部20の内部側に位置して、先端側ほど先細りするようにテーパー状に形成されている。なお、該外装体2は、前記第一、及び第二実施形態と同様の工程によって作製されているので、該外装体2を作製する工程については割愛する。
上記構成の断熱容器は、筒状部20の内周面と容器本体1の周壁10の外周面とが対向するように、容器本体1を外装体2に嵌め入れ、図12に示す如く、外装体2(筒状部20)の上端開口部を容器本体1の大径部112に外嵌した状態で、筒状部20の上端を天板部113aの下面に当接させると、図13に示す如く、底部14(底板部14a)が水平環状部23に当接して支持された態様になるようになっている。これにより、容器本体1内に熱湯を注ぎ込むことで、薄肉に成形された底部14(底板部14a)が軟化し、熱湯や収容物等の重量によって下方に向けて撓むように変形するのを防止できるようになっている。また、この状態で、容器本体1の周壁10(周壁本体部110、及び下部周壁部10b)と外装体2の筒状部20との間には空間40が形成されており、熱の空気伝導によって断熱効果を得ることができるようになっている(図7参照)。
上記構成の断熱容器によれば、外装体2を把持して当該外装体2(下端部)に径方向の外力が加わった場合、該外力は、筒状部20の中心に向けて(筒状部20の中心線と直交する方向に)作用し、筒状部20の下端開口縁部を縮径、或いは偏平状に変形させるように作用することになる。これと同時に外力は、環状部21の基端(外周縁部)に対しても筒状部20の中心に向けて作用することになる。
そうすると、環状部21が筒状部20の内部側ほど先細りした環状に形成されているので、外力が環状部21に対して面交差する方向に作用することになり、当該環状部21の先端側には、外力に対して作用方向の異なる方向(内周縁を広げる方向)の反力が生じることになる。これにより、環状部21の基端乃至先端の間で曲げ作用が生じ、該曲げによって当該環状部21に生じた弾性力によって外力による筒状部20の径方向の変形が阻止されることになる。
つまり、当該断熱容器は、環状部21を筒状部20の内部側に延設し、先端側が筒状部20の内周面と離間するようにテーパー状に形成することで、外力が加わった際に環状部21に弾性力が生じるようにし、該弾性を活用して当該外装体2の下端部における径方向の強度を十分に得ることができるようになっている。
また、前記断熱容器は、環状部21の先端に水平環状部23を延設して環状部21の内周縁近傍の強度を強化し、外力に対する反力で環状部21の内周縁近傍が変形するのを規制し、よりいっそう径方向の強度を得ることができるようになっている。つまり、外力に対して環状部21の基端乃至先端の間の弾性を有効的に活用して筒状部20の下端側の強度をいっそう増すようにしている。したがって、本実施形態にかかる断熱容器においても、外装体2を製造するに際し、従来のように環状部によって形成された穴を塞ぐ底板を設ける工程を要さず、当該断熱容器に製造にかかる製造コスト、材料コストを低減することができる。
また、当該断熱容器は、環状部21が筒状部20の下端から内部に向けて、内周面に対して傾斜状態で延設されることで、底に凹部が形成された態様をなしているので、指を環状部21にかけた状態で当該断熱容器を持つことができる。従って、当該断熱容器をすべり落とすことなく安定した状態で把持することができる。また、このように環状部21に指をかけた状態で当該断熱容器を持っても、前記環状部21の内周縁(先端)から水平環状部23が延設されているので、環状部21にかけた指が容器本体1の底部14に触れることがなく、容器本体1に高温の加熱食品等を入れた状態であっても火傷を負うなどいった事態にはならず安全である。
また、本実施形態にかかる断熱容器は、容器本体1の周壁10と底部14との接続部分(底接続部14b)に丸みを持たせ、外装体2の筒状部20との干渉が防止されているので、底板部14aのみを水平環状部23で支持させた態様にすることができ、当該断熱容器の強度をいっそう強くすることができる。
さらに、該断熱容器は、前記容器本体1の周壁10の略全域に亘って複数の縦リブ115が設けられているので、外装体2を把持した際に、該把持力の作用で外装体2が径方向に変形しても、縦リブ115の先端に接触した態様となり、周壁10と外装体2との間の略全領域に亘って常に空間40が形成され、該空間40における熱伝導によって断熱効果を常に維持することができる。
また、第二実施形態と同様に、容器本体1の底部14の内周面(底接続部14b)の内面が凹状の湾曲面になしているので、スプーンの先端部を底部14の内周面に沿わすことで、収容物を容器本体1内に残すことなく容易にすくうことができる。
尚、本発明の断熱容器は、上記第一乃至第三実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記第一乃至第三実施形態において、外装体2を成形する発泡樹脂シートSとして、発泡ポリスチレン製のシート単体で構成したが、当該外装体2を成形する発泡樹脂シートSは、これに限定されるものではなく、例えば、発泡ポリスチレン層の片面、或いは両面に非発泡樹脂層を形成したもの等も採用することができる。
この場合、発泡ポリスチレン層の発泡倍率、成分は、上記実施形態の発泡ポリスチレン製のシートと同様に構成することになる。また、非発泡樹脂層としては、ポリスチレン、スチレン、ブタジエン共重合体、スチレン・アクリル酸共重合体等のスチレン系樹脂、又はこれらの混合物や、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等の樹脂を混合したスチレン系樹脂が好ましいが、ポリエチレンやポリプロピレン系樹脂等も採用することができる。この非発泡樹脂層の厚みは、3〜30μm程度が好ましい。非発泡樹脂層は、発泡樹脂シートと共押出により形成しても良いが、別途形成したフィルムをラミネートして形成しても良い。この場合は、非発泡樹脂フィルムに印刷を施すことができる。
また、発泡樹脂シート(発泡層)としては、上記ポリスチレン系樹脂からなるものが、断熱性、剛性に優れて好ましいが、ポリプロピレン系樹脂やポリエチレン系樹脂等の発泡層と非発泡の熱収縮性ポリエステルフィルムとをラミネートして使用することもできる。
上記実施形態において、環状部21の先端(内周縁)に水平環状部23を延設したが、これに限定されるものではなく、筒状部20の径方向の強度を環状部21のみで得るようにしてもよい。
上記第一乃至第三実施形態において、外装体2の筒状部20を、下端側ほど径が小さく設定したもの採用したが、これに限定されるものではなく、例えば、筒状部20を真円筒状にしたものや、角筒状にしたもの等であっても勿論よい。
上記第一乃至第三実施形態において、外装体2を他端面に環状凸部53を形成した上記構成の型50及びプレス型51を用いて成形したが、前記型50は、筒状に形成されたものであってもよい。つまり、型50は、筒状部20を形成する外周面を有し、且つ、外嵌した筒状の発泡樹脂シートSの他端部をプレス型51でプレスできる構成のものであればよい。
また、上記第一乃至第三実施形態のように環状凸部53についても、筒状部20の内周面と環状部21との傾斜角に対応するように形成したものに限定されるものではない。すなわち、上記外装体2は、熱収縮性を有する発泡樹脂シートSにより成形されるので、プレス型51でプレスする際に、筒状の発泡樹脂シートに作用する中心方向に向けて収縮力により、凸部54の外周形状に即した環状部21を成形することができる。したがって、環状部21は、環状凸部53の内周面によって形成されるものではないため、プレス型51の凸部54を精度よく形成すれば、当該凸部54の外周面に対応した環状部21を成形することができる。
上記第二、及び第三実施形態において、周壁本体部110の下端縁部に補強片117を設け、容器本体1の周壁10における径方向の強度を高めるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、前記周壁10を階段状に形成して径方向の強度を高めるようにしてもよい。このようにしても、当該断熱容器は、外装体2を備えているので、把持した際の把持力は、直接的に容器本体1に作用することがなく、十分な強度を備えている。ただし、安全性等の観点を鑑みれば、上記第二、及び第三実施形態と同様に補強片117を設けることが好ましい。
上記第二、及び第三実施形態において、容器本体1の底部14(底板部14a)を外装体2の水平環状部23に当接させて容器本体1を支持するようにしたが、これに限定されるものではなく、第一実施形態と同様に、水平環状部23と底板部14aとの間に間隙を形成し、容器本体1の周壁10と外装体2の筒状部20との間の空気が外部に流通できるようにしても勿論よい。
上記第二、及び第三実施形態において、環状接続部111の上面を熱湯を注ぎ込む入り目線として用いるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、容器本体1の内周面に周方向に延びる凸条を設け、この凸条を入り目線としてもよい。ただし、入り目線は、必ずしも設ける必要はなく、収容物に応じて適宜設けるようにすればよい。
上記第二、及び第三実施形態において、周壁10を階段状に形成するようにしたが、これに限定されるものではなく上端から下端に向けて段差を設けることなく周壁10を略真円筒状、或いは逆円錐筒状に形成するようにしてもよい。このように周壁10を構成しても、周壁10の上端部から下端部にかけて延びるように縦リブ115を設ければ、第二、及び第三実施形態と同様に、把持することで外装体2が変形しても縦リブ115の存在によって周壁10と外装体2(筒状部20)とが密接することがなく、縦リブ115の存在する領域において断熱作用を促す空間を常に形成することができ、断熱効果を得ることができる。
上記第一実施形態において、環状部21の先端が、容器本体1の底部14に対して間隔を有するように環状部21を設け、空間40の空気を外部に放出できるようにしたが、これに限定されるものではなく、環状部21の先端で容器本体1の底部14を支持するようにしてもよい。つまり、筒状部20(外装体2)は、発泡樹脂で成形されているので、空間40内の空気を外部に放出しなくても十分な断熱効果を得ることができるので、必ずしも、空間40内の空気を外部に放出可能に構成する必要はなく、容器本体1に収容する収容物等を考慮して必要とする断熱効果が得られるようにすればよい。
上記第二実施形態において、複数の凹条110aと凸条110bを交互に形成することにより、上部周壁部10aの周壁本体部110を構成するようにしたが、これに限定されるものではなく、周壁本体部110を均一な肉厚に設定しても勿論よい。ただし、該断熱容器の容器本体1を成形するに際し、周壁本体部110を効率的に安定した品質で成形すするには、第二実施形態と同様に凹条110aと凸条110bとで構成することが好ましい。したがって、第一実施形態における容器本体1の周壁10の肉厚が略均等になるように成形したが、これに限定されるものではなく、該容器本体1の周壁10を第二実施形態にかかる周壁本体部110と同様に、複数の凹条と凸条とを交互に形成して周壁10を構成するようにしても勿論よい。
上記第二実施形態において、容器本体1の下部周壁部10bに縦リブ115を設けたが、これに限定されるものではなく、第三実施形態のように、容器本体1の周壁10の略全域に縦リブ115を設けるようにしてもよい。すなわち、前記縦リブ115を設ける場合には、周壁本体部110及び下部周壁部10bの少なくとも何れか一方、好ましくは、少なくとも下部周壁部10bに設けるようにすればよい。ただし、容器本体1の周壁10に必ずしも縦リブ115を設ける必要もなく、第一実施形態の如く、容器本体1の周壁10の肉厚を略均一に形成するようにしても勿論よい。
1…容器本体、2…外装体、5…接続部、10…周壁、10a…上部周壁部、10b…下部周壁部、11…接続部、12…フランジ部、12a,12b…片、13…係合用凸部、14…底部、14a…底板部、14b…底接続部、20…筒状部、21…環状部、22…カール部、23…水平環状部、40…空間、50…型、51…プレス型、52…凹部、53…環状凸部、54…凸部、100a…凹条、100b…凸条、110…周壁本体部、111…環状接続部、112…大径部、113…フランジ部、113a…天板部、113b…垂下部、114…下部筒状部、114a…厚肉筒状部、114b…薄肉筒状部、115…縦リブ、117…補強片