JP4610780B2 - 発光パネルの駆動方法及び駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子等からなる複数の容量性発光素子がマトリクス状に配列されてなる発光パネルを発光駆動する駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、表示装置の大型化に伴い、薄型の表示装置が要求され、各種の薄型表示装置が実用化されている。このような薄型の表示装置における画素を担う表示素子として、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、単にEL素子という)が知られている。
【0003】
図1は、EL素子を電気的に表す等価回路を示す図である。
図1から分かるように、EL素子は、容量成分Cと、該容量成分に並列に結合するダイオード特性の成分Eとによる構成に置き換えることができる。よって、EL素子は、容量性の発光素子であると考えられる。EL素子は、直流の発光駆動電圧が電極間に印加されると、電荷が容量成分Cに蓄積され、続いて当該素子固有の障壁電圧または発光閾値電圧を越えると、電極(ダイオード成分Eの陽極側)から発光層を担う有機機能層に電流が流れ始め、この電流に比例した強度で発光する。
【0004】
図2は、EL素子の電圧V−電流I−輝度L特性を示す図である。
図2に示すように、ダイオードの特性に類似しており、発光閾値電圧Vth以下の電圧では電流Iは極めて小さく、発光閾値電圧Vth以上の電圧になると電流Iは急激に増加する。また、電流Iと輝度Lはほぼ比例する。このような素子は、発光閾値電圧Vthを超える駆動電圧を素子に印加すれば当該駆動電圧に応じた電流に比例した発光輝度を呈し、印加される駆動電圧が発光閾値電圧Vth以下であれば発光起動電流が流れず発光輝度もゼロに等しいままである。
【0005】
図3は、複数のEL素子がマトリクス状に配列されてなる発光パネルを搭載したELディスプレイ装置の概略構成を示す図である。
図3において、発光パネル11には、1画面のn個の水平走査ライン各々を担う陰極線(金属電極)B1〜Bnと、各陰極線に交叉して配列されたm個の陽極線(透明電極)A1〜Amと、画素を担うEL素子E1,1〜Em,nとが形成されている。1画面の各画素を担うEL素子E1,1〜Em,n各々は、陽極線A1〜Amと陰極線B1 〜Bnとの各交差部(計n×m個)に配置されており、その一端が陽極線、他端が陰極線に接続されている。
【0006】
陰極線走査回路1は、陰極線B1〜Bn各々の電位を個別に定める走査スイッチ51〜5nを有し、各々が、バイアス電位Vcc(例えば20V)及び接地電位(0V)のうちのいずれか一方の電位を、対応する陰極線Bに中継供給する。尚、バイアス電位Vccは、駆動対象となっていない陰極線に接続されたEL素子がクロストーク発光することを防止するために印加されるものである。
【0007】
陽極線ドライブ回路20は、電流源としての定電流ドライバ21〜2m、及び上記陽極線A1〜Am各々に対応して接続されている陽極駆動スイッチ61〜6mを有している。定電流ドライバ21〜2m各々は、EL素子E1、1〜Em,n各々を発光せしめるべき発光起動電流を発生する。陽極駆動スイッチ61〜6mの各々は、定電流ドライバ21〜2mから供給された発光起動電流を選択的に陽極線A1〜Amの各々に供給する。
【0008】
発光制御回路4は、発光パネル11にて、入力映像信号に対応した中間調の輝度表示を実現させるべく、陰極線走査回路1及び陽極線ドライブ回路20の各々を制御する。尚、かかる中間輝度表示を実施すべく発光制御回路4は、パルス幅変調を採用してEL素子の発光制御を実施する。すなわち、人の目には、発光体が発光している期間とその発光輝度との積に対応した輝度が視覚されることに着目して、単位時間当たりに実施するEL素子の発光期間を入力映像信号に応じて以下の如く制御するのである。
【0009】
先ず、発光制御回路4は、入力映像信号にて示される輝度レベルに対応した期間だけ論理レベル"1"を保つ駆動パルスを生成し、この駆動パルスを1水平走査ライン分(GP1〜GPm)ずつ陽極線ドライブ回路20に供給する。更に、発光制御回路4は、上記EL素子E1,1〜Em,n各々を1水平走査ライン分ずつ順次、駆動対象とすべき走査パルス信号SPを陰極線走査回路1に供給する。
【0010】
以上の如き制御により、陽極線ドライブ回路20の陽極駆動スイッチ61〜6m各々は、夫々に対応して供給された上記駆動パルスGPが論理レベル"1"である期間中に限りオン状態となり、定電流ドライバ2から供給された発光起動電流を陽極線Aに供給する。更に、この間、陰極線走査回路1の走査スイッチ51〜5n各々の内で、走査パルス信号SPが供給された走査スイッチ5のみが陰極線Bに接地電位を印加する。尚、走査パルス信号SPが供給されなかった走査スイッチ5は、全て、陰極線Bにバイアス電位Vccを印加する。ここで、陰極線B1〜Bn各々の内で接地電位の印加された陰極線Bは、その陰極線に接続されたEL素子を発光可能とする走査線となる。従って、走査線となった陰極線B上に接続されているEL素子のみに発光起動電流が流れ込み、この発光起動電流が供給されている間、EL素子が発光する。
【0011】
次に、実際の発光制御動作についてを、図3の状態、すなわち、発光パネル11の陰極線B1を走査している際にEL素子E1,1及びE2,1各々を発光させた場合を例にとって説明する。尚、説明を分かり易くするために、図3においては、発光中のEL素子をダイオード記号、非発光状態のEL素子をコンデンサ記号にて示している。
【0012】
図3に示すように、陰極線B1の走査中では、走査スイッチ51のみが0Vの接地電位側に切り換えられ、他の陰極線B2〜Bnには走査スイッチ52〜5nによってバイアス電位Vccが印加されている。同時に、陽極線A1及びA2には、ドライブスイッチ61及び62によって定電流ドライバ21及び22が接続されている。よって、EL素子E1,1とE2,1のみが順方向にバイアスされ、夫々に定電流ドライバ21及び22から矢印のように発光起動電流が流れ込み、これらEL素子E1,1とE2,1の各々は、所定の輝度で発光する。つまり、図4(a)に示す如く、論理レベル"1"の駆動パルスGPが供給されている間に亘りEL素子には発光起動電流が流れ込み、EL素子は所定輝度LPで発光するのである。そして、図4(a)に示す如く、駆動パルスGPが論理レベル"1"から"0"に推移すると、ドライブスイッチ6がオフ状態となり、EL素子に対する発光起動電流の供給が停止する。EL素子は容量性の発光素子である為、発光起動電流の供給停止後もその内部に残留した残留電荷の影響により図4(a)に示す如くその輝度レベルを緩やかに低下させつつも発光を継続する。
【0013】
この際、人の目には、図4(a)中の斜線にて示されるが如き、EL素子が発光している期間とその発光輝度との積に対応した輝度が視覚される。尚、EL素子の発光期間を決定しているのは駆動パルスGPのパルス幅である。従って、図4(a)に示す如き駆動パルスGPのパルス幅Tを変更することにより段階的に中間調の輝度が表現されるのである。
【0014】
例えば、入力映像信号の輝度レベルを16段階つまり第1階調〜第16階調で表現する場合、第1階調では、最低の輝度レベル"0"を表現すべくEL素子の発光を実施しない。又、この輝度レベル"0"よりも1段階だけ高輝度を表現する第2階調では、発光制御回路4は、図4(b)に示す如く、駆動パルスGPとして取り得る最低のパルス幅TMINを陽極線ドライブ回路20に供給する。この際、EL素子は、上記パルス幅TMINの期間に亘り所定輝度LPで発光し、その後、図4(b)に示す如くその輝度レベルを緩やかに低下させて行く。よって、第2階調では、図4(b)中の斜線にて示されるが如き、EL素子が発光している期間とその発光輝度との積に対応した輝度が視覚される。以降、階調が増加する毎に段階的に駆動パルスGPのパルス幅Tを大にすることにより、EL素子が発光している期間とその発光輝度との積によって表現される視覚上の輝度を増して行くのである。
【0015】
従って、各階調間での輝度差は、駆動パルスGPのパルス幅Tによってのみ決定することになる。
ところが、輝度レベル"0"を表現する第1階調と、それよりも1段階だけ高輝度なレベルを表現する第2階調との輝度差は、駆動パルスGPのパルス幅TMINによって決定する分と、図4(b)の波線にて囲まれた部分を加算したものになる。すなわち、第1階調と、第2階調との輝度差は、他の階調間同士での輝度差よりも図4(b)中の斜線にて囲まれる分だけ大となってしまうのである。
【0016】
よって、従来のELディスプレイ装置では、比較的低輝度な画像を表示する際には、入力映像信号に対応した適正な中間輝度を得ることができないという問題があった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる問題点を解決すべく為されたものであり、消費電力の増加を最小限に抑制しつつ、低輝度な画像を表示する際にも、入力映像信号にて示される輝度レベルに対応した適正な中間輝度を表現することができる発光パネルの駆動方法及び駆動装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発光パネルの駆動方法は、互いに交差する複数の陽極線及び陰極線と、前記陽極線及び前記陰極線の各交差部において前記陽極線及び前記陰極線間に接続された複数の有機エレクトロルミネッセンス素子とからなる発光パネルを入力映像信号に応じて駆動する発光パネルの駆動方法であって、前記入力映像信号に基づく輝度レベルが所定輝度よりも低輝度である場合には、発光起動電流を発生する電流源と前記陽極線とを接続することにより前記有機エレクトロルミネッセンス素子に前記発光起動電流の供給を開始してから所定期間経過後に、前記入力映像信号に基づく輝度レベルに応じた期間に亘り前記陽極線を開放する第1行程と、前記陽極線に前記基準低電位を印加する第2行程と、を順次実行する。
又、請求項3記載の発光パネルの駆動方法は、互いに交差する複数の陽極線及び陰極線と、前記陽極線及び前記陰極線の各交差部において前記陽極線及び前記陰極線間に接続された複数の有機エレクトロルミネッセンス素子とからなる発光パネルを入力映像信号に応じて駆動する発光パネルの駆動方法であって、前記入力映像信号に基づく輝度レベルが所定輝度よりも低輝度である場合には、前記陽極線及び前記陰極線の各々に所定のバイアス電位を印加するリセット行程と、前記陰極線各々に対して択一的に順次、所定の基準低電位を印加しつつ前記入力映像信号に基づく輝度レベルに応じた期間に亘り前記陽極線を開放する陽極線開放行程と、前記陽極線に前記基準低電位を印加する行程と、を順次実行する。
又、請求項4記載の発光パネルの駆動方法は、互いに交差する複数の陽極線及び陰極線と、前記陽極線及び前記陰極線の各交差部において前記陽極線及び前記陰極線間に接続された複数の有機エレクトロルミネッセンス素子とからなる発光パネルを入力映像信号に応じて駆動する発光パネルの駆動方法であって、前記入力映像信号に基づく輝度レベルが所定輝度よりも高輝度である場合には、前記陽極線及び前記陰極線の各々に所定のバイアス電位を印加するリセット行程と、前記陰極線各々に対して択一的に順次、所定の基準低電位を印加しつつ前記輝度レベルに応じた期間に亘り発光起動電流を前記陽極線上に供給する発光行程と、前記陽極線を開放する陽極線開放行程と、を順次実行する一方、前記輝度レベルが所定輝度よりも低輝度である場合には、前記陽極線及び前記陰極線の各々に所定のバイアス電位を印加するリセット行程と、前記陰極線各々に対して択一的に順次前記基準低電位を印加しつつ前記輝度レベルに応じた期間に亘り前記陽極線を開放する陽極線開放行程と、前記陽極線に前記基準低電位を印加する行程と、を順次実行する。
又、請求項5記載の発光パネルの駆動方法は、互いに交差する複数の陽極線及び陰極線と、前記陽極線及び前記陰極線の各交差部において前記陽極線及び前記陰極線間に接続された複数の有機エレクトロルミネッセンス素子とからなる発光パネルを入力映像信号に応じて駆動する発光パネルの駆動方法であって、前記入力映像信号に基づく輝度レベルが所定輝度よりも低輝度である場合には、前記陰極線に所定のバイアス電位を印加すると共に前記陽極線に所定の基準低電位を印加する逆バイアス行程と、前記陰極線各々に対して択一的に順次前記基準低電位を印加しつつ前記入力映像信号に基づく輝度レベルに応じた期間に亘り発光起動電流を前記陽極線上に供給する発光行程と、前記陽極線を開放する陽極線開放行程と、を順次実行する。
又、請求項6記載の発光パネルの駆動方法は、互いに交差する複数の陽極線及び陰極線と、前記陽極線及び前記陰極線の各交差部において前記陽極線及び前記陰極線間に接続された複数の容量性の有機エレクトロルミネッセンス素子とからなる発光パネルを入力映像信号に応じて駆動する発光パネルの駆動方法であって、前記入力映像信号に基づく輝度レベルが所定輝度よりも高輝度である場合には、前記陽極線及び前記陰極線の各々に所定のバイアス電位を印加するリセット行程と、前記陰極線各々に対して択一的に順次所定の基準低電位を印加しつつ前記輝度レベルに応じた期間に亘り発光起動電流を前記陽極線上に供給する発光行程と、前記陽極線を開放する陽極線開放行程と、を順次実行する一方、前記輝度レベルが所定輝度よりも低輝度である場合には、前記陰極線に所定のバイアス電位を印加すると共に前記陽極線に前記基準低電位を印加する逆バイアス行程と、前記陰極線各々に対して択一的に順次前記基準低電位を印加しつつ前記入力映像信号に基づく輝度レベルに応じた期間に亘り発光起動電流を前記陽極線上に供給する発光行程と、前記陽極線を開放する陽極線開放行程と、を順次実行する。
【0019】
又、請求項7記載の発光パネルの駆動装置は、互いに交差する複数の陽極線及び陰極線と、前記陽極線及び前記陰極線の各交差部において前記陽極線及び前記陰極線間に接続された複数の有機エレクトロルミネッセンス素子とからなる発光パネルを入力映像信号に応じて発光駆動する発光パネルの駆動装置であって、前記有機エレクトロルミネッセンス素子を発光せしめるべき発光起動電流を発生する電流源と、前記陽極線に所定のバイアス電位を印加するバイアス電位印加状態、前記陽極線に前記発光起動電流を供給する発光起動電流供給状態、前記陽極線を開放する陽極線開放状態、及び前記陽極線に所定の基準低電位を印加する第1基準低電位印加状態のいずれか1の状態を有する陽極駆動スイッチと、前記陰極線に前記バイアス電位を印加するバイアス走査状態と、前記陰極線に前記基準低電位を印加する第2基準低電位印加状態のいずれか1の状態を有する走査スイッチと、前記入力映像信号に基づく輝度レベルが所定輝度よりも低輝度であるか否かを判定する低輝度判定回路と、前記低輝度判定回路によって前記入力映像信号に基づく輝度レベルが所定輝度よりも低輝度であると判定されたときに、前記陽極駆動スイッチ及び前記走査スイッチを共に前記バイアス電位印加状態に設定せしめた後、前記走査スイッチを前記第2基準低電位印加状態に切り換えると共に前記入力映像信号によって表される輝度レベルに応じた期間に亘り前記陽極駆動スイッチを前記陽極線開放状態に保持させてから前記陽極駆動スイッチを前記第1基準低電位印加状態に切り換える発光制御手段と、を有する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図5は、容量性の発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた本発明の一実施例たるELディスプレイ装置の概略的な構成を示す図である。
図5において、発光パネル11には、1画面の第1〜第n水平走査ライン各々を担う陰極線(金属電極)B1〜Bnと、各陰極線に交叉して配列されたm個の陽極線(透明電極)A1〜Amと、画素を担うEL素子E1,1〜Em,nとが形成されている。1画面の各画素を担うEL素子E1,1〜Em,n各々は、陽極線A1〜Amと陰極線B1 〜Bnとの各交差部(計n×m個)に配置されており、その一端が陽極線、他端が陰極線に接続されている。
【0021】
陰極線走査回路1は、陰極線B1〜Bn各々の電位を個別に定める走査スイッチ51〜5nを有し、夫々がバイアス電位Vcc(例えば20V)及び接地電位(0V)のうちのいずれか一方の電位を、対応する陰極線Bに中継供給する。この際、陰極線B1〜Bn各々の内で、上記接地電位に設定された陰極線のみが駆動対象となる。尚、バイアス電位Vccは、駆動対象外の陰極線各々に接続されたEL素子でのクロストーク発光を防止すべく印加されるものである。
【0022】
陽極線ドライブ回路20は、電流源としての定電流ドライバ21〜2m、及び上記陽極線A1〜Am各々に対応して接続されている陽極駆動スイッチ601〜60mを有している。定電流ドライバ21〜2m各々は、EL素子E1、1〜Em,n各々を発光せしめるべき発光起動電流を発生する。陽極駆動スイッチ601〜60mの各々には、夫々に対応した陽極駆動スイッチ切換信号SW1〜SWmが供給される。各陽極駆動スイッチ60は、その陽極駆動スイッチ60に供給された陽極駆動スイッチ切換信号SWに応じて、以下の4つの接続ポジションのいずれか1つに設定される。
【0023】
1) VccポジションVP
2) 駆動ポジションDP
3) 開放ポジションOP
4) 接地ポジションGNP
この際、上記VccポジションVPに設定されると、陽極駆動スイッチ60は、上記バイアス電位Vccをこの陽極駆動スイッチ60に対応して接続されている陽極線Aに印加する。又、上記駆動ポジションDPに設定されると、陽極駆動スイッチ60は、定電流ドライバ2から供給された発光起動電流を陽極線Aに供給する。又、上記開放ポジションOPに設定されると、陽極駆動スイッチ60はオフ状態となる。又、接地ポジションGNPに設定されると、陽極駆動スイッチ60は接地電位を陽極線Aに印加する。
【0024】
発光制御回路40は、同期検出回路41、電極駆動制御回路42、A/D変換器43、発光期間変換回路44、及び低輝度判定回路45から構成される。
同期検出回路41は、入力映像信号から水平同期信号の検出を行って水平同期検出信号Hを生成し、これを電極駆動制御回路42に供給する。A/D変換器43は、入力映像信号を各画素に対応した例えば4ビットの輝度データPDに変換し、これを発光期間変換回路44及び低輝度判定回路45の各々に供給する。発光期間変換回路44は、かかる輝度データPDを図6に示す如き変換テーブルに従って、EL素子を発光させる期間を指定する発光期間データTDに変換し、これを電極駆動制御回路42に供給する。低輝度判定回路45は、輝度データPDが例えば図6に示す如き"5"よりも低輝度を表すデータであるか否かを示す低輝度判定信号LTを電極駆動制御回路42に供給する。
【0025】
電極駆動制御回路42は、上記発光期間データTDを1水平走査ライン分(m個)ずつ取り込む。そして、電極駆動制御回路42は、発光パネル11の第1〜第n水平走査ライン各々を順次駆動対象とした図7に示す如き第1ライン駆動行程〜第nライン駆動行程によって、各水平走査ライン毎に電極駆動制御を行う。
この際、電極駆動制御回路42は、上記低輝度判定信号LTが低輝度を示していない場合、つまり入力映像信号が例えば図6に示す如き輝度レベル"4"よりも高輝度である場合には、下記に説明する通常駆動モードに基づく電極駆動制御を行う。
【0026】
[通常駆動モード]
通常駆動モードでは、電極駆動制御回路42は、図7に示す第1ライン駆動行程〜第nライン駆動行程の各々において図8(a)に示す如き駆動シーケンスに従った電極駆動を実施する。
先ず、図8(a)に示すリセット行程において、電極駆動制御回路42は、陰極線走査回路1の走査スイッチ51〜5nの全てを図9に示す如くバイアス電位Vcc側への接続状態に設定すべく陰極線走査回路1を制御する。更に、電極駆動制御回路42は、陽極線ドライブ回路20の陽極駆動スイッチ601〜60mを全て図9に示す如くVccポジションVPへの接続状態に設定すべき陽極駆動スイッチ切換信号SW1〜SWmを陽極線ドライブ回路20に供給する。これにより、EL素子E1、1〜Em,n各々の両端が短絡され、全てのEL素子E1、1〜Em,nの内部に残留していた電荷が放電して消滅する。
【0027】
次に、図8(a)に示す発光行程において、電極駆動制御回路42は、図7に示す如き形態にて駆動対象となった陰極線Bに接続されている走査スイッチ5のみを接地電位側への接続状態に切り換えるべく陰極線走査回路1を制御する。これにより、例えば、図10に示す一例では、走査スイッチ51〜5n各々の内で走査スイッチ51だけが接地電位側への接続状態に設定され、陰極線B1のみが駆動対象になる。更に、この間、電極駆動制御回路42は、上記陽極駆動スイッチ601〜60m各々を発光期間データTD1〜TDmにて示される期間に亘り駆動ポジションDPに保持すべき陽極駆動スイッチ切換信号SW1〜SWmを生成し、陽極線ドライブ回路20に供給する。陽極線ドライブ回路20の陽極駆動スイッチ601〜60m各々が駆動ポジションDPに設定されると、その間、定電流ドライバ2が発生した発光起動電流が陽極線Aに流れ込む。よって、駆動対象となった陰極線B上に接続されているEL素子は、上記発光起動電流が供給されている間、図8(a)に示す如く所定輝度LPで定常発光する。例えば、図10に示すように、陰極線B1が駆動対象となっている際に、発光期間"3"を表す発光期間データTD1が供給されると、陽極駆動スイッチ601は、発光期間"3"に亘り図10に示す如き駆動ポジションDPに設定される。よって、陽極線A1上には上記発光期間"3"に対応した時間に亘り発光起動電流が流れ込み、この間、EL素子E1、1は図8(a)に示す如く所定輝度LPで定常発光する。又、同時に発光期間"6"を表す発光期間データTD2が供給されると、陽極駆動スイッチ602は、発光期間"6"に亘り図10に示す如き駆動ポジションDPに設定される。これにより、陽極線A2上には上記発光期間"6"に対応した時間に亘り発光起動電流が流れ込み、この間、EL素子E2、1は図8(a)に示す如く所定輝度LPで定常発光する。つまり、陰極線B1に接続されているEL素子E1、1は発光期間"3"、EL素子E2、1は発光期間"6"に対応した時間だけ、夫々個別に所定輝度LPでの定常発光を継続するのである。
【0028】
このように、発光行程では、1水平走査ライン分毎にm個のEL素子の各々を、夫々に対応した発光期間データTDに応じた期間だけ個別に発光させるのである。
ここで、電極駆動制御回路42は、上記発光行程が終了した順に、陽極駆動スイッチ601〜60m各々を個別に図8(a)に示す如き陽極線開放行程に基づく設定状態に移行させる。
【0029】
陽極線開放行程において、電極駆動制御回路42は、上記陽極駆動スイッチ601〜60mを開放ポジションOPに設定すべき陽極駆動スイッチ切換信号SW1〜SWmを生成して、陽極線ドライブ回路20に供給する。図11に示す如く陽極駆動スイッチ60が開放ポジションOPに設定されると、陽極線Aへの発光起動電流の供給が停止する。すなわち、電極駆動制御回路42は、EL素子に対する発光駆動を停止させるのである。この際、EL素子は容量性の発光素子である為、発光起動電流の供給停止後も、その内部に残留した残留電荷の影響により図8(a)に示す如くその輝度レベルは緩やかに低下する。
【0030】
従って、通常駆動モードによる電極駆動制御によれば、EL素子は、図8(a)に示すように、入力映像信号の輝度レベルに対応した期間T1に亘り所定輝度LPにて発光し(発光行程)、その後、緩やかに輝度レベルを低下させる(陽極開放行程)。かかる駆動によれば、実質的には、入力映像信号の輝度レベルに対応した期間T1に応じた中間調の輝度が視覚される。
【0031】
一方、上記低輝度判定信号LTが低輝度を示す場合、つまり入力映像信号が例えば図6に示す輝度レベル"5"よりも低輝度である場合には、電極駆動制御回路42は、以下に説明する低輝度駆動モードに基づく電極駆動制御を行う。
[低輝度駆動モード]
低輝度駆動モードでは、電極駆動制御回路42は、図7に示す第1ライン駆動行程〜第nライン駆動行程の各々において図8(b)に示す如き駆動シーケンスに従った電極駆動を実施する。
【0032】
先ず、図8(b)に示すリセット行程において、電極駆動制御回路42は、陰極線走査回路1の走査スイッチ51〜5nの全てを図9に示す如くバイアス電位Vcc側への接続状態に設定すべく陰極線走査回路1を制御する。更に、電極駆動制御回路42は、陽極線ドライブ回路20の陽極駆動スイッチ601〜60mを全て図9に示す如くVccポジションVPへの接続状態に設定すべき陽極駆動スイッチ切換信号SW1〜SWmを陽極線ドライブ回路20に供給する。これにより、EL素子E1、1〜Em,n各々の両端にはバイアス電位Vccが印加され、全てのEL素子E1、1〜Em,nの内部に残留していた電荷が放電して消滅する。
【0033】
次に、図8(b)に示す陽極線開放行程において、電極駆動制御回路42は、電極駆動制御回路42は、図7に示す如き形態にて駆動対象となった陰極線Bに接続されている走査スイッチ5のみを図11に示す如く接地電位側への接続状態に切り換えるべく陰極線走査回路1を制御する。従って、駆動対象となった陰極線(図11においては陰極線B1)に接続されているEL素子の内、発光すべき素子はバイアス電位Vccにバイアスされ、図8(b)に示す如く所定輝度LPで発光する。そして、電極駆動制御回路42は、上記陽極駆動スイッチ601〜60m各々を発光期間データTD1〜TDmにて示される期間に亘り図11に示す如く開放ポジションOPに保持すべき陽極駆動スイッチ切換信号SW1〜SWmを生成し、陽極線ドライブ回路20に供給する。これにより、陽極線A1〜Am各々はバイアス電位Vccの印加状態から開放状態に切り替わる。
【0034】
または、上記リセット行程から陽極線開放行程への推移時点において定電流ドライバ2から発光起動電流を流して発光起動電流をEL素子に供給し、所定の僅かな時間経過後に発光起動電流の供給を停止しても良い。これにより、EL素子は、図8(b)に示す如く所定輝度LPで発光した後、その発光輝度レベルを上記発光期間データTDによって示される期間に亘り緩やかに低下させて行く。
【0035】
ここで、発光期間データTDによって示される期間だけ陽極駆動スイッチ60を開放ポジションOPに保持し終えたら、電極駆動制御回路42は、図8(b)に示す如き陽極線接地行程の実行に移る。
かかる陽極線接地行程において、電極駆動制御回路42は、上記陽極駆動スイッチ601〜60m各々を図12に示す如く接地ポジションGNPに設定すべき陽極駆動スイッチ切換信号SW1〜SWmを生成し、陽極線ドライブ回路20に供給する。これにより、陽極線A1〜Am各々は開放状態から接地電位の印加状態に切り替わる。よって、上述した如くその発光輝度レベルを低下させつつも発光を継続していたEL素子各々の両端には接地電位が印加されることになる。従って、これら発光中のEL素子各々内に残留していた電荷が放電し、図8(b)に示す如く、その発光輝度レベルは瞬時に"0"、つまり消灯状態になるのである。
【0036】
例えば、陰極線B1が駆動対象となっている際に、発光期間"2"を表す発光期間データTD1が供給されると、陽極線ドライブ回路20の陽極駆動スイッチ601は、発光期間"2"に亘り図11に示す如き開放ポジションOPに設定される。この間、EL素子E1、1は図8(b)に示す如く発光輝度レベルを低下させつつもその発光を継続する。そして、上記発光期間"2"にて示される時間経過後に、EL素子E1、1は消灯状態となるのである。又、発光期間"8"を表す発光期間データTD1が供給されると、陽極線ドライブ回路20の陽極駆動スイッチ601は、発光期間"8"に亘り図11に示す如き開放ポジションOPに設定される。この間、EL素子E1、1は図8(b)に示す如く発光輝度レベルを低下させつつもその発光を継続する。そして、上記発光期間"8"にて示される時間経過後、EL素子E1、1は消灯状態となるのである。
【0037】
このように、低輝度駆動モードでは、図8(b)に示す如く、EL素子に発光起動電流を供給してEL素子を発光させてから直ちにその発光起動電流の供給を停止し、それから入力映像信号の輝度レベルに対応した期間T2の経過後にこのEL素子を強制的に消灯させるのである。かかる発光駆動制御によれば、EL素子は、図8(b)に示すように、先ず、所定輝度LPにて発光した後、入力映像信号の輝度レベルに対応した期間T2に亘り緩やかにその輝度レベルを低下させてから消灯することになる。これにより、図8(b)の斜線部にて示す如き、EL素子の発光輝度レベルが徐々に減衰してこれが消灯するまでの期間T2に応じた輝度が表現されるのである。
【0038】
従って、最低の輝度レベル"0"を表現する第1階調と、この第1階調よりも1段階だけ高輝度を表現する第2階調との輝度差は、図4(b)の破線にて囲まれる領域に対応した輝度よりも小になる。よって、本発明によれば、上記第1階調と、第2階調との輝度差が、図4(b)の破線にて囲まれる領域に対応した輝度となる従来の駆動装置に比して小となるので、入力映像信号に対応した適正な低輝度画像表示を行うことが可能となる。
【0039】
尚、上記実施例に示される低輝度駆動モードでは、図8(b)に示す如きリセット行程から陽極線開放行程への推移時点において、EL素子に対する発光起動電流の供給を実施するようにしているが、かかる構成に限定されるものではない。例えば、上記リセット行程と陽極線開放行程との間で、EL素子に対する発光起動電流の供給を実施させるべき発光行程を実施するようにしても良い。尚、この発光行程においてEL素子を所定輝度LPで定常発光させる期間T1は、入力映像信号に基づく輝度レベルに拘わらず所定の最短期間に固定される。
【0040】
又、上記実施例に示す通常駆動モードでは、EL素子に対する発光起動電流の供給停止後に、陽極線A1〜Am各々に接地電位を印加することによりEL素子を強制的に消灯せしめる陽極接地行程を実施していないが、これを実施するようにしても構わない。
又、上記実施例においては、低輝度駆動モード時には図8(b)に示す駆動シーケンスに従って電極駆動制御を実行しているが、この図8(b)に示す駆動シーケンスに代わり、図13に示す如き駆動シーケンスを採用しても良い。
【0041】
図13に示す駆動シーケンスでは、電極駆動制御回路42は、逆バイアス行程、発光行程、及び陽極線開放行程を順次実行する。
先ず、図13に示す逆バイアス行程において、電極駆動制御回路42は、陰極線走査回路1の走査スイッチ51〜5nの全てを図14に示す如くバイアス電位Vcc側への接続状態に設定すべく陰極線走査回路1を制御する。更に、電極駆動制御回路42は、陽極線ドライブ回路20の陽極駆動スイッチ601〜60mを全て図14に示す如く接地ポジションGNPへの接続状態に設定すべき陽極駆動スイッチ切換信号SW1〜SWmを陽極線ドライブ回路20に供給する。これにより、EL素子E1、1〜Em,n各々は逆方向にバイアスされる。
【0042】
次に、図13に示す発光行程において、電極駆動制御回路42は、図7に示す如き形態にて駆動対象となった陰極線Bに接続されている走査スイッチ5のみを接地電位側への接続状態に切り換えるべく陰極線走査回路1を制御する。これにより、例えば、図10に示す如く走査スイッチ51〜5n各々の内で走査スイッチ51だけが接地電位側への接続状態に設定され、陰極線B1のみが駆動対象になる。更に、この間、電極駆動制御回路42は、上記陽極駆動スイッチ601〜60m各々を、発光期間データTD1〜TDmにて示される期間に亘り駆動ポジションDPに保持すべき陽極駆動スイッチ切換信号SW1〜SWmを生成し、陽極線ドライブ回路20に供給する。陽極線ドライブ回路20の陽極駆動スイッチ601〜60m各々が図10に示す如く駆動ポジションDP側に切り替わると、定電流ドライバ2が発生した発光起動電流が陽極線Aを介して、駆動対象となったEL素子各々に流れ込む。すると、これらEL素子の各々は発光を開始し、図13に示す如く、上記発光期間データTDにて示される期間T3に亘りその発光輝度レベルを徐々に高めて行く。尚、期間T3として取り得る最大の期間は、その期間経過後のEL素子の発光輝度レベルが上記所定輝度LPを越えないように設定された期間である。
【0043】
次に、図13に示す陽極線開放行程において、電極駆動制御回路42は、上記陽極駆動スイッチ601〜60mを開放ポジションOPに切り換えるべき陽極駆動スイッチ切換信号SW1〜SWmを、陽極線ドライブ回路20に供給する。陽極駆動スイッチ60が図11に示す如く開放ポジションOPに切り替わると、陽極線Aへの発光起動電流の供給が停止する。この際、EL素子は容量性の発光素子である為、発光起動電流の供給停止後も、その内部に残留した残留電荷の影響により図13に示す如くその輝度レベルが緩やかに低下する。
【0044】
すなわち、図13に示す低輝度駆動モードでは、EL素子の発光輝度を緩やかに上昇させ、その輝度レベルが所定輝度LPに到る前に陽極線を開放するようにしたのである。かかる駆動によっても、最低の輝度レベル"0"を表現する第1階調と、この第1階調よりも1段階だけ高輝度を表現する第2階調との輝度差を、図4(b)の破線にて囲まれる領域に対応した輝度よりも小にすることが可能になる。
【0045】
【発明の効果】
以上の如く、本発明によれば、消費電力の増加を最小限に抑えつつも低輝度表示時における階調間の輝度差を小にすることが出来るので、入力映像信号によって表される輝度レベルに対応した適正な低輝度画像表示を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機エレクトロルミネッセンス素子の等価回路を示す図である。
【図2】有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動電圧−電流−発光輝度特性を概略的に示す図である。
【図3】ELディスプレイ装置の概略構成を示す図である。
【図4】従来の駆動装置によるEL素子の発光状態の推移を示す図である。
【図5】本発明によるELディスプレイ装置の構成を示す図である。
【図6】発光期間変換回路44の変換テーブルの一例を示す図である。
【図7】1フィールド(フレーム)期間内での概略発光駆動フォーマットを示す図である。
【図8】1水平走査期間内での発光駆動シーケンス及びEL素子の発光状態の推移を示す図である。
【図9】リセット行程での走査スイッチ5及び陽極駆動スイッチ60各々の接続状態を示す図である。
【図10】発光行程での走査スイッチ5及び陽極駆動スイッチ60各々の接続状態を示す図である。
【図11】陽極線開放行程での走査スイッチ5及び陽極駆動スイッチ60各々の接続状態を示す図である。
【図12】陽極線接地行程での走査スイッチ5及び陽極駆動スイッチ60各々の接続状態を示す図である。
【図13】低輝度駆動モードで用いられる発光駆動シーケンスの他の一例を示す図である。
【図14】図13に示される逆バイアス行程での走査スイッチ5及び陽極駆動スイッチ60各々の接続状態を示す図である。
【符号の説明】
1 陰極線走査回路
51 〜5n 走査スイッチ
11 発光パネル
20 陽極線ドライブ回路
42 電極駆動制御回路
44 発光期間変換回路
45 低輝度判定回路
601〜60m 陽極駆動スイッチ
A1〜Am 陽極線
B1〜Bn 陰極線
E1,1〜Em,n EL素子
Claims (8)
- 互いに交差する複数の陽極線及び陰極線と、前記陽極線及び前記陰極線の各交差部において前記陽極線及び前記陰極線間に接続された複数の有機エレクトロルミネッセンス素子とからなる発光パネルを入力映像信号に応じて駆動する発光パネルの駆動方法であって、
前記入力映像信号に基づく輝度レベルが所定輝度よりも低輝度である場合には、
発光起動電流を発生する電流源と前記陽極線とを接続することにより前記有機エレクトロルミネッセンス素子に前記発光起動電流の供給を開始してから所定期間経過後に、前記入力映像信号に基づく輝度レベルに応じた期間に亘り前記陽極線を開放する第1行程と、
前記陽極線に前記基準低電位を印加する第2行程と、を順次実行することを特徴とする発光パネルの駆動方法。 - 前記入力映像信号に基づく輝度レベルが前記所定輝度よりも高輝度である場合には、前記輝度レベルに応じた長さの期間に亘り発光起動電流を前記有機エレクトロルミネッセンス素子に供給する第3行程と、前記陽極線を開放する第4行程と、を順次実行することを特徴とする請求項1記載の発光パネルの駆動方法。
- 互いに交差する複数の陽極線及び陰極線と、前記陽極線及び前記陰極線の各交差部において前記陽極線及び前記陰極線間に接続された複数の有機エレクトロルミネッセンス素子とからなる発光パネルを入力映像信号に応じて駆動する発光パネルの駆動方法であって、
前記入力映像信号に基づく輝度レベルが所定輝度よりも低輝度である場合には、
前記陽極線及び前記陰極線の各々に所定のバイアス電位を印加するリセット行程と、
前記陰極線各々に対して択一的に順次、所定の基準低電位を印加しつつ前記入力映像信号に基づく輝度レベルに応じた期間に亘り前記陽極線を開放する陽極線開放行程と、
前記陽極線に前記基準低電位を印加する行程と、を順次実行することを特徴とする発光パネルの駆動方法。 - 互いに交差する複数の陽極線及び陰極線と、前記陽極線及び前記陰極線の各交差部において前記陽極線及び前記陰極線間に接続された複数の有機エレクトロルミネッセンス素子とからなる発光パネルを入力映像信号に応じて駆動する発光パネルの駆動方法であって、
前記入力映像信号に基づく輝度レベルが所定輝度よりも高輝度である場合には、前記陽極線及び前記陰極線の各々に所定のバイアス電位を印加するリセット行程と、前記陰極線各々に対して択一的に順次、所定の基準低電位を印加しつつ前記輝度レベルに応じた期間に亘り発光起動電流を前記陽極線上に供給する発光行程と、前記陽極線を開放する陽極線開放行程と、を順次実行する一方、
前記輝度レベルが所定輝度よりも低輝度である場合には、前記陽極線及び前記陰極線の各々に所定のバイアス電位を印加するリセット行程と、前記陰極線各々に対して択一的に順次前記基準低電位を印加しつつ前記輝度レベルに応じた期間に亘り前記陽極線を開放する陽極線開放行程と、前記陽極線に前記基準低電位を印加する行程と、を順次実行することを特徴とする発光パネルの駆動方法。 - 互いに交差する複数の陽極線及び陰極線と、前記陽極線及び前記陰極線の各交差部において前記陽極線及び前記陰極線間に接続された複数の有機エレクトロルミネッセンス素子とからなる発光パネルを入力映像信号に応じて駆動する発光パネルの駆動方法であって、
前記入力映像信号に基づく輝度レベルが所定輝度よりも低輝度である場合には、
前記陰極線に所定のバイアス電位を印加すると共に前記陽極線に所定の基準低電位を印加する逆バイアス行程と、
前記陰極線各々に対して択一的に順次前記基準低電位を印加しつつ前記入力映像信号に基づく輝度レベルに応じた期間に亘り発光起動電流を前記陽極線上に供給する発光行程と、
前記陽極線を開放する陽極線開放行程と、を順次実行することを特徴とする発光パネルの駆動方法。 - 互いに交差する複数の陽極線及び陰極線と、前記陽極線及び前記陰極線の各交差部において前記陽極線及び前記陰極線間に接続された複数の容量性の有機エレクトロルミネッセンス素子とからなる発光パネルを入力映像信号に応じて駆動する発光パネルの駆動方法であって、
前記入力映像信号に基づく輝度レベルが所定輝度よりも高輝度である場合には、前記陽極線及び前記陰極線の各々に所定のバイアス電位を印加するリセット行程と、前記陰極線各々に対して択一的に順次所定の基準低電位を印加しつつ前記輝度レベルに応じた期間に亘り発光起動電流を前記陽極線上に供給する発光行程と、前記陽極線を開放する陽極線開放行程と、を順次実行する一方、
前記輝度レベルが所定輝度よりも低輝度である場合には、前記陰極線に所定のバイアス電位を印加すると共に前記陽極線に前記基準低電位を印加する逆バイアス行程と、前記陰極線各々に対して択一的に順次前記基準低電位を印加しつつ前記入力映像信号に基づく輝度レベルに応じた期間に亘り発光起動電流を前記陽極線上に供給する発光行程と、前記陽極線を開放する陽極線開放行程と、を順次実行することを特徴とする発光パネルの駆動方法。 - 互いに交差する複数の陽極線及び陰極線と、前記陽極線及び前記陰極線の各交差部において前記陽極線及び前記陰極線間に接続された複数の有機エレクトロルミネッセンス素子とからなる発光パネルを入力映像信号に応じて発光駆動する発光パネルの駆動装置であって、
前記有機エレクトロルミネッセンス素子を発光せしめるべき発光起動電流を発生する電流源と、
前記陽極線に所定のバイアス電位を印加するバイアス電位印加状態、前記陽極線に前記発光起動電流を供給する発光起動電流供給状態、前記陽極線を開放する陽極線開放状態、及び前記陽極線に所定の基準低電位を印加する第1基準低電位印加状態のいずれか1の状態を有する陽極駆動スイッチと、
前記陰極線に前記バイアス電位を印加するバイアス走査状態と、前記陰極線に前記基準低電位を印加する第2基準低電位印加状態のいずれか1の状態を有する走査スイッチと、
前記入力映像信号に基づく輝度レベルが所定輝度よりも低輝度であるか否かを判定する低輝度判定回路と、
前記低輝度判定回路によって前記入力映像信号に基づく輝度レベルが所定輝度よりも低輝度であると判定されたときに、前記陽極駆動スイッチ及び前記走査スイッチを共に前記バイアス電位印加状態に設定せしめた後、前記走査スイッチを前記第2基準低電位印加状態に切り換えると共に前記入力映像信号によって表される輝度レベルに応じた期間に亘り前記陽極駆動スイッチを前記陽極線開放状態に保持させてから前記陽極駆動スイッチを前記第1基準低電位印加状態に切り換える発光制御手段と、を有することを特徴とする発光パネルの駆動装置。 - 前記発光制御手段は、前記低輝度判定回路によって前記入力映像信号に基づく輝度レベルが低輝度ではないと判定されたときには、前記陽極駆動スイッチ及び前記走査スイッチを共に前記バイアス電位印加状態に設定せしめた後、前記走査スイッチを前記第2基準低電位印加状態に切り換えると共に前記輝度レベルに応じた期間に亘り前記陽極駆動スイッチを前記発光起動電流供給状態に保持せしめてから前記陽極駆動スイッチを前記開放状態に切り換えるべき制御を実行することを特徴とする請求項7記載の発光パネルの駆動装置。
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