JP4406951B2 - 薄膜発光素子の駆動方法および駆動回路 - Google Patents

薄膜発光素子の駆動方法および駆動回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は薄膜発光素子、またはスイッチング制御によって駆動する薄膜発光素子に関し、特に有機エレクトロルミネセンス(EL)を用いた発光表示装置に好適な駆動方法およびその駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機EL素子等の薄膜発光素子が開発されている。
【0003】
エレクトロルミネッセンス(EL:ElectroLuminescence)素子には、セレンや亜鉛などの無機化合物薄膜を発光材料として用いる無機EL素子と、有機化合物を発光材料として用いる有機EL素子とがある。有機EL素子には、(1)発光効率が高い、(2)駆動電圧が低い、(3)発光材料を選択することで様々な色(緑、赤、青、黄など)を表示可能、(4)自発光型であるため表示が鮮明でバックライトが不要、(5)面発光であり、視野角依存性が無い、(6)薄型で軽量、(7)製造プロセスの最高温度が低いため、基板材料にプラスチックフィルムなどのような柔らかい材質を用いることが可能、などの優れた特徴がある。そこで、近年、CRTやLCDに代わる表示装置として、有機EL素子を用いた表示装置(以下、有機EL表示装置という)が注目されている。
【0004】
ところで、有機EL素子のI−V特性は非線型ながらI−L特性(電流−輝度)は線形であるという特性を持つ。また発光を続けるとそのI−V特性が変化し、その変化率は高電界側で顕著であることや、I−L特性はそれほど大きく変化しないこと等により、有機EL素子等といった輝度のコントロールを必要とする薄膜発光素子や高信頼性の薄膜発光素子には通常、定電流駆動方式が用いられる。
【0005】
しかし、定電流駆動方式はその構成から回路規模が大きくなりコスト、実装上問題が生じる。
【0006】
マトリックスに配置された点(ドット)で表示を行うドットマトリックスの有機EL表示装置には、単純マトリックス方式とアクティブマトリックス方式とがある。
【0007】
単純マトリックス方式は、表示パネル上にマトリックスに配置された各画素の有機EL素子を走査信号に同期して外部から直接駆動する方式であり、有機EL素子だけで表示装置の表示パネルが構成されている。そのため、走査線数が増大すると1つの画素に割り当てられる駆動時間(デューティ)が少なくなり、コントラストが低下するという問題がある。
【0008】
次に、アクティブマトリクス方式について説明する。図11,12はTFT駆動回路の従来例を示した図である。以下、図面に基づいてアクティブマトリクスの従来例を説明する。
【0009】
図11は、パネルブロック図であり、ディスプレイ(表示)パネル10には、ディスプレイ画面11、X軸のシフトレジスタ12、Y軸のシフトレジスタ13を有している。
【0010】
ディスプレイ画面11には、EL電源が供給されており、またX軸のシフトレジスタ12には、シフトレジスタ電源の供給とX軸同期信号の入力が行われる。さらにY軸のシフトレジスタ13には、シフトレジスタ電源の供給とY軸同期信号の入力が行われる。また、X軸のシフトレジスタ12の出力部に画像データ信号の出力を有している。
【0011】
図12は、図11A部の拡大説明図であり、ディスプレイ画面11の1画素(点線の四角で示す)は、トランジスタが2個、コンデンサが1個、EL素子が1個より構成されている。
【0012】
この1画素の発光動作は、例えば、Y軸のシフトレジスタ13で選択信号y1の出力があり、またX軸のシフトレジスタ12で選択信号x1の出力があった場合、トランジスタTy11とトランジスタTx1がオンとなる。
【0013】
このため、画像データ信号−VLは、ドライブトランジスタM11のゲートに入力される。これにより、このゲート電圧に応じた電流がEL電源からドライブトランジスタM11のドレイン、ソース間に流れ、EL素子EL110が発光する。
【0014】
次のタイミングでは、X軸のシフトレジスタ12は、選択信号x1の出力をオフとし、選択信号x2を出力することになるが、ドライブトランジスタM11のゲート電圧は、コンデンサc11で保持されるため、次にこの画素が選択されるまでEL素子EL110の前記発光は、持続することになる。
【0015】
そのため、走査線数が増大して1つの画素に割り当てられる時間が少なくなっても、有機EL素子の駆動が影響を受けることはなく、表示パネルに表示される画像のコントラストが低下することもない。従って、アクティブマトリックス方式によれば、単純マトリックス方式に比べてはるかに高画質な表示が可能となる。
【0016】
アクティブマトリックス方式は画素駆動素子の違いにより、トランジスタ型(3端子型)とダイオード型(2端子型)とに大別される。トランジスタ型は、ダイオード型に比べて製造が困難である反面、コントラストや解像度を高くするのが容易でCRTに匹敵する高品位な有機EL表示装置を実現することができるという特徴がある。前記したアクティブマトリックス方式の動作原理の説明は、主にトランジスタ型に対応したものである。
【0017】
アクティブマトリックスの表示装置は、その視認性から拡大投影を行う光学系を用いない場合は、4インチ以上の画角が要求される。このサイズの表示面をシリコン単結晶基板上に構成することは、現在の単結晶Si基板の製作技術では1枚の単結晶基板から得られる枚数が非常に少ないため、大変コストがかかってしまう。
【0018】
そこで、アクティブマトリックスの表示装置では、ガラス基板等の平面基板上に作成した非単結晶Si等の半導体層を用いた薄膜トランジスタ(TFT)を使用することが望ましい。
【0019】
ところで、平面基板上に形成される半導体層は大面積のものが比較的容易に成膜できることから、アモルファスSi膜(以下a−Si膜という)を用いることが一般的である。しかし、a−Si膜で形成されたTFTは、一方向に定常的に電流を流し続けると、閾値がドリフトして電流値が変わり、画質に変動が生ずる。しかも、a−Si膜では移動度が小さいため、高速応答でドライブできる電流にも限界があり、また、Pチャネルの形成が困難なこと等から小規模なC−MOS回路の構成さえも困難である。
【0020】
このため、アクティブマトリックス型有機EL画像表示装置の半導体層としては、比較的大面積化が容易でかつ高信頼性で移動度も高く、C−MOS回路の形成も可能な多結晶Siを用いることが望ましい。
【0021】
ところで、多結晶Si層を用いて形成されたTFTは、そのチヤネル中に存在する結晶粒界の数によりトラップ準位密度が変化し、これが特性に影響を与える。
【0022】
このため、チャネル長、またはチャネル幅が結晶の粒径に近づくにつれ、チャネル中に存在する粒界の数の変動の割合が大きくなる。これはチャネル中のトラップ準位密度の変動割合の増大、ひいてはTFTの特性ばらつきの増大を引き起こす。このTFTの特性ばらつきの増大は表示装置の画質の低下を引き起こすので望ましくない。
【0023】
そこで、このバイアスTFTを廃し、代わりに蓄積容量を設けることが提案されているが、この方式の場合、輝度の調整は1フレームをさらにサブフレームに分割し、そのサブフーレムのいずれか、またはそれらのいずれかの組み合わせを選択することにより行うようになっている。
【0024】
しかしこの場合、階調はデジタルで行われると共に階調制御のための回路の規模が大きくなり、コストおよび実装上望ましくないうえ、定電流電源をX紬の数だけ配する事になり、さらに回路の規模が大きくなると共に、これら定電流電源の特性を揃えるのが困難なために補正回路等が必要になり、さらにまた回路規模が大きくなる。これはコストおよび実装上望ましくない。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、供給される電流に輝度が依存する薄膜発光素子に対して簡便な回路で輝度が調整でき、コストおよび実装面積を削減することの可能な駆動方法およびその回路を実現することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は以下の構成により達成される。
(1) パッシブマトリックス型画像表示装置を構成し、駆動電流に輝度が依存する薄膜発光素子の駆動方法であって、
必要とする輝度に対応した電荷量を、これに対応した電圧として電荷供給手段から薄膜発光素子に接続されるとともに表示領域外部に存在し、スイッチング手段を介して前記電荷供給手段に接続する電荷蓄積手段に蓄積し、
前記スイッチング手段が前記電荷供給手段と前記電荷蓄積手段を切断することで、この蓄積した電荷により所望の発光輝度で薄膜発光素子を駆動し、
前記電荷供給手段の駆動電圧が、薄膜発光素子が発光を開始する電圧より高い電圧である薄膜発光素子の駆動方法。
(2) 前記電荷蓄積手段への電荷の蓄積を一秒間に50回以上行う上記(1)の薄膜発光素子の駆動方法。
(3) 前記電荷蓄積手段に蓄積されている電荷を、次の電荷の蓄積までに90%以上放電させる上記(1)または(2)の薄膜発光素子の駆動方法。
(4) 前記スイッチング手段を薄膜発光素子の抵抗成分と電荷蓄積手段の容量とで形成される時定数の2.3倍以下でスイッチングさせる上記(1)〜(3)のいずれかの薄膜発光素子の駆動方法。
(5) 前記電荷蓄積手段と薄膜発光素子の間に補助スイッチング素子を有し、
この補助スイッチング素子は電荷蓄積手段に電荷を蓄積している期間、電荷蓄積手段と薄膜発光素子とを電気的に遮断する上記(1)〜(4)のいずれかの薄膜発光素子の駆動方法。
(6) 前記電荷蓄積手段は、前記電荷供給手段が供給する駆動電流で薄膜発光素子を所望の発光輝度で駆動した以降に、蓄積した電荷により所望の発光輝度で薄膜発光素子を駆動する上記(1)〜(4)のいずれかの薄膜発光素子の駆動方法。
【0028】
パッシブマトリックス型画像表示装置を構成し、駆動電流に輝度が依存する薄膜発光素子と、
この薄膜発光素子と接続されるとともに表示領域外部に存在し、薄膜発光素子を駆動するための電荷を蓄積する電荷蓄積手段と、
前記電荷蓄積手段とスイッチング手段を介して接続され、電荷蓄積手段に蓄積する電荷量をこれに対応した電圧を印加して蓄積する電荷供給手段とを有し、
前記電荷供給手段の駆動電圧は、薄膜発光素子が発光を開始する電圧より高い電圧である薄膜発光素子の駆動回路。
) 前記薄膜発光素子の内部抵抗と前記電荷蓄積手段の容量で形成される時定数の2.3倍が前記スイッチング手段の動作時間より小さい上記()の薄膜発光素子の駆動回路。
) 前記スイッチング手段は、蓄積容量への電荷の蓄積を一秒間に50回以上行うように動作する上記()または()の薄膜発光素子の駆動回路。
10) 前記スイッチング手段は、蓄積容量の電荷を次の電荷の蓄積動作までに90%以上放電させるタイミングで動作する上記()〜()のいずれかの薄膜発光素子の駆動回路。
11) 前記薄膜発光素子と電荷蓄積手段とは、補助スイッチング手段を介して接続され、
この補助スイッチング手段は電荷蓄積手段に電荷を蓄積している期間、電荷蓄積手段と薄膜発光素子とを電気的に遮断する上記()〜(10)のいずれかの薄膜発光素子の駆動回路。
12前記電荷蓄積手段は、前記電荷供給手段が供給する駆動電流で薄膜発光素子を所望の発光輝度で駆動した以降に、蓄積した電荷により所望の発光輝度で薄膜発光素子を駆動する上記(7)〜(10)のいずれかの薄膜発光素子の駆動回路。
13) 上記()〜(12)のいずれかの薄膜発光素子の駆動回路を有するパッシブマトリックス型画像表示装置。
【0029】
なお、特開平10−214042号公報には、「付加容量を持つEL表示装置」が記載されている。ここで付加容量とは「書き込んだデータ信号を必要な時間だけ保持するための容量」となっている。一方、本発明の駆動方法を用いた表示装置は蓄積容量を持つことになる。これは、ELを発光させる電荷を蓄積するためのものであり、この文献とは逆に「蓄積した電荷を必要な時間内に放電できる容量」となる。つまり、この文献と本発明とでは容量の作用が異なり、このため実施にあたってその値も異なることになる。以上よりこの文献と本発明はまったく異なる発明であり、この文献から本発明を容易に類推することはできない。
【0030】
また、特開平4−191060号公報の請求範囲に記載されている蓄積容量は、無機EL素子のような電界励起型のEL素子を高率で発光させるために高電圧交流パルス駆動することを目的としたものである。したがって、この文献はEL素子に高電圧、交流、方形波を容易な手段で印加することを目的としている。一方、本発明の目的は有機EL素子の輝度を電圧で制御することを目的としており、結果的にEL素子には通常の電圧が一方向に放電波形で印加される事になる。また、この公報では蓄積容量は全EL素子の容量より大きいことが求められているが、本発明では目的の発光素子を所望の輝度で発光でき、かつ所望の時間に放電が終了できる容量でなければならない。
【0031】
つまり、この文献と本発明では素子も目的も異なるため、回路構成も蓄積容量の値も波形も異なることになる。
【0032】
以上より、この文献と本発明はまったく異なる発明であり、この文献から本発明を容易に類推することはできない。
【0033】
一方、特開平9−97925号公報に記載されているスイッチドキャパシタ回路は、本発明と同様な蓄積コンデンサとして作用する。しかし、この発明においては階調の実現は充放電回数、またはのこぎり波の傾きを用いているが、本発明では印加する電圧を用いている。先に述べたように充放電回数の制御、またこの公報に記載されているのこぎり波の傾きの制御にはデジタル回路系が必要になり、回路規模が大きくなり望ましくない。それに対し、本発明では電圧というアナログ系で階調を制御するため簡単な回路系で構成できる。
【0034】
つまり、本発明はこの電圧制御を実現するために蓄積コンデンサとEL素子の内部抵抗で構成される放電回路についての検討を加え、放電時間がこの放電回路の時定数の2.3倍以上であれば8階調以上の表現ができることを見出した。一方、この文献では方法が異なるため、この放電回路に関する開示はない。またSWのRon、蓄積時間に関する開示もない。また、この文献では昇圧を目的としているが本発明ではそのような作用は一切発生しない。このことにより、この公報に記載されている発明と本発明は異なる発明であり、この公報から本発明を容易に類推することはできない。
【0035】
また、特開平8−54836号公報の駆動回路は、定電圧駆動でのちらつきの低減を目的としている。それに対して本願は階調表現を目的としている。この目的の違いから、この文献と本願とでは実施において要求される容量の値が異なってくる。この文献では蓄積容量は大きいほど目的とする効果を大きく表すが、本発明では放電時間がこの放電画路の時定数の2.3倍以上であることが求められる。すなわち、容量が大きいと目的の効果を現すことができない。このことより、この文献と本発明は異なる発明であり、この文献から本発明を容易に類推することはできない。
【0036】
【作用】
本発明は、電流に輝度が依存する薄膜発光素子の駆動を蓄積容量に充電された電荷によって行っている。薄膜発光素子、例えば有機EL素子の発光輝度と電流の関係は線形一次比例の関係になる。たがって、有機EL素子に流れる電流密度J(A/cm2 )と発光輝度L(cd/m2 )との間に、
L=AJ (Aは比例定数 cd/A ) ・(1)
という関係が成り立っている。面積S(m2 )の有機EL素子を輝度Lで発光させる時に必要な電流Iとすると(1)式は
L=(A/S)I ・・・・・・(2)
と表せる。
【0037】
ここで人間の目の特性として50Hz以上の周波数で明滅を繰り返す光源の輝度は、その時間平均(時間積分)で認識される。いま、人間が認識する輝度をL’、明滅を繰り返す一周期の時間をT(s)、この時間内の輝度を、時間の変数を有する関数L(t)で表すと、
【0038】
【数1】
Figure 0004406951
【0039】
(2)式、および電流の時間積分は電荷量であることから(3)式は下記に示す式で表すことが出来る。ここで、Qは時間Tまでの間に流れた電荷量を表す。
L’=(A/T・S)Q ・・・・・(4)
(4)式はQ(C)の電荷量を20ms以下の任意の時間T内に面積Sの有機EL素子に流すことにより認識させたい輝度は電荷量で表すことが出来ることを表していることになる。
【0040】
一方、ここで蓄積容量C(F)のコンデンサを用意しこれに電圧V(V)を加えた時、このコンデンサに蓄積された電荷QはC・Vで表される。これを利用すれば(4)式は
L’=(A/T・S)C・V ・・・・・(5)
とすることができ、有機EL素子の輝度を電圧の一次線形比例で表すことができる。
【0041】
すなわち、蓄積容量Cを用意し、これに貯えられた電荷を50Hz以上の周期で有機EL素子に流すことにより、有機EL素子の輝度を蓄積容量に印加する電圧で制御することが出来るようになる。
【0042】
ただし、有機EL素子は抵抗成分(内部抵抗)R(Ω)を有し、蓄積容量Cの電荷を流そうとする場合に、RCを時定数とする放電回路が形成される。
【0043】
上記(5)式が成立するためには、20ms以下の任意の時間Tの間に十分な放電が行われていなければならない。
【0044】
いま、前述の時定数RCの2.3倍が明滅の周期T(選択期間)より小さい場合、蓄積された電荷のほぼ90%以上が放電されることになる。
【0045】
これは、8階調以上の輝度を制御するのに十分な値である。なおこの時、あらかじめ有機EL素子の経時変化による負荷抵抗Rの上昇分を見込んで初期の時定数RCを小さく設定することにより、印加電圧Vと輝度L’の特性の変化が小さい高信頼性の発光特性が得られる。
【0046】
以上、述べたように蓄積容量Cを用い、これに蓄積された電荷によって有機EL素子を駆動し、その蓄積−放電サイクルを一秒間に50回以上行うことにより有機EL素子の輝度の制御を電圧で行うことができる。これにより安価な電圧制御回路を用いた輝度制御が可能で、かつ高信頼性で有機EL薄膜発光素子を発光させることができる。また、この駆動方法をパッシブマトリックス・パネルに用いることにより高価な電流制御回路を並べることもなく、補正回路も用いず、また、デジタル制御回路も用いずに高信頼性を持ち、良質な画像でパネルを駆動することが出来る。また、この駆動方法をアクティブマトリックス・パネルに用いることによりTFTの特性バラツキに影響されず高信頼性を持ち、良質な画像でパネルを駆動することが出来る。
【0047】
【発明の実施の形態】
本発明の方法により動作する薄膜発光素子の駆動回路は、駆動電流に輝度が依存する薄膜発光素子と、この薄膜発光素子とスイッチング手段を介して接続され、薄膜発光素子を駆動するための電荷を蓄積する電荷蓄積手段と、前記電荷蓄積手段に蓄積する電荷量をこれに対応した電圧を印加することで制御する電荷供給手段とを有する。
【0048】
電荷蓄積手段は、薄膜発光素子と接続され、薄膜発光素子を駆動するために必要な電荷を蓄積し、これを薄膜発光素子に供給することにより薄膜発光素子を駆動する。また、電荷供給手段は、後述のスイッチング手段を介して電荷供給手段と接続される。電荷供給手段としては、蓄積容量として必要な電荷を蓄積できる容量を備え、電荷の充放電特性の安定性、ある程度の耐久性を備えたものであれば特に限定されるものではなく、通常のコンデンサの他に、半導体、誘電体フィルムシートと導電膜を有する機能性薄膜など電荷を蓄積しうるものであれば使用できる。
【0049】
また、特にマトリクス回路において、アクティブマトリクス回路や、画素数が多い場合、駆動回路のスペースファクターが要求される場合に等には高誘電材料を用いた小型で高容量のコンデンサが適している。
【0050】
スイッチング手段は、上記電荷供給手段と電荷蓄積手段との電気的導通を制御する。すなわち、スイッチング手段は、電荷供給手段から電荷蓄積手段に供給される電荷の供給時間を制御する。また、電荷蓄積手段に蓄積されている電荷の薄膜発光素子への供給時間を調節することにもなり、薄膜発光素子の駆動時間にも影響を与える。この場合、薄膜発光素子の駆動時間配分によっては、発光輝度が影響を受けることになるが、後述の理由で薄膜発光素子の発光輝度は電荷蓄積手段の電荷量により制御されることになる。
【0051】
本発明の駆動回路は、補助スイッチング手段を有していてもよい。補助スイッチング手段は、薄膜発光素子と電荷蓄積手段との間の電気的導通(接続/切断動作)を制御する。すなわち、前記スイッチング手段は電荷供給手段と電荷蓄積手段との電気的導通を制御するが、この場合電荷蓄積手段への電荷蓄積動作中にも薄膜発光素子に電荷供給手段からの電圧が印加され、薄膜発光素子を駆動してしまう場合がある。このため、薄膜発光素子と電荷蓄積手段との間に補助スイッチング手段を設け、これらの間の電気的導通(接続/切断)を制御し、電荷蓄積手段へ電荷を供給している間は薄膜発光素子と電荷蓄積手段を切断し、電荷供給手段からの電圧が薄膜発光素子に印加されないようにするとよい。
【0052】
スイッチング手段、補助スイッチング手段としては、電気的な接続を制御可能な、種々のスイッチング素子を用いることができる。具体的にはリレー等の有接点素子も使用可能であるが、ダイオード、バイポーラトランジスタ、FET(C−MOS)等の半導体素子、あるいはこれらを集積したIC等が動作速度、信頼性の点で好ましい。また、制御する電流の容量に応じてスイッチング素子を並列にして用いてもよい。並列にして使用することにより、スイッチング手段のオン抵抗を低下させることができ、信頼性の面でも好ましい。
【0053】
次に、スイッチング手段の応用例について説明する。
<応用例1:大面積表示装置への応用>
スイッチング素子を2つにすることによりスイッチング素子のRon抵抗の自由度を上げる事が出来る。スイッチング素子が一つの時はスイッチング素子のRonをELの負荷抵抗より十分小さくする(少なくとも10分の1以下)必要がある。
【0054】
Ronが高い場合はRonと有機ELの内部抵抗で分圧された電圧しか蓄積容量に加われなくなり、蓄積される電荷量が減ってしまう。有機ELの内部抵抗は電圧に対して非線型な特性をもっている。したがって、この電荷量の減少分は電圧−輝度特性を非線型にしてしまうことになる。
【0055】
また、薄膜発光素子(有機EL素子)とスイッチング素子の間に電流制限抵抗を設けることもできる。この場合は放電時定数が定められた値になり、かつ分圧による非線形性が現れない範囲で電流制限抵抗を選ぶ必要がある。
【0056】
またスイッチング素子が1つの時はスイッチング素子をONする充電時間はOFFである放電時間より十分小さくなければならない。(少なくとも10分の1以下)ON時間が長ければその時間中に薄膜発光素子に流れ込む電流が発光に寄与してしまう。この輝度は電圧に対して非線形な特性をもつ。したがってこの時間内の発光は電圧−輝度特性を非線形にしてしまう誤差として現れてしまう。
【0057】
<応用例2:マトリックス用途その1>
画素の場合、素子面積が小さいため薄膜発光素子の負荷抵抗が大きくなりスイッチング素子のオン抵抗はやや大きくても問題がない。そのため、スイッチング素子を一つで回路が形成できる。ただし、逆にこの場合は、スイッチング素子のオフ抵抗によるリーク電流による影響が大きくなる。また、スイッチング素子のスイッチング・ノイズの影響も大きくなる。これらの影響はすべて電圧−輝度特性の直線性を損なうものである。このため、オフ抵抗が大きくかつ低ノイズのスイッチング素子を選ぶ必要がある。この特性を満たすことは現在入手可能なFETで実現できる。
【0058】
<応用例3:マトリックス用途その2>
Roff 、およびスイッチング素子ノイズの影響を減じるためにもスイッチング素子を2つ設けることは有効である。応用例2と応用例3を比較すると誤差を1/3に減じる事ができる。応用例2,3のスイッチをTFTに、容量を高誘電体薄膜にして各画素に設ければアクティブマトリックスになる。ただし高誘電体薄膜が不透明であったり、基板に不透明基板を用いなければならない時は、基板側を電子注入電極/有機層(発光層)/ホール注入電極(透明電極)とした逆転構造のEL素子と組み合わせることになる。
【0059】
アクティブマトリックス化することにより放電時間を長く設定できることになり、高解像度化が可能になる。パッシブマトリクスの場合、次のラインの充電までに放電を終了させておく必要がある。従って垂直解像度が高くなればなる程、短い時間で放電を完了しなければならない。逆に高解像度になり素子サイズが小さくなった場合はEL素子の内部抵抗は高くなり、放電時間は長くなる。このため、パッシブマトリクスでは実現できる解像度に限界がある。一方、アクティブマトリクスの場合は、各素子が独立に構成されるため放電時間は次のフレームの書き込みまでに終了していればよい。なお、書き込み時間は次のラインの書き込みまでに終了しておく必要があり、これはスイッチング素子のオン抵抗と蓄積容量の時定数で定まることになるが、スイッチング素子のオン抵抗は薄膜発光素子の内部抵抗に比べ小さいため、容易に実現することができる。
【0060】
電荷供給手段は、電荷蓄積手段に蓄積される電荷量に対応した電圧で電荷を供給可能なものであれば特に限定されるものではない。すなわち、電荷蓄積手段に蓄積される電荷量は、上述のように所望の発光輝度を与える電荷量Qであるが、この電荷量Q=C・Vであり、電荷蓄積手段の容量Cと電圧Vとで決められる。このため、必要な電荷量に対応した電圧Vを与えることのできる直流電圧源(パルス性のものを含む)であればよいことになる。また、マトリクス駆動するような表示装置の場合、時分割駆動の動作に追従できる動作速度を有することが必要である。
【0061】
具体的には、電圧可変式の定電圧電源や、プログラマブル型直流電源、これらの機能を有する電源IC等を用いることができる。特に、マトリクスタイプの薄膜表示素子を駆動するのであればビデオ信号等、外部から与えられたアナログの輝度信号を増幅、レベル変換、レベルシフト等して必要な電圧レンジに変換したり、電圧ブースター、バッファ等を介して与えるものでもよい。このように、アナログの輝度信号をそのまま用いることができるので、回路がシンプルになり、製造コストを低くすることができる。また、必要により、輝度情報をデジタル信号として与え、これをD/Aコンバータにより定電圧直流に変換して用いてもよい。
【0062】
薄膜発光素子としては、発光ダイオード(LED)等を用いることもできるが、有機EL素子が好ましい。有機EL素子を容量に蓄積された電荷により駆動することで安定した輝度が得られる。
【0063】
次に、図を参照しつつ本発明の駆動方法および駆動回路のより具体的な構成について説明する。
【0064】
図1は、本発明の駆動回路のより具体的な構成を示した回路図である。図において、各薄膜発光素子EL1〜3,EL11〜13は、マトリクス状に配置された走査線、データ線と接続されている。各走査線は、薄膜発光素子のカソード側に接続されると共に、それぞれスイッチング素子sw11,12を介して接地されている。各データ線は、薄膜発光素子のアノード側に接続されると共に、それぞれスイッチング素子sw21,22,23を介して電圧可変型の定電圧直流電源E1〜E3に接続されている。また、データ線にはコンデンサC1〜C3の一端が接続され、前記スイッチング素子sw21,22,23を介して電源E1〜E3に接続されるようになっている。コンデンサC1〜C3の他端は接地されている。
【0065】
このような構成の回路において、いま、薄膜発光素子EL1とEL11が順次所定の輝度で駆動されるとする。図2に各薄膜発光素子EL1,11の駆動タイミングと、コンデンサC1に蓄積される電荷の関係を示す。
【0066】
先ず、時間t1において薄膜発光素子EL1が選択され、スイッチング素子sw11がオンになり、さらにsw21がオンとなってそれぞれ導通状態となると、定電圧直流電源E1から所定の電圧でコンデンサC1に電荷が蓄積され始める。このとき、薄膜発光素子EL1が点灯(発光)する。
【0067】
次に、時間t2においてコンデンサC1に所定量の電荷が蓄積されると、スイッチング素子sw21がオフとなり、コンデンサC1に蓄えられた電荷が放電され、薄膜発光素子EL1はこの電荷により所定の発光輝度で駆動される。
【0068】
時間t3において、薄膜発光素子EL1の選択が終了し、スイッチング素子sw11がオフとなり、コンデンサC1に蓄えられた電荷の放電が終了すると薄膜発光素子EL1は消灯(非発光)する。
【0069】
このとき(時間t3)同時に薄膜発光素子EL11が選択され、スイッチング素子sw12がオンになり、さらにsw21がオンとなってそれぞれ導通状態となると、定電圧直流電源E1からEL1のときより低い所定の電圧でコンデンサC1に電荷が蓄積され始める。このとき、薄膜発光素子EL11が点灯する。
【0070】
次に、時間t4においてコンデンサC1に所定量の電荷が蓄積されると、スイッチング素子sw21がオフとなり、コンデンサC1に蓄えられた電荷が放電され、薄膜発光素子EL11はこの電荷によりEL1のときより低い所定の発光輝度で駆動される。
【0071】
時間t5において、薄膜発光素子EL11の選択が終了し、スイッチング素子sw12がオフとなり、コンデンサC1に蓄えられた電荷の放電が終了すると薄膜発光素子EL1は消灯する。
【0072】
次に、本発明の駆動方法および駆動回路の他の具体的な構成例について説明する。
図3は、本発明の駆動回路の他の具体的な構成を示した回路図である。図において、各データ線は、薄膜発光素子のアノード側に接続されると共に、それぞれ補助スイッチング素子sw31,32,33とスイッチング素子sw21,22,23を介して電圧可変型の定電圧直流電源E1〜E3に接続されている。また、データ線にはそれぞれ補助スイッチング素子sw31,32,33を介してコンデンサC1〜C3の一端が接続され、さらに前記スイッチング素子sw21,22,23を介して電源E1〜E3に接続されるようになっている。コンデンサC1〜C3の他端は接地されている。その他の構成は図1と同様であり、同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0073】
このような構成の回路において、いま、薄膜発光素子EL1とEL11が順次所定の輝度で駆動されるとする。図4に各薄膜発光素子EL1,11の駆動タイミングと、コンデンサC1に蓄積される電荷の関係を示す。
【0074】
先ず、時間t1において薄膜発光素子EL1が選択され、スイッチング素子sw11がオンになり、さらにsw21がオンとなってそれぞれ導通状態となると、定電圧直流電源E1から所定の電圧でコンデンサC1に電荷が蓄積され始める。このとき、補助スイッチング素子sw31がオフのままなので薄膜発光素子EL1は点灯しない。
【0075】
次に、時間t2においてコンデンサC1に所定量の電荷が蓄積されると、スイッチング素子sw21がオフとなり、補助スイッチング素子sw31がオンになってコンデンサC1に蓄えられた電荷が放電され、薄膜発光素子EL1はこの電荷により所定の発光輝度で駆動される。
【0076】
時間t3において、薄膜発光素子EL1の選択が終了し、スイッチング素子sw11がオフとなり、コンデンサC1に蓄えられた電荷の放電が終了し、補助スイッチング素子sw31がオフになると薄膜発光素子EL1は消灯する。
【0077】
このとき(時間t3)同時に薄膜発光素子EL11が選択され、スイッチング素子sw12がオンになり、さらにsw21がオンとなってそれぞれ導通状態となると、定電圧直流電源E1からEL1のときより低い所定の電圧でコンデンサC1に電荷が蓄積され始める。このとき、補助スイッチング素子sw31がオフのままなので薄膜発光素子EL11は点灯しない。
【0078】
次に、時間t4においてコンデンサC1に所定量の電荷が蓄積されると、スイッチング素子sw21がオフとなり、補助スイッチング素子sw31がオンになってコンデンサC1に蓄えられた電荷が放電され、薄膜発光素子EL11はこの電荷によりEL1のときより低い所定の発光輝度で駆動される。
【0079】
時間t5において、薄膜発光素子EL11の選択が終了し、スイッチング素子sw12がオフとなり、コンデンサC1に蓄えられた電荷の放電が終了し、補助スイッチング素子sw31がオフになると薄膜発光素子EL11は消灯する。
【0080】
この例では、コンデンサへC1〜3の充電期間中は補助スイッチング素子sw31〜33により、薄膜発光素子EL1〜3,EL11〜13と定電圧直流電源E1〜E3との導通が遮断され、薄膜発光素子EL1〜3,EL11〜13には電圧が印加されないようになっているので、コンデンサC1〜3に蓄積された電荷のみで薄膜発光素子を駆動することができる。
【0081】
本発明に好適に用いられる有機EL素子は、例えば、基板上に形成され、一対の電極間に少なくとも発光機能に関与する有機物質を含有した有機層を有する。一対の電極は、通常、基板側がホール注入電極(透明電極)となり、その対向する側が電子注入電極(金属電極)となる。
【0082】
本発明の有機EL素子は、例えば基板/ホール注入電極/ホール注入輸送層/発光層/電子注入輸送層/電子注入電極とが順次積層された構成とすることができる。また、上記の積層順を逆にした、いわゆる逆積層構成としてもよい。これらは、たとえば、ディスプレーの仕様や作製プロセス等により、適宜選択し使用される。特に、酸化されやすい電子注入電極は、フォトリソ工程を含む製造工程の最後の方で積層することが好ましく、この点で上記正積層が好ましいが、TFT等のスイッチング素子、回路の配線構造等により、基板側からの光の取り出し、ないし取り出し効率を高めることが困難である場合等には逆積層とすればよい。
【0083】
有機層は、例えば、ホール注入輸送層、発光層、電子注入輸送層等の機能性薄膜が積層されたものであり、ホール注入輸送層、電子注入輸送層などは無機物質にて形成することもできる。
【0084】
有機EL構造体は、次のようなものである。
発光層は、ホール(正孔)および電子の注入機能、それらの輸送機能、ホールと電子の再結合により励起子を生成させる機能を有する。発光層には、比較的電子的にニュートラルな化合物を用いることが好ましい。
【0085】
ホール注入輸送層は、ホール注入電極からのホールの注入を容易にする機能、ホールを安定に輸送する機能および電子を妨げる機能を有するものであり、電子注入輸送層は、電子注入電極からの電子の注入を容易にする機能、電子を安定に輸送する機能およびホールを妨げる機能を有するものである。これらの層は、発光層に注入されるホールや電子を増大・閉じこめさせ、再結合領域を最適化させ、発光効率を改善する。
【0086】
発光層の厚さ、ホール注入輸送層の厚さおよび電子注入輸送層の厚さは、特に制限されるものではなく、形成方法によっても異なるが、通常5〜500nm程度、特に10〜300nmとすることが好ましい。
【0087】
ホール注入輸送層の厚さおよび電子注入輸送層の厚さは、再結合・発光領域の設計によるが、発光層の厚さと同程度または1/10〜10倍程度とすればよい。ホールまたは電子の各々の注入層と輸送層とを分ける場合は、注入層は1nm以上、輸送層は1nm以上とするのが好ましい。このときの注入層、輸送層の厚さの上限は、通常、注入層で500nm程度、輸送層で500nm程度である。このような膜厚については、注入輸送層を2層設けるときも同じである。
【0088】
有機EL素子の発光層には、発光機能を有する化合物である蛍光性物質を含有させる。このような蛍光性物質としては、例えば、特開昭63−264692号公報に開示されているような化合物、例えばキナクリドン、ルブレン、スチリル系色素等の化合物から選択される少なくとも1種が挙げられる。また、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム等の8−キノリノールまたはその誘導体を配位子とする金属錯体色素などのキノリン誘導体、テトラフェニルブタジエン、アントラセン、ペリレン、コロネン、12−フタロペリノン誘導体等が挙げられる。さらには、特開平8−12600号公報(特願平6−110569号)に記載のフェニルアントラセン誘導体、特開平8−12969号公報(特願平6−114456号)のテトラアリールエテン誘導体等を用いることができる。
【0089】
また、それ自体で発光が可能なホスト物質と組み合わせて使用することが好ましく、ドーパントとしての使用が好ましい。このような場合の発光層における化合物の含有量は0.01〜20体積%、さらには0.1〜15体積%であることが好ましい。ホスト物質と組み合わせて使用することによって、ホスト物質の発光波長特性を変化させることができ、長波長に移行した発光が可能になるとともに、素子の発光効率や安定性が向上する。
【0090】
ホスト物質としては、キノリノラト錯体が好ましく、さらには8−キノリノールまたはその誘導体を配位子とするアルミニウム錯体が好ましい。このようなアルミニウム錯体としては、特開昭63−264692号、特開平3−255190号、特開平5−70733号、特開平5−258859号、特開平6−215874号等に開示されているものを挙げることができる。
【0091】
具体的には、まず、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)マグネシウム、ビス(ベンゾ{f}−8−キノリノラト)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウムオキシド、トリス(8−キノリノラト)インジウム、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム、8−キノリノラトリチウム、トリス(5−クロロ−8−キノリノラト)ガリウム、ビス(5−クロロ−8−キノリノラト)カルシウム、5,7−ジクロル−8−キノリノラトアルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム、ポリ[亜鉛(II)−ビス(8−ヒドロキシ−5−キノリニル)メタン]等がある。
【0092】
このほかのホスト物質としては、特開平8−12600号公報(特願平6−110569号)に記載のフェニルアントラセン誘導体や特開平8−12969号公報(特願平6−114456号)に記載のテトラアリールエテン誘導体なども好ましい。
【0093】
発光層は電子注入輸送層を兼ねたものであってもよく、このような場合はトリス(8−キノリノラト)アルミニウム等を使用することが好ましい。これらの蛍光性物質を蒸着すればよい。
【0094】
また、発光層は、必要に応じて、少なくとも1種のホール注入輸送性化合物と少なくとも1種の電子注入輸送性化合物との混合層とすることも好ましく、さらにはこの混合層中にドーパントを含有させることが好ましい。このような混合層における化合物の含有量は、0.01〜20体積%、さらには0.1〜15体積%とすることが好ましい。
【0095】
混合層では、キャリアのホッピング伝導パスができるため、各キャリアは極性的に有利な物質中を移動し、逆の極性のキャリア注入は起こりにくくなるため、有機化合物がダメージを受けにくくなり、素子寿命がのびるという利点がある。また、前述のドーパントをこのような混合層に含有させることにより、混合層自体のもつ発光波長特性を変化させることができ、発光波長を長波長に移行させることができるとともに、発光強度を高め、素子の安定性を向上させることもできる。
【0096】
混合層に用いられるホール注入輸送性化合物および電子注入輸送性化合物は、各々、後述のホール注入輸送層用の化合物および電子注入輸送層用の化合物の中から選択すればよい。なかでも、ホール注入輸送層用の化合物としては、強い蛍光を持ったアミン誘導体、例えばホール輸送材料であるトリフェニルジアミン誘導体、さらにはスチリルアミン誘導体、芳香族縮合環を持つアミン誘導体を用いるのが好ましい。
【0097】
電子注入輸送性の化合物としては、キノリン誘導体、さらには8−キノリノールないしその誘導体を配位子とする金属錯体、特にトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3 )を用いることが好ましい。また、上記のフェニルアントラセン誘導体、テトラアリールエテン誘導体を用いるのも好ましい。
【0098】
ホール注入輸送層用の化合物としては、強い蛍光を持ったアミン誘導体、例えば上記のホール輸送材料であるトリフェニルジアミン誘導体、さらにはスチリルアミン誘導体、芳香族縮合環を持つアミン誘導体を用いるのが好ましい。
【0099】
この場合の混合比は、それぞれのキャリア移動度とキャリア濃度によるが、一般的には、ホール注入輸送性化合物の化合物/電子注入輸送機能を有する化合物の重量比が、1/99〜99/1、さらに好ましくは10/90〜90/10、特に好ましくは20/80〜80/20程度となるようにすることが好ましい。
【0100】
また、混合層の厚さは、分子層一層に相当する厚み以上で、有機化合物層の膜厚未満とすることが好ましい。具体的には1〜85nmとすることが好ましく、さらには5〜60nm、特には5〜50nmとすることが好ましい。
【0101】
また、混合層の形成方法としては、異なる蒸着源より蒸発させる共蒸着が好ましいが、蒸気圧(蒸発温度)が同程度あるいは非常に近い場合には、予め同じ蒸着ボード内で混合させておき、蒸着することもできる。混合層は化合物同士が均一に混合している方が好ましいが、場合によっては、化合物が島状に存在するものであってもよい。発光層は、一般的には、有機蛍光物質を蒸着するか、あるいは、樹脂バインダー中に分散させてコーティングすることにより、発光層を所定の厚さに形成する。
【0102】
ホール注入輸送層には、例えば、特開昭63−295695号公報、特開平2−191694号公報、特開平3−792号公報、特開平5−234681号公報、特開平5−239455号公報、特開平5−299174号公報、特開平7−126225号公報、特開平7−126226号公報、特開平8−100172号公報、EP0650955A1等に記載されている各種有機化合物を用いることができる。例えば、テトラアリールベンジシン化合物(トリアリールジアミンないしトリフェニルジアミン:TPD)、芳香族三級アミン、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、ポリチオフェン等である。これらの化合物は、1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用するときは、別層にして積層したり、混合したりすればよい。
【0103】
ホール注入輸送層をホール注入層とホール輸送層とに分けて積層する場合は、ホール注入輸送層用の化合物のなかから好ましい組合せを選択して用いることができる。このとき、ホール注入電極(ITO等)側からイオン化ポテンシャルの小さい化合物の順に積層することが好ましい。また、ホール注入電極表面には薄膜性の良好な化合物を用いることが好ましい。このような積層順については、ホール注入輸送層を2層以上設けるときも同様である。このような積層順とすることによって、駆動電圧が低下し、電流リークの発生やダークスポットの発生・成長を防ぐことができる。また、素子化する場合、蒸着を用いているので1〜10nm程度の薄い膜も均一かつピンホールフリーとすることができるため、ホール注入層にイオン化ポテンシャルが小さく、可視部に吸収をもつような化合物を用いても、発光色の色調変化や再吸収による効率の低下を防ぐことができる。ホール注入輸送層は、発光層等と同様に上記の化合物を蒸着することにより形成することができる。
【0104】
電子注入輸送層には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3 )等の8−キノリノールまたはその誘導体を配位子とする有機金属錯体などのキノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体等を用いることができる。電子注入輸送層は発光層を兼ねたものであってもよく、このような場合はトリス(8−キノリノラト)アルミニウム等を使用することが好ましい。電子注入輸送層の形成は、発光層と同様に、蒸着等によればよい。
【0105】
電子注入輸送層を電子注入層と電子輸送層とに分けて積層する場合には、電子注入輸送層用の化合物の中から好ましい組み合わせを選択して用いることができる。このとき、電子注入電極側から電子親和力の値の大きい化合物の順に積層することが好ましい。このような積層順については、電子注入輸送層を2層以上設けるときも同様である。
【0106】
ホール注入輸送層、発光層および電子注入輸送層の形成には、均質な薄膜が形成できることから、真空蒸着法を用いることが好ましい。真空蒸着法を用いた場合、アモルファス状態または結晶粒径が0.2μm 以下の均質な薄膜が得られる。結晶粒径が0.2μm を超えていると、不均一な発光となり、素子の駆動電圧を高くしなければならなくなり、電荷の注入効率も著しく低下する。
【0107】
真空蒸着の条件は特に限定されないが、10-4Pa以下の真空度とし、蒸着速度は0.01〜1nm/sec 程度とすることが好ましい。また、真空中で連続して各層を形成することが好ましい。真空中で連続して形成すれば、各層の界面に不純物が吸着することを防げるため、高特性が得られる。また、素子の駆動電圧を低くしたり、ダークスポットの発生・成長を抑制したりすることができる。
【0108】
これら各層の形成に真空蒸着法を用いる場合において、1層に複数の化合物を含有させる場合、化合物を入れた各ボートを個別に温度制御して共蒸着することが好ましい。
【0109】
また、有機EL構造体は上記有機層の他に、基板および基板上に有機層を挟み込むように形成された、ホール注入電極、電子注入電極等の機能性薄膜を有する。
【0110】
電子注入電極としては、低仕事関数の物質が好ましく、例えば、K、Li、Na、Mg、La、Ce、Ca、Sr、Ba、Al、Ag、In、Sn、Zn、Zr等の金属元素単体、または安定性を向上させるためにそれらを含む2成分、3成分の合金系を用いることが好ましい。
【0111】
電子注入電極薄膜の厚さは、電子注入を十分行える一定以上の厚さとすれば良く、0.5nm以上、好ましくは1nm以上、より好ましくは3nm以上とすればよい。また、その上限値には特に制限はないが、通常膜厚は3〜500nm程度とすればよい。電子注入電極の上には、さらに補助電極ないし保護電極を設けてもよい。
【0112】
蒸着時の圧力は好ましくは1×10-8〜1×10-5Torrで、蒸発源の加熱温度は、金属材料であれば100〜1400℃、有機材料であれば100〜500℃程度が好ましい。
【0113】
ホール注入電極は、発光した光を取り出すため、透明ないし半透明な電極が好ましい。透明電極としては、ITO(錫ドープ酸化インジウム)、IZO(亜鉛ドープ酸化インジウム)、ZnO、SnO2 、In2 3 等が挙げられるが、好ましくはITO(錫ドープ酸化インジウム)、IZO(亜鉛ドープ酸化インジウム)が好ましい。ITOは、通常In2 3 とSnOとを化学量論組成で含有するが、O量は多少これから偏倚していてもよい。ホール注入電極は、透明性が必要でないときは、不透明の公知の金属材質であってもよい。
【0114】
ホール注入電極の厚さは、ホール注入を十分行える一定以上の厚さを有すれば良く、好ましくは50〜500nm、さらには50〜300nmの範囲が好ましい。また、その上限は特に制限はないが、あまり厚いと剥離などの心配が生じる。厚さが薄すぎると、製造時の膜強度やホール輸送能力、抵抗値の点で問題がある。
【0115】
このホール注入電極層は蒸着法等によっても形成できるが、好ましくはスパッタ法、特にパルスDCスパッタ法により形成することが好ましい。
【0116】
有機EL構造体各層を成膜した後に、SiOX 等の無機材料、テフロン、塩素を含むフッ化炭素重合体等の有機材料等を用いた保護膜を形成してもよい。保護膜は透明でも不透明であってもよく、保護膜の厚さは50〜1200nm程度とする。保護膜は、前記の反応性スパッタ法の他に、一般的なスパッタ法、蒸着法、PECVD法等により形成すればよい。
【0117】
基板に色フィルター膜や蛍光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を用いて発光色をコントロールしてもよい。
【0118】
有機EL素子は、通常、直流駆動やパルス駆動等される。印加電圧は、通常、2〜30V 程度である。
【0119】
【実施例】
次に実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。
<実施例1>
図5に示すような回路を用いて有機EL素子の駆動を行った。図において、可変式直流定電圧源E100は、スイッチング素子sw100を介して、コンデンサC100の一端と、有機EL素子EL100のアノード側に接続され、これらの他端側、カソード側は接地されている。
【0120】
駆動条件として、直流定電圧源E100の電圧:5〜15V 、コンデンサC100の容量:390pF、有機EL素子EL100の1画素分の大きさ:150μm 角、蓄積時間:1μs とした。なお、スイッチング素子sw100のオン抵抗Ronは1kΩ、オフ抵抗Roff は10MΩであった。
【0121】
結果を図8に示す。図8から明らかなように、直流定電圧源の電圧に対応して輝度が変化し、発光輝度をコンデンサに蓄積された電荷量で調節できることがわかる。なお、このときの発光予定輝度と、実際の輝度との誤差は18%程度であった。
【0122】
<実施例2>
図6に示すような回路を用いて有機EL素子の駆動を行った。図において、コンデンサC100の一端と、有機EL素子EL100のアノード側との間に電流制限抵抗R100が接続されている。その他の構成は図5と同様である。
【0123】
駆動条件として、直流定電圧源E100の電圧:5〜15V 、コンデンサC100の容量:2.9μF 、有機EL素子EL100の1画素分の大きさ:10mm角、蓄積時間:500μs とした。
【0124】
結果を図9に示す。図9から明らかなように、直流定電圧源の電圧に対応して輝度が変化し、比較的大面積の有機EL素子で、電流制限抵抗を用いた場合にも発光輝度をコンデンサに蓄積された電荷量で調節できることがわかる。
【0125】
<実施例3>
図7に示すような回路を用いて有機EL素子の駆動を行った。図において、コンデンサC100の一端と、有機EL素子EL100のアノード側との間に補助スイッチング素子sw101が接続されている。その他の構成は図5と同様である。
【0126】
駆動条件として、直流定電圧源E100の電圧:5〜15V 、コンデンサC100の容量:390pF、有機EL素子EL100の1画素分の大きさ:150μm 角、蓄積時間:1μs とした。なお、スイッチング素子sw100のオン抵抗Ronは1kΩ、オフ抵抗Roff は10MΩであった。
【0127】
結果を図10に示す。図10から明らかなように、直流定電圧源の電圧に対応して輝度が変化し、発光輝度をコンデンサに蓄積された電荷量で調節できることがわかる。なお、このときの発光予定輝度と、実際の輝度との誤差は6%程度で、補助スイッチング素子を用いたことでさらに発行予定輝度に近い状態で駆動できていることがわかる。
【0128】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば供給される電流に輝度が依存する薄膜発光素子に対して簡便な回路で輝度が調整でき、コストおよび実装面積を削減することの可能な薄膜発光素子の駆動方法およびその回路を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】薄膜発光素子の駆動回路のより具体的な構成例を示す回路図である。
【図2】図1の各薄膜発光素子の駆動タイミングと、コンデンサに蓄積される電荷の関係を示したタイミングチャートである。
【図3】薄膜発光素子の駆動回路のより具体的な他の構成例を示す回路図である。
【図4】図3の各薄膜発光素子の駆動タイミングと、コンデンサに蓄積される電荷の関係を示したタイミングチャートである。
【図5】本発明の実施例1の駆動回路図である。
【図6】本発明の実施例2の駆動回路図である。
【図7】本発明の実施例3の駆動回路図である。
【図8】実施例1の輝度−電圧特性を示したグラフである。
【図9】実施例2の輝度−電圧特性を示したグラフである。
【図10】実施例3の輝度−電圧特性を示したグラフである。
【図11】従来のアクティブマトリックス方式の一例を示す回路図である。
【図12】図11のA部の拡大図である。
【符号の説明】
El1〜3,El11〜13 薄膜発光素子
SW11,12 スイッチング手段
SW21,23 スイッチング手段
SW31,33 補助スイッチング手段
C1〜3 コンデンサ(蓄積容量)
E1〜3 直流定電圧電源

Claims (13)

  1. パッシブマトリックス型画像表示装置を構成し、駆動電流に輝度が依存する薄膜発光素子の駆動方法であって、
    必要とする輝度に対応した電荷量を、これに対応した電圧として電荷供給手段から薄膜発光素子に接続されるとともに表示領域外部に存在し、スイッチング手段を介して前記電荷供給手段に接続する電荷蓄積手段に蓄積し、
    前記スイッチング手段が前記電荷供給手段と前記電荷蓄積手段を切断することで、この蓄積した電荷により所望の発光輝度で薄膜発光素子を駆動し、
    前記電荷供給手段の駆動電圧が、薄膜発光素子が発光を開始する電圧より高い電圧である薄膜発光素子の駆動方法。
  2. 前記電荷蓄積手段への電荷の蓄積を一秒間に50回以上行う請求項1の薄膜発光素子の駆動方法。
  3. 前記電荷蓄積手段に蓄積されている電荷を、次の電荷の蓄積までに90%以上放電させる請求項1または2の薄膜発光素子の駆動方法。
  4. 前記スイッチング手段を薄膜発光素子の抵抗成分と電荷蓄積手段の容量とで形成される時定数の2.3倍以下でスイッチングさせる請求項1〜3のいずれかの薄膜発光素子の駆動方法。
  5. 前記電荷蓄積手段と薄膜発光素子の間に補助スイッチング素子を有し、
    この補助スイッチング素子は電荷蓄積手段に電荷を蓄積している期間、電荷蓄積手段と薄膜発光素子とを電気的に遮断する請求項1〜4のいずれかの薄膜発光素子の駆動方法。
  6. 前記電荷蓄積手段は、前記電荷供給手段が供給する駆動電流で薄膜発光素子を所望の発光輝度で駆動した以降に、蓄積した電荷により所望の発光輝度で薄膜発光素子を駆動する請求項1〜4のいずれかの薄膜発光素子の駆動方法。
  7. パッシブマトリックス型画像表示装置を構成し、駆動電流に輝度が依存する薄膜発光素子と、
    この薄膜発光素子と接続されるとともに表示領域外部に存在し、薄膜発光素子を駆動するための電荷を蓄積する電荷蓄積手段と、
    前記電荷蓄積手段とスイッチング手段を介して接続され、電荷蓄積手段に蓄積する電荷量をこれに対応した電圧を印加して蓄積する電荷供給手段とを有し、
    前記電荷供給手段の駆動電圧は、薄膜発光素子が発光を開始する電圧より高い電圧である薄膜発光素子の駆動回路。
  8. 前記薄膜発光素子の内部抵抗と前記電荷蓄積手段の容量で形成される時定数の2.3倍が前記スイッチング手段の動作時間より小さい請求項7の薄膜発光素子の駆動回路。
  9. 前記スイッチング手段は、蓄積容量への電荷の蓄積を一秒間に50回以上行うように動作する請求項7または8の薄膜発光素子の駆動回路。
  10. 前記スイッチング手段は、蓄積容量の電荷を次の電荷の蓄積動作までに90%以上放電させるタイミングで動作する請求項7〜9のいずれかの薄膜発光素子の駆動回路。
  11. 前記薄膜発光素子と電荷蓄積手段とは、補助スイッチング手段を介して接続され、
    この補助スイッチング手段は電荷蓄積手段に電荷を蓄積している期間、電荷蓄積手段と薄膜発光素子とを電気的に遮断する請求項7〜10のいずれかの薄膜発光素子の駆動回路。
  12. 前記電荷蓄積手段は、前記電荷供給手段が供給する駆動電流で薄膜発光素子を所望の発光輝度で駆動した以降に、蓄積した電荷により所望の発光輝度で薄膜発光素子を駆動する請求項7〜10のいずれかの薄膜発光素子の駆動回路。
  13. 請求項7〜12のいずれかの薄膜発光素子の駆動回路を有するパッシブマトリックス型画像表示装置。
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