JP4611163B2 - 多層建物の構築方法 - Google Patents

多層建物の構築方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4611163B2
JP4611163B2 JP2005285164A JP2005285164A JP4611163B2 JP 4611163 B2 JP4611163 B2 JP 4611163B2 JP 2005285164 A JP2005285164 A JP 2005285164A JP 2005285164 A JP2005285164 A JP 2005285164A JP 4611163 B2 JP4611163 B2 JP 4611163B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
floor
pca
construction
work
column
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005285164A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007092452A (ja
Inventor
裕昭 寺田
琢雄 小竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okumura Corp
Original Assignee
Okumura Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okumura Corp filed Critical Okumura Corp
Priority to JP2005285164A priority Critical patent/JP4611163B2/ja
Publication of JP2007092452A publication Critical patent/JP2007092452A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4611163B2 publication Critical patent/JP4611163B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Conveying And Assembling Of Building Elements In Situ (AREA)

Description

本発明は、床の構築に関わる作業をその他の構築作業から切り離し、当該床の構築に関わる作業の着工時期を適切に設定することで、PCa化率や揚重機の台数を不必要に増加させることなく、合理的に工期短縮を達成することが可能な多層建物の構築方法に関する。
中・高層から超高層などの多層建物では、1フロアにかかる作業日数を減らすことが工期短縮に大きく寄与する。1フロアの構築作業は図5に示すように、概略、施工対象階((n)階)の床に柱を立設し(柱PCa)、立設した柱間に梁を架設し(梁PCa)、柱・梁接合部の配筋作業を行い、また、架設した梁間にPCa製などのスラブ型枠を敷き込み(スラブPCa)、スラブ型枠に床配筋を施し(スラブ配筋)、その後、スラブコンクリートを打設する(スラブトップCon)とともに、柱・梁接合部内にもコンクリートを打設する(柱・梁接合部内Con)ようにしている。そして、1フロアの構築作業が完了したら、その後、その上のフロア((n+1)階)に対する構築作業に移るようにしている。
このような1フロアの構築に要する作業日数を減少するには、柱や梁、床などの躯体部材のPCa化率を上げたり、揚重機の台数を増やすことが有効である。殊に、PCa化率を上げて、使用するPCa製躯体部材の数量を増やすことに併せて、揚重機の台数を増やせば、躯体部材のPCa化は工期短縮に大きく貢献する。しかしながら、PCa化率を上げたり、揚重機の台数を増やすことは、敷地条件やコスト面の制約を受ける場合があって、実現可能性としては低いものである。また、1フロアの構築作業を完了するには、これら各種躯体部材の建て込み作業だけではなく、そのほかに、上述した床配筋作業や各種部位へのコンクリート打設作業も行う必要があって、躯体部材の建て込み作業の効率化を図ってそれに要する作業日数を減らすことができても、その後に残る床配筋作業やコンクリート打設作業の作業日数を減少させることはできず、十分な工期短縮を確保することはできない。
また、躯体部材の建て込み作業と、その後に残る床配筋などを含む床を構築する作業とを切り離して、これら作業を別々に進めることが考えられ、特許文献1の「鉄筋コンクリート建築物の構築方法」では、床スラブの施工は、柱、梁構造体の施工時期に制約されず、下階任意の位置を選び随時行ないRC建築物を構築するとしているが、このような施工計画では、躯体部材の建て込み作業を施工するフロアと床構築作業を施工するフロアとの間に開きが出れば出るほど、既に建て込んだ梁などを仮受けするのに必要な支保工の数量が増加し、最上階床の施工終了までの全体工期も延びることになる。
特許第2814873号公報
上述したように、従来にあっては、躯体部材のPCa化率を上げたり揚重機の台数を増やしたりして工期短縮を確保するようにしてはいるものの、躯体部材の建て込み作業の後に残る床配筋作業や各種部位へのコンクリート打設作業のために、効果的に工期の短縮化を確保することができず、コスト面や敷地の制約からも実行することは難しい。また、建て込み作業と切り離して床配筋などを含む床構築作業を施工する場合には、建て込み作業フロアと床構築作業フロアとで開きが広がるような施工計画では、支保工数量が増加する上に全体の工期も効果的に短縮化できないなどの課題があって、多層建物における合理的な工期短縮化工法の案出が望まれていた。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、床の構築に関わる作業をその他の構築作業から切り離し、当該床の構築に関わる作業の着工時期を適切に設定することで、PCa化率や揚重機の台数を不必要に増加させることなく、合理的に工期短縮を達成することが可能な多層建物の構築方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる多層建物の構築方法は、PCa柱部材、PCa梁部材、並びにハーフPCa床部材を用いて構築される多層建物の構築方法において、施工対象階に上記PCa柱部材を立設し、これらPCa柱部材間に上記PCa梁部材を架設して柱・梁接合部内に配筋し、これらPCa梁部材間に上記ハーフPCa床部材を架設する第1工程と、該第1工程の施工期間中に着工されて当該第1工程と同時並行的に施工され、施工対象階よりも1階層下に既に設置されている上記ハーフPCa床部材上に、床配筋とスラブコンクリート打設を行って、1階層下の梁・床を一体化する第2工程と、上記第1工程後に着工され、上記施工対象階の上記柱・梁接合部内にコンクリートを打設して当該施工対象階の柱・梁を一体化する第3工程とを含み、これら第1〜第3工程を繰り返すことを特徴とする。
前記施工対象階における前記第1工程の作業工区は、該施工対象階よりも一階層下で施工される前記第2工程の作業工区の直上を避けた区域に設定されることを特徴とする。
本発明にかかる多層建物の構築方法は、PCa柱部材、PCa梁部材、並びにハーフPCa床部材を用いて構築される多層建物の構築方法において、施工対象階に上記PCa柱部材を立設し、これらPCa柱部材間に上記PCa梁部材を架設して柱・梁接合部内に配筋し、これらPCa梁部材間に上記ハーフPCa床部材を架設する第1工程と、該第1工程の施工期間中に着工されて当該第1工程と同時並行的に施工され、施工対象階よりも1階層下に既に設置されている1階層下の上記ハーフPCa床部材よりもさらに直下に既に設置されかつ床配筋を完了した2階層下の上記ハーフPCa床部材上に、スラブコンクリートを打設して、2階層下の梁・床を一体化する第2工程と、上記第1工程後に着工され、上記施工対象階の上記柱・梁接合部内にコンクリートを打設して当該施工対象階の柱・梁を一体化する第3工程とを含み、これら第1〜第3工程を繰り返すとともに、上記第3工程からこれに続く上記第1工程にわたる施工期間中に着工されて少なくとも当該第3工程と同時並行的に施工され、上記1階層下の上記ハーフPCa床部材上に床配筋を行う第4工程を備えることを特徴とする。
本発明にかかる多層建物の構築方法にあっては、床の構築に関わる作業をその他の構築作業から切り離し、当該床の構築に関わる作業の着工時期を適切に設定しているので、PCa化率や揚重機の台数、支保工数量を不必要に増加させないことでコストや機材のために必要なスペースを増やさずに、合理的に工期短縮を達成することができる。詳細には、請求項1にかかる多層建物の構築方法にあっては、躯体部材のPCa化率を上げるとともに、同一施工対象階で躯体部材の建て込み作業の後に続けて床構築作業を施工するのではなく、これら建て込み作業と床構築作業とを切り離して別々に進めることとし、そしてその際、施工対象階で建て込み作業を行う第1工程の施工期間中に、1階層下で床を構築する第2工程に着工して第1工程と同時並行的に当該第2工程を施工するようにし、第1工程後に、柱・梁接合部へのコンクリート打設を行う第3工程に着工するようにしたので、建て込み作業と床構築作業とを同時並行的に重複して施工することができて、床を構築するための作業日数を建て込み作業の施工期間に納めることが可能となり、これにより1つのフロアの施工所要日数は、建て込みのための第1工程および柱・梁接合部へのコンクリート打設のための第3工程に要する日数となって、PCa化率や揚重機の台数を不必要に増加させることなく、そしてこれによりコストや機材のために必要なスペースを増やさずに、合理的に多層建物の工期短縮を達成することができる。また、施工対象階の第1工程施工期間中に1階層下で第2工程に着工して第1工程と同時並行的に当該第2工程を施工するようにしたので、建て込み作業と床構築作業の作業工程の施工タイミングを、これら工程間の開きが広がらないように一定の範囲に納めることができて、支保工の数量が過度に増加することも防止できる。また、請求項3にかかる多層建物の構築方法にあっては、躯体部材のPCa化率を上げるとともに、同一施工対象階で躯体部材の建て込み作業の後に続けて床構築作業を施工するのではなく、これら建て込み作業と床構築作業とを切り離して別々に進めることとし、そしてその際、施工対象階で建て込み作業を行う第1工程の施工期間中に、2階層下でスラブコンクリートを打設する第2工程に着工して第1工程と同時並行的に当該第2工程を施工するようにし、第1工程後に、柱・梁接合部へのコンクリート打設を行う第3工程に着工するとともに、さらに第3工程からこれに続く第1工程にわたる施工期間中に、1階層下で床配筋を行う第4工程に着工して少なくとも第3工程と同時並行的に当該第4工程を施工するようにしたので、柱・梁接合部へのコンクリート打設を含む建て込み作業と床構築作業とを同時並行的に重複して施工することができて、床を構築するための作業日数を建て込み作業の施工期間に納めることが可能となり、これにより1つのフロアの施工所要日数は、建て込みのための第1工程および柱・梁接合部へのコンクリート打設のための第3工程に要する日数となって、合理的に多層建物の工期短縮を達成することができる。また、施工対象階の第1工程施工期間中に2階層下で第2工程に着工して第1工程と同時並行的に当該第2工程を施工し、また第3工程からこれに続く第1工程にわたる施工期間中に1階層下で第4工程に着工して少なくとも第3工程と同時並行的に当該第4工程を施工するようにしたので、建て込み作業と床構築作業の作業工程の施工タイミングを、これら工程間の開きが広がらないように一定の範囲に納めることができて、支保工の数量が過度に増加することも防止できる。また、2階層下での第2工程の施工時には、直上の1階層下に既に設置したハーフPCa床部材を、施工対象階で施工される第1工程の建て込み作業の防護屋根として機能させることができて、高い作業安全性を確保することができる。また、1階層下での第4工程の施工を、施工対象階の第3工程の施工期間中に設定することで、当該第4工程の施工安全性も確保することができる。
以下に、本発明にかかる多層建物の構築方法の好適な実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1および図2には、第1実施形態にかかる多層建物の構築方法が示されている。第1実施形態にかかる多層建物の構築方法は基本的には、PCa柱部材1、PCa梁部材2、並びにハーフPCa床部材3を用いて構築される多層建物の構築方法において、施工対象階にPCa柱部材1を立設し、これらPCa柱部材1間にPCa梁部材2を架設して柱・梁接合部4内に配筋し、これらPCa梁部材2間にハーフPCa床部材3を架設する第1工程と、第1工程の施工期間中に着工されて当該第1工程と同時並行的に施工され、施工対象階よりも1階層下に既に設置されているハーフPCa床部材3u上に、床配筋(図中、Aで示す)とスラブコンクリート打設(図中、Bで示す)を行って、1階層下の梁・床を一体化する第2工程と、第1工程後に着工され、施工対象階の柱・梁接合部4内にコンクリートを打設して(図中、Cで示す)当該施工対象階の柱・梁を一体化する第3工程とを含み、これら第1〜第3工程を繰り返すようになっている。
図示例にあっては、(n)階が施工対象階となっていて、(n−1)階の床上に、柱と梁を建て込み、梁上に床を構築することで当該(n)階の構築が完了することになる。(n)階で柱や梁の建て込み作業に着工する際は、(n−1)階では、当該(n−1)階の梁上へのハーフPCa床部材3uの架設を完了し、さらに柱・梁接合部4uへのコンクリート打設が終了した段階で、その後に床配筋Aやスラブコンクリートの打設Bが行われる。
図に従って詳細に説明すると、まず第1工程を施工する。図2(a)に示すように、床配筋もスラブコンクリート打設も行われていない(n−1)階の床レベル位置で、(n−1)階の柱・梁接合部4u上に、敷きモルタルを介して、(n)階のPCa柱部材1を接合しつつ立設し(図1中、柱PCa)、支保工5で仮受けする。PCa柱部材1として、外殻PCa等のハーフプレキャスト材を用いる場合には、柱主筋同士の接合を予め行っておく。フルプレキャスト材を用いる場合には、主筋接合部にグラウト等を注入して柱主筋同士の接合を行う。柱主筋の接合はその他各種周知の方法を採用することができる。その後、図2(b)に示すように、立設したPCa柱部材1間に、PCa梁部材2を架設し(図1中、梁PCa)、必要に応じて支保工5で仮受けする。
PCa梁部材2をPCa柱部材1間に架設したら、柱・梁接合部4内において、柱主筋および柱せん断補強筋と梁主筋の配筋を行う。本実施形態にあっては、柱主筋は通し配筋とし、柱・梁接合部4内のせん断補強筋を柱主筋に結束する。梁主筋は、柱・梁接合部4内に定着させるか、あるいは適宜位置で圧接もしくは機械式継ぎ手によって通し配筋とする。当該配筋についても、従来周知の各種方式を採用することができる。柱・梁接合部4には、コンクリート打設のための型枠を設置する。また、PCa梁部材2間に、ハーフPCa床部材3を架設し(図1中、スラブPCa)、必要に応じて支保工5で仮受けする。第1工程では(n)階に対し、以上のようなPCa製躯体部材1〜3の建て込みが順次行われていく。
このような第1工程の施工期間中に、第2工程が着工される。図2(b)に示すように、(n)階よりも先行して施工が行われる当該(n)階直下の(n−1)階には上述したように、当該(n−1)階に対する第1工程によって、既にハーフPCa床部材3uが設置されている。第2工程では、第1工程の進行と並行に、この(n−1)階のハーフPCa床部材3u上に、床配筋Aを行い(図1中、スラブ配筋)、その後スラブコンクリートを打設Bして(図1中、スラブトップCon)、(n−1)階の梁・床を一体化する。すなわち、第2工程により、PCa製躯体部材1〜3の建て込み作業を行う第1工程後に残る床構築作業が完了し、(n−1)階の構築が完了する。
この第2工程の施工完了時期は、(n)階における第2工程の着工前までに設定すればよく、図1にその一例を示すように、(n)階における第1工程の施工完了時期に合わせてもよく、あるいは、その後の(n)階における第3工程の施工完了時期に合わせるようにしてもよい。好ましくは、第3工程の柱・梁接合部4に対するコンクリート打設作業Cと、第2工程のスラブコンクリートの打設作業Bがダブらないように、第2工程の施工完了時期は、第1工程の施工完了時期に合わせるように設定することが好ましい。
第3工程は、第1工程の施工完了後に着工される。図2(c)に示すように、配筋を完了した柱・梁接合部4内にコンクリートを打設Cし(図1中、柱・梁接合部内Con)、(n)階の柱・梁を一体化する。これにより、(n−1)階上に(n)階を施工する段階を示した図2(a)と同様に、(n)階上に(n+1)階を施工する段階となり、以後、上述した第1工程から第3工程を繰り返すことで、順次上層に向かって多層建物を構築することができる。
第1実施形態にかかる多層建物の構築方法にあっては、躯体部材のPCa化率を上げるとともに、同一施工対象階で躯体部材の建て込み作業の後に続けて床構築作業を施工するのではなく、これら建て込み作業と床構築作業とを切り離して別々に進めることとし、そしてその際、施工対象階で建て込み作業を行う第1工程の施工期間中に、1階層下で床を構築する第2工程に着工して第1工程と同時並行的に当該第2工程を施工するようにし、第1工程後に、柱・梁接合部へのコンクリート打設を行う第3工程に着工するようにしたので、建て込み作業と床構築作業とを同時並行的に重複して施工することができて、床を構築するための作業日数を建て込み作業の施工期間に納めることが可能となり、これにより1つのフロアの施工所要日数は、建て込みのための第1工程および柱・梁接合部へのコンクリート打設のための第3工程に要する日数となって、PCa化率や揚重機の台数を不必要に増加させることなく、そしてこれによりコストや機材のために必要なスペースを増やさずに、合理的に多層建物の工期短縮を達成することができる。
また、施工対象階の第1工程施工期間中に1階層下で第2工程に着工して第1工程と同時並行的に当該第2工程を施工するようにしたので、建て込み作業と床構築作業の作業工程の施工タイミングを、これら工程間の開きが広がらないように一定の範囲に納めることができて、支保工の数量が過度に増加することも防止できる。
次に、第2実施形態にかかる多層建物の構築方法について説明する。第1実施形態では、第1工程が施工される施工対象階((n)階)で第1工程を施工しつつ、その直下で1階層下の(n−1)階に対し、第2工程を施工する場合について説明したが、建て込み作業区域の直下で床構築作業を施工することは、安全性が懸念される。第2実施形態にあっては、図示しないけれども、(n)階における第1工程の作業工区を2以上設定するとともに、1階層下の(n−1)階における第2工程の作業工区も2以上設定し、第1工程の作業工区と第2工程の作業工区とが上下に重ならないように、第1工程の作業工区を第2工程の作業工区の直上を避けた区域に設定する、言い換えれば、第2工程を施工している上方で、第1工程の施工が行われないようになっている。
このようにすることで第2実施形態にかかる多層建物の構築方法にあっては、第1実施形態と同様の作用・効果を確保することができるとともに、さらにPCa製躯体部材1〜3の建て込み作業が床構築作業に干渉することを防止できて、高い安全性を確保することができる。
また、この第2実施形態から理解できるように、第1実施形態では、多層建物の高さ方向に直下・直上の関係で第1〜第3工程を繰り返して構築作業を進める場合を例示して説明したが、1つのフロアに平面的に多数の工区を設定し、いずれかの工区で第1工程を施工する一方で、他の工区で第2工程を施工し、また第1工程後に第3工程を施工するようにして、これを1つのフロアの全工区で行って、直下・直上の関係にない施工態様で多層建物の構築を進めていくようにしてもよいことはもちろんである。
次に、第3実施形態にかかる多層建物の構築方法について説明する。図3および図4に示すように、第3実施形態にかかる多層建物の構築方法は基本的には、PCa柱部材1、PCa梁部材2、並びにハーフPCa床部材3を用いて構築される多層建物の構築方法において、施工対象階にPCa柱部材1を立設し、これらPCa柱部材1間にPCa梁部材2を架設して柱・梁接合部4内に配筋し、これらPCa梁部材2間にハーフPCa床部材3を架設する第1工程と、第1工程の施工期間中に着工されて当該第1工程と同時並行的に施工され、施工対象階よりも1階層下に既に設置されている1階層下のハーフPCa床部材3uよりもさらに直下に既に設置されかつ床配筋Aを完了した2階層下のハーフPCa床部材3u2上に、スラブコンクリートを打設Bして、2階層下の梁・床を一体化する第2工程と、第1工程後に着工され、施工対象階の柱・梁接合部4内にコンクリートを打設Cして当該施工対象階の柱・梁を一体化する第3工程とを含み、これら第1〜第3工程を繰り返すとともに、第3工程からこれに続く第1工程にわたる施工期間中に着工されて少なくとも当該第3工程と同時並行的に施工され、1階層下のハーフPCa床部材3u上に床配筋Aを行う第4工程を備える。
図示例にあっては、(n)階が施工対象階となっていて、(n−1)階の床上に、柱と梁を建て込み、梁上に床を構築することで当該(n)階の構築が完了することになる。(n)階で柱や梁の建て込み作業に着工する際は、(n−2)階では、当該(n−2)階のハーフPCa床部材3u2に対する床配筋Aが完了した段階で、その後にスラブコンクリートの打設Bが行われる。そして、これら(n−2)階と(n)階との間の(n−1)階では、当該(n−1)階の梁上へのハーフPCa床部材3uの架設を完了し、さらに柱・梁接合部4uへのコンクリート打設が終了した段階で、その後に床配筋Aが施工される。
図に従って詳細に説明すると、まず第1工程を施工する。第1工程は上記第1実施形態と同様であり、図4(a)および(b)に示すように、床配筋もスラブコンクリート打設も行われていない(n−1)階の床レベル位置を基準として、施工対象階である(n)階に、PCa柱部材1、PCa梁部材2およびハーフPCa床部材3を建て込み、柱・梁接合部4に柱主筋および柱せん断補強筋と梁主筋の配筋を行う作業を実施する(図3中、柱PCa→梁PCa→スラブPCa)。このようにして、第1工程では、(n)階に対するPCa製躯体部材1〜3の建て込みが順次行われていく。
このような第1工程の施工期間中に、第2工程が着工される。図4(a)に示すように、(n)階や(n−1)階よりも下方であって、これらよりも先行して施工が行われた(n−2)階では上述したように、当該(n−2)階に対する第1工程や当該第1工程後の第3工程、並びに第3工程から(n−1)階における第1工程にわたる施工期間中に着工される第4工程によって、ハーフPCa床部材3u2の架設、柱・梁接合部へのコンクリート打設、さらにはハーフPCa床部材3u2に対する床配筋Aが完了している。
第2工程では、(n−1)階のハーフPCa床部材3uで覆われた下方で、第1工程の進行と並行に、この(n−2)階のハーフPCa床部材3u2上にスラブコンクリートを打設Bして(図3中、スラブトップCon)、(n−2)階の梁・床を一体化する。すなわち、第2工程により、PCa製躯体部材1〜3の建て込み作業を行う第1工程後に残る床構築作業のうち、スラブコンクリート打設作業Bが完了し、(n−2)階の構築が完了する。
この第2工程の施工完了時期は、(n−1)階における第2工程の着工前までに設定すればよく、図3にその一例を示すように、(n)階における第1工程の施工完了時期に合わせてもよく、あるいは、その後の(n)階における第3工程の施工完了時期に合わせるようにしてもよい。好ましくは、(n)階における第3工程の柱・梁接合部4に対するコンクリート打設作業Cと、当該(n−2)階における第2工程のスラブコンクリートの打設作業Bがダブらないように、第2工程の施工完了時期は、(n)階における第1工程の施工完了時期に合わせるように設定することが好ましい。
第3工程は、第1工程の施工完了後に着工される。図4(c)に示すように、(n)階の配筋を完了した柱・梁接合部4内にコンクリートを打設Cし(図3中、柱・梁接合部内Con)、(n)階の柱・梁を一体化する。これにより、(n−1)階上に(n)階を施工する段階を示した図4(a)と同様に、(n)階上に(n+1)階を施工する段階となり、以後、上述した第1工程から第3工程を繰り返すことで、床配筋Aのタイミングを除き、順次上層に向かって多層建物が構築されていく。
第4工程の床配筋Aの施工タイミングは、施工対象階からその上の階に施工が移る段階、すなわち、(n)階から(n+1)階へ施工が移って、(n−1)階が2階層下となる際の第3工程から第1工程にわたる施工期間中に設定される。図4(c)に示すように、(n)階よりも1階層下であって、当該(n)階よりも先行して施工が行われた(n−1)階では上述したように、当該(n−1)階に対する第1工程や当該第1工程後の第3工程によって、ハーフPCa床部材3uの架設や柱・梁接合部4uへのコンクリート打設が完了している。第4工程では、(n)階での第3工程により柱・梁接合部4にコンクリートを打設Cする過程以降において、当該第3工程、そしてまた必要に応じて第1工程の進行と並行に、この(n−1)階のハーフPCa床部材3u上に床配筋Aを行うようになっている(図3中、スラブ配筋)。
第4工程の施工完了時期は、(n−1)階における第2工程の着工前までに設定すればよく、図3にその一例を示すように、(n)階における第3工程の施工完了時期に合わせてもよく、あるいは、その後の(n+1)階における第1工程の施工期間中の適宜時期に合わせるようにしてもよい。好ましくは、(n)階における第3工程の柱・梁接合部4に対するコンクリート打設作業Cと、当該(n−1)階における第2工程のスラブコンクリートの打設作業Bがダブらないように、第4工程の施工完了時期は、(n)階における第3工程の施工完了時期に合わせるように設定することが好ましい。
第3実施形態にかかる多層建物の構築方法にあっては、躯体部材のPCa化率を上げるとともに、同一施工対象階で躯体部材の建て込み作業の後に続けて床構築作業を施工するのではなく、これら建て込み作業と床構築作業とを切り離して別々に進めることとし、そしてその際、施工対象階で建て込み作業を行う第1工程の施工期間中に、2階層下でスラブコンクリートを打設Bする第2工程に着工して第1工程と同時並行的に当該第2工程を施工するようにし、第1工程後に、柱・梁接合部4へのコンクリート打設Cを行う第3工程に着工するとともに、さらに第3工程からこれに続く第1工程にわたる施工期間中に、1階層下で床配筋Aを行う第4工程に着工して少なくとも第3工程と同時並行的に当該第4工程を施工するようにしたので、柱・梁接合部4へのコンクリート打設Cを含む建て込み作業と床構築作業とを同時並行的に重複して施工することができて、床を構築するための作業日数を建て込み作業の施工期間に納めることが可能となり、これにより1つのフロアの施工所要日数は、建て込みのための第1工程および柱・梁接合部4へのコンクリート打設Cのための第3工程に要する日数となって、合理的に多層建物の工期短縮を達成することができる。
また、施工対象階の第1工程施工期間中に2階層下で第2工程に着工して第1工程と同時並行的に当該第2工程を施工し、また第3工程からこれに続く第1工程にわたる施工期間中に1階層下で第4工程に着工して少なくとも第3工程と同時並行的に当該第4工程を施工するようにしたので、建て込み作業と床構築作業の作業工程の施工タイミングを、これら工程間の開きが広がらないように一定の範囲に納めることができて、支保工の数量が過度に増加することも防止できる。また、(n−2)階での第2工程の施工時には、直上の(n−1)階に既に設置したハーフPCa床部材3uを、(n)階で施工される第1工程の建て込み作業の防護屋根として機能させることができて、高い作業安全性を確保することができる。また、(n−1)階での第4工程の施工を、(n)階の第3工程の施工期間中に設定することで、当該第4工程の施工安全性も確保することができる。
この第3実施形態にあっても、1つのフロアに平面的に多数の工区を設定し、いずれかの工区で第1工程を施工し、他の工区で第2工程を施工する一方で、さらに他の工区で第4工程を施工し、また第1工程後に第3工程を施工するようにして、これを1つのフロアの全工区で行って、直下・直上の関係にない施工態様で多層建物の構築を進めていくようにしてもよいことはもちろんである。
なお、各実施形態に適用するPCa柱部材1およびPCa梁部材2としては、フルプレキャスト製であっても、また主筋等を埋設した、もしくは埋設されていないハーフプレキャスト製のいずれであってもよいことはもちろんであり、この場合のハーフプレキャストは外殻プレキャストや型枠プレキャストなどの永久型枠を含む。またハーフPCa床部材3としては、部分ハーフプレキャスト製のものおよびデッキスラブも含まれる。また施工工程上、柱・梁接合部4に打設するコンクリートとスラブコンクリートとして、必要強度に応じ、異なる種別のコンクリートを打設することができる。さらに、ハーフPCa床部材3としてはプレキャスト製のバルコニー6を含み、ハーフPCa床部材3を架設する際もしくは架設終了後に、これと合わせて設置することで住宅などのためにバルコニーを付加することができる。なお、バルコニー6の設置状況にかかわらず、ハーフPCa床部材3の架設終了をもってその範囲での第1工程が終了したとし、その範囲ではこれに続く工程を開始できるようにするため、バルコニー6はハーフPCa床部材3の架設終了後に設置作業を開始することが好ましい。
本発明にかかる多層建物の構築方法の第1実施形態を説明する工程図である。 図1の第1実施形態の施工状態を説明する説明図である。 本発明にかかる多層建物の構築方法の第3実施形態を説明する工程図である。 図3の第3実施形態の施工状態を説明する説明図である。 従来における多層建物の施工工程の一例を示す工程図である。
符号の説明
1 PCa柱部材
2 PCa梁部材
3 ハーフPCa床部材
3u 1階層下のハーフPCa床部材
3u2 2階層下のハーフPCa床部材
4 柱・梁接合部
A 床配筋
B スラブコンクリート打設
C 柱・梁接合部内へのコンクリート打設

Claims (3)

  1. PCa柱部材、PCa梁部材、並びにハーフPCa床部材を用いて構築される多層建物の構築方法において、
    施工対象階に上記PCa柱部材を立設し、これらPCa柱部材間に上記PCa梁部材を架設して柱・梁接合部内に配筋し、これらPCa梁部材間に上記ハーフPCa床部材を架設する第1工程と、
    該第1工程の施工期間中に着工されて当該第1工程と同時並行的に施工され、施工対象階よりも1階層下に既に設置されている上記ハーフPCa床部材上に、床配筋とスラブコンクリート打設を行って、1階層下の梁・床を一体化する第2工程と、
    上記第1工程後に着工され、上記施工対象階の上記柱・梁接合部内にコンクリートを打設して当該施工対象階の柱・梁を一体化する第3工程とを含み、
    これら第1〜第3工程を繰り返すことを特徴とする多層建物の構築方法。
  2. 前記施工対象階における前記第1工程の作業工区は、該施工対象階よりも一階層下で施工される前記第2工程の作業工区の直上を避けた区域に設定されることを特徴とする請求項1に記載の多層建物の構築方法。
  3. PCa柱部材、PCa梁部材、並びにハーフPCa床部材を用いて構築される多層建物の構築方法において、
    施工対象階に上記PCa柱部材を立設し、これらPCa柱部材間に上記PCa梁部材を架設して柱・梁接合部内に配筋し、これらPCa梁部材間に上記ハーフPCa床部材を架設する第1工程と、
    該第1工程の施工期間中に着工されて当該第1工程と同時並行的に施工され、施工対象階よりも1階層下に既に設置されている1階層下の上記ハーフPCa床部材よりもさらに直下に既に設置されかつ床配筋を完了した2階層下の上記ハーフPCa床部材上に、スラブコンクリートを打設して、2階層下の梁・床を一体化する第2工程と、
    上記第1工程後に着工され、上記施工対象階の上記柱・梁接合部内にコンクリートを打設して当該施工対象階の柱・梁を一体化する第3工程とを含み、
    これら第1〜第3工程を繰り返すとともに、
    上記第3工程からこれに続く上記第1工程にわたる施工期間中に着工されて少なくとも当該第3工程と同時並行的に施工され、上記1階層下の上記ハーフPCa床部材上に床配筋を行う第4工程を備える
    ことを特徴とする多層建物の構築方法。
JP2005285164A 2005-09-29 2005-09-29 多層建物の構築方法 Expired - Fee Related JP4611163B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005285164A JP4611163B2 (ja) 2005-09-29 2005-09-29 多層建物の構築方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005285164A JP4611163B2 (ja) 2005-09-29 2005-09-29 多層建物の構築方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007092452A JP2007092452A (ja) 2007-04-12
JP4611163B2 true JP4611163B2 (ja) 2011-01-12

Family

ID=37978477

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005285164A Expired - Fee Related JP4611163B2 (ja) 2005-09-29 2005-09-29 多層建物の構築方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4611163B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011069069A (ja) * 2009-09-24 2011-04-07 Takenaka Komuten Co Ltd 建物形成方法
KR101324161B1 (ko) * 2013-03-29 2013-11-05 (주)한미글로벌건축사사무소 2일에 한개 층씩 올라가는 콘크리트 구조체 공사방법

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61196035A (ja) * 1985-02-25 1986-08-30 フドウ建研株式会社 コンクリ−ト建築物の構築方法
JPS6237466A (ja) * 1985-08-12 1987-02-18 三井建設株式会社 コンクリ−トの打設方法
JPS634168A (ja) * 1986-06-24 1988-01-09 三井建設株式会社 構造物の現場打ちコンクリ−ト施工方法
JP2972957B2 (ja) * 1990-06-07 1999-11-08 清水建設株式会社 Rc造等の複合化工法
JP2990216B2 (ja) * 1990-11-30 1999-12-13 東急建設株式会社 鉄筋コンクリート造建物の構築工法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007092452A (ja) 2007-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100937745B1 (ko) 프리캐스트 콘크리트 기둥을 이용한 건축물의 시공방법
TWI662172B (zh) 一種建築物之結構構築方法
WO2017219063A1 (en) Method for constructing a concrete floor in a multistorey building
JP4611163B2 (ja) 多層建物の構築方法
JP2010261270A (ja) 複合構造および複合構造建築物の施工方法
JP5925231B2 (ja) 建物の構築方法と新設建物の地下躯体
CN212453065U (zh) 装配式建筑框架结构构件
WO2016020932A2 (en) Deployable pre-fabricated reinforcement cage system
JP5977412B2 (ja) 既設建物を利用した新設建物の地下躯体
KR101357280B1 (ko) 여러 층의 동시 시공이 가능한 다층1절 피씨 기둥과 이를 이용한 피씨 복합화 공법
KR101324884B1 (ko) 습식공법과 건식공법을 결합한 하이브리드 건축 시공방법
JP2009299346A (ja) 建築物の施工方法
JP5001897B2 (ja) 建物の構築方法
JP2009013592A (ja) 架構組立方法および建物の架構
JP6710064B2 (ja) 免震レトロフィットにおける建物の取り合い部分の施工方法と建物
JP2016199957A (ja) 先行床工法
JP3116767B2 (ja) 既設建物の免震構造化方法
JP2007154565A (ja) 柱と無梁スラブとの接合構造および構築方法
CN108468412A (zh) 一种反弯点预制柱连接节点及其装配方法
JP7479977B2 (ja) 杭基礎、建物、建物の構築方法、建物の利用方法、建物の改築方法
JPH04357227A (ja) 建築構造物の施工方法及び柱部材の連結方法
JP2817591B2 (ja) 鉄骨鉄筋コンクリート造建物の構築方法
JP6300228B2 (ja) フラットスラブ構造
JP2009144397A (ja) 柱梁仕口部の構築方法、柱梁架構、連層pc柱部材
JP2011032839A (ja) 建物の構築方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100511

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100707

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100921

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101013

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131022

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4611163

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees