JP4611921B2 - 無機粉体湿式成形用濾過布及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、無機粉体を含有するスラリーから所定の形状に湿式成形する際に用いる無機粉体湿式成形用濾過布及びその製造方法に関する。
無機粉体を含有するスラリーから所定の形状に湿式成形する際に用いる濾過布として、フェルトが使用されている。フェルトはスラリーから微細粒子と液体とを分離する際に微細粒子をトラップする優れた捕集性を有するが、目詰まりを起こしやすい構造を有しているため、繰り返し使用する点で困難な場合があった。
例えば、特開平6−246115号公報(特許文献1)には、第1層である熱可塑性合成繊維層と第2層である合成繊維弾性層の間に粗目絡み織基布を配したことを特徴とする磁性粉末材料の湿式濾過成型用フェルト濾材について記載されている。マルチフィラメントの平織りからなる基布層を有するフェルトを濾布として使用した場合、目詰まりを生じることがあるが、基布層に粗目の絡み織を配置することによりこの問題が解決できるとされている。しかしながら、このような濾過布は加圧成形時に濾過布と接触した成形体表面に粗目の絡み織基布層由来の基布目が付いてしまうことから、成形体の表面を削る等の再加工が必要である場合もあり改善が望まれていた。
また、特開平7−124427号公報(特許文献2)には、補強用基布の上下両面にメルトブローン不織布を配置し、さらにその両面に繊維層を配置してニードルパンチング後に表面を鏡面化処理したニードルパンチングフェルトが、濾過布として使用した場合に清澄な濾液を得ることができると記載されている。
特開平6−246115号公報 特開平7−124427号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、毛羽立ちが少なく、無機粉体を含有するスラリーから所定の形状に湿式成形する際に、得られる成形体に基布目が付かない無機粉体湿式成形用濾過布を提供することを目的とするものである。また、そのような無機粉体湿式成形用濾過布の好適な製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題は、熱可塑性樹脂からなる短繊維が交絡した繊維層(A)、長繊維が熱融着された不織布からなる基布層(B)、及び短繊維が交絡した繊維層(C)をこの順番に積層したフェルトからなる無機粉体湿式成形用濾過布であって、成形材料と接触する繊維層(A)の表面が熱カレンダー処理により平滑化され、10MPaの圧力を印加したときの濾過布の厚さが0.1〜1.0mmであり、かつ少なくとも繊維層(A)の表面が親水性を有することを特徴とする無機粉体湿式成形用濾過布を提供することによって解決される。
このとき、基布層(B)がスパンボンド不織布からなることが好適である。繊維層(A)を構成する短繊維の繊度が、繊維層(C)を構成する短繊維の繊度よりも小さいことが好適である。また、繊維層(A)が熱接着性繊維を含有することも好適である。
上記無機粉体湿式成形用濾過布の好適な製造方法は、基布層(B)と繊維層(C)を重ねて配置して、繊維層(C)側からニードルパンチを行い、得られた基布層(B)と繊維層(C)とからなる積層体の基布層(B)側に繊維層(A)を重ねて配置して、繊維層(A)側からさらにニードルパンチを行う方法であり、上記無機粉体湿式成形用濾過布の他の好適な製造方法は、繊維層(A)、基布層(B)及び繊維層(C)を重ねて配置してから、繊維層(A)側からニードルパンチを行うとともに、繊維層(C)側からもニードルパンチを行い、その際、繊維層(C)側から挿入されたニードルのバーブが繊維層(A)の表面に出ない方法である。また、上記無機粉体湿式成形用濾過布の他の好適な製造方法は、繊維層(A)、基布層(B)及び繊維層(C)を重ねて配置してから、繊維層(A)側からのみニードルパンチを行う方法である。
本発明の無機粉体湿式成形用濾過布は、毛羽立ちが少なく、無機粉体を含有するスラリーから所定の形状に湿式成形する際に、得られる成形体に基布目が付かない。
本発明の無機粉体湿式成形用濾過布は、熱可塑性樹脂からなる短繊維が交絡した繊維層(A)、長繊維が熱融着された不織布からなる基布層(B)、及び短繊維が交絡した繊維層(C)をこの順番に積層したフェルトからなるものである。
本発明の繊維層(A)で用いられる短繊維は熱可塑性樹脂からなるものである。このことにより後で述べられる熱カレンダー処理において繊維層(A)の表面を平滑化して毛羽立ちを少なくすることができる。ここで用いられる熱可塑性樹脂としては、好適にはポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂等を用いることができるが、焼却廃棄時に有害なガスの発生が少なく経済的である観点から、より好適にはポリエステル樹脂、特にポリエチレンテレフタレート(PET)が用いられる。
また、上記繊維層(A)は熱接着性繊維を含有することが好ましい。繊維層(A)が熱接着性繊維を含有することにより、熱カレンダー処理において繊維層(A)の表面を平滑化することが容易になるとともに毛羽立ちが一段と少なくなり、繊維層(A)の表面をより平滑化することができる。熱接着性繊維としては、好適には高融点の樹脂と低融点の樹脂とから構成される複合繊維が用いられる。複合形態は特に限定されないが、芯に高融点の樹脂、鞘に低融点の樹脂を用いた芯鞘型の複合繊維が好適である。高融点樹脂と低融点樹脂の組み合わせ(高融点樹脂/低融点樹脂)としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)/ポリエチレン、PET/共重合PET、ポリプロピレン/ポリエチレンなどを用いることができる。
上記繊維層(A)において、繊維層(A)を構成する繊維全体に対し、熱接着性繊維を3〜30重量%含有することが好ましい。熱接着性繊維の含有量が3重量%未満である場合、繊維層(A)の表面の平滑化を十分に行うことができず、添加効果がほとんど認められられないおそれがあり、より好適には5重量%以上である。一方、熱接着性繊維の含有量が30重量%を超える場合、製造コストが上昇するとともに濾過布の風合いが硬くなるおそれがあり、より好適には20重量%以下である。
本発明で用いられる繊維層(C)を構成する短繊維は特に限定されず、天然繊維や再生繊維を用いることもできるが、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、繊維層(A)と同様の樹脂を使用することができる。
前記繊維層(A)の繊度は、0.1〜10dtexの範囲にあることが好ましい。繊度が0.1dtex未満の場合、繊維が細すぎるため目詰まりが生じるおそれがあり、より好適には1dtex以上である。一方、繊度が10dtexを超える場合、成形品表面の平滑性が損なわれるおそれがあり、より好適には5dtex以下である。前記繊維層(C)の繊度は、1〜20dtexの範囲にあることが好ましい。繊度が1dtex未満の場合、繊維が細すぎるため濾過の際に水が抜ける速度が低下するおそれがあり、より好適には3dtex以上である。一方、繊度が20dtexを超える場合、繊維層を構成する繊維の本数が少なくなりニードルパンチによる交絡性が低下するおそれがあり、より好適には10dtex以下である。このとき、繊維層(C)の繊度より繊維層(A)の繊度が小さいことが好適である。このことにより、表面の平滑な成形品を生産性良く製造することができる。より好適には繊維層(C)の繊度は繊維層(A)の繊度の1.5倍以上である。また、通常、繊維層(C)の繊度は繊維層(A)の繊度の10倍以下である。
上記繊維層(A)及び上記繊維層(C)はいずれも短繊維が交絡して層状に形成されてなるものである。このときの交絡の形態は特に限定されないが、短繊維同士が相互に三次元的に絡み合っていればよい。
本発明で用いられる基布層(B)は長繊維が熱融着された不織布からなるものである。このような不織布を基布層(B)に用いることによって、寸法安定性に優れ、しかも成形品の表面に基布目が付かない濾過布を提供することができる。ここで、長繊維が熱融着されたとは、連続したフィラメントである長繊維同士が、接触した箇所で熱融着により接合された状態を表すものである。長繊維が熱融着された不織布として、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等が挙げられるが、不織布基布としての形態安定性の観点から好適にはスパンボンド不織布が用いられる。スパンボンド不織布の素材として用いられる熱可塑性樹脂としてポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等を用いることが好ましいが、ポリエステル樹脂、特にポリエチレンテレフタレート(PET)を用いることがより好ましい。
基布層(B)に用いられる長繊維の繊度は特に限定されない。また基布層(B)の目付(単位面積あたりの質量を表す)は、10〜200g/mであることが好適である。目付が10g/m未満の場合、フェルトの寸法安定性が低下するおそれがあり、より好適には30g/mである。一方、目付が200g/mを超える場合、フェルトが厚くなるおそれがあり、より好適には100g/m以下である。
繊維層(A)、基布層(B)、繊維層(C)を積層する方法は特に限定されず、ニードルパンチにより交絡させて積層する方法、水流交絡により交絡させて積層する方法、熱融着により積層する方法、溶剤接着により積層する方法等を用いることができる。なかでも、コスト面からニードルパンチにより積層することが好ましい。ニードルパンチにより積層する場合の好適な3通りの積層方法を以下に説明する。
第1の好適な方法は、基布層(B)と繊維層(C)を重ねて配置して繊維層(C)側からニードルパンチを行い、得られた基布層(B)と繊維層(C)とからなる積層体の基布層(B)側に繊維層(A)を重ねて配置して、繊維層(A)側からさらにニードルパンチを行う方法である。この方法によれば、基布層(B)と繊維層(C)を重ねて配置して繊維層(C)側からニードルパンチを行うことにより、繊維層(C)の繊維が基布層(B)内に絡まって固定化されるとともに基布層(B)の表面に出る。続いて、得られた基布層(B)と繊維層(C)とからなる積層体の基布層(B)側に繊維層(A)を重ねて配置して、繊維層(A)側からさらにニードルパンチを行うことにより、繊維層(A)の繊維が基布層(B)内及び繊維層(C)内に絡まって固定化されるとともに繊維層(C)の裏面に出る。このように上記2工程により成形体と接触する繊維層(A)の表面に繊維が出ないため、毛羽立ちの少ない本発明の無機粉体湿式成形用濾過布を得ることができる。
第2の好適な方法は、繊維層(A)、基布層(B)、繊維層(C)を重ねて配置してから繊維層(A)側からニードルパンチを行うとともに、繊維層(C)側からもニードルパンチを行い、その際、繊維層(C)側から挿入されたニードルのバーブが繊維層(A)の表面に出ないようにする方法である。この方法によれば、繊維層(C)側から挿入されたニードルのバーブが繊維層(A)の表面に出ないことにより、成形体と接触する繊維層(A)の表面に繊維が出ないため毛羽立ちの少ない本発明の無機粉体湿式成形用濾過布を得ることができる。また、繊維層(A)、基布層(B)、繊維層(C)を重ねて配置してから繊維層(A)側と繊維層(C)側から同時にニードルパンチを行うことで製造工程を簡略化することができる。ここで、バーブとは、ニードルの先端近傍に形成された突起(逆トゲ)のことをいい、ニードルを押し込む際に繊維を引っ掛けることのできるものである。
さらに、第3の好適な方法は、繊維層(A)、基布層(B)、繊維層(C)を重ねて配置してから繊維層(A)側からのみニードルパンチを行う方法である。この方法によれば、繊維層(A)側からのみニードルパンチを行うことにより成形体と接触する繊維層(A)の表面に繊維が出ないため毛羽立ちの少ない本発明の無機粉体湿式成形用濾過布を得ることができる。また、製造工程を簡略化することができる。
繊維層(A)の表面を熱カレンダー処理するのに先立って、予め繊維層(A)の表面を毛焼きしておくことが好ましい。このことにより繊維層(A)の表面の毛羽立ちを一段と少なくすることができる。
本発明の無機粉体湿式成形用濾過布は、成形材料と接触する繊維層(A)の表面が熱カレンダー処理により平滑化されてなるものである。繊維層(A)の表面を熱カレンダー処理により平滑化する方法は特に限定されず、熱ロール、平板プレス等を用いることができる。このとき、好適には熱ロールを用いて熱ロール表面と前記繊維層(A)の表面が接するようにして熱カレンダー処理することにより、繊維層(A)の表面が平滑化される。繊維層(A)の表面が平滑化されることにより、繊維層(A)の表面と接する成形体に基布目が付きにくく、毛羽の発生が少なくなるので安定して成形体を得られる利点がある。このとき、予め繊維層(A)の表面を熱カレンダー処理により平滑化してから、基布層(B)及び繊維層(C)と積層して本発明の無機粉体湿式成形用濾過布を得ることもできるが、成形材料と接触する繊維層(A)の表面をできるだけ平滑にする観点からは、繊維層(A)、基布層(B)及び繊維層(C)を積層してからその後に熱カレンダー処理を行うことが好ましい。
本発明の無機粉体湿式成形用濾過布は、少なくとも繊維層(A)の表面が親水性を有するものである。繊維層(A)の表面が親水性を有することにより、水抜け性が良好となりケーキ形成が早くなる利点がある。本発明の無機粉体湿式成形用濾過布を親水化する方法は特に限定されず、繊維層(A)の表面のみを親水化してもよいし、繊維層(A)全体を親水化してもよいし、繊維層(A)を構成する熱可塑性樹脂からなる短繊維を予め親水化してもよい。また、基布層(B)又は繊維層(C)が親水性を有していてもよい。また、繊維層(A)を親水化した後に基布層(B)及び繊維層(C)を積層して本発明の無機粉体湿式成形用濾過布を得ることもできるが、(製造の容易さから)予め繊維層(A)、基布層(B)及び繊維層(C)からなる積層体を得た後に積層体全体を親水化することが好ましい。
親水化処理の具体的方法は特に限定されず、親水性物質を繊維形成ポリマーにブレンドしたものや一般に市販されている親水化処理剤を用いることができ、好適にはポリエチレングリコール系の親水化処理剤を用いることができる。
本発明の無機粉体湿式成形用濾過布は、10MPaの圧力を印加したときの厚さが0.1〜1.0mmである。濾過布の厚さが0.1mm未満の場合、(成形体を製造する際の濾過布の耐久性が低下する)おそれがあるとともに成形用金型のシール部分から成形材料が流出したり得られた成形体の表面にバリが発生するおそれもあり、好適には0.2mm以上であり、より好適には0.3mm以上である。一方、濾過布の厚さが1.0mm以上の場合、成形用金型の噛合い不良となるおそれがあり、好適には0.8mm以下であり、より好適には0.6mm以下である。
こうして得られた本発明の無機粉体湿式成形用濾過布は、毛羽立ちが少なく、得られる成形体表面に基布目が付かないため、無機粉体を含有するスラリーから所定の形状に湿式成形する際に好適に用いられる。特に磁性粉末材料を湿式成形する際などに用いることができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
(1)無機粉体湿式成形用濾過布の作製
ポリエステル短繊維(2.2dtex×64mm)と、熱接着性繊維(ユニチカ株式会社製「メルティ」、芯鞘型複合繊維(芯:PET、鞘:共重合PET、4.4dtex×51mm)とを、その質量比(ポリエステル短繊維/熱接着性繊維)が90/10となるように配合し、カード機により繊維層(A)(目付160g/m)を形成した。基布層(B)としてポリエステル製スパンボンド不織布(東洋紡績株式会社製、厚さ0.24mm、目付40g/m)を用いた。さらに、ポリエステル短繊維(6.6dtex×51mm)を用いて、カード機により繊維層(C)(目付200g/m)を形成した。
得られた繊維層(A)、基布層(B)、繊維層(C)をこの順番で重ねて配置してから繊維層(A)側からのみニードルパンチを行った。さらに繊維層(A)の表面を毛羽焼き機により毛焼き処理した後、170℃の熱ロール表面と繊維層(A)の表面が接するようにして熱カレンダー処理を2回行い、積層体全体を親水化処理剤(高松油脂株式会社製「SR1000」、SR加工剤)に浸漬し、脱水・乾燥して本発明の無機粉体湿式成形用濾過布を得た。
(2)JIS L1096による濾過布の厚さの測定
上記で得られた無機粉体湿式成形用濾過布の厚さをJIS L1096(一般織物試験方法:厚さ)に準じた方法で測定した。厚さ測定器を用い、一定圧力23.5kPaの下で異なる5箇所について濾過布の厚さを測定して平均値を算出した。実施例1では、濾過布の厚さは1.30mmであった。
(3)JIS L1096による引張強さの測定
上記で得られた無機粉体湿式成形用濾過布の引張強さをJIS L1096(一般織物試験方法:引張強さ)に準じた方法で測定した。幅5cm、長さ20cmの濾過布を引張試験機につかみ間隔10cmでセットし、10cm/minの引張速度で縦方向及び横方向の引張強さをそれぞれ3回測定して平均値を算出した。実施例1では、濾過布の引張強さは縦28daN/5cm、横21daN/5cmであった。
(4)JIS L1096による伸び率の測定
上記で得られた無機粉体湿式成形用濾過布の伸び率をJIS L1096(一般織物試験方法:伸び率)に準じた方法で測定した。幅5cm、長さ20cmの濾過布を引張試験機につかみ間隔10cmでセットし、10cm/minの引張速度で縦方向及び横方向の伸び率をそれぞれ3回測定して平均値を算出した。実施例1では、濾過布の伸び率は縦51%、横80%であった。
(5)JIS L1096による通気性測定
上記で得られた無機粉体湿式成形用濾過布の通気性をJIS L1096(一般織物試験方法:通気性)に準じた方法で測定した。幅20cm、長さ20cmの濾過布をフラジール形試験機にセットし、傾斜形気圧計の圧力が125Paの下で濾過布を通過する空気量(cm/cm・s)を5回測定して平均値を算出した。実施例1では、濾過布の通気性は28.4cm/cm・sであった。
(6)10MPaの圧力印加時の圧縮特性評価
上記で得られた無機粉体湿式成形用濾過布の10MPaの圧力印加時の厚さを測定した。実施例1では、濾過布の厚さは1回目で0.41mm、10回目で0.33mmであった。
(7)毛羽立ち評価
上記で得られた無機粉体湿式成形用濾過布の毛羽立ち評価を行った。幅7cm、長さ15cmの濾過布上の端部に幅6cm、長さ5cmの紙片を重ね、さらに幅5cm、長さ10cmの粘着テープ(ガムテープ)を粘着面が下になるようにして紙片と濾過布の両方に重なるように配置した。濾過布上の紙片と重なっていない部分にゴム板を置き、さらに2kgの重りを載せて1分間加圧することにより濾過布に粘着テープを粘着させた。その後、ゴム板と重りを除き、引張試験機を用いて一方の掴み具に濾過布の一端を、もう一方の掴み具に紙片と粘着テープの両方をつかみ間隔5cmでセットした。続いて、10cm/minの引張速度で濾過布に粘着されている粘着テープを剥がし、このときの濾過布の毛羽立ちについて目視にて評価を行った。評価は下記の3段階判定基準により判定した。実施例1では、毛羽立ちはほとんどなし(判定:◎)であった。
(評価基準) :(判定)
毛羽立ちほとんどなし :◎
毛羽立ちなし :○
毛羽立ちあり :×
(8)成形体の作製
平均粒径1.5μmの重質炭酸カルシウム(備北粉化工業株式会社製「ソフトン1500」)を用いて固形分濃度が60重量%であるスラリーを調製した。本発明の無機粉体湿式成形用濾過布を内径50mmφの円筒形状の成形用金型内に配置し、その上に上記で得られたスラリー20gを入れた。続いてスラリーの上からさらに上記濾過布を配置することにより成形用金型内でスラリーを濾過布で挟むようにした。水抜き穴を有する金具で蓋をし、単位面積あたり10MPaの圧力で1分間加圧して円盤状の成形体を得た。その際、加圧により濾過された濾液を回収した。成形体を3点作製し、乾燥前の成形体の重量をそれぞれ測定して平均値を算出したところ、14.09gであった。また、一晩自然乾燥させた後に105℃の熱風乾燥器中で3時間乾燥後の重量をそれぞれ測定して平均値を算出したところ、11.83gであった。乾燥前と乾燥後の重量から算出された含水率は、16.0重量%であった。
(9)成形体表面の基布目深さの測定
上記で得られた乾燥後の成形体を用い、濾過布と接触していた成形体表面において基布目深さの測定を行った。測定は、成形体表面を水平方向から実体顕微鏡を用いて観察することにより行った。実施例1では、基布目深さは0.08mmであった。
実施例2
実施例1において、熱接着性繊維を含有しないこと以外は実施例1と同様にして無機粉体湿式成形用濾過布を作製した。フェルト構成を表1に、得られた結果を表3にまとめて示す。
実施例3
実施例1において、熱接着性繊維を含有せず、繊維層(A)、基布層(B)、繊維層(C)をこの順番で重ねて配置してから繊維層(A)側からだけではなく、繊維層(C)側からもニードルパンチを行い、その際、繊維層(C)側から挿入されたニードルのバーブが繊維層(A)の表面に出ないようにしてニードルパンチを行ったこと以外は実施例1と同様にして無機粉体湿式成形用濾過布を作製した。フェルト構成を表1に、得られた結果を表3にまとめて示す。
実施例4
実施例1において、熱接着性繊維を含有せず、基布層(B)と繊維層(C)を重ねて配置して繊維層(C)側からニードルパンチを行い、得られた基布層(B)と繊維層(C)とからなる積層体の基布層(B)側に繊維層(A)を重ねて配置して、繊維層(A)側からさらにニードルパンチを行うこと以外は実施例1と同様にして無機粉体湿式成形用濾過布を作製した。フェルト構成を表1に、得られた結果を表3にまとめて示す。
比較例1
親水化処理されたポリエステル(PET)短繊維(2.2dtex×51mm)を用いて、目付100g/mの繊維層(A)を形成した。経糸が466dtexの糸を2本撚ったものからなり、緯糸が932dtexの糸からなるナイロン6製マルチフィラメントを用いて、密度12×13本/2.54cm、目付100g/mの絡み織布を基布層として用いた。また、ナイロン66繊維(6.6dtex×76mm)を用いて、目付250g/mの繊維層(C)を形成した。
得られた繊維層(A)、基布層、繊維層(C)をこの順番で重ねて配置してから繊維層(A)側と繊維層(C)側の両方からニードルパンチを行った。さらに繊維層(A)の表面を毛焼き処理した後、熱カレンダー処理を行って絡み織基布層を有する濾過布を得た。
比較例2
ポリエステル(PET)短繊維(2.2dtex×64mm)を用いて、目付160g/mの繊維層(A)を形成した。経糸が275dtexの糸からなり、緯糸が550dtexの糸からなるポリエステル製マルチフィラメントを用いて、密度27×22本/2.54cm、目付80g/mの平織り織布を基布層として用いた。また、ポリエステル(PET)短繊維(2.2dtex×64mm)を用いて、目付160g/mの繊維層(C)を形成した。
得られた繊維層(A)、基布層、繊維層(C)をこの順番で重ねて配置してから繊維層(A)側と繊維層(C)側の両方からニードルパンチを行った。さらに繊維層(A)の表面を毛焼き処理した後、熱カレンダー処理を行って平織り基布層を有する濾過布を得た。
Figure 0004611921
Figure 0004611921
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表3からわかるように、基布層(B)がスパンボンド不織布層である実施例1〜4では、濾過布表面の毛羽立ちが少なく、この濾過布を用いて作製された成形体の基布目深さが小さいことがわかった。これに対し、マルチフィラメントの絡み織りからなる基布層を有する比較例1では、濾過布表面の毛羽立ちが多く、この濾過布を用いて作製された成形体の基布目深さが大きいことがわかった。比較例1では、乾燥前の成形体の含水率(%)はほとんど変わらないが乾燥前の成形体の重量が若干少ない。これは成形体を成形する際に濾過布から成形体の一部が漏れてしまったためである。また、マルチフィラメントの平織りからなる基布層を有する比較例2では、濾過布表面の毛羽立ちが少ないが、この濾過布を用いて作製された成形体の基布目深さが若干大きいことがわかった。
熱接着性繊維を含有していない実施例2では、実施例1と比べて毛羽立ち性が若干劣ったが、成形体の基布目深さがほぼ同等であった。これに対し、熱接着性繊維を含有せず、繊維層(A)、基布層(B)、繊維層(C)をこの順番で重ねて配置してから繊維層(A)側からだけではなく、繊維層(C)側からもニードルパンチを行い、その際、繊維層(C)側から挿入されたニードルのバーブが繊維層(A)の表面に出ないようにしてニードルパンチを行った実施例3では、実施例1と比べて毛羽立ち性が若干劣ったが、成形体の基布目深さがほぼ同等であった。また、熱接着性繊維を含有せず、基布層(B)と繊維層(C)を重ねて配置して繊維層(C)側からニードルパンチを行い、得られた基布層(B)と繊維層(C)とからなる積層体の基布層(B)側に繊維層(A)を重ねて配置して、繊維層(A)側からさらにニードルパンチを行った実施例4では、実施例1と比べて毛羽立ち性が若干劣ったが、成形体の基布目深さがほぼ同等であった。

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂からなる短繊維が交絡した繊維層(A)、長繊維が熱融着された不織布からなる基布層(B)、及び短繊維が交絡した繊維層(C)をこの順番に積層したフェルトからなる無機粉体湿式成形用濾過布であって、成形材料と接触する繊維層(A)の表面が熱カレンダー処理により平滑化され、10MPaの圧力を印加したときの濾過布の厚さが0.1〜1.0mmであり、かつ少なくとも繊維層(A)の表面が親水性を有することを特徴とする無機粉体湿式成形用濾過布。
  2. 基布層(B)がスパンボンド不織布からなる請求項1記載の無機粉体湿式成形用濾過布。
  3. 繊維層(A)を構成する短繊維の繊度が、繊維層(C)を構成する短繊維の繊度よりも小さい請求項1又は2記載の無機粉体湿式成形用濾過布。
  4. 繊維層(A)が熱接着性繊維を含有する請求項1〜3のいずれか記載の無機粉体湿式成形用濾過布。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の無機粉体湿式成形用濾過布の製造方法であって、基布層(B)と繊維層(C)を重ねて配置して、繊維層(C)側からニードルパンチを行い、得られた基布層(B)と繊維層(C)とからなる積層体の基布層(B)側に繊維層(A)を重ねて配置して、繊維層(A)側からさらにニードルパンチを行うことを特徴とする無機粉体湿式成形用濾過布の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか記載の無機粉体湿式成形用濾過布の製造方法であって、繊維層(A)、基布層(B)及び繊維層(C)を重ねて配置してから、繊維層(A)側からニードルパンチを行うとともに、繊維層(C)側からもニードルパンチを行い、その際、繊維層(C)側から挿入されたニードルのバーブが繊維層(A)の表面に出ないことを特徴とする無機粉体湿式成形用濾過布の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか記載の無機粉体湿式成形用濾過布の製造方法であって、繊維層(A)、基布層(B)及び繊維層(C)を重ねて配置してから、繊維層(A)側からのみニードルパンチを行うことを特徴とする無機粉体湿式成形用濾過布の製造方法。
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