JPH11312584A - 有機el素子 - Google Patents

有機el素子

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JPH11312584A
JPH11312584A JP10134631A JP13463198A JPH11312584A JP H11312584 A JPH11312584 A JP H11312584A JP 10134631 A JP10134631 A JP 10134631A JP 13463198 A JP13463198 A JP 13463198A JP H11312584 A JPH11312584 A JP H11312584A
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JP
Japan
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electrode
organic
thickness
layer
injection electrode
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Withdrawn
Application number
JP10134631A
Other languages
English (en)
Inventor
Michio Arai
三千男 荒井
Kenji Nakatani
賢司 中谷
Mitsufumi Kodama
光文 小玉
Hiroshi Yamamoto
洋 山本
Osamu Onizuka
理 鬼塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層数が少なく、成膜工程が簡単になり、駆
動回路や電源への負担も少なく、しかも高輝度が得られ
る有機EL素子を実現する。 【解決手段】 基板1上に、第1のホール注入電極2
と、少なくとも発光機能に関与する1種以上の第1の有
機層3と、第1の電子注入電極4と、第1の引き出し電
極5とが順次積層され、さらにその上に、第2の電子注
入電極6と、少なくとも発光機能に関与する1種以上の
第2の有機層7と、第2のホール注入電極8とが順次積
層されている積層構造を有する。また、さらに好ましく
は、その上に少なくとも発光機能に関与する1種以上の
第3の有機層9と、第3の電子注入電極10と、第2の
引き出し電極11とが順次積層されている有機EL素子
とした。あるいは、この逆の積層順であってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報表示パネル、
自動車用の計器パネル、動画・静止画を表示させるディ
スプレイ等、家電製品、自動車、二輪車電装品に使用さ
れ、有機化合物を用いて構成された有機EL素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、有機EL素子が盛んに研究され、
実用化されつつある。これは、錫ドープ酸化インジウム
(ITO)などの透明電極(ホール注入電極)上にトリ
フェニルジアミン(TPD)などのホール輸送材料を蒸
着により薄膜とし、さらにアルミキノリノール錯体(A
lq3 )などの蛍光物質を発光層として積層し、さらに
Mgなどの仕事関数の小さな金属電極(電子注入電極)
を形成した基本構成を有する素子で、10V 前後の電圧
で数100から数10000cd/m2 ときわめて高い輝度
が得られることで、家電製品、自動車、二輪車電装品等
のディスプレイとして注目されている。
【0003】有機EL素子は、例えば基板上にITO等
のホール注入電極層を有し、さらにその上にホール注入
輸送層、発光層、電子注入輸送層等の有機層を有する。
そして、この有機層の上に電子注入電極を有し、必要に
より配線電極層あるいは保護層を有する。また、ガラス
等の封止板を封止用接着剤等により固定し、封止を行っ
ている。通常、有機EL素子は、厚さ数100nm〜数1
0μm 程度の薄膜構造体であり、ドットマトリクス、あ
るいはセグメント構造等、その使用目的により所定の大
きさ、形状に形成されている。
【0004】有機EL素子を用い、カラーディスプレイ
を実現するために、種々の方法が検討されている。例え
ば、発光体自体の発光色を複数用意したり、カラーフィ
ルターを用いて青、緑、赤の3元色を得たりする方法が
一般的である。
【0005】発光体自体の発光色を変化させる試みとし
て、 SID 96 DIGEST・185 14.2:Novel Transparent Org
anic Electroluminescent Devices G.Gu,V.BBulovic,P.
E.Burrows,S.RForrest,M.E.Tompsonに記載されたカラー
発光素子として、Ag・Mg薄膜を電子注入電極に、I
TOをホール注入電極に用いたものが知られている。こ
こに記載されているカラー発光素子(heterostructure
organic light emitting devices)は、図4に示すよう
に、R,G,B各々に対応した発光層(Red EL,Green E
L,Blue EL)35,39,43を有する多層構造であ
り、各発光層35,39,43毎に電子注入電極36,
40,44、ホール輸送層33,38,42およびホー
ル注入電極34,37,41が同一積層順に配置され、
これらが3原色に対応した積層体として、基板31上に
3層に積層されている。
【0006】これらの積層体を駆動するには、図示例の
ように各電子注入電極36,40,44と、ホール注入
電極34,37,41との間に、所定の電源E1 、E2
、E3 を接続しそれぞれの層を発光させる。この場
合、各積層体はいずれも順積層であるため、各電源E1
、E2 、E3 も同じ方向に直列に接続された状態とな
る。
【0007】この場合、隣り合うホール注入電極と電子
注入電極(37,36および40,39)への配線は、
それぞれの接地ラインと電源ラインとを共通にすること
も可能である。しかし、このようにホール注入電極と電
子注入電極とが隣り合った構造では、一つの電源を共通
にして使用することはできない。このため、積層体の積
層数分の電圧を直列に加算した高い電源電圧が必要とな
る。通常、制御回路に用いられるIC等は、TTLやC
−MOS等、数 V程度の耐圧しか有しないものが多く、
高い電源電圧を制御するため、さらにトランジスタ、F
ET等といった制御素子を用意する必要があり、回路が
複雑になる。また、携帯機器、移動機器等では電源は限
られたものしか用意できず、使用範囲が制限されてしま
う。各積層体毎に電源を用意することも考えられるが、
電源が大型化し、部品点数が増大してコスト高になる。
【0008】さらに、上記構造では各積層体毎に一対の
ホール注入電極と電子注入電極とを用いているため、積
層数が多くなる。例えば、単純マトリクス、アクティブ
マトリクス方式等でのフルカラーディスプレイを考える
と、多数の画素に対応した3原色分の配線構造を必要と
する。従って、これらの電極構造を、画素の大きさを最
大限に確保しながら構築しなければならず、1層でも電
極の数が少なくなれば、パターニングや、成膜時の制約
のみならず、各画素の大きさ、ひいては表示面当たりの
輝度の向上等を図ることができる。
【0009】なお、3原色に対応した各積層体を平面的
に配置し、カラー化する方法も検討されているが、各色
の画素が占める面積が制限され、十分な輝度を得ること
が困難である。また、自発光性の薄膜素子である有機E
L素子の特長を生かそうとする場合には、各発光色の積
層体をさらに積層する方式が優れている。
【0010】一方、単一の発光層とカラーフィルターと
を組み合わせてカラーディスプレイとすることとして
も、有機EL素子の発光の波長領域は狭く、しかもその
中心波長が偏在しているため、白色発光を行わせること
は困難であり、カラーフィルターだけを使用したので
は、赤色等一部の波長領域の光源が不足してしまう。ま
た、フィルターを使用した分輝度の低下が生じるが、こ
れに全体の輝度を合わせるため、全体として輝度が低下
してしまう。さらに、フィルター層の塗布工程、パター
ニング工程等を要し、上記多層型の素子に比べたメリッ
トは少ない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、積層
数が少なく、成膜工程が簡単になり、駆動回路や電源へ
の負担も少なく、しかも高輝度が得られる有機EL素子
を実現することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の構成に
より達成される。 (1) 基板上に、第1のホール注入電極と、少なくと
も発光機能に関与する1種以上の第1の有機層と、第1
の電子注入電極と、第1の引き出し電極とが順次積層さ
れ、さらにその上に、第2の電子注入電極と、少なくと
も発光機能に関与する1種以上の第2の有機層と、第2
のホール注入電極とが順次積層されている積層構造を有
する有機EL素子。 (2) 前記第2のホール注入電極上に、さらに、少な
くとも発光機能に関与する1種以上の第3の有機層と、
第3の電子注入電極と、第2の引き出し電極とが順次積
層されている上記(1)の有機EL素子。 (3) 前記電子注入電極の膜厚は、0.5〜100nm
である上記(1)または(2)の有機EL素子。 (4) 前記引き出し電極の膜厚は、10〜100nmで
ある上記(1)〜(3)のいずれかの有機EL素子。 (5) 基板上に、第1の引き出し電極と、第1の電子
注入電極と、少なくとも発光機能に関与する1種以上の
第1の有機層と、第1のホール注入電極とが順次積層さ
れ、さらにその上に、少なくとも発光機能に関与する1
種以上の第2の有機層と、第2の電子注入電極と、第2
の引き出し電極とが順次積層されている積層構造を有す
る有機EL素子。 (6) 前記第2の引き出し電極上に、さらに、第3の
電子注入電極と、少なくとも発光機能に関与する1種以
上の第3の有機層と、第2のホール注入電極とが順次積
層されている上記(5)の有機EL素子。 (7) 前記電子注入電極の膜厚は、0.5〜100nm
である上記(5)または(6)の有機EL素子。 (8) 前記引き出し電極の膜厚は、10〜100nmで
ある上記(5)〜(7)のいずれかの有機EL素子。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の有機EL素子は、基板上
に、第1のホール注入電極と、少なくとも発光機能に関
与する1種以上の第1の有機層と、第1の電子注入電極
と、第1の引き出し電極とが順次積層され、さらにその
上に、第2の電子注入電極と、少なくとも発光機能に関
与する1種以上の第2の有機層と、第2のホール注入電
極とが順次積層されている積層構造を有するか、
【0014】あるいは、基板上に、第1の引き出し電極
と、第1の電子注入電極と、少なくとも発光機能に関与
する1種以上の第1の有機層と、第1のホール注入電極
とが順次積層され、さらにその上に、少なくとも発光機
能に関与する1種以上の第2の有機層と、第2の電子注
入電極と、第2の引き出し電極とが順次積層されている
積層構造を有する。
【0015】このように、ホール注入電極→有機層→電
子注入電極(引き出し電極を含む)→有機層→ホール注
入電極という順積層+逆積層の構造とするか、電子注入
電極(引き出し電極を含む)→有機層→ホール注入電極
→有機層→電子注入電極(引き出し電極を含む)という
逆積層+順積層という構造にすることにより、電子注入
電極および/またはホール注入電極の少なくとも1層を
共通に使用することができ、構成膜を少なくすることが
でき、ディスプレイの構造が簡単になる。
【0016】発光層で発光した光は、電子注入電極方向
へも、ホール注入電極方向へも放出されるため、各発光
単位となる積層体の一部が逆積層となっていても問題は
ない。また、各発光単位となる積層体は、直列に積層さ
れているため、フルカラーのマトリクス構造とした場
合、1画素あたりの発光面積は最大となる。発光層は、
光取り出し側から短波長の光が発光する発光層を積層す
る。
【0017】各積層体の隣り合う電極は同種の電極同士
となり、一つの電極を共用できるとともに同じ電源を共
通に使用することができる。なお、電子注入電極の光透
過性は、後述の膜厚制御により確保することができる。
ここで光透過性とは、発光波長帯域、通常350〜80
0nm、特に可視光領域での光透過率が50%以上、好ま
しくは70%以上、特に80%以上であることをいう。
【0018】電子注入電極としては、仕事関数の小さい
物質が好ましく、例えば、K、Li、Na、Mg、L
a、Ce、Ca、Sr、Ba、Al、Ag、In、S
n、Zn、Zr等の金属元素単体、または安定性を向上
させるためにそれらを含む2成分、3成分の合金系を用
いることが好ましい。合金系としては、例えばAg・M
g(Ag:0.1〜50at%)、Al・Li(Li:
0.01〜14at%)、In・Mg(Mg:50〜80
at%)、Al・Ca(Ca:0.01〜20at%)等が
好ましい。また、特にこれらの酸化物を用いることが好
ましい。電子注入電極を酸化物とすることにより、IT
O等の酸化物であるホール注入電極と対になった酸化物
で有機層を囲むようになり、耐候性が向上する。電子注
入電極は蒸着法やスパッタ法で形成することが可能であ
るが、有機層状に成膜する点を考慮すると、有機層への
ダメージの少ない蒸着法が好ましい。
【0019】電子注入電極薄膜の厚さは、電子注入を十
分行える一定以上の厚さとすれば良く、好ましくは0.
5nm以上、より好ましくは1nm以上、さらに好ましくは
5nm以上とすればよい。また、その上限値は、発光波長
帯域(350〜800nm)での光透過性を確保するた
め、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以
下、特に10nm以下である。また、電極材料によっては
1〜5nmの範囲であってもよい。電子注入電極の上およ
び/または間には引き出し電極を有する。
【0020】引き出し電極の構成金属材料としては、例
えば、Au,Ag,Cu,Al、Alおよび遷移金属、
特にSc,Nb,Zr,Hf,Nd,Ta,Cu,S
i,Cr,Mo,Mn,Ni,Pd,Pt,W等を、好
ましくはこれらの総計が10at%以下、より好ましくは
5at%以下、特に2at%以下含有していてもよいアルミ
ニウム合金等を好ましく挙げることができる。上記金属
は低抵抗であり、引き出し電極として用いた場合良好な
効果が得られる。特に、AlやAl合金は、安定性やコ
ストの点から好ましい。
【0021】引き出し電極は、シート抵抗が1Ω/□以
下、特に0.5Ω/□以下が好ましい。その下限は特に
規制されるものではないが、通常0.1Ω/□程度であ
る。
【0022】引き出し電極の厚さは、低い抵抗を確保
し、水分や酸素あるいは有機溶媒の進入を防止するた
め、一定以上の厚さとすればよく、好ましくは10nm以
上、さらには20nm以上が好ましい。また、その上限と
しては、発光波長帯域の光透過性を確保するために、1
00nm以下、さらには50nm以下が好ましい。引き出し
電極が薄すぎると、その効果が得られず、また、引き出
し電極の段差被覆性が低くなってしまい、端子電極との
接続が十分ではなくなる。一方、引き出し電極が厚すぎ
ると、光透過性を確保できなくなる。
【0023】引き出し電極の発光波長帯域、通常350
〜800nm、特に各発光光に対する光透過率が50%以
上、好ましくは70%以上、特に80%以上であること
が好ましい。発光光は引き出し電極を通って取り出され
るため、その透過率が低くなると、発光層からの発光自
体が減衰され、発光素子として必要な輝度が得られなく
なる傾向がある。ただし、一方のみから発光光を取り出
すときには、取り出し側と反対側の発光光に対し50%
以上であればよい。
【0024】電子注入電極と引き出し電極とを合わせた
全体の厚さとしては、特に制限はないが、通常10〜2
00nm程度とすればよい。
【0025】上記電子注入電極、引き出し電極を蒸着法
で形成する場合、真空蒸着の条件は特に限定されない
が、10-4Pa以下の真空度とし、蒸着速度は0.01〜
1nm/sec 程度とすることが好ましい。また、真空中で
連続して各層を形成することが好ましい。真空中で連続
して形成すれば、各層の界面に不純物が吸着することを
防げるため、高特性が得られる。
【0026】電子注入電極、引き出し電極をスパッタ法
で形成する場合、スパッタ時のスパッタガスの圧力は、
0.1〜1Paの範囲が好ましい。スパッタガスは、通常
のスパッタ装置に使用される不活性ガスが使用できる。
【0027】スパッタ法としてはRF電源を用いた高周
波スパッタ法や、DCスパッタ法等の中から好適なスパ
ッタ法を用いて成膜すればよい。スパッタ装置の電力と
しては、好ましくはDCスパッタで0.1〜10W/cm
2、RFスパッタ、RF(13.56MHz):100〜5
00W程度の範囲である。また、成膜レートは5〜10
0nm/min 、特に10〜50nm/min の範囲が好まし
い。
【0028】本発明の有機EL素子は、マトリクスタイ
プのディスプレイやセグメントタイプのディスプレイ
等、種々のディスプレイに応用することができる。
【0029】本発明の有機EL素子は、例えば図1に示
すように基板1上にITO等の第1のホール注入電極2
と、発光機能に関与するホール注入輸送層、発光層、電
子注入輸送層等の1種以上を有する第1の有機層3と、
第1の電子注入電極4と、第1の引き出し電極5とを順
次有する。また、その上に第2の電子注入電極6と、第
2の有機層7と、第2のホール注入電極8とを順次有す
る。さらにその上に、第3の有機層9と、第3の電子注
入電極10と、第2の引き出し電極11とを順次有す
る。
【0030】あるいは本発明の有機EL素子は、例えば
図2に示すように基板1上に第1の引き出し電極5と、
第1の電子注入電極4と、発光機能に関与する第1の有
機層3と、第1のホール注入電極2とを順次有する。ま
た、その上に第2の有機層7と、第2の電子注入電極6
と、第2の引き出し電極11とを有する。さらにその上
に、第3の電子注入電極10と、第3の有機層9と、第
2のホール注入電極8を有する。この場合、第2のホー
ル注入電極8側が光取り出し側でない場合には、第2の
ホール注入電極を薄く成膜し、さらにその上に引き出し
電極を形成してもよい。これにより、電極抵抗が減少
し、発光効率が向上する。
【0031】これらの図示例では、1つの発光単位とな
る積層体を3層積層して、3原色発光によるフルカラー
ディスプレイ、あるいは3原色を同時に発光させ、ブロ
ードな白色光源として機能させることができる構成とな
っている。また、電子注入電極は、引き出し電極を有す
る構造となっているため、図1における第1の電子注入
電極4と、第1の引き出し電極5と、第2の電子注入電
極6や、図2における第2の電子注入電極6と、第2の
引き出し電極11と、第3の電子注入電極10のよう
に、1つの引き出し電極を挟んで電子注入電極が上下に
配置される構成となっている。
【0032】また、各積層体には所定の電源E1,E2,E3
が、それぞれ同一極性同士を共通にして接続される。こ
のため、単一の電源を共通に使用することができ、ま
た、いずれか一方の側の配線を共通にすることもでき
る。
【0033】本発明の有機EL素子をディスプレイとし
て駆動する場合、好ましくは図3に示すように、積層体
D1〜D3それぞれを専用の配線により駆動するとよ
い。図3は、単純マトリクスディスプレイの一構成例を
示す部分概念図である。すなわち、第1の積層体D1
は、第1の走査線(コモンライン)m1と、第1のデー
タ線(セグメントライン)n1とで駆動され、第2の積
層体D1は、第2の走査線(コモンライン)m2と、第
2のデータ線(セグメントライン)n2とで駆動され、
第3の積層体D3は、第3の走査線(コモンライン)m
3と、第3のデータ線(セグメントライン)n3とで駆
動される。このように、個々の積層体それぞれを、専用
の配線により駆動することにより、駆動回路や制御回路
が簡単になり、制御しやすくなる。従って、色度、彩
度、明度等の制御をより正確に行うことができ、高品
質、高精細のディスプレイを得ることができる。なお、
コスト面から、より簡単な構造を求める場合には、前述
のように各積層体の駆動線を共通にしてもよい。
【0034】ホール注入電極は、発光した光を取り出す
ため、透明ないし半透明な電極が好ましい。透明電極と
しては、ITO(錫ドープ酸化インジウム)、IZO
(亜鉛ドープ酸化インジウム)、ZnO、SnO2 、I
23 等が挙げられるが、好ましくはITO(錫ドー
プ酸化インジウム)、IZO(亜鉛ドープ酸化インジウ
ム)が好ましい。ITOは、通常In2 3 とSnOと
を化学量論組成で含有するが、O量は多少これから偏倚
していてもよい。In23 に対するSnO2 の混合比
は、1〜20wt%、さらには5〜12wt%が好ましい。
また、IZOでのIn23 に対するZnO2 の混合比
は、通常、12〜32wt%程度である。ホール注入電極
は、透明性が必要でないときは、不透明の公知の金属材
質であってもよい。
【0035】ホール注入電極は、発光波長帯域、通常3
50〜800nm、特に各発光光に対する光透過率が80
%以上、特に90%以上であることが好ましい。通常、
発光光はホール注入電極を通って取り出されるため、そ
の透過率が低くなると、発光層からの発光自体が減衰さ
れ、発光素子として必要な輝度が得られなくなる傾向が
ある。ただし、一方のみから発光光を取り出すときに
は、取り出す側が発光光に対し80%以上であればよ
い。
【0036】ホール注入電極の厚さは、ホール注入を十
分行える一定以上の厚さを有すれば良く、好ましくは5
0〜500nm、さらには50〜300nmの範囲が好まし
い。また、その上限は特に制限はないが、あまり厚いと
剥離などの心配が生じる。厚さが薄すぎると、製造時の
膜強度やホール輸送能力、抵抗値の点で問題がある。
【0037】このホール注入電極層は蒸着法等によって
も形成できるが、好ましくはスパッタ法、特にパルスD
Cスパッタ法により形成することが好ましい。
【0038】有機層は、以下のような構成とすることが
できる。
【0039】発光層は、ホール(正孔)および電子の注
入機能、それらの輸送機能、ホールと電子の再結合によ
り励起子を生成させる機能を有する。発光層には、比較
的電子的にニュートラルな化合物を用いることで、電子
とホールを容易かつバランス良く注入・輸送することが
できる。
【0040】ホール注入輸送層は、ホール注入電極から
のホールの注入を容易にする機能、ホールを安定に輸送
する機能および電子を妨げる機能を有するものであり、
電子注入輸送層は、電子注入電極からの電子の注入を容
易にする機能、電子を安定に輸送する機能およびホール
を妨げる機能を有するものである。これらの層は、発光
層に注入されるホールや電子を増大・閉じこめさせ、再
結合領域を最適化させ、発光効率を改善する。
【0041】発光層の厚さ、ホール注入輸送層の厚さお
よび電子注入輸送層の厚さは、特に制限されるものでは
なく、形成方法によっても異なるが、通常5〜500nm
程度、特に10〜300nmとすることが好ましい。
【0042】ホール注入輸送層の厚さおよび電子注入輸
送層の厚さは、再結合・発光領域の設計によるが、発光
層の厚さと同程度または1/10〜10倍程度とすれば
よい。ホールまたは電子の各々の注入層と輸送層とを分
ける場合は、注入層は1nm以上、輸送層は1nm以上とす
るのが好ましい。このときの注入層、輸送層の厚さの上
限は、通常、注入層で500nm程度、輸送層で500nm
程度である。このような膜厚については、注入輸送層を
2層設けるときも同じである。
【0043】有機EL素子の発光層には、発光機能を有
する化合物である蛍光性物質を含有させる。このような
蛍光性物質としては、例えば、特開昭63−26469
2号公報に開示されているような化合物、例えばキナク
リドン、ルブレン、スチリル系色素等の化合物から選択
される少なくとも1種が挙げられる。また、トリス(8
−キノリノラト)アルミニウム等の8−キノリノールま
たはその誘導体を配位子とする金属錯体色素などのキノ
リン誘導体、テトラフェニルブタジエン、アントラセ
ン、ペリレン、コロネン、12−フタロペリノン誘導体
等が挙げられる。さらには、特願平6−110569号
のフェニルアントラセン誘導体、特願平6−11445
6号のテトラアリールエテン誘導体等を用いることがで
きる。
【0044】また、それ自体で発光が可能なホスト物質
と組み合わせて使用することが好ましく、ドーパントと
しての使用が好ましい。このような場合の発光層におけ
る化合物の含有量は0.01〜20wt% 、さらには0.
1〜15wt% であることが好ましい。ホスト物質と組み
合わせて使用することによって、ホスト物質の発光波長
特性を変化させることができ、長波長に移行した発光が
可能になるとともに、素子の発光効率や安定性が向上す
る。
【0045】ホスト物質としては、キノリノラト錯体が
好ましく、さらには8−キノリノールまたはその誘導体
を配位子とするアルミニウム錯体が好ましい。このよう
なアルミニウム錯体としては、特開昭63−26469
2号、特開平3−255190号、特開平5−7073
3号、特開平5−258859号、特開平6−2158
74号等に開示されているものを挙げることができる。
【0046】具体的には、まず、トリス(8−キノリノ
ラト)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)マグネ
シウム、ビス(ベンゾ{f}−8−キノリノラト)亜
鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウ
ムオキシド、トリス(8−キノリノラト)インジウム、
トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウ
ム、8−キノリノラトリチウム、トリス(5−クロロ−
8−キノリノラト)ガリウム、ビス(5−クロロ−8−
キノリノラト)カルシウム、5,7−ジクロル−8−キ
ノリノラトアルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−
8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム、ポリ[亜
鉛(II)−ビス(8−ヒドロキシ−5−キノリニル)メ
タン]等がある。
【0047】また、8−キノリノールまたはその誘導体
のほかに他の配位子を有するアルミニウム錯体であって
もよく、このようなものとしては、ビス(2−メチル−
8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム(III)
、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(オルト−
クレゾラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−
8−キノリノラト)(メタークレゾラト)アルミニウム
(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(パラ
−クレゾラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル
−8−キノリノラト)(オルト−フェニルフェノラト)
アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノ
ラト)(メタ−フェニルフェノラト)アルミニウム(II
I) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(パラ−
フェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−
メチル−8−キノリノラト)(2,3−ジメチルフェノ
ラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キ
ノリノラト)(2,6−ジメチルフェノラト)アルミニ
ウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)
(3,4−ジメチルフェノラト)アルミニウム(III) 、
ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(3,5−ジメ
チルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチ
ル−8−キノリノラト)(3,5−ジ−tert−ブチルフ
ェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8
−キノリノラト)(2,6−ジフェニルフェノラト)ア
ルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラ
ト)(2,4,6−トリフェニルフェノラト)アルミニ
ウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)
(2,3,6−トリメチルフェノラト)アルミニウム(I
II) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(2,
3,5,6−テトラメチルフェノラト)アルミニウム(I
II) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(1−ナ
フトラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8
−キノリノラト)(2−ナフトラト)アルミニウム(II
I) 、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)
(オルト−フェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、
ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)(パラ−
フェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2,
4−ジメチル−8−キノリノラト)(メタ−フェニルフ
ェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2,4−ジメチ
ル−8−キノリノラト)(3,5−ジメチルフェノラ
ト)アルミニウム(III) 、ビス(2,4−ジメチル−8
−キノリノラト)(3,5−ジ−tert−ブチルフェノラ
ト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−4−エチ
ル−8−キノリノラト)(パラ−クレゾラト)アルミニ
ウム(III) 、ビス(2−メチル−4−メトキシ−8−キ
ノリノラト)(パラ−フェニルフェノラト)アルミニウ
ム(III) 、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリ
ノラト)(オルト−クレゾラト)アルミニウム(III) 、
ビス(2−メチル−6−トリフルオロメチル−8−キノ
リノラト)(2−ナフトラト)アルミニウム(III) 等が
ある。
【0048】このほか、ビス(2−メチル−8−キノリ
ノラト)アルミニウム(III) −μ−オキソ−ビス(2−
メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) 、ビス
(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)アルミニウム
(III) −μ−オキソ−ビス(2,4−ジメチル−8−キ
ノリノラト)アルミニウム(III) 、ビス(4−エチル−
2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) −
μ−オキソ−ビス(4−エチル−2−メチル−8−キノ
リノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−4
−メトキシキノリノラト)アルミニウム(III) −μ−オ
キソ−ビス(2−メチル−4−メトキシキノリノラト)
アルミニウム(III) 、ビス(5−シアノ−2−メチル−
8−キノリノラト)アルミニウム(III) −μ−オキソ−
ビス(5−シアノ−2−メチル−8−キノリノラト)ア
ルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−5−トリフルオ
ロメチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) −μ
−オキソ−ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル
−8−キノリノラト)アルミニウム(III) 等であっても
よい。
【0049】このほかのホスト物質としては、特願平6
−110569号に記載のフェニルアントラセン誘導体
や特願平6−114456号に記載のテトラアリールエ
テン誘導体なども好ましい。
【0050】発光層は電子注入輸送層を兼ねたものであ
ってもよく、このような場合はトリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウム等を使用することが好ましい。これら
の蛍光性物質を蒸着すればよい。
【0051】また、発光層は、必要に応じて、少なくと
も1種のホール注入輸送性化合物と少なくとも1種の電
子注入輸送性化合物との混合層とすることも好ましく、
さらにはこの混合層中にドーパントを含有させることが
好ましい。このような混合層における化合物の含有量
は、0.01〜20wt% 、さらには0.1〜15wt% と
することが好ましい。
【0052】混合層では、キャリアのホッピング伝導パ
スができるため、各キャリアは極性的に有利な物質中を
移動し、逆の極性のキャリア注入は起こりにくくなるた
め、有機化合物がダメージを受けにくくなり、素子寿命
がのびるという利点がある。また、前述のドーパントを
このような混合層に含有させることにより、混合層自体
のもつ発光波長特性を変化させることができ、発光波長
を長波長に移行させることができるとともに、発光強度
を高め、素子の安定性を向上させることもできる。
【0053】混合層に用いられるホール注入輸送性化合
物および電子注入輸送性化合物は、各々、後述のホール
注入輸送層用の化合物および電子注入輸送層用の化合物
の中から選択すればよい。なかでも、ホール注入輸送層
用の化合物としては、強い蛍光を持ったアミン誘導体、
例えばホール輸送材料であるトリフェニルジアミン誘導
体、さらにはスチリルアミン誘導体、芳香族縮合環を持
つアミン誘導体を用いるのが好ましい。
【0054】電子注入輸送性の化合物としては、キノリ
ン誘導体、さらには8−キノリノールないしその誘導体
を配位子とする金属錯体、特にトリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウム(Alq3 )を用いることが好まし
い。また、上記のフェニルアントラセン誘導体、テトラ
アリールエテン誘導体を用いるのも好ましい。
【0055】ホール注入輸送層用の化合物としては、強
い蛍光を持ったアミン誘導体、例えば上記のホール輸送
材料であるトリフェニルジアミン誘導体、さらにはスチ
リルアミン誘導体、芳香族縮合環を持つアミン誘導体を
用いるのが好ましい。
【0056】この場合の混合比は、それぞれのキャリア
移動度とキャリア濃度によるが、一般的には、ホール注
入輸送性化合物の化合物/電子注入輸送機能を有する化
合物の重量比が、1/99〜99/1、さらに好ましく
は10/90〜90/10、特に好ましくは20/80
〜80/20程度となるようにすることが好ましい。
【0057】また、混合層の厚さは、分子層一層に相当
する厚み以上で、有機化合物層の膜厚未満とすることが
好ましい。具体的には1〜85nmとすることが好まし
く、さらには5〜60nm、特には5〜50nmとすること
が好ましい。
【0058】また、混合層の形成方法としては、異なる
蒸着源より蒸発させる共蒸着が好ましいが、蒸気圧(蒸
発温度)が同程度あるいは非常に近い場合には、予め同
じ蒸着ボード内で混合させておき、蒸着することもでき
る。混合層は化合物同士が均一に混合している方が好ま
しいが、場合によっては、化合物が島状に存在するもの
であってもよい。発光層は、一般的には、有機蛍光物質
を蒸着するか、あるいは、樹脂バインダー中に分散させ
てコーティングすることにより、発光層を所定の厚さに
形成する。
【0059】ホール注入輸送層には、例えば、特開昭6
3−295695号公報、特開平2−191694号公
報、特開平3−792号公報、特開平5−234681
号公報、特開平5−239455号公報、特開平5−2
99174号公報、特開平7−126225号公報、特
開平7−126226号公報、特開平8−100172
号公報、EP0650955A1等に記載されている各
種有機化合物を用いることができる。例えば、テトラア
リールベンジシン化合物(トリアリールジアミンないし
トリフェニルジアミン:TPD)、芳香族三級アミン、
ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール
誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサ
ジアゾール誘導体、ポリチオフェン等である。これらの
化合物は、1種のみを用いても、2種以上を併用しても
よい。2種以上を併用するときは、別層にして積層した
り、混合したりすればよい。
【0060】ホール注入輸送層をホール注入層とホール
輸送層とに分けて設層する場合は、ホール注入輸送層用
の化合物のなかから好ましい組合せを選択して用いるこ
とができる。このとき、ホール注入電極(ITO等)側
からイオン化ポテンシャルの小さい化合物の順に積層す
ることが好ましい。また、ホール注入電極表面には薄膜
性の良好な化合物を用いることが好ましい。このような
積層順については、ホール注入輸送層を2層以上設ける
ときも同様である。このような積層順とすることによっ
て、駆動電圧が低下し、電流リークの発生やダークスポ
ットの発生・成長を防ぐことができる。また、素子化す
る場合、蒸着を用いているので1〜10nm程度の薄い膜
も均一かつピンホールフリーとすることができるため、
ホール注入層にイオン化ポテンシャルが小さく、可視部
に吸収をもつような化合物を用いても、発光色の色調変
化や再吸収による効率の低下を防ぐことができる。ホー
ル注入輸送層は、発光層等と同様に上記の化合物を蒸着
することにより形成することができる。
【0061】電子注入輸送層には、トリス(8−キノリ
ノラト)アルミニウム(Alq3 )等の8−キノリノー
ルまたはその誘導体を配位子とする有機金属錯体などの
キノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘
導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリ
ン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオ
レン誘導体等を用いることができる。電子注入輸送層は
発光層を兼ねたものであってもよく、このような場合は
トリス(8−キノリノラト)アルミニウム等を使用する
ことが好ましい。電子注入輸送層の形成は、発光層と同
様に、蒸着等によればよい。
【0062】電子注入輸送層を電子注入層と電子輸送層
とに分けて積層する場合には、電子注入輸送層用の化合
物の中から好ましい組み合わせを選択して用いることが
できる。このとき、電子注入電極側から電子親和力の値
の大きい化合物の順に積層することが好ましい。このよ
うな積層順については、電子注入輸送層を2層以上設け
るときも同様である。
【0063】ホール注入輸送層、発光層および電子注入
輸送層の形成には、均質な薄膜が形成できることから、
真空蒸着法を用いることが好ましい。真空蒸着法を用い
た場合、アモルファス状態または結晶粒径が0.1μm
以下の均質な薄膜が得られる。結晶粒径が0.1μm を
超えていると、不均一な発光となり、素子の駆動電圧を
高くしなければならなくなり、ホールの注入効率も著し
く低下する。
【0064】真空蒸着の条件は特に限定されないが、1
-4Pa以下の真空度とし、蒸着速度は0.01〜1nm/
sec 程度とすることが好ましい。また、真空中で連続し
て各層を形成することが好ましい。真空中で連続して形
成すれば、各層の界面に不純物が吸着することを防げる
ため、高特性が得られる。また、素子の駆動電圧を低く
したり、ダークスポットの発生・成長を抑制したりする
ことができる。
【0065】これら各層の形成に真空蒸着法を用いる場
合において、1層に複数の化合物を含有させる場合、化
合物を入れた各ボートを個別に温度制御して共蒸着する
ことが好ましい。
【0066】有機EL構造体各層を成膜した後に、Si
X 等の無機材料、テフロン、塩素を含むフッ化炭素重
合体等の有機材料等を用いた保護膜を形成してもよい。
保護膜は透明でも不透明であってもよく、保護膜の厚さ
は50〜1200nm程度とする。保護膜は、前記の反応
性スパッタ法の他に、一般的なスパッタ法、蒸着法、P
ECVD法等により形成すればよい。
【0067】さらに、素子の有機層や電極の酸化を防い
だり、機械的ダメージから保護するために、素子上に封
止板を設けることが好ましい。封止板は、湿気の侵入を
防ぐために、接着性樹脂等を用いて接着し密封する。封
止ガスは、Ar、He、N2等の不活性ガス等が好まし
い。また、この封止ガスの水分含有量は、100ppm以
下、より好ましくは10ppm 以下、特には1ppm 以下で
あることが好ましい。この水分含有量に下限値は特にな
いが、通常0.1ppm 程度である。
【0068】封止板の材料としては、好ましくは平板状
であって、ガラスや石英、樹脂等の透明ないし半透明材
料が挙げられるが、特にガラスが好ましい。封止板とし
ては、ガラス板以外にも、金属板、プラスチック板等を
用いることもできる。
【0069】封止板は、スペーサーを用いて高さを調整
し、所望の高さに保持してもよい。スペーサーの材料と
しては、樹脂ビーズ、シリカビーズ、ガラスビーズ、ガ
ラスファイバー等が挙げられ、特にガラスビーズ等が好
ましい。スペーサーは、通常、粒径の揃った粒状物であ
るが、その形状は特に限定されるものではなく、スペー
サーとしての機能に支障のないものであれば種々の形状
であってもよい。その大きさとしては、円換算の直径が
1〜20μm 、より好ましくは1〜10μm 、特に2〜
8μm が好ましい。このような直径のものは、粒長10
0μm 以下程度であることが好ましく、その下限は特に
規制されるものではないが、通常1μm程度である。
【0070】なお、封止板に凹部を形成した場合には、
スペーサーは使用しても、使用しなくてもよい。使用す
る場合の好ましい大きさとしては、前記範囲でよいが、
特に2〜8μm の範囲が好ましい。
【0071】スペーサーは、予め封止用接着剤中に混入
されていても、接着時に混入してもよい。封止用接着剤
中におけるスペーサーの含有量は、好ましくは0.01
〜30wt%、より好ましくは0.1〜5wt%である。
【0072】接着剤としては、安定した接着強度が保
て、気密性が良好なものであれば特に限定されるもので
はないが、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ
樹脂接着剤を用いることが好ましい。
【0073】基板材料としては特に限定するものではな
く、積層する有機EL構造体の電極の材質等により適宜
決めることができ、例えば、Al等の金属材料や、ガラ
ス、石英や樹脂等の透明ないし半透明材料、あるいは不
透明であってもよく、この場合はガラス等のほか、アル
ミナ等のセラミックス、ステンレス等の金属シートに表
面酸化などの絶縁処理を施したもの、フェノール樹脂等
の熱硬化性樹脂、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂な
どを用いることができる。ガラス材としては、無アルカ
リガラスが好ましいが、その他のガラス組成のものも使
用することができる。特に、アルカリガラスを用いる場
合、基板上にSiO2 等のバリアコート層を設けてアル
カリ金属成分等の汚染を防止するとよい。
【0074】基板に色フィルター膜や蛍光性物質を含む
色変換膜、あるいは誘電体反射膜を用いて発光色をコン
トロールしてもよい。
【0075】色フィルター膜には、液晶ディスプレイ等
で用いられているカラーフィルターを用いれば良いが、
有機EL素子の発光する光に合わせてカラーフィルター
の特性を調整し、取り出し効率・色純度を最適化すれば
よい。
【0076】また、EL素子材料や蛍光変換層が光吸収
するような短波長の外光をカットできるカラーフィルタ
ーを用いれば、素子の耐光性・表示のコントラストも向
上する。
【0077】また、誘電体多層膜のような光学薄膜を用
いてカラーフィルターの代わりにしても良い。
【0078】蛍光変換フィルター膜は、EL発光の光を
吸収し、蛍光変換膜中の蛍光体から光を放出させること
で、発光色の色変換を行うものであるが、組成として
は、バインダー、蛍光材料、光吸収材料の三つから形成
される。
【0079】蛍光材料は、基本的には蛍光量子収率が高
いものを用いれば良く、EL発光波長域に吸収が強いこ
とが望ましい。実際には、レーザー色素などが適してお
り、ローダミン系化合物・ペリレン系化合物・シアニン
系化合物・フタロシアニン系化合物(サブフタロシアニ
ン等も含む)ナフタロイミド系化合物・縮合環炭化水素
系化合物・縮合複素環系化合物・スチリル系化合物・ク
マリン系化合物等を用いればよい。
【0080】バインダーは、基本的に蛍光を消光しない
ような材料を選べば良く、フォトリソグラフィー・印刷
等で微細なパターニングが出来るようなものが好まし
い。また、ホール注入電極(ITO、IZO)、あるい
は電子注入電極の成膜時にダメージを受けないような材
料が好ましい。
【0081】光吸収材料は、蛍光材料の光吸収が足りな
い場合に用いるが、必要のない場合は用いなくても良
い。また、光吸収材料は、蛍光性材料の蛍光を消光しな
いような材料を選べば良い。
【0082】有機EL素子は、直流駆動やパルス駆動等
され、交流駆動することもできる。印加電圧は、通常、
2〜30V 程度である。
【0083】
【実施例】次に実施例を示し、本発明をより具体的に説
明する。 <実施例1>ガラス基板上に、第1のITO透明電極
(ホール注入電極)をスパッタ法にて50nm成膜した。
【0084】ITO電極層等が形成された基板の表面を
UV/O3 洗浄した後、真空蒸着装置の基板ホルダーに
固定して、槽内を1×10-4Pa以下まで減圧した。
【0085】先ず、N,N−ジフェニル−N,N’−m
−トリル4,4’4,4’,4”−トリス(−N−(3
−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)トリフェニ
ルアミン(m−MTDATA)を0.1nm/sec で、8
0nmの厚さに蒸着し、第1のホール注入層とした。
【0086】次いで、N,N’−ジフェニル−N,N’
−m−トリル−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェ
ニル(以下、TPD)を蒸着速度0.1nm/sec で20
nmの厚さに蒸着し、第1のホール輸送層とした。
【0087】次いで、減圧を保ったまま、ジフェニルア
ントラセンダイマー(DPA)を蒸着速度0.1nm/se
c で40nmの膜厚に蒸着し、第1の発光層(青色発光
層)とした。次いで、トリス(8−キノリノラト)アル
ミニウム(以下、Alq3 )を蒸着速度0.1nm/sec
で10nmの厚さに蒸着して、第1の電子注入輸送層とし
た。
【0088】さらに、減圧状態を保ったまま、Mg・A
g(体積比10:1)を蒸着速度0.1nm/secで10nm
の厚さに蒸着し、第1の電子注入電極とし、第1の引き
出し電極としてAlを20nm蒸着した。さらに、Mg・
Ag(重量比10:1)を蒸着速度0.1nm/secで10
nmの厚さに蒸着し、第2の電子注入電極とした。
【0089】次いで、減圧を保ったまま、Alq3 をホ
スト物質とし、蒸着速度0.2nm/sec で、これにクマ
リン6が1体積%となるように60nmの厚さに共蒸着し
て、第2の発光層〔電子注入輸送発光層(緑色発光
層)〕とした。
【0090】さらに、減圧を保ったまま、TPDを蒸着
速度0.1nm/secで20nmの厚さに蒸着し、第2のホー
ル輸送層とした。
【0091】次いで、m−MTDATAを蒸着速度0.
1nm/sec で、50nmの厚さに蒸着し、第2のホール注
入層とした。
【0092】次いで、減圧を保ったまま、第2のITO
透明電極(ホール注入電極)をスパッタ法にて50nm成
膜した。
【0093】さらに、減圧を保ったまま、m−MTDA
TAを蒸着速度0.1nm/sec 50nmの厚さに蒸着し、
第3のホール注入層とした。
【0094】次いで、TPDを蒸着速度0.1nm/sec
で20nmの厚さに蒸着し、第3のホール輸送層とした。
【0095】次いで、減圧を保ったまま、Alq3 をホ
スト物質とし、蒸着速度0.2nm/sec で、これにジシ
アノメチルピラン(DCM)が1体積%となるように6
0nmの厚さに共蒸着して、第3の発光層〔電子注入発光
層(赤色発光層)〕とした。
【0096】次いで、減圧状態を保ったまま、Mg・A
g(体積比10:1)を蒸着速度0.1nm/sec で10n
mの厚さに蒸着して第3の電子注入電極とし、第2の引
き出し電極として、Alを100nm蒸着した。
【0097】最後にガラス封止板を貼り合わせ、図1に
示すような構造の有機EL素子とした。
【0098】得られた有機EL素子の各積層体に、単一
電源から所定の直流電圧を印加し、10mA/cm2 の定電
流密度で、駆動させ、基板側から観察したところ、各発
光層ともそれぞれ独立に発光し、制御できることが確認
できた。青色発光部は輝度500cd/cm2 、緑色発光部
は輝度600cd/cm2 、赤色発光部は輝度300cd/cm
2 の発光が得られた。
【0099】<実施例2>ガラス基板を真空蒸着装置の
基板ホルダーに固定して、槽内を1×10-4Pa以下まで
減圧した。次いで、第1の引き出し電極としてAlを蒸
着速度0.1nm/sec で200nm蒸着し、Mg・Ag
(重量比10:1)を蒸着速度0.1nm/secで10nmの
厚さに蒸着して第1の電子注入電極とした。
【0100】次いで、減圧を保ったまま、Alq3 をホ
スト物質とし、蒸着速度0.2nm/sec で、これにジシ
アノメチルピラン(DCM)が1体積%となるように6
0nmの厚さに共蒸着して、第1の発光層〔電子注入輸送
発光層(赤色発光層)〕とした。
【0101】次いで、TPDを蒸着速度0.1nm/sec
で20nmの厚さに蒸着し、第1のホール輸送層とした。
【0102】さらに、減圧を保ったまま、m−MTDA
TAを蒸着速度0.1nm/sec で50nmの厚さに蒸着
し、第1のホール注入層とした。
【0103】次いで、減圧を保ったまま、第1のITO
透明電極(ホール注入電極)をスパッタ法にて50nm成
膜した。
【0104】さらに、減圧を保ったまま、m−MTDA
TAを蒸着速度0.1nm/sec で50nmの厚さに蒸着
し、第2のホール注入層とした。
【0105】次いで、TPDを蒸着速度0.1nm/sec
で20nmの厚さに蒸着し、第2のホール輸送層とした。
【0106】次いで、減圧を保ったまま、Alq3 をホ
スト物質として蒸着速度0.2nm/sec で、これにクマ
リン6が1体積%となるように60nmの厚さに共蒸着し
て、第2の発光層〔電子注入輸送発光層(緑色発光
層)〕とした。
【0107】さらに、減圧状態を保ったまま、Mg・A
g(体積比10:1)を蒸着速度0.1nm/secで10nm
の厚さに蒸着し、第2の電子注入電極とし、第2の引き
出し電極としてAlを20nm蒸着した。さらに、Mg・
Ag(重量比10:1)を蒸着速度0.1nm/secで10
nmの厚さに蒸着し、第3の電子注入電極とした。
【0108】次いで、トリス(8−キノリノラト)アル
ミニウム(以下、Alq3 )を蒸着速度0.1nm/sec
で10nmの厚さに蒸着して、第1の電子注入輸送層とし
た。
【0109】次いで、減圧を保ったまま、ジフェニルア
ントラセンダイマー(DPA)を蒸着速度0.1nm/se
c で40nmの膜厚に蒸着し、第3の発光層(青色発光
層)とした。
【0110】次いで、TPDを蒸着速度0.1nm/sec
で20nmの厚さに蒸着し、第3のホール輸送層とした。
【0111】さらに、減圧を保ったまま、m−MTDA
TAを蒸着速度0.1nm/sec で50nmの厚さに蒸着
し、第3のホール注入層とした。
【0112】次いで、減圧を保ったまま、第2のITO
透明電極(ホール注入電極)をスパッタ法にて50nm成
膜した。
【0113】最後にガラス封止板を貼り合わせ、図2に
示すような構造の有機EL素子とした。
【0114】実施例1と同様に、得られた有機EL素子
の各積層体に、単一電源から所定の直流電圧を印加し、
10mA/cm2 の定電流密度で、駆動させ、最上層のIT
O側から観察したところ、実施例1と同様に各発光層と
もそれぞれ独立に発光し、制御できることが確認でき
た。
【0115】<実施例3>ガラス基板を真空蒸着装置の
基板ホルダーに固定して、槽内を1×10-4Pa以下まで
減圧した。次いで、第1の引き出し電極としてAlを蒸
着速度0.1nm/sec で20nm蒸着し、Mg・Ag(重
量比10:1)を蒸着速度0.1nm/sec で10nmの厚
さに蒸着して第1の電子注入電極とした。
【0116】次いで、トリス(8−キノリノラト)アル
ミニウム(以下、Alq3 )を蒸着速度0.1nm/sec
で10nmの厚さに蒸着して、第1の電子注入輸送層とし
た。
【0117】次いで、減圧を保ったまま、ジフェニルア
ントラセンダイマー(DPA)を蒸着速度0.1nm/se
c で40nmの膜厚に蒸着し、第1の発光層(青色発光
層)とした。
【0118】次いで、TPDを蒸着速度0.1nm/sec
で20nmの厚さに蒸着し、第1のホール輸送層とした。
【0119】さらに、減圧を保ったまま、m−MTDA
TAを蒸着速度0.1nm/sec で50nmの厚さに蒸着
し、第1のホール注入層とした。
【0120】次いで、減圧を保ったまま、第1のITO
透明電極(ホール注入電極)をスパッタ法にて50nm成
膜した。
【0121】さらに、減圧を保ったまま、m−MTDA
TAを蒸着速度0.1nm/sec で50nmの厚さに蒸着
し、第2のホール注入層とした。
【0122】次いで、TPDを蒸着速度0.1nm/sec
で20nmの厚さに蒸着し、第2のホール輸送層とした。
【0123】次いで、減圧を保ったまま、Alq3 をホ
スト物質として蒸着速度0.2nm/sec で、これにクマ
リン6が1体積%となるように60nmの厚さに共蒸着し
て、第2の発光層〔電子注入輸送発光層(緑色発光
層)〕とした。
【0124】さらに、減圧状態を保ったまま、Mg・A
g(体積比10:1)を蒸着速度0.1nm/secで10nm
の厚さに蒸着し、第2の電子注入電極とし、第2の引き
出し電極としてAlを20nm蒸着した。さらに、Mg・
Ag(重量比10:1)を蒸着速度0.1nm/secで10
nmの厚さに蒸着し、第3の電子注入電極とした。
【0125】次いで、減圧を保ったまま、Alq3 をホ
スト物質として蒸着速度0.2nm/sec で、これにジシ
アノメチルピラン(DCM)が1体積%となるように6
0nmの厚さに共蒸着して、第3の発光層〔電子注入輸送
発光層(赤色発光層)〕とした。
【0126】次いで、TPDを蒸着速度0.1nm/sec
で20nmの厚さに蒸着し、第3のホール輸送層とした。
【0127】さらに、減圧を保ったまま、m−MTDA
TAを蒸着速度0.1nm/sec 50nmの厚さに蒸着し、
第3のホール注入層とした。
【0128】次いで、減圧を保ったまま、第2のITO
透明電極(ホール注入電極)をスパッタ法にて10nm成
膜した。
【0129】さらに、減圧状態を保ったまま、第3の引
き出し電極としてAlを200nm蒸着した。
【0130】最後にガラス封止板を貼り合わせ、図2に
示すような構造の有機EL素子とした。
【0131】実施例1と同様に、得られた有機EL素子
の各積層体に、単一電源から所定の直流電圧を印加し、
10mA/cm2 の定電流密度で、駆動させ、基板側から観
察したところ、実施例1と同様に各発光層ともそれぞれ
独立に発光し、制御できることが確認できた。
【0132】<実施例4>実施例3において、第3のホ
ール注入層成膜後、第2のITO透明電極の膜厚を50
nmとし、その上に第3の引き出し電極を成膜することな
く有機EL素子を得た。
【0133】得られた有機EL素子を実施例1と同様に
駆動したところ、基板側と、最上層のITO側の双方か
ら実施例1と同様な発光が確認できた。
【0134】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、積層数が
少なく、成膜工程が簡単になり、駆動回路や電源への負
担も少なく、しかも高輝度が得られる有機EL素子を実
現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL素子の一構成例を模式的に表
した図である。
【図2】本発明の有機EL素子の他の構成例を模式的に
表した図である。
【図3】本発明の有機EL素子をマトリクスディスプレ
イに応用した場合の配線例を示した図である。
【図4】従来の有機EL素子を模式的に表した図であ
る。
【符号の説明】
1 基板 2 第1のホール注入電極 3 第1の有機層 4 第1の電子注入電極 5 第1の引き出し電極 6 第2の電子注入電極 7 第2の有機層 8 第2のホール注入電極 9 第3の有機層 10 第3の電子注入電極 11 第2の引き出し電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 洋 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 鬼塚 理 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、第1のホール注入電極と、少
    なくとも発光機能に関与する1種以上の第1の有機層
    と、第1の電子注入電極と、第1の引き出し電極とが順
    次積層され、さらにその上に、第2の電子注入電極と、
    少なくとも発光機能に関与する1種以上の第2の有機層
    と、第2のホール注入電極とが順次積層されている積層
    構造を有する有機EL素子。
  2. 【請求項2】 前記第2のホール注入電極上に、さら
    に、少なくとも発光機能に関与する1種以上の第3の有
    機層と、第3の電子注入電極と、第2の引き出し電極と
    が順次積層されている請求項1の有機EL素子。
  3. 【請求項3】 前記電子注入電極の膜厚は、0.5〜1
    00nmである請求項1または2の有機EL素子。
  4. 【請求項4】 前記引き出し電極の膜厚は、10〜10
    0nmである請求項1〜3のいずれかの有機EL素子。
  5. 【請求項5】 基板上に、第1の引き出し電極と、第1
    の電子注入電極と、少なくとも発光機能に関与する1種
    以上の第1の有機層と、第1のホール注入電極とが順次
    積層され、さらにその上に、少なくとも発光機能に関与
    する1種以上の第2の有機層と、第2の電子注入電極
    と、第2の引き出し電極とが順次積層されている積層構
    造を有する有機EL素子。
  6. 【請求項6】 前記第2の引き出し電極上に、さらに、
    第3の電子注入電極と、少なくとも発光機能に関与する
    1種以上の第3の有機層と、第2のホール注入電極とが
    順次積層されている請求項5の有機EL素子。
  7. 【請求項7】 前記電子注入電極の膜厚は、0.5〜1
    00nmである請求項5または6の有機EL素子。
  8. 【請求項8】 前記引き出し電極の膜厚は、10〜10
    0nmである請求項5〜7のいずれかの有機EL素子。
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