JP4611545B2

JP4611545B2 - 組立式双胴船

Info

Publication number: JP4611545B2
Application number: JP2001045087A
Authority: JP
Inventors: 稔増田; 博行織田; 一郎上野
Original assignee: Toa Corp; Akishima Laboratories Mitsui Zosen Inc
Current assignee: Toa Corp; Akishima Laboratories Mitsui Zosen Inc
Priority date: 2001-02-21
Filing date: 2001-02-21
Publication date: 2011-01-12
Anticipated expiration: 2021-02-21
Also published as: JP2002240781A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人力で組立及び分割が可能であり、その運搬も容易に行ないうる可搬式の組立式双胴船に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、ダムや湖沼において、水上測量を行なうためには、その工事現場までの搬送を容易にするため、分割及び組立が人力で容易に行なわれうる軽量のカヌーが用いられることになり、その中央部とその前後部とで３分割可能な単胴のカヌーはすでに実在している。
【０００３】
しかしながら、上記のごとき単胴のカヌーを水上での測量に用いると揺れが激しく、不安定であり正確な測量ができないという問題がある。
【０００４】
そこで、このような単胴のカヌーを２艘左右に継ぐことによって双胴船とすることが考えられるが、２艘のカヌーを横方向に継ぐ結合部材として強固な剛材を使用すれば、その組立及び分割が困難になり、また運搬時の重量も重くなり、組立及び分割に特殊な工具が必要になり、さらに組立てられた双胴船が結合部材により剛結されることで、組み立て部材に大きな外力がかかるという問題がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、工具を使用せずに人力により双胴船を組み立てることができ、また、組み立てられた双胴船は剛結されていないので、組み立て部材に大きな外力がかかることがなく、重量も軽量で運搬が容易で経済的な組立式双胴船を提供する。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は、中央部と、その前後部とで３分割が可能で、かつそれらを一体に組立可能な単胴のカヌーの２艘の間に、架台付部材をスライド可能なヒンジ機構を介して連結し、推進機取付架台を２艘のカヌーのそれぞれに設けた止め金具でスライドと回転可能にはさみ、かつ推進機取付架台の回転止めをスライド可能なヒンジ機構を介して架台付部材に取付けた組立式双胴船からなる。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態につき説明するが、図１はその一実施形態における組立式双胴船の平面図であり、図２は図１のＡ−Ａ方向の側面図、図３は図１のＢ−Ｂ方向の側面図であり、また、図４は図１のＣ−Ｃ方向の要部正面図、さらに図５は図１のＤ−Ｄ方向の要部正面図である。
【０００８】
まず、この組立式双胴船は、中央部１と前部２と後部３とで３分割及び組立が人力でも容易に可能な単胴のカヌーの２艘を左右に平行に配設した状態で、架台付部材４のパイプ状部材１２を２艘のカヌーに対して図７に示すようにバンド６を巻き付けることによって若干スライド可能なヒンジ機構を有する状態で連結している。
【０００９】
なお、上記各カヌーの中央部１と前部２および中央部１と後部３を縦方向に接合し、組み立てる際には、それぞれの部材を図６に示す複数の蝶ナット１３及び継合ボルト１７の締め付けにより両者を接合して継合するようにしている。
【００１０】
上記のごとく、２艘のカヌーに対する架台付部材４の取り付けはバンド６で行なっているので、若干スライド可能なヒンジ機能を有しており、これにより本発明の組立式双胴船は剛結されていないので、組み立て部材に大きな外力がかかることがない。
【００１１】
次に、図１に示すごとく、２艘のカヌーの後部３の船尾上に設けた図８に示す止め金具７で推進機取付架台９の左右の部材端部を矢印Ｒ方向にはさみ、かつ、図１の回転止め８を架台付部材４にバンド６により前記図７と同様な状態で巻き付けて固定している。
【００１２】
即ち、推進機取付用架台９の２艘のカヌーへの取り付けは、スライドと回転可能に止め金具７で行なっており、回転止め８の架台付部材４への取り付けは、バンド６で若干スライド可能なヒンジ機能を持たせて行なっている。
【００１３】
図９は、図１の双胴船の推進機取付用架台９の取付金具１０に２基の推進機としてそれぞれスラスター１６を装着した実施形態の斜視図であるが、スラスター１６の代りに船外機を装着してもよく、その推進機の種類は特に限定するものではない。
【００１４】
また、上記の推進機は、１台でも複数台でも良く、１台の時は舵が必要であるが、複数台の時は推進機のみで方向転換も可能である。
【００１５】
また、上記本発明の組立式双胴船は、工具を使用せず、人力で組み立てることができるが、この組み立てを陸上で行なう場合には図１のごとく特に問題なく行なうことができる。一方、湖沼等の水面上で組み立てる場合には、図１０の平面図に示すごとく、中央部１の左右両側を適宜な横部材を介してフロート１５で抱かせ、その前後に前部２及び後部３を継合して単胴のカヌーを水面上に浮かせ、２艘のカヌーを並ばせた状態で、架台付部材４をバンド６で巻き付けて固定した後、フロート１５を取り外すようにすることで、安定した状態で水面上での組み立ても可能である。
【００１６】
さらに、この組立式双胴船は、中央部１、前部２、後部２、架台付部材４および推進機取付架台９のように容易に分割して搬送が可能であり、トラック荷台等のスペースを取らずコンパクトに積み込み可能であり、特に、前部２または後部３は中央部１の内側スペース内に収納も可能であり、積載容積は少なくてすむ。
【００１７】
【発明の効果】
以上に説明した本発明の組立式双胴船によれば、分割した状態で例えばダムや湖沼等の使用現場まで搬送し、その使用現場付近で工具を使用せずに人力により容易に組立可能であり、また組み立てられた双胴船は剛結されていないので、組み立て部材に大きな外力がかかることがなく、全体の重量も軽量であり経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態における組立式双胴船の平面図である。
【図２】図１のＡ−Ａ方向の側面図である。
【図３】図１のＢ−Ｂ方向の側面図である。
【図４】図１のＣ−Ｃ方向の要部正面図である。
【図５】図１のＤ−Ｄ方向の要部正面図である。
【図６】図１の中央部と前部または後部を継合する蝶ナットの拡大斜視図である。
【図７】図１の架台付部材をカヌーに固定するバンドの巻き付け状態の要部拡大の斜視図である。
【図８】図１の止め金具の推進機取付架台のはさみ付け状態を示す要部拡大の斜視図である。
【図９】図１の双胴船にスラスターを装着した全体斜視図である。
【図１０】図１の双胴船を水面上で組み立てる際のフロートの使用状況を示す平面図である。
【符号の説明】
１中央部
２前部
３後部
４架台付部材
６バンド
７止め金具
８回転止め
９推進機取付架台

Claims

中央部と、その前後部とで３分割が可能で、かつそれらを一体に組立可能な単胴のカヌーの２艘の間に、架台付部材をスライド可能なヒンジ機構を介して連結し、推進機取付架台を２艘のカヌーのそれぞれに設けた止め金具でスライドと回転可能にはさみ、かつ推進機取付架台の回転止めをスライド可能なヒンジ機構を介して架台付部材に取付けた組立式双胴船。