JPH0770605A - 磁性粉末材料の湿式成形用濾布材およびそれを用いた湿式成形方法 - Google Patents

磁性粉末材料の湿式成形用濾布材およびそれを用いた湿式成形方法

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JPH0770605A
JPH0770605A JP21838393A JP21838393A JPH0770605A JP H0770605 A JPH0770605 A JP H0770605A JP 21838393 A JP21838393 A JP 21838393A JP 21838393 A JP21838393 A JP 21838393A JP H0770605 A JPH0770605 A JP H0770605A
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JP
Japan
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filter cloth
magnetic powder
wet
upper punch
felt
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JP21838393A
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Mikio Yamamoto
幹夫 山本
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Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、能率よくキレツの無い成形
体を得ることができる湿式成形が可能な濾布材を提供す
ることである。 【構成】 100Kg/cm2の圧力を印加した状態で
の厚みが0.35〜0.65mmであり、かつクッショ
ン率が30〜45%であるフェルトからなる磁性粉末材
料の湿式成形用濾布材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフェライトなどの磁性粉
末材料をスラリー化させ、濾過脱水して所定の形状に成
形する湿式成形方法およびそれに使用する湿式成形用濾
布材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、スラリー化した磁性粉末(フ
ェライト磁石粉末など)を所要形状に湿式成形する場
合、図1に示すような成形装置を用いて行われる。図1
において、3はダイスであり、下部油圧シリンダー10
により上下方向に駆動される。2は下パンチであり、パ
ッキング11を介してダイス3内に設けられるとともに
基板12の上に固定されている。1は濾布材6を介して
ダイスの上面と接する上パンチであり、上部油圧シリン
ダー9により上下方向に駆動される。上パンチ1には、
廃水孔8およびそれに連通する廃水室13が形成され
る。4は、上パンチ1と下パンチ2とダイス3とで形成
されるキャビティーである。
【0003】上記装置により、次のように湿式成形を行
うことができる。すなわち上パンチ1の下面と下パンチ
2の上面およびダイス3内壁面より構成されるキャビテ
ィー4内に磁性粉末を含むスラリーを供給口5より圧入
充填し、このスラリーと上パンチ1との間に濾布材6を
配置し、次にダイス3の周囲に配置された磁場コイル7
に通電してキャビティー内に配向磁界を印加しつつ上パ
ンチ1と下パンチ2を相対的に移動する(下パンチを固
定、上パンチを下降)ことによりキャビティー4内容積
を減少させ脱水を行い、所要形状の成形体を得ることが
行われている。このスラリーの脱水過程において、スラ
リー中の水分は濾布材6を通過し、上パンチ1に設けら
れた排水孔8を通り、外部へ排出される。
【0004】濾布は上記脱水過程において、均一かつ十
分な排水が可能で、しかも磁性粉末を流出させないよう
にするため上パンチとの接触面にケーキ層ができるよう
な性状を持つことが必要である。このため通常は濾布と
して天然、または合成繊維からなる織布、あるいは単繊
維(合成繊維)からなる不織布が使用されていた。しか
し、このような濾布は目詰まりを起こし易いので、濾布
としてのフェルト(ニードルパンチングフェルト)を使
用することが提案され、実用化が検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし本発明者の検討
によれば、上記のフェルトを使用して異方性フェライト
磁石の湿式成形を行った場合、しばしば成形体にキレツ
が生じた。そこで本発明者は、キレツの発生原因を調査
した結果、成形体の離型をするため圧抜きする過程で成
形体にキレツが生じることがわかった。
【0006】そこで更に詳細な原因を調査するため、通
常のフェルト(後述のNo.5参照)を用いた場合の上記
の成形過程における成形圧力と上パンチの変位を測定し
た。図2において、X1〜スラリー注入過程、X2〜脱水
過程、X3〜圧抜き過程で、また曲線AおよびBはそれ
ぞれ成形圧力と図1の直線Sを基準としたときの上パン
チの変位を示す。図2より、成形終了時の圧抜き過程で
成形圧力が急激に減少することがわかる。また、圧抜き
過程での成形圧力の変化と同時に上パンチも急激に上昇
することがわかる。上パンチの変位は成形体の高さとほ
ぼ同じと考えることができるので、圧抜き過程での成形
圧力の変化と同時に圧縮された成形体が膨らむといえ
る。このことより、成形終了時の圧抜き過程での急激な
圧力変化が、金型内部に閉じ込められた成形体に加わ
り、そのため成形体にキレツが生じると考えられる。
【0007】これを防止するには、成形体への圧力変化
を緩和することが考えられ、具体的には圧抜きの速度を
遅くすることが考えられる。しかし、圧抜き時の上下パ
ンチの速度制御は困難であり、また速度の制御が可能で
あったとしても、圧抜き時の速度を遅くすることにより
成形サイクルが長くなり成形能率が低下する。したがっ
て、本発明の目的は、能率よくキレツの無い成形体を得
ることができる湿式成形が可能な濾布材を提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者は鋭意検討を行った結果、成形終了時の圧
抜き過程において、成形体に加わる圧力変化を緩和し成
形体のキレツを防止するためには、適度な弾性をもった
フェルトからなる濾布材を用いればよいことを知見し、
本発明に到達した。すなわち第1の発明は、100Kg
/cm2の圧力を印加した状態での濾布の厚みが0.3
5〜0.65mmであり、かつクッション率が30〜4
5%であるフェルトからなる磁性粉末材料の湿式成形用
濾布材である。
【0009】第2の発明は、上パンチ下面と下パンチ上
面およびダイス内壁面より構成されるキャビティー内に
磁性粉末を含むスラリーを充填し、次に外部より磁界を
印加しつつ上パンチと下パンチを相対的に移動すること
により、キャビティー内容積を減少させ脱水を行い所要
形状の成形体を作成する湿式成形方法において、100
Kg/cm2の圧力を印加した状態での厚みが0.35
〜0.65mmであり、かつクッション率が30〜45
%であるフェルトを1層または2層以上積層して、上パ
ンチとスラリーとの間に配設することを特徴とする。
【0010】本発明において、クッション率は、数1に
よって算出する。
【数1】クッション率=△t/(△t+t100) 但し、△t :100Kg/cm2 の荷重を5回繰り返
したときの濾布のスプリング量の平均値(mm)=(t
0−t100n/n t100:100Kg/cm2 荷重下での濾布材の厚み
(mm) t0 :無荷重時の濾布の厚み(mm) n :荷重を印加した回数 n=1〜5
【0011】本発明においてフェルトのクッション率が
30%未満であると、成形体に加わる圧力変化が緩和さ
れず、成形体にキレツが発生する。一方、フェルトのク
ッション率が45%を越えると、成形体が圧抜方向へ自
由に膨張し易く、同様にキレツが発生する。したがっ
て、フェルトのクッション率は30〜45%とする。ま
た、濾布の厚みが、100Kg/cm2の圧力を印加し
た状態で0.35mm未満であると原料注入時の上パン
チとダイス表面のシール性が不十分となる。また、クッ
ション率が30%以上であったとしても100Kg/c
2の圧力を印加した状態での濾布の厚みが0.35m
m未満であると無荷重状態での濾布材の厚みが不足し、
成形体のキレツ防止の効果は少ない。一方、濾布の厚み
が0.65mmを越えると、クッション率が45%を越
える傾向が多く不適当である。したがって、濾布の厚み
は100Kg/cm2の圧力を印加した状態で0.35
〜0.65mmであるのが望ましい。
【0012】本発明において、上述した範囲の厚みとク
ッション率は、例えば目付が2500〜530g/
2、通気度が10〜60cc/sec/cm2の範囲に
あるフェルトを用いることよって得られる。目付は、フ
ェルト製造時の締め方によっても異なるが、500g/
2以上であると、100Kg/cm2の荷重下での濾布
の厚みは0.65mm以上となり、250g/m2以下
であると、100Kg/cm2の荷重下での濾布の厚み
は0.35mmとなる。フェルトの材質としてはポリエ
ステル樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂を単独ま
たは2種以上組み合わせて用いることができ、特に少な
くとも表面をポリエステル樹脂で形成したものが好まし
い。
【0013】上述した範囲のクッション率と厚みを有す
るフェルトからなる濾布材を使用する場合は、成形体の
寸法や成形圧力等を考慮して、1層だけ上パンチの下面
に設けてもよいし、また2層以上積層して上パンチの下
面に設けてもよい。
【0014】
【作用】本発明の湿式成形用濾布材を用いることによ
り、金型内部に閉じ込められた成形体が圧抜きされる過
程で、濾布材がふくらみ、濾布材を介して圧力が減じ、
成形体にかかる急激な圧力変化が緩和される。また、本
発明において、成形体の圧力変化を減じるのは適度なク
ッション性を有する濾布材であるので、圧抜きの速度は
従来と同様に保持でき、成形能率の低下を伴わない。
【0015】
【実施例】表1に示す濾布材を準備し、各濾布材を用
い、SrO・6Fe23なる組成を有するSrフェライ
ト粉末(平均粒径0.7μm)を水中に分散させた固形
成分濃度65%のスラリーを図1に示す成形装置のキャ
ビティー内に充填し、8000Oeの磁場を印加しつつ
400Kg/cm2の圧力で圧縮成形して、アークセグ
メント状成形体を100個作成し、キレツの有無を目視
で観察した。得られた成形体の成形性(優、良はキレツ
が無いもの、やや劣る、劣るはキレツが有るものを表
す。)を濾布材の物性とクッション率とともに表1に示
す。なお、表1中のt0は無荷重時の濾布の厚み(m
m)を、t100は100Kg/cm 2荷重時の濾布の厚み
(mm)を表す。
【0016】No.1〜8は本発明の実施例であり、No.1
〜4は1種類の材質からなる濾布材、No.5、6は2種
以上の材質からなる濾布材である。No.7〜9は比較例
であり、No.7、8は濾布材として織布を用いた場合、N
o.9は1種類の材質からなる濾布材である。
【0017】
【表1】
【0018】表1より、本発明の濾布材を用いて成形し
た場合(No.1〜6)、厚みとクッション率が特定の範
囲にあるのでキレツ発生を防止できることがわかる。こ
れに対して、織布をベースとしたクッション性の悪いも
の(No.7、8)や濾布の厚みが厚くクッション性の大
きすぎるもの(No.9)は良好な成形性が得られなかっ
た。
【0019】
【発明の効果】本発明によると、濾布材がクッションの
働きをして成形体にかかる急激な圧力変化を緩和するの
で、能率よくキレツの無い成形体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】成形装置の一例を示す断面図である。
【図2】従来の湿式成形における成形圧力の変化と上パ
ンチの変位を示す図である。
【符号の説明】
1 上パンチ、2 下パンチ、3 ダイス、4 キャビ
ティ、6 濾布材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 100Kg/cm2の圧力を印加した状
    態での厚みが0.35〜0.65mmであり、かつクッ
    ション率が30〜45%であるフェルトからなることを
    特徴とする磁性粉末材料の湿式成形用濾布材。
  2. 【請求項2】 上パンチ下面と下パンチ上面およびダイ
    ス内壁面より構成されるキャビティー内に磁性粉末を含
    むスラリーを充填し、次に外部より磁界を印加しつつ上
    パンチと下パンチを相対的に移動することにより、キャ
    ビティー内容積を減少させ脱水を行い所要形状の成形体
    を作成する湿式成形方法において、100Kg/cm2
    の圧力を印加した状態での厚みが0.35〜0.65m
    mであり、かつクッション率が30〜45%であるフェ
    ルトを1層または2層以上積層して、上パンチとスラリ
    ーとの間に配設することを特徴とする磁性粉末材料の湿
    式成形方法。
JP21838393A 1993-09-02 1993-09-02 磁性粉末材料の湿式成形用濾布材およびそれを用いた湿式成形方法 Pending JPH0770605A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6656417B2 (en) 1999-04-20 2003-12-02 Sumitomo Special Metals Co., Ltd. Punch, powder pressing apparatus and powder pressing method
JP2007260489A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Nakao Filter Kogyo Kk 無機粉体湿式成形用濾過布及びその製造方法

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