JP4608080B2 - Catvシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘッドエンドから伝送線を介して複数の端末装置へテレビ放送信号等の各種下り信号を伝送するように構成されたCATVシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、CATVセンターのヘッドエンドから複数の加入者側端末装置へ、伝送線を介してテレビ放送信号やデータ信号等の各種下り信号を伝送するCATVシステムが知られている。そして、信号伝送媒体である伝送線としては、従来より主として同軸ケーブルが用いられている。
【0003】
また、同軸ケーブルでは、伝送する信号の周波数が高いほど伝送ロスが大きくなりやすいことや、減衰した信号を増幅するために例えば数百mごとに増幅器等の中継器を設置する必要もあることなどから、近年になって、光ファイバケーブルが使用されるケースも多くなってきている。特に、伝送線全てを光ファイバにするのではなく、ヘッドエンドから加入者宅の近辺までは光ファイバにより伝送し、そこで光・電気変換装置にて光信号を電気信号に変換して、各加入者宅の端末装置までは従来と同様の同軸ケーブルにより伝送する所謂HFC(Hibrid Fiber coax)伝送方式は、光ファイバによる伝送方式の主流となっており、各加入者宅において個々に光・電気変換装置等の新たな機器を備えることなく、光ファイバによる伝送システムをより経済的に構築することができる。
【0004】
ところで、このようなCATVシステムでは、地上のテレビ放送や衛星放送等の電波をヘッドエンドにて受信し、受信した各種放送の電波を伝送線による伝送に適した周波数に変換して、伝送線上へ下り信号として送出している。また、このような通常のテレビ放送以外にも、各種データ放送や、CATV業者がそのサービスエリア内にて独自に提供する自主放送なども、下り信号としてヘッドエンドから伝送線上へ送出され、各加入者宅へ提供される。
【0005】
そのため、ヘッドエンド或いは伝送線に何らかの異常が生じて下り信号が各加入者宅の端末装置まで伝送されなくなると、当然ながら各加入者はテレビ放送を視聴できなくなるのはもちろん、テレビ放送以外の各種サービス(データ放送や自主放送など)も受けられなくなってしまう。
【0006】
特に、伝送線として光ファイバを使用する場合、光ファイバそのものの物理的強度が同軸ケーブルに比べて弱いため、災害等の異常事態発生時に光ファイバは同軸ケーブルよりも断線しやすく、しかも断線したとき、断線箇所の特定が困難で障害復旧に時間がかかることが多い。
【0007】
そこで、伝送線として光ファイバを用いる場合に、光ファイバ断線等のトラブルに備えて光ファイバを2系統(主回線と副回線)設置することが考えられ、既に実用化されている。このように光伝送路を二重化すれば、一方の回線が断線しても他方の回線に切り換えることで引き続きヘッドエンドと端末装置との間で信号の伝送ができるため、各加入者へのサービスを維持しつつ、その間、加入者側へ何ら影響を与えることなく、断線した回線の修復作業を行うことができる。尚、このような伝送線の二重化は、光ファイバに限らず同軸ケーブルによる伝送においてももちろん適用することが可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように伝送線を二重化する方法では、2系統ある回線のうち少なくとも一方が正常である限り各加入者宅への信号伝送を継続することができるものの、信号送出源であるヘッドエンド自体に何らかの異常が発生して停波してしまう(伝送線上に下り信号を送出できなくなる)と、各加入者はテレビ放送を視聴できなくなり、特に自然災害時などの緊急情報を必要とする場合にはその影響は大きい。
【0009】
即ち、上記のように伝送線を二重化する方法は、あくまでもヘッドエンドが正常であることを前提としてその本来の目的を達成できるものであり、いかに伝送線を二重化或いはそれ以上に多重化しても、ヘッドエンドが停波してしまうと、加入者側に何ら信号を伝送できなるなるのである。
【0010】
このようなヘッドエンドの異常に対しては、伝送線を二重化したのと同じように、例えばヘッドエンドを二重化する(通常使用するヘッドエンド以外に、予備用のヘッドエンドを設ける)ことが考えられ、技術的にも可能である。このようにすれば、一方のヘッドエンドが停波しても他方のヘッドエンドにより引き続き信号を送出でき、CATVシステム全体の信頼性をより向上することができる。
【0011】
しかしながら、上記のようにヘッドエンドを複数備える方法は、ヘッドエンドそのものが高額であって経済的負担が大きいのに加え、消費電力の増加やヘッドエンド設備の保守にかかる負担の増大、或いはヘッドエンドの増設にあわせて設置場所も確保(増床又は新設)する必要があるなど、種々の問題があるため、技術的には可能であっても実際上現実的ではない。
【0012】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、ヘッドエンドが停波しても各加入者宅へのサービス提供を継続できるCATVシステムを構築することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載のCATVシステムは、少なくとも、ヘッドエンドから伝送線を介して複数の端末装置へ下り信号を伝送するように構成されたものであり、ヘッドエンドと伝送線とを結ぶ経路上には、信号切換手段が設けられている。
【0014】
この信号切換手段は、ヘッドエンドから出力される下り信号を監視して、該下り信号が異常のときに、該下り信号にかえて、隣接する他のCATVシステムのヘッドエンドからシステム間伝送路を介して送られてくる下り信号を伝送線上に送出するものである。
【0015】
即ち、本発明のCATVシステムでは、当該ヘッドエンドから送出されるテレビ放送信号やデータ信号などの各種下り信号(以下「正規下り信号」ともいう)を伝送線を介して加入者側の端末装置へ伝送する信号伝送経路以外に、隣接する他のCATVシステムのヘッドエンドから送出される下り信号(以下「隣接下り信号」ともいう)も、システム間伝送路を介して入力し、伝送線を介して端末装置へ伝送できるように構成されている。
【0016】
そして、通常は正規下り信号を端末装置へ伝送するようにしているが、このとき、この正規下り信号の状態を信号切換手段が監視しており、例えばヘッドエンドの停波等により正規下り信号が異常或いは全く送出されなくなって、端末装置側で下り信号を正常に受信できないおそれがあるときは、信号切換手段が、正規下り信号の代わりに隣接下り信号を、伝送線を介して端末装置へ伝送するようにするのである。
【0017】
このため、請求項1記載のCATVシステムによれば、端末装置へ下り信号を正常に伝送できなくなっても、隣接する他のCATVシステムのヘッドエンドから送出される下り信号を入力して端末装置へ伝送することにより、各加入者に対して引き続きサービス(但し隣接する他のCATVシステムが下り信号として提供しているサービスに限る)を継続して提供することができ、CATVシステムの信頼性がより向上する。
【0018】
尚、システム間伝送路としては、CATVシステムにおける伝送線として一般的に用いられる同軸ケーブルはもちろん、光ファイバを用いたり、或いは無線にて伝送するように構成してもよく、隣接するCATVシステムのヘッドエンドからの下り信号を正規下り信号の代わりに端末装置へ確実に伝送できる限り、その具体的媒体は特に限定されない。
【0019】
また、請求項1記載のCATVシステム、或いは請求項1記載のCATVシステムにおいて隣接する他のCATVシステムは、いずれも、ヘッドエンドにて受信した地上のテレビ放送や衛星放送に加え、各種データ放送などを下り信号として端末装置へ伝送する多チャンネル型の所謂都市型CATVシステムはもちろん、難視聴地域において電波障害対策用に設置されるCATVシステム(以下「電波障害施設」と称す)であってもいいし、更に、下り信号に加えて端末装置からの各種情報等を上り信号として伝送線を介してヘッドエンドに伝送できる所謂双方向CATVシステムであってもよく、少なくとも下り信号の伝送を行うように構成されたあらゆるCATVシステムにおいて、請求項1記載の発明を適用することができる。
【0020】
ここで、上記のような双方向CATVシステムにおいて請求項1記載の発明を適用しようとすると、当該双方向CATVシステムのヘッドエンドに異常が生じて下り信号が正常に端末装置へ伝送できなくなった場合に、信号切換手段によって隣接する他のCATVシステムから下り信号を得ることができるものの、端末装置から送出された上り信号がそのまま、その異常が生じたヘッドエンドに入力されると、上り信号を正常に処理できないおそれがある。そこで、CATVシステムが双方向CATVシステムである場合は、例えば請求項2に記載したように構成するとよい。
【0021】
即ち、請求項2記載のCATVシステムは、請求項1記載のCATVシステムにおいて、当該CATVシステムは複数の端末装置から伝送線を介してヘッドエンドへ上り信号を伝送できる双方向CATVシステムであると共に、隣接する他のCATVシステムも双方向CATVシステムである。
【0022】
そして、信号切換手段は、下り信号(正規下り信号)が異常のときに、その正規下り信号の代わりに隣接下り信号を伝送線上に送出すると共に、端末装置から伝送線を介して伝送されてきた上り信号についても、隣接する他のCATVシステムのヘッドエンド(つまり隣接下り信号を送出するヘッドエンド)へ伝送するためにシステム間伝送線上へ送出するものである。
【0023】
このため、請求項2記載のCATVシステムによれば、請求項1記載のCATVシステムと同様の作用効果に加え、端末装置から送出される上り信号についても、当該CATVシステムの下り信号が異常のとき(つまり当該ヘッドエンドにて上り信号を正常に処理できないおそれがあるとき)は隣接する他のCATVシステムのヘッドエンドにおいて処理されるため、加入者は双方向サービスを引き続き享受することができる。
【0024】
尚、端末装置からの上り信号を正常に処理するために必要な情報が、その端末装置と接続されたヘッドエンド(自分のヘッドエンド)のみに存在する場合(例えば当該端末装置の加入者の電子メール送受信ファイルが当該ヘッドエンドのメールサーバのみに格納されている場合など)は、隣接する他のヘッドエンドにおいても自分のヘッドエンドにて処理する場合と同様に処理できるように、例えばヘッドエンド相互間をデータ共有用の専用線で接続することにより、自分のヘッドエンド内に格納された各種情報を隣接する他のヘッドエンドが共有できるように、或いは自分のヘッドエンドに格納される情報が常に隣接する他のヘッドエンドにも格納されるようにするなどして、隣接するCATVシステムのヘッドエンドでも上り信号を常に正常に処理できるようにすればよい。
【0025】
ところで、請求項1又は2記載のCATVシステムの信号切換手段において、ヘッドエンドから出力される下り信号を監視する具体的方法としては、例えばある特定チャンネルの下り信号のレベルを監視して、所定レベルより小さくなったときに異常と判断するようにすることもできるが、この種の下り信号は必ずしも常時出力されているわけではなく、例えばテレビ放送のない深夜から早朝にかけての時間帯などには出力されないこともある。そのため、このような判断方法では、ヘッドエンドが正常であるにもかかわらず下り信号が異常であると誤判断される場合が生じるなど、正確に判断できないおそれがある。
【0026】
一方、各種情報を含む下り信号の中には、24時間放送(つまり常時放送)されるテレビ番組もある。また、例えばCATV会社が自社宣伝のために特定チャンネルで常時放送している番組案内等の自主放送信号が出力されている場合もある。
【0027】
そこで、請求項1又は2記載のCATVシステムにおいて、信号切換手段は、請求項3に記載したように、当該CATVシステムのヘッドエンドから出力される下り信号のうち、常時出力される特定伝送信号に基づいて、下り信号が正常であるか否かを判断するようにするとよい。ここでいう特定伝送信号は、上記のような24時間(常時)放送されるテレビ放送信号や自主放送信号など、下り信号として常時出力されている信号であれば何でもよい。
【0028】
そしてこの場合、単に特定伝送信号の有無をみて判断してもいいし、特定伝送信号のレベルが所定のレベル以上であるか否かにより判断してもよく、特定伝送信号に基づいて下り信号の状態を判断できる限りあらゆる方法を採用できる。このように特定伝送信号を用いて下り信号が異常であるか否かを判断するようにすれば、下り信号の状態を正確に判断することができる。
【0029】
また、下り信号の中には、通常、例えば伝送線上に設置される増幅器等の各種伝送中継機器において下り信号の出力レベル調整用に用いられる、一定周波数のパイロット信号が含まれている。このパイロット信号は、CATVシステム全体の運用レベルの基準となるものであって、非常に安定した信号であり、しかもヘッドエンドが正常に動作している間は常時出力されているものである。
【0030】
そこで、請求項4に記載したように、請求項3記載の発明において下り信号の状態を判断するための特定伝送信号としては、パイロット信号を用いるのがより好ましい。このようにすれば、下り信号の状態をより正確に判断することができる。
【0031】
また、上記請求項1〜4記載の発明において、システム間伝送路としては、既述の通り有線・無線を問わずあらゆる伝送媒体を適用できるが、特に請求項5に記載したように、光ファイバを用いると、信号の減衰量が小さいこと、ノイズが混入しにくいこと、大容量伝送が可能であることなど、他の伝送媒体に比べて利点が多いため、より好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、複数のCATVシステムが光ファイバによって相互に接続された様子を示す説明図である。図1に示すように、本実施形態では、第1CATVセンター10と複数の端末装置(詳細は図示せず)とが伝送線L1を介して接続されて構成された第1CATVシステム1と、第2CATVセンター20と複数の端末装置(詳細は図示せず)とが伝送線L2を介して接続されて構成された第2CATVシステム2と、第3CATVセンター30と複数の端末装置(詳細は図示せず)とが伝送線L3を介して接続されて構成された第3CATVシステム3と、電波障害施設40と複数の端末装置(詳細は図示せず)とが伝送線L4を介して接続されて構成された第4CATVシステム4とが、各光ファイバ81〜95によって相互に接続されている。
【0033】
本実施形態では、各CATVシステム1〜4が構築されているエリアは、実際には相互に隣接して存在している。また、各伝送線L1〜L3はいずれも同軸ケーブルであるが、光ファイバにて構成してもいいし、従来技術で述べたようなHFC伝送方式にて構成してもいい。
【0034】
第1CATVセンター10は、第1CATVシステム1が構築されたエリア(以下「エリア1」と称す)内の複数の端末装置にテレビ放送信号やデータ信号などの下り信号を伝送すると共に、各端末装置から送出された上り信号を処理するためのものであり、主としてヘッドエンド12と、各分配器13a,13bと、回線切換器50と、各光受信機(O/E)14a,14b,17a,17b,17cと、各光送信機(E/O)15a,15b,16a,16bとで構成されている。
【0035】
ヘッドエンド12は、地上波テレビ放送,衛星放送,通信衛星などから受信した信号や自主放送信号などを、下り信号として端末装置側へ送出すると共に、端末装置側から出力された上り信号を受信して、上り信号の種類に応じた適切な処理を行うための設備である。
【0036】
また,ヘッドエンド12は、図示しない各種サーバやケーブルモデム、ルータ等を備え、外部のインターネットと接続されており、複数の端末装置がヘッドエンド12を介してインターネットに接続することができる。つまり、第1CATVシステム1は、ヘッドエンド12と各端末装置との間で各種情報の送受信(双方向通信)が可能な、所謂都市型の双方向CATVシステムとして構成されたものであり、第2CATVシステム2及び第3CATVシステム3も同じく都市型双方向CATVシステムである。
【0037】
ヘッドエンド12から送出される下り信号は分配器13bにて分配され、このうち一つの分配出力が、回線切換器50内の二つの切換スイッチ51d,51e、及びハイパスフィルタ(以下「HPF」と略す)55を介して伝送線L1上へ送出される。また、分配器13bにて分配された下り信号のうち残り二つの分配出力は、各々光送信機15a,15bに入力されて光信号に変換され、夫々光ファイバ81,82を介して隣接する第2CATVシステム2及び第3CATVシステム3へ伝送される。
【0038】
第1CATVセンター10には、隣接する各CATVシステム2〜4の各ヘッドエンド22,32,42から送出される下り信号も入力されている。具体的には、第2CATVセンター20において、ヘッドエンド22から送出されて分配器23bにて分配された下り信号が、光送信機25aにて光信号に変換され、光ファイバ83上に送出される。この下り信号(光信号)は第1CATVセンター10内で光受信機17aに入力され、ここで電気信号に変換された後、回線切換器50に入力される。
【0039】
第3CATVセンター30においても、ヘッドエンド32から送出されて分配器33bにて分配された下り信号が、光送信機35aにて光信号に変換され、光ファイバ84上に送出される。この下り信号(光信号)は第1CATVセンター10内で光受信機17bに入力され、ここで電気信号に変換された後、回線切換器50に入力される。
【0040】
電波障害施設40においても同様であり、ヘッドエンド42から送出されて分配器43にて分配された下り信号が、光送信機44aにて光信号に変換され、光ファイバ85上に送出される。この下り信号(光信号)は第1CATVセンター10内で光受信機17cに入力され、ここで電気信号に変換された後、回線切換器50に入力される。
【0041】
そのため、回線切換器50の各切換スイッチ51d,51e,51fは、通常は図示する位置にあるため、エリア1内の各端末装置には、同じエリア1内のヘッドエンド12から送出された下り信号が伝送されるわけだが、各切換スイッチ51d,51e,51fを切り換えることにより、隣接する他のCATVシステムから各光ファイバ83,84,85を介して入力された下り信号のいずれかを端末装置へ伝送することもできる(詳細は後述)。
【0042】
一方、複数の端末装置から送出され伝送線L1を介して第1CATVセンター10に入力される上り信号は、回線切換器50内のローパスフィルタ(以下「LPF」と略す)54及び二つの切換スイッチ51a,51bを介して分配器13aに入力され、分配器13aからヘッドエンド12へ入力される。
【0043】
また、上り信号は、通常は回線切換器50内の各切換スイッチ51a,51b,51cがいずれも図示する位置にあるため、上記のようにヘッドエンド12へ入力されるが、各切換スイッチ51a,51b,51cを切り換えることにより、隣接する第2CATVシステム2又は第3CATVシステム3のいずれかにも伝送できるようになっている。
【0044】
具体的には、切換スイッチ51aを光送信機16a側に切り換えることにより、各端末装置から伝送されてきた上り信号は光送信機16aに入力され、ここで光信号に変換された後、光ファイバ86を介して第2CATVセンター20へ(より詳細には光受信機24aへ)伝送される。また、切換スイッチ51bを切換スイッチ51c側に切り換えると、上り信号はこの切換スイッチ51b及び切換スイッチ51cを介して光送信機16bへ入力され、ここで光信号に変換された後、光ファイバ87を介して第3CATVセンター30(より詳細には光受信機34a)へ伝送される。
【0045】
更に、第1CATVセンター10では、隣接する第2CATVシステム2及び第3CATVシステム3において各端末装置から送出された上り信号も、ヘッドエンド12にて入力し適切に処理できるようになっている。即ち、第2CATVセンター20において、切換スイッチ61aが図示の状態とは逆の光送信機26a側に切り換えられると、各端末装置から伝送されてきた上り信号はLPF64,切換スイッチ61b,及び切換スイッチ61aを介して光送信機26aに入力され、ここで光信号に変換されて、光ファイバ88を介して第1CATVセンター10の光受信機14aに入力される。そして、光受信機14aにて電気信号に変換された後、分配器13aを経てヘッドエンド12へ入力される。
【0046】
第3CATVセンター30においも同様であり、切換スイッチ71bが図示の状態とは逆の光送信機36a側(切換スイッチ71a側)に切り換えられると、端末装置から伝送されてきた上り信号はLPF74,切換スイッチ71b,及び切換スイッチ71aを介して光送信機36aに入力され、ここで光信号に変換されて、光ファイバ89を介して第1CATVセンター10の光受信機14bに入力される。そして、光受信機14bにて電気信号に変換された後、分配器13aを経てヘッドエンド12へ入力される。
【0047】
次に、第2CATVセンター20は、第2CATVシステム2が構築されたエリア(以下「エリア2」と称す)内の複数の端末装置(詳細は図示せず)へ各種下り信号を伝送すると共に、各端末装置から送出される上り信号を受信して適切に処理するためのものであり、その構成は第1CATVセンター10とほぼ同様のものである。
【0048】
即ち、ヘッドエンド22から送出される下り信号は、分配器23bにて分配され、その分配出力の一つが、回線切換器60内の二つの切換スイッチ61d,61e及びHPF65を経て伝送線L2上に送出され、複数の端末装置へ伝送される。また、分配器23bからの分配出力のうち他の二つについては、一方が既述の通り第1CATVセンター10へ送出されると共に、他方は光送信機25bにて光信号に変換された後、光ファイバ90を介して第3CATVセンター30へ(詳細には光受信機37bへ)入力される。
【0049】
回線切換器60には、ヘッドエンド22からの下り信号が入力されるのに加え、隣接する各CATVシステム1,3,4の各ヘッドエンド12,32,42から送出される下り信号も入力される。具体的には、第1CATVセンター10から光ファイバ81を介して伝送されてきた下り信号(光信号)が光受信機27aに入力され、ここで電気信号に変換された後、回線切換器60に入力される。第3CATVセンター30においても、ヘッドエンド32から送出され、分配器33b、光送信機35b、及び光ファイバ91を介して光受信機27bに入力された下り信号(光信号)が、光受信機27bにて電気信号に変換された後、回線切換器60に入力される。電波障害施設40においても同様であり、ヘッドエンド42から送出されて分配器43、光送信機44b、及び光ファイバ92を介して入力された下り信号(光信号)が光受信機27cにて電気信号に変換された後、回線切換器60に入力される。
【0050】
そのため、回線切換器60の各切換スイッチ61d,61e,61fは、通常は図示する位置にあるため、エリア2内の各端末装置には、同じエリア2内のヘッドエンド22から送出された下り信号が伝送されるわけだが、各切換スイッチ61d,61e,61fを切り換えることにより、隣接する他のCATVシステムから各光ファイバ81,91,92を介して入力された下り信号のいずれかを端末装置へ伝送することもできる。
【0051】
一方、エリア2内の複数の端末装置から送出され、伝送線L2を介して第2CATVセンター20に入力される上り信号は、回線切換器60内のLPF64及び二つの切換スイッチ61b,61aを介して分配器23aに入力され、分配器23aからヘッドエンド22へ入力される。
【0052】
また、上り信号は、通常は回線切換器60内の各切換スイッチ61a,61b,61cがいずれも図示する位置にあるため、上記のようにヘッドエンド22へ入力されるが、各切換スイッチ61a,61b,61cを切り換えることにより、隣接する第1CATVシステム1又は第3CATVシステム3のいずれかにも伝送できるようになっている。
【0053】
具体的には、切換スイッチ61aを光送信機26a側に切り換えることにより、端末装置から伝送されてきた上り信号は光送信機26aを介して光ファイバ88上に送出され、第1CATVセンター10へ伝送される。また、切換スイッチ61bを切換スイッチ61c側に切り換えると、上り信号はこの切換スイッチ61b及び切換スイッチ61cを介して光送信機26bへ入力され、ここで光信号に変換された後、光ファイバ93を介して第3CATVセンター30へ伝送される。
【0054】
更に、第2CATVセンター20では、隣接する第1CATVシステム1及び第3CATVシステム3において端末装置から送出された各上り信号も、ヘッドエンド22にて入力し適切に処理できるようになっている。即ち、第1CATVセンター10において、切換スイッチ51aが図示の状態とは逆の光送信機16a側に切り換えられると、エリア1内の各端末装置から伝送されてきた上り信号は光ファイバ86を介して第2CATVセンター20の光受信機24aに入力される。そして、光受信機24aにて電気信号に変換された後、分配器23aを経てヘッドエンド22へ入力される。
【0055】
第3CATVセンター30においても同様であり、二つの切換スイッチ71a,71bがいずれも図示の状態とは逆に切り換えられると、端末装置から伝送されてきた上り信号はLPF74,切換スイッチ71b,及び切換スイッチ71aを介して光送信機36bに入力され、ここで光信号に変換されて、光ファイバ94を介して第2CATVセンター20の光受信機24bに入力される。そして、光受信機24bにて電気信号に変換された後、分配器23aを経てヘッドエンド22へ入力される。
【0056】
第3CATVセンター30についても、第3CATVシステム3が構築されたエリア(以下「エリア3」と称す)内の複数の端末装置(詳細は図示せず)へ各種下り信号を伝送すると共に、各端末装置から送出される上り信号を受信して適切に処理するためのものであって、上述した各CATVセンター10,20とほぼ同様の構成であるため、その詳細説明を省略し、概要について以下簡単に説明する。
【0057】
通常、ヘッドエンド32から送出され回線切換器70に入力された下り信号は、各切換スイッチ71f,71e、及びHPF75を介して伝送線L3上に送出される。そのため、エリア3内の複数の端末装置は、通常はこのヘッドエンド32から送出され伝送線L3を介して伝送されてきた下り信号を受信する。また、各端末装置から送出された上り信号も、LPF74,切換スイッチ71b,切換スイッチ71c、及び分配器33aを介して、同じヘッドエンド32に入力され、適切に処理される。これに加え、ヘッドエンド32から送出される下り信号は、光ファイバ84を介して第1CATVセンター10にも伝送されると共に、光ファイバ91を介して第2CATVセンター20にも伝送される。
【0058】
また、隣接する各CATVシステム1,2,4の各下り信号も入力されており、切換スイッチ71eを図示とは逆の位置に切り換えることにより、光ファイバ82を介して光受信機37aに入力された下り信号が端末装置へ伝送されることになり、切換スイッチ71fを図示とは逆の位置に切り換えると、光ファイバ95を介して光受信機37cに入力された下り信号が端末装置へ伝送されることになり、切換スイッチ71d及び切換スイッチ71eをいずれも図示とは逆の位置に切り換えると、光ファイバ90を介して光受信機37bに入力された下り信号が端末装置へ伝送されることになる。
【0059】
更に、各切換スイッチ71a,71bを切り換えることにより、端末装置から伝送されてきた上り信号を光ファイバ89を介して第1CATVセンター10へ伝送することができると共に、光ファイバ94を介して第2CATVセンター20へ伝送することもできる。更に、第1CATVセンター10から光ファイバ87を介して上り信号が伝送されてきた場合、或いは第2CATVセンター20から光ファイバ93を介して上り信号が伝送されてきた場合は、いずれもその上り信号を光受信機34a又は光受信機34bにて電気信号に変換した上で、分配器33aを介してヘッドエンド32にて受信し、適切に処理することができる。
【0060】
第4CATVシステム4は、上記各CATVシステム1〜3とは異なり、高層ビルや山岳地帯などにおける電波障害対策として設置されたものであり、本実施形態では、地上波テレビ放送のみを下り信号として、第4CATVシステム4が構築されたエリア(以下「エリア4」と称す)内の複数の端末装置へ伝送するようにしている。具体的には、ヘッドエンド42から送出された下り信号が分配器43により4分配され、この分配出力の一つが、エリア4内の複数の端末装置へ伝送される。また、他の分配出力のうち、一つは光送信機44aにて光信号に変換された後、光ファイバ85を介して第1CATVセンター10へ伝送され、もう一つは光送信機44bにて光信号に変換された後、光ファイバ92を介して第2CATVセンター20へ伝送され、残り一つは光送信機44cにて光信号に変換された後、光ファイバ95を介して第3CATVセンター30へ伝送される。
【0061】
尚、各回線切換器50,60,70については、後述する図2にその内部詳細を示している(但し回線切換器50のみ)が、図1では、説明の簡素化のため、下り信号及び上り信号の信号経路がわかる範囲で必要最小限の構成要素のみ抜粋して図示している。
【0062】
また、本実施形態では、各ヘッドエンド12,22,32が送出する下り信号の周波数帯域を例えば70〜770MHzとし、電波障害施設40のヘッドエンド42が送出する下り信号の周波数帯域は例えば70〜300MHzに設定している。また、各CATVシステム1,2,3において各端末装置から送出される上り信号の周波数帯域はいずれも、例えば10〜55MHzに設定している。
【0063】
更に、各CATVシステム1〜3における各伝送線L1〜L3上には、伝送線L1上に幹線増幅器TA1が、伝送線L2上に幹線増幅器TA2が、伝送線L3上に幹線増幅器TA3が、夫々設けられているほか、これら幹線増幅器以外にも、図示しないものの分岐増幅器や分配器、延長増幅器など、複数の端末装置全てに正常に信号を伝送するのに必要な各種伝送中継機器が設置されている。これらの各種伝送中継機器により、下り信号及び上り信号は適宜増幅されつつ、各端末装置側或いは各CATVセンター側に正常な状態で入力される。
【0064】
更にまた、各ヘッドエンド12,22,32はいずれも、隣接する他のCATVシステムから上り信号が伝送されてきた場合に、その上り信号を適切に処理できるように、各ヘッドエンド12,22,32相互間を専用線(図示省略)で結び、各ヘッドエンド12,22,32が有するデータを相互に共有できるようにしている。これにより、例えば各CATVシステム1,2,3において複数の端末装置に対応する電子メール送受信データが当該CATVシステムのヘッドエンドのみに格納されている場合に、隣接する他のCATVシステムの端末装置から、電子メール着信確認を要求する旨の上り信号が伝送されてきた場合、ヘッドエンド相互間の専用線を介して、その隣接するCATVシステムのヘッドエンド内にあるメールサーバ内部を参照することにより、新着メールの有無やメールデータの送信を通常通り行うことができる。
【0065】
つまり、本実施形態の各CATVシステム1〜3ではいずれも、通常は、複数の端末装置はその端末装置が存在するエリア内のヘッドエンドから送出された下り信号を受信すると共に、複数の端末装置から送出される上り信号も、そのエリア内のヘッドエンドにて受信・処理するようにしている。
【0066】
ところが、各CATVシステム1〜3において、ヘッドエンドに異常が発生して下り信号が停波してしまうと、既述の通り、その異常が復旧するまでの間は端末装置にて下り信号を受信できず、端末装置を備える各加入者宅では、テレビ放送視聴等のサービスを受けられなくなってしまう。
【0067】
そこで、本実施形態では、ヘッドエンドが停波した場合に、その停波したヘッドエンドが備えられているCATVセンター内の回線切換器を操作(切換スイッチを操作)することにより、隣接する他のCATVシステムにおけるヘッドエンドからの下り信号を端末装置へ伝送すると共に、端末装置から伝送される上り信号も、同じく隣接する他のCATVシステムのヘッドエンド(下り信号の送出源と同じヘッドエンド)に入力して適切に処理できるようにしている。
【0068】
そして、各回線切換器50,60,70の状態により、図1で既に説明したように、各CATVセンター10〜40の相互間を各光ファイバ81〜95を介して上り信号或いは下り信号が伝送されることになる。
以下、各回線切換器50,60,70の動作について説明するが、いずれの回線切換器もその構成・機能はほぼ同様であるため、第1CATVセンター10に設けられた回線切換器50を例に挙げて、図2に基づいて説明する。図2は、第1CATVセンター10内の回線切換器50の概略構成を示すブロック図である。
【0069】
図2に示すように、回線切換器50は、主として上り切換部51と、下り切換部52と、制御部53と、LPF54と、HPF55と、表示灯56と、各パイロット信号検出部57a〜57dとで構成されている。上り切換部51は、図1にて既に説明した三つの切換スイッチ51a,51b,51cにより構成され、下り切換部52も、図1にて既に説明した三つの切換スイッチ51d,51e,51fにより構成されている。
【0070】
ヘッドエンド12から分配器13bを経て入力される下り信号は、パイロット信号検出部57aを介して下り切換部52内の切換スイッチ51dに入力される。隣接する各CATVシステム2,3,4から伝送されてくる各下り信号も同様であり、第2CATVシステム2のヘッドエンド22から光ファイバ83及び光受信機17aを介して伝送(図1参照)されてきた下り信号はパイロット信号検出部57bを介して下り切換部52内の切換スイッチ51dに入力され、第3CATVシステム3のヘッドエンド32から光ファイバ84及び光受信機17bを介して伝送(図1参照)されてきた下り信号はパイロット信号検出部57cを介して下り切換部52内の切換スイッチ51fに入力され、電波障害施設40のヘッドエンド42から光ファイバ85及び光受信機17cを介して伝送(図1参照)されてきた下り信号はパイロット信号検出部57dを介して下り切換部52内の切換スイッチ51fに入力される。
【0071】
各下り信号にはいずれも、下り信号の一つとして一定周波数(例えば451.25MHz)のパイロット信号が含まれている。このパイロット信号は、各CATVシステム1〜4において下り信号のレベル調整等のための基準信号として用いられる安定した信号であり、本実施形態では、後述するように、このパイロット信号の状態に基づいて下り信号が正常であるか否かを監視している。そのため、各パイロット信号検出部57a〜57dはいずれも、例えば下り信号に含まれるパイロット信号の一部を分岐するなどの方法により、パイロット信号を検出する機能を備えており、ここで検出されたパイロット信号は、制御部53へ出力される。
【0072】
下り切換部52からHPF55側には、下り切換部52に入力された四つの下り信号のうち、各切換スイッチ51d,51e,51fにて選択された唯一つの下り信号のみが伝送される。つまり、図2に示した状態(通常の状態)では、ヘッドエンド12から分配器13b及びパイロット信号検出部57aを介して伝送されてきた下り信号が。下り切換部52を経てHPF55へ伝送されることになり、このときの各切換スイッチ51d,51e,51fの状態は、回線切換器50の初期状態(初期位置)でもある。
【0073】
HPF55は、下り切換部52から伝送されてきた下り信号(本実施形態では70〜770MHz、但し第4CATVシステム4から伝送される下り信号は70〜300MHz)を通過させると共に、端末側から伝送線L1を介して伝送されてきた上り信号(本実施形態では10〜55MHz)が下り切換部52側へ流れるのを阻止するためのものであり、そのカットオフ周波数は例えば70MHzに設定されている。尚、第2CATVセンター20のHPF65、及び第3CATVセンター30のHPF75も、HPF55と同様の目的で設けられており、そのカットオフ周波数も、共にHPF55と同じ70MHzである。
【0074】
一方、端末装置から伝送されてきた上り信号は、LPF54を介して上り切換部51に入力され、同じ第1CATVセンター10内の分配器13a、隣接する第2CATVシステム2、或いは隣接する第3CATVシステム3のうち、各切換スイッチ51a,51b,51cにて選択された唯一つにのみ伝送され、伝送された先のヘッドエンドに入力される。図2に示した状態(通常の状態)では、スイッチ51b及び51aを介して分配器13aへ伝送され、この分配器13aを経てヘッドエンド12へ入力されることになり、このときの各切換スイッチ51d,51e,51fの状態は、下り切換部52と同様、回線切換器50の初期状態(初期位置)でもある。
【0075】
LPF54は、端末側から伝送線L1を介して伝送されてきた上り信号(本実施形態では10〜55MHz)を上り切換部51側へ通過させると共に、下り切換部52から伝送されてきた下り信号が上り切換部51側へ流れるのを阻止するためのものであり、そのカットオフ周波数は例えば55MHzに設定されている。尚、第2CATVセンター20のLPF64、及び第3CATVセンター30のLPF74も、LPF54と同様の目的で設けられており、そのカットオフ周波数も、共にLPF54と同じ55MHzである。
【0076】
表示灯56は、上り切換部51及び下り切換部52の状態、より具体的には下り信号がどこから伝送されてきており、上り信号はどこへ伝送されているかを、CATVシステムの管理者等が視覚的に判断するためのものである。
制御部53は、各下り信号に含まれるパイロット信号を入力して、各下り信号が正常であるか否かを判断すると共に、隣接する各CATVシステム2〜4から伝送されてくる下り信号(光信号)の受光レベルを入力することにより、この受光レベルからも下り信号の状態を監視できるようにしている。即ち、図1では図示していないものの、各光受信機17a,17b,17cは、夫々入力された下り信号(光信号)の受光レベルを検出して制御部53へ出力できるように構成されているのである。
【0077】
そして、制御部53では、入力されたパイロット信号又は下り信号受光レベルに基づき、上り切換部51を制御するための上り制御信号を出力すると共に、下り切換部52を制御するための下り制御信号を出力し、併せて表示灯56を点灯させるための制御信号や、当該ヘッドエンド12からの下り信号に異常があった場合に異常通報を出力するための処理を実行する。以下、制御部53が実行する回線切換処理について、図3に基づいて説明する。図3は、制御部53にて実行される回線切換処理を示すフローチャートである。
【0078】
この処理が開始されると、まずステップ(以下「S」と略す)310にて、上り切換部51及び下り切換部52の初期化を行う。具体的には、上り切換部51の各切換スイッチ51a,51b,51c、及び下り切換部52の各切換スイッチ51d,51e,51fをいずれも初期位置(図1又は図2に示した状態)に切り換えるものであり、この切換は、制御部53から上り切換部51への上り制御信号、及び制御部53から下り切換部52への下り制御信号の、各出力によって行われる。これにより、エリア1内の各端末装置には同じエリア1内のヘッドエンド12から送出された下り信号が伝送されると共に、各端末装置から送出された上り信号も、ヘッドエンド12に入力されることになる。つまり、このように各端末装置が同一エリア内のヘッドエンドとの間で双方向通信を行うわけであり、これが通常の状態である。
【0079】
次に、S320では、ヘッドエンド12からの下り信号が正常であるか否かを判定する。具体的には、パイロット信号検出部57aにて検出し制御部53に入力されたパイロット信号(つまりヘッドエンド12から下り信号の一つとして出力されるパイロット信号)に基づいて行うものであり、例えばパイロット信号が全く検出されない場合にその下り信号全体が異常、延いてはヘッドエンド12が停波したものと判定するようにしてもいいし、また例えば、所定の判定レベルを設定して、パイロット信号のレベルがこの判定レベルより小さくなったときにその下り信号全体が異常と判定するようにしてもよく、端末装置側で下り信号を確実に受信できるか否かが正しく判定できるような方法を適宜選択すればいい。
【0080】
S320にてヘッドエンド12からの下り信号が正常と判定された場合は、S330に進み、各切換スイッチ51a,51b,51c,51d,51e,51fが初期位置にあるか否かを判定する。このとき、各切換スイッチはS310にて初期位置に設定された状態であるため、ここでは肯定判定され、再びS320の処理に戻る。そして、ヘッドエンド12が正常で下り信号が正常に送出されている限り、S320及びS330の処理を繰り返し実行することになる。
【0081】
一方、ヘッドエンド12に何らかの異常が生じて下り信号が正常に送出されなくなったことにより、S320にて否定判定されると、S350に進み、隣接する第2CATVシステム2のヘッドエンド22から伝送されてきている下り信号が正常であるか否かを判定する。この判定は、S320における判定と同様、ヘッドエンド22から光ファイバ83、光受信機17aを介してパイロット信号検出部57bへ入力されている下り信号から、パイロット信号を検出して制御部53へ出力し、このパイロット信号に基づいて判定することができる。
【0082】
また、これ以外にも、既に説明したように制御部53には、光受信機17aにおける下り信号受光レベルが入力されるため、この下り信号受光レベルに基づいて判定してもよい。この場合、例えば下り信号受光レベルがゼロ、即ち光信号が全く伝送されてきていない場合に異常と判定してもいいし、また例えば、所定の判定受光レベルを設定して、下り信号受光レベルがこの判定受光レベルより小さくなったときにその下り信号全体が異常と判定するようにしてもよい。
【0083】
このように、ヘッドエンド22からの下り信号の判定では、下り信号の一つとして伝送されるパイロット信号に基づく方法、又は、下り信号受光レベルに基づく方法のいずれかにより判定すればいいし、或いはまた、両者を共に判定して、パイロット信号及び下り信号受光レベルのいずれも正常の時にその下り信号が正常と判定してもよく、ヘッドエンド22側から伝送されてきた下り信号を端末装置側で確実に受信できるか否かが正しく判定できる範囲内で種々の方法を選択すればいい。
【0084】
ヘッドエンド22から下り信号が正常に伝送されてきている場合は、S350で肯定判定され、S360に進む。S360では、上り切換部51を、図示の位置に対して切換スイッチ51aのみが逆の位置(つまり光送信機16a側)に切り換えると共に、下り切換部52を、図示の位置に対して切換スイッチ51dのみが逆の位置(つまりパイロット信号検出部57b側)になるように切り換える。この切換も、S310における初期化の場合と同様、制御部53から上り切換部51への上り制御信号、及び制御部53から下り切換部52への下り制御信号の各出力によって行われる。
【0085】
これにより、第1CATVシステム1内の各端末装置には、隣接するエリア2のヘッドエンド22から送出された下り信号が伝送されると共に、各端末装置から送出される上り信号もヘッドエンド22に入力されることになり、エリア1内の各端末装置は、エリア2内のヘッドエンド22により引き続き双方向通信を行うことができる。
【0086】
そして、S370にて、表示灯56を点灯させるための制御信号を表示灯56に出力し、ヘッドエンド12からの下り信号が異常になったこと及び隣接する第2CATVシステム2のヘッドエンド22側へ回線が切り換わった状態であることを示す表示を行う。
【0087】
更に、S380に進み、異常通報信号を出力する。この異常通報は、例えばCATVセンター10内において管理者がいる部屋に電話することにより行ってもいいし、例えば管理者が常時携帯している携帯電話やPHS等の携帯端末に向けて電話或いはメール送信することにより行ってもいい。この場合、通報の内容は、単に異常が発生したことを知らせるのみに止めてもいいし、異常が生じたヘッドエンドと現在双方向通信を行っているヘッドエンドが隣接するどのCATVシステムのヘッドエンドであるかといった内容まで具体的に連絡するようにしてもいい。また例えば、単に警報ベル等を鳴らすことによって、異常が発生したことを周囲の管理者或いは作業者等に対して聴覚的に知らせるようにしてもいい。
【0088】
S380の処理が終了した後は、再びS320に戻り、以下同様の処理を行う。つまり、ヘッドエンド12が異常であってヘッドエンド22が正常である間は、上記のようにS320からS350へ進み、以下、S360〜S380の処理を実行してS320に戻るといった処理を繰り返すことになる。
【0089】
ここで、ヘッドエンド12の修復が完了し、ヘッドエンド12から下り信号を再び正常に送信できるようになった場合、S320にて肯定判定され、S330に進む。このとき、各切換スイッチ51a〜51fは初期位置ではなく、ヘッドエンド22との間で信号の送受信を行う位置にあるため、S330では否定判定され、S340に進む。そして、S340にて各切換スイッチ51a〜51fを再び初期位置に戻す処理が実行される。この処理は、S310にて行った処理と同様の処理である。
【0090】
S340により各切換スイッチ51a〜51fが初期位置に設定された後は、エリア1内の各端末装置は再び同じエリア1内のヘッドエンド12との間で信号の送受信(双方向通信)を行えるようになり、通常の状態に戻ったことになる。
一方、ヘッドエンド12からの下り信号の異常により隣接する第2CATVシステム2のヘッドエンド22との間で双方向通信を行うようにしている場合において、例えばヘッドエンド22の停波或いは光ファイバ83の断線等により、ヘッドエンド22からの下り信号までが異常となった場合は、S350にて否定判定され、S390に進む。
【0091】
S390では、隣接するエリア3の第3CATVセンター30に設置されたヘッドエンド32から送出される下り信号が正常であるか否かを判定する。この判定は、S350の判定と同様に行うものであり、ヘッドエンド32から光ファイバ84を介して光受信機17bに入力された下り信号(光信号)のレベル、即ち下り信号受光レベルに基づいて判定したり、或いは、光受信機17bから電気信号に変換されて出力された下り信号はパイロット信号検出部57cを経て下り切換部52へ入力されるため、このパイロット信号検出部57cにて検出されるパイロット信号に基づいて判定してもよく、更に、下り信号受光レベルとパイロット信号の両者を共にみて判定してもいい。
【0092】
ヘッドエンド32から下り信号が正常に伝送されてきている場合は、S390で肯定判定され、S400に進む。S400では、上り切換部51を、図示の位置から切換スイッチ51bのみが逆の位置(つまり切換スイッチ51c側)になるように切り換えると共に、下り切換部52を、図示の位置から切換スイッチ51eのみが逆の位置(つまり切換スイッチ51f側)になるように切り換える。この切換も、S310やS360と同様、制御部53からの各制御信号に基づいて行われる。これにより、エリア1内の各端末装置には、隣接するエリア3内のヘッドエンド32から送出された下り信号が伝送されると共に、各端末装置から送出された上り信号もヘッドエンド32に入力されることになり、エリア1内の各端末装置は、エリア3内のヘッドエンド32との間で引き続き双方向通信を行うことができる。
【0093】
そして、S410にて表示灯56を点灯させ、ヘッドエンド12及びヘッドエンド22からの下り信号が共に異常であること及び隣接するエリア3のヘッドエンド32側へ回線が切り換わった状態であることを示す表示を行う。更に、S420に進み、S380と同様の異常通報信号を出力して、再びS320に戻り、以下同様の処理を行う。つまり、ヘッドエンド12及びヘッドエンド22からの下り信号が共に異常であってヘッドエンド32からの下り信号が正常である間は、上記のようにS320からS350を経てS390へ進み、以下、S400〜S420の処理を実行してS320に戻るといった処理を繰り返すことになる。
【0094】
ここで、ヘッドエンド12の修復が完了し、ヘッドエンド12から下り信号を再び正常に送信できるようになった場合は、S320にて肯定判定され、S330以下の処理に進むことにより、エリア1内の各端末装置は通常通り同じエリア1内のヘッドエンド12との間で双方向通信を行うようになる。また、ヘッドエンド12はまだ修復しないもののヘッドエンド22或いは光ファイバ83等の修復が完了してヘッドエンド22からの下り信号が再び正常になった場合は、S350にて肯定判定され、S360〜S390の処理を実行することにより、ヘッドエンド32に代わって再びヘッドエンド22との間で双方向通信を行うようになる。
【0095】
また一方、上記のようにヘッドエンド12及びヘッドエンド22からの下り信号の異常により隣接するエリア3のヘッドエンド32との間で双方向通信を行うようにしている場合において、例えばヘッドエンド32の停波或いは光ファイバ84の断線等により、ヘッドエンド32からの下り信号までが異常となった場合は、S390にて否定判定され、S430に進む。
【0096】
S430では、隣接する第4CATVシステム4の電波障害施設40に設置されたヘッドエンド42から送出される下り信号が正常であるか否かを判定する。この判定も、S350やS390と同様に判定するものであり、ヘッドエンド42から光ファイバ85を介して光受信機17cに入力された下り信号の受光レベル、又はこの下り信号が電気信号に変換された後にパイロット信号検出部57dにて検出されるパイロット信号、或いは下り信号受光レベルとパイロット信号の両者を共にみて判定すればいい。
【0097】
ヘッドエンド42から下り信号が正常に伝送されて来ている場合は、S430で肯定判定され、S440に進む。S440では、制御部53からの下り制御信号に基づき、下り切換部52を、図示の位置から切換スイッチ51e及び切換スイッチ51fのみがいずれも逆の位置(つまりパイロット信号検出部57d側)になるように切り換える。尚、このとき切換スイッチ51eは、S400の処理によって既に切換スイッチ51f側に切り換えられた状態にある。これにより、エリア1内の各端末装置には隣接するエリア4内のヘッドエンド42から送出された下り信号が伝送されることになる。
【0098】
尚、電波障害施設40は、下り信号のみ送出する施設であるため、上り信号をこの電波障害施設40に伝送することはできない。このため、ヘッドエンド12からの下り信号の異常に加え、隣接するエリア2及びエリア3の各ヘッドエンド22,32からの下り信号が共に異常である場合は、エリア1の各端末装置から上り信号の伝送はできなくなるものの、電波障害施設40からの下り信号(本実施形態では地上波テレビ放送)だけは受信することができ、テレビ視聴までも全くできなくなるといった事態を回避することができる。
【0099】
そして、S450にて表示灯56を点灯させ、ヘッドエンド12、ヘッドエンド22、及びヘッドエンド32からの下り信号が共に異常であることと、隣接するエリア4のヘッドエンド42側へ回線が切り換わった状態であることを示す表示を行う。更に、S460に進み、S380やS420と同様の異常通報信号を出力して、再びS320に戻り、以下同様の処理を行う。つまり、各ヘッドエンド12,22,32からの下り信号が共に異常であってヘッドエンド42からの下り信号が正常である間は、上記のようにS320からS350、S390を経てS430へ進み、以下、S440〜S460の処理を実行してS320に戻るといった処理を繰り返すことになる。
【0100】
ここで、いずれかのヘッドエンドが修復してそのヘッドエンドから下り信号を正常に送信できるようになった場合は、S320,S350,S390の各処理のうち、修復したヘッドエンドに対応した処理において肯定判定され、その肯定判定された処理以下の処理を実行することになる。例えば、ヘッドエンド22が修復した場合はS350で肯定判定されることになり、その後更にヘッドエンド12が修復した場合はS320にて肯定判定されることになる。
【0101】
そして、上記のように各ヘッドエンド12,22,32からの下り信号がいずれも異常で電波障害施設40のヘッドエンド42からエリア1内の各端末装置へ下り信号が伝送されている場合において、さらにこのヘッドエンド42からの下り信号までが異常になってしまうと、S430で否定判定され、S470に進む。ここでは、各ヘッドエンド12,22,32,42からの下り信号がいずれも異常であることを示す表示を点灯し、更にS480に進んで、そのような異常が発生したこと(或いは単に異常が発生したこと)を管理者等に通報する。
【0102】
この状態では、エリア1の各加入者は何らCATVサービスを享受できなくなり、いずれかのCATVシステムのヘッドエンドが修復されるのを待つことになる。そしてその間は、制御部53では、S320からS350,S390,S430,S470,S480までの処理を繰り返すことになる。
【0103】
尚、上記説明では、回線切換器50について詳細に説明したが、他の回線切換器60,70についても、その構成は、各切換スイッチの初期位置が異なること以外は図2に示した回線切換器50とほぼ同様である。即ち、回線切換器60において上り切換部を構成する各切換スイッチ61a,61b,61c、及び下り切換部を構成する各切換スイッチ61d,61e,61fと、回線切換器70において上り切換部を構成する各切換スイッチ71a,71b,71c、及び下り切換部を構成する各切換スイッチ71d,71e,71fの初期位置は、いずれも図1に示した位置となる。
【0104】
そして、各回線切換器60,70が有する制御部(図示しないが、図2の制御部53と同等)が実行する処理も、図3で示した処理と基本的に同様の内容の処理を実行するものであるため、ここではその説明を省略する。つまり、第2CATVシステム2や第3CATVシステム3においても、上述した第1CATVシステム1の場合と同様に、通常は各CATVシステム内部でヘッドエンドと各端末装置との間の双方向通信を行うが、当該ヘッドエンドからの下り信号が異常になった場合は、隣接する他のエリアのヘッドエンドとの間で双方向通信できるように各切換スイッチを切り換えると共に、表示灯点灯及び異常通報出力も行うのである。
【0105】
以上詳述したように、本実施形態では、例えば第1CATVシステム1において、各端末装置は通常はヘッドエンド12との間で双方向通信を行うが、このヘッドエンド12からの下り信号の異常により、その異常が制御部53にて検出された場合は、各切換スイッチ51a〜51fを適切に切り換えることにより、隣接する他のエリアのヘッドエンド22,32,42のいずれかとの間で引き続き双方向通信(但しヘッドエンド42の場合は下り信号のみの片方向通信)を行うことができる。
【0106】
従って、本実施形態によれば、ある一つのCATVシステム内において、ヘッドエンドから端末側へ下り信号が正常に伝送できなくなっても、代わりに隣接する他のCATVシステムのヘッドエンドから送出される下り信号を入力して端末装置へ伝送することにより、各加入者に対して引き続きCATVのサービス(但し隣接する他のCATVシステムが下り信号として提供しているサービスに限る)を継続して提供することができ、CATVシステムの信頼性がより向上する。
【0107】
また、下り信号のみに限らず、端末装置から送出される上り信号についても、第1CATVシステム1,第2CATVシステム2,第3CATVシステム3の各ヘッドエンド12,22,32のうちいずれか一つが正常である限り、その正常なヘッドエンドにおいて処理することができるため、加入者は双方向サービスを引き続き享受することができる。
【0108】
更に、電波障害対策用の第4CATVシステム4からも下り信号が伝送されるようにしているため、仮に各ヘッドエンド12,22,32がいずれも異常となった場合でも、ヘッドエンド42が正常に動作している限り、電波障害施設40が提供する放送(ここでは地上波テレビ放送のみ)を視聴することができるため、最低限のテレビ放送視聴は確保することができる。
【0109】
しかも、各エリア1〜4の各CATVセンター10,20,30,40の相互間は、光ファイバにて接続されているため、同軸ケーブルや無線等による場合に比べて、信号の減衰量が小さくてノイズも混入しにくく、大容量伝送も可能であることなどから、より効率的かつ確実に信号の送受信を行うことができる。
【0110】
更にまた、下り信号に異常が生じたことを、異常通報出力や表示灯の点灯により、CATVセンターの管理者等に連絡するため、管理者等は、異常内容を正確に把握できると共に、その異常に対して迅速な処置を施すことが可能となる。
そして、例えば同じエリア内にヘッドエンドを複数設けて下り信号の異常時のバックアップを行う方法に比べて、本実施形態では、各CATVセンター相互間を光ファイバで接続するだけでいいため、CATVセンター内の既存の設備をそのまま利用でき、ヘッドエンド停波対策をより経済的に実現することができる。
【0111】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素の対応関係を明らかにする。本実施形態において、各回線切換器50,60,70はいずれも本発明の信号切換手段に相当し、各光ファイバ81〜95はいずれも本発明のシステム間伝送路に相当する。
【0112】
尚、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では三つの都市型CATVシステム(各CATVシステム1〜3)及び一つの電波障害施設40を相互に接続することにより、ヘッドエンド停波等による下り信号異常時の対策を実現しているが、相互に接続するCATVシステムの数や種類は特に限定されない。
【0113】
そして、上記実施形態では電波障害施設40のヘッドエンド42が停波すると、エリア4内の端末装置には下り信号が伝送されなくなってしまうため、電波障害施設40にも、隣接する他のエリアのヘッドエンドから下り信号が伝送されるように構成してもよい。そうすれば、ヘッドエンド42が停波しても、他のヘッドエンドからの下り信号により引き続きテレビ放送視聴を継続することができる。
【0114】
また、上記実施形態では、ヘッドエンド12からの下り信号の状態判定(S320)をパイロット信号に基づいて行うようにしたが、これに限らず、例えば24時間常時放送されるテレビ放送信号に基づいて判定してもよく、下り信号として常時出力される信号であって、しかも端末装置側で下り信号を確実に受信できるか否かが正しく判定できる信号であれば何でもよい。隣接する他のCATVシステムからの下り信号の判定(S350,S390,S430)についても同様であり、パイロット信号或いは下り信号受光レベルに基づく判定に限定されない。
【0115】
更に、上記実施形態では、例えばエリア1において同じエリア1内のヘッドエンド12から下り信号が正常に伝送されなくなった場合に、隣接するエリアからの下り信号を、エリア2、エリア3、エリア4の順番で取り込むようにしたが、取り込む順番がこの順番に限らないことはいうまでもない。
【0116】
更にまた、上記実施形態では、各エリア1〜4を相互に接続する信号伝送媒体として、各種伝送特性に優れた光ファイバを採用したが、光ファイバに限定されることはなく、例えば隣接するCATVセンターの距離が短くて同軸ケーブルでも十分である場合は同軸ケーブルにて相互に接続してもよく、隣接するCATVセンターの距離などの各種条件を考慮して、より効率的、経済的に構築できる信号伝送媒体を選べばよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の、複数のCATVシステムが光ファイバによって相互に接続された様子を示す説明図である。
【図2】 第1CATVセンター内の回線切換器の概略構成を示すブロック図である。
【図3】 制御部にて実行される回線切換処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…第1CATVシステム、2…第2CATVシステム、3…第3CATVシステム、4…第4CATVシステム、10…第1CATVセンター、12,22,32,42…ヘッドエンド、13a,13b,23a,23b,33a,33b,43…分配器、14a,14b,17a〜17c,24a,24b,27a〜27c,34a,34b,37a〜37c…光受信機、15a,15b,16a,16b,25a,25b,26a,26b,35a,35b,36a,36b,44a〜44c…光送信機、20…第2CATVセンター、30…第3CATVセンター、40…電波障害施設、50,60,70…回線切換器、51…上り切換部、51a〜51f,61a〜61f,71a〜71f…切換スイッチ、52…下り切換部、53…制御部、54,64,74…ローパスフィルタ(LPF)、55,65,75…ハイパスフィルタ(HPF)、56…表示灯、57a〜57d…パイロット信号検出部、81〜95…光ファイバ、L1〜L4…伝送線、TA1〜TA3…幹線増幅器
Claims (5)
- 少なくとも、ヘッドエンドから伝送線を介して複数の端末装置へ下り信号を伝送するようにした、CATVシステムにおいて、
前記ヘッドエンドと前記伝送線とを結ぶ経路上には、
前記ヘッドエンドから出力される前記下り信号を監視して、該下り信号が異常のときに、該下り信号にかえて、隣接する他のCATVシステムのヘッドエンドからシステム間伝送路を介して送られてくる下り信号を前記伝送線上に送出するための、信号切換手段が設けられている
ことを特徴とするCATVシステム。 - 請求項1記載のCATVシステムにおいて、
当該CATVシステムは前記複数の端末装置から前記伝送線を介して前記ヘッドエンドへ上り信号を伝送できる双方向CATVシステムであると共に、前記隣接する他のCATVシステムも双方向CATVシステムであって、
前記信号切換手段は、
前記下り信号が異常のときに、前記上り信号を、前記システム間伝送線上へ送出することにより、前記隣接する他のCATVシステムのヘッドエンドへ伝送する
ことを特徴とするCATVシステム。 - 請求項1又は2記載のCATVシステムにおいて、
前記信号切換手段は、当該CATVシステムのヘッドエンドから出力される前記下り信号のうち、常時出力される特定伝送信号に基づいて、前記下り信号が正常であるか否かを判断する
ことを特徴とするCATVシステム。 - 前記特定伝送信号は、前記下り信号の一つとして出力される一定周波数のパイロット信号である
ことを特徴とする請求項3記載のCATVシステム。 - 前記システム間伝送路は光ファイバであることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のCATVシステム。
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