JP2000276109A - 薄膜発光素子の駆動方法および駆動回路 - Google Patents

薄膜発光素子の駆動方法および駆動回路

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JP2000276109A JP11081375A JP8137599A JP2000276109A JP 2000276109 A JP2000276109 A JP 2000276109A JP 11081375 A JP11081375 A JP 11081375A JP 8137599 A JP8137599 A JP 8137599A JP 2000276109 A JP2000276109 A JP 2000276109A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 供給される電流に輝度が依存する薄膜発光素
子に対して簡便な回路で輝度が調整でき、コストおよび
実装面積を削減することの可能な薄膜発光素子の駆動方
法およびその回路を実現する。 【解決手段】 駆動電流に輝度が依存する薄膜発光素子
の駆動方法であって、必要とする輝度に対応した電荷量
を、これに対応した電圧として電荷供給手段から薄膜発
光素子と接続された電荷蓄積手段に蓄積し、この蓄積し
た電荷により所望の発光輝度で薄膜発光素子を駆動する
薄膜発光素子の駆動方法とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜発光素子、また
はスイッチング制御によって駆動する薄膜発光素子に関
し、特に有機エレクトロルミネセンス(EL)を用いた
発光表示装置に好適な駆動方法およびその駆動回路に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、有機EL素子等の薄膜発光素子が
開発されている。
【0003】エレクトロルミネッセンス(EL:ElectroL
uminescence)素子には、セレンや亜鉛などの無機化合
物薄膜を発光材料として用いる無機EL素子と、有機化
合物を発光材料として用いる有機EL素子とがある。有
機EL素子には、(1)発光効率が高い、(2)駆動電
圧が低い、(3)発光材料を選択することで様々な色
(緑、赤、青、黄など)を表示可能、(4)自発光型で
あるため表示が鮮明でバックライトが不要、(5)面発
光であり、視野角依存性が無い、(6)薄型で軽量、
(7)製造プロセスの最高温度が低いため、基板材料に
プラスチックフィルムなどのような柔らかい材質を用い
ることが可能、などの優れた特徴がある。そこで、近
年、CRTやLCDに代わる表示装置として、有機EL
素子を用いた表示装置(以下、有機EL表示装置とい
う)が注目されている。
【0004】ところで、有機EL素子のI−V特性は非
線型ながらI−L特性(電流−輝度)は線形であるとい
う特性を持つ。また発光を続けるとそのI−V特性が変
化し、その変化率は高電界側で顕著であることや、I−
L特性はそれほど大きく変化しないこと等により、有機
EL素子等といった輝度のコントロールを必要とする薄
膜発光素子や高信頼性の薄膜発光素子には通常、定電流
駆動方式が用いられる。
【0005】しかし、定電流駆動方式はその構成から回
路規模が大きくなりコスト、実装上問題が生じる。
【0006】マトリックスに配置された点(ドット)で
表示を行うドットマトリックスの有機EL表示装置に
は、単純マトリックス方式とアクティブマトリックス方
式とがある。
【0007】単純マトリックス方式は、表示パネル上に
マトリックスに配置された各画素の有機EL素子を走査
信号に同期して外部から直接駆動する方式であり、有機
EL素子だけで表示装置の表示パネルが構成されてい
る。そのため、走査線数が増大すると1つの画素に割り
当てられる駆動時間(デューティ)が少なくなり、コン
トラストが低下するという問題がある。
【0008】次に、アクティブマトリクス方式について
説明する。図11,12はTFT駆動回路の従来例を示
した図である。以下、図面に基づいてアクティブマトリ
クスの従来例を説明する。
【0009】図11は、パネルブロック図であり、ディ
スプレイ(表示)パネル10には、ディスプレイ画面1
1、X軸のシフトレジスタ12、Y軸のシフトレジスタ
13を有している。
【0010】ディスプレイ画面11には、EL電源が供
給されており、またX軸のシフトレジスタ12には、シ
フトレジスタ電源の供給とX軸同期信号の入力が行われ
る。さらにY軸のシフトレジスタ13には、シフトレジ
スタ電源の供給とY軸同期信号の入力が行われる。ま
た、X軸のシフトレジスタ12の出力部に画像データ信
号の出力を有している。
【0011】図12は、図11A部の拡大説明図であ
り、ディスプレイ画面11の1画素(点線の四角で示
す)は、トランジスタが2個、コンデンサが1個、EL
素子が1個より構成されている。
【0012】この1画素の発光動作は、例えば、Y軸の
シフトレジスタ13で選択信号y1の出力があり、また
X軸のシフトレジスタ12で選択信号x1の出力があっ
た場合、トランジスタTy11とトランジスタTx1が
オンとなる。
【0013】このため、画像データ信号−VLは、ドラ
イブトランジスタM11のゲートに入力される。これに
より、このゲート電圧に応じた電流がEL電源からドラ
イブトランジスタM11のドレイン、ソース間に流れ、
EL素子EL110が発光する。
【0014】次のタイミングでは、X軸のシフトレジス
タ12は、選択信号x1の出力をオフとし、選択信号x
2を出力することになるが、ドライブトランジスタM1
1のゲート電圧は、コンデンサc11で保持されるた
め、次にこの画素が選択されるまでEL素子EL110
の前記発光は、持続することになる。
【0015】そのため、走査線数が増大して1つの画素
に割り当てられる時間が少なくなっても、有機EL素子
の駆動が影響を受けることはなく、表示パネルに表示さ
れる画像のコントラストが低下することもない。従っ
て、アクティブマトリックス方式によれば、単純マトリ
ックス方式に比べてはるかに高画質な表示が可能とな
る。
【0016】アクティブマトリックス方式は画素駆動素
子の違いにより、トランジスタ型(3端子型)とダイオ
ード型(2端子型)とに大別される。トランジスタ型
は、ダイオード型に比べて製造が困難である反面、コン
トラストや解像度を高くするのが容易でCRTに匹敵す
る高品位な有機EL表示装置を実現することができると
いう特徴がある。前記したアクティブマトリックス方式
の動作原理の説明は、主にトランジスタ型に対応したも
のである。
【0017】アクティブマトリックスの表示装置は、そ
の視認性から拡大投影を行う光学系を用いない場合は、
4インチ以上の画角が要求される。このサイズの表示面
をシリコン単結晶基板上に構成することは、現在の単結
晶Si基板の製作技術では1枚の単結晶基板から得られ
る枚数が非常に少ないため、大変コストがかかってしま
う。
【0018】そこで、アクティブマトリックスの表示装
置では、ガラス基板等の平面基板上に作成した非単結晶
Si等の半導体層を用いた薄膜トランジスタ(TFT)
を使用することが望ましい。
【0019】ところで、平面基板上に形成される半導体
層は大面積のものが比較的容易に成膜できることから、
アモルファスSi膜(以下a−Si膜という)を用いる
ことが一般的である。しかし、a−Si膜で形成された
TFTは、一方向に定常的に電流を流し続けると、閾値
がドリフトして電流値が変わり、画質に変動が生ずる。
しかも、a−Si膜では移動度が小さいため、高速応答
でドライブできる電流にも限界があり、また、Pチャネ
ルの形成が困難なこと等から小規模なC−MOS回路の
構成さえも困難である。
【0020】このため、アクティブマトリックス型有機
EL画像表示装置の半導体層としては、比較的大面積化
が容易でかつ高信頼性で移動度も高く、C−MOS回路
の形成も可能な多結晶Siを用いることが望ましい。
【0021】ところで、多結晶Si層を用いて形成され
たTFTは、そのチヤネル中に存在する結晶粒界の数に
よりトラップ準位密度が変化し、これが特性に影響を与
える。
【0022】このため、チャネル長、またはチャネル幅
が結晶の粒径に近づくにつれ、チャネル中に存在する粒
界の数の変動の割合が大きくなる。これはチャネル中の
トラップ準位密度の変動割合の増大、ひいてはTFTの
特性ばらつきの増大を引き起こす。このTFTの特性ば
らつきの増大は表示装置の画質の低下を引き起こすので
望ましくない。
【0023】そこで、このバイアスTFTを廃し、代わ
りに蓄積容量を設けることが提案されているが、この方
式の場合、輝度の調整は1フレームをさらにサブフレー
ムに分割し、そのサブフーレムのいずれか、またはそれ
らのいずれかの組み合わせを選択することにより行うよ
うになっている。
【0024】しかしこの場合、階調はデジタルで行われ
ると共に階調制御のための回路の規模が大きくなり、コ
ストおよび実装上望ましくないうえ、定電流電源をX紬
の数だけ配する事になり、さらに回路の規模が大きくな
ると共に、これら定電流電源の特性を揃えるのが困難な
ために補正回路等が必要になり、さらにまた回路規模が
大きくなる。これはコストおよび実装上望ましくない。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、供給
される電流に輝度が依存する薄膜発光素子に対して簡便
な回路で輝度が調整でき、コストおよび実装面積を削減
することの可能な駆動方法およびその回路を実現するこ
とである。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の駆動方法は、電流に輝度が依存する薄膜発
光素子の駆動において、必要とする輝度が得られるだけ
の電荷を、その電荷量に応じた電圧の直流電圧源から蓄
積容量に充電し、この充電した電荷により発光させるこ
とで輝度を調節することを特徴としている。
【0027】すなわち、本発明は以下の構成により達成
される。 (1) 駆動電流に輝度が依存する薄膜発光素子の駆動
方法であって、必要とする輝度に対応した電荷量を、こ
れに対応した電圧として電荷供給手段から薄膜発光素子
と接続された電荷蓄積手段に蓄積し、この蓄積した電荷
により所望の発光輝度で薄膜発光素子を駆動する薄膜発
光素子の駆動方法。 (2) 前記電荷蓄積手段への電荷の蓄積を一秒間に5
0回以上行う上記(1)の薄膜発光素子の駆動方法。 (3) 次の電荷の蓄積以前に電荷蓄積手段の電圧が薄
膜発光素子の発光電圧以下となるよう駆動する上記
(1)または(2)の薄膜発光素子の駆動方法。 (4) 前記電荷蓄積手段に蓄積されている電荷を、次
の電荷の蓄積までに90%以上放電させる上記(1)〜
(3)のいずれかの薄膜発光素子の駆動方法。 (5) 前記電荷供給手段と前記電荷蓄積手段との間に
スイッチング手段を有し、このスイッチング手段を薄膜
発光素子の抵抗成分と電荷蓄積手段の容量とで形成され
る時定数の2.3倍以下でスイッチングさせる上記
(1)〜(4)のいずれかの薄膜発光素子の駆動方法。 (6) 前記電荷蓄積手段と薄膜発光素子の間に補助ス
イッチング素子を有し、この補助スイッチング素子は電
荷蓄積手段に電荷を蓄積している期間、電荷蓄積手段と
薄膜発光素子とを電気的に遮断する上記(1)〜(5)
のいずれかの薄膜発光素子の駆動方法。 (7) 前記薄膜発光素子は、有機EL素子である上記
(1)〜(6)のいずれかの薄膜発光素子の駆動方法。 (8) 前記薄膜発光素子は、パッシブマトリックス型
画像表示装置を構成する上記(1)〜(7)のいずれか
の薄膜発光素子の駆動方法。 (9) 前記薄膜発光素子は、アクティブマトリックス
型画像表示装置を構成する上記(1)〜(8)のいずれ
かの薄膜発光素子の駆動方法。
【0028】(10) 駆動電流に輝度が依存する薄膜
発光素子と、この薄膜発光素子と接続され、薄膜発光素
子を駆動するための電荷を蓄積する電荷蓄積手段と、前
記電荷蓄積手段とスイッチング手段を介して接続され、
電荷蓄積手段に蓄積する電荷量をこれに対応した電圧を
印加して蓄積する電荷供給手段とを有する薄膜発光素子
の駆動回路。 (11) 前記薄膜発光素子の内部抵抗と前記電荷蓄積
手段の容量で形成される時定数の2.3倍が前記スイッ
チング手段の動作時間より小さい上記(10)の薄膜発
光素子の駆動回路。 (12) 前記スイッチング手段は、蓄積容量への電荷
の蓄積を一秒間に50回以上行うように動作する上記
(10)または(11)の薄膜発光素子の駆動回路。 (13) 前記スイッチング手段は、次の電荷の蓄積動
作以前に蓄積容量の電圧が薄膜発光素子の発光電圧以下
となるタイミングで動作する上記(10)〜(12)の
いずれかの薄膜発光素子の駆動回路。 (14) 前記スイッチング手段は、蓄積容量の電荷を
次の電荷の蓄積動作までに90%以上放電させるタイミ
ングで動作する上記(10)〜(13)のいずれかの薄
膜発光素子の駆動回路。 (15) 前記薄膜発光素子と電荷蓄積手段とは、補助
スイッチング手段を介して接続され、この補助スイッチ
ング手段は電荷蓄積手段に電荷を蓄積している期間、電
荷蓄積手段と薄膜発光素子とを電気的に遮断する上記
(10)〜(14)のいずれかの薄膜発光素子の駆動回
路。 (16) 前記薄膜発光素子は有機EL素子である上記
(10)〜(15)のいずれかの薄膜発光素子の駆動回
路。 (17) 上記(10)〜(16)のいずれかの薄膜発
光素子の駆動回路を有するパッシブマトリクス型画像表
示装置。 (18) 上記(10)〜(16)のいずれかの薄膜発
光素子の駆動回路を有するアクティブマトリックス型画
像表示装置。
【0029】なお、特開平10−214042号公報に
は、「付加容量を持つEL表示装置」が記載されてい
る。ここで付加容量とは「書き込んだデータ信号を必要
な時間だけ保持するための容量」となっている。一方、
本発明の駆動方法を用いた表示装置は蓄積容量を持つこ
とになる。これは、ELを発光させる電荷を蓄積するた
めのものであり、この文献とは逆に「蓄積した電荷を必
要な時間内に放電できる容量」となる。つまり、この文
献と本発明とでは容量の作用が異なり、このため実施に
あたってその値も異なることになる。以上よりこの文献
と本発明はまったく異なる発明であり、この文献から本
発明を容易に類推することはできない。
【0030】また、特開平4−191060号公報の請
求範囲に記載されている蓄積容量は、無機EL素子のよ
うな電界励起型のEL素子を高率で発光させるために高
電圧交流パルス駆動することを目的としたものである。
したがって、この文献はEL素子に高電圧、交流、方形
波を容易な手段で印加することを目的としている。一
方、本発明の目的は有機EL素子の輝度を電圧で制御す
ることを目的としており、結果的にEL素子には通常の
電圧が一方向に放電波形で印加される事になる。また、
この公報では蓄積容量は全EL素子の容量より大きいこ
とが求められているが、本発明では目的の発光素子を所
望の輝度で発光でき、かつ所望の時間に放電が終了でき
る容量でなければならない。
【0031】つまり、この文献と本発明では素子も目的
も異なるため、回路構成も蓄積容量の値も波形も異なる
ことになる。
【0032】以上より、この文献と本発明はまったく異
なる発明であり、この文献から本発明を容易に類推する
ことはできない。
【0033】一方、特開平9−97925号公報に記載
されているスイッチドキャパシタ回路は、本発明と同様
な蓄積コンデンサとして作用する。しかし、この発明に
おいては階調の実現は充放電回数、またはのこぎり波の
傾きを用いているが、本発明では印加する電圧を用いて
いる。先に述べたように充放電回数の制御、またこの公
報に記載されているのこぎり波の傾きの制御にはデジタ
ル回路系が必要になり、回路規模が大きくなり望ましく
ない。それに対し、本発明では電圧というアナログ系で
階調を制御するため簡単な回路系で構成できる。
【0034】つまり、本発明はこの電圧制御を実現する
ために蓄積コンデンサとEL素子の内部抵抗で構成され
る放電回路についての検討を加え、放電時間がこの放電
回路の時定数の2.3倍以上であれば8階調以上の表現
ができることを見出した。一方、この文献では方法が異
なるため、この放電回路に関する開示はない。またSW
のRon、蓄積時間に関する開示もない。また、この文献
では昇圧を目的としているが本発明ではそのような作用
は一切発生しない。このことにより、この公報に記載さ
れている発明と本発明は異なる発明であり、この公報か
ら本発明を容易に類推することはできない。
【0035】また、特開平8−54836号公報の駆動
回路は、定電圧駆動でのちらつきの低減を目的としてい
る。それに対して本願は階調表現を目的としている。こ
の目的の違いから、この文献と本願とでは実施において
要求される容量の値が異なってくる。この文献では蓄積
容量は大きいほど目的とする効果を大きく表すが、本発
明では放電時間がこの放電画路の時定数の2.3倍以上
であることが求められる。すなわち、容量が大きいと目
的の効果を現すことができない。このことより、この文
献と本発明は異なる発明であり、この文献から本発明を
容易に類推することはできない。
【0036】
【作用】本発明は、電流に輝度が依存する薄膜発光素子
の駆動を蓄積容量に充電された電荷によって行ってい
る。薄膜発光素子、例えば有機EL素子の発光輝度と電
流の関係は線形一次比例の関係になる。たがって、有機
EL素子に流れる電流密度J(A/cm2 )と発光輝度L
(cd/m2 )との間に、 L=AJ (Aは比例定数 cd/A ) ・(1) という関係が成り立っている。面積S(m2 )の有機E
L素子を輝度Lで発光させる時に必要な電流Iとすると
(1)式は L=(A/S)I ・・・・・・(2) と表せる。
【0037】ここで人間の目の特性として50Hz以上の
周波数で明滅を繰り返す光源の輝度は、その時間平均
(時間積分)で認識される。いま、人間が認識する輝度
をL’、明滅を繰り返す一周期の時間をT(s)、この
時間内の輝度を、時間の変数を有する関数L(t)で表
すと、
【0038】
【数1】
【0039】(2)式、および電流の時間積分は電荷量
であることから(3)式は下記に示す式で表すことが出
来る。ここで、Qは時間Tまでの間に流れた電荷量を表
す。 L’=(A/T・S)Q ・・・・・(4) (4)式はQ(C)の電荷量を20ms以下の任意の時間
T内に面積Sの有機EL素子に流すことにより認識させ
たい輝度は電荷量で表すことが出来ることを表している
ことになる。
【0040】一方、ここで蓄積容量C(F)のコンデン
サを用意しこれに電圧V(V)を加えた時、このコンデ
ンサに蓄積された電荷QはC・Vで表される。これを利
用すれば(4)式は L’=(A/T・S)C・V ・・・・・(5) とすることができ、有機EL素子の輝度を電圧の一次線
形比例で表すことができる。
【0041】すなわち、蓄積容量Cを用意し、これに貯
えられた電荷を50Hz以上の周期で有機EL素子に流す
ことにより、有機EL素子の輝度を蓄積容量に印加する
電圧で制御することが出来るようになる。
【0042】ただし、有機EL素子は抵抗成分(内部抵
抗)R(Ω)を有し、蓄積容量Cの電荷を流そうとする
場合に、RCを時定数とする放電回路が形成される。
【0043】上記(5)式が成立するためには、20ms
以下の任意の時間Tの間に十分な放電が行われていなけ
ればならない。
【0044】いま、前述の時定数RCの2.3倍が明滅
の周期T(選択期間)より小さい場合、蓄積された電荷
のほぼ90%以上が放電されることになる。
【0045】これは、8階調以上の輝度を制御するのに
十分な値である。なおこの時、あらかじめ有機EL素子
の経時変化による負荷抵抗Rの上昇分を見込んで初期の
時定数RCを小さく設定することにより、印加電圧Vと
輝度L’の特性の変化が小さい高信頼性の発光特性が得
られる。
【0046】以上、述べたように蓄積容量Cを用い、こ
れに蓄積された電荷によって有機EL素子を駆動し、そ
の蓄積−放電サイクルを一秒間に50回以上行うことに
より有機EL素子の輝度の制御を電圧で行うことができ
る。これにより安価な電圧制御回路を用いた輝度制御が
可能で、かつ高信頼性で有機EL薄膜発光素子を発光さ
せることができる。また、この駆動方法をパッシブマト
リックス・パネルに用いることにより高価な電流制御回
路を並べることもなく、補正回路も用いず、また、デジ
タル制御回路も用いずに高信頼性を持ち、良質な画像で
パネルを駆動することが出来る。また、この駆動方法を
アクティブマトリックス・パネルに用いることによりT
FTの特性バラツキに影響されず高信頼性を持ち、良質
な画像でパネルを駆動することが出来る。
【0047】
【発明の実施の形態】本発明の方法により動作する薄膜
発光素子の駆動回路は、駆動電流に輝度が依存する薄膜
発光素子と、この薄膜発光素子とスイッチング手段を介
して接続され、薄膜発光素子を駆動するための電荷を蓄
積する電荷蓄積手段と、前記電荷蓄積手段に蓄積する電
荷量をこれに対応した電圧を印加することで制御する電
荷供給手段とを有する。
【0048】電荷蓄積手段は、薄膜発光素子と接続さ
れ、薄膜発光素子を駆動するために必要な電荷を蓄積
し、これを薄膜発光素子に供給することにより薄膜発光
素子を駆動する。また、電荷供給手段は、後述のスイッ
チング手段を介して電荷供給手段と接続される。電荷供
給手段としては、蓄積容量として必要な電荷を蓄積でき
る容量を備え、電荷の充放電特性の安定性、ある程度の
耐久性を備えたものであれば特に限定されるものではな
く、通常のコンデンサの他に、半導体、誘電体フィルム
シートと導電膜を有する機能性薄膜など電荷を蓄積しう
るものであれば使用できる。
【0049】また、特にマトリクス回路において、アク
ティブマトリクス回路や、画素数が多い場合、駆動回路
のスペースファクターが要求される場合に等には高誘電
材料を用いた小型で高容量のコンデンサが適している。
【0050】スイッチング手段は、上記電荷供給手段と
電荷蓄積手段との電気的導通を制御する。すなわち、ス
イッチング手段は、電荷供給手段から電荷蓄積手段に供
給される電荷の供給時間を制御する。また、電荷蓄積手
段に蓄積されている電荷の薄膜発光素子への供給時間を
調節することにもなり、薄膜発光素子の駆動時間にも影
響を与える。この場合、薄膜発光素子の駆動時間配分に
よっては、発光輝度が影響を受けることになるが、後述
の理由で薄膜発光素子の発光輝度は電荷蓄積手段の電荷
量により制御されることになる。
【0051】本発明の駆動回路は、補助スイッチング手
段を有していてもよい。補助スイッチング手段は、薄膜
発光素子と電荷蓄積手段との間の電気的導通(接続/切
断動作)を制御する。すなわち、前記スイッチング手段
は電荷供給手段と電荷蓄積手段との電気的導通を制御す
るが、この場合電荷蓄積手段への電荷蓄積動作中にも薄
膜発光素子に電荷供給手段からの電圧が印加され、薄膜
発光素子を駆動してしまう場合がある。このため、薄膜
発光素子と電荷蓄積手段との間に補助スイッチング手段
を設け、これらの間の電気的導通(接続/切断)を制御
し、電荷蓄積手段へ電荷を供給している間は薄膜発光素
子と電荷蓄積手段を切断し、電荷供給手段からの電圧が
薄膜発光素子に印加されないようにするとよい。
【0052】スイッチング手段、補助スイッチング手段
としては、電気的な接続を制御可能な、種々のスイッチ
ング素子を用いることができる。具体的にはリレー等の
有接点素子も使用可能であるが、ダイオード、バイポー
ラトランジスタ、FET(C−MOS)等の半導体素
子、あるいはこれらを集積したIC等が動作速度、信頼
性の点で好ましい。また、制御する電流の容量に応じて
スイッチング素子を並列にして用いてもよい。並列にし
て使用することにより、スイッチング手段のオン抵抗を
低下させることができ、信頼性の面でも好ましい。
【0053】次に、スイッチング手段の応用例について
説明する。 <応用例1:大面積表示装置への応用>スイッチング素
子を2つにすることによりスイッチング素子のRon抵抗
の自由度を上げる事が出来る。スイッチング素子が一つ
の時はスイッチング素子のRonをELの負荷抵抗より十
分小さくする(少なくとも10分の1以下)必要があ
る。
【0054】Ronが高い場合はRonと有機ELの内部抵
抗で分圧された電圧しか蓄積容量に加われなくなり、蓄
積される電荷量が減ってしまう。有機ELの内部抵抗は
電圧に対して非線型な特性をもっている。したがって、
この電荷量の減少分は電圧−輝度特性を非線型にしてし
まうことになる。
【0055】また、薄膜発光素子(有機EL素子)とス
イッチング素子の間に電流制限抵抗を設けることもでき
る。この場合は放電時定数が定められた値になり、かつ
分圧による非線形性が現れない範囲で電流制限抵抗を選
ぶ必要がある。
【0056】またスイッチング素子が1つの時はスイッ
チング素子をONする充電時間はOFFである放電時間
より十分小さくなければならない。(少なくとも10分
の1以下)ON時間が長ければその時間中に薄膜発光素
子に流れ込む電流が発光に寄与してしまう。この輝度は
電圧に対して非線形な特性をもつ。したがってこの時間
内の発光は電圧−輝度特性を非線形にしてしまう誤差と
して現れてしまう。
【0057】<応用例2:マトリックス用途その1>画
素の場合、素子面積が小さいため薄膜発光素子の負荷抵
抗が大きくなりスイッチング素子のオン抵抗はやや大き
くても問題がない。そのため、スイッチング素子を一つ
で回路が形成できる。ただし、逆にこの場合は、スイッ
チング素子のオフ抵抗によるリーク電流による影響が大
きくなる。また、スイッチング素子のスイッチング・ノ
イズの影響も大きくなる。これらの影響はすべて電圧−
輝度特性の直線性を損なうものである。このため、オフ
抵抗が大きくかつ低ノイズのスイッチング素子を選ぶ必
要がある。この特性を満たすことは現在入手可能なFE
Tで実現できる。
【0058】<応用例3:マトリックス用途その2>R
off 、およびスイッチング素子ノイズの影響を減じるた
めにもスイッチング素子を2つ設けることは有効であ
る。応用例2と応用例3を比較すると誤差を1/3に減
じる事ができる。応用例2,3のスイッチをTFTに、
容量を高誘電体薄膜にして各画素に設ければアクティブ
マトリックスになる。ただし高誘電体薄膜が不透明であ
ったり、基板に不透明基板を用いなければならない時
は、基板側を電子注入電極/有機層(発光層)/ホール
注入電極(透明電極)とした逆転構造のEL素子と組み
合わせることになる。
【0059】アクティブマトリックス化することにより
放電時間を長く設定できることになり、高解像度化が可
能になる。パッシブマトリクスの場合、次のラインの充
電までに放電を終了させておく必要がある。従って垂直
解像度が高くなればなる程、短い時間で放電を完了しな
ければならない。逆に高解像度になり素子サイズが小さ
くなった場合はEL素子の内部抵抗は高くなり、放電時
間は長くなる。このため、パッシブマトリクスでは実現
できる解像度に限界がある。一方、アクティブマトリク
スの場合は、各素子が独立に構成されるため放電時間は
次のフレームの書き込みまでに終了していればよい。な
お、書き込み時間は次のラインの書き込みまでに終了し
ておく必要があり、これはスイッチング素子のオン抵抗
と蓄積容量の時定数で定まることになるが、スイッチン
グ素子のオン抵抗は薄膜発光素子の内部抵抗に比べ小さ
いため、容易に実現することができる。
【0060】電荷供給手段は、電荷蓄積手段に蓄積され
る電荷量に対応した電圧で電荷を供給可能なものであれ
ば特に限定されるものではない。すなわち、電荷蓄積手
段に蓄積される電荷量は、上述のように所望の発光輝度
を与える電荷量Qであるが、この電荷量Q=C・Vであ
り、電荷蓄積手段の容量Cと電圧Vとで決められる。こ
のため、必要な電荷量に対応した電圧Vを与えることの
できる直流電圧源(パルス性のものを含む)であればよ
いことになる。また、マトリクス駆動するような表示装
置の場合、時分割駆動の動作に追従できる動作速度を有
することが必要である。
【0061】具体的には、電圧可変式の定電圧電源や、
プログラマブル型直流電源、これらの機能を有する電源
IC等を用いることができる。特に、マトリクスタイプ
の薄膜表示素子を駆動するのであればビデオ信号等、外
部から与えられたアナログの輝度信号を増幅、レベル変
換、レベルシフト等して必要な電圧レンジに変換した
り、電圧ブースター、バッファ等を介して与えるもので
もよい。このように、アナログの輝度信号をそのまま用
いることができるので、回路がシンプルになり、製造コ
ストを低くすることができる。また、必要により、輝度
情報をデジタル信号として与え、これをD/Aコンバー
タにより定電圧直流に変換して用いてもよい。
【0062】薄膜発光素子としては、発光ダイオード
(LED)等を用いることもできるが、有機EL素子が
好ましい。有機EL素子を容量に蓄積された電荷により
駆動することで安定した輝度が得られる。
【0063】次に、図を参照しつつ本発明の駆動方法お
よび駆動回路のより具体的な構成について説明する。
【0064】図1は、本発明の駆動回路のより具体的な
構成を示した回路図である。図において、各薄膜発光素
子EL1〜3,EL11〜13は、マトリクス状に配置
された走査線、データ線と接続されている。各走査線
は、薄膜発光素子のカソード側に接続されると共に、そ
れぞれスイッチング素子sw11,12を介して接地さ
れている。各データ線は、薄膜発光素子のアノード側に
接続されると共に、それぞれスイッチング素子sw2
1,22,23を介して電圧可変型の定電圧直流電源E
1〜E3に接続されている。また、データ線にはコンデ
ンサC1〜C3の一端が接続され、前記スイッチング素
子sw21,22,23を介して電源E1〜E3に接続
されるようになっている。コンデンサC1〜C3の他端
は接地されている。
【0065】このような構成の回路において、いま、薄
膜発光素子EL1とEL11が順次所定の輝度で駆動さ
れるとする。図2に各薄膜発光素子EL1,11の駆動
タイミングと、コンデンサC1に蓄積される電荷の関係
を示す。
【0066】先ず、時間t1において薄膜発光素子EL
1が選択され、スイッチング素子sw11がオンにな
り、さらにsw21がオンとなってそれぞれ導通状態と
なると、定電圧直流電源E1から所定の電圧でコンデン
サC1に電荷が蓄積され始める。このとき、薄膜発光素
子EL1が点灯(発光)する。
【0067】次に、時間t2においてコンデンサC1に
所定量の電荷が蓄積されると、スイッチング素子sw2
1がオフとなり、コンデンサC1に蓄えられた電荷が放
電され、薄膜発光素子EL1はこの電荷により所定の発
光輝度で駆動される。
【0068】時間t3において、薄膜発光素子EL1の
選択が終了し、スイッチング素子sw11がオフとな
り、コンデンサC1に蓄えられた電荷の放電が終了する
と薄膜発光素子EL1は消灯(非発光)する。
【0069】このとき(時間t3)同時に薄膜発光素子
EL11が選択され、スイッチング素子sw12がオン
になり、さらにsw21がオンとなってそれぞれ導通状
態となると、定電圧直流電源E1からEL1のときより
低い所定の電圧でコンデンサC1に電荷が蓄積され始め
る。このとき、薄膜発光素子EL11が点灯する。
【0070】次に、時間t4においてコンデンサC1に
所定量の電荷が蓄積されると、スイッチング素子sw2
1がオフとなり、コンデンサC1に蓄えられた電荷が放
電され、薄膜発光素子EL11はこの電荷によりEL1
のときより低い所定の発光輝度で駆動される。
【0071】時間t5において、薄膜発光素子EL11
の選択が終了し、スイッチング素子sw12がオフとな
り、コンデンサC1に蓄えられた電荷の放電が終了する
と薄膜発光素子EL1は消灯する。
【0072】次に、本発明の駆動方法および駆動回路の
他の具体的な構成例について説明する。図3は、本発明
の駆動回路の他の具体的な構成を示した回路図である。
図において、各データ線は、薄膜発光素子のアノード側
に接続されると共に、それぞれ補助スイッチング素子s
w31,32,33とスイッチング素子sw21,2
2,23を介して電圧可変型の定電圧直流電源E1〜E
3に接続されている。また、データ線にはそれぞれ補助
スイッチング素子sw31,32,33を介してコンデ
ンサC1〜C3の一端が接続され、さらに前記スイッチ
ング素子sw21,22,23を介して電源E1〜E3
に接続されるようになっている。コンデンサC1〜C3
の他端は接地されている。その他の構成は図1と同様で
あり、同一構成要素には同一符号を付して説明を省略す
る。
【0073】このような構成の回路において、いま、薄
膜発光素子EL1とEL11が順次所定の輝度で駆動さ
れるとする。図4に各薄膜発光素子EL1,11の駆動
タイミングと、コンデンサC1に蓄積される電荷の関係
を示す。
【0074】先ず、時間t1において薄膜発光素子EL
1が選択され、スイッチング素子sw11がオンにな
り、さらにsw21がオンとなってそれぞれ導通状態と
なると、定電圧直流電源E1から所定の電圧でコンデン
サC1に電荷が蓄積され始める。このとき、補助スイッ
チング素子sw31がオフのままなので薄膜発光素子E
L1は点灯しない。
【0075】次に、時間t2においてコンデンサC1に
所定量の電荷が蓄積されると、スイッチング素子sw2
1がオフとなり、補助スイッチング素子sw31がオン
になってコンデンサC1に蓄えられた電荷が放電され、
薄膜発光素子EL1はこの電荷により所定の発光輝度で
駆動される。
【0076】時間t3において、薄膜発光素子EL1の
選択が終了し、スイッチング素子sw11がオフとな
り、コンデンサC1に蓄えられた電荷の放電が終了し、
補助スイッチング素子sw31がオフになると薄膜発光
素子EL1は消灯する。
【0077】このとき(時間t3)同時に薄膜発光素子
EL11が選択され、スイッチング素子sw12がオン
になり、さらにsw21がオンとなってそれぞれ導通状
態となると、定電圧直流電源E1からEL1のときより
低い所定の電圧でコンデンサC1に電荷が蓄積され始め
る。このとき、補助スイッチング素子sw31がオフの
ままなので薄膜発光素子EL11は点灯しない。
【0078】次に、時間t4においてコンデンサC1に
所定量の電荷が蓄積されると、スイッチング素子sw2
1がオフとなり、補助スイッチング素子sw31がオン
になってコンデンサC1に蓄えられた電荷が放電され、
薄膜発光素子EL11はこの電荷によりEL1のときよ
り低い所定の発光輝度で駆動される。
【0079】時間t5において、薄膜発光素子EL11
の選択が終了し、スイッチング素子sw12がオフとな
り、コンデンサC1に蓄えられた電荷の放電が終了し、
補助スイッチング素子sw31がオフになると薄膜発光
素子EL11は消灯する。
【0080】この例では、コンデンサへC1〜3の充電
期間中は補助スイッチング素子sw31〜33により、
薄膜発光素子EL1〜3,EL11〜13と定電圧直流
電源E1〜E3との導通が遮断され、薄膜発光素子EL
1〜3,EL11〜13には電圧が印加されないように
なっているので、コンデンサC1〜3に蓄積された電荷
のみで薄膜発光素子を駆動することができる。
【0081】本発明に好適に用いられる有機EL素子
は、例えば、基板上に形成され、一対の電極間に少なく
とも発光機能に関与する有機物質を含有した有機層を有
する。一対の電極は、通常、基板側がホール注入電極
(透明電極)となり、その対向する側が電子注入電極
(金属電極)となる。
【0082】本発明の有機EL素子は、例えば基板/ホ
ール注入電極/ホール注入輸送層/発光層/電子注入輸
送層/電子注入電極とが順次積層された構成とすること
ができる。また、上記の積層順を逆にした、いわゆる逆
積層構成としてもよい。これらは、たとえば、ディスプ
レーの仕様や作製プロセス等により、適宜選択し使用さ
れる。特に、酸化されやすい電子注入電極は、フォトリ
ソ工程を含む製造工程の最後の方で積層することが好ま
しく、この点で上記正積層が好ましいが、TFT等のス
イッチング素子、回路の配線構造等により、基板側から
の光の取り出し、ないし取り出し効率を高めることが困
難である場合等には逆積層とすればよい。
【0083】有機層は、例えば、ホール注入輸送層、発
光層、電子注入輸送層等の機能性薄膜が積層されたもの
であり、ホール注入輸送層、電子注入輸送層などは無機
物質にて形成することもできる。
【0084】有機EL構造体は、次のようなものであ
る。発光層は、ホール(正孔)および電子の注入機能、
それらの輸送機能、ホールと電子の再結合により励起子
を生成させる機能を有する。発光層には、比較的電子的
にニュートラルな化合物を用いることが好ましい。
【0085】ホール注入輸送層は、ホール注入電極から
のホールの注入を容易にする機能、ホールを安定に輸送
する機能および電子を妨げる機能を有するものであり、
電子注入輸送層は、電子注入電極からの電子の注入を容
易にする機能、電子を安定に輸送する機能およびホール
を妨げる機能を有するものである。これらの層は、発光
層に注入されるホールや電子を増大・閉じこめさせ、再
結合領域を最適化させ、発光効率を改善する。
【0086】発光層の厚さ、ホール注入輸送層の厚さお
よび電子注入輸送層の厚さは、特に制限されるものでは
なく、形成方法によっても異なるが、通常5〜500nm
程度、特に10〜300nmとすることが好ましい。
【0087】ホール注入輸送層の厚さおよび電子注入輸
送層の厚さは、再結合・発光領域の設計によるが、発光
層の厚さと同程度または1/10〜10倍程度とすれば
よい。ホールまたは電子の各々の注入層と輸送層とを分
ける場合は、注入層は1nm以上、輸送層は1nm以上とす
るのが好ましい。このときの注入層、輸送層の厚さの上
限は、通常、注入層で500nm程度、輸送層で500nm
程度である。このような膜厚については、注入輸送層を
2層設けるときも同じである。
【0088】有機EL素子の発光層には、発光機能を有
する化合物である蛍光性物質を含有させる。このような
蛍光性物質としては、例えば、特開昭63−26469
2号公報に開示されているような化合物、例えばキナク
リドン、ルブレン、スチリル系色素等の化合物から選択
される少なくとも1種が挙げられる。また、トリス(8
−キノリノラト)アルミニウム等の8−キノリノールま
たはその誘導体を配位子とする金属錯体色素などのキノ
リン誘導体、テトラフェニルブタジエン、アントラセ
ン、ペリレン、コロネン、12−フタロペリノン誘導体
等が挙げられる。さらには、特開平8−12600号公
報(特願平6−110569号)に記載のフェニルアン
トラセン誘導体、特開平8−12969号公報(特願平
6−114456号)のテトラアリールエテン誘導体等
を用いることができる。
【0089】また、それ自体で発光が可能なホスト物質
と組み合わせて使用することが好ましく、ドーパントと
しての使用が好ましい。このような場合の発光層におけ
る化合物の含有量は0.01〜20体積%、さらには
0.1〜15体積%であることが好ましい。ホスト物質
と組み合わせて使用することによって、ホスト物質の発
光波長特性を変化させることができ、長波長に移行した
発光が可能になるとともに、素子の発光効率や安定性が
向上する。
【0090】ホスト物質としては、キノリノラト錯体が
好ましく、さらには8−キノリノールまたはその誘導体
を配位子とするアルミニウム錯体が好ましい。このよう
なアルミニウム錯体としては、特開昭63−26469
2号、特開平3−255190号、特開平5−7073
3号、特開平5−258859号、特開平6−2158
74号等に開示されているものを挙げることができる。
【0091】具体的には、まず、トリス(8−キノリノ
ラト)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)マグネ
シウム、ビス(ベンゾ{f}−8−キノリノラト)亜
鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウ
ムオキシド、トリス(8−キノリノラト)インジウム、
トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウ
ム、8−キノリノラトリチウム、トリス(5−クロロ−
8−キノリノラト)ガリウム、ビス(5−クロロ−8−
キノリノラト)カルシウム、5,7−ジクロル−8−キ
ノリノラトアルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−
8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム、ポリ[亜
鉛(II)−ビス(8−ヒドロキシ−5−キノリニル)メ
タン]等がある。
【0092】このほかのホスト物質としては、特開平8
−12600号公報(特願平6−110569号)に記
載のフェニルアントラセン誘導体や特開平8−1296
9号公報(特願平6−114456号)に記載のテトラ
アリールエテン誘導体なども好ましい。
【0093】発光層は電子注入輸送層を兼ねたものであ
ってもよく、このような場合はトリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウム等を使用することが好ましい。これら
の蛍光性物質を蒸着すればよい。
【0094】また、発光層は、必要に応じて、少なくと
も1種のホール注入輸送性化合物と少なくとも1種の電
子注入輸送性化合物との混合層とすることも好ましく、
さらにはこの混合層中にドーパントを含有させることが
好ましい。このような混合層における化合物の含有量
は、0.01〜20体積%、さらには0.1〜15体積
%とすることが好ましい。
【0095】混合層では、キャリアのホッピング伝導パ
スができるため、各キャリアは極性的に有利な物質中を
移動し、逆の極性のキャリア注入は起こりにくくなるた
め、有機化合物がダメージを受けにくくなり、素子寿命
がのびるという利点がある。また、前述のドーパントを
このような混合層に含有させることにより、混合層自体
のもつ発光波長特性を変化させることができ、発光波長
を長波長に移行させることができるとともに、発光強度
を高め、素子の安定性を向上させることもできる。
【0096】混合層に用いられるホール注入輸送性化合
物および電子注入輸送性化合物は、各々、後述のホール
注入輸送層用の化合物および電子注入輸送層用の化合物
の中から選択すればよい。なかでも、ホール注入輸送層
用の化合物としては、強い蛍光を持ったアミン誘導体、
例えばホール輸送材料であるトリフェニルジアミン誘導
体、さらにはスチリルアミン誘導体、芳香族縮合環を持
つアミン誘導体を用いるのが好ましい。
【0097】電子注入輸送性の化合物としては、キノリ
ン誘導体、さらには8−キノリノールないしその誘導体
を配位子とする金属錯体、特にトリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウム(Alq3 )を用いることが好まし
い。また、上記のフェニルアントラセン誘導体、テトラ
アリールエテン誘導体を用いるのも好ましい。
【0098】ホール注入輸送層用の化合物としては、強
い蛍光を持ったアミン誘導体、例えば上記のホール輸送
材料であるトリフェニルジアミン誘導体、さらにはスチ
リルアミン誘導体、芳香族縮合環を持つアミン誘導体を
用いるのが好ましい。
【0099】この場合の混合比は、それぞれのキャリア
移動度とキャリア濃度によるが、一般的には、ホール注
入輸送性化合物の化合物/電子注入輸送機能を有する化
合物の重量比が、1/99〜99/1、さらに好ましく
は10/90〜90/10、特に好ましくは20/80
〜80/20程度となるようにすることが好ましい。
【0100】また、混合層の厚さは、分子層一層に相当
する厚み以上で、有機化合物層の膜厚未満とすることが
好ましい。具体的には1〜85nmとすることが好まし
く、さらには5〜60nm、特には5〜50nmとすること
が好ましい。
【0101】また、混合層の形成方法としては、異なる
蒸着源より蒸発させる共蒸着が好ましいが、蒸気圧(蒸
発温度)が同程度あるいは非常に近い場合には、予め同
じ蒸着ボード内で混合させておき、蒸着することもでき
る。混合層は化合物同士が均一に混合している方が好ま
しいが、場合によっては、化合物が島状に存在するもの
であってもよい。発光層は、一般的には、有機蛍光物質
を蒸着するか、あるいは、樹脂バインダー中に分散させ
てコーティングすることにより、発光層を所定の厚さに
形成する。
【0102】ホール注入輸送層には、例えば、特開昭6
3−295695号公報、特開平2−191694号公
報、特開平3−792号公報、特開平5−234681
号公報、特開平5−239455号公報、特開平5−2
99174号公報、特開平7−126225号公報、特
開平7−126226号公報、特開平8−100172
号公報、EP0650955A1等に記載されている各
種有機化合物を用いることができる。例えば、テトラア
リールベンジシン化合物(トリアリールジアミンないし
トリフェニルジアミン:TPD)、芳香族三級アミン、
ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール
誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサ
ジアゾール誘導体、ポリチオフェン等である。これらの
化合物は、1種のみを用いても、2種以上を併用しても
よい。2種以上を併用するときは、別層にして積層した
り、混合したりすればよい。
【0103】ホール注入輸送層をホール注入層とホール
輸送層とに分けて積層する場合は、ホール注入輸送層用
の化合物のなかから好ましい組合せを選択して用いるこ
とができる。このとき、ホール注入電極(ITO等)側
からイオン化ポテンシャルの小さい化合物の順に積層す
ることが好ましい。また、ホール注入電極表面には薄膜
性の良好な化合物を用いることが好ましい。このような
積層順については、ホール注入輸送層を2層以上設ける
ときも同様である。このような積層順とすることによっ
て、駆動電圧が低下し、電流リークの発生やダークスポ
ットの発生・成長を防ぐことができる。また、素子化す
る場合、蒸着を用いているので1〜10nm程度の薄い膜
も均一かつピンホールフリーとすることができるため、
ホール注入層にイオン化ポテンシャルが小さく、可視部
に吸収をもつような化合物を用いても、発光色の色調変
化や再吸収による効率の低下を防ぐことができる。ホー
ル注入輸送層は、発光層等と同様に上記の化合物を蒸着
することにより形成することができる。
【0104】電子注入輸送層には、トリス(8−キノリ
ノラト)アルミニウム(Alq3 )等の8−キノリノー
ルまたはその誘導体を配位子とする有機金属錯体などの
キノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘
導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリ
ン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオ
レン誘導体等を用いることができる。電子注入輸送層は
発光層を兼ねたものであってもよく、このような場合は
トリス(8−キノリノラト)アルミニウム等を使用する
ことが好ましい。電子注入輸送層の形成は、発光層と同
様に、蒸着等によればよい。
【0105】電子注入輸送層を電子注入層と電子輸送層
とに分けて積層する場合には、電子注入輸送層用の化合
物の中から好ましい組み合わせを選択して用いることが
できる。このとき、電子注入電極側から電子親和力の値
の大きい化合物の順に積層することが好ましい。このよ
うな積層順については、電子注入輸送層を2層以上設け
るときも同様である。
【0106】ホール注入輸送層、発光層および電子注入
輸送層の形成には、均質な薄膜が形成できることから、
真空蒸着法を用いることが好ましい。真空蒸着法を用い
た場合、アモルファス状態または結晶粒径が0.2μm
以下の均質な薄膜が得られる。結晶粒径が0.2μm を
超えていると、不均一な発光となり、素子の駆動電圧を
高くしなければならなくなり、電荷の注入効率も著しく
低下する。
【0107】真空蒸着の条件は特に限定されないが、1
-4Pa以下の真空度とし、蒸着速度は0.01〜1nm/
sec 程度とすることが好ましい。また、真空中で連続し
て各層を形成することが好ましい。真空中で連続して形
成すれば、各層の界面に不純物が吸着することを防げる
ため、高特性が得られる。また、素子の駆動電圧を低く
したり、ダークスポットの発生・成長を抑制したりする
ことができる。
【0108】これら各層の形成に真空蒸着法を用いる場
合において、1層に複数の化合物を含有させる場合、化
合物を入れた各ボートを個別に温度制御して共蒸着する
ことが好ましい。
【0109】また、有機EL構造体は上記有機層の他
に、基板および基板上に有機層を挟み込むように形成さ
れた、ホール注入電極、電子注入電極等の機能性薄膜を
有する。
【0110】電子注入電極としては、低仕事関数の物質
が好ましく、例えば、K、Li、Na、Mg、La、C
e、Ca、Sr、Ba、Al、Ag、In、Sn、Z
n、Zr等の金属元素単体、または安定性を向上させる
ためにそれらを含む2成分、3成分の合金系を用いるこ
とが好ましい。
【0111】電子注入電極薄膜の厚さは、電子注入を十
分行える一定以上の厚さとすれば良く、0.5nm以上、
好ましくは1nm以上、より好ましくは3nm以上とすれば
よい。また、その上限値には特に制限はないが、通常膜
厚は3〜500nm程度とすればよい。電子注入電極の上
には、さらに補助電極ないし保護電極を設けてもよい。
【0112】蒸着時の圧力は好ましくは1×10-8〜1
×10-5Torrで、蒸発源の加熱温度は、金属材料であれ
ば100〜1400℃、有機材料であれば100〜50
0℃程度が好ましい。
【0113】ホール注入電極は、発光した光を取り出す
ため、透明ないし半透明な電極が好ましい。透明電極と
しては、ITO(錫ドープ酸化インジウム)、IZO
(亜鉛ドープ酸化インジウム)、ZnO、SnO2 、I
2 3 等が挙げられるが、好ましくはITO(錫ドー
プ酸化インジウム)、IZO(亜鉛ドープ酸化インジウ
ム)が好ましい。ITOは、通常In2 3 とSnOと
を化学量論組成で含有するが、O量は多少これから偏倚
していてもよい。ホール注入電極は、透明性が必要でな
いときは、不透明の公知の金属材質であってもよい。
【0114】ホール注入電極の厚さは、ホール注入を十
分行える一定以上の厚さを有すれば良く、好ましくは5
0〜500nm、さらには50〜300nmの範囲が好まし
い。また、その上限は特に制限はないが、あまり厚いと
剥離などの心配が生じる。厚さが薄すぎると、製造時の
膜強度やホール輸送能力、抵抗値の点で問題がある。
【0115】このホール注入電極層は蒸着法等によって
も形成できるが、好ましくはスパッタ法、特にパルスD
Cスパッタ法により形成することが好ましい。
【0116】有機EL構造体各層を成膜した後に、Si
X 等の無機材料、テフロン、塩素を含むフッ化炭素重
合体等の有機材料等を用いた保護膜を形成してもよい。
保護膜は透明でも不透明であってもよく、保護膜の厚さ
は50〜1200nm程度とする。保護膜は、前記の反応
性スパッタ法の他に、一般的なスパッタ法、蒸着法、P
ECVD法等により形成すればよい。
【0117】基板に色フィルター膜や蛍光性物質を含む
色変換膜、あるいは誘電体反射膜を用いて発光色をコン
トロールしてもよい。
【0118】有機EL素子は、通常、直流駆動やパルス
駆動等される。印加電圧は、通常、2〜30V 程度であ
る。
【0119】
【実施例】次に実施例を示し、本発明をより具体的に説
明する。 <実施例1>図5に示すような回路を用いて有機EL素
子の駆動を行った。図において、可変式直流定電圧源E
100は、スイッチング素子sw100を介して、コン
デンサC100の一端と、有機EL素子EL100のア
ノード側に接続され、これらの他端側、カソード側は接
地されている。
【0120】駆動条件として、直流定電圧源E100の
電圧:5〜15V 、コンデンサC100の容量:390
pF、有機EL素子EL100の1画素分の大きさ:15
0μm 角、蓄積時間:1μs とした。なお、スイッチン
グ素子sw100のオン抵抗Ronは1kΩ、オフ抵抗R
off は10MΩであった。
【0121】結果を図8に示す。図8から明らかなよう
に、直流定電圧源の電圧に対応して輝度が変化し、発光
輝度をコンデンサに蓄積された電荷量で調節できること
がわかる。なお、このときの発光予定輝度と、実際の輝
度との誤差は18%程度であった。
【0122】<実施例2>図6に示すような回路を用い
て有機EL素子の駆動を行った。図において、コンデン
サC100の一端と、有機EL素子EL100のアノー
ド側との間に電流制限抵抗R100が接続されている。
その他の構成は図5と同様である。
【0123】駆動条件として、直流定電圧源E100の
電圧:5〜15V 、コンデンサC100の容量:2.9
μF 、有機EL素子EL100の1画素分の大きさ:1
0mm角、蓄積時間:500μs とした。
【0124】結果を図9に示す。図9から明らかなよう
に、直流定電圧源の電圧に対応して輝度が変化し、比較
的大面積の有機EL素子で、電流制限抵抗を用いた場合
にも発光輝度をコンデンサに蓄積された電荷量で調節で
きることがわかる。
【0125】<実施例3>図7に示すような回路を用い
て有機EL素子の駆動を行った。図において、コンデン
サC100の一端と、有機EL素子EL100のアノー
ド側との間に補助スイッチング素子sw101が接続さ
れている。その他の構成は図5と同様である。
【0126】駆動条件として、直流定電圧源E100の
電圧:5〜15V 、コンデンサC100の容量:390
pF、有機EL素子EL100の1画素分の大きさ:15
0μm 角、蓄積時間:1μs とした。なお、スイッチン
グ素子sw100のオン抵抗Ronは1kΩ、オフ抵抗R
off は10MΩであった。
【0127】結果を図10に示す。図10から明らかな
ように、直流定電圧源の電圧に対応して輝度が変化し、
発光輝度をコンデンサに蓄積された電荷量で調節できる
ことがわかる。なお、このときの発光予定輝度と、実際
の輝度との誤差は6%程度で、補助スイッチング素子を
用いたことでさらに発行予定輝度に近い状態で駆動でき
ていることがわかる。
【0128】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば供給され
る電流に輝度が依存する薄膜発光素子に対して簡便な回
路で輝度が調整でき、コストおよび実装面積を削減する
ことの可能な薄膜発光素子の駆動方法およびその回路を
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】薄膜発光素子の駆動回路のより具体的な構成例
を示す回路図である。
【図2】図1の各薄膜発光素子の駆動タイミングと、コ
ンデンサに蓄積される電荷の関係を示したタイミングチ
ャートである。
【図3】薄膜発光素子の駆動回路のより具体的な他の構
成例を示す回路図である。
【図4】図3の各薄膜発光素子の駆動タイミングと、コ
ンデンサに蓄積される電荷の関係を示したタイミングチ
ャートである。
【図5】本発明の実施例1の駆動回路図である。
【図6】本発明の実施例2の駆動回路図である。
【図7】本発明の実施例3の駆動回路図である。
【図8】実施例1の輝度−電圧特性を示したグラフであ
る。
【図9】実施例2の輝度−電圧特性を示したグラフであ
る。
【図10】実施例3の輝度−電圧特性を示したグラフで
ある。
【図11】従来のアクティブマトリックス方式の一例を
示す回路図である。
【図12】図11のA部の拡大図である。
【符号の説明】
El1〜3,El11〜13 薄膜発光素子 SW11,12 スイッチング手段 SW21,23 スイッチング手段 SW31,33 補助スイッチング手段 C1〜3 コンデンサ(蓄積容量) E1〜3 直流定電圧電源

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動電流に輝度が依存する薄膜発光素子
    の駆動方法であって、 必要とする輝度に対応した電荷量を、これに対応した電
    圧として電荷供給手段から薄膜発光素子と接続された電
    荷蓄積手段に蓄積し、 この蓄積した電荷により所望の発光輝度で薄膜発光素子
    を駆動する薄膜発光素子の駆動方法。
  2. 【請求項2】 前記電荷蓄積手段への電荷の蓄積を一秒
    間に50回以上行う請求項1の薄膜発光素子の駆動方
    法。
  3. 【請求項3】 次の電荷の蓄積以前に電荷蓄積手段の電
    圧が薄膜発光素子の発光電圧以下となるよう駆動する請
    求項1または2の薄膜発光素子の駆動方法。
  4. 【請求項4】 前記電荷蓄積手段に蓄積されている電荷
    を、次の電荷の蓄積までに90%以上放電させる請求項
    1〜3のいずれかの薄膜発光素子の駆動方法。
  5. 【請求項5】 前記電荷供給手段と前記電荷蓄積手段と
    の間にスイッチング手段を有し、 このスイッチング手段を薄膜発光素子の抵抗成分と電荷
    蓄積手段の容量とで形成される時定数の2.3倍以下で
    スイッチングさせる請求項1〜4のいずれかの薄膜発光
    素子の駆動方法。
  6. 【請求項6】 前記電荷蓄積手段と薄膜発光素子の間に
    補助スイッチング素子を有し、 この補助スイッチング素子は電荷蓄積手段に電荷を蓄積
    している期間、電荷蓄積手段と薄膜発光素子とを電気的
    に遮断する請求項1〜5のいずれかの薄膜発光素子の駆
    動方法。
  7. 【請求項7】 前記薄膜発光素子は、有機EL素子であ
    る請求項1〜6のいずれかの薄膜発光素子の駆動方法。
  8. 【請求項8】 前記薄膜発光素子は、パッシブマトリッ
    クス型画像表示装置を構成する請求項1〜7のいずれか
    の薄膜発光素子の駆動方法。
  9. 【請求項9】 前記薄膜発光素子は、アクティブマトリ
    ックス型画像表示装置を構成する請求項1〜8のいずれ
    かの薄膜発光素子の駆動方法。
  10. 【請求項10】 駆動電流に輝度が依存する薄膜発光素
    子と、 この薄膜発光素子と接続され、薄膜発光素子を駆動する
    ための電荷を蓄積する電荷蓄積手段と、 前記電荷蓄積手段とスイッチング手段を介して接続さ
    れ、電荷蓄積手段に蓄積する電荷量をこれに対応した電
    圧を印加して蓄積する電荷供給手段とを有する薄膜発光
    素子の駆動回路。
  11. 【請求項11】 前記薄膜発光素子の内部抵抗と前記電
    荷蓄積手段の容量で形成される時定数の2.3倍が前記
    スイッチング手段の動作時間より小さい請求項10の薄
    膜発光素子の駆動回路。
  12. 【請求項12】 前記スイッチング手段は、蓄積容量へ
    の電荷の蓄積を一秒間に50回以上行うように動作する
    請求項10または11の薄膜発光素子の駆動回路。
  13. 【請求項13】 前記スイッチング手段は、次の電荷の
    蓄積動作以前に蓄積容量の電圧が薄膜発光素子の発光電
    圧以下となるタイミングで動作する請求項10〜12の
    いずれかの薄膜発光素子の駆動回路。
  14. 【請求項14】 前記スイッチング手段は、蓄積容量の
    電荷を次の電荷の蓄積動作までに90%以上放電させる
    タイミングで動作する請求項10〜13のいずれかの薄
    膜発光素子の駆動回路。
  15. 【請求項15】 前記薄膜発光素子と電荷蓄積手段と
    は、補助スイッチング手段を介して接続され、 この補助スイッチング手段は電荷蓄積手段に電荷を蓄積
    している期間、電荷蓄積手段と薄膜発光素子とを電気的
    に遮断する請求項10〜14のいずれかの薄膜発光素子
    の駆動回路。
  16. 【請求項16】 前記薄膜発光素子は有機EL素子であ
    る請求項10〜15のいずれかの薄膜発光素子の駆動回
    路。
  17. 【請求項17】 請求項10〜16のいずれかの薄膜発
    光素子の駆動回路を有するパッシブマトリクス型画像表
    示装置。
  18. 【請求項18】 請求項10〜16のいずれかの薄膜発
    光素子の駆動回路を有するアクティブマトリックス型画
    像表示装置。
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