JP4608078B2 - 遊技機のコマンド送受信記憶装置及びその方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、停電等の電源遮断状態から電源が復帰した場合に、遊技状態を制御する主制御回路から遊技球の払出等を制御する副制御回路にコマンドを確実に伝達するコマンド送受信記録装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機、特にパチンコ機においては、ゲーム内容の高度化に伴い、単一の制御回路で遊技を制御することが困難であるため、遊技機の遊技状態を制御する主制御基板の他に、遊技球の払出等を制御する副制御基板を設けて役割分担を行い、複雑な遊技の制御をしている。このような遊技機では、前記主制御基板は一方的に命令信号(コマンド)を送信するのみであり、前記副制御基板は前記主制御基板から送信されたコマンドを一方的に受信するのみであるように構成され、正確に遊技の制御を行っている。
【0003】
このような遊技機において、主制御基板から副制御基板へコマンドが送信されている最中に停電等の電源遮断状態になると、このコマンドが損失され、電源復帰時にはこの損失されたコマンドを補うことなく遊技機の制御が再開されるため、遊技者が不利益を被る場合がある。特に、損失されたコマンドが遊技球の払出に関するコマンドである場合には、遊技者の不利益の度合いが著しい。
【0004】
主制御基板から副制御基板へ確実にコマンドを伝達することに関連する技術として、特開平11−440号公報には、主制御回路から可変表示装置を表示制御する可変表示制御回路にコマンドを1方向に繰り返し送信する技術(以下、先行技術という。)が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の先行技術では、遊技状態に関わらずコマンドを主制御回路が副制御回路に対して一方的に繰り返し送信しているだけであるため、停電等の電源遮断状態発生から電源復帰にいたる場合などでは、主制御回路から送信されたコマンドのうちどのコマンドまでが正常に副制御回路に受信されたかということに関わらず遊技が再開されてしまい、遊技者が不利益を被る場合がある。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決すべく成されたもので、停電等の電源遮断状態発生から電源が復帰した場合に、主制御回路から出力されたコマンドのうち、副制御回路が受信していないコマンドを確実に前記副制御回路が受信でき、前記副制御回路が受信したコマンドに従って遊技機の制御を実行することのできるコマンド送受信記憶装置及びその方法を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、遊技状態を制御するためのコマンドを送信する送信専用の第1の制御部と、前記第1の制御部から送信されたコマンドを受信し、当該コマンドに基づいて、遊技状態を制御する受信専用の第2の制御部と、を備えた遊技機において、前記第1の制御部又は前記第2の制御部において停電等の電源遮断状態を検出する検出手段と、前記第1の制御部から送信した識別コードを有するコマンドの送信履歴を前記第1の制御部側で記憶する第1の記憶手段と、前記第2の制御部が前記第1の制御部から受信した受信履歴を前記第2の制御部側で記憶する第2の記憶手段と、前記第1の制御部に設けられ、前記電源遮断状態からの復帰時に、前記第1の記憶手段に記憶されている送信履歴に基づいて、前記第1の記憶手段に記憶されている最終の送信履歴から少なくとも1つ遡って前記第1の制御部から順次コマンドを前記第2の制御部に向かって送信する第1の制御復帰手段と、前記第2の制御部に設けられ、前記第1の制御復帰手段から送信されたコマンドを前記第2の記憶手段に記憶されている受信履歴と比較するとともに、前記コマンドが有する識別コードを基に重複するコマンドを排除し、かつ新たなコマンドを順次前記第2の記憶手段に記憶させる第2の制御復帰手段と、を有することを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、遊技状態を制御する第1の制御部が送信したコマンド及び払出等を行う装置を制御する第2の制御部が受信したコマンドを、送信履歴及び受信履歴として第1の記憶手段及び第2の記憶手段に記憶させることで、遊技機が停電等の電源遮断状態から復帰した後、第1の制御部が送信したコマンドの履歴を基に、電源遮断が発生したと思われる時点から少なくとも1つ分だけ遡ったコマンドを再送信する一方、第2の制御部は受信したコマンドの履歴を基に比較し、重複したコマンドを排除するとともに未受信のコマンドのみを順次第2の記憶手段に記憶することで、一方向ながらにして正確な情報伝達が可能になり、電源遮断発生時点の状態から遊技機の制御を正確に復帰させることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、遊技状態を制御するための識別コードを有するコマンドが送信専用の第1の制御部によって送信され、前記第1の制御部から送信されたコマンドを受信し、当該コマンドに基づいて、遊技状態を受信専用の第2の制御部に制御させる遊技機において、予め前記第1の制御部から送信されたコマンドの履歴を前記第1の制御部側で記憶し、同時に、前記第2の制御部に受信されたコマンドの履歴を前記第2の制御部側で記憶し、停電等の電源遮断状態が発生した後、電源が復帰した際に、前記第1の制御部及び第2の制御部のそれぞれに設けられた電源遮断検出回路が、電源遮断が生じたことを検知し、前記電源遮断検出回路による電源遮断の検知をトリガとして、前記第1の制御部から最後に送信されたコマンドから少なくとも1つ遡ったコマンドを送信し、当該コマンドと前記第2の制御部に受信されたコマンドとを識別コードを基に比較し、前記第2の制御部が受信済みの重複するコマンドを排除することで、前記第2の制御部が正確に遊技機の制御を復帰することを特徴とする遊技機のコマンド送受信記憶方法。
している。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、遊技状態を制御するための識別コードを有するコマンドを送信する第1の制御部と、遊技球の払出等を行う装置を制御する第2の制御部と、を有する遊技機において、前記第1の制御部から送信されたコマンドの履歴を記憶する第1の記憶手段と、前記第2の制御部が受信したコマンドの履歴を記憶する第2の記憶手段と、電源遮断を検知する検知手段と、前記第1の制御部から最後に送信されたコマンドから少なくとも1つ遡ったコマンドを送信する第1の制御復帰手段と、当該コマンドと前記第2の制御部に受信されたコマンドとを識別コードを基に比較し、前記第2の制御部が既に受信済みのコマンドを削除する第2の制御部と、を用いて構成することで、正確に遊技機の制御を復帰させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
図2には、本実施の形態に係るパチンコ機110の遊技盤111が示されている。この遊技盤111における円弧状のレール112で囲まれた領域が遊技領域であるゲージ部114とされている。ゲージ部114には、全面に渡って複数の釘が打ち込まれ、レール112を通って打ち出されたパチンコ球がこの釘116に当たって跳ねたり、釘116によって形成される案内路に案内されながら、落下していくようになっている。また、この釘116のほか、ゲージ部114に向かって左右対称の位置には、風車118が取り付けられており、パチンコ球を予期しない方向へ方向転換させるようになっている。
【0013】
さらに、ゲージ部114には複数の位置に入賞口120が設けられ、この入賞口120にパチンコ球が入ることにより、所定数のパチンコ球が遊技者に払い出されるようになっている。
【0014】
このようなゲージ部114は、ほぼ左右対称系とされており、この中央部には特別図柄変動装置122が配置され、その表示部124が露出されている。この表示部124の下方には特別図柄変動装置122を始動するための第1の始動口としての特別図柄始動入賞口126が設けられている。
【0015】
特別図柄始動入賞口126のさらに下方には、大入賞口128が配置され、前記特別図柄変動装置122での所謂当たりの表示状態で所定時間開放され、大量のパチンコ球を入賞させることができる構成となっている。
【0016】
なお、特別図柄始動入賞口126に入賞したパチンコ球は、最大4球分保留され、特別図柄変動装置122による抽選結果の案内が終了した時点で、保留された分が消化されるようになっている。この保留球の数は、ゲージ部114の一部に設けられた4個の特別図柄保留ランプ(図示省略)の点灯/消灯状態によって報知している(点灯が保留)。
【0017】
また、ゲージ部114には、第2の始動口としての普通図柄始動領域130と、0〜9までの一桁の数字を表示可能な普通図柄表示部132とが設けられており、普通図柄始動領域130にパチンコ球が入賞すると、普通図柄表示部132の表示が変動し、所定の当たり数字になると、前記特別図柄始動入賞口126に設けられた可動部としての電動チューリップ134が所定時間開放するようになっている。この電動チューリップ134の開放により、特別図柄始動入賞口126への入賞の確率が物理的に高まることになる。なお、この普通図柄始動領域130に入賞したパチンコ球は、最大4球分保留され、電動チューリップ134の一連の動作が終了した時点で、保留された分が消化されるようになっている。
【0018】
上記ゲージ部114の下部にはパネル140が設けられており、このパネル140の前面側にはパチンコ球を発射するためのハンドル136と、パチンコ球を受ける受け皿138とが設けられている。ハンドル136は、前記パネル140の内部から突出された回転軸に取付けられており、この回転軸を中心に回転可能とされている。すなわち、遊技者がこのハンドル136を把持して回転することで、発射装置300(図3参照)が稼動すると共に、前記ハンドル136の回転角度に基づいて発射強度が設定されるようになっている。なお、この回転には、付勢力が付与されており、遊技者が手を離すと自動的にもとの回転位置に戻る構造となっている。
【0019】
図3の(A)には、上記パネル140内部に設けられ、パチンコ球をゲージ部114へ打ち出すための発射装置300の概略が示されている。なお、図3の(B)には、図3の矢印A方向からみた、発射装置300の概略が示されている。
【0020】
発射装置300は駆動部302を有している。パチンコ球の案内面が略V字型に形成されたレール112の一端(基部側)に、駆動部304が設置されている。
【0021】
駆動部302は、直方体形状のカバー部材304で覆われたソレノイド306を備えている。ソレノイド306には、プランジャー308が嵌挿されており、ソレノイド306の軸線方向に沿って移動可能とされている。このプランジャー308の一端には略台形円錐状の杵先部308Aが設けられ、他端にはその外周に沿ってフランジが設けられている。
【0022】
杵先部308Aはカバー部材304の外側に突出しており、杵先部308Aの下底端面がカバー部材304の外壁面に当接することによってプランジャー308の移動が制限される。また、プランジャー308の中央部は拡径されており、拡径された部分の端面がカバー部材304の内壁面に当接するように構成されている。これにより、上述した杵先部308Aとカバー部材304とが当接することによりプランジャー308の移動が制限される構成に代わり、プランジャー308の拡径された部分の端面がカバー部材312の内壁面に当接することによってプランジャー308の移動を制限するようにしてもよい。また、プランジャー308のフランジを有する一端はカバー部材304の外側に突出しており、プランジャー308のフランジとカバー部材304の一端の外壁面との間でプランジャー308に圧縮コイルばね310が巻装されている。これにより、移動したプランジャー308が圧縮コイルばね310の付勢力によって、移動する前の所定の位置へ戻るようになっている。
【0023】
これにより、ソレノイド306の通電状態及び非通電状態を選択的に切り替えてプランジャー308を往復運動させることによって生じる衝撃力が、プランジャー308の杵先部308Aの上底端面を介してパチンコ球に伝達され、パチンコ球を打ち出すことができる。
【0024】
図4には、パチンコ機110を制御するための制御系の概略が示されている。制御系は、主制御基板150を中心として、払出制御基板152、音声制御基板154、ランプ制御基板156、発射制御基板158、表示制御基板160等、機能毎に分類されている(なお、以下これらを総称する場合は副制御基板151という)。
【0025】
主制御基板150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御基板150からの命令信号(コマンド)に基づいて、その他の副制御基板151が独自に実行する。なお、主制御基板150には、主制御基板150から副制御基板151へ送信されたコマンドの送信履歴を記憶するための送信履歴用メモリが備えられており、副制御基板151には、主制御基板150から送信されたコマンドの受信履歴を記憶する受信履歴用メモリが備えられている(後述)。
【0026】
払出制御基板152は、パチンコ球の払出し数を制御するものであり、音声制御基板154は、パチンコ機110に設けられたスピーカ162からの効果音等の出力を制御する。また、ランプ制御基板156は、パチンコ機110に取り付けられた電飾部材(遊技盤状態表示灯)164、及び図示しない特別図柄保留ランプ及び普通図柄保留ランプ等の点灯・消灯を制御する。
【0027】
ハンドル136を操作すると、ハンドル操作をしている信号が前記主制御基板150を介して発射制御基板158に伝えられ、前記発射制御基板158は、遊技者によるパチンコ球の発射を制御する。
【0028】
表示制御基板160は、前記表示部124が表示ドライバ166を介して接続されており、主制御基板150からの命令信号に基づいて、所定の演出効果をもたらす表示を実行する。また、表示制御基板160は、普通図柄表示部132も制御する。
【0029】
前記主制御基板150には、特別図柄始動入賞口126に設けられた特別図柄入賞センサ168及び普通図柄始動領域130に設けられた普通図柄入賞センサ170、並びに各入賞口120に設けられた入賞センサ172が接続されている。また、この主制御基板150には、電動チューリップ134を開閉させるためのソレノイド174が接続されている。
【0030】
また、主制御基板150では、特別図柄や普通図柄の抽選がなされ、この抽選結果に基づく表示部124での表示内容を選択し、表示制御部160へ命令信号を出力する。すなわち、表示制御部160には、複数の命令信号に基づく異なる表示内容のデータが予め記憶されており、命令信号に基づいてデータが選択されて、起動するようになっている。また、主制御基板150及び副制御基板151は、信号線202により管理制御基板200に接続されている。この管理制御基板200は、信号線208を介して、管理制御基板200で処理した様々なデータをホールコンピュータ206へ出力する。これにより、店側で各パチンコ機110の状況を把握することができる。
【0031】
なお、前記発射制御基板158には、上述の発射装置300が備えるソレノイド306が接続されている。
【0032】
また、主制御基板150及び副制御基板151には、それぞれ図示しない電源遮断検出回路が設置されており、停電等の電源遮断が発生したことを検出する(後述)。
【0033】
図1には、本実施の形態に係る主制御基板150と副制御基板151との間での送信コマンドの処理の概略が示されている。ここでは、副制御基板151として払出制御基板152を用いて説明するが、受信履歴用メモリを備えた副制御基板151は払出制御基板152に限らず、他の副制御基板151でもよい。
【0034】
主制御基板150と払出制御基板152とには、それぞれ電源遮断が発生したことを検出する図示しない電源遮断検出回路が設置されている。これにより、主制御基板150及び払出制御基板152には、停電等の電源遮断状態になったことを通知する電源遮断通知信号が前記電源遮断検出回路から送信される。
【0035】
主制御基板150には、前記主制御基板150から払出制御基板152へ送信されたコマンドの履歴を記憶する送信履歴用メモリ350が備えられている。
【0036】
さらに、主制御基板150には主制御復帰回路352が備えられており、電源遮断検出回路から送信された電源遮断通知信号を受信した場合に、送信履歴用メモリ350に記憶してある最終履歴のコマンドに対して3つ遡ったコマンドから順次送信するように主制御基板150を制御する。これにより、最終送信履歴として送信されたコマンドよりも遡ってコマンドが送信されるため、電源が復帰した場合に万一、最終受信履歴として受信履歴用メモリ354に記憶されているコマンドが破損していても、このコマンドが破損する前の状態で再送信されることにより、遊技者の不利益をなくすことができる。
【0037】
なお、本実施の形態では、最終履歴として記憶されているコマンドに対して3つ遡ったコマンドを送信するように設定してあるが、これに限定されるものではなく、電源が遮断した際に破損してしまうコマンドの数を考慮して、少なくとも1つ遡ってコマンドを送信するように設定しておけばよい。
【0038】
なお、主制御基板150から送信されるコマンドには識別コードを付けておき、同じコマンドであっても識別できるようにしておく。
【0039】
また、払出制御基板152には、主制御基板150から送信されたコマンドを記憶するための受信履歴用メモリ354が備えられている。
【0040】
さらに、払出制御基板152には、副制御復帰回路356が備えられている。
【0041】
前記副制御復帰回路356は、前記主制御基板150から送信されたコマンドを一旦前記受信履歴用メモリ354に記憶する。前記副制御復帰回路356は、コマンドの有する識別コードを基に、主制御復帰回路352によって送信されたコマンドが受信履歴用メモリ354に既に記憶されている場合は、重複したコマンドを排除し、受信用履歴用メモリ356に記憶されていない場合は前
記受信履歴用メモリ354に前記コマンドを記憶保持するように制御する。
【0042】
送信履歴用メモリ350及び受信履歴用メモリ354の記憶領域がなくなり、新しいコマンドが前記送信履歴用メモリ350及び受信履歴用メモリ354に記憶されると、前記送信履歴記憶メモリ352及び受信履歴用メモリ354にそれぞれ記憶されている最も古いコマンドが削除され、記憶内容が更新される。
【0043】
なお、前記受信履歴用メモリ354は、払出制御基板152が受信した電源遮断前のコマンドの受信履歴及び電源復帰後のコマンドの受信履歴とを記憶するため、前記受信履歴用メモリ354の記憶容量は、前記送信履歴用メモリ350の記憶容量と比べて同じ又は大きいものを用いる。
【0044】
また、前記送信履歴用メモリ350及び受信履歴用メモリ354には図示しないバックアップ電源が接続されており、前記バックアップ電源には停電の間に前記送信履歴用メモリ350及び受信履歴用メモリ354に記憶されているデータの記憶保持に十分な電力を供給できる。
【0045】
次に、本実施の形態の作用について詳細に説明する。
【0046】
停電が発生する直前時において、主制御基板150から払出制御基板152に送信したコマンドがコマンド5であるとする。前記コマンド5が最終送信履歴として送信履歴用メモリ350に記憶される。
【0047】
前記コマンド5を払出制御基板152が受信完了する前に停電が発生すると、受信履歴用メモリ354に記憶されている最終受信履歴は前記コマンド5の一つ前に前記主制御基板150から送信されたコマンド4になる。
【0048】
停電から電源復帰すると、電源遮断検出回路から送信された電源遮断通知信号がトリガとなって、送信履歴用メモリ350に記憶されている最終送信履歴であるコマンド5に対して3つ前の送信コマンド2に遡り、コマンド2から順にコマンドが払出制御基板152に送信され始める。
【0049】
払出制御基板152では、コマンド2、コマンド3及びコマンド4が既に受信履歴用メモリ354に記憶されているため、電源復帰後に主制御基板150から送信されたコマンド2、コマンド3及びコマンド4を副制御復帰回路356が削除する。
【0050】
コマンド4の次の送信コマンドであるコマンド5以降のコマンドが順に受信履歴用メモリ354に記憶保持される。
【0051】
図5には、本実施の形態に係る主制御復帰回路352及び副制御復帰回路356の動作のフローチャートが示されている。
【0052】
まず、主制御復帰回路352の動作のフローチャートを説明する。
【0053】
主制御復帰回路352の処理が開始される(ステップS100)と、ステップS102に移行する。
【0054】
ステップS102では、主制御基板150が電源復帰の状態か否かを判断する。電源復帰でない場合は、次のステップS104へ移行する。
【0055】
ステップS104では、主制御基板150からコマンド及び識別コードが副制御復帰回路356に送信される。前記ステップS104での処理が終了すると、ステップS106に移行する。
【0056】
ステップS106では、送信履歴用メモリ350のデータをシフトさせ、最も古い送信履歴を削除する。前記最も古い送信履歴を削除すると、ステップS108に移行する。
【0057】
ステップS108では、前記主制御基板150から送信されたコマンドの最新のデータを前記送信履歴用メモリ350に記憶させる。ステップS108での処理が終了すると、前記主制御復帰回路352の処理が完了する(ステップS110)。
【0058】
一方、前記ステップS102において、主制御基板150が電源復帰の状態である場合には、ステップS112へ移行する。
【0059】
ステップS112では、送信履歴用メモリ350に記憶されているデータが最終の送信履歴のコマンドから3つ遡って古いデータから順に副制御復帰回路356へ送信される。
【0060】
次に、副制御復帰回路356の動作のフローチャートを説明する。
【0061】
ステップS114で副制御復帰回路356の処理を開始すると、次のステップS116に移行する。
【0062】
ステップS116では、前記払出制御基板152が電源復帰か否かを判断する。前記払出制御基板152が電源復帰でない場合は、次のステップS118に移行する。
【0063】
ステップS118では、前記ステップS104において、前記主制御基板150から送信されたコマンド及び識別コードを受信して、前記コマンド及び識別コードに従った処理を前記払出制御基板152に行わせる。ステップS118での処理が終了すると、次のステップS120へ移行する。
【0064】
ステップS120では、受信履歴用メモリ354に記憶されているデータをシフトして、最も古いデータを削除する。ステップS120での処理が終了すると、次のステップS122へ移行する。
【0065】
ステップS122では、受信履歴用メモリ354に最新のデータを記憶する。ステップS122での処理が終了すると、次のステップS124へ移り、副制御復帰回路356の処理が完了する。
【0066】
一方、前記ステップS116において、前記払出制御基板152が電源復帰である場合には、ステップS126に移行する。
【0067】
前記ステップS126では、前記ステップS112において、前記主制御基板150から送信されたコマンド及び識別コードを受信し、前記コマンド及び識別コードが前記受信履歴用メモリ354に既に記憶されているデータと古い順に比較される。
【0068】
前記受信履歴用メモリ354に同じ識別コードが存在した場合には、重複するコマンドを排除し、新たなコマンドを順次前記受信履歴用メモリ354に記憶させる。
【0069】
前記ステップS126での処理が終了すると、ステップS124へ移り、副制御復帰回路356での処理が完了する。
【0070】
なお、付随的な効果として、本発明は、主制御回路150から出力されたコマンドのうち、副制御回路151が受信していないコマンドを確実に前記副制御回路151が受信でき、前記副制御回路151が受信したコマンドに従って遊技機の制御を実行するため、遊技者に不利益が被ることを防止することができる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、遊技機が停電等の電源遮断状態から電源が復帰した後、主制御部が送信したコマンドの履歴を参照し、送信履歴用メモリに記憶されている最終履歴から少なくとも1つ遡ってコマンドを再送信する。一方、副制御部では、受信したコマンドの受信履歴を基に判断して、受信済みのコマンドを削除して新しいコマンドのみを受信する。これにより、主制御部から副制御部への正確な情報伝達を可能にすることができる。すなわち、電源遮断発生時から電源を復帰させる際に、電源遮断が発生した時よりも数コマンド前の送信履歴と受信履歴とを比較することで、既に受信済みのコマンドは再実行されないように重複するコマンドを排除し、また、未実行のコマンドから確実に処理を実行して遊技機を制御できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る主制御復帰回路及び副制御復帰回路の概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るパチンコ機の概略正面図である。
【図3】(A)は本発明の実施の形態に係る発射装置の概略図であり、(B)は(A)の矢印A方向からの概略図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るパチンコ機の制御系を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る主制御復帰回路及び副制御復帰回路の動作のフローチャートである。
【符号の説明】
110 パチンコ機(遊技機)
150 主制御基板
151 副制御基板
152 払出制御基板
350 送信履歴用メモリ
352 主制御復帰回路
354 受信履歴用メモリ
356 副制御復帰回路
Claims (2)
- 遊技状態を制御するためのコマンドを送信する送信専用の第1の制御部と、
前記第1の制御部から送信されたコマンドを受信し、当該コマンドに基づいて、遊技状態を制御する受信専用の第2の制御部と、を備えた遊技機において、
前記第1の制御部又は前記第2の制御部において停電等の電源遮断状態を検出する検出手段と、
前記第1の制御部から送信した識別コードを有するコマンドの送信履歴を前記第1の制御部側で記憶する第1の記憶手段と、
前記第2の制御部が前記第1の制御部から受信した受信履歴を前記第2の制御部側で記憶する第2の記憶手段と、
前記第1の制御部に設けられ、前記電源遮断状態からの復帰時に、前記第1の記憶手段に記憶されている送信履歴に基づいて、前記第1の記憶手段に記憶されている最終の送信履歴から少なくとも1つ遡って前記第1の制御部から順次コマンドを前記第2の制御部に向かって送信する第1の制御復帰手段と、
前記第2の制御部に設けられ、前記第1の制御復帰手段から送信されたコマンドを前記第2の記憶手段に記憶されている受信履歴と比較するとともに、前記コマンドが有する識別コードを基に重複するコマンドを排除し、かつ新たなコマンドを順次前記第2の記憶手段に記憶させる第2の制御復帰手段と、
を有する遊技機のコマンド送受信記憶装置。 - 遊技状態を制御するための識別コードを有するコマンドが送信専用の第1の制御部によって送信され、
前記第1の制御部から送信されたコマンドを受信し、当該コマンドに基づいて、遊技状態を受信専用の第2の制御部に制御させる遊技機において、
予め前記第1の制御部から送信されたコマンドの履歴を前記第1の制御部側で記憶し、同時に、前記第2の制御部に受信されたコマンドの履歴を前記第2の制御部側で記憶し、 停電等の電源遮断状態が発生した後、電源が復帰した際に、前記第1の制御部及び第2の制御部のそれぞれに設けられた電源遮断検出回路が、電源遮断が生じたことを検知し、
前記電源遮断検出回路による電源遮断の検知をトリガとして、前記第1の制御部から最後に送信されたコマンドから少なくとも1つ遡ったコマンドを送信し、当該コマンドと前記第2の制御部に受信されたコマンドとを識別コードを基に比較し、前記第2の制御部が受信済みの重複するコマンドを排除することで、前記第2の制御部が正確に遊技機の制御を復帰することを特徴とする遊技機のコマンド送受信記憶方法。
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