JP4609213B2 - 車両のスプラッシュシールド構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車輪によって跳ね上げられた泥水などの侵入を防止するためにホイールハウスに配設されるスプラッシュシールドの構造の技術分野に属する。
従来より、一般に、自動車などの車両においては路面から跳ね上げられる小石などからエンジン及び駆動系を守るために、主にエンジンの下面を覆うようにカバー部材(アンダーカバー)が配設されている。また、車輪によって跳ね上げられた泥水などがエンジンルームに侵入しないように、ホイールハウスのエプロンメンバなどの下方にもカバー部材を配設することがあり、これはスプラッシュシールドなどと言われている。
例えば特許文献1に開示されるものでは、エンジンなどの下面を覆うアンダーカバーの両側部とホイールハウスのエプロンメンバ下端との間を、該エプロンメンバに設けられた車軸用開口部の前方で下方から覆うように別のアンダーカバーを設けるとともに、このアンダーカバーの下面に泥跳ね防止用のリブを設けて、車輪に跳ね上げられた泥水などが前記車軸用開口部からエンジンルームに侵入することを防ぐようにしている。
特開2000−103368号公報
ところが、豪雪地帯などでは、車両の走行中に路面の融雪(みぞれ状の雪や雪融け水)が車輪によって跳ね上げられて、ホイールハウスの壁面に付着して、氷や雪の塊として堆積することがある。このようにホイールハウス内に堆積する氷雪はかなり大きくなるので、車輪とともに上下動するブレーキホースなどと干渉して、その耐久性、信頼性を損なう虞れがある。
すなわち、一般にホイールハウス内には、車輪を支持するホイールサポートにブレーキキャリパが取り付けられ、さらにブレーキホースやABSのセンサ、配線など、ブレーキの作動に関連するブレーキ関連部材がブレーキキャリパと車体とに跨るようにして配置されており、それらが上下動すると、前記のようにホイールハウス内に堆積した氷雪と干渉することになるのである。
これに対し、ブレーキホース自体を、その材料や構造に工夫を凝らして強化することも考えられるが、こうするとコストの大幅な増大を招くという問題を生じることになるし、仮にそうして強化したとしても、前記のようにホイールハウス内に堆積した氷雪と干渉すれば、ブレーキホースの耐久性はやはり低下せざるを得ない。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上述の如くホイールハウス内に堆積する氷雪との干渉の問題に着目して、スプラッシュシールドの構造に工夫を凝らすことにより、コストの増大を招くことなく、ブレーキホースなどの耐久性、信頼性の低下を防止することにある。
前記の目的を達成するために、本発明では、ホイールハウスに配設されるスプラッシュシールドに、ブレーキホースなどブレーキ関連部材の車体内方側に氷雪が堆積するのを防止する堆積防止手段を設けたものである。
具体的に、請求項1の発明では、車両の前後方向に延びる左右一対のサイドフレームとその下方に設けられたサスペンションメンバとの間に車輪によって跳ね上げられた泥水のエンジンルームへの侵入を防ぐためのスプラッシュシールドを配設してなる車両のスプラッシュシールド構造を対象として、前記サスペンションメンバに揺動自在に取り付けられた車輪支持部材にブレーキ機構が配設され、このブレーキ機構と車体とに跨って、該ブレーキ機構の作動に関連するブレーキ関連部材が配設されている場合に、前記スプラッシュシールドに、前記ブレーキ関連部材及び車体間の車体側に氷雪が堆積するのを防止する、該スプラッシュシールドの表面に車体内方に窪むように形成された窪み部からなる堆積防止手段を備えており、この窪み部には、該窪み部の上縁付近から、該窪み部の下面よりも車体外方に向かって延びる延出部が設けられており、該窪み部の下面は、車幅方向外側下方に傾斜しており、この延出部の下面は、車輪によって跳ね上げられて衝突する融雪が前記窪み部内に入り込むよう、その衝突方向に直交する方向よりも水平に近い傾斜状態とされていることを特徴とする。
前記の構成により、車両が例えば豪雪地帯などを走行中に、車輪により跳ね上げられた融雪などがホイールハウスの壁面に付着しても、ブレーキ関連部材及び車体間の車体側においてはスプラッシュシールドの堆積防止手段によって氷雪の堆積が防止されるので、堆積した氷雪との干渉によるブレーキ関連部材の耐久性、信頼性の低下を未然に防止することができる。
また、スプラッシュシールドの表面に堆積防止手段として機能する窪み部(車体内方への窪み部)を形成しているので、窪み部に付着した氷雪は、或る程度以上の大きさに成長するまではブレーキ関連部材と干渉することがなく、そして、或る程度の大きさに成長すれば、氷雪はその自重で窪み部から滑り落ちることになる。
さらに、前記窪み部の上縁付近から、該窪み部の下面よりも車体外方に向かって延びるように延出部を設けているので、その延出部の上方にブレーキ関連部材の一部を配置すれば、窪み部に溜まった氷雪との干渉を抑制できるとともに、そのブレーキ関連部材の一部には車輪によって跳ね上げられた融雪などが直接、付着することも少なくなり、このことによってもブレーキ関連部材の耐久性、信頼性の低下を防止することができる。
また、前記延出部の下面を、車輪によって跳ね上げられて衝突する融雪が窪み部内に入り込むよう、その衝突方向に直交する方向よりも水平に近い傾斜状態としていることから、車輪によって跳ね上げられた融雪を延出部の下面に衝突させて、積極的に窪み部内に取り入れることができるので、上述した発明の作用がより確実なものとなる。
好ましいのは、前記窪み部を車幅方向に車体外方に向かって開口するボックス状とし、その下面の水平面に対する車幅方向の傾斜角度を上面と比較して大きくすることである(請求項の発明)。すなわち、まず窪み部をボックス状として或る程度以上の容積を確保することにより、その内部に溜まった氷雪のブレーキ関連部材側との干渉をより確実に抑制できる。また、窪み部の下面を水平面に対し比較的大きく傾斜させることで、或る程度以上に大きくなった氷雪をより確実に滑り落とすことができる。
また、前記窪み部が車軸よりも前方に位置する場合に、好ましいのは、その前縁よりも前方で車体外方に突出し、かつ少なくとも上下方向に延びるように縦壁部を設けることである(請求項の発明)。こうすれば、車輪によって跳ね上げられた融雪がブレーキ関連部材の付近に向かうことを抑制でき、このことによってもブレーキ関連部材の耐久性、信頼性の低下を防止することができる。
ここで、前記のようなスプラッシュシールドの裏面には窪み部に対応して車体内方に膨出する膨出部位が形成されることになるが、その車体内方にはパワートレインが配置されていることが好ましい(請求項の発明)。この場合には窪み部内に溜まった氷雪がパワートレインからの発熱によって融かされ、その滑落が促される。
また、サスペンションメンバがゴムブッシュなどの弾性体を介してサイドフレームに連結されている場合には、前記スプラッシュシールドを、窪み部の上方及び下方においてそれぞれ前記サイドフレーム及びサスペンションメンバに固定することが好ましい(請求項の発明)。こうすれば、車両の走行中にサイドフレームとサスペンションメンバとが相対変位すると、スプラッシュシールドがその窪み部を挟んで比較的大きく撓むようになり、このことによって、窪み部内に溜まった氷雪の滑落が促される。
さらに、前記サスペンションメンバに車幅方向の車体外方に突出する突出部が形成されている場合には、前記スプラッシュシールドの下端部に堆積防止手段として前記サスペンションメンバの突出部を覆うように下方に延長された延長部を設け、この延長部が、車幅方向外側下方に延び、且つ、その下端が前記延出部の車幅方向外側端よりも車幅方向内側に位置していることが好ましい(請求項の発明)。こうすれば、サスペンションメンバの突出部上に氷雪が堆積することを防いで、氷雪とブレーキ関連部材側との干渉を未然に防止することができる。
以上、説明したように、本願の請求項1〜の発明に係るスプラッシュシールド構造によると、車両のホイールハウス内において車輪と共に上下動するブレーキホースなどの車体内方側にスプラッシュシールドを配置し、その表面には付着した氷雪の堆積を防止するように所定形状の窪み部を設けたことで、コスト増大を招くことなく、ホイールハウスの壁面に堆積した氷雪とブレーキホースなどとの干渉による耐久性、信頼性の低下を、未然に防止することができる。
また、跳ね上げられた融雪を窪み部の上縁付近に設けた延出部によって該窪み部に導いて、氷雪のブレーキホースなどの側への堆積をより確実に防止できるとともに、そうして跳ね上げられた融雪などが直接、ブレーキホースなどに付着することも抑制できる。
また、請求項の発明によると、跳ね上げられた融雪がブレーキ関連部材の付近に向かうことを縦壁部によって遮ることができ、このことによってもブレーキホースの耐久性、信頼性の低下を防止できる。
さらに、請求項の発明ではパワートレインの発熱を利用して、また、請求項の発明ではサイドフレームとサスペンションメンバとの相対変位を利用して、それぞれ、スプラッシュシールドの窪み部内に溜まった氷雪の滑落を促進できる。
さらにまた、請求項の発明によると、スプラッシュシールドの下端部に設けた下方への延長部によって、サスペンションメンバの車幅方向への突出部を覆うことで、その突出部上への氷雪の堆積を防いで、ブレーキホースなどとの干渉を未然に防止できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は本発明のスプラッシュシールド1の実施形態を示し、このスプラッシュシールド1は、例えば図2に一例を示すように、自動車V(車両)の前車輪を収容するホイールハウスWにおいて、該自動車Vの前後方向(以下、単に前後方向という)に延びる閉断面構造のフロントサイドフレーム(左側のもののみを示す)2と、その下方に設けられたサスペンションメンバ3との間に、配設されている。
この実施形態では、前記サスペンションメンバ3も前後方向に延びる閉断面構造のペリメータフレームで、下方に開口するコ字状断面の鋼製柱状部材と、その下方に接合された鋼製帯状部材とからなり(図3参照)、両者の合わせ面となるフランジ3a(突出部)が車幅方向の両側に突出している。また、サスペンションメンバ3は左右それぞれ3つのゴムブッシュ4(1つのみ示す)を介してフロントサイドフレーム2に連結されている。
図2には車輪やブレーキ、サスペンションなどを取り外した状態でホイールハウスWを示しており、図示の如く、ホイールハウスWは、車体内方側をフロントサイドフレーム2及びエプロンメンパ5によってエンジンルームから仕切られるとともに、前後方向及び上方をフロントバンパ6及びフロントフェンダ7によって囲まれている。このフロントバンパ6及びフロントフェンダ7に亘って概略半円状にホイールアーチが開口している。
前記エプロンメンパ5の上縁はフロントフェンダ7の上縁と結合されており、一方、その下縁はフロントサイドフレーム2に固定されている。また、エプロンメンパ5には、サスペンションのダンパユニット23(図3参照)を収容するサスペンションハウジング5aがエンジンルーム側に膨出するように設けられている。
そして、前記ホイールハウスWには、図3に模式的に示すように、前車輪20と、これを回転自在に支持するホイールサポート21(車輪支持部材)と、該ホイールサポート21を車体側のサスペンションメンバ3に対して揺動自在に取り付けるサスペンションアーム22と、該該ホイールサポート21の揺動に減衰を付与するためのダンパユニット23とがそれぞれ収容されており、さらに、ホイールサポート21には、図示しないが前車輪20と一体に回転するロータをパッドを介して挟み込むブレーキキャリパ24が配設されて、ディスクブレーキ機構を構成している。
また、前記図2及び図3に示すように、ブレーキキャリパ24とフロントサイドフレーム2(車体)とに跨って、図外のマスタシリンダから圧液を供給するためのブレーキホース25(ブレーキ関連部材)が配設されている。この例では、ブレーキホース25の一端は図2にのみ示す金属製配管26に接続され、他端側は図3にのみ示すようにダンパユニット23の外周にクリップなどにより固定されている。そして、自動車Vの走行中は前車輪20などの上下動に連れて、ブレーキホース25の特に他端側が上下方向に動くようになっている。
そのように前車輪20と共に上下動するブレーキホース25の車体内方側には、本発明の特徴として図2に示すように、車軸8よりも前方でフロントサイドフレーム2とサスペンションメンバ3との間を塞ぐように、スプラッシュシールド1が配設されている。この例ではスプラッシュシールド1は樹脂製であり、その上部及び下部がそれぞれフロントサイドフレーム2及びサスペンションメンバ3にボルト9,9,…により締結されている。
図1に拡大して示すように、スプラッシュシールド1は、例えば射出成形法によって厚み方向に凹凸のある概略矩形の板状に成形され、その表面(ホイールハウスWを臨む面)の略中央部に車体内方に窪んだ窪み部10が形成されている。この窪み部10に対応してスプラッシュシールド1の裏面には自ずと膨出部位(図示せず)が形成されることになり、この部位がエンジンルーム側に膨出していて、その車体内方にはエンジン及び変速機からなる自動車VのパワートレインPT(図3参照)が位置している。
前記窪み部10は、後述するように、前車輪20によって路面から跳ね上げられた融雪などを取り込んで、ブレーキホース25側への堆積を防止し、該ブレーキホース25などと干渉しないようにするとともに、その後、滑落させてホイールハウスWから排除するためのものである。すなわち、窪み部10は、横断面が5角形状をなし車体外方に向かって開口するボックス状に形成されており、その周面は前後、上下の各面10a〜10dと、その上面10c及び後面10bを繋ぐ斜め面10eとにより構成され、これら5つの面10a〜10eの車体内方縁に連続するように底面が形成されている。
そのボックス状の窪み部10内にブレーキホース25などと干渉しないようにして、或る程度以上の大きさになるまで氷雪を溜め込むために、この窪み部10は所定以上の深さとしなけれならないが、同時にそうして窪み部10内に溜まった氷雪が或る程度以上、大きくなれば、その自重によって滑り落ちるようにしなければならない。そこで、この実施形態では窪み部10の下面10dを車体内方から外方に向かって徐々に低くなるように、車幅方向に比較的大きく傾斜させている。
一方、窪み部10の上縁には車体外方に延出する延出部11,12が形成されている。前側の延出部11は窪み部10の上面10cに対応する範囲に形成され、その下面が窪み部10の上面10cと連続する略同一面とされている(以下、両者を合わせて窪み部10の上面10cという)。また、後側の延出部12は窪み部10の斜め面10eに対応する範囲から車体後方に向かって略水平に庇のように延びていて、その斜め面10eに対応する範囲の斜め下面は、当該斜め面10eと連続する略同一面とされている(以下、両者を合わせて窪み部10の斜め面10eという)。
そして、前記窪み部10の上面10c及び斜め面10eは、いずれも車幅方向については、車体内方から外方に向かって徐々に高くなるように比較的小さく傾斜している。この傾斜状態は、前車輪20により跳ね上げられた融雪Sが跳ね返ったときに窪み部10内に入り込むように設定されたものであり、例えば自動車Vの前後方向に見て図3に模式的に示すように、窪み部10の上面10cは、前車輪20の下端部車体内方側から延ばした仮想の直線L、即ち前車輪20により跳ね上げられた融雪Sなどの衝突する方向を基準として、この仮想線Lに直交する方向よりも水平に近い(水平面に対する傾斜角度が小さい)状態とされている。
そのように設定された窪み部10の上面10cの車幅方向の傾斜状態は、当然ながら下面10dと比較すると水平に近くなっており、前記のようにして路面から跳ね上げられて窪み部10の上面10cや斜め面10eに衝突した融雪Sは、これらの面10c,10eにおいて車体内方に向かって跳ね返されて、図示の如く窪み部10内に入り込むようになる。
つまり、前車輪20によってブレーキホース25の付近に向かって跳ね上げられた融雪Sは、ホイールハウスW内に飛び散らず、スプラッシュシールド1の窪み部10に取り込まれて溜まるようになり、それが或る程度の大きさの氷雪になるまではブレーキホース25と干渉しないようになる。
しかも、この実施形態では、ブレーキの金属製配管26やこれに接続されたブレーキホース25が前記窪み部10の上縁に庇のように設けられた後側延出部12よりも上方に配置されているので、このブレーキホース25が窪み部10内に溜まった氷雪と干渉することがより確実に抑制されるとともに、前車輪20によって跳ね上げられた融雪Sがブレーキホース25に直接、付着することも抑制される。
尚、この実施形態では、前記窪み部10の後縁に沿って車体外方に延出するように縦壁状の延出部13も形成されている。この縦壁状延出部13の前面は、前記前側、後側延出部の下面と同様、窪み部10の後面10bと連続する略同一面とされている。
前記のように表面の略中央部に窪み部10が形成されたスプラッシュシールド1の上部及び下部には、それぞれ、ボルト9,9,…の挿入孔14,14,…が形成されたブラケット部15〜17が形成されている。すなわち、上部の2つのブラケット部15,16は、それぞれ窪み部10の前側及び後側に対応する位置において上方に延びるように設けられ、前側ブラケット部15は一旦、スプラッシュシールド1の表面側に折り曲げられた後に該スプラッシュシールド1表面と略平行になるように折り返されている。一方、後側ブラケット部16はその表面がスプラッシュシールド1の表面よりもやや奥側(スプラッシュシールド1の裏側)に位置するように形成されている。
また、スプラッシュシールド1の下部のブラケット部17は、窪み部10の前側からその後面10bの開口縁に対応する位置までの範囲において下方に延びるように設けられており、その前部及び後部にそれぞれボルト挿入孔14,14が形成されるとともに、それらの中間部にはスプラッシュシールド1の表面側に膨出する矩形の台部17aが形成され、さらに、その台部17a表面の後側部位にはリブが形成されている。
そのようにスプラッシュシールド1の上部及び下部にそれぞれ設けられたブラケット部15〜17によって、該スプラッシュシールド1は、窪み部10の上方及び下方においてそれぞれフロントサイドフレーム2及びサスペンションメンバ3に固定されている。このため、自動車Vの走行中にフロントサイドフレーム2とサスペンションメンバ3とが相対変位すると、スプラッシュシールド1はその窪み部10を挟んで比較的大きく撓むようになり、このことによって窪み部10内の氷雪の滑落が促される。
さらに、前記下側のブラケット部17の下端には、下方に延長されて、先端側ほど車体外方に向かうように傾斜して延びる延長部18が形成されている。この延長部18は、図2のようにフロントサイドフレーム2とサスペンションメンバ3との間に取り付けられた状態で該サスペンションメンバ3のフランジ3aを上方から覆うようになり、このフランジ3a上に氷雪が堆積することを防止するようになっている。
したがって、上述の如きスプラッシュシールド1をホイールハウスWにおいてブレーキホース25などの車体内方側に配設したことで、この実施形態では例えば豪雪地帯などを走行中に前車輪20が路面から融雪を跳ね上げると、そうして跳ね上げられて、図3に模式的に示すようにブレーキホース25の付近に向かう融雪Sは、スプラッシュシールド1の窪み部10に取り込まれて、その内部に溜まるようになる。
特に、前記窪み部10の上縁に沿って延出部11,12が設けられ、その下面及びこれに連続する窪み部上面10cなどの傾斜状態が融雪Sの衝突方向Lに対して適切に設定されているので、跳ね上げられた融雪Sを積極的に窪み部10に取り込むことができる。
こうして窪み部10内に溜まった氷雪は、この窪み部10がボックス状とされていて、或る程度以上の容積が確保されていることから、ブレーキホース25と干渉することなく或る程度の大きさまで成長する。そして、或る程度以上の大きさに成長した氷雪は、窪み部10の下面が車幅方向に比較的大きく傾斜していることから、その自重で窪み部10から滑り落ちて、ブレーキホース25と干渉することなくホイールハウスWから排除されるようになる。
特に、この実施形態では、前記窪み部10の車体内方がエンジンルームであり、そこに配置されているパワートレインの発熱によって窪み部10内の氷雪が融かされるとともに、自動車Vの走行に伴うフロントサイドフレーム2とサスペンションメンバ3との相対変位によって、スプラッシュシールド1の窪み部10が比較的大きく撓んで変形することから、該窪み部10の氷雪の滑落を促進して、ホイールハウスWから確実に排除することができる。
そうしてホイールハウスW内のブレーキホース25近傍における氷雪の堆積を防止して、堆積した氷雪との干渉によるブレーキホース25の耐久性、信頼性の低下を未然に防止できるとともに、この実施形態では、前記窪み部10上縁の延出部11よりも上方にブレーキホース25を配置して、跳ね上げられた融雪Sが直接、付着することも抑制するようにしており、このことによってもブレーキホース25の耐久性などの低下を防止することができる。
つまり、この実施形態では、ホイールハウスW内において前車輪20と共に上下動するブレーキホース25の車体内方側に所定形状の窪み部10を有するスプラッシュシールド1を配置する、という極めて簡単な構成で、コスト増大を招くことなく、堆積した氷雪によるブレーキホース25の耐久性、信頼性の低下を未然に防止することができる。
尚、本発明の構成は、上述した実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成をも包含する。すなわち、前記の実施形態ではホイールハウスW内で車体側からブレーキホース25の側に堆積した氷雪が該ブレーキホース25と干渉するのを抑制するようにしているが、これ以外に、例えばABS(アンチロックブレーキシステム)のセンサや配線と氷雪との干渉を抑制するようにしてもよい。
また、前記実施形態のスプラッシュシールド1において、窪み部10の前縁よりも前方において車体外方に突出しかつ少なくとも上下方向に延びるように縦壁部19(図1(a)にのみ仮想線で示す)を形成してもよい。こうすれば、跳ね上げられた融雪がブレーキホース25などの付近に向かうことを縦壁部19によって遮ることができ、このことによってもブレーキホース25近傍での氷雪の堆積を防止して、耐久性、信頼性の低下を未然に防止することができる。
さらに、前記実施形態ではスプラッシュシールド1を自動車Vの前車輪10を収容するホイールハウスWに用いているが、これは後車輪のホイールハウスに用いることも可能である。
以上説明したように、本発明のスプラッシュシールド構造は、簡単な構成でコストの増大を招くことなく、ホイールハウス内に堆積した氷雪によるブレーキホースなどの耐久性、信頼性の低下を未然に防止することができるので、特に豪雪地帯で使用される可能性のある自動車において有用である。
本発明に係るスプラッシュシールドの(a)正面図及び(b)斜視図である。 同スプラッシュシールドの配設された自動車の前車輪のホイールハウスを、該前車輪やサスペンションを外して左側から見た説明図である。 同ホイールハウス内の前車輪、サスペンション及びブレーキ機構の配置と、該前車輪に跳ね上げられてスプラッシュシールドへ衝突する融雪とを模式的に示す説明図である。
1 スプラッシュシールド
2 フロントサイドフレーム(サイドフレーム)
3 サスペンションメンバ
3a フランジ(突出部)
4 ゴムブッシュ(弾性体)
10 スプラッシュシールドの窪み部(堆積防止手段)
10c 窪み部の上面(延出部の下面)
10d 同下面
10e 同斜め面(上面)
11 前側延出部
12 後側延出部
18 延長部
19 縦壁部
20 前車輪
21 ホイールサポート(車輪支持部材)
22 サスペンションアーム
23 ダンパユニット
24 ブレーキキャリパ(ブレーキ機構)
25 ブレーキホース(ブレーキ関連部材)
L 融雪の衝突方向

Claims (7)

  1. 車両の前後方向に延びる左右一対のサイドフレームとその下方に設けられたサスペンションメンバとの間に、車輪によって跳ね上げられた泥水のエンジンルームへの侵入を防ぐためのスプラッシュシールドを配設してなる車両のスプラッシュシールド構造であって、
    前記サスペンションメンバに揺動自在に取り付けられた車輪支持部材にブレーキ機構が配設され、
    前記ブレーキ機構と車体とに跨って、該ブレーキ機構の作動に関連するブレーキ関連部材が配設され、
    前記スプラッシュシールドは、前記ブレーキ関連部材及び車体間の車体側に氷雪が堆積するのを防止する、該スプラッシュシールドの表面に車体内方に窪むように形成された窪み部からなる堆積防止手段を備えており、
    前記窪み部には、該窪み部の上縁付近から、該窪み部の下面よりも車体外方に向かって延びる延出部が設けられており、
    前記窪み部の下面は、車幅方向外側下方に傾斜しており、
    前記延出部の下面は、車輪によって跳ね上げられて衝突する融雪が前記窪み部内に入り込むよう、その衝突方向に直交する方向よりも水平に近い傾斜状態とされていることを特徴とする車両のスプラッシュシールド構造。
  2. 請求項1において、
    前記ブレーキ関連部材が、前記ブレーキ機構に油圧を伝達するブレーキホースを含むことを特徴とする車両のスプラッシュシールド構造。
  3. 請求項1又は2において、
    前記窪み部は、車幅方向に車体外方に向かって開口するボックス状であり、その下面の水平面に対する車幅方向の傾斜角度が上面と比較して大きいことを特徴とする車両のスプラッシュシールド構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つにおいて、
    前記窪み部は車軸よりも前方に位置し、その前縁よりも前方で車体外方に突出しかつ少なくとも上下方向に延びる縦壁部が設けられていることを特徴とする車両のスプラッシュシールド構造。
  5. 請求項のいずれか1つにおいて、
    前記スプラッシュシールドの裏面には前記窪み部に対応して車体内方に膨出する膨出部位があり、その車体内方にはパワートレインが位置していることを特徴とする車両のスプラッシュシールド構造。
  6. 請求項のいずれか1つにおいて、
    前記サスペンションメンバは弾性体を介して前記サイドフレームに連結され、
    前記スプラッシュシールドは、前記窪み部の上方及び下方においてそれぞれ前記サイドフレーム及びサスペンションメンバに固定されていることを特徴とする車両のスプラッシュシールド構造。
  7. 請求項1〜のいずれか1つにおいて、
    前記サスペンションメンバには車幅方向の車体外方に突出する突出部が形成され、
    前記スプラッシュシールドの下端部には、前記堆積防止手段として、前記突出部を覆うように下方に延長された延長部が設けられ
    前記延長部は、車幅方向外側下方に延び、且つ、その下端が前記延出部の車幅方向外側端よりも車幅方向内側に位置していることを特徴とする車両のスプラッシュシールド構造。
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