JP7484007B2 - 建物の構築方法 - Google Patents

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Description

本開示は、杭基礎、より詳しくは、柱を杭に接合するフーチングと互いに隣接するフーチングを連結する基礎梁とを備えた杭基礎、この杭基礎を備えた建物、この建物の構築方法、この建物の利用方法、及び、この建物の改築方法に関する。
フーチング構造の基礎として、プレキャストコンクリート製のフーチング部材を用いて杭に柱を支持させたものが公知である(特許文献1参照)。このフーチング構造の杭基礎では、フーチング部材の上面に、上面から突出していない接合用の雌ねじ部材が形成され、フーチング部材の上面に接して構築される基礎梁が雌ねじ部材に接合されることで、基礎梁が施工し易くなっている。具体的には、基礎梁は、スリーブの雌ねじ部材にねじ込まれた雄ねじ部材を介してフーチング部材へ接合された現場打ちコンクリートによって構築される。
特開2017-057642号公報
しかしながら、特許文献1に記載のフーチング構造の杭基礎は、基礎梁が現場打ちコンクリートによって構築されるため、構築に時間がかかる。
本発明は、このような背景に鑑み、杭基礎を急速に施工できるようにすることを課題とする。
このような課題を解決するために、本発明のある実施形態は、杭基礎(2)であって、柱(11)に整合する位置に配置される複数の杭(3)と、複数の前記杭のそれぞれの頭部に一体に設けられ、対応する前記柱を支持する複数のフーチング(4)と、互いに隣接する1対の前記フーチングを連結する基礎梁(5)とを備え、前記基礎梁は、材軸方向に延在する第1シース(22)を備えた第1断面拡大部(21)が両端に形成されたプレキャストコンクリートからなり、前記基礎梁の前記両端(21)が前記第1シースに挿通された第1緊張材(24)によって対応する前記フーチングに圧着されている。ここで、フーチングとは、柱を杭に接合する構造体であり、地盤に埋設されることや地盤に支持されることを要件とするものではない。基礎梁とは、1対のフーチングを連結する梁であり、地盤に埋設されることや地盤に支持されることを要件とするものではない。
この構成によれば、基礎梁がプレキャストコンクリートからなり、第1緊張材によってフーチングに連結されるため、杭基礎の構築に要する時間を短縮することができる。
好ましくは、前記第1緊張材が、前記フーチング及び前記基礎梁に付着しないアンボンド緊張材からなる。
この構成によれば、基礎梁が、フーチング及び基礎梁に付着しないアンボンド緊張材からなる第1緊張材によって1対のフーチングに圧着されるため、建物を撤去する際には、第1緊張材による連結を解除することで基礎梁を再利用することができる。
好ましくは、前記フーチング(4)及び前記基礎梁(5)が地表面(GL)以上の位置に設けられているとよい。ここで、地表面とは、杭基礎を構築する前の地盤の表面を意味し、杭基礎の構築のために掘削した地盤の表面を含まない。
この構成によれば、フーチング及び基礎梁を構築する際に地盤を掘削する必要がない。そのため、地盤掘削を行った後にフーチング及び基礎梁を構築する場合に比べ、杭基礎の構築に要する時間を短縮することができる。
好ましくは、前記フーチング(4)及び前記基礎梁(5)が前記地表面(GL)よりも高い位置に配置され、前記地表面から上方へ突出する前記杭(3)の上部が前記フーチングの下方にて露出しており、前記地表面と前記基礎梁の下面との間に設備機械(41)を設置可能な最下階の空間(S)が形成されているとよい。
この構成によれば、基礎梁を下から2層目の階のスラブを支持するための梁として機能させることができる。つまり、杭基礎の上部を、通常の上部構造の最下階の構造体として機能させることができる。したがって、上部構造の構築に要する時間を1階層分減らすことができる。
好ましくは、前記フーチング(4)は、前記杭(3)の断面よりも大きな断面を有する下向き開放の第1凹部(51)が形成された下面を備え、且つ前記基礎梁(5)の前記材軸方向に延在する第2シース(23)が設けられたプレキャストコンクリートからなり、前記杭の前記頭部が前記第1凹部に受容された状態で前記第1凹部に充填材(55)が充填されているとよい。
この構成によれば、フーチングをなすPCa部材の下面に杭の断面よりも大きな第1凹部が形成されているため、杭頭の平面上の位置が柱の計画位置からずれていたとしても、フーチングをなすPCa部材を柱の計画位置に合わせて配置し、充填材を介して杭に接合することができる。また、フーチングがプレキャストコンクリートからなるため、現場打ちコンクリートによってフーチングを構築する場合に比べ、杭基礎の構築に要する時間を短縮することができる。
好ましくは、前記フーチング(4)は現場打ちコンクリートからなり、前記フーチングの内部には前記第1断面拡大部(21)の前記第1シース(22)に連続するように配置された第2シース(23)が埋設されているとよい。
この構成によれば、杭頭の平面上の位置が柱の計画位置からずれていたとしても、柱の計画位置に適合する位置に容易にフーチングを構築することができる。また、フーチングの内部に第2シースが埋設されているため、フーチングを貫通するように第1緊張材を配置し、第1緊張材によって基礎梁をフーチングに圧着させることができる。
また、上記課題を解決するために、本発明のある実施形態は、上記構成の杭基礎(2)と、前記杭基礎に支持される上部構造(10)とを備える建物(1)であって、前記上部構造は、複数の前記フーチング(4)に支持されるプレキャストコンクリート製の複数のPCa柱(13、14)と、互いに隣接する1対の前記PCa柱を連結するプレキャストコンクリート製のPCa梁(15)とを備え、前記PCa梁は、部材軸方向に延在する第3シース(27)を備えた第2断面拡大部(26)を両端に有し、前記PCa柱には前記第3シースに連続する第4シース(28)が設けられ、前記PCa梁の前記両端(26)が前記第3シース及び前記第4シースに挿通された第2緊張材(29)によって対応する前記PCa柱に圧着されている。
この構成によれば、PCa柱及びPCa梁を用いて上部構造を構築することができるため、杭基礎だけでなく上部構造の構築に要する時間も短縮することができる。また、PCa梁が第2緊張材によって1対のPCa柱に圧着されるため、第2緊張材をPCa柱及びPCa梁に付着しないアンボンド緊張材にすることにより、建物を撤去する際には、第2緊張材による連結を解除することでPCa梁を再利用することができる。
前記フーチング(4)が前記第1凹部(51)を下面に備えたプレキャストコンクリートからなる構成において、好ましくは、前記フーチングには上面から上方へ突出するようにアンカー(56)が埋設されており、前記PCa柱(13)は、鉛直方向に延在する第5シース(33)を備え、前記フーチングの前記アンカーに接続されて前記第5シースに挿通される第3緊張材(32)によって前記フーチングに圧着されているとよい。
この構成によれば、プレキャストコンクリートからなるフーチングに対し、PCa柱を第3緊張材によって簡単に接合することができる。また、PCa柱が第3緊張材によってフーチングに圧着されるため、第3緊張材をPCa柱に付着しないアンボンド緊張材にすることにより、建物を撤去する際には、第3緊張材による連結を解除することでPCa柱を再利用することができる。
前記フーチング(4)が前記現場打ちコンクリートからなる構成において、好ましくは、前記杭(3)の上面に上向き開放の第2凹部(61)が形成されており、前記フーチングには、前記第2凹部に下端が受容され、前記フーチングの上面から上方へ突出するように配置されたアンカー(56)が埋設されており、前記PCa柱(13、14)は、鉛直方向に延在する第5シース(33)を備え、前記フーチングの前記アンカーに接続されて前記第5シースに挿通される第3緊張材(32)によって前記フーチングに圧着されているとよい。
この構成によれば、現場打ちコンクリートからなるフーチングに対し、PCa柱を第3緊張材によって簡単に接合することができる。また、杭頭の平面上の位置が柱の計画位置からずれていたとしても、柱の計画位置に適合する位置に、第2凹部に下端が受容される長さのアンカーを設けることができる。また、PCa柱が第3緊張材によってフーチングに圧着されるため、第3緊張材をPCa柱に付着しないアンボンド緊張材にすることにより、建物を撤去する際には、第3緊張材による連結を解除することでPCa柱を再利用することができる。
また、上記課題を解決するために、本発明のある実施形態は、上記構成の建物(1)の構築方法であって、3つ以上の前記フーチング(4)又は前記PCa柱(13)を1列に配置するステップ(図16)と、2つ以上の前記基礎梁(5)又は前記PCa梁(15)を、それぞれに対応する1対の前記フーチングの間又は1対の前記PCa柱の間に直線状に配置するステップ(図16)と、前記フーチング又は前記PCa柱及びこれに接合されるべき前記基礎梁の前記第1断面拡大部又は前記PCa梁の前記第2断面拡大部を貫通するように、複数の前記第1緊張材(24)又は複数の前記第2緊張材(29)を同一直線上に配置するステップ(図16)と、前記同一直線上に配置された2つ以上の前記第1緊張材又は前記第2緊張材を連結用緊張材(71)により連結し、連続する1本の長尺な連続緊張材(72)とするステップ(図16)と、前記連続緊張材に緊張力を作用させ、複数の前記第1緊張材の両端を対応する前記第1断面拡大部又は前記フーチングに定着させる、或いは、複数の前記第2緊張材の両端を対応する前記第2断面拡大部又は前記柱に定着させるステップ(図16)とを含む。
この構成によれば、フーチング又はPCa柱の両側に直線状に配置される1対の基礎梁又は1対のPCa梁の互いに近接する端部を当該フーチング又はPCa柱に圧着させるために、フーチング又はPCa柱ごとに第1緊張材又は第2緊張材に緊張力を作用させる必要がない。そのため、フーチングと基礎梁との圧着作業又はPCa柱とPCa梁との圧着作業に要する時間を短縮することができる。
また、上記課題を解決するために、本発明のある実施形態は、上記建物(1)の利用方法であって、病室として利用可能な内装ユニット(42)を設置せずに前記上部構造(10)を駐車場(81)として利用する第1利用方法と、前記内装ユニットを前記上部構造の内部に設置して前記上部構造を病棟(82)として利用する第2利用方法とを選択可能である。
この構成によれば、内装ユニットを上部構造の内部に設置することで駐車場を病棟に変更でき、上部構造の内部から内装ユニットを撤去することで病棟を駐車場に変更できるため、上部構造の用途変更が容易である。また、上部構造を必要に応じて駐車場又は病棟として利用できるため、両方を構築する場合に比べて用地や建築費用を削減することができる。更に、用途変更によって上部構造を病棟として利用できるため、必要なときに病棟を新築する場合に比べ、短時間で病棟の利用が可能になる。
また、上記課題を解決するために、本発明のある実施形態は、上記建物(1)の改築方法であって駐車場(81)として利用していた前記上部構造(10)に対し、病室として利用可能な内装ユニット(42)を前記上部構造の外方から水平方向に挿入し、前記上部構造の内部に固定することで前記上部構造を病棟(82)に改築するステップ、又は、前記病棟として利用していた前記上部構造において前記内装ユニットの固定を解除し、前記上部構造から前記内装ユニットを外方へ水平方向に抜き出すことで、前記上部構造を前記駐車場に改築するステップを含む。
この構成によれば、内装ユニットを上部構造の内部に設置する前は上部構造を駐車場として利用できる。駐車場として利用している場合、必要なときに内装ユニットを上部構造の内部に設置することで上部構造を病棟として利用することができる。また、内装ユニットを上部構造の内部に設置することで駐車場を病棟に改築できるため、病棟を新築する場合に比べて短時間で病棟の利用が可能になる。建物を病棟として利用している場合、上部構造の内部から内装ユニットを撤去することで、上部構造を再び駐車場として利用することが可能である。
このように本発明によれば、杭基礎の急速施工を可能にできる。
本発明に係る建物の要部を示す斜視図 図1中のII-II線に沿って模式的に示す杭基礎の平面図 図2中のIII部の拡大図 図1中のIV-IV線に沿って模式的に示す上部構造の平面図 第1変形例に係る建物の図2に対応する杭基礎の平面図 図1中のVI矢印方向から見て模式的に示す建物の立面図 図1に示す建物の構築手順の説明図 図1に示す建物の構築手順の説明図 図1に示す建物の構築手順の説明図 図1に示す建物の構築手順の説明図 第2変形例に係る建物の図6に対応する立面図 第3変形例に係る建物の図4に対応する平面図 第3変形例に係る建物の図6に対応する立面図 図3に示す建物の要部を一部破断して模式的に示す縦断面図 第4変形例に係る建物の図14に対応する要部縦断面図 緊張材の緊張手順を説明するための建物の平面図 建物の用途変更の説明図であり、(A)駐車場、(B)変更手順、(C)病棟を示す図 病棟の第1利用例を示す建物の平面図 病棟の第2利用例を示す建物の平面図 病棟の第3利用例を示す建物の立面図 杭の利用例を示す(A)斜視図、(B)縦断面図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1に示すように、建物1は杭基礎2を備えている。杭基礎2は、水平面上で直交するX方向(桁行方向)及びY方向(梁間方向)に配列された複数の杭3を備えている。X方向及びY方向は互いに直交している。各杭3の頭部には鉄筋コンクリート造のフーチング4が一体に設けられている。X方向又はY方向に互いに隣接する1対のフーチング4は、鉄筋コンクリート造の基礎梁5(5X、5Y)によって連結されている。また建物1は、杭基礎2の上に構築され、杭基礎2によって支持される上部構造10を備えている。上部構造10は、鉄筋コンクリートからなるラーメン構造であり、杭3に対応する位置に設けられた複数の柱11と、X方向又はY方向に互いに隣接する1対の柱11を連結する複数の梁12(12X、12Y)とを備えている。
杭3は、既製杭であっても場所打ち杭であってもよく、柱脚の最大断面寸法よりも大きな直径を有する円形断面とされている。杭3は、柱11の計画位置に整合する計画位置に対し、所定の許容値以下の施工誤差をもって構築されている。フーチング4は直方体形状とされており、杭3の直径よりも大きな2辺を水平面上に有する。フーチング4は柱11の計画位置に整合する計画位置に構築されている。フーチング4は本実施形態ではプレキャストコンクリートからなり、杭3の頭部に接合されている。基礎梁5は、X方向に延在するX方向基礎梁5Xと、Y方向に延在するY方向基礎梁5Yとを含んでいる。X方向基礎梁5X及びY方向基礎梁5Yはそれぞれプレキャストコンクリートからなり、それらの基礎梁5の両端は後述する第1緊張材24(図3)によって対応するフーチング4に接合されている。本実施形態では、X方向基礎梁5X及びY方向基礎梁5Yは、プレストレスが導入されたプレキャストプレストレストコンクリート(以下、PCaPCと記す)部材とされている。
柱11は、フーチング4の上に構築されて柱11の主部をなすプレキャストコンクリート製のPCa柱13と、PCa柱13の上に構築されて柱11の仕口部11aをなすプレキャストコンクリート製のPCa仕口部材14とを備えている。1対のPCa柱13及びPCa仕口部材14により1階層部の柱11が形成される。梁12は、X方向に延在するX方向梁12Xと、Y方向に延在するY方向梁12Yとを含んでいる。X方向梁12XはプレキャストコンクリートからなるPCa梁15によって構成される。PCa仕口部材14は、柱11の仕口部11aと仕口部11aからY方向に延出するY方向梁12Yの一部とを一体形成してなるPCa柱梁部材として構成されている。Y方向梁12Yは、互いに接合される2つのPCa仕口部材14の梁部によって構成される。本実施形態では、X方向梁12X及びY方向梁12YはPCaPC部材とされている。
このように杭基礎2は、柱11に整合する位置に配置される複数の杭3と、複数の杭3のそれぞれの頭部に一体に設けられ、対応する柱11を支持する複数のフーチング4と、互いに隣接する1対のフーチング4を連結する基礎梁5とを備えている。上部構造10は、複数のフーチング4に支持される複数のPCa柱13と、X方向に互いに隣接する1対のPCa柱13を連結するPCa梁15とを備えている。なお、本実施形態では、PCa梁15はPCa仕口部材14を介して1対のPCa柱13を連結している。
基礎梁5、柱11、梁12は全て、略矩形断面形状とされている。基礎梁5の上部及び梁12の上部には図示しないスラブが構築される。柱11は複数階層分の長さに構築され、各階層にX方向梁12X、Y方向梁12Y及びスラブが構築されることにより、上部構造10は多層構造とされる。なお、図1には、上部構造10を1層だけ構築した状態が示されている。このような多層ラーメン構造の上部構造10は、駐車場81(図17(A))や物流倉庫、オフィスビル、集合住宅、商用施設、医療施設(病棟82(図17(C)))、災害時避難所などとして利用することができる。本実施形態の建物1は、上部構造10を多層の立体駐車場として利用する目的で構築される。
図2は図1中のII-II線に沿って模式的に示す杭基礎2の平面図であり、図3は図2中のIII部拡大図である。図1~図3に示すように、基礎梁5(5X、5Y)は、断面積が材軸方向の中間部に比べて拡幅された第1断面拡大部21を両端に備えている。X方向基礎梁5Xは、材軸方向の中間部において縦長の矩形断面形状を有しており、その第1断面拡大部21は、中間部に対して梁成の全域にわたって拡幅されている。一方、Y方向基礎梁5Yは、材軸方向の中間部においてI字断面形状を有しており、その第1断面拡大部21は、中間部に対して梁成の中間部において拡幅されている。X方向基礎梁5X及びY方向基礎梁5Yの各第1断面拡大部21には、材軸方向に延在する複数の第1シース22(図3)が拡幅した部分に開口するように埋設されている。
フーチング4には、基礎梁5(5X、5Y)の材軸方向であるX方向及びY方向に延在する複数の第2シース23が埋設されている。第2シース23は第1シース22に連続する位置に配置されている。基礎梁5は、これらの第1シース22及び第2シース23に挿通された第1緊張材24によって両端の第1断面拡大部21を対応するフーチング4に圧着されている。第1緊張材24はアンボンド緊張材とされている。ここで、アンボンド緊張材とは、シースにグラウトが充填されないことにより、基礎梁5及びフーチング4などのPCaコンクリート部材に緊張材を付着させないアンボンド工法による緊張材を意味する。アンボンド緊張材は、例えば、PC鋼線、PC鋼より線、炭素繊維ケーブル、アラミド繊維ケーブル、繊維筋(繊維ケーブルを樹脂などにより硬化、一体化させたもの)であってよい。本実施形態では、アンボンド緊張材としてPC鋼線が用いられている。
具体的には、第1緊張材24の両端には定着具25が設けられている。定着具25は、支圧板(アンカープレート)、支圧板に支持されるアンカーヘッド、及びアンカーヘッドに第1緊張材24を固定するくさびを含んでいる。第1緊張材24に緊張力が加えられた状態で第1緊張材24の端部に定着具25が取り付けられることで、第1緊張材24の緊張力は対応する基礎梁5の第1断面拡大部21又はフーチング4に作用した状態で維持される。これにより、各部材が互いに圧着される。或いは、定着具25は、支圧板と、支圧板に支持され、第1緊張材24に形成された雄ねじに螺合する雌ねじを有するナットとにより構成されてもよい。
このように基礎梁5は、第1シース22を備えた第1断面拡大部21が両端に形成されたプレキャストコンクリートからなる。そして、基礎梁5の両端の第1断面拡大部21が第1シース22に挿通された第1緊張材24によって対応するフーチング4に圧着される。そのため、杭基礎2の構築に要する時間を短縮することが可能である。また、基礎梁5がアンボンド緊張材からなる第1緊張材24によって1対のフーチング4に圧着されるため、建物1を撤去する際には、第1緊張材24による連結を解除することで基礎梁5を再利用することが可能である。
図4は図1中のIV-IV線に沿って模式的に示す上部構造10の平面図である。図1及び図4に示すように、X方向梁12Xを構成するPCa梁15は、断面積が材軸方向の中間部に比べて拡幅された第2断面拡大部26を両端に備えている。PCa梁15は、材軸方向の中間部において縦長の矩形断面形状を有しており、その第2断面拡大部26は、中間部に対して梁成の全域にわたって拡幅されている。一方、Y方向梁12Yを構成するPCa仕口部材14の梁部は、第2断面拡大部26を先端に備えている(図示例では基端においても断面が拡大している)。PCa仕口部材14の梁部は、材軸方向の中間部においてI字断面形状を有しており、その第1断面拡大部21は、中間部に対して梁成の中間部において拡幅されている。X方向基礎梁5Xの両端に設けられた第2断面拡大部26及びY方向基礎梁5Yの梁部の先端に設けられた第2断面拡大部26には、部材軸方向に延在する複数の第3シース27が拡幅した部分に開口するように埋設されている。
PCa仕口部材14の柱部(すなわち、柱11の仕口部11a)には、X方向梁12Xの第3シース27に連続してX方向に延在する第4シース28が埋設されている。X方向梁12Xは、これらの第3シース27及び第4シース28に挿通された第2緊張材29によって両端の第2断面拡大部26を対応する柱11の仕口部11aに圧着されている。第2緊張材29も、アンボンド緊張材とされており、両端に定着具25が設けられることで、対応するX方向梁12Xの第2断面拡大部26又は柱11に緊張力を作用させる。これにより各部材が互いに圧着される。Y方向梁12Yを構成する2つのPCa仕口部材14の梁部は、先端を互いに突き合わせた状態で、連続する第3シース27に挿通された第2緊張材29によって互いに圧着される。
このようにPCa柱13及びPCa梁15を用いて上部構造10を構築することができるため、杭基礎2だけでなく上部構造10の構築に要する時間の短縮も可能である。また、PCa梁15がアンボンド緊張材からなる第2緊張材29によって1対のPCa仕口部材14に圧着されるため、建物1を撤去する際には、第2緊張材29による連結を解除することでPCa梁15を再利用することが可能である。
図5は、第1変形例に係る建物1の図2に対応する杭基礎2の平面図である。この例では、Y方向基礎梁5Yが、X方向基礎梁5Xと同様に、材軸方向の中間部において縦長の矩形断面形状を有している点で図2と相違する。その他の構成は図2に示す実施形態と同一であるため、説明を省略する。杭基礎2がこのように構成されていてもよい。
図6は、図1中のVI矢印方向から見て模式的に示す建物1の立面図である。図1及び図6に示すように、杭3の頭部にはフーチング4が接合されている。具体的には、杭3の内部には柱11の断面形状に適合する位置に杭主筋31が埋設されている。杭主筋31は杭3の頭部から上方へ突出しており、その突出量はフーチング4の厚さよりも大きい。フーチング4は、杭主筋31が上下に貫通するように杭3の上に配置され、杭主筋31に緊張力が加えられた状態で杭主筋31の上部に定着具25が取り付けられることで、杭3に圧着される。杭主筋31には、PC鋼線などの引張強度が高い長尺部材が用いられる。
杭3は上部が地表面GLから上方へ大きく突出するように構築されている。フーチング4は杭3の頭部に一体に形成されており、地表面GLよりも高い位置に配置されており、地表面GLから上方へ突出する杭3の上部はフーチング4の下方にて露出している。フーチング4に圧着される基礎梁5も、地表面GLよりも高い位置に配置されており、地表面GLと基礎梁5の下面との間には所定の高さを有する空間Sが形成されている。なお、地表面GLとは、杭基礎2を構築する前の地盤の表面を意味し、杭基礎2の構築のために掘削した地盤の表面を意味するものではない。また、地表面GLは、地盤の表面を限定するものではなく、地盤の上に施されたコンクリートやアスファルトなどによる舗装の表面であってよい。
空間Sの高さは、非常用発電機や分電盤など、建物1の設備機械41を設置可能且つ人がこれらの設備機械41の設置・撤去や、点検、操作を行える寸法とされている。すなわち、基礎梁5が下から2層目の階のスラブを支持するための梁として機能しており、基礎梁5の下方の空間Sが建物1の最下階として利用可能である。つまり、杭基礎2の上部が建物1の最下階を形成する構造体として機能する。したがって、上部構造10の構築に要する時間を1階層分減らすことが可能になる。
建物1の下から2層目の階の柱11は、フーチング4の上に構築されるPCa柱13及びPCa仕口部材14の仕口部11aにより構成される。PCa柱13及びPCa仕口部材14は、この順でフーチング4上に配置された状態で、第3緊張材32によってフーチング4に圧着される。第3緊張材32もアンボンド緊張材とされている。具体的には、PCa柱13及びPCa仕口部材14の仕口部11aには、鉛直方向に延在する第5シース33(図14参照)が埋設されている。第3緊張材32は、フーチング4から突出する杭主筋31の上端に図示しないカプラーを介して接続される。第3緊張材32は、杭主筋31に接続された状態で、PCa柱13及びPCa仕口部材14を貫通し、PCa仕口部材14の上面から突出する長さを有している。PCa柱13及びPCa仕口部材14は、第3緊張材32が第5シース33(図14)を貫通するように配置される。第3緊張材32に緊張力が加えられ、その状態で第3緊張材32の上部に定着具25が取り付けられることで、第3緊張材32の緊張力はPCa仕口部材14に作用した状態で維持される。これにより、PCa仕口部材14はPCa柱13に、PCa柱13はフーチング4にそれぞれ圧着される。建物1の下から3層以上の階も同様に構成されている。
建物1の下から2層目の階のスラブは基礎梁5の上部に設けられる。建物1の下から3層目の階のスラブは梁12の上部に設けられる。建物1の下から2層目以上の階のスラブの上には内装ユニット42が載置され、固定される。内装ユニット42は、1つの部屋を画定する内装壁、床及び天井を一体に組み立ててなるユニットである。内装ユニット42は、トイレやユニットバス、キッチンなどを備えていてもよい。内装ユニット42は、例えば集合住宅として利用する場合には住戸として利用され、建物1をホテルとして利用する場合には客室として利用され、建物1を病棟82として利用する場合には病室として利用される。
図7~図10は、図1に示す建物1の構築手順の説明図である。建物1を構築する際には、以下の手順で作業を行う。まず図7(A)に示すように、地盤における柱11に整合する位置に杭3を構築する。杭3は、上記のように頭部が建物1の下から2層目の階のスラブに整合する高さとなるように構築する。その後、図7(B)に示すように、建物1の最下層の空間Sに設備機械41を設置し、杭3の頭部にフーチング4を載置する。図8(C)に示すように、互いに隣接する1対のフーチング4を連結するように基礎梁5を配置し、第1緊張材24によって基礎梁5の両端を対応するフーチング4に圧着する。図8(D)に示すように、杭主筋31に緊張力を加え、杭主筋31の上部に定着具25を取り付けることで、フーチング4を杭3に圧着する。また、基礎梁5の上部に図示しないスラブを構築する。これにより、建物1の杭基礎2が完成する。
次に、図9(E)に示すように、フーチング4の上にPCa柱13を載置し、杭基礎2の図示しないスラブの上に内装ユニット42を載置し、固定する。図9(F)に示すように、PCa柱13の上にPCa仕口部材14を載置し、Y方向に連続する1対のPCa仕口部材14を第2緊張材29により互いに圧着する。X方向に互いに隣接するPCa仕口部材14の間にはPCa梁15を配置し、PCa梁15の両端を第2緊張材29によりPCa仕口部材14の仕口部11a(図1参照)に圧着する。また、杭主筋31の上端には、PCa柱13及びPCa仕口部材14を上下に貫通するように第3緊張材32を接続しておく。図10(G)に示すように、第3緊張材32に緊張力を加え、第3緊張材32の上部に定着具25を取り付けることで、PCa仕口部材14をPCa柱13に、PCa柱13をフーチング4にそれぞれ圧着する。また、梁12の上部に図示しないスラブを構築する。これにより、建物1の上部構造10の1階層部分が完成する。上部構造10が複数階層に計画されている場合には、同様の手順を繰り返して1階層ごとに構築する。以上のようにして建物1は構築される。
図11は、第2変形例に係る建物1の図6に対応する立面図である。図11に示すように、この例では、杭3の地表面GLから突出量が上記実施形態に比べて小さい。具体的には、フーチング4が、下面を地表面GLに一致させる高さに配置されている。基礎梁5は、フーチング4の高さ(厚さ)よりも小さな梁成を有しており、フーチング4の上面に整合するように配置されている。そのため、基礎梁5の下面は地表面GLよりも高く、基礎梁5の下方には若干の隙間が形成されている。杭基礎2がこのように構成されていても、基礎梁5が地表面GL以上の位置に設けられているため、基礎梁5を構築する際に地盤を掘削する必要がない。そのため、地盤掘削を行った後にフーチング4及び基礎梁5を構築する場合に比べ、杭基礎2の構築に要する時間を短縮することが可能である。
図12は、第3変形例に係る建物1の図4に対応する平面図であり、図13は、第3変形例に係る建物1の図6に対応する立面図である。図12に示すように、この例では、Y方向梁12Yが、X方向梁12Xと同様に、プレキャストコンクリートからなるPCa梁15によって構成されている。X方向梁12XをなすPCa梁15及びY方向梁12YをなすPCa梁15はともに、第2緊張材29によって両端の第2断面拡大部26をPCa柱13からなる柱11に圧着されている。図13に示すように、1階分の柱11は、1階分の長さを有し、仕口部11aを一体に備えたPCa柱13によって構成されている。上部構造10はこのように構成されていても、上記実施形態と同様に、構築時間の短縮や、建物1撤去後のPCa梁15を再利用が可能である。
上記実施形態では、主に図6を参照して説明したように、プレキャストコンクリートからなるフーチング4が、杭3に設けられた杭主筋31を上下に貫通させるように杭3の上に配置される。しかしながら、杭3の水平方向の施工誤差が大きい場合には、フーチング4に設けられた貫通孔に杭主筋31を貫通させるようにフーチング4を配置すると、フーチング4の位置が計画位置からずれることになる。そこで、図14に示すように、杭3とフーチング4とを図6とは異なる態様で接合するとよい。
図14は、図3に示す建物1の要部を一部破断して模式的に示す縦断面図である。図14に示すように、プレキャストコンクリートからなるフーチング4の下面には杭3の断面よりも大きな断面を有する下向き開放の第1凹部51が形成されている。第1凹部51の側面及び底面(天井面)には、より小さな凹部からなるシアコッタ52が形成されている。フーチング4の外周部分には第1凹部51を取り囲むように鉄筋53が配置され、フーチング4の内部には上記の第2シース23が埋設されている。杭3の内部には杭主筋54が埋設されており、杭主筋54は杭3の上面から上方に突出している。フーチング4は、第1凹部51に杭3の頭部を受容するように配置され、杭3の頭部を受容した状態で第1凹部51には充填材55が充填されている。これにより、フーチング4は杭3の頭部に接合され、杭3と一体になっている。杭3の頭部の外周面に充填材55に係合する係合構造が設けられていてもよい。
このようにフーチング4をなすPCa部材の下面に杭3の断面よりも大きな第1凹部51が形成されている。そのため、杭頭の平面上の位置が柱11の計画位置からずれていたとしても、フーチング4を柱11の計画位置に合わせて配置し、充填材55を介して杭3に接合することができる。また、フーチング4がプレキャストコンクリートからなるため、現場打ちコンクリートによってフーチング4を構築する場合に比べ、杭基礎2の構築に要する時間の短縮が可能である。
フーチング4には、上面から上方へ突出するようにアンカー56が埋設されている。アンカー56は下端が第1凹部51の上方に位置する長さとされており、その下端には定着用のアンカー部材57が取り付けられている。PCa柱13は、上記のように鉛直方向に延在する第5シース33を備えている。フーチング4に埋設されたアンカー56の上端には、接手部材58を介して第3緊張材32が接続されている。PCa柱13は、第3緊張材32を第5シース33に挿通するように配置され、上記のように第3緊張材32によってフーチング4に圧着されている。
このようにPCa柱13がアンボンド緊張材からなる第3緊張材32によってフーチング4に圧着されるため、建物1を撤去する際には、第3緊張材32による連結を解除することでPCa柱13を再利用することが可能である。
図15は、第4変形例に係る建物1の図14に対応する要部縦断面図である。この例のフーチング4は、現場打ちコンクリートによって構築されている点で図14の例と異なる。図15に示すように、フーチング4は、基礎梁5の第1断面拡大部21に設けられた第1シース22に連続するように第2シース23が型枠内に配置された状態で打設された現場打ちコンクリートによって構築される。そのため、杭頭の平面上の位置が柱11の計画位置からずれていたとしても、柱11の計画位置に適合する位置に容易にフーチング4を構築することができる。また、フーチング4の内部に第2シース23が埋設されるため、フーチング4を貫通するように第1緊張材24を配置し、第1緊張材24によって基礎梁5をフーチング4に圧着させることができる。
杭3の上面には上向き開放の第2凹部61が形成されている。第2凹部61は、柱11の断面と同程度かそれよりも大きな断面を有している。フーチング4には上面から上方へ突出するようにアンカー56が埋設されている。アンカー56は下端が第2凹部61に突入する長さとされており、その下端には定着用のアンカー部材57が取り付けられている。PCa柱13は、上記のように鉛直方向に延在する第5シース33を備えている。フーチング4に埋設されたアンカー56の上端には、接手部材58を介して第3緊張材32が接続されている。PCa柱13は、第3緊張材32を第5シース33に挿通するように配置され、上記のように第3緊張材32によってフーチング4に圧着されている。
このように杭3の上面に第2凹部61が形成されているため、杭頭の平面上の位置が柱11の計画位置からずれていたとしても、柱11の計画位置に適合する位置に、第2凹部61に下端が受容される長さのアンカー56を設けることができる。また、PCa柱13が第3緊張材32によってフーチング4に圧着されるため、建物1を撤去する際には、第3緊張材32による連結を解除することでPCa柱13を再利用することが可能である。
図16は、アンボンド緊張材の緊張手順を説明するための建物1の平面図である。ここでは、杭基礎2を例にして、第1緊張材24の緊張作業のステップを順に説明するが、後述するように上部構造10に用いる第2緊張材29についても適用可能である。
図16に示すように、第1緊張材24の緊張を行う前準備として、3つ以上のフーチング4を1列に配置し、2つ以上の基礎梁5を、それぞれに対応する1対のフーチング4の間に直線状に配置しておく。その後、フーチング4及びこれに接合されるべき基礎梁5の第1断面拡大部21を貫通するように、複数の第1緊張材24を同一直線上に配置する。同一直線上に配置された2つ以上の第1緊張材24を連結用緊張材71によりカプラーを介して連結し、連続する1本の長尺な連続緊張材72とする。続けて、連続緊張材72の一方の端部にジャッキ73を取り付け、連続緊張材72に緊張力を作用させる。その状態で、複数の第1緊張材24の両端を、定着具25を用いて対応する第1断面拡大部21又はフーチング4に定着させる。第1緊張材24の定着後、ジャッキ73の緊張力を解除し、連結用緊張材71を取り外す。
このように緊張作業を行うことにより、フーチング4の両側に直線状に配置される1対の基礎梁5の互いに近接する端部をフーチング4に圧着させるために、フーチング4ごとに第1緊張材24に緊張力を作用させる必要がない。そのため、フーチング4と基礎梁5との圧着作業に要する時間を短縮することができる。
図示省略するが、上部構造10に対して緊張作業を行う場合には、以下のステップを順に行う。まず、3つ以上のPCa柱13を1列に配置し、2つ以上のPCa梁15を、それぞれに対応する1対のPCa柱13の間に直線状に配置しておく。その後、PCa柱13及びこれに接合されるべきPCa梁15の第2断面拡大部26を貫通するように、複数の第2緊張材29を同一直線上に配置する。同一直線上に配置された2つ以上の第2緊張材29を連結用緊張材71によりカプラーを介して連結し、連続する1本の長尺な連続緊張材72とする。続けて、連続緊張材72の一方の端部にジャッキ73を取り付け、連続緊張材72に緊張力を作用させる。その状態で、複数の第2緊張材29の両端を、定着具25を用いて対応する第2断面拡大部26又は柱11に定着させる。第2緊張材29の定着後、ジャッキ73の緊張力を解除し、連結用緊張材71を取り外す。
このように緊張作業を行うことにより、PCa柱13の両側に直線状に配置される1対のPCa梁15の互いに近接する端部をPCa柱13に圧着させるために、PCa柱13ごとに第2緊張材29に緊張力を作用させる必要がない。そのため、PCa柱13とPCa梁15との圧着作業に要する時間を短縮することができる。
図17は、このように構成される建物1の用途変更の説明図である。図17(A)は、駐車場81として利用される建物1の正面図を示し、図17(B)は、用途変更手順を示す建物1の側面図を示し、図17(C)は、病棟82として利用される建物1の正面図を示している。
図17(A)に示すように、この状態では、上部構造10の内部には内装ユニット42は設けられておらず、建物1は駐車場81として利用される。建物1の上部構造10は複数の階層を有しており、いわゆる立体駐車場を構成する。階層間の車両の移動は、建物1に設けられたスロープを車両が自走することによって行われてもよく、建物1に設けられた車両を移送可能な昇降設備によって行われてもよい。
感染症が流行すると、感染者を隔離するために多くの病室が必要になることがある。そのような場合には、駐車場81として利用している建物1を病棟82として利用したいという要望が生じることが考えられる。そこで、本実施形態では、建物1の内部に設備機械41や病室として利用可能な内装ユニット42を設置することにより改築し、図17(C)に示すように建物1を病棟82として利用する。駐車場81として利用されている建物1は、病院の敷地内に構築されていてもよく、他の施設に併設され、或いは専用駐車場として構築されていてもよい。
建物1の改築の際には、図17(B)に示すように、建物1の最下層に設備機械41を設置し、下から2層目以上の階に内装ユニット42を設置するとよい。設備機械41は最下層に設置されるため、地面上で設備機械41の搬入作業を行うことができ、改築作業が容易である。内装ユニット42は2層目以上の階に設置されるため、内装ユニット42を図示しないクレーンで吊り、駐車場81として利用していた上部構造10に対し、上部構造10の外方から水平方向に挿入し、上部構造10の内部に固定するとよい。これにより、駐車場81として利用していた建物1を病棟82に改築することができる。
感染症の流行が終息し、建物1を病棟82として利用する必要がなくなったときには、病棟82として利用していた建物1を駐車場81に改築することができる。具体的には、上部構造10に設置されている内装ユニット42の固定を解除し、上部構造10から内装ユニット42を外方へ水平方向に抜き出し、設備機械41を撤去することで建物1を改築し、上部構造10を駐車場81に戻すことができる。
このように建物1は、病室として利用可能な内装ユニット42を設置せずに上部構造10を駐車場81として利用する第1利用方法と、内装ユニット42を上部構造10の内部に設置して上部構造10を病棟82として利用する第2利用方法とを選択可能である。そして内装ユニット42を上部構造10の内部に設置することで駐車場81を病棟82に変更でき、上部構造10の内部から内装ユニット42を撤去することで病棟82を駐車場81に変更できるため、上部構造10の用途変更が容易である。また、上部構造10を必要に応じて駐車場81又は病棟82として利用できるため、両方を構築する場合に比べて用地や建築費用が削減される。更に、用途変更によって上部構造10を病棟82として利用できるため、必要なときに病棟82を新築する場合に比べ、短時間で病棟82の利用が可能になる。
図18は、病棟82の第1利用例を示す建物1の平面図である。図18に示すように、この例では、内装ユニット42が駐車スペースと概ね同じ大きさとされており、駐車スペースのそれぞれに内装ユニット42が設置されている。感染症が疑われる或いは感染症に罹患した患者は、車両に載せられ、外部との接触を遮断した状態で、入室すべき病室として利用される内装ユニット42に搬送される。駐車スペースと同じ数の内装ユニット42を設置することができるため、建物1に数多くの病室を確保することができる。
図19は、病棟82の第2利用例を示す建物1の平面図である。図19に示すように、この例では、内装ユニット42が駐車スペースに対して1つおきに設置されている。このような配置の場合、内装ユニット42に隣接する一方の駐車スペースを、入室する患者用の駐車スペースとして利用することができる。したがって、感染症が疑われる或いは感染症に罹患した患者は、自らが所有する車両に乗って定められた病室(内装ユニット42)へ自分で移動できる。また、退院時には病室の横に停めてある自分の車両に乗って帰宅することができる。或いは、患者の隔離が不要な場合は、内装ユニット42の横の駐車スペースを、入院患者を見舞いに来る来客用の駐車スペースとして利用してもよい。
図20は、病棟82の第3利用例を示す建物1の立面図である。図20に示すように、この例では、建物1の最下階がドライブスルー形式の検査所として利用される。建物1の上層階には、病室として利用可能な内装ユニット42が設置されており、建物1は検査兼入院用の病棟82として利用される。病棟82に必要な設備機械41は、建物1の下から2層目の階に設けられるとよい。この建物1では、感染症が疑われる患者が建物1の最下階で車両に乗ったまま検査を受け、感染症に罹患していることが判明した場合には、患者が直接、外部の人と接触することなく病室(内装ユニット42)に入室することができる。
他の実施形態では、建物1を空港内に構築し、平常時には駐車場81として利用し、感染症の流行時には、感染が広がっている国や地域から入国する旅客を隔離するための隔離施設として利用してもよい。
図17を参照して説明したように、駐車場81などとして利用されている既設の建物1を病棟82などに改築する場合は、短期間で建物1の改築が可能である。しかしながら、そのように用途変更可能な建物1がない場合には、建物1を新築する必要があり、その場合には一定の期間が必要になる。上記のように基礎梁5の両端は第1緊張材24によってフーチング4に圧着されるため、杭基礎2は構築時間を短縮可能である。しかしながら、杭3を構築するためには比較的長い期間が必要になる。
そこで、建物1が急に必要になることが予測される場合には、杭3を予め構築しておくとよい。例えば、将来の感染症の流行や、災害発生時の避難所の確保に備えて、公園などの公共用地に病棟82や避難所として利用するための建物1の杭3を構築しておくことが考えられる。このように杭3を予め構築しておくことにより、病棟82や避難所が急に必要になった際には、フーチング4を構築し、第1緊張材24を用いて基礎梁5をフーチング4に圧着することで杭基礎2を急速施工することができる。また、上部構造10についても、PCa部材とアンボンドPC線を用いて急速施工することができる。
予め構築しておく杭3は、図11に示すようにフーチング4の下面を地表面GLに一致させる構成とするとよい。このようにすれば、杭3の地表面GLからの突出量が小さく、平常時に杭3が邪魔になりにくい。或いは、杭3が地表面GLから突出しないように構築し、フーチング4を施工する際に地盤の表層を掘削するか、地表面GLから若干突出する杭3が隠れるように盛土を施してもよい。このようにすれば、平常時に杭3が邪魔になることがない。
一方、図6に示すように杭3を地表面GLから上方へ大きく突出するように構築しておいてもよい。この場合、平常時には杭3は見えているが、公園などのモニュメントとして利用することもできる。
図21は、予め構築した杭3の利用例を示す(A)斜視図、(B)縦断面図である。図21(A)に示すように、この例では、杭3は地表面GLから突出しない高さに構築されている。杭3はX方向及びY方向(図1参照)に所定の間隔を空けて配列される。そこで、複数の杭3によって囲まれる範囲に調整池90が設けられ、杭3が調整池90の構造の一部として利用されている。X方向及びY方向に互いに隣接する杭3の間には土留め壁91が設けられ、杭3及び土留め壁91によって囲まれる位置には樹脂製の貯留構造体92が設けられている。図21(B)に示すように、貯留構造体92の周りには遮水シート93が敷設され、遮水シート93と土留め壁91との間は土94が埋め戻されている。この構成により、調整池90の上方を開放して、公園などの一部として利用することができる。
このように建物1を、必要時に構築してある用途に利用する場合、その後に建物1が不要になることも考えられる。この場合は、上記のように建物1を改築して別の用途に利用することも可能であるが、建物1を解体して別の場所に移して再利用することも可能である。
つまり、上部構造10がPCa部材をアンボンド緊張材で圧着することで構築している場合には、アンボンド緊張材の圧着を解除してPCa部材を解体し、別の場所に移送した後に再度組み立てて上部構造10を構築することができる。
杭基礎2については、第1緊張材24による圧着を解除して基礎梁5を解体し、別の場所に構築する建物1に基礎梁5を再利用することができる。杭3及びフーチング4は、図14や図15に示す構成の場合には解体して再利用することはできない。一方、図6に示すように杭主筋31によってフーチング4が杭3に圧着されている場合には、杭主筋31による圧着を解除してフーチング4を解体し、別の場所に構築する建物1にフーチング4を再利用することができる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、各部材や部位の具体的構成や配置、数量、素材、施工手順など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。一方、上記実施形態に示した各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜選択することができる。
1 :建物
2 :杭基礎
3 :杭
4 :フーチング
5 :基礎梁
5X :X方向基礎梁
5Y :Y方向基礎梁
10 :上部構造
11 :柱
11a :仕口部
12 :梁
12X :X方向梁
12Y :Y方向梁
13 :PCa柱
14 :PCa仕口部材
15 :PCa梁
21 :第1断面拡大部
22 :第1シース
23 :第2シース
24 :第1緊張材
25 :定着具
26 :第2断面拡大部
27 :第3シース
28 :第4シース
29 :第2緊張材
32 :第3緊張材
33 :第5シース
41 :設備機械
42 :内装ユニット
51 :第1凹部
55 :充填材
56 :アンカー
61 :第2凹部
71 :連結用緊張材
72 :連続緊張材
81 :駐車場
82 :病棟

Claims (4)

  1. プレキャストコンクリート製の複数のPCa柱と、互いに隣接する1対の前記PCa柱を連結するプレキャストコンクリート製のPCa梁とを備える上部構造を備えた建物の構築方法であって、
    部材軸方向に延在する第3シースを備えた第2断面拡大部を両端に有する複数の前記PCa梁を用意するステップと、
    前記第3シースに連続するべき第4シースが設けられた複数の前記PCa柱を用意するステップと、
    3つ以上の前記PCa柱を1列に配置するステップと、
    2つ以上の前記PCa梁を、それぞれに対応する1対の前記PCa柱の間に直線状に配置するステップと、
    前記PCa柱及びこれに接合されるべき前記PCa梁の前記第2断面拡大部を貫通するように、複数の緊張材を同一直線上に配置するステップと、
    同一直線上に配置された2つ以上の前記緊張材を連結用緊張材により連結し、連続する1本の長尺な連続緊張材とするステップと、
    前記連続緊張材に緊張力を作用させ、複数の前記緊張材の両端を対応する前記第2断面拡大部又は前記PCa柱に定着させるステップと、を含むことを特徴とする建物の構築方法。
  2. 前記緊張材が、前記PCa柱及び前記PCa梁に付着しないアンボンド緊張材からなることを特徴とする請求項1に記載の建物の構築方法。
  3. 複数の杭のそれぞれの頭部に一体に設けられる複数のフーチングと、互いに隣接する1対の前記フーチングを連結する基礎梁とを備える杭基礎を備えた建物の構築方法であって、
    材軸方向に延在する第1シースを備えた第1断面拡大部が両端に形成されたプレキャストコンクリートからなる複数の前記基礎梁を用意するステップと、
    3つ以上の前記フーチングを1列に配置するステップと、
    2つ以上の前記基礎梁を、それぞれに対応する1対の前記フーチングの間に直線状に配置するステップと、
    前記フーチング及びこれに接合されるべき前記基礎梁の前記第1断面拡大部を貫通するように、複数の緊張材を同一直線上に配置するステップと、
    同一直線上に配置された2つ以上の前記緊張材を連結用緊張材により連結し、連続する1本の長尺な連続緊張材とするステップと、
    前記連続緊張材に緊張力を作用させ、複数の前記緊張材の両端を対応する前記第1断面拡大部又は前記フーチングに定着させるステップと、を含むことを特徴とする建物の構築方法。
  4. 前記緊張材が、前記フーチング及び前記基礎梁に付着しないアンボンド緊張材からなることを特徴とする請求項3に記載の建物の構築方法。
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