JP4608295B2 - ガス管用弁プロテクター - Google Patents

Description

この発明は、ガス管用弁プロテクター、特に、ガス管の埋設工事の際、減圧弁、仕切弁、流量調整弁等の流れ調整弁部分の掘削面積を最小限に抑えることができるガス管用弁プロテクターに関するものである。

例えば、地中に埋設されるガス管の途中には、減圧弁、仕切弁、流量調整弁等の流れ調整弁が取り付けられる。このような流れ調整弁は、弁プロテクター内に収容され、鉄蓋を開けることによって地上から操作できるように構成されている。

特許文献１（特開２００２−２１１２５号公報）には、上記弁プロテクターの一例が開示されている。以下、この従来の弁プロテクターＡを、図面を参照しながら説明する。

図６は、仕切弁に設置された弁プロテクターＡを示す垂直断面図、図７は、仕切弁に設置された弁プロテクターＡを示す水平断面図である。

図６および図７において、１１は、下部枠体、１２は、下部枠体１１上に嵌合されている中間枠体、１３は、中間枠体１２上に嵌合されている上部枠体であり、各枠体１１、１２および１３は、筒形状をなし、何れもダクタイル鋳鉄製である。上部枠体１３には、受枠１４が取り付けられ、受枠１４に鉄蓋１５が嵌め込まれている。下部枠体１１は、水道管１７の両側に設けられた底盤１６上に、水道管１７を跨ぐように固定されている。このように構成されている弁プロテクターＡ内に水道管１７の仕切弁１８が収容されている。

仕切弁１７を開閉するには、鉄蓋１４を開き、弁操作治具（図示せず）を仕切弁１８の操作軸１８Ａに嵌め込み、これを回転させる。

特開２００２−２１１２５号公報

上述した従来の弁プロテクターＡは、十分な強度を有し、しかも、弁プロテクターＡが沈下した場合であっても、その荷重が直接、水道管１７や仕切弁１８にかからないので、これらの変形や破損を防止することができる。

上述の従来の弁プロテクターＡは、水道管１７の仕切弁１８に設置されるものであり、仕切弁１８からはその操作軸１８Ａが突出する程度であるので、下部枠体１１の径もそれほど大きくする必要がない。しかしながら、ガス管の場合には、下部枠体１１の径を大きくせざるを得ない。以下、この理由を説明する。

ガス管の場合、例えば、ガス管敷設完了後、実際にガスを流す前にガス管内の空気をパージする必要がある。空気のパージは、減圧弁、仕切弁、流量調整弁等の流れ調整弁の両側に取り付けられた放散管からガス管内の空気を排出することによって行われる。

このように、放散管は、流れ調整弁の両側にこの流れ調整弁から大きく張り出した形で取り付けられているので、下部枠体１１は、流れ調整弁を含め放散管全体をカバーするような大きさにする必要がある。従って、ガス管の場合には、下部枠体１１の径を大きくせざるを得ない。

下部枠体１１の径が大きいと、その分、流れ調整弁部分の掘削面積が増え、例えば、路肩が迫っているような場合、ガス管の埋設ルートを変更せざるを得ない事態も起こる。

従って、この発明の目的は、ガス管の埋設工事の際、流れ調整弁部分の掘削面積を最小限に抑えることができるガス管用弁プロテクターを提供することにある。

本願発明者等は、上記問題を解決するために種々検討を重ねた結果、放散管は、ガス管方向には張り出すが、管径方向には張り出さないので、弁プロテクターの下部枠体を寸胴とせず、放散管が収容される部分のみを拡張すれば、下部枠体の全体の径を大きくする必要がなくなるので、流れ調整弁部分の掘削面積が減少し、この結果、路肩が迫っているような場合であっても、ガス管の埋設に支障は来たさないといった知見を得た。

この発明は、上記知見に基づきなされたものであって、下記を特徴とするものである。

請求項１記載の発明は、鉄蓋用受枠が取り付けられる上部枠体と、放散管が取り付けられた流れ調整弁に被せられる下部枠体とを備えたガス管用弁プロテクターにおいて、前記下部枠体には、拡張部が形成され、前記拡張部は、ガス管方向のみに沿って外方に広がり、前記拡張部が前記放散管に被せられることに特徴を有するものである。

請求項２記載の発明は、請求項１記載の発明において、下部枠体の下端には、フランジが形成されていることに特徴を有するものである。

請求項３記載の発明は、請求項１または２記載の発明において、上部枠体と下部枠体との間には、中間枠体が設けられていることに特徴を有するものである。

請求項４記載の発明は、請求項１から３の何れか１つに記載の発明において、枠体は、ダクタイル鋳鉄製であることに特徴を有するものである。

請求項５記載の発明は、請求項１から４の何れか１つに記載の発明において、流れ調整弁は、減圧弁、仕切弁または流量調整弁からなっていることに特徴を有するものである。

この発明によれば、ガス管の埋設工事の際、減圧弁、仕切弁、流量調整弁等の流れ調整弁部分の掘削面積を最小限に抑えることができるので、ガス管の埋設工事が簡素化されると共に、ガス管の埋設箇所が制約される恐れが少ない。

次に、この発明のガス管用弁プロテクターの一実施態様を、図面を参照しながら説明する。

図１は、流れ調整弁に設置された、この発明のガス管用弁プロテクターを示す垂直断面図、図２は、流れ調整弁に設置された、この発明のガス管用弁プロテクターを示す平面図、図３は、この発明のガス管用弁プロテクターにおける下部枠体を示す平面図、図４は、この発明のガス管用弁プロテクターにおける下部枠体を示す底面図、図５は、この発明のガス管用弁プロテクターにおける下部枠体を示す正面図である。

図１から図５において、Ｂは、この発明のガス管用弁プロテクターであり、下部枠体１と、下部枠体１上に嵌合された中間枠体２と、中間枠体２上に嵌合された上部枠体３とから構成されている。各枠体１、２および３は、筒形状をなし、何れもダクタイル鋳鉄製である。上部枠体３には、受枠４が取り付けられ、受枠４に鉄蓋５が嵌め込まれている。なお、中間枠体２は、高さ調整のためのものであり、必要に応じて設ける。

下部枠体１には、外方に広がる拡張部１Ａが形成されていて、拡張部１Ａが放散管６に被せられる。放散管６は、図１および図２に示すように、ガス管７の途中に設けられた減圧弁、仕切弁、流量調整弁等の流れ調整弁８の両側に、ガス管７方向に張り出して立ちあげられている。拡張部１Ａ以外の下部枠体１の径（Ｒ１）は、拡張部１Ａの径（Ｒ２）より短くなっている。下部枠体１の下縁には、外方に向けてフランジ１Ｂ（図２中、ハッチングで示す。）が形成されている。

拡張部１Ａを設けることによって、弁プロテクターＢを構築する際、図２中、二点鎖線で示す領域（直径Ｒ２の領域）を掘削する必要があるところ、（Ｒ１）の幅領域を掘削すればすむので、路肩が迫っているような場合であっても、ガス管の埋設に支障は来たさないと共に、ガス管の埋設工事が簡素化される。

また、下部枠体１の下縁にフランジ１Ｂが形成され、ここに面圧がかかる。従って、下部枠体１の基台等を構築する必要がなくなるので、この点からもガス管の埋設工事が簡素化される。

以上のように、この発明によれば、下部枠体全体を円筒形状に形成せず、放散管が収容される部分のみに拡張部を形成することによって、減圧弁、仕切弁、流量調整弁等の流れ調整弁部分の掘削面積を最小限に抑えることができるので、ガス管の埋設工事が簡素化されると共に、ガス管の埋設箇所が制約される恐れが少ない。

流れ調整弁に設置された、この発明のガス管用弁プロテクターを示す垂直断面図である。 流れ調整弁に設置された、この発明のガス管用弁プロテクターを示す平面図である。 この発明のガス管用弁プロテクターにおける下部枠体を示す平面図である。 この発明のガス管用弁プロテクターにおける下部枠体を示す底面図である。 この発明のガス管用弁プロテクターにおける下部枠体を示す正面図である。 仕切弁に設置された弁プロテクターＡを示す垂直断面図である。 仕切弁に設置された弁プロテクターＡを示す水平断面図である。

符号の説明

１：下部枠体
１Ａ：拡張部
１Ｂ：フランジ
２：中間枠体
３：上部枠体
４：受枠
５：鉄蓋
６：放散管
７：ガス管
１１：下部枠体
１２：中間枠体
１３：上部枠体
１４：受枠
１５：鉄蓋
１６：底盤
１７：水道管
１８：仕切弁
１８Ａ：操作軸

Claims (5)

1. 鉄蓋用受枠が取り付けられる上部枠体と、放散管が取り付けられた流れ調整弁に被せられる下部枠体とを備えたガス管用弁プロテクターにおいて、
   前記下部枠体には、拡張部が形成され、前記拡張部は、ガス管方向のみに沿って外方に広がり、前記拡張部が前記放散管に被せられることを特徴とするガス管用弁プロテクター。
2. 前記下部枠体の下端には、フランジが形成されていることを特徴とする、請求項１記載のガス管用弁プロテクター。
3. 前記上部枠体と前記下部枠体との間には、中間枠体が設けられていることを特徴とする、請求項１または２記載のガス管用弁プロテクター。
4. 前記枠体は、ダクタイル鋳鉄製であることを特徴とする、請求項１から３の何れか１つに記載のガス管用弁プロテクター。
5. 前記流れ調整弁は、減圧弁、仕切弁または流量調整弁からなっていることを特徴とする、請求項１から４の何れか１つに記載のガス管用弁プロテクター。

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